『リプレイ:アナーキー』 GM:カムリ

本作品は「矢野俊策」「F.E.A.R」「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『ダブルクロス The 3rd Edition』の二次創作物です。
©️矢野俊策/F.E.A.R/KADOKAWA

本編ログ|雑談ログ

登場PC

PC1:”指龍”龍神貴好りゅうじん・たかよし【キャラシート】(PL:優水)
PC2:”藁人形ストローマン”エマ・カルナデス【キャラシート】(PL:湊)
PC3:”オッドボール”柳瀬順吾やなせ・じゅんご【キャラシート】(PL:ロケット商会)
PC4:”バニティ”乃木清和のぎ・せいわ【キャラシート】(PL:めかぶ)

目次

【PREPLAY】

GM:今回は円滑な進行のため、事前に自己紹介文をPLの皆さんからいただいています。
GM:なのでPL各位に関しては、自由に野次とかを飛ばして行ったり補足したりしていってください。
GM:まずはPC1。龍神貴好くん。

【キャラシート】
龍神貴好:いえいっ〜!
『トラス4』人員管理システム:龍神貴好(りゅうじん・たかよし)大学3年生、21歳。 お人好しなところはあるものの、ちょっとばかり対人に壁を作りがちです。 まあ、所謂内向的な青年と言っていいでしょう。でも彼女はいるんだよな。
『トラス4』人員管理システム:平凡すぎる毎日に厭気がさしているところで、そんな時に今回オーヴァードに関わって覚醒してしまうわけですが……
『トラス4』人員管理システム:そうして変貌したのは触腕を絡ませたような化け物。
『トラス4』人員管理システム:以降、人間に擬態することで日常生活を送ります。
『トラス4』人員管理システム:「僕は『龍神貴好』」と何かと呟きますが、これは自分を失わないためのおまじない、だそうです。
『トラス4』人員管理システム:性能はピュア死招きの爪で殴ることしか考えてないマンです。足りないダイスはエンブレムで補う!
『トラス4』人員管理システム:以上です。よろしくお願いします!
GM:ということで……擬態系主人公の龍神くん!この線の細いイケメンが異形に変わるの、めちゃくちゃ興奮しますね。
龍神貴好:擬態しています。よろしく〜
GM:ピュア死招きもめちゃくちゃ火力的に怖い。覇者の証も強いんだよな~
GM:では、そんな龍神くんのハンドアウトはこちら!

HO1:”指龍”龍神貴好(PL:優水) シナリオロイス:エマ・カルナデス
推奨感情:○P 興味/N 不安

きみは華吶町立寄咲よりさき大学に通う、平凡な学生のはずだった。
しかしある夜。昨日と同じ今日、今日と同じ明日――そんな「日常」は一変する。
突如闇に現れた異形の怪物に襲われ、きみは死を迎えた。
直後、きみは死から蘇り――怪物すらも打ち倒す、異能の力に覚醒することになる。
困惑するきみの前に、突如として謎の人物が現れ、告げた。
きみには選択肢がある。「日常」への回帰と、街に潜む闇との対決。
どちらかの札を捨てなければならない。選択するのはきみ自身だ。

GM:ということで……死から覚醒し、謎の美少女に助けられてもらう!!
龍神貴好:日常が……終わる!
荒崎怜:だから危ないことするなって言ったのに……

龍神貴好:死から覚醒して謎の美少女を怖がらせましょう!
龍神貴好:あっ彼女だ!
荒崎怜:フン……
GM:ということで彼女とイチャイチャしたりヴィジランテライフを送ったりして
GM:スタイリッシュ×アーバンな超能力者生活を送っていきましょう。よろしくお願いします!
龍神貴好:よろしくおねがいしまーす!!

GM:では、続いてPC2。エマ・カルナデスさん。

【キャラシート】
エマ・カルナデス:ん。ちゃっちゃとよろしく。
『トラス4』人員管理システム:"藁人形(ストローマン)"エマ・カルナデス/18/Female/Solaris-Exile-Balor/FH Children-C 元FHセル「トラス4」の実験体で、現在は「トラス4」残党のアナーキー達のリーダーとして動いています。 表の職業はビデオショップ『Chill to Shift』の店員。厭世的、浮世離れ、無愛想。
『トラス4』人員管理システム:「トラス4」壊滅時にあるセルメンバーによって離脱させられ、それ以来自分が生かされた意味を自問し続ける日々。
『トラス4』人員管理システム:自分の価値を認められず、さりとて残った面子や街の住人への負い目から、何処へも行けずに華訥町の現状維持を続けています。
『トラス4』人員管理システム:能力はオーソドックスなカウンター型、および「傷のストック」。
『トラス4』人員管理システム藁人形ストローマンのコードネームも能力傾向から与えられたものですが、当人はあまり気に入ってない模様。
『トラス4』人員管理システム:データ的には濃縮体+異形の刻印で生残性の確保、リアクション不可の反撃やドッジ不可の範囲攻撃を利用します。
『トラス4』人員管理システム:Dロイス「復讐者」でシナリオ1回、HP残量に応じたダメージを叩きつけます!
『トラス4』人員管理システム:後は《ゼログラビティ》や《孤独の魔眼》で味方の機動性や防御をアシストしたりですかね〜。
『トラス4』人員管理システム:バロール系統の能力はセル凍結後に訓練して発展させていることもあり、前歴と繋がらないよう夜警活動で積極的に使っているようです。
『トラス4』人員管理システム:と言うわけで演じるPLは湊が務めさせていただきます。 よろしくお願いします!
GM:ということで我らトラス4の悩めるリーダー!エマさんの自己紹介でしたッ
GM:サバイバーズギルドに苦しむ少女のヴィジランテ統率者……コードネームもアーイイ
GM:儚げな容貌に際してとんでもないHPも確保しているので、ハンパな攻撃だと復讐者でワンパンされそうだ
GM:そんなエマさんのHOはこちら!

HO2:”藁人形ストローマン”エマ・カルナデス(PL:湊) シナリオロイス:瑛・A・アヴァス
推奨感情:P 信頼/○N 厭気

きみは元FH実験部隊「トラス4」の生き残りにして指揮官だ。
「トラス4」は実験時の事故により凍結され、セントラルドグマとの接続は既に失われて久しい。
きみたちは幸か不幸か解き放たれ、独力で生きることを余儀なくされた。
全てを失い夜に歩き出したきみの手には、贖罪の灯だけが残されている。
日向の住人にとって、レネゲイドの存在は天災にも等しい。
一般人を演じながら、自警団として街の平和を守る必要があるだろう。
だが同時にきみは、「トラス4」の詳細を探る何者かの目を認識しつつあった。
オペレーターの瑛・A・アヴァスは、自衛のため街の異変の調査をきみに命じる。
償いの灯を守り切れるかは、きみの手に懸かっている。

エマ・カルナデス:はぁ…火の粉は振り払うしかない、ね。
瑛・A・アヴァス:ということで町の調査だ!大体お前は『トラス4』のリーダーを拝命しているわりに積極性が足りん

瑛・A・アヴァス:別に自警活動を認めているわけではないがより克己心を持たなければ今後日常生活を送るうえで……
瑛・A・アヴァス:(スネ夫が自慢話をしている時のBGM)
エマ・カルナデス:またハナブサの説教が始まった……ヤナセー、代わってー
GM:ということで、短気かつ凶暴、こうるさいオペレーターと街の調査をしている途中に、龍神君を助けてもらいます。
柳瀬順吾:『現在、柳瀬順吾は電波の届かない場所にあるか、電源が入っていないためお繋ぎできません』
GM:バックレてる!!
GM:サボってる場合じゃないぞ!次に紹介されるのはお前だ!

GM:PC3!柳瀬順吾くん!

【キャラシート】
柳瀬順吾:ウェカピポ!
『トラス4』人員管理システム:PC3、”オッドボール”柳瀬順吾、大学生に通うごく普通のオーヴァードです。
『トラス4』人員管理システム:大学では映画学科に所属しており、C級のアホ映画を撮ることに血道をあげている。
『トラス4』人員管理システム:当然、常に単位不足の貧困にあえいでおり、真面目に映画を勉強している人たちからはナメクジ並みのアホだと思われています。
『トラス4』人員管理システム:いつも寝不足でへらへらしており、何の真面目さも感じられません。
『トラス4』人員管理システム:だが、その正体は「トラス4」のアナーキーにして、ひたすら戦闘用に調整されたオーヴァードなのだ!
『トラス4』人員管理システム:オーヴァードとしての能力は、ブラックホールの生成と制御。
『トラス4』人員管理システム:こいつを敵にぶつけて…破壊する!
『トラス4』人員管理システム:能力的なスペックとしては、サイバーアーム&特殊義肢に、漆黒の波濤と漆黒の拳をくっつけることで、常時装甲無視範囲攻撃をするという身もふたもない仕様です。
『トラス4』人員管理システム:まさに戦闘一辺倒で、これ以外の社会的な能力は持ち合わせていません。お金もコネもない。
『トラス4』人員管理システム:それでも「トラス4」のみんなのことは心から大好きで、平和が一番だと思っています。
『トラス4』人員管理システム:以上、宜しくお願い致します。
GM:何だこいつ……戦うことしか能のないマシーンじゃねえか
GM:常時装甲無視範囲攻撃をするやつが平和が好きなんて二度と思い上がるんじゃねえ
柳瀬順吾:平和の礎だよ~
GM:誰かこいつを何とかできるやつはいないのか!? はっ このHOは!!

HO3:”オッドボール”柳瀬順吾(PL:ロケット商会) シナリオロイス:”ブラック・ブロック”
推奨感情:○P 連帯/ N 猜疑心

きみは元FH実験部隊「トラス4」の生き残りであり、直接戦闘のため調製された個体だ。
きみが「トラス4」の自警活動と日常生活の板挟みになりながら日々を過ごす折、
きみの所属する映画サークルに、一人の客が訪ねて来る。
客の名は”ブラック・ブロック”。かつて「トラス4」に協働出資していたセル、「ピパ・ソング」のエージェントだ。
”ブラック・ブロック”はきみにある「忠告」を告げる。
「トラス4」を狙う存在がいる。彼らはきわめて執念深く、狡猾で、組織的であると。
”ブラック・ブロック”の話に取り合うべきだろうか? 
いずれにせよ、銃口を向ける先は自分自身で選択しなければならない。

柳瀬順吾:俺の映画に出資する話じゃないんかい!
”ブラック・ブロック”:この間のゾンビが太極拳やる奴はなかなか良かったよ

GM:ということで、怪しいFHお姉さんに忠告されるところから始まるOPです。コワクナイヨ~
柳瀬順吾:そうかなあ~ がんばります!
GM:いい根性だ!ではラスツ!

GM:PC4!乃木清和さん!

【キャラシート】
乃木清和:きたね!私だよっ
『トラス4』人員管理システム:乃木清和(のぎ・せいわ)です。コードネームは《バニティ》。
『トラス4』人員管理システム:ジャズバー「Club Malebolge」のホールスタッフとして働くフリーター。
『トラス4』人員管理システム:年齢は20歳、キザっぽいふるまいをするのが好きな長身の女性。
『トラス4』人員管理システム:もともと野良のオーヴァードでしたが、この卓の前日譚シリーズ第6話あたりで、ジャズバーを巡る事件にて共闘したことをきっかけにトラス4に加入した追加戦士です。
『トラス4』人員管理システム:幼馴染の少女を失った過去を持ち、その一件による因縁からFHを追っていると表向きには話していますが……実は何やら秘密があるようですね。
『トラス4』人員管理システム:シンドロームはオルクス/ウロボロス。水晶の剣持ち単体射撃マンです。
『トラス4』人員管理システム:水晶の剣で強化した武器をオーバーロードしつつ、デメリットはエンブレムの効果で踏み倒しちゃうよ~。
『トラス4』人員管理システム:そのほか、師匠の技をコピーしたという設定で《原初の黒:時の棺》を所有してるので、隠し技的に使いたいな~と思っています!
『トラス4』人員管理システム:以上、どうぞよろしくお願いします!
GM:ということで……トラス4のイケメン王子様系追加戦士!乃木さんの登場だ!
乃木清和:王子だよ~
GM:メロい(直球)
乃木清和:フフ……一杯やってく?
GM:前日譚第6話も面白かったなあ……まさかこんな人が裏切り野郎だなんてあるわけ……はっ このHOは!?

HO4:”バニティ”乃木清和(PL:めかぶ) シナリオロイス:坂城只人
推奨感情:○P 忠誠/N 疑念

きみは表向きは「トラス4」にスカウトされたオーヴァードだ。
しかしその実情はUGNから派遣された潜入捜査官アンダーカヴァである。
華訥町の不安定なFH勢力を重く見たUGN七咲支部長・坂城只人は、組織を介さない情報収集を決定。
UGNの表立った介入を避けるため、きみからの情報を今後の作戦決定指針にするのだという。
当然、「トラス4」の動向も、きみの報告すべき監視内容の範疇だ。
だが、「トラス4」に長期間潜入した今、きみの心は揺らぎつつある。
彼らを裏切者として告発すべきか、無秩序な夜警行為に一定の価値を認めるのか。
誇りなどない。灰に塗れた任務だったとしても、きみは見極めなければならない。

GM:う……ウワァ~~~~ッ ま……まさか
GM:乃木さんがUGNのダブルクロスだったなんてェ~~~~~~ッ
乃木清和:この麗しき王子の正体が…UGNエージェントだってことを…やつらにバレるわけにはいかないッ
GM:血も涙もない野蛮なヴィジランテどもにバレたらどうなるか解りませんからね
乃木清和:しかも心は揺らいでいるところですからね 余計にバレるわけにはいかんぜよ
坂城只人:悪いが、君が頼りだ。危険な任務になってすまないが、よろしく頼む。

乃木清和:あっ 美形の上司
GM:七咲市の支部長、コードネームは”リセ”です。仲良くしてあげてね。
乃木清和:りせちーじゃん は~い!仲良くしま~す
GM:ということで……最後にトレーラーを貼り、セッションを開始していきましょう!

『リプレイ:アナーキー』

■トレーラー

昨日と同じ今日。今日と同じ明日。
日々は繰り返し時を刻み、変わらないように見えた。
しかし――きみたちの知らない所で、世界は既に変貌していた。

都心。多数のFH勢力が均衡状態にあり、UGNも不干渉を貫く繁華街、華訥町かとつちょう
異能と欲望が交錯する夜を、月に照らされ駆けるものたちがいる。
「アナーキー」。UGNが確認できていないイリーガルのうち、
更に独自の理念を持って組織化し、無政府的に活動するものたちを指す。

凍結されたFH実験部隊「トラス4」は、華訥町の「アナーキー」である。
日々夜警活動に励む彼らが発見したのは、力に目覚めた一人の学生。
その邂逅を契機に、「トラス4」を狙う影との戦いは、加速度的に激しさを増していく。

影と日向を往来する彼らは、何を捨て、何を償い、何を貫き、何を守るのか。
すべてを裏切ったとしても、己の自由だけは手放してはならない。

ダブルクロス。それは裏切りを示す言葉。

GM:それではセッションを開始します。よろしくお願いします!楽しんでいきましょう!
乃木清和:よろしくお願いしま~~す!!
エマ・カルナデス:よろしくお願いします!
龍神貴好:よろしくお願いします!
柳瀬順吾:宜しくお願い致します!

【Opening1:8月14日 23時37分/『ローンマート』華吶町一番街店付近】

8月14日 10時19分 / 華吶町立寄咲大学 第二講堂

龍神貴好:「んー……っ」
龍神貴好:小さく目立たないように伸びをする。
GM:寄咲大学は、極めて珍しい「町立」の大学である。
GM:華吶町。人口と税収において、都心二位を誇る繁華街。
GM:地方からの人口流入が激しいこの町においては、以前から若者の受け皿となる学術機関が必要だ、と言う声が多く寄せられ、
GM:現在寄咲大学は、総生徒数2000人、学部数20を誇る大規模の大学と化している。
GM:よって当然、授業にも質のばらつきが多い。
ゲバ棒を持った大学講師:「良いかァ!今日は社会構造学の……無政府主義アナーキズムの話をするぞォ!」
ゲバ棒を持った大学講師:「一言で言うと、無政府主義ってのは自由との契約だ。政府や組織を否定し、各個人が自由意思に基づいて己の統治をおこなう」
ゲバ棒を持った大学講師:「著名な思想家で言うとバクーニンとかクロポトフキンあたりがいるわけだが……」
龍神貴好:正直、あまり興味をそそられない内容だった。あくびを噛み殺し、とりあえずメモをする。
ゲバ棒を持った大学講師:「おい龍神ッ 眠そうにしてるのは解ってるからなッ」
GM:くすくす、と周りから忍び笑いが漏れる。
龍神貴好:「……ちゃんと聞いてますよ、ちゃんと」
龍神貴好:自由との契約。自分とはあまりに縁のない言葉だ。
ゲバ棒を持った大学講師:「大体お前からは覇気が感じられん!自由と言う言葉からは最も程遠いやつだ!」
ゲバ棒を持った大学講師:「やりたいことはないのか、やりたいことは!?」
西舘雅也:「は、始まった……おいタカくん。適当答えときゃいいからな」

西舘雅也:後ろの席。派手な髪色の男子生徒が、きみを小突く。
龍神貴好:少し口角を浮かべて西舘に大丈夫、と応える。
西舘雅也:「マジ? 思想が強すぎるんだよな、あの教授……名前なんだっけ?」
龍神貴好:「僕は、それなりに勉強して、彼女といられればそれでいいから」
龍神貴好:「……なんだっけ」名前を覚えられていない。それだけ、インパクトが強い。
西舘雅也:「ああ……荒パイな。正直あんな人と付き合えたら人生アガリって感じだよな~……」
龍神貴好:「まあー……だから」
龍神貴好:「やりたいこと、は。彼女と幸せになることかな」
龍神貴好:小っ恥ずかしいことを言っている自覚はある。
ゲバ棒を持った大学講師:「かァーーーーーーーッ」
ゲバ棒を持った大学講師:「たるい!たるんどる!何だッその……青春を謳歌してる学生みたいなぶったるんだ台詞は!」
ゲバ棒を持った大学講師:「良いか!大体私が学生の時はなァ!」
荒崎怜:す、と手が上がる。
荒崎怜:「先程から聞いていましたが」
荒崎怜:「教授の講義内容は、特定の思想に傾倒し、著しく公平性を欠いたものかと思います」
荒崎怜:「加えて、学生のプライベートをみだりに公衆の面前で詰問する行為は、教授会での審議対象になるかと思われますが」
龍神貴好:(……怜。助かる)
荒崎怜:「……そもそも、無政府主義アナーキーというのは、福祉国家としての当国においては現実的ではないことに留意すべきではないかと」
龍神貴好:「僕も……」
龍神貴好:「必要がないのであれば、アナーキズムに飛び込んで行く気にはなれないです」
荒崎怜:じろりと横目できみを睨みながら。「今の時代は、すべてが自己責任・・・・であるが故に、個人の裁量を越えた問題は公的機関に任せるべきだと思います。個人的にはですが」
龍神貴好:「……これでも結構、やりたいこと言えるようになっただけ進歩だと思うんだけどな」
ゲバ棒を持った大学講師:「まあ……ウンッ 今の時代はそう言う考え方もあるよな!多様性だ、多様性!」
ゲバ棒を持った大学講師:「その……だから、教授会だけは……」
荒崎怜:「報告します。興味本位でしたが、これ以上この講義を受けることに合理性は感じません」
荒崎怜:そう言って、ちらりときみを一瞥し。振り返り、講堂から出ていく。
龍神貴好:(かっこいい……)
ゲバ棒を持った大学講師:しなしなと崩れ落ちている。
ゲバ棒を持った大学講師:「きょ……きょうの講義は……ここ……まで」
西舘雅也:「コワ~~」さっさと筆記用具とPCを片付けながら。
西舘雅也:「お前マジであの人と付き合ってるの?」
龍神貴好:さっと立ち上がる。
龍神貴好:「マジだよ。僕もちょっとだけ信じられなくなることあるけど」
龍神貴好:「じゃあ、追っかけるから……」
西舘雅也:「すげえ……まあ、タカってちょっと浮世離れしてるとこあるもんな」
龍神貴好:「はは。なんだよそれ」軽く手を振り、怜の後を追って講堂を出る。
西舘雅也:「お疲れ。今度ラーメンでも食い行くべ」手を振る声が小さくなっていく。
GM:大学のテラスに入ったきみの携帯に、メッセージアプリの通知が届く。
荒崎怜:『あれは何?』
荒崎怜:『もっと強く言い返してよかった』
荒崎怜:『毅然とした対応をしないといつまでも搾取される。タカのよくないところ』
龍神貴好:(相変わらず気が強いな……そう言うところ、好きだけどさ)
荒崎怜:『あと、皆の前で付き合っていることは言いふらさないで』
荒崎怜:『何のメリットも感じないし』
荒崎怜:『その』
荒崎怜:『照れるから』
龍神貴好:「えっと、なんて返すか……」
荒崎怜:(怒っているウサギのスタンプ)
龍神貴好:「……ふふっ」
龍神貴好:照れる、の文字とスタンプに笑みが溢れてしまう。
荒崎怜:『今日。約束。12時から一番街の前集合』
龍神貴好:『オッケー。色々ありがと』
龍神貴好:『なんかあったら連絡する』
龍神貴好:そして少し考えてから、
龍神貴好:「さっきかっこよかった、と……」
龍神貴好:そうやって文字を打っていたから、周りの様子に気を遣えなかった。
エマ・カルナデス:画面に視線を向けていた彼の視界の端に、突然黒と青が入り込んでくる。
龍神貴好:(あれ?)
エマ・カルナデス:衝撃。
GM:ぶつかると同時に、きみが感じたことがいくつかあった。
GM:「分厚い」。ゴム人形を束ねて重ねた質量に激突したような感触。
GM:跳ね返すことも、回避することもできなかった。横転する。
龍神貴好:「……?なにが」
龍神貴好:気がつくと床が見えている。
エマ・カルナデス:ぶつかったはずの相手が、よろけもせずにいた背を翻して振り向く。
エマ・カルナデス:「………」
龍神貴好:(女の子)
龍神貴好:(この子が?)
龍神貴好:ぶつかった感触と目で捉えた情報の矛盾をうまく処理できない。
エマ・カルナデス:あなたの目をじっと見る青い少女は、手を差し出す。
エマ・カルナデス:「大丈夫ですか?」
龍神貴好:「!……あ、うん」
龍神貴好:手を取って、起き上がる。幸いスマホには見えないほどの小さい傷がついただけのようだ。
龍神貴好:「ごめん、ぼーっとしてて」
エマ・カルナデス:「それ。危ないから、やめた方がいいですよ」
龍神貴好:「あ、はい……」
龍神貴好:反論できない。思いの外浮かれていた。
エマ・カルナデス:スマホを指差して、何事もなかったように振り返り、去り際に一言。
エマ・カルナデス:「この辺、治安悪いですから。……では」
龍神貴好:「えっ……?」
龍神貴好:治安が悪い?聞こえた言葉に自信が持てなかった。
龍神貴好:「……変な子だったな」
龍神貴好:呟くと、待ち合わせまで少しの時間を潰すために購買に足を伸ばした。

8月14日 23時17分/華吶町一番街 路地

GM:荒崎怜との「デート」に、決まって大きな変化はない。
GM:いつもと同じ喫茶店。いつもと同じゲームセンター。いつもと同じ飲み屋。
GM:翌日の予定によっては、互いの家への宿泊が重なる。
GM:たとえばきみの友人の西舘雅也に言わせれば、「面白みのない」ものだろう。
GM:だが荒崎怜は、そういった変化のない毎日こそを気に入っているのだという。
龍神貴好:そう、だから。
龍神貴好:怜は変化のない毎日の、見方を少し変えてくれる虹色の羽衣だった。
龍神貴好:平凡な変わり映えのない毎日に膿んでいたのはそうで。
龍神貴好:彼女との付き合いも、『変わり映えのない』毎日だとしても、
荒崎怜:「タカくん。……貴好たかよしくん」
龍神貴好:彼女との会話や、ゲームセンターでの勝負や、一緒に食べる食事は───
荒崎怜:きみの隣を歩く荒崎怜が、指を引っ張る。頬の血色で、少しだけ酔っていることがわかる。
龍神貴好:「あ、うん。ごめん、ぼーっとしてた?」
GM:深夜の華吶町一番街は、無軌道な若者のるつぼだ。
GM:道端で嘔吐するものや、外国人らしき集団に何かを受け渡しているもの、携帯を出して道端に座り込んでいるもの。
荒崎怜:「危機感が足りない」
龍神貴好:「そうか……」
柳瀬順吾:「……あ~~~~っ! 違う違う違う! そうじゃないんだって!」
柳瀬順吾:遠くから、大騒ぎする声が聞こえる。
龍神貴好:「?」
龍神貴好:「何やってるんだろ」
柳瀬順吾:「その演技だと、完全に本物になっちゃうじゃん! この映画のタイトルもう一回言うね!」
柳瀬順吾:「『戦うな!偽ストローマン!』だよ! きみがやったのは本物ストローマンの演技!」
柳瀬順吾:「偽ストローマンだから、もっとこう……テンションが高くて、ナンジャワレェみたいな感じで!」
柳瀬順吾:「もう一回いこ! 大丈夫! できるできる! ……ハイ!」
龍神貴好:「………なんだと思う?」よくわからないものを見たな、と隣の怜に呟く。
荒崎怜:「この辺りは治安が悪いし……ああいう」騒いでいるジャージの若者を指さす。「絶望的に愚かな若者も多いから」
龍神貴好:「ぜつぼうてきにおろか」
荒崎怜:「あんまり見ない!」顔をグキッとこちらの方に回す。
龍神貴好:「ぎゃっ」
荒崎怜:「絡まれたら何をされるか解らない。偽ストローマンにされるかも」
荒崎怜:瞳は真剣そのものだ。冗談を言っているわけではない。
龍神貴好:「いや、ていうかストローマンてなに」
荒崎怜:「Strawman。藁人形やカカシ、転じて看板として担ぎ出される人間の比喩……」不服そうにそらんじる。
龍神貴好:「ははー藁人形……」
荒崎怜:「……不毛。タカくんにそんなことに対する脳容量を使って欲しくない」
龍神貴好:「そうか……じゃあ、すこし急いで歩こうか」
荒崎怜:指がふたたび、くい、と引かれる。
龍神貴好:「うん?」
荒崎怜:「タカくんは、危機感が足りない」
荒崎怜:「周りへのことじゃない。自分への」
龍神貴好:「そうは言ってもなあ」
荒崎怜:「そのスマホの傷」顔を乗り出す。「どこかにぶつけたでしょう」
龍神貴好:「うっ……はい、ちょっと転んだ拍子に……」
荒崎怜:「誰かとぶつかったんだ」
龍神貴好:どきりとする。
龍神貴好:「ぶつかったけど……やましいことはなんもないぞ」
荒崎怜:「そういうことを気にしてるわけじゃない。人にぶつかったことを隠そうとする精神性の方を指摘してる」
荒崎怜:「あなたの性格上、何も言い返さずにその場を去ったんでしょう。そういう扱いを自分にしてたら、いつか立ち行かなくなる」
龍神貴好:「それは……」
荒崎怜:「皆自分のことだけを考えるのが精いっぱいなの。……私の大切な人なら、きみもそうして」
龍神貴好:「…………」
GM:荒崎怜の死んだ「父親」のことを、きみは交際前に聞いていた。
GM:駅の線路で眠る浮浪者を助けようとして、命を落としたのだという。
GM:母方の実家に引き取られた荒崎怜は、それから何不自由なく育った。
GM:だが今、実家での暮らしを断ってまで、荒崎怜は華吶町での就職を選んでいる。彼女の父が死んだ街での生活を。
龍神貴好:「僕は、別に自分を大切にしてないわけじゃない」
龍神貴好:嘘だ。少なくとも本当ではない。
龍神貴好:「ただ……人と関わるのはうまくないから」
龍神貴好:「少し、練習したいんだよ」
龍神貴好:「きみの……お前のためにも」
荒崎怜:「そう」
荒崎怜:指が絡められる。
荒崎怜:「そういう考えなら、私も言いすぎた。ごめんなさい」
龍神貴好:「ううん」絡められた指に胸が高鳴る。
龍神貴好:「心配してくれてんの、伝わってるし」
荒崎怜:「家に帰ったら……その。沢山”練習”に付き合ってあげるから」
龍神貴好:「………うん」
龍神貴好:「頼んだ」
GM:きみたちの足は自然に近くのコンビニエンスストアへ向いていた。
GM:人通りが少なく、食料品や生理用品が安い。互いの家に止まる前には、駅近くのコンビニで買い出しを済ませるのが暗黙の了解となっていた。
荒崎怜:「ちょっと、色々買うから。……明日、講義ないでしょう。タカくん」
龍神貴好:「うん。明日はオフだよ」
荒崎怜:「芸能人みたい」
荒崎怜:少し遅れて、口角が上がる。つまらない冗談を言ったのだとわかった。
龍神貴好:「僕は西舘とは似ても似つかないだろ」軽口で返す
GM:人通りは少なくなる。『Club Malbolge』と言う評判のジャズバーの看板がネオンを散らすが、それもすぐに見えなくなっていった。
GM:夜に四角いミニチュアの箱のような光が灯っている。荒崎怜はその前で立ち止まり、振り返る。
荒崎怜:「少し待ってて」
荒崎怜:「……二人での買い物見られるの、恥ずかしいから」
龍神貴好:「うん。わかってる」
龍神貴好:「行ってらっしゃい」
荒崎怜:頷き、『ローンマート』という看板の中へと消えていく。
荒崎怜:自動ドアが開く音。閉まる音。
GM:開く音。
GM:ぼちゃん、という水袋を投げ捨てたような音がした。
GM:ゴム手袋のような何かが、湿った音を立ててきみの目の前に落ちている。
龍神貴好:「?」
GM:夜の闇で良くは見えない。目を凝らしてもいいし、無視して店の中に入ってもいいだろう。
龍神貴好:しゃがんで、正体を確かめようと、手を伸ばす。
龍神貴好:……やっぱり、危機感は足りなかったのかもしれない。
GM:手袋の「手」にあたる部分から何かがことりと滑り落ちた。
GM:コンビニエンスストアによくあるような、バーコード読み取り機だ。
GM:読み取り機を握っていたものは手だった。人の手。
龍神貴好:「えっ」
龍神貴好:「うわっ……」少し触れた手を大急ぎで引き戻す。
龍神貴好:(やばいやばいやばい)
GM:肘の付け根あたりから寸断され、自動ドアへと投げ捨てるように放られたのだと、今のきみが気付けたかどうか。
龍神貴好:「……怜!!」
GM:――じりりりりりりりりりりりりりりりりりりり!!!!!!!!
GM:店内からけたたましい警報機の音が響く。
GM:だが、来ない。人が。
GM:――人通りが少なすぎる。
龍神貴好:「なんだって……なんだってんだよ!」
荒崎怜:「――あっ、あっ、た、たかっ、たかくん!タカ!!」
荒崎怜:店内から叫び声が聞こえる。
荒崎怜:「――逃げて・・・!!!」
龍神貴好:弾かれたように走り出す。
龍神貴好:店の、方向へと。
龍神貴好:「ばっかやろ……」
怪物:ぐじゃ
怪物:その足が止まった。投げ出されたと言ってもいい。
龍神貴好:「え」
怪物:浮遊感。衝撃、鈍痛。
龍神貴好:「あ」
龍神貴好:「あっ。あ」
怪物:右足に燃えるような痛みがあった。
怪物:「ちりりりりり きゃりりりりりり」
怪物:喉からガラスのような声を響かせる、それは異形だった。
龍神貴好:「なん」
龍神貴好:痛みで目の前の光景が正しく認識できない。
龍神貴好:ああ、夢なのかな。
怪物:のっぺりとしたガラスのような皮膚に、人間大の姿かたち。体表には眼球じみた器官が泡のように浮かんでは消える。
怪物:そして腕には、きみの右足を持っていた。
龍神貴好:「あは」
龍神貴好:「はははは……」
荒崎怜:「――け、けいさつ……よんだっ、よんだ、からっ。ねえっ!!」
荒崎怜:ふらふらと、血まみれになった荒崎怜が。店から出てくる。
龍神貴好:れいだ。
龍神貴好:よかった、いきてる。
荒崎怜:「たかくんに近付くなッ!この化け物ッ!」
龍神貴好:「ばか……にげろよ」
龍神貴好:「いいから……」
荒崎怜:「や、やだ……パパ、たかくん、助け、助けっ」
荒崎怜:半狂乱になりながらも、きみを背負おうとする。
荒崎怜:「何言ってるの!!死んじゃうでしょう!!」
龍神貴好:「いい、から……」
荒崎怜:「警察、呼んだから!!絶対何とかしがぇッ」
怪物:再び衝撃が走った。今度は荒崎怜ごと。
龍神貴好:「れ」
荒崎怜:吹き飛ばされ、ガラスに激突する。ずるずると倒れ込む。
荒崎怜:白く染色された髪がみるみる赤い血で染まっていく。
GM:同時に突き飛ばされたきみの胸郭にも、ガラスの破片がとめどなく刺さっている。
龍神貴好:「れい………れい」
荒崎怜:「………た………ん」
荒崎怜:「い、い………ら………」
龍神貴好:目から勝手に 水が溢れおちてくる。
GM:最後の一言だけは、はっきりと聞こえる。
荒崎怜:自分のことを大切にして。
龍神貴好:燃えるように身体が熱い。
龍神貴好:溶ける。溶ける。足を失った部分からどろどろに。
龍神貴好:そう思ったら、溶けたところから足が……違う。
龍神貴好指が伸びていく。・・・・・・・
龍神貴好:両腕も、もう片方の足も、頭も熱くて、どろどろに溶けて、溶けていくのがわかって、
龍神貴好:さっきまであんなに朦朧としていたのにその感覚だけはあまりにも鮮明で。
龍神貴好:「ああ、あああ、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
龍神貴好:自分が形を失っていくのが解る。全てが指になって伸びていく。それは、絡まって、絡まって
龍神貴好:───
龍神貴好:全身が、知覚している。全身に五感がある。思考もしっかりある。
龍神貴好:(鏡だけは、見たくないな)そう思う。
怪物:ガラスじみた肌に、その姿かたちはくっきりと反射していた。
龍神貴好:(うへ……)
龍神貴好:その姿は、もつれる触手の塊というのがふさわしかっただろう。
怪物:「きゃららら りりり らららららら」
怪物:後ずさる。恐れているかのように。
怪物:自らを上回る怪物を。
龍神貴好:指を伸ばして、叩きつける。
怪物:――ぎゃ しゃあああああああああん!!!!!!!!!!!!!!
怪物:ガラス板を粉々に纏めて叩き割るような爆発音が響いた。
怪物:全身の体躯を砕かれ、粉々になって炸裂する。頭部が電信柱に当たって砕け散った。
龍神貴好:(口……口が、欲しい)
龍神貴好:声が出た。「ざまーみろ……」
龍神貴好:口が、身体の一部分に生えたことを知覚する。
龍神貴好:妙な気分だった。
GM:衝動が訴え掛けて来る。噛んで、咀嚼することができる。その「口」ならば。
龍神貴好:粉々になった怪物を、指の群れで掴んで───大きな口を作る。開く。
龍神貴好:ボリボリと硬質の怪物が吸収されていく。
龍神貴好:………ふと、気づくと。
龍神貴好:人の姿で立っていた。
龍神貴好:(ああ、これ……『偽物のストローマン』か)
龍神貴好:全身が、等しく『指』であることは感じるのに、見た目は人間のように繕われている。
GM:わずかに救急車の音が聞こえる。破壊された自動車と店内警報がひっきりなしに響き続けていた。
龍神貴好:口の奥は繋がっていないし、支えているのも骨ではない何か、だろう。
龍神貴好:「……怜」
荒崎怜:「……」わずかに首を動かす。まだ息はある。
荒崎怜:「たか……くん」
荒崎怜:「まだ……ばけもの、が……」
龍神貴好:しっかりとした足取りで、彼女のそばにしゃがみ込む。
龍神貴好:「だいじょうぶ」
龍神貴好:「だいじょうぶだよ」
GM:――が キュん!!
GM:銃声。きみの背後から、言葉を遮るように放たれた。
”コヴフェイス”:『”コヴフェイス”。偵察ワームを現着させた』
”コヴフェイス”:蛇のような端末が、排水溝から姿を現す。男性の低い、張り詰めた声。
”コヴフェイス”:『最初に聞くぞ。お前、”どっち”だ?』
龍神貴好:「治安、本当に悪いんだ……」
龍神貴好:「”どっち”って、なんですか」
”コヴフェイス”:『質問に答えろ。俺は今どっちを撃つか迷ってる』
”コヴフェイス”:『化け物か、それ以外かだ』
龍神貴好:「僕は、化け物です」
龍神貴好:「さっき、そうなったのを感じました」
”コヴフェイス”:『そうか』ジャカカカカカカ!!!
”コヴフェイス”:機械端末の蛇が、一斉に何かを装填するような音を放つ。
”コヴフェイス”:『なら死んでくれ』
龍神貴好:仕方ないか、と思う。それでも怜の命を守れたのなら、それでいい。
龍神貴好:目を閉じる動作に意味はない。全身に感覚があるから。
”コヴフェイス”:鋭い発砲音。弾丸が雨のように、君だけを狙って飛翔する。
乃木清和:───次の瞬間。割れたライトが照らすアスファルトに、蛇のように長い影が一直線に滑り走った。
乃木清和:影からぐぱりと骸骨の手が伸びる。それが、大量の弾丸を────
乃木清和:掴み、飲み込むように、龍神貴好の眼前から一気に奪い去っていく。
”コヴフェイス”:『……おい。勘違いか? ”バニティ”』
”コヴフェイス”:『お前が今、とんでもなく愚かなことをしたように見えたが』赤熱した機械蛇の銃口が、暗闇に揺れる。
乃木清和:「さあ。これは持論なんだけど」遅れて現れる、長身の女性。ショートヘアで洒脱なパンツスタイル。
乃木清和:「自分は化物だって自覚できてるやつには、相応の理性があると思わない? ”コヴフェイス”」
乃木清和:「ね?」振り返り、龍神くんを見てウインク。
龍神貴好:表情筋に当たる部分を動かして、笑って見せる。
”コヴフェイス”:『俺たちが自我境界について議論をしてる間に、誰かが死ぬ』声色は揺るがない。
”コヴフェイス”:『1分37秒前。「ローンマート」前監視カメラの映像』
”コヴフェイス”:『そいつは指のジャームに変身して、もう一匹のジャームをやった』
”コヴフェイス”:『社会性の高いオーヴァードがジャーム化した時は、人間を装う事例も確認されてる』
”コヴフェイス”:『何かする前にブチ殺す。そこをどけ』
龍神貴好:(……社会性。高いかなあ……)
乃木清和:「だーかーら、決めつけるのは早いって言ってるんだって、もう!頑固なんだから」
乃木清和:「リーダーの命令ちゃんと聞いてた? そもそも偵察っていうのは──」
エマ・カルナデス:かつん。かん、かん。
エマ・カルナデス:「──はいやめ。状況終わり」
エマ・カルナデス:靴底が鋲打ちの鉄を叩く音は、しかし隘路の奥ではなく、上から近付いて来た。
乃木清和:両手を上げ、一歩ひく。
”コヴフェイス”:「”ストローマン”。何も状況は終わってないが」
エマ・カルナデス:「どう見ても戦意ないでしょ、そのお仲間さんニュービー。覚醒の暴走は過ぎたと見ていい」
龍神貴好:「きみは……」
エマ・カルナデス:きみにとっては聞き覚えのある声。
エマ・カルナデス:場違いなほど落ち着いた、低くやや甘い声音の出処は鉄塔トラス──送電塔の半ばからだ。
エマ・カルナデス:「──だから言ったでしょ。多分……先輩?」
エマ・カルナデス:「この辺、治安悪いって」
龍神貴好:「……そうだった、みたいだ」
龍神貴好:「助けてくれるのか?」
”コヴフェイス”:『……”覚醒”? あれがか? 結晶化タイプのジャームを一撃で砕いたんだぞ』
エマ・カルナデス:ふわりと足を宙に投げ出した身は、羽のような緩やかさで着地する。
”コヴフェイス”:『そいつは強すぎる。脅威だ』
”コヴフェイス”:『お前……まさかまた余計なことを考えてるんじゃないだろうな』
エマ・カルナデス:「だったら私が付いてればいいでしょ。あの火力なら、タフさまで私並み・・・ってことはない」
龍神貴好:「さっきからその声の人、色々言ってくれてるんだけど、その、褒めてくれてる?」
龍神貴好:「社会性があるとか……強すぎるとか……」
”コヴフェイス”:『黙ってろ』端末の銃口が向くが。『……”指揮官命令”か? ”お願い”か?』
エマ・カルナデス:「最悪は私が処理する。……あれを誉め言葉と捉えられるなら、精神はタフかもね」
エマ・カルナデス:「“現場判断”」
”コヴフェイス”:ノイズのかかった舌打ち。
”コヴフェイス”:『……お前が面倒を見ろよ。俺は一切関知しない』
エマ・カルナデス:「いつも助かってるよ、“コヴフェイス”」適当な調子で機械仕掛けの蛇に応えると、青年に振り向く。
龍神貴好:「……ありがとう」
龍神貴好:「助けて、くれたんだよな」
エマ・カルナデス:「どうかな……場合によっては、もっと酷いかも」
エマ・カルナデス:あたりを見回す。さっきのジャームの破片とかは残ってる?
龍神貴好:食い尽くしてはいないと思うので少しは残ってそう
GM:残っています。曇ったガラス片のようなものが散乱していますが、泡のように瞳に似た組織が浮かんだり消えたりしていますね。
GM:本体の絶命に伴い、いずれ失活して無機物として分解されることが予想されます。
柳瀬順吾:「……あれっ? え、なに?」 がぼ、がぼご、ぼごご。掃除機で何かを吸い込むような、異様な音。
柳瀬順吾:「この破片、いる? 部屋に飾るん? 俺は絶対嫌だね」 掌の黒い球体が、ジャームの破片を吸い取っている。
”コヴフェイス”:『”オッドボール”! 何を……何をしてきた!? いや、いい!聞きたくない!黙ってろ!』
柳瀬順吾:放っておくとぜんぶ掃除機のように吸い取ってしまうだろう…
エマ・カルナデス:「逆。一片も残さないでね、せっかく前科ついてない新入りなんだから」
エマ・カルナデス:「……ていうか、遅い。また撮影延長?」
龍神貴好:「あっ!さっきの偽ストローマン撮ってた人!」
龍神貴好:「もしかして世間ってめちゃくちゃ狭いの?」
エマ・カルナデス:「………おい」タイトルを聞いて、腕を組んで新たな闖入者を睨む。
柳瀬順吾:「アイア~イ。”コヴウェイス”、たまには現場出ろよ。エコノミー症候群になっちゃうぜ……と」
柳瀬順吾:「な、なんだよボス! なんか変な映画見た?」
エマ・カルナデス:「はあ……いや、いい。オッドボールの説教は後でいい」
エマ・カルナデス:「とにかく、きみ、名前は?」
龍神貴好:自分を指差すジェスチャーをして
エマ・カルナデス:頷く。
龍神貴好:「僕は、『龍神貴好』」
龍神貴好:「難しい方の龍に神様のジン。とうといのタカで、最後は好きのヨシ」
エマ・カルナデス:「自認も残ってるね。じゃあ、これからよろしく龍神リュージン
龍神貴好:「……うん。………うん?」
龍神貴好:「よろしく……?」
エマ・カルナデス:「とりあえず……込み入った話は、アジトでするか。ここの救助とか偽装はよろしく、“コヴフェイス”」
”コヴフェイス”:「おい!世話は自分でやれと言っただろう!お前のそういうところは以前から問題があると思っていた!」
”コヴフェイス”:『よろしくの一言で済むほど公的交通機関がファジーに動いていると思っているのか!? 偽装はともかくとして救助は俺の領分じゃないだろう! 大体お前はいつも――』

GM:華吶新報(8/15) 朝刊 二面見出し記事「ローンマート一番街店で強盗発生か」
GM:8月14日(未明)、『ローンマート』一番町店で強盗事件が発生した。犯人は刃物のようなもので武装しているとみられ、店員一名と買い物中の客二人が死亡。店の近くにいた学生一名が軽傷を負い病院に搬送されたが、現在の容態は安定している。
GM:なお、華吶町警察は近年の治安悪化を受け、より一層治安を強化していくとの声明を打ち出した。しかしながら、頻発する凶悪犯罪に、近隣住民からは不安の声が多く寄せられている。

Finger【名】[fíŋgɚ]
①指。または、指状のもの。
②密告者、すり、警官。また、転じて裏切者。[俗語]

【Opening2:8月16日 13時21分/ビデオショップ『Chill to Shift』】

エマ・カルナデス:1D10+34
DoubleCross : (1D10+34) → 1[1]+34 → 35

龍神貴好:龍神貴好の侵蝕率を1D10(→ 4)増加(32 → 36)

8月14日 21時13分/ビデオショップ『Chill to Shift』

GM:――ここ華吶街で、物珍しいビデオを鑑賞したいとなれば、『Chill to Shift』に足を運ぶのが正解だといわれる。
GM:近年はビデオショップの数自体がめっきり減ったが、サブスク全盛の現代において、VHSデッキの色合いやノイズが逆に「味」として扱われるのはよくある話だ。
GM:モキュメンタリー風ドラマの制作のため、わざわざ映像制作の参考に『Chill to Shift』へ赴く学生やビデオ局員なども少なくない。
GM:そして、何も知らずに店の扉を開けた客の末路は、ごく二通りに分けられる。
GM:すなわち、『説教された』か『無視された』の二つ。

瑛・A・アヴァス:「おい!カルナデス!また妙なビデオを品出ししたのか!?」
瑛・A・アヴァス:「今抱えている不良在庫を捌くのにあと何年かかると思っている!? なぜキョンシーが太極拳を習うビデオが3本もあるんだ!?」
エマ・カルナデス:帽子の鍔を面倒そうに押し上げ、隙間から口うるさい店主役の顔を除く。
エマ・カルナデス:「しょうがないじゃん。勝手に増えるんだから」
瑛・A・アヴァス:「黙れ。増やしているのはお前だ」
瑛・A・アヴァス:「大体俺は店番を引き受けた覚えはない!暇をしている柳瀬か乃木あたりに任せれば……いらっしゃいませッ!!!」
エマ・カルナデス:「新作が入って客も喜んでるし。検品として私もタダで映画が見られる」手を肩の高さまでもっていく。
エマ・カルナデス:「ほら、WIN-WIN。いらっしゃいませー」
気の毒な客:「ヒッ」
気の毒な客:学生らしき少年が、おずおずとドアの向こうから姿を現す。
気の毒な客:「あ、あの……僕、寄咲大学の映画学科に通ってて……」
気の毒な客:「今度授業で、レトロな作品を撮ろうと思ってるんですけど……昭和の生活の空気が解るビデオとか……」
気の毒な客:「ど、同級生は変な連中ばっかりで全然頼りにならないんです!」
気の毒な客:「とくに今、一番街で異常な映画を撮っているやつら! 芸術は自由だけど、あまりにアナーキーすぎる!」
エマ・カルナデス:「だって、店長テンチョー。ふがいないヤナセの代わりに、オススメ教えてあげたら?」
瑛・A・アヴァス:「だから店長じゃない!おい!黙って聞いていればそこの学生!!」
気の毒な客:「が、学生」
瑛・A・アヴァス:「お前の映画にかける志はその程度なのか!? 表層的な部分を見て分かり合えないと決めつけてるんじゃあないのか!?」
瑛・A・アヴァス:「大体今は営業時間外だ! 情熱だけは認めるが、まずは社会のルールを守れ!もう閉店だ!喧嘩を売っているのか!?」
エマ・カルナデス:「……あ、ごめん。営業プレートひっくり返してなかったかも」
瑛・A・アヴァス:「そもそも映像制作の参考には映像しか使えないという固定観念が誤りだろう!学生なら学生らしく文献に当たれ!あらゆる方面からの努力を放棄するな!」もはや学生の方を見ていない。
エマ・カルナデス:「開いてると思って入ってきたら暑苦しい人に激詰めされて怖かったよねー。ごめんねお兄さん」
気の毒な客:「アッ ワッ」
気の毒な客:「お、お邪魔しました……」
気の毒な客:気の毒な学生は去って行った。また口コミに「説教された」と書かれるのかもしれない……
瑛・A・アヴァス:「おいカルナデス。暑苦しいとはなんだ? 俺は客観的に問題点を指摘しているに過ぎない」
瑛・A・アヴァス:「直すべき点が多すぎるお前たちの側に問題がある」
エマ・カルナデス:「客観的に見て暑苦しいってことだよ。そんな熱量で人のことを怒らないの、普通の人は」
エマ・カルナデス:「怒る、っていうか叱る、かな」
瑛・A・アヴァス:「おかしいことをおかしいと言えない人間が多すぎる」眉根を寄せる。瑛・A・アヴァスが誰かを叱る時は、いつもそうする。
エマ・カルナデス:「私達への監督とは違うんだから、適度な所で見て見ぬふりしなよ。はっきり言って、目立つよ?」
瑛・A・アヴァス:「俺が辻説教をするような男に見えるのか? 心外だ」
エマ・カルナデス:「どれどれ……あー、ほら、また口コミ増えてる。これが客観評価。分かる?」ずい、とマップアプリの評価ページを顔に近付ける。
瑛・A・アヴァス:「市役所では定時退勤を守り、職場の方にも礼を失さず接している……」
瑛・A・アヴァス:「……」
瑛・A・アヴァス:おぞましい形に凹凸が形成された評価ページに沈黙する。
エマ・カルナデス:「ハナブサの言う事は正しいけどね。ビデオ屋に正論が欲しくて来る人はいないってこと」
瑛・A・アヴァス:「なら俺以外の人間が接客をしろ! 何故一番忙しい俺が店番をしているんだ!?」
エマ・カルナデス:「別に私がずっとやっててもいいけど」そしたらどうなる?という顔。
瑛・A・アヴァス:「……」
エマ・カルナデス:「ほら」
瑛・A・アヴァス:「……お前の言うことにも一理はある。今後は……顧客の要望に忠実に従おう。なるべく」
エマ・カルナデス:「まあ、ビデオが溢れそうって意見はもっとも。また拡げて・・・いくつか放り込んどくよ」
瑛・A・アヴァス:眉を顰める。「また用途外のレネゲイド・コントロールを練習しているのか」
瑛・A・アヴァス:「”藁人形ストローマン”はそのように調整された個体ではない。自警活動も……いつまで続けるつもりだ?」
エマ・カルナデス:「便利でしょ。今の生活には、五寸釘より必要だよ」
エマ・カルナデス:「…………」
エマ・カルナデス:押し黙る。答えたくない、というよりは答えを持たない間だ。
エマ・カルナデス:「……表の顔をコードネームで呼ぶの、マナー違反だよ」
瑛・A・アヴァス:溜息を吐く。「近日、結晶構造を持つジャームが徘徊しているのはお前も知っているだろう」
エマ・カルナデス:「知ってる。UGNも手が追いついてないのか、まだ捕らえてはないみたいだね」
GM:便宜上、硝子不純物アモルファスと瑛は呼称していた。
瑛・A・アヴァス:「ただでさえ、華吶町はUGN勢力の介入が極めて少ない都市だ」
瑛・A・アヴァス:「既存の反社会勢力と折り重なったFHセルが幾重にも折り重なり、半端な調査や強硬手段を許さない」
エマ・カルナデス:「だから私達みたいなものが潜り込む余地がある、訳だけど」
瑛・A・アヴァス:「……今日も行くのか?」
GM:つまり、自警活動に行くのか、と聞いている。
GM:『トラス4』。事故により凍結され、セントラルドグマとの通信を失った実験部隊。
GM:きみたちは数年前から華吶町に拠点を移し、最悪の治安を誇るこの街に対する自警活動を行っていた。
エマ・カルナデス:「そりゃあ、そうでしょ」
エマ・カルナデス:客を迎え入れることに失敗した扉を開け、「OPEN」の札を「CLOSE」へと裏返す。
瑛・A・アヴァス:「言っておくが、俺は一貫して反対だ」
瑛・A・アヴァス:「お前たちが、そんなことをする必要は、ない」
エマ・カルナデス:「じゃあ聞くけどさ、ハナブサ」
エマ・カルナデス:「私達が浪費した人生の数。この数年で、帳尻が合ったと思う?」
瑛・A・アヴァス:「……”浪費した”という言い方は」
瑛・A・アヴァス:「そう思っていないということだろう」
瑛・A・アヴァス:「だが、その帳尻合わせが他人を守ることなのか?」
瑛・A・アヴァス:「俺達は強大な組織力のあるUGNでもないし、まして一般人への被害を躊躇しないFHでもない」
瑛・A・アヴァス:「死ぬぞ。間違いなく」
エマ・カルナデス:「……………少なくとも、まだ死んでない」
エマ・カルナデス:「私は・・、まだそこまでやれるか分からないから。そうならないと、死ぬかは分からない」
瑛・A・アヴァス:「話にならんな」振り返り、自室に入っていく。
瑛・A・アヴァス:「俺が端末を飛ばす」
瑛・A・アヴァス:「監視から外れる範囲での行動は、絶対に、するなよ」
エマ・カルナデス:「……いつも助かってるよ、ハナブサ」
瑛・A・アヴァス:「死体の処理ができるほど俺は万能じゃない。面倒事を増やすな。いいな?」
エマ・カルナデス:「なるべく負担のないようにするよ」
エマ・カルナデス:この後の顛末は、互いに知る由もない。
GM:――その深夜、『トラス4』の面々は、ごく小さな範囲のジャームを掃討した。
GM:既に一般人二名の被害が出ていたことを考えれば、この自警活動には大きな意味があったと言えるだろう。
GM:だが。

8月16日 13時21分/ビデオショップ『Chill to Shift』

GM:『ローンマート』におけるジャーム襲撃事件から二日が経った。
GM:荒崎怜は現在頭部裂傷で短期入院しているが、命に別状はないというのが医者の所見だった。
GM:各種の処理を瑛・A・アヴァスが担当している最中――『トラス4』の目下の議題は、保護した覚醒者。
GM:龍神貴好を、『トラス4』においてどのように扱うか、と言う部分にある。
瑛・A・アヴァス:「おい……俺は言ったよな? 面倒事を起こすなと」
瑛・A・アヴァス:「なんで面倒事が増えてる?」
瑛・A・アヴァス:エプロンを着けたまま、人数分のコーヒーをどん!どん!と散らかった卓上に置く。
龍神貴好:(とても親切だ……)
瑛・A・アヴァス:じろりと龍神くんを睨む。
龍神貴好:「あ……スミマセン」恐縮して見せるがそれほど怖いわけでもない。
エマ・カルナデス:「なんでって言われても……ハナブサが急に撃ち殺そうとするから?」
瑛・A・アヴァス:「正しい判断だったと確信している。レネゲイド・ウイルスの罹患者は7割から8割が即座にジャーム化または死に至る」
柳瀬順吾:「そうそう。瑛クンが狂犬すぎるから、仕方なく保護したんだよね」
柳瀬順吾:「『へへっ。俺は血に飢えた魔獣!今夜の獲物はどいつだ~?』って言ってたし」
龍神貴好:コーヒーをひとくち飲んで、咳き込む。机に戻す。
エマ・カルナデス:「うん、言ってた。『何なら男でも構わねぇ~』って」両手で抱えたマグを傾けつつ。
龍神貴好:胡乱な目で瑛を見ている。
乃木清和:「ウッソやだ~。ケダモノ~」
瑛・A・アヴァス:「おい……今すぐこの店を蜂の巣にしてもいいんだぞ」
瑛・A・アヴァス:きちきち、と背後で機械端末がうなりを上げている。本気・・だ。
エマ・カルナデス:「折角色々揃えたんだから、やるなら別の部屋にしてね」
瑛・A・アヴァス:「聞かん! 俺の理性が一秒でも長く保つ内に……そいつをこれからどうするか話し合え」
エマ・カルナデス龍神リュージンが通された部屋は、通常の個室とは比べ物にならない広さを持っていた。
エマ・カルナデス:そもそも入口すら、扉さえない壁が左右に『広がった』としか言いようのない奇怪な様だった。異常を感じるには十分だろう。
柳瀬順吾:「こわ~。……こんな感じだから気を付けようぜ。えーっと、龍神クンだよな?」
龍神貴好:「あ、うん。龍神貴好」
エマ・カルナデス:「とにかく。龍神リュージンはなぜ自分が殺されかけたのか、ぐらいは知る権利がある」
エマ・カルナデス:「その後どうするかは、本人の意向次第」
瑛・A・アヴァス:腕を組む。常に人を否定することしかしない人間が何も言わないということは、無言の肯定に等しい。
乃木清和:「あら、そうなんだ。てっきり新しい子犬を拾って飼うのかと思ってた」
龍神貴好:「それは僕も知りたい。あんな化け物が……化け物が、いるのって当たり前なのか?」
龍神貴好:「子犬」
エマ・カルナデス:「本人が望むなら。あまりいい飼育環境とは思えないけど」咳払い。
乃木清和:「子猫の方がよかったかな?」頬杖をついてニコニコしている。
エマ・カルナデス:「そう、化物。私達は、ああいう物が悪さをしないように街を見廻ってる」
柳瀬順吾:「立派な大学生の男子に子犬と子猫なんてね! 泣いちゃうよなあ。どう見てもそんなタマじゃない」
龍神貴好:「泣いたりはしないけど……似合っては、いないよな。多分」
龍神貴好:「そうか……ああいうの、他にもいっぱいいるんだな」
乃木清和:「心配しなくても柳瀬には絶対言わないよ」
柳瀬順吾:「言ってもいいよ。かわいいアザラシちゃんとか」
乃木清和:「謝って。アザラシに」
エマ・カルナデス:「………とまあ、この喧しい連中だけど、こんなのでもあの化物と同じ力を持っている」
エマ・カルナデス:「そして、君も」
龍神貴好:「……うん。あの時見せてもらったの、すごかったもんな」
龍神貴好:「…………はい。ちょっと質問」手を挙げて。
エマ・カルナデス:「どうぞ」
龍神貴好:「僕はすっかり身体ごと化け物になっちまって……まあ、人の皮かぶってる訳なんだけど。それって実は『この中でも』普通ではない……のか?」
瑛・A・アヴァス:「……誰でもいい。”見せて”やったらどうだ」
瑛・A・アヴァス:「お前たち『トラス4』が、どういう存在なのかってことは」
瑛・A・アヴァス:「そうすれば、その体がどれほど取り返しがつかなくなってるかも解るだろう」
エマ・カルナデス:「そうね。百聞は一見に如かず……じゃあ、一人ずつ紹介するから」
柳瀬順吾:「おっ! 能力者のスーパーパワー紹介シーン! 俺、そういうの大好き」
エマ・カルナデス:「なんか面白いことしてね。怪我しない範囲で」
エマ・カルナデス:「まず、私はエマ・カルナデス。一応、この『トラス4』の名目上のリーダー」
エマ・カルナデス:「さっき見た扉は、私が作ったこの空間の入り口。他には……」つい、と指で部屋の中を指す。
エマ・カルナデス:優に100㎏はありそうな、ビデオがたっぷり詰まった棚がひとりでに浮き上がった。
エマ・カルナデス:「手品じゃないよ。重力を消してるだけ」
瑛・A・アヴァス:「……超能力者の能力発現形態には様々な傾向がある。風邪の症状に様々な違いがあるようなものだと覚えろ」
瑛・A・アヴァス:「今すぐ頭に叩き込まなければ殺す」
龍神貴好:「了解です」面倒くささは、きっと大学の教授の方が上だろう。
エマ・カルナデス:「注釈ありがと。そういう意味では、私に近いのはもう一人いる」
柳瀬順吾:「はいはいはいはい! 乃木チャンよりわかりやすいっつったら、俺だよね」
柳瀬順吾:「これ」 一本指を立てる。
柳瀬順吾:「を」 その先端に黒い球体が出現する。
龍神貴好:視覚がそれを追う。
柳瀬順吾:「こう、こう、こう!」 黒い球体でお手玉する――そのお手玉が、カップからコーヒーの液体だけを吸い上げ、消滅させる。
龍神貴好:「多芸だ」
柳瀬順吾:「どーも。跳んで走って喋れるブラックホール、柳瀬順吾です。将来有望な映画監督見習いだ」
エマ・カルナデス:「この茶髪のは柳瀬順吾ヤナセジュンゴ。トラス4の撮影担当と、荒事担当」
龍神貴好:「本当に多芸だなあ……」
GM:本人は軽い調子で能力を行使しているが、龍神貴好以外のものが見れば――異常に繊細な技術が発揮されたことがわかるだろう。
GM:全てを吸い込み削り取る球体を発現させ、操作した。
GM:にもかかわらず、コーヒーだけが吸い取られ――カップだけは無傷のままだ。
瑛・A・アヴァス:「忠告しておくが、こいつの映画は見るな。何らかの精神偏向作用がある」
エマ・カルナデス:「それと一昨日見た通り、無許可で人を題材にした映画を撮るから。龍神リュージンも気を付けた方がいい」
龍神貴好:「あー……僕だけなら、まあいいけど………」怜を巻き込むのは嫌だな、と思った。
乃木清和:「器用だこと」カップを眺めて呟いている。
柳瀬順吾:「乃木チャンの方が器用だろ?」
柳瀬順吾:「例のやつみたいな~、俺! 乃木チャンのスーパーパワー!」
乃木清和:「え? ありがとう。私はちょっと手数が多いだけだよ」
エマ・カルナデス:「そうね。ノギのはこの中では一番……なんというか、オカルトっぽいから」
乃木清和:「うふ。私っていうか、スミカだけどね」ポケットから安価な口紅を取り出す。
瑛・A・アヴァス:「能力の発現形式は理屈だけが支配する領域ではない。こいつの場合は――」
乃木清和:「おいで」口紅を見つめ、うっとりと呟く。
乃木清和:ぎゅるん。部屋中の影が一瞬で集合。ひと固まりとなり、そこから巨大な影が出現する。
乃木清和:室内を埋め尽くすような真黒い骸骨。
乃木清和:が、龍神くんを覗き込むように見つめ、手を伸ばして龍神くんの頬に触れる。
瑛・A・アヴァス:「――原理不明の、物理的実体の召喚と言う形で表現される」
龍神貴好:「わ、ひゃっ」
龍神貴好:「すご……」
エマ・カルナデス:「……ノギいわく。これは彼女の力ではなく、愛する人の魂らしい」
乃木清和:「スミカだよ。よろしくしてやってね」
龍神貴好:「よろしく、スミカさん」
瑛・A・アヴァス:「……」忌々しいものを見るような目で漆黒の骸骨を睨む。
エマ・カルナデス:「死者と同じ姿、同じ記憶を持った……いわば霊のような存在も、いない事はない」
エマ・カルナデス:(彼女の力がそれにあたるかは……まあ、言わない方がいいか。面倒が増える)
乃木清和:じっと龍神くんを見つめたあと、そのまま影は霧散する。
柳瀬順吾:「超能力なんだ。何でもアリさ」
龍神貴好:「何でもアリか」
瑛・A・アヴァス:「俺をお前たちのようなビックリ箱どもと一緒にするな」
エマ・カルナデス:「最後は、もう知ってると思うけどハナブサ。トラス4の雑務、偵察、情報欺瞞、電子工作、その他雑事担当」
龍神貴好:「ハードワークだな……」
瑛・A・アヴァス:「おい!最後を引き受けた覚えはないぞ!」
瑛・A・アヴァス:目を細め、指を突き出す。机の上に置いてあった龍神貴好の携帯端末と、瑛の私物のデスクトップPCを直線距離でつないだ時の中間点。
瑛・A・アヴァス:かすかに、きみたちの背骨の奥がざわつくような感覚が生まれるだろう。
柳瀬順吾:「コーヒー淹れるのも得意」
瑛・A・アヴァス:同時に龍神くんの端末が発光し、ひとりでにいくつかのアプリがインストールされる。
エマ・カルナデス:「冗談。けど、いつも最後は叱りながら引き受けてくれるのがハナブサのいい所」
エマ・カルナデス:「でも……それ以上に本領が、私達にとってとても重要」
龍神貴好:「えっえっえっ?!なに、ハッキング!?」
乃木清和:「何したの?」
瑛・A・アヴァス:「騒ぐな。必要な電子環境をインストールしただけだ」
瑛・A・アヴァス:「GPSアプリや共用の連絡アプリ、華吶町警のパトロール順路表示アプリ」
龍神貴好:「あっもしかして秘密結社の秘密アプリ……」
龍神貴好:「秘密アプリだ!」
瑛・A・アヴァス:「黙れ。はしゃぐな」
エマ・カルナデス:「そう。私達は、悪の秘密結社からも、正義の秘密結社からも身を隠さなければならない」
瑛・A・アヴァス:「お前がこれからどのような境遇に身をやつすかは知らんが、知らない所で俺たちの名前を出されると面倒なんでな」
柳瀬順吾:「インディーズの超能力者は厳しいんだ。映画業界と同じだな」
エマ・カルナデス:「悪の根城を挫き、正義のお膝元で勝手をやる訳だからね。彼みたいな、隠蔽役がいなきゃ成り立たない」
龍神貴好:「……一応、これ、インストールしただけで端末の中身は見てないよな?」
エマ・カルナデス:「見られて困るものでも?」
龍神貴好:「えっと……メッセージアプリとか」
龍神貴好:「会話、見られるの恥ずいし……」
瑛・A・アヴァス:じろりと龍神くんを睨む。「この状況で気にするのがそれか? 本当に危機感が薄いようだな」
龍神貴好:「いや、なんていうか……」
龍神貴好:「僕のこういう……日常?とのつながりみたいなの、感じてないと」
龍神貴好:「一気に狂っちゃいそうなんで」
柳瀬順吾:「ハハハハハ! 言えてる」
柳瀬順吾:「いいと思うよ、俺は。龍神クンは、俺たちで囲い込むべきだ」
柳瀬順吾:「ちょうどメンバー増強したかったんだよね」
エマ・カルナデス:「別に龍神リュージンが毎夜、彼女に愛を囁いてようが気にしない」呆れた顔。
エマ・カルナデス:「けど、まぁ……その肌感覚は正しい。精神が安定しないと、私達はころりと化物に落ちるから」
瑛・A・アヴァス:「……俺が何故お前を撃ったか教えてやろう」屈み込む。
龍神貴好:目を合わせる。この辺りかな?
龍神貴好:瞬きは極端に少ない。
瑛・A・アヴァス:「一人の超能力者は、死ぬか狂う・・・・・からだ」
エマ・カルナデス:「同じ力なんだよ。理性で振るうか、衝動に振り回されるか。私達との違いはそれだけ」
龍神貴好:「瑛さんは……僕が狂ったって思ったんだな」
瑛・A・アヴァス:「今、そうではないと言い切れるか?」
瑛・A・アヴァス:「他の連中は気を許しているようだが、俺は違う。常に見ているぞ」
龍神貴好:「………」目を閉じる動作をする。そして、
龍神貴好:《擬態の仮面》部分解除。右腕がざわりと指の肉の絡まったものに変貌する。
瑛・A・アヴァス:「……乃木! お前の仕業……」
乃木清和:「私じゃないよ。彼の意志」
龍神貴好:「これが、僕です」
龍神貴好:「狂った化け物じゃないかもしれない。でも、もう身体は人間じゃ完全になくなってる」
龍神貴好:「正直、このことを僕だけで抱え込んでやっていけるとは思えない」
龍神貴好:「ここにいる皆に殺されるか、仲間になるか。どっちかだと思う」
乃木清和:「…こういうとこ気に入って、囲いこもうって言ったの?」柳瀬に。
龍神貴好:「コーヒーも、ちゃんと味わえなかった。あの結晶の化け物の方が美味しかった」
エマ・カルナデス:「まあ、そういう身体だよね。此処に入る時、手の感触が違ったから」最初の『入室』には、空間の作成者が手を引いて招く必要がある。
柳瀬順吾:「えっ。これは予想外」
瑛・A・アヴァス:「お前は考えが甘すぎる」
乃木清和:「反射で生きやがって…」
柳瀬順吾:「シルエットがいいんだよ。俺らで並んだ時にしっくりくる。俺と同じ眼鏡ジャージだったら反対してたぜ」
龍神貴好:《擬態の仮面》発動。指の群れはくるりと布の繊維を纏った腕の形に収まる。
エマ・カルナデス:「……ヤナセこいつぐらい気楽に生きようと出来るなら、『日常に帰って平穏に過ごす』って選択肢も勧めたけどね」
瑛・A・アヴァス:「異食症と身体形質の抜本的な変化だ。狂わない方が難しい」
瑛・A・アヴァス:「勝手におかしくなられても困るんでな。お前がまだ生きていたいと願うんだったら、監視はさせて貰う」
龍神貴好:「……僕は『龍神貴好』」
エマ・カルナデス:「正直に言うと、私はこういう感覚知覚はかなり鈍い方。今はその私でも違和感を覚えたぐらいの、お粗末な擬態」
エマ・カルナデス:「……どう?これから先の人生、彼女と長い時間を一緒に過ごす」
エマ・カルナデス:「龍神リュージンは、一分の隙なく龍神リュージン貴好でいられると思う?」
龍神貴好:「自信は全然ないな」
龍神貴好:「……だから、こういうことの専門家のそばにいたい」
エマ・カルナデス:「なら、此処でやり方を学ぶべき。完璧な龍神リュージン貴好の擬態をね」
龍神貴好:「勿論、彼女とは……まだ、一緒にいたいけど」
瑛・A・アヴァス:どん!と机に拳を叩きつける。
瑛・A・アヴァス:「呆れた楽天家だな。俺はもう知らん」
瑛・A・アヴァス:「お前たちで何とか教育しろ。死なない程度にな」
龍神貴好:「……ありがとうございます」瑛に。
瑛・A・アヴァス:「おい……何故感謝する? 状況が解っているのか?」
龍神貴好:「僕がここで生きるのを許してくれてる」
瑛・A・アヴァス:「勘違いするなよ」
瑛・A・アヴァス:「許可を得て、存在している生命は、ない」
龍神貴好:「それでも僕には………許可が必要だと、思うから」
瑛・A・アヴァス:殴りつける。
龍神貴好:「っ」
龍神貴好:普通に痛い。が、どこを殴られたのか感覚が曖昧だった。
瑛・A・アヴァス:「俺は寝る! 昨日からこいつのお陰でろくに寝られていない!」
エマ・カルナデス:「…………」吐息。
エマ・カルナデス:「お疲れ様、ハナブサ。ゆっくり休んで」
瑛・A・アヴァス:「次会う時までに、もう少しましな生きる理由とやらを考えてこい」
瑛・A・アヴァス:「今度もう一度辛気臭いことを言ったら、本当にブチ殺してやる」
瑛・A・アヴァス:それだけ言い残し、ばたん!と自室の扉を閉める。
龍神貴好:「………」
龍神貴好:「やっぱり、良い人では?」小声で。
エマ・カルナデス:「ああ言ってるけど、ハナブサの物事を見る目は正しい」長話ですっかり冷めた珈琲に口を付ける。
柳瀬順吾:「おっ。早くも気づいちゃったね」
柳瀬順吾:「天才だぜ、龍神クン」
乃木清和:「へこたれてなくて大変よろしい。でも今の訴えていいからね」
龍神貴好:ぎこちなく、にへら、と笑う。
エマ・カルナデス:「ただ、ハナブサは龍神リュージンほど打たれ強くはない。殴り返すなら加減してやって」
龍神貴好:「みんなもそれぞれいい人だなって思うよ」
龍神貴好:「はは。うん、そうする」エマさんに
龍神貴好:「これから、お世話になります」
エマ・カルナデス:「よろしく、龍神リュージン………と、そうだった」
エマ・カルナデス:「コードネーム。自警活動で本名を名乗ってちゃ、すぐに足がついちゃう」
龍神貴好:「あ、コードネーム………なるほど」
エマ・カルナデス:「秘密結社に居た頃に付けられたのをそのまま名乗ってたり、自分で考えたり、仲間につけて貰ったり……由来は色々」
龍神貴好:「じゃあ、”指”でどうかな」
エマ・カルナデス:「……そのまますぎない?」
龍神貴好:「うーん……じゃあ何か足す?何がいいかな」
エマ・カルナデス:「本名そのままでなければ、別に名前から少し取ったりしてもいい。……神の指?」
エマ・カルナデス:「……今のはやっぱりなし。なにかしらに障りそう」
柳瀬順吾:「ハハハハ! それ、クリントイーストウッド作品で見たぜ。天才的な泥棒の異名だ」
柳瀬順吾:「逆がいいな。ドラゴンとディアボロ、どっちがいい?」
龍神貴好:「おお、かっこいい……?」
龍神貴好:「それならドラゴンかな。ドラゴンの指?なんか違う気がするんだけど」
乃木清和:「ディアボロはだめ。ややこしくなる」
柳瀬順吾:「そ、そうだった…俺、あいつ嫌いだし…。じゃあ、ドラゴンだ。ドラゴン・フィンガー!」
乃木清和:「ダサくない?」
龍神貴好:「えっと、乃木さんからもアイデア聞きたい」
龍神貴好:「結構いいところまで来てる気はするんだ」
柳瀬順吾:「俺、ダサいタイトル好きなんだけど… じゃあ、乃木チャンなんか言ってよ!」
エマ・カルナデス:「”オッドボール”は別に悪くないと思うけど。……話が逸れた」
乃木清和:「え~、そうだね…ダメダメばっかり言ってアイデアを出さないのはよくない…」
乃木清和:「うー、龍の指……指の龍…」
乃木清和:「あ、指龍しりゅうは? これならまだかっこいいよ」
龍神貴好:「…………指龍」
龍神貴好:「いいね。しっくりくる」
龍神貴好:「あの化け物スタイルも龍ってつけたらちょっと気分がマシかも」
エマ・カルナデス:「龍の指一つではなく、全身が指で出来た龍。なるほど、いい名付け」
乃木清和:「よし!よかった~。そうそう、そういう意味合いでね」
龍神貴好:「よし、龍になろう、僕」
柳瀬順吾:「タイトルとか名前ってそういうところあるからね」
柳瀬順吾:「どっちにしても大歓迎だ、”指龍”」
エマ・カルナデス:「とりあえず、龍神リュージンが一人前の龍になるまで……よろしく、“指龍”」

龍神貴好:ロイス取得
リーダー?/エマ・カルナデス/頼れそう:○/不安/ロイス

エマ・カルナデス『ハナブサ・A・アヴァス』P:信頼☑/N:厭気

Strawman【名】[stráw màn]
①わら人形(かかしなど)。
②看板として担ぎ出される人物。

【Opening3:8月17日 15時12分/華吶町立寄咲大学 カフェテリア】

GM:柳瀬くんのOPです。登場侵蝕を振り、シーンへの登場をお願いします。
柳瀬順吾:1d10+40
DoubleCross : (1D10+40) → 2[2]+40 → 42

GM:OK!(ズドン)

8月17日 15時12分/華吶町立寄咲大学 カフェテリア

GM:寄咲大学のカフェテリアはオープンスペースを採用しており、学外の人間も自由に出入りできる仕組みとなっている。
GM:カフェテリアそのものが学生のバイト先ともなっており、テラス席が近年改装された影響もあってか、応募の倍率は高い。
GM:テラス席は南仏のリゾート風の内装を基調に、客からもオープンキッチンが見える、開放的な造りになっている。
GM:当然テラス席は人気になるため、優先的に学生が使用するという暗黙の了解が仕上がっていた。
GM:オープンキッチンからは怒号と皿の割れる音が聞こえる。本日三回目だ。
柳瀬順吾:(この大学のカフェは、異様な偏りがある。……具体的には、ドリンクとフードのバランスが完全に崩壊している……)
柳瀬順吾:(激安居酒屋のメニューかってくらい少ないドリンクのバラエティーに対して、フードは町中華かってくらい豊富だ)
柳瀬順吾:(今日のおすすめが渋滞を引き起こし、大量のフードメニューが短冊に書かれ、呪いの館を封印するお札のように貼りまくられている)
GM:アルバイトからメニューを採用する、という学生カフェらしい試みを続けた結果、最初は意欲的な取り組みとして始まったそれが、いつしかオペレーションを崩壊させる呪いとなっていた。
GM:煩雑なオーダーと、怪奇化を極めていく提供形態。並のアルバイトでは対応できない……
柳瀬順吾:(噂によると、このフードメニューを制覇した伝説の先輩が存在するらしいが……真偽は定かではない)
柳瀬順吾:(いずれにせよ俺たち清貧なる学生が注文するべきメニューは、二択。……安定のジャンボチキンカツ丼か、今日のおすすめか……だ)
柳瀬順吾:(俺が選ぶのは――)
柳瀬順吾:「今日のおすすめ一つ、おねがいしゃ~す」
学生アルバイト:「はーい、おすすめですね。承りました。ご一緒にコーヒーは……って、げえッ! こいつ柳瀬だ!映画学科の!」
柳瀬順吾:「ども~。キッチン楽しそうだね。映画にする?」
学生アルバイト:「絶対にやめろ。グロ映画になるぞ」
学生アルバイト:「大体クソ忙しいんだから! お前みたいな暇人入れてる余裕ないの!」
学生アルバイト:ホールのバイトは、伝票を引ったくって帰って行った……
柳瀬順吾:「暇人だなんて、ひでえな! 俺だっていま、画期的な映画のパラダイム的なアレを……ちっ」
西舘雅也:「この街、相変わらず学内のカフェまで治安悪いのかよ……」
西舘雅也:きみの対面に座っていた友人――西舘雅也がぼやく。
西舘雅也:黒のシャツにスラックスを着用している、ホスト崩れのような青年だ。と言うより、実際「そのもの」なのだが……
柳瀬順吾:「治安悪くないよ。平和だよ。いい街、いい人、いい暮らしだよ」
柳瀬順吾:「それとも、駅前の方は治安悪ィ~の?」
西舘雅也:「俺は情報通だからな。バッチリ掴んでるんすよ」とんとん、と耳を指さす。
西舘雅也:「最近行方不明者とか傷害事件が増えてる。こないだの『ローンマート』の事件とかも……被害者、うちの生徒から出たってよ」
柳瀬順吾:「ローンマートのやつも知ってんの? 速ぇな~」
柳瀬順吾:「そういうのってどこで仕入れてんの? テレビガイド?」
西舘雅也:指を振る。「甘いな柳瀬クン。大学の情報交換と言えば喫煙所だぜ」
西舘雅也:「どんな奴でも『ヤニ行く?』の一言で口が軽くなる。試してみるといいよ」
GM:『ローンマート』で発生したジャーム襲撃事件は、表向き「強盗事件」として処理されていた。
GM:だが西舘雅也のように、交友関係が幅広いものであれば、そういった事件が頻発している、という事実にも気付く。
柳瀬順吾:「なるほどアフットインザドアか! よし、試すぞ。『ヤニ行く』? ついでに次の映画に投資しない?」
西舘雅也:「財布の紐は軽くなんねえんだよ! 『偽ストローマン』だって爆死しただろッ」
柳瀬順吾:「あれは俺も反省した。モンスターパニック映画に新しい構造を持ち込むことにしたんだ」
柳瀬順吾:「鮫、ゴリラ、ヘビ、悪魔……色々なモンスターが投入され、もはやレッドオーシャンかと思われたモンスターパニックだが!」
柳瀬順吾:「……次の映画は『恐怖のデスぬりかべ』で行こうと思っている。日本の妖怪というモンスターの一大ブルーオーシャンを、俺は見つけたのだ」
西舘雅也:「あ、でも上映会にめっちゃ可愛い青い髪の子来てたって噂も……え、何? ちょっと気になる話すんなよ」
西舘雅也:「妖怪って言えば、今度合コン来る真原伊の子とかそっち方面にめっちゃ強いらしいぜ」
西舘雅也:「一緒に来ない? 客寄せパンダとして……」
柳瀬順吾:「くそっ、露骨に話をそらしやがる……真原伊大学のアホどもと一緒にされては困るなあ!」
柳瀬順吾:「こっちの法学部の方が偏差値1くらい高かったはずだ! ……あとは知らんけど……」
西舘雅也:「よし。作戦会議を開くぞ……法学部の連中を使うって手は悪くない。後はどれだけ初っ端でかませるか――」
学生アルバイト:見慣れない顔の学生アルバイトが、再びきみたちの席の近くで食器を割る。
学生アルバイト:が しゃん!!
学生アルバイト:「あっ! ごめんなさい、ごめんなさい……!」
西舘雅也:「おいおい、四回目じゃね~か!大丈夫……」
西舘雅也:ばたん、と倒れ込む。
柳瀬順吾:「お?」
学生アルバイト:きみたちの席の近くの人間も、次々に倒れ込む。
柳瀬順吾:「うわ、これ……面倒だな……。見なかったことにして~な~……」
柳瀬順吾:「なんでそんなにおおっぴらに使うかな~……!」
学生アルバイト:「安心しろ。認識をどうにかするやつとも組んでる」
学生アルバイト:首を鳴らし、西舘雅也を踏みつける。
学生アルバイト:――ごく小規模に展開された《ワ―ディング》だ。
学生アルバイト:影響が展開されているのはテラス席だけで、構内のカフェテリアの客は君たちの方にまるで関心を寄せていない。
柳瀬順吾:「どうにかすんなよ、認識をよ! おい、踏むな」
柳瀬順吾:「絶滅危惧の天然記念物だぞ」
柳瀬順吾:「それとも、ここでやるか?」 西舘を踏んだ足を摑む。
学生アルバイト:その中で、何人かの客が、同様に君の方を注視していることが分かった。
学生アルバイト:「捕まえろって言われてる。わりの良い依頼だからな」
学生アルバイト:「反応したってことは、寄咲大学のオーヴァードだよな? 当たりを引けた」
柳瀬順吾:「勘弁しろよ。このカフェテリアで何かあってみろ。UGNのやつら雑だから、『カバーストーリー:ガス爆発』だぞ」
柳瀬順吾:「しばらく営業停止になっちゃ困るんだよな……」
学生アルバイト:「……さっき、俺がグラスを落とした時。グラスじゃなくて、俺の方だけ・・を見てたよな」
学生アルバイト:「そういうことをするから……」
学生アルバイト:ひゅ イン、と空気が裂かれる音。何らかの攻撃が行われている。背後に風を切る感触があった。
学生アルバイト:同時に、何人かの客が立ち上がり、きみに能力を投射しようとしている。
学生アルバイト:これを迎撃してもいいし、避けても構わない。
柳瀬順吾:「誰だって注目する……このカフェテリアは面接厳しいんだよ。お前みたいな不器用なヘボ野郎が働ける場所じゃない」
柳瀬順吾:「お前にここのバイトはもったいない」 避ける気はない。やる気だ。掌に黒い球体が生まれる。
柳瀬順吾:「西舘を踏んづけた分は、後悔してもらわなきゃな。……これができなきゃ、なんでフリーランスやってんだかって話だ!」 黒い球体が、膨張する。臨戦態勢だった。
学生アルバイト:攻撃は三方向あった。影の蛇がのたうつような軌道で放たれる弾丸、背後から迫る不可視の刃。
学生アルバイト:それらを陽動として、床に浸透し、きみに肉薄する不可視の図形。認識できないが、「見てはいけない」と感じさせる――
柳瀬順吾:「速いじゃねーかよ。ただ……」 黒い球体を、足元に叩きつける。
柳瀬順吾:「重力よりは遅い」 黒い球体がインクのように飛び散り、爆ぜる。特大の質量となってばら撒かれ、周囲を見境なく吹き飛ばす。
GM:ば ぐん!!!
GM:重力。三次元上に存在する物質すべてに、鉛直的に作用する力学。
GM:それらを支配するということは、文字通りすべて・・・の応力/抗力を従えるということを意味する。
柳瀬順吾:「ぶぺっ! 口の中入った!」 ブラックホールを”吐き出す”。その力学上ありえない相互干渉こそが、柳瀬順吾に与えられた能力だった。
学生アルバイト:「――」回避できる距離――もしくは感度は、十分に保っていた。
学生アルバイト:単純な話だ。引力・・を回避することはできない。存在する以上。
学生アルバイト:事象地平線の魔眼に撃たれ、あるいは引き裂かれた。致命的な破壊はいっそ静かに行われ、そして三十秒も経たずにすべては終わった。
柳瀬順吾:「くそーっ、ジャージにもシミできた……。洗濯機じゃ絶対落ちねえんだぞ……」
”ブラック・ブロック”:ぱち、ぱち、ぱち、と拍手。
”ブラック・ブロック”:「流石”オッドボール”。やるね~~」
柳瀬順吾:「うるせ~! 悪役の登場の仕方するな!」
柳瀬順吾:「なんでパチパチしちゃうかな。かっこよく笛とか吹きながら登場しろよ~」
”ブラック・ブロック”:黒いスーツの女だ。きみを狙おうと最後に蠢いた死角の頸椎を踏み砕いた。鈍い音。
”ブラック・ブロック”:「面倒事を処理したげようって言ってんの。これでも平和主義者なんだからさ」
柳瀬順吾:「俺の情報によると、平和主義者は頸椎踏み砕いたりしないんだよね」
柳瀬順吾:「見てたんなら手伝ってよ」
”ブラック・ブロック”:”ブラック・ブロック”。以前から”トラス4”と親交のあるオーヴァードであり――
”ブラック・ブロック”:「必要ないでしょ」
”ブラック・ブロック”:「『トラス4』最強のオーヴァードには」
”ブラック・ブロック”:『ピパ・ソング』。『トラス4』計画に出資していたFHセルに所属する、エージェントでもある。
柳瀬順吾:「必要じゃなくて、優しさ! 俺を最強だと思ってんなら、まあ……それでもいいか……」
柳瀬順吾:「強さ弱さでTier表作るわけでもなし。……ってか何しに来たんだよ」
柳瀬順吾:「単位足りなくなったから大学に登校か?」
”ブラック・ブロック”:「え? そりゃ忠告だよ、少年。お姉さんが見所のある若いツバメに耳寄りな情報を持って来てやったのさ」
柳瀬順吾:「忠告って、だいたいろくなもんじゃねえんだよな」
”ブラック・ブロック”:「あと、大学って歳でもない。解ってて言ってるでしょ、きみ? 舐められてるな~……」
柳瀬順吾:「ンなことねえよ……で、なんだよ、幸福の王子様? この卑しいツバメに宝石とかくれるわけか?」
”ブラック・ブロック”:ぼやきながら、ぞろぞろと――服から染み出すように、”ブラック・ブロックの姿が、”増える”。
”ブラック・ブロック”:シミのようにわき出した肉体は、わいわいと騒ぎながら破壊の跡を片付け、あるいは隠蔽し始めた。
”ブラック・ブロック”:「いやあ。残念だけど、そんないいもんじゃないんだよね……狙われてるよ、きみら」
柳瀬順吾:「いつも何かしらに狙われてる気がするね」 たったいまの襲撃者を一瞥する。
柳瀬順吾:「誰から? なんで?」
”ブラック・ブロック”:「”オッドボール”だけじゃなくて、『トラス4』全体がだよ。ギルド経由で、賞金が掛けられてる」
”ブラック・ブロック”:「『スマイリーの貸金庫』にアクセスできるやつなんて限られてるんだけど……まあいいや。とにかく手当たり次第って感じだ」
柳瀬順吾:「ギルドのアホども~~~~! SOGの次くらいに節操ねえな!」
”ブラック・ブロック”:「だからこういう血気盛んな連中も出てくる。瑛クンから聞いてなかった?」
”ブラック・ブロック”:「この数日カリカリしてるなら、多分その件だね」
柳瀬順吾:「そ、そうだったのか……瑛クンがカリカリしてるのはいつものことすぎて、完全に盲点だった……!」
GM:……きみの覚えでは、瑛・A・アヴァスがその事実を伝えた覚えはない。恐らく、『トラス4』の誰も知らないはずだ。
柳瀬順吾:「くそっ。問い詰めてやる! ……でも、あんたがそうやって忠告しにきたってことは……だ」
柳瀬順吾:「ここは共闘して事態を打開しようぜっていう、敵同士が手を組む激アツ展開ってことだろ?」
”ブラック・ブロック”:「ただでさえ、FHの勢力圏内で片っ端からシノギを荒らすようなバカやってるのにさぁ……お、助かる。話が早いじゃん、少年」
”ブラック・ブロック”:「色々言ってるけど、『ピパ・ソング』はきみらの味方」
GM:『トラス4』の計画凍結時、きみたちは事故に乗じて逃亡した。
GM:ほとんどはその確保に動いたが、ごく一部の出資セルのみは――むしろ、その逃亡を手助けするような動きを見せた。
GM:前者が『確保派』、後者が『脱出派』と呼ばれている。『ピパ・ソング』セルは、『脱出派』の筆頭でもあった。
柳瀬順吾:「そこんところがだいぶ怪しいんだけどね。あんまり信用するなって瑛クンも言ってた気がするし」
”ブラック・ブロック”:「あいつが何かを信用してるところ、見たことある?」
”ブラック・ブロック”:「ずっと怒ってるでしょ」
柳瀬順吾:「現代の科学では、まだその存在は証明されてない」
柳瀬順吾:「まあいいや。みんなに伝えとこ。用事はそれだけか?」
”ブラック・ブロック”:「具体的な案については、後で相談させてね。訓練環境の提供とか、潜入工作ならお手の物だからさ。うーん……あとは」
”ブラック・ブロック”:つか、つか、と歩み寄り、きみの前の席に腰を下ろす。
”ブラック・ブロック”:「私の興味は、どっちかって言うときみの方に向いてるんだよね」
柳瀬順吾:「俺か?」
”ブラック・ブロック”:「『トラス4』は確かに金のかかった計画だけど、その実験体の全てが……予想を上回るような成果は出さなかった」
”ブラック・ブロック”:「エマ・カルナデス。確かに優秀だけど、濃縮体実験の成果としちゃありふれてる方だよね」
”ブラック・ブロック”:「きみだけが違う・・
”ブラック・ブロック”:サングラスの奥の青い瞳が、君を見つめた。
柳瀬順吾:「……俺はそうは思わないね。戦うだけのオーヴァードなんて、それこそありふれてる」
”ブラック・ブロック”:「ふふ」笑う。「さっき戦いを見てたけど、むしろ強くなってるよね?」
柳瀬順吾:「成長期なんだよ」
”ブラック・ブロック”:「言い得て妙だ。だって、強くなることしか・・できない」
”ブラック・ブロック”:「場所を移さずとも、暴力によって……お友達を巻き込まずに、事態を解決できる自信があった。だからそうした」
”ブラック・ブロック”:「きみみたいな平和主義者は、やっぱりうちに欲しいな」
柳瀬順吾:「……くだらね~。……俺からも一個、重要な話してもいいか?」
”ブラック・ブロック”:「きみのことは何でも知りたい」
”ブラック・ブロック”:上機嫌そうに足を組み替える。
柳瀬順吾:「次の映画の、『恐怖のデスぬりかべ』のヒロイン役やってみない? いま99人に断られてる」
柳瀬順吾:「どうだ?」
”ブラック・ブロック”:「私が、ヒロインになれるって? 思ってたより創造性あるね、きみ」
”ブラック・ブロック”:「いいよ。この事態を解決したら、ご褒美に出てあげる。私はきみの映画のファンなんだ」
柳瀬順吾:「決まりだ。絶対だぜ」 立ち上がる。
”ブラック・ブロック”:「ただし名義は」サングラスを上げる。「群衆の中のひとりブラック・ブロックだ」
柳瀬順吾:「もちろん」
”ブラック・ブロック”:「なら、私の我儘に付き合ってくれる君は責任負わずアラン・スミシーだね」
柳瀬順吾:「そういうこと。……学科の中じゃ、変人扱いでね」
”ブラック・ブロック”:「自分の名前という、最初の創造性を放棄した者同士。仲良くしようじゃないか」
柳瀬順吾:「俺はいつだって仲良くしたいさ」
”ブラック・ブロック”:「知ってるさ」
”ブラック・ブロック”:「私ときみ、似てるもん」
”ブラック・ブロック”:立ち上がる。既に”増えた”ブラック・ブロックは、一人に戻っていた。
柳瀬順吾:「ふっ……はははははははは!」
柳瀬順吾:「今日イチ笑った。やっぱヒロイン向きだよ、あんた」 キッチンが止まっている以上、食事はできない。
柳瀬順吾:水だけ飲んで、歩き出す。
柳瀬順吾:みんなに伝えるべきことがある。それが一番の優先順位だった。

GM:ロイスの取得が可能です。
柳瀬順吾”ブラック・ブロック” 好意〇/隔意 で取得します!
GM:OK!(ズドン)

odd【形】[άd]
①変な、風変わりな、奇妙な。
②奇数の。
③余りの。(二つあるうちの)片方のもの。半端の。

【Opening4:8月18日 19時37分/ジャズバー『Club Malebolge』】

GM:乃木さんのオープニングです。登場侵蝕を振り、シーンへの登場をどうぞ!
乃木清和:乃木清和の侵蝕率を1D10(→ 9)増加(36 → 45)
乃木清和:キャッ
GM:エンジョイしている!乃木さんが!
GM:ウオオオ 気合入れていきましょうッ

8月18日 19時37分/ジャズバー・『Club Malebolge』

GM:『Club Malebolge』は、華吶町の喧騒とは程遠い、高所得者向け分譲住宅付近が並び立つエリアの地下に佇んでいる。
GM:主張しすぎない、寒色を基調にした壁看板と、使い込まれたシックな木造の立て看板を目印に、階段を一段ずつ降りると、
GM:夜の闇に寄り添うような、粒立つスタンダード基本コードが聞こえてくる。
GM:ボリュームのある樫の扉を開けると、燻製のような香りと、上品なアルコール……そして、金管と木の香りがゆったりと漂ってきた。
気の毒な客:「今日も追い返された……なんなんだ、あのいつも怒ってる人……」
気の毒な客:「こんなんで本当に映像作品なんて作れるのか……?」
気の毒な客:「というか、ついヤケになって知らない店に入って来ちゃったけど……」
気の毒な客:「何かオシャレすぎるし帰ろうかな――」店内をきょろきょろと見まわしたところで。
乃木清和:「いらっしゃいませ、お客様」
気の毒な客:「ウワッ アッ エ!?」
乃木清和:「一杯いかがです? なんだか陰りのある顔色をされてますから。少し休んでいかれては?」
乃木清和:白シャツに黒いベスト、黒パンツ。ホールスタッフの制服に身を包んでいる。
気の毒な客:「か、陰り……休んで……」
気の毒な客:明らかにどぎまぎしている。
気の毒な客:乃木清和に接した客がこういう反応を返すのは、ありふれたことだった。
GM:キッチンスタッフやジャズ奏者も特に顔色は変えず、気ままに演奏したり、料理を作る手を休めずにいる。
乃木清和:「大丈夫、このお店はあなたみたいな人を大歓迎。初めてだからって緊張される方も多いですけど…」
乃木清和:「マナーなんてありませんし。もし分からないことがあれば、私でよければなんでもお伝えできますよ?」
気の毒な客:「あっ好き……」
気の毒な客:「……じゃ、じゃない! えっと……それじゃあ、適当に何か注文しますね!えっと……」
気の毒な客:『えっと』を三回くらい言っている。
乃木清和:「よく言われます。ゆっくりどうぞ?」席に案内している。
気の毒な客:「あっ、そ、そうです!お店の雰囲気が好きです!いいですねここ!」
気の毒な客:「じゃ、じゃあ、おススメのおつまみとかありますか?」
気の毒な客:「ちょっと……いや、かなり怖い人に連続で怒られて……ゆっくり飲みたいなって……」
乃木清和:「それは大変。そうだな…」
乃木清和:「良いチーズが入って、それの燻製盛り合わせが今日はおすすめ…って話なんですけど」
乃木清和:「個人的には…デザートのガトーショコラが好き」
気の毒な客:「ハワ……」
気の毒な客:「100個頼みます」
気の毒な客:「あっ、すみません。夢……? とりあえず、燻製盛り合わせと……ガトーショコラを食後に……」
気の毒な客:様子も落ち着いてきたようだ。現実感がなさすぎて、逆に冷静になっているのかも知れない。
乃木清和:「あはは! ありがとうございます。少しお待ちくださいね」
気の毒な客:キツツキのように頷いている。
乃木清和:楽しげに店内を闊歩し、注文をキッチンへ伝える。
マスター:「あっ。また常連増やしたな~、このこの」
マスター:キッチンにいる女性の店主が、きみに声をかける。
乃木清和:「ふふふ。給料上乗せ、いつでもお待ちしてますけど」
マスター:「乃木ちゃん入ってくれてる時、売り上げ良いからさ……考えちゃおっかな~~」
乃木清和:「本当ですか? やった。私の天職かも、この仕事」
マスター:「うちの弟も、帆毬市で店やってるんだけどさ。『キャロル』って店」
マスター:「やっぱ……人を呼ぶには飯より顔!ってぼやいてたわ」
マスター:「乃木ちゃんの場合は接客も良いけどね」
乃木清和:「いや~。私、裏切るときは裏切りますよ?」
マスター:「急に怖いよ。どしたの」
マスター:軽やかな手さばきで燻製を盛り合わせ、胡椒を軽く絞り、バージンオイルを散らす。
乃木清和:「なんとなく…わっ、美味しそ」
マスター:「始めて来てくれたお客さんだからね。気合入れちった」
マスター:「それ持ってったら、今日上がりでいいよ。あと何かさ……お店に乃木ちゃん宛の連絡入ってた」
乃木清和:「この仕事が楽しい理由の大きなひとつに、美味しいまかないにありつけるっていうのがありまして…。…連絡?」
乃木清和:「なんだろう」とすっとぼけて、皿を受け取る。
マスター:「すっごい渋い声でさ~~!!『”20時に「BIZオフィスかとつ」の3番PCで”』だって」
GM:「BIZオフィスかとつ」とは、華吶町に複数存在するコワーキング・スペースのひとつだ。
GM:清潔な外装と安価な料金で人気を博している――その中の「3番PC」は、UGNが保有する秘匿回線の一つだった。
マスター:「いつもの付きまとい客って感じでもなかったし……」
マスター:「何か本人は”ご依頼されていた件でお話があります”って言ってたけど」
マスター:「……あっ。わかった!探偵さんじゃない!?」
乃木清和:「ああ…。それですそれです、元カレがしつこくって」
マスター:「店に来たらぶったたいたげる」フライパンをこんこんと叩く。
マスター:「今度またホールの皆で飲み行こうね。話聞くからサ」
乃木清和:「助かります。マスターなら大丈夫だと思いますけど…これ内緒にしておいてもらえます? もう一つのバイト先にも迷惑かかるといけないし」
マスター:しーっと口許に指を当てる。
乃木清和:「ふふふ。それじゃ、お疲れ様です」同じように口許に指を当てて微笑み、キッチンを抜ける。
GM:そうして、『Club Malebolge』の夜は更けていった。飾り気などない、常通りの日常のように。
GM:だが、コインの表があれば、裏があるように。
GM:その日常を保つ何者かが存在することを、誰も知らない。

8月18日 21時2分/コワーキング・スペース『BIZオフィスかとつ』

GM:「任務」で何度も利用している秘匿回線へは、アクセスもスムーズだった。
GM:PCを立ち上げ、数時間ごとに更新されるパスコードを、検索タブに偽装した回線システムに打ち込む。
GM:単純交換鍵によって構築される通信は、暗号管理が煩雑だが、その分秘匿性も強い。
GM:瑛・A・アヴァスのような電子戦能力者を擁する組織へ潜入する以上、こういったアナログな手段はむしろ有効に働いた。
GM:ほどなくして、画面の前に通信が構築され、一人の壮年男性の顔が表示される。
坂城只人:「8月18日、2102、定時報告を開始」
坂城只人:「”リセ”より”バニティ”への喚問を実施する。……二か月ぶりですね」
乃木清和:「個人携帯に連絡入れたらアシがつきかねないから避けたって事情はお察ししますけど」
坂城只人:「待った! 通信してそうそう、文句はやめてください」
乃木清和:「あの店にもこわ~いお姉さんが時々来てるんだからね? 部下の安全を優先するなら連絡はおすすめしないな~」
乃木清和:「文句じゃないです~」
坂城只人:「『ピパ・ソング』を気にしているなら、問題ありません。彼らはそういった種類の無茶はしない」
坂城只人:「彼らが我々と対立するとしたら、もっと速やかで、致命的な種類の対決を行います」
GM:『Club Malbolge』は実のところ、権力の真空地帯でもあった。
GM:十数か月ほど以前、「偶発的に発生した」オーヴァード同士のいさかいに、「運悪く」巻き込まれ――
GM:「たまたま」居合わせた乃木清和が「トラス4」に発見される契機となった場所でもあり、
GM:そしてその騒動を隠蔽した『ピパ・ソング』が実質的に管理する店でもある。
GM:例えば雇用されているジャズ奏者の一人が、楽器の中に直視してはいけない”なにか”を飼っていることを、きみだけが知っていた。
GM:つまり、『Club MAlbolge』は『トラス4』、『ピパ・ソング』が交差する地点であり。
GM:同時に――
坂城只人:「潜入任務の経過はどうですか。UGNエージェント、”バニティ・・・・”」
GM:UGN潜入捜査官アンダーカヴァ、”バニティ”乃木清和の潜伏先でもある。
乃木清和:「うまくやってるよ? 『Club Malbolge』じゃすっかり看板娘だし。あそこ、客層も良いし」
乃木清和:「トラス4はね。どうだろうなあ。あ、この間新入りが入ったよ」
坂城只人:「また新たな”アナーキー”が?」
GM:「アナーキー」。UGNが確認できていないイリーガルのうち、更に独自の理念を持って組織化し、無政府的に活動するものたちを指す。
GM:龍神貴好がこれからそうなるかは、まだ確定していない事実でもあった。
乃木清和:「覚醒したばっかりのニュービー。その子がどうこうじゃなくて、拾われた先がトラス4だったってだけ……まあ」
乃木清和:「UGNで気に入られるような子かはちょっと疑問かな…。ひとまず静観しようと思ってる」
坂城只人:「ふむ……あまり好ましい事態ではありませんね」
乃木清和:「そう?」
坂城只人:「UGNの認識しないオーヴァードは、それ自体が潜在的なリスクであると考えるべきです」
坂城只人:「存在しないものに対処はできないでしょう」
乃木清和:「だから私が送られたんじゃない。認識し、対処を考えるために」
坂城只人:「正しい理解です。暫定的・・・には」
乃木清和:「褒められてる気がしない言葉だな~。なにかあったの?」
坂城只人:「少し例え話をしましょう。品種改良のために、白いバラを何十本も育てることにします」
乃木清和:(似合うね~)と目の前の男が薔薇を育てている様子を妄想している。
坂城只人:「実験によってバラは成長し、職員たちは希望を持ちます。”これ”は、求めていた花かも知れないと」
坂城只人:「バラは、人の心を受け取る不思議な力を持っていました。絆を結ぶ力です」
乃木清和:「美しい話だね」
坂城只人:「ええ。ここまでは」
坂城只人:「そうしてすくすくと育ち、大輪の花を咲かすかに見えたバラは」
坂城只人:「ある日、自分の力を出し切って、突然枯れてしまいました」
坂城只人:「誰かのために、という想いが、この結果を招いたのです」
坂城只人:「私の言いたいことがわかりますか? ”バニティ”」
乃木清和:「う~ん」
乃木清和:「満開になったら、枯れちゃうから…」
乃木清和:「八分咲きくらいで止めてあげられたら、ずっと綺麗な花でいられる」
坂城只人:「……花のことをよくわかっていますね」微笑む。
乃木清和:「ロマンチック例え話男……」
坂城只人:「華吶町は、UGNが積極的に介入していない区域です。意図的・・・にそうしている」
坂城只人:「この仕事に就いている人間は、多かれ少なかれロマンチストですよ」さらりと流す。「ですが、現実を見なければいけないこともある」
坂城只人:「我々の最終的な目標は、オーヴァードと一般人の保護です」
坂城只人:「つまり、華吶町に存在するFHセル、及びイリーガル勢力には、潰し合って……あるいは、体制側について貰う必要がある」
乃木清和:「今のいたちごっこみたいな状況が続いてくなら、逆に問題ないって話でしょ?」
坂城只人:頷く。「君は後者のための潜入捜査官です。華吶町が混乱に巻き込まれた時、速やかに『トラス4』とUGNを接続させるための」
坂城只人:「”潰し合わせる”ための人材は、既に先行させています」
乃木清和:「え、私が知ってる人?」
坂城只人:「きみと接触することは作戦の構造上考えられないでしょうし、必要もないので教えません」
坂城只人:少し口角が上がっている。からかっているのだ。
乃木清和:「あ、出た。秘密主義」
乃木清和:素直にムッとした顔で見つめ返す。
坂城只人:「”お互いを知って連携を”という考えが通じるほど、『トラス4』が甘い組織ではないのは」
坂城只人:「きみが一番分かっているでしょう。……安心してください。その時が来たら、きちんと協働させますよ」
坂城只人:「びっくりするような人物ですから。楽しみにしておいてください」
坂城只人:坂城只人。”リセ”。七咲市の支部長にして、未確認オーヴァードの追跡と補足を職掌として与えられたオーヴァード。
坂城只人:つまり、持ちうる手駒は……”リセ”自身が市外に存在しながらも、調査エリアの全域に及ぶのだ。
乃木清和:「“リセ”がそう言うってことは……私とは相性悪い人間っぽいけどな~……。はいはい、楽しみにしておきますよっと」
坂城只人:「困りましたね。きみに嫌われては悲しい」
GM:数年前は実直な人物だったが……保護していたイリーガルの一人を失って以来、こうした飄々とした言動と、悪辣な作戦を見せるようになったのだという。
乃木清和:「私は花たちが咲きすぎないよう、うまく誘導しろってんでしょ」
坂城只人:「ええ。きみは庭師です」
坂城只人:「美しいものを美しいままに保つ。害虫が庭を荒らせば剪定する」
坂城只人:経過観察、現状維持。そして、”トラス4”の現況を大きく変え得る不穏分子の排除。
坂城只人:「きみと――」
坂城只人:「きみの友人・・ならば、できるでしょう。自惚れではなく」
乃木清和:「さあ」
乃木清和:「あんまり期待されると、裏切っちゃうかもしれないからさ」
乃木清和:「それには何も答えないでおくよ。ありがと」
GM:優秀な能力と、破綻した性情。
GM:”バニティ”は潜入捜査官として特筆すべき資質と異常を同時に抱えている。
GM:だが、その事実が……彼女の内面においては、矛盾のない性質だったとすれば?
坂城只人:(その花に名前ことばを与えるとすれば)
坂城只人:(狂気だ)
坂城只人:通信が途切れる。
乃木清和:ブラックアウトした画面を見て、姿勢を崩して己の左手を眺める。
乃木清和:薬指。アルバイト中は着用していない指輪が、照明を浴びて薄ら輝く。
乃木清和:「誰かのためにって自分の力を出し切ったら、満開に咲いて枯れちゃうからいけないんだって」
乃木清和:「安寧に、8分咲きで生きていくのが、トラス4の選ぶべき道だって──」
乃木清和:「なんて、みんなはどう思うかな?」
GM:指輪は答えない。夢見るような囁きだけが虚ろに溶けていく。

GM:ロイスの取得が可能です。
乃木清和:シナリオロイスの坂城只人さんに~ 信頼/〇:不誠実
乃木清和:これでいきますッ
GM:不誠実!最高の感情を……!ありがとうございます!

Vanity【名】[vˈænəṭi]
①虚栄心、うぬぼれ。
②自慢の種。うぬぼれているもの。
③化粧台。化粧ポーチ。[米俗語]
④はかない行為。むなしい物事。空虚さ。無意味さ。

【Master1】:8月16日 20:00/『電海オワリのインターネットディープシーラジオ』【雑談枠】

電海オワリ:「こんばんディ~プ! 世界の終わりからやってきた!電海いかるみオワリのインターネッツラジオ、今日もやってくよ~」
電海オワリ:「『相変わらず平成すぎて草』『今って令和だったっけ?』……いや~、そういう”浅い”コメントはいいんだよね……」
電海オワリ:「力抜けよ……オワリの配信初めてか?」
GM:電海オワリは、登録者数7000人ほどの、華吶町を(非公認)拠点とするバーチャル配信者である。
GM:配信内容は、確信に乏しい風説の流布。つまり、デマのばらまきによりインプレッションを稼ごうとする典型的な倫理に欠けた配信者だった。
GM:しかし。
電海オワリ:「『またデマだろいい加減に引退しろよこの底辺』……治安悪すぎ!マネちゃん!配信見てたらモデレーター早く雇ってくださ~い!」
電海オワリ:「荒らしはムシムシ。今日はとっておきの特ダネ持って来てるのだ。なんと……」
電海オワリ:しばらくして、チープなヴェイパーウェイヴ風の配信画面に粗い画質の動画が映り始める。
GM:緑と黄色の看板が目立つ、箱のような建物。華吶町に住むものならば、一番街店の『ローンマート』だと誰もが一目でわかるだろう。
GM:突如、轟音を立てて店のガラスが砕ける。絶叫、悲鳴。
GM:そして、二体の異形が対峙する。硝子のような質感を反射する人影と、指のように見える怪物。
GM:次の瞬間。硝子の人影が、指に打擲され砕けた。
GM:次いで銃声。マズルフラッシュのような閃光が瞬いた。四人の人影が闇夜に映る。
GM:背の高い男性らしき人影が三つ、背の低い女性らしき人影が一つ。
GM:カメラが自動的にピントを合わせようとした瞬間、再び閃光が走る。
GM:画面は砂嵐に包まれた。動画が終わる。
電海オワリ:「いんや~……ヤバいもん見ちゃったね。視聴者の皆、これどう思う? コメントで意見聞かせて……うわっ、同接スゴ!!」
電海オワリ:「これ、先週の『ローンマート』一番街店の強盗事件映像を独自ルートで入手したやつね!」
電海オワリ:「『絶対捏造で草』『AI』? 違うって! 陰謀でしょ、これ!」
電海オワリ:「こういう奴らって、裏の社会だと『アナーキー』って呼ばれてるらしいよ。マネちゃんが言ってた」
電海オワリ:「いうなればコイツら……『華吶町のアナーキー』?」
電海オワリ:「次、情報入ったら絶対また枠取って配信するから! 皆も情報あったらバンバンコメントとかおたよりフォームに書き込んで!」
電海オワリ:「あ、チャンネル登録と高評価ボタン、通知登録もよろしく――」
電海オワリ:[この配信は終了しました]

【Middle01:8月20日 11:39/華吶町立総合病院 待合室】

GM:合流シーンです。PC全員は、登場侵蝕をどうぞ。
龍神貴好:龍神貴好の侵蝕率を1D10(→ 9)増加(36 → 45)
柳瀬順吾:1d10+42
DoubleCross : (1D10+42) → 3[3]+42 → 45

乃木清和:乃木清和の侵蝕率を1D10(→ 10)増加(45 → 55)
エマ・カルナデス:1D10+35
DoubleCross : (1D10+35) → 6[6]+35 → 41

GM:事件から一週間弱が経ち、短期入院していた荒崎怜が退院した。
GM:現在『トラス4』の各員は、「善意の通報者」を装って荒崎怜の見舞いに行くようにと瑛・A・アヴァスから通達されている。
GM:ビデオショップ『Chill to Shift』の仲のいい常連客が、たまたま強盗事件を目撃し、荒崎怜と龍神貴好を保護した。そういう筋書きだった。
荒崎怜:「お世話になりました」スポーツバッグを肩にかけた荒崎怜が、軽い足取りで待合室へ歩いて来る。
荒崎怜:「お見舞い、ありがとうございます。……ここまでしていただかなくてもいいのに」
瑛・A・アヴァス:「いえ。一介の市民として、最後まで責任を持って事態を見届ける義務がありますから」にこやかに応対している。
瑛・A・アヴァス:その背中から、無言の圧力を感じるのは気のせいだろうか……
柳瀬順吾:「そうそう。善良な一市民としてね! にじみ出ただけ! 善良さが!」
乃木清和:「ちょっと怜ちゃんにアピールしないの~。彼氏がいるんだから~」
エマ・カルナデス:「いいから、そういうの。……まあ、何かあったときはお互い様なんで気にしないでいいですよ、ほんとに」
龍神貴好:緊張した面持ちで、そわそわと横の隅に立っている。
柳瀬順吾:「そういやそうだ。彼氏、退院おめでとうの言葉をどうぞ~」
龍神貴好:「あ、うん。はい」
龍神貴好:「怜、退院おめでとう。無事でほんとに……本当に良かった」
荒崎怜:「……」胡乱なものを見るような目つきだったが。溜息を吐く。
荒崎怜:「タカくんもね」
龍神貴好:「ああ、ううん。僕はほら。運が良かったから」
荒崎怜:「……『Chill to Shift』の店主さんと、お客さんたちでしたっけ」
荒崎怜:「タカくんのことも、今まで色々面倒見てくれてたって聞きました。ありがとうございます」
荒崎怜:「何でそこまでしてくれたんですか? お金とかなら、また後日……」
柳瀬順吾:「そ~だよ~。俺たちゃ常連客! ってか、なんでそこまでって……」 エマを振り返る。
エマ・カルナデス:「面倒というほどの事でもないですよ。言ったでしょう、お互い様だって」
柳瀬順吾:「そう、それ。俺、監督コメンタリーとか苦手だから、いい感じのこと言ってくれて助かる~」
瑛・A・アヴァス:「ええ。彼らの言う通り、市民としての義務を果たしたまでですよ。私、市役所務めなもので」
瑛・A・アヴァス:「どうにも見て見ぬ振りというのは苦手なんです。ははは……職業病ってやつですかね?」
エマ・カルナデス:「荒崎先輩が釣り合いが取れていないと思うなら、また店にでも寄ってください」
エマ・カルナデス:「龍神リュージン先輩と見る映画とか、オススメのを取っておきますから」
荒崎怜:「……気を利かせてくれてありがとう。お言葉に甘えます」
荒崎怜:「あんまり、映画とか解らないから……随分タカくんに詳しいんですね?」
荒崎怜:特段、口調に変わった様子はない。世間話の延長と言わんばかりの問いかけだ。
エマ・カルナデス:「………」ぱちくり。
柳瀬順吾:(乃木チャン。俺、なんか急に帰りたくなってきた)
乃木清和:(えっでも面白くない? リーダーの恋バナなんて聞いたことないじゃん)
瑛・A・アヴァス:「いやあ、この一週間、龍神くんが『荒崎さんに会えなくて退屈だ』と言っていたものでね」
エマ・カルナデス:「ああ……そうそう。なので、どちらかというと彼より荒崎先輩についての方が、詳しいと思います」
瑛・A・アヴァス:「エマくんや常連の皆と一緒に、おすすめの映画を紹介し合っていたんですよ。後で一緒に見るものの選定も兼ねて」龍神くんの足をめちゃくちゃ踏んでいる。
瑛・A・アヴァス:(話 を)(あ わ せ ろ)
龍神貴好:(そこは、いた、くはないけどっ……わか、わかってるって)
龍神貴好:「うん……いや、瑛さんが言うほど惚気てはなかったと思うけど」
柳瀬順吾:(ホッ)
乃木清和:(チェッ)
エマ・カルナデス:(何の牽制だったんだろ、いまの……)彼女の方がよほど詳しいだろうと思うが。首を傾げつつ、とりあえず話を合わせる。
龍神貴好:「だから、映画とか、見たりしよう。変なのはない……と思う。多分」
荒崎怜:「うん。楽しみにしてる……すみません、変な空気にさせてしまって」ようやく、わずかに表情が緩む。
荒崎怜:「今度、メンバーカードを作りに来ます。困ったことがあれば、相談してください」
荒崎怜:財布から名刺を渡す。
荒崎怜:【KSCネッツ関東 一番街エリアセキュリティマネージャー 荒崎怜】
GM華吶セキュリティコンサルタントKSCネッツ関東。近年急激に頭角を現してきた、ベンチャーのセキュリティコンサルタント企業だ。
GM:荒崎怜はその画像データをチェック、管理するマネージャーとして、インターンの身でありながら既に企業での正社員相当の勤務をこなしていた。
柳瀬順吾:「うおっ。すごっ。就活始めてる人だ! 名刺がまぶしいぜ」
エマ・カルナデス:「これはご丁寧に……ハナブサ、うちって名刺とかあったっけ」
瑛・A・アヴァス:「ええ。エマくんの店長名刺なら」何でお前が持ってないんだ?と言外に聞いている。
エマ・カルナデス:「…………」
エマ・カルナデス:「まあ、名刺よりこっちの方が値引きあるので、どうぞ」クーポン券を兼ねたDMの用紙を取り出し、渡しておく。
瑛・A・アヴァス:にこやかな笑みを貼り付け、名刺も掌にねじ込む。
柳瀬順吾:「あ、こっちは俺の名刺! 世界的C級映画監督、ジュンゴ・アイアンボルトです」
柳瀬順吾:「あっ、『志望』つけるの忘れてた…まあいいや…」
エマ・カルナデス:「ありました。どうぞ」
荒崎怜:「ご丁寧にどうも。アイアンボルトの名刺は……」「……」
荒崎怜:「拝領致します」頭を下げ、装飾過多の名刺を財布にしまう。
乃木清和:「ねね、私も渡す! 普段は『Club Malebolge』にいるから、彼氏と遊びに来てね」
荒崎怜:「ああ、あそこで働いてらっしゃるんですか。……以前、実家に帰省した時……」
荒崎怜:「父が好きだと言っていました。良い店ですよね」
龍神貴好:「へえ」
龍神貴好:「それなら今度行こう。ジャズバー……なんだっけ」
荒崎怜:「今度連れて行ってあげる」龍神くんの袖を引く。「読み方もその時に教えるから」
荒崎怜:「それでは、申し訳ありませんが……業務が溜まっているので、私はこれで。またご連絡します」
龍神貴好:「あっ」『袖』を引かれて多少焦る。
荒崎怜:「? ごめん、傷に障った……?」
荒崎怜:「……少し太った?」
荒崎怜:「重い気がする……まあ、運動する暇なんてなかったでしょうし」
龍神貴好:「えっと……なんていうか」
龍神貴好:「傷もだけど、後遺症?でさ。うん」
龍神貴好:「リハビリとか……するよ。今はあんまり触られると、その」
龍神貴好:「痛いし、恥ずかしい」
荒崎怜:「そう。……荷物、タカくんの家に送っておいたから」
荒崎怜:「家事、やるから。必要なら言って」
荒崎怜:「必要じゃなくても」
荒崎怜:吶吶と言い残した後、少し恥ずかし気に目を伏せ、荒崎怜は去って行った。
龍神貴好:「ありがと……あ」
瑛・A・アヴァス:「……」
瑛・A・アヴァス:「疲れた」
瑛・A・アヴァス:どっかりと待合室のソファに腰掛ける。
乃木清和:「ほぉぉ~~」訳知り顔でニヤニヤしている。「あれはなかなか…なかなかじゃない?」
瑛・A・アヴァス:「黙れ。何も面白くない……」説教もいつもよりキレがない。
エマ・カルナデス:「最後、危なかったけどちゃんと誤魔化せた。偉い」
龍神貴好:「誤魔化せてたかなあ」
柳瀬順吾:「さすが、演技も一流! ま、大丈夫だろ」
柳瀬順吾:「……たぶん」
エマ・カルナデス:「今後はそれが日常になる。慣れなくても、やって」
龍神貴好:「……うん。あいつには知られたくないしな」
乃木清和:「彼女、ちょっと変化に気付いたらしつこいと思うよ~」
エマ・カルナデス:「初めはしんどいと思うけど、ここの5人は同じ秘密を抱えてる」
エマ・カルナデス:「身内への嘘に疲れたら、私達も頼るといい。そういうもの」
龍神貴好:「確かにしつこそうだけど……頑張るよ」
龍神貴好:「うん。ありがとう」
龍神貴好:「やっぱり僕、怜のことが大事だから」
瑛・A・アヴァス:「秘密か」仏頂面で言う。「悪いが、危うい状況になりつつあるぞ」
龍神貴好:「危うい?」
瑛・A・アヴァス:端末の画面を見せる。『電海オワリのディープシーラジオ』という動画チャンネルが表示されている。
瑛・A・アヴァス:「『ローンマート』襲撃事件の映像の一部が、何故かこの動画チャンネルでバラまかれてる」
エマ・カルナデス:「………」配信を視聴し終えたあと、眉間を揉む。
柳瀬順吾:「おお~。いい画角じゃん! いかにもモンスターパニック! モンスターたちがろくに映ってないところが特にイイ」
龍神貴好:「うわっ恥ずかしい」
乃木清和:「えっ、私達も映ってるの? ヤバ……」
瑛・A・アヴァス:「俺が改竄する”前”の映像だ。……下手を打った。謝罪する」
エマ・カルナデス:「ただの監視カメラの映像なら、ハナブサなら何とでもなる筈。それが流出したのは、一体どういう理由?」
エマ・カルナデス:「……というか、男三人?」
GM:画質の荒さと、画面切断の迅速さから、個人が特定できるような形では映っていない。
GM:だが、瑛・A・アヴァスの改ざんを潜り抜け、一介の動画配信者にデータが流出しているという事態が、そもそも異常だった。
瑛・A・アヴァス:「手掛かりはある」エマの方を向く。
瑛・A・アヴァス:「この動画をどうこうした連中は、今の俺たちのことをさほど知らないということだ。乃木を男だと見間違えている」
柳瀬順吾:「それと、たぶんUGNの仕事じゃない。わざわざバラまかね~もん」
龍神貴好:「UGNは……こういうの隠蔽する組織……だっけ?」
瑛・A・アヴァス:「隠す側だ。俺なんぞよりよほど優秀な電子戦能力者や工作員を多数擁している」
瑛・A・アヴァス:「『ホワイトハンズ』と呼ばれる、専門の記憶焼却部隊まで抱えている始末だ」
乃木清和:喜べばいいのか文句を言えばいいのかの複雑な顔をしている。
エマ・カルナデス:「そう。既に拡散された場合は欺瞞工作として、柳瀬が作る映画みたいな『作り物』の映像だったことにするようなケースもあるけど……」
エマ・カルナデス:「よっぽどの事態でなければ、基本的には彼等は隠蔽の方に動く」
柳瀬順吾:「と、すると、ギルドかもね」
柳瀬順吾:「なんか俺たちに懸賞金出てるらしいよ。ブラック・ブロックが言ってたし」
龍神貴好:「ギルド」
龍神貴好:「冒険者?」
エマ・カルナデス:「……犯罪組織。どちらかと言えば商業組合の意味合いが近い」
龍神貴好:「商人ギルドか」
乃木清和:「ちょっと待ってよ。なんで柳瀬がそれを知ってるの?」
柳瀬順吾:「そんな感じ。シグマ・フォースって映画見たことある? ちょうどあんな感じで……え、俺?」
瑛・A・アヴァス:「……お前……まさか」
GM:この数日で、『トラス4』の面々は、龍神貴好に一通りのレネゲイドの知識は与えていた。だが、一つだけ教えられないことがある。
GM:すなわち、戦いが日常・・であるということ。
柳瀬順吾:「大学の食堂で襲われてさ~。ブラック・ブロックのやつも手伝えばいいのに、ボケーッと鑑賞してやがって」
龍神貴好:「えっ大学の!?」
柳瀬順吾:「そうそう。……やつの話によると、どうも俺ら、高い賞金かけられてるみたい。面倒くさいよね」
エマ・カルナデス:「…………それ、いつの事?」
龍神貴好:「確か柳瀬くんて僕と同じ大学だよね。あの食堂で……?」
GM:華吶町立寄咲大学カフェテリアで発生した襲撃事件は8月17日の15時32分。つまり、つい最近のことだ。
柳瀬順吾:「えっ。3日前くらい……かな」
柳瀬順吾:「そーだよ、あの食堂で! 休業にならなくて、ホントよかったよ」
瑛・A・アヴァス:「おい……何故黙って……いや……この件に関しては、俺にも責任がある……」
エマ・カルナデス:「報告!連絡!相談!」
エマ・カルナデス:「……はあ。とりあえず、真っ先に狙われたのがヤナセでよかった」
GM:龍神くんは気付いてもいい。
GM:『トラス4』の誰も、柳瀬順吾自身の心配はしていなかったことに。
柳瀬順吾:「ほうれんそうができるくらいなら、単位も落としてないんだな、これが」
龍神貴好:「えってか……それで大丈夫だったのか?襲われてって……」
瑛・A・アヴァス:「龍神。……柳瀬のことに関しては、心配するだけ無駄だ」
龍神貴好:「え」
瑛・A・アヴァス:「お前は月とか星がすぐ落ちてくるかも、みたいな心配をするのか?」
龍神貴好:「………杞憂、ってこと」
柳瀬順吾:「大丈夫じゃないよ! ランチタイムは潰れるし、あのあとパチスロで4万円負けたんだからな!」
瑛・A・アヴァス:「口を閉じろ!俺が憂慮しているとすれば、その途方もない頭の悪さだけだ!」
柳瀬順吾:「そんな! これから対策会議するんだろ? 俺ら、面倒なことに巻き込まれそうじゃん!」
瑛・A・アヴァス:「なぜ胴元が最終的に勝利することが科学的に実証されている集金装置にわざわざ耽溺する!?貯金と投資をしろ!稼得活動を増やせ!」
エマ・カルナデス:「前も言ったけど、私は名目上のリーダー。ヤナセは素行がアレだけど、から戦闘力では一番だった」
龍神貴好:「そうなんだ……」イメージと結びつかない。
柳瀬順吾:「すげー不幸な目にあったら、その揺り戻しで幸運が来るはずなんだよ! これがカガク! それに、ギルドはUGNより面倒くさいから、作戦が必要だろ!」
エマ・カルナデス:「……まあ、本人はそれに価値を置いていないようだけど。とにかく、襲撃されるのがヤナセだけなら放っておけばいい、でも」
エマ・カルナデス:「私達全員が懸賞金を掛けられているならそうもいかない。特に、戦闘向きじゃないハナブサ、新入りの龍神リュージン
龍神貴好:「えっ?僕にも?」
龍神貴好:当事者意識が薄い。
瑛・A・アヴァス:「『トラス4』全員だ。例外はない」
エマ・カルナデス:「流出した映像には龍神リュージンの指の姿も、擬態後の背格好も映っていた」
エマ・カルナデス:「あれが契機なら、含められている方が自然」
龍神貴好:「ううう……あの映像見られてると思うとすごく……すごく恥ずかしい……」
柳瀬順吾:「おお~、大物だな! 恥ずかしさの方が先とは!」
柳瀬順吾:「役者の素質がある!」
瑛・A・アヴァス:「恥ずかしがっている場合か! ただの懸賞金ならば、俺が改竄する余地はいくらでもあった」
瑛・A・アヴァス:「データを表示するプラットフォームの方を破壊し続ければいいだけの話だからな。だが……」
瑛・A・アヴァス:「柳瀬。ギルドが噛んでいるかも、と言ったな? 恐らく、『スマイリーの貸金庫』を経由してるはずだ」
瑛・A・アヴァス:「あそこに預け入れた資金は、ギルドの戦力と隠蔽能力によって確実に保護される」
柳瀬順吾:「まあ、懸賞金かけるっつったら、そこだよね~」
瑛・A・アヴァス:「つまり、『貸金庫』に懸賞金を預け入れれば……それを邪魔されるのは、ギルドの面子にも関わる」
瑛・A・アヴァス:「連中は全力で俺たちの懸賞金を担保しにくるだろう。当分逃げられないぞ」
龍神貴好:「つまりメチャクチャ襲われる」
龍神貴好:「って理解でいいのかな」
瑛・A・アヴァス:「まずはその認識でいい」
エマ・カルナデス:「……それにしても。私達に、わざわざ懸賞金を掛けるというのは不可解」
瑛・A・アヴァス:「考えられるとすれば、『確保派』の残党だ」
エマ・カルナデス:「…………しつこい人達」苦虫を噛み潰すような表情。
GM:『確保派』。かつて、『トラス4』脱走時に……彼女たちを最後まで捕らえ、実験対象として利用しようとした出資セルの総称だ。
GM:”ブラック・ブロック”の所属していた『ピパ・ソング』に代表される『脱出派』とは、真逆の立ち位置にあると言ってよい。
柳瀬順吾:「いい加減、コスパ悪いってことを理解してほしいんだけどな~……」
エマ・カルナデス:「私達…ハナブサやヤナセは、元々ある秘密結社にいた。正義か悪かで言えば、まあ悪い方」
龍神貴好:「秘密結社……」
エマ・カルナデス:「その頃の親玉が、その営業所が潰れた後も私達を使おうと捕まえにきている。とりあえず、そう言う認識で構わない」
瑛・A・アヴァス:「乃木。龍神。お前たちとはある意味、関係のない因縁だ」
乃木清和:「私も後から入った野良組なの」龍神くんに。
龍神貴好:「あ、そうなんだ……すっかり馴染んでるから、意外かも」
瑛・A・アヴァス:「保護を求めるなら、然るべき伝手に連絡することも」「ことも……」めちゃくちゃイヤそうな顔をしている「できる」
乃木清和:「龍神もすぐに馴染むよ~。 あはは、そうだね。このトラス4にこのまま残るならね」
瑛・A・アヴァス:「最善の道は、このまま真っ直ぐ華吶町から出て、最寄りの”正義の秘密結社”に助けを求めることだ」
柳瀬順吾:「そうだな。無理にフリーでいる必要もないからな」
瑛・A・アヴァス:「ユニバーサル・ガーディアンズ・ネットワークと呼ばれている」
エマ・カルナデス:「……ごめんなさい。此処で学べばいいなんて大口を叩いて、早々に巻き込んで」
エマ・カルナデス:眉を下げた表情。
龍神貴好:「あ、さっき言ってた……」
乃木清和:「UGNね。ちゃんとしたトコ」
柳瀬順吾:「ちゃんとしてるかな~……」
龍神貴好:「えと。エマさんがそんな申し訳なく思うことは、ないんじゃないかな」
龍神貴好:「少なくとも僕は助かってる」
瑛・A・アヴァス:「……だが、連中は正義であっても、正しくはない」
瑛・A・アヴァス:「異能者の存在を隠蔽し、一般人の保護に努めると言えば聞こえはいいが」
瑛・A・アヴァス:「……実際の、『トラス4』のような実験被害者に対しては、問題を先送りしているにすぎない」
龍神貴好:「あー……そうか。一般人が優先なんだ」
龍神貴好:「一般人の平和な暮らしを守るけど」
龍神貴好:「一般人じゃなくなってしまった人たちは……隠蔽によって割を食う人たちは」
龍神貴好:「守ってもらえないんだな……」
瑛・A・アヴァス:「そうだ。隠蔽している”から”、『トラス4』のような実験が起こる」
瑛・A・アヴァス:「出資していたセルの中には、UGNに関与しているやつだっていた」
瑛・A・アヴァス:「……その事実も踏まえて、龍神と乃木。お前たちが決めろ」
エマ・カルナデス:「私達は私達で何とかする。FHと関わりのない二人まで、ギルドを敵に回す事はない」
乃木清和:「え、私も?」
龍神貴好:「それは、UGNに助けを求めるかどうか、ってことだよな」
瑛・A・アヴァス:「そうだ。お前は中々真面目に人の話を聞くやつだな……」
瑛・A・アヴァス:「それに比べて乃木!!!!!!!!!!!」
乃木清和:「ぎゃっ」
瑛・A・アヴァス:「お前はなんだ!!!!話を聞いていなかったのか!?!?!」
龍神貴好:(声でか)
乃木清和:「うるさ!」
柳瀬順吾:「音量がデカい」
乃木清和:「だって~、ひどいじゃん。私はもうすっかり皆の仲間だと思ってたのに~」
瑛・A・アヴァス:「『仲間』みたいな軽薄な価値観で自らの人生を棒に振るな!!部活動じゃあないんだぞッ」
瑛・A・アヴァス:「頭にきた!話にならん!カルナデス!俺は意見を聞いたぞ!お前の判断に任せる!」
乃木清和:「私は私でやりたいことがあるから、いいの。いまさらUGNにいく気もないし…」
エマ・カルナデス:「……この状況を町外への脱出以外で切り抜けようとするなら、とても困難な方法になる」
エマ・カルナデス:「確実な身の安全を考えるなら、UGNに保護を求める方がいい。……それでも?」
瑛・A・アヴァス:貧乏ゆすりしながら事の次第を見守っている。
乃木清和:「身の安全を優先するような人間なら、そもそもフリーランスなんてやらないし」ひらひら手を振る。「私だってUGNに思うところがあるってこと」
乃木清和:「こっちは大丈夫。龍神と話してあげて」
瑛・A・アヴァス:「最もらしいことを……」
エマ・カルナデス:「ん。……ありがとう、ノギ」
エマ・カルナデス:新入りの方へ向き直る。
龍神貴好:「………」
エマ・カルナデス:「改めて。……荒崎先輩のこともあるし、きみはまだ右も左も分からないなりたて・・・・
エマ・カルナデス:「私としては、彼女や身内の保護を含めた町外への脱出を勧める」
エマ・カルナデス:「龍神リュージンは、どうしたい?」
龍神貴好:「話を聞いてて、多分、そう。勧められたようにするのがいいんだろうなって思うよ」
龍神貴好:「そうなんだけどさ」
龍神貴好:「……怜は、変わったことのない、自分を大切にする生き方をするべきだって言うのに」
龍神貴好:「この町に……華吶町に戻ってきて、ここで働こうって決めてるんだよ」
龍神貴好:「確かにUGNに頼った方が安全に生きられるよ、僕も、怜も」
龍神貴好:「でも、そういう決意は……きっと、駄目になっちゃうんだろうなって」
龍神貴好:「なんだっけ。記憶を弄ることもできるんだっけ。なら、その気持ちを変えてしまうこともできるんだろうな」
龍神貴好:「………それは、いやだ」
瑛・A・アヴァス:「…………」
瑛・A・アヴァス:「まさか」
瑛・A・アヴァス:「ここまで愚かだとはな」
瑛・A・アヴァス:無意味に脛を蹴る。
龍神貴好:「大学生ってそうなんだtあいった!」
瑛・A・アヴァス:「今、お前が言ったことの、意味を、本当に、わかって、いるんだろうな、おい」
龍神貴好:「瑛さん僕のことサンドバッグか何かだと思ってない?!」
龍神貴好:「ヤバいことになる。ってことだろ」
瑛・A・アヴァス:「わかってるならいい」
瑛・A・アヴァス:「生きる理由があるんじゃないか。もったいぶらずに最初に言え」
瑛・A・アヴァス:「気付くのが遅い!!!!!!!他人の時間を奪っていると自覚しろ!!!!!!」
柳瀬順吾:「声がデカっ」
瑛・A・アヴァス:「五分前行動!!!!!!」
龍神貴好:「声でか!!」
エマ・カルナデス:「……己の意地を折りたくない、折れた事さえ忘れることはしたくない」
エマ・カルナデス:「だから此処に留まれるよう、自らの力を尽くす」僅かに笑み、肩を竦める。
龍神貴好:頷く。
エマ・カルナデス:「お手上げ。私達より、よっぽど”アナーキー”」
龍神貴好:「やってみようと思う。僕は、『龍神貴好』」
龍神貴好:「龍は」
龍神貴好:「飛び立つものだから」
龍神貴好:なんて、な。と肩をすくめる。
瑛・A・アヴァス:「乃木。お前も同罪だ」
瑛・A・アヴァス:「軽薄な物言いが伝染している。何を教育した?」
瑛・A・アヴァス:「責任を取って付き合ってもらうぞ」
乃木清和:「うわ、巻き込まれたな~。巻き込まれにいってるけどね」
瑛・A・アヴァス:「自分から志願したのならば嫌そうなそぶりを見せるんじゃない!作戦を立てるぞ!」
エマ・カルナデス:「オーケー。2人がその気なら、もう3人だけなんて薄情なことは言わない」
エマ・カルナデス:「私達5人で、共犯者トラス4だ」
エマ・カルナデス:「嫌だって言っても道連れだから、覚悟しておいて」
瑛・A・アヴァス:端末を弄っている。表示されているのはこの街の地図だ。
瑛・A・アヴァス:クラブ・マレボルージュ、華吶町一番街、寄咲大学。
瑛・A・アヴァス:「俺たちの強みは一つある」
瑛・A・アヴァス:「どんな勢力の助けも借りられるということだ。無政府主義者アナーキーだからな」
柳瀬順吾:「明白な味方もいなけりゃ、敵もいない!」
柳瀬順吾:「ゲゲゲの妖怪みたいだろ」
瑛・A・アヴァス:「ファルスハーツ。警察。一般人。オールド崩れ」
エマ・カルナデス:「取引相手はごまんといる。まずは、そこから情報を得る」
瑛・A・アヴァス:「助けになりそうなコネクションを片っ端からリストアップした。……この街は、俺たちの味方だ」
瑛・A・アヴァス:「多分な」

【ALLIANCE MOVE01】

INFO:【INFO】特殊ルール「アライアンス」について
INFO:「トラス4」はまだ支部機能を持ちません。
正規のUGN支部やFHセルに比べ、街に蔓延る雑多な情報を整理し、絞り込む能力に欠けています。
装備や設備についても同様の状況です。そのため華吶町の人々と協力し、あるいは取引が欠かせません。
「トラス4」を狙う敵について知り、装備や能力を強化し、街の平和を守る必要があるでしょう。
幸いにして、”アナーキー”である「トラス4」には、明確な味方も敵も存在せず、築ける繋がりは街の至る所に存在します。
以下、華吶町の人々の人々と「トラス4」が築く繋がりを、「アライアンス」と呼びます。
「アライアンス」を築くと、プレイヤーには様々なメリットがあります。


INFO:【INFO】「アライアンス」でできること

INFO:①「絆」を深める
・「アライアンス」は、華吶町の人々と「トラス4」の間に築かれる繋がりです。
NPCごとに「アライアンス」が設定されており、任意の技能に成功することで「絆」を深め、
「アライアンス」のレベルを上昇させることができます。
「アライアンス」のレベルを上昇させると、”アイテムの値引き”や、
”エフェクトレベルの上昇”など様々なメリットがあるので、積極的に活用していきましょう。
「絆」レベルは「アライアンス」ごとに異なり、最大「3」まで上昇させることが可能です。
複数人で判定を成功させれば、成功回数分「絆」レベルも上昇します。
アライアンスの解放条件は様々で、特定のアイテムの購入がキーになっているものや、
他のアライアンスを進行させないといけないものなどがあります。


INFO:②「ウワサ」を集める(※自動入手)
・華吶町には色々な「ウワサ」が流れています。一つ一つは根も葉もない情報に過ぎませんが、
 繋ぎ合わせることで思いもよらない全貌が見えて来るかも知れません。
「アライアンス」を進行させると、様々な「ウワサ」が手に入ります。
「ウワサ」は情報の性質ごとに「色分け」されており、
「アライアンス」の「絆」を深めるたび自動で入手されていきます。


INFO:③「日常生活」を送る
侵蝕を「1」だけ支払い、シーンに登場することができます。
この場合、そのキャラクターはアライアンスのレベルを上昇させることはできません。
シーンに登場して会話をしたい場合は、このコマンドを使用することを推奨します。

GM:ということで、全く新しいペル画期的な情報収集システムを採用しましたソナが
GM:何か質問などあれば遠慮なく仰ってください。
GM:大丈夫そうなら、早速現在交流可能なアライアンスを確認していきましょう。
龍神貴好:うい、今のところ大丈夫!
乃木清和:大丈夫!やりながら聞くね~
GM:では皆の好きなペルソナを叫びつつ進めましょう。
柳瀬順吾:はい!
柳瀬順吾:イヌガミ!
龍神貴好:■■■イザナギ!
エマ・カルナデス:メルキセデク!
乃木清和:ジャックフロスト!
GM:現在交流可能なアライアンスは、こちら!

【KATOTSU CITY ALLIANCE MAP】

・『華吶町一番街』
⇒[OPEN]ビデオショップ『Chill to Shift』/「トラス4」オペレーター(☆☆)情報:『トラス4』で難易度7
⇒[OPEN]古物商『狐市』:怪しい商店主(☆☆)【肉体】または【感覚】で難易度5
⇒[LOCK]華吶町警察:鋼鉄の猫署長(☆)
(※「レネゲイドチェッカー」「自動巡回ソフト」「インクリボン」を消費して解放)

・『華吶町立寄咲大学』
⇒[OPEN]キャリアセンター:大学の先輩(☆☆☆)情報:裏社会で7(龍神貴好が判定する場合、難易度-5)
⇒[OPEN]喫煙所:俳優志望の同級生(☆☆)情報:噂話で6
⇒[LOCK]図書室:???(☆)/⚠エマ・カルナデス、龍神貴好、柳瀬順吾のみ進行可能
(※シーン「華吶町一番街地下アーケード」を進行して解放)

・『Club Malebolge』
⇒[LOCK]シーシャスペース:黒サングラスのお姉さん(☆☆)
(※購入難易度「20」以上のアイテムを消費して解放)
⇒[LOCK]バースペース:???(☆☆)/⚠乃木清和のみ進行可能
(※「ウワサ:世界を守る秘密結社(赤)」を入手して解放)
⇒[LOCK]ダンスホール:???(☆☆)
(※「ウワサ:ブルーライトゴースト(黒)」を入手して解放)

GM:[LOCK]は特定の条件で解放されるアライアンスです。現在実行可能なのは、トラス4オペレータ―、怪しい商店主、大学の先輩、俳優志望の同級生のみ。
GM:ちなみに最初のGMのおすすめは、「トラス4オペレータ―」です。
乃木清和:これって~
乃木清和:結局… 各1キャラにたいし全員でいくべきなの?
GM:全員で判定を成功させれば、その分アライアンスのレベルの上昇は当然早くなります。
GM:一方で、アライアンスの「絆」の上限は何をどうやっても上がらないので、ある程度人数を散らさなければ侵蝕1d10によって得られる行動権が無駄になってしまうでしょう。
柳瀬順吾:手分けしましょう!
エマ・カルナデス:なら、最初は2-2になるように手配するのがよさそう。
GM:もちろん、侵蝕1だけを払って、他の人のアライアンスシーンに会話だけ登場することは可能です。これはいつでも何度でも実行OK。
GM:補足説明ですが、行動はダブルクロスの情報収集に準拠するとお考え下さい。1シーンで原則的にアライアンスを上げられるのは一回までです。
柳瀬順吾:ならばトラス4オペレータ―と接触するチームと、未知の商店主に接触するチームに分かれる作戦があります
柳瀬順吾:龍神くんは大学の先輩に会いに行くのもいいと思う!
GM:完璧なPLAN
龍神貴好:いいですね
エマ・カルナデス:その完璧なプラン……まさかプランナー
乃木清和:わたし~もしよければ…未知の商店主いきたい! 苦手がりたくて…
柳瀬順吾:じゃあ柳瀬はトラス4オペレータ―に会いにいこうかな
龍神貴好:大学のパイセンに会うか……
GM:OK!メモも更新しました
エマ・カルナデス:1-1-1になったかも ならハナブサの所に行こうかな

・『華吶町一番街』
⇒[OPEN]ビデオショップ『Chill to Shift』/「トラス4」オペレーター(☆☆)情報:『トラス4』で難易度7
⇒[OPEN]古物商『狐市』:怪しい商店主(☆☆)【肉体】または【感覚】で難易度5
・『華吶町立寄咲大学』
⇒[OPEN]キャリアセンター:大学の先輩(☆☆☆)情報:裏社会で7(龍神貴好が判定する場合、難易度-5)

GM:話が出た所の難易度がこうですね。
乃木清和:ひとまず柳瀬&エマ組にトラス4オペレーターのところ行ってもらいますか
柳瀬順吾:おす!
エマ・カルナデス:完全にいつもの面子。
GM:OK!では、侵蝕1d10を振り、判定をどうぞ。
柳瀬順吾:1d10+45
DoubleCross : (1D10+45) → 1[1]+45 → 46

エマ・カルナデス:1D10+41
DoubleCross : (1D10+41) → 4[4]+41 → 45

GM:完全にリラックスしきっている 舐められている
龍神貴好:龍神貴好の侵蝕率を1D10(→ 4)増加(45 → 49)
乃木清和:あ、もう全員判定する?
龍神貴好:あ、先出とこうと思ったけど
龍神貴好:早かったかな…
GM:そうですね。ここに関しては一回やって貰った方が理解も早いでしょう。
乃木清和:じゃあ私も出るね~
乃木清和:乃木清和の侵蝕率を1D10(→ 10)増加(55 → 65)
GM:ギャッ の 乃木さん
乃木清和:どうなっちゃうんだ
GM:では…それぞれ担当アライアンスの判定をどうぞ。
乃木清和:怪しい商店主(☆☆)【感覚】難易度5 判定します~
乃木清和:4dx>=5
DoubleCross : (4DX10>=5) → 10[1,2,4,10]+1[1] → 11 → 成功

乃木清和:よ~し
GM:ゲッチュー!
エマ・カルナデス:情報:トラス4……は持っていないので、素振り。
エマ・カルナデス:4DX>=7
DoubleCross : (4DX10>=7) → 5[2,3,4,5] → 5 → 失敗

龍神貴好:大学の先輩、情報裏社会で、なんと2!
瑛・A・アヴァス:おい!!何だその体たらくは!!!!
エマ・カルナデス:財産ポイントを2点切っておく。ちなみにハナブサ、まけてくれたりしない?
瑛・A・アヴァス:仮にもリーダーという身分で自覚が足りないんじゃないのか!?
瑛・A・アヴァス:何故身内にセールをするんだ!意味不明すぎる!
龍神貴好:2dx>=2
DoubleCross : (2DX10>=2) → 9[9,9] → 9 → 成功

龍神貴好:(むん)
柳瀬順吾:こちらも素振り
エマ・カルナデス:まあまあ。この後ヤナセがもっと華麗にやってくれるから……
柳瀬順吾:1dx>=7
DoubleCross : (1DX10>=7) → 9[9] → 9 → 成功

柳瀬順吾:ワハハハ
エマ・カルナデス:ほら、けっかおーらい。
瑛・A・アヴァス:な……何故こいつが……
柳瀬順吾:これがトラス4の秘密兵器のじつりょくよ
GM:ということで全員成功!進行度を表示します!

・『華吶町一番街』
⇒[OPEN]ビデオショップ『Chill to Shift』/「トラス4」オペレーター(★★)情報:『トラス4』で難易度7
⇒[OPEN]古物商『狐市』:怪しい商店主(★☆)【肉体】または【感覚】で難易度5
・『華吶町立寄咲大学』
⇒[OPEN]キャリアセンター:大学の先輩(★☆☆)情報:裏社会で7(龍神貴好が判定する場合、難易度-5)

GM:では、次回ロールと情報開示をやっていきましょう。

【ALLIANCE01】柳瀬順吾&エマ・カルナデス

8月21日 17:16/ビデオショップ『Chill to shift』

GM:『Chill to Shift』には、エマ・カルナデスの能力により隠蔽された、『管制室』がある。
GM:雑多な通信機器類や瑛・A・アヴァスのドローンが揃う、まさに『トラス4』の心臓部でもあった。
瑛・A・アヴァス:「敵が『確保組』だと仮定すれば」不機嫌な表情で、メイン・コンソールを弄っている。
瑛・A・アヴァス:「お前たち『トラス4』の内情をある程度知っている人物ということになる」
柳瀬順吾:「ま~、そうだろうね~。俺らも皆殺しにして出てきたわけじゃなし……」
柳瀬順吾:「どっかに痕跡残ってるだろうし、心当たりありすぎてわかんないね」
エマ・カルナデス:「上の、更にスポンサーとなると流石に全容は分からない。向こうからはそれぞれの経歴は押さえてるかもしれないけど」
瑛・A・アヴァス:「『トラス4』は、お前たちが思っているより大規模な計画だった」
柳瀬順吾:「ホントかよ。第二のキャプテン・アメリカを作るやつみたいな?」
瑛・A・アヴァス:「UGN肝入りの『アダムカドモン』レベルじゃないが……一方で、時間をどうこうしたり、因果律を捻じ曲げるタイプの話でもない」
エマ・カルナデス:「セル名の由来すら、詳しくは知らないしね。支柱の末端からは、塔の全容は見えない。当然」
柳瀬順吾:「さすがにな。FHの超人専門学校を作ろうなんて話じゃない」
瑛・A・アヴァス:「”プランナー”が関わっていたというアレか? 相変わらず与太話を真に受けやすいやつだ」
エマ・カルナデス:「そんな物があるなら、出身者がそこら中に居ておかしくない。ただの眉唾」呆れ顔。
瑛・A・アヴァス:「話を戻すぞ。『トラス4』は、ある程度の冗長性と実現性を見込まれた、れっきとした”事業”だ」
瑛・A・アヴァス:「計画コンセプトは、『既存の侵蝕エントロピーの構造掌握』」
瑛・A・アヴァス:「何を言ってるのか分かるか?」
柳瀬順吾:「あっ、ちょっと会話飛んだ? 巻き戻していい?」
柳瀬順吾:「5分くらい寝てたかも」
エマ・カルナデス:「時間をどうこうする計画じゃないって言われたでしょ」
柳瀬順吾:「だよね。……そこんところ、もうちょいやさしく!」
エマ・カルナデス:「エフェクトの効率化の下限を知るとか、そういうこと?」
瑛・A・アヴァス:「本当に教練過程を終了したのか、お前は!? エントロピーのエの字くらい覚えろ!!!」
柳瀬順吾:「へっへっへ……エントロピーがなんですって?」
瑛・A・アヴァス:「カルナデスの意見も正確ではない。……もういい。面倒だが、一から説明する」
瑛・A・アヴァス:「エントロピーとは、一般的には物理学における『ものごとの散乱の度合い』を指す概念だ」
エマ・カルナデス:「うん。それで、侵蝕エントロピーって?」
瑛・A・アヴァス:「秩序ある状態ほどエントロピーは”低く”、散乱している状態ほどエントロピーは”高い”」
瑛・A・アヴァス:「放置されれば、高まったエントロピーは低くなっていくが、基本的な傾向として、世界のエントロピーの総量は少しずつ増大していく」
瑛・A・アヴァス:「なぜなら、ほとんどの物体は常に運動しているからだ。これは自然に考えれば理解できるな?」
エマ・カルナデス:「ふむふむ。ランダム性の高い出来事は"エントロピーが高い"、ほぼ決まっている出来事は”エントロピーが低い”」
エマ・カルナデス:「それで、そのエントロピーがFHの計画にどうかかわって来るの?」
瑛・A・アヴァス:「侵蝕率の増減にも、エントロピー理論を適用できると考えた科学者がいた」
柳瀬順吾:「そうそう。侵蝕ってそういう…トロピー的なもんなの?」
瑛・A・アヴァス:「考えてみろ。オーヴァードは心の生物だ」
瑛・A・アヴァス:「理性を保てば、人間としての機能を保持することができる」
瑛・A・アヴァス:「一方で、衝動に身を任せることで、オーヴァードとしての機能は増大するよな」
エマ・カルナデス:「時には、暴走を意図的に起こして本領を発揮する者さえいる。納得」頷く。
瑛・A・アヴァス:「理性を”エントロピーが低い”状態、衝動を”エントロピーが高い”状態の関数として定義する」
瑛・A・アヴァス:「侵蝕率が時間の経過で少しずつ低減されていくのも、熱力学的な法則に当てはまる」
柳瀬順吾:「あんまり自覚してないけど、そういうもんかな」
瑛・A・アヴァス:「これは実証された理論じゃないからな。真偽は不明だ」
瑛・A・アヴァス:「あくまで、そう言う風に考えているやつがいて……その理論を証明するための構造が、お前たちだった」
瑛・A・アヴァス:「ここからが本題だ。侵蝕構造を理論化できれば、ジャーム化という不可逆の変化までも掌握できる」
瑛・A・アヴァス:「茹で卵を生卵に戻すようなものだ。不可能とも思えるだろうが……」
柳瀬順吾:「それな~。全オーヴァードがやろうとして、まだ実現してないだろ?」
柳瀬順吾:「どう考えても永久機関作ろうとしてるだけに見えるね」
エマ・カルナデス:「成果物わたしたちは、それが出来るかどうかを試し書きするための用紙。なるほど」
瑛・A・アヴァス:「『カステリアノ1』。『リャメン3』。データが閲覧できない連中もいたが……」
瑛・A・アヴァス:「夥しい数の実験部隊を使い潰して、ようやく実働に至ったのがお前たち『トラス4』だったと聞いている」
柳瀬順吾:「トロピー掌握してるとは思えないけどね」
瑛・A・アヴァス:「そのふざけた略をやめろ」
エマ・カルナデス:「どう?ヤナセ。ジャームになったら戻れそう?」
柳瀬順吾:「戻れそうって答えたらジャーム認定されそ~」
柳瀬順吾:「無理じゃない? リーダーは?」
エマ・カルナデス:「そんな便利な能力があるなら、地道に自警活動していない」
瑛・A・アヴァス:「恐らく計画の本旨はお前たちではない」
エマ・カルナデス:「つまり……残る一人は…………」ハナブサを見る。
瑛・A・アヴァス:「俺は研究員だ!!」
柳瀬順吾:「瑛クンに秘められた悲しき過去……は、なかったか」
GM:瑛・A・アヴァスは、『トラス4』計画の研究員だった。現在『トラス4』に接触している、唯一の計画関係者でもあった。
瑛・A・アヴァス:「ここからは俺の想像になるが、恐らく柳瀬。お前はフェイルセーフだ」
瑛・A・アヴァス:「情報そのものを消去してしまえる機構。上手くいかなかったときのために、そういう運用をできるオーヴァードが必要だった」
柳瀬順吾:「まあ、そうだよね。俺、そういうの得意だし……」
瑛・A・アヴァス:「そうでなければ、俺たちがお前のようなふざけた人間を生み出すことは、ない」
エマ・カルナデス:「実際、今も助かっている。戦闘より便利」
柳瀬順吾:「ンなことないだろ! 情報処理要員とかあるでしょ!」
柳瀬順吾:「リーダー、今日も輝いてるよ!」
瑛・A・アヴァス:「カルナデスに関しては……『死者の存在を背負う』という心理状態そのものが、侵蝕エントロピーに与える影響を観察したかったんだろう」
瑛・A・アヴァス:「事実、数々の戦いの中で、お前は生き残った」
瑛・A・アヴァス:「濃縮体実験を経た個体は、有意な生存性の向上が確認される。その事実をエントロピー理論から解釈したのが、エマ・カルナデスだと俺は推測している」
エマ・カルナデス:「悪趣味。生き残るを一枚しか用意しなかったのも、きっとそう言う理由」醒めた目で述懐する。
柳瀬順吾:「やってることがデスゲームのカス運営なんだよな~」
エマ・カルナデス:「……じゃあ、今追われているのも、数年生存した個体のデータを取る為?」
瑛・A・アヴァス:「それを知るために、打って出る必要がある」
瑛・A・アヴァス:「しばらく休止していたが……今日から俺も自警活動をサポートする」
瑛・A・アヴァス:「やむなく・・・・だ」
瑛・A・アヴァス:ぎりぎりと歯ぎしりをしている。本当にイヤそうな顔だ……
柳瀬順吾:「おっ。瑛クンがシフトに入るなら、だいぶ楽になるな~」
瑛・A・アヴァス:「追手を誘導し、逆に叩きのめす。あるいはこちらから追跡する。情報収集だけでは不可能だからな」
瑛・A・アヴァス:「何より俺の家族にナメた真似をした連中だ」ごきり、と指を鳴らす。
瑛・A・アヴァス:「不本意だが、最悪な目に遭って貰わなきゃ気が済まん」
エマ・カルナデス:「いつも苦労を掛ける。店のシフトは代わっておく」
柳瀬順吾:「へっへっへ。そうだなあ……次から次に刺客が来たら、こんどこそ卒業できなくなりそうだ」
柳瀬順吾:「なんか仕掛けなきゃね。俺も賛成」
瑛・A・アヴァス:「カルナデス。お前はどうだ」
エマ・カルナデス:「私?」
瑛・A・アヴァス:「ぼうっとするな。『トラス4』の指揮官はお前だろう」
瑛・A・アヴァス:「”教育”されたいのか?」
瑛・A・アヴァス:※”教育”:管制室で瑛に説教されることをさす。大抵の場合、日をまたぐことが多い。
柳瀬順吾:「そうそう。俺らはアイデア出ししたからさ」
柳瀬順吾:「決めるのはリーダーの仕事だ」
エマ・カルナデス:「……あまり軽い神輿を持ち上げないで欲しい。でも、反撃は大いに望むところ」
エマ・カルナデス:「『トラス4』現指揮官として各員に通達」
エマ・カルナデス:「家族の報いを受けさせること」
エマ・カルナデス:「各位、返事は?」
柳瀬順吾:「へへへ……」
柳瀬順吾:「了解」
瑛・A・アヴァス:「了解。家族の……」
瑛・A・アヴァス:「……」頭を抑える。
瑛・A・アヴァス:「……カルナデス。少しいいか」
エマ・カルナデス:「?」
瑛・A・アヴァス:「『記憶探索者』の特筆性を持った実験体について、覚えているか?」
GM:記憶探索者。FHでは、他者の記憶を抽象化し、人間性の確保に必要な部分を保護できる能力者を総称していた。
GM:だが、エマ・カルナデスの中に……『トラス4』に、『記憶探索者』の特筆性ディスクリプトを持ったオーヴァードがいた、という記憶はない。
エマ・カルナデス:「……?」首を傾げる。
GM:記憶の処理技術は、『ホワイトハンズ』に代表されるようなUGNの占有領域だ。
GM:テロ組織のファルスハーツがそもそも考える必要のない分野でもあり、ゆえにそのノウハウは未だに確立されていない。
GM:FH内でも、特段高い評価を得ることはなかった特性のはずだ。だが。
エマ・カルナデス:「ごめんなさい。あの頃は必死だったから……私には、いたかどうか分からない。ヤナセは?」目配せを送る。
柳瀬順吾:「えっ。ぜんぜん知らない」
柳瀬順吾:「記憶操作を確立してるのって、UGNとニンテンドーだけじゃないの?」
GM:柳瀬くんも、やはり覚えがないだろう。”オッドボール”の専門は、ジャーム化した部隊員の「処理」だった。
瑛・A・アヴァス:「……『トラス4』の基礎理論は、『記憶探索者』の特筆性から始まった」
瑛・A・アヴァス:「なぜ、こんなことを今思い出した?」
瑛・A・アヴァス:瑛・A・アヴァス自体が、本気でその事実に混乱しているように見えた。
瑛・A・アヴァス:まるで、消された記憶を思い出したかのような。
エマ・カルナデス:「…………ぞっとしない話。話題からすれば、記憶処置を受けていたのでは?」
瑛・A・アヴァス:「……とにかく方針は変わらん。龍神と乃木にも通達しておけ」
柳瀬順吾:「……『記憶探索者』が実在するなら」
柳瀬順吾:「そいつが自分のために能力を使えば、どうにでもなるさ」
柳瀬順吾:「……警戒はしておくよ」
エマ・カルナデス:(もしハナブサが処置を受けていたとすれば、セルとして実体があった数年前。それが今になって解ける理由は……?)
エマ・カルナデス:「分かった。気を付けて」
瑛・A・アヴァス:首を振り、無言で管制室から出ていく。
柳瀬順吾:「リーダー」
エマ・カルナデス:管制室の中に残された、ヤナセと顔を見合わせる。
柳瀬順吾:「あんまり一人で行動しない方がいいかもよ」
エマ・カルナデス:「……皆に、それも含めて伝えることにする」
柳瀬順吾:「みんないなくなったら、寂しいからね」 手を振って、その場の椅子に深くもたれかかる。
INFO:瑛・A・アヴァスのアライアンスlvが「2」へと上昇しました(上限)。
INFO:→「■自警活動」が可能になりました(★☆)。
INFO:→「コネ:情報収集チーム」を獲得しました(★☆)。
INFO:→「総力支援管制」が発動しました。(★★)

「総力支援管制」 ⚠「■自警活動」における命中判定ダイスが+3される。

■「ウワサ:『トラス4』設立沿革(青)」
・『トラス4』はUGNとFHとの抗争に終止符を打つことを目的として設立された。
『トラス4』以前にも『カステリアノ1』『(データ削除済み)』『リャメン3』
と言った同系列の試用実験部隊が準備されていたが、実働に至ったのは『トラス4』のみ。
設立段階では、「既存の侵蝕エントロピーの構造掌握」をコンセプトにしていたという。

■「ウワサ:『トラス4』侵蝕勾配構造記録(青)」
・「既存の侵蝕エントロピーの構造掌握」とは、心理状態から逆算した、レネゲイド症状の可逆化を意味する。
侵蝕率を低減し、レネゲイドへの感染という事実さえも除去することができれば、
UGNとFHの対立構造は根本から解決する、というのが『トラス4』開発部の理路だった。
特に、「記憶探索者」という特筆性を有する被検体が、研究の核心だったようだ。

GM:ゲットした噂をインフォプロットテーブル(青)に追加しました。ここからいつでも、ウワサを参照することができます。
GM:インフォプロットテーブル(青)には、「トラス4」関連の情報が分類・整理されます。
GM:また、「自警活動」の説明も行います。

INFO:【INFO】瑛・A・アヴァスの許可が出たため、「■自警活動」が可能になります。

「■自警活動」シーンでは、侵蝕を1d10上昇させ、華吶町の様々なスポットを警邏することが可能です。
 対象は「アライアンス」が進行するごとに追加されていきます。

「■自警活動」シーンを進めることで、戦闘や判定が発生し、シナリオが大きく展開します。
 情報収集に行き詰まったと思ったら、積極的に「■自警活動」を行いましょう。

 また、「■推理」シーンから新たな「■自警活動」項目が派生することもあります。
 シーンは何人からでも登場可能ですが、夜の華吶町には様々な脅威がひしめいています。可能な限り、全員での登場を推奨します。

INFO:次のアライアンスシーンから、「■自警活動」が可能になります。

【ALLIANCE02】龍神貴好

8月21日 13:21/華吶町立寄咲大学 PCルーム

GM:寄咲大学のPCルームは、レンタル式の時間申告制だ。
GM:学生課に事前に使用時間と人数の申請をすることで、時間内での利用が許可される。
GM:荒崎怜は、いつも二人分の利用時間を申告していた。
GM:たとえ、ずっと一人きりでも。
荒崎怜:「タカくんは」PCルームに、自分のラップトップを持ち込んでいる。「卒業したらどうするの」
龍神貴好:「んー」
龍神貴好:あまりPCに触っていない。タイピングがうまく行かないのだ。
龍神貴好:(一人の時に練習しといた方がいいな……)
龍神貴好:「正直まだ何にも考えてないけど、怜と一緒にはいたいから」
龍神貴好:「この町で働き口見つけたいなーって思ってる」
荒崎怜:「……愚の骨頂。交際相手と一緒にいたいから、という理由で進路を選ぶべきじゃない」
荒崎怜:「タカくんの人生なんだよ。もう少し真面目に考えたほうがいい」
荒崎怜:「危機感が足りない。相変わらず」
龍神貴好:「うーん」危機感が足りないことはこの間、痛感したが。
荒崎怜:「それに、生活の都合上引っ越しが必要になったら、私の方がついていくから」
荒崎怜:「タカくんはそんなことを考える必要はない。わかった?」
龍神貴好:「そしたら怜がやりたいこと諦めることになるじゃん」
荒崎怜:「……私の、やりたいこと?」
龍神貴好:「もう就活も結構……進んでるし」
荒崎怜:「何それ」声が低くなる。「呆れた……」
龍神貴好:「この町」
龍神貴好:「ここで、働いて……生きてみたいんじゃないのか」
荒崎怜:「どうでもいい。もう・・
龍神貴好:「……?」
荒崎怜:「ちゃんと私自身考えて、答えは見つけてるから」
龍神貴好:「どんな答え」
荒崎怜:「この街で就職したのも、消去法的に、一番安定していてQOLも高そうなところを選んだから……」
荒崎怜:「……」
荒崎怜:目を逸らす。あまり動かない、きみの指を見る。
荒崎怜:「タカくんには教えない」
龍神貴好:「ええっ」
荒崎怜:「それより。課題。全然進んでないでしょう」
荒崎怜:「タイピングが遅い」
荒崎怜:「貸して」
龍神貴好:「あっ」
龍神貴好:完全にペースを奪われている。
荒崎怜:きみの座席に椅子を持ってくる。ミントやラベンダーのような、清涼感のある香りが少しだけ咲いた。
龍神貴好:体全体で知覚する。
龍神貴好:感覚が鋭くなったわけではないが、五感が体全体にあると、まるで香りの中に浸かっているようだ。
荒崎怜:私物のラップトップときみのPCのUSBを接続し、何かを打ち込む。
荒崎怜:瞬く間にレポートの文章が自動生成され、要点を簡潔に纏めたノートが記述される。
龍神貴好:「わっ、何これ」
荒崎怜:「会社で業務効率化のために私的にコーディングしたLLM」
荒崎怜:「講義ごとにチューンアップして、学部の配っているレジュメとスライドから要点を抽出できるようにしてる」
龍神貴好:「い、いいの?これ。僕何にもやってない気がするけど」
荒崎怜:「は? 誰が全部やるって言ったの」
龍神貴好:「え」
荒崎怜:「作ったのは文章の雛形だけ。パラグラフは組んであるから、内容はきちんとタカくんが打ち込むこと」
龍神貴好:「あ、ああ……なんだ。それならいいか……」
龍神貴好:「楽になるよ。ありがとう、怜」
荒崎怜:「あと、ネットから自動でトピックに合致したサイトを検索する仮想エンジンも組み込んでおいた」
龍神貴好:「すごい」素朴な反応。
荒崎怜:「さっさと終わらせて。この後、『Chill to Shift』に遊びに行く約束でしょう」
龍神貴好:「……うん。わかった」
荒崎怜:「あなたがぼうっとしている分、私との時間が減るの。……わかればいい」
荒崎怜:「タカくん」
龍神貴好:「はい」
荒崎怜:「……ごめんね」
龍神貴好:「……何で?」
荒崎怜:「本当に解らない?」
龍神貴好:生やした指を、少しずつ動かしている。
荒崎怜:「かわいくないでしょう」
龍神貴好:「……怜は、ツンケンしてるところもあるけど」
龍神貴好:「なんか。ちゃんとこう。僕のこと心配してくれたり。一緒の時間過ごしてくれたり」
荒崎怜:「……」ローラー椅子の背もたれに、少しずつ顔をうずめていく。
龍神貴好:「そういうの、すごく可愛いと思ってる」
荒崎怜:「やめて」
荒崎怜:「公共の場で」
荒崎怜:「その」
荒崎怜:「言わないで。そういう……そういうことを」
荒崎怜:「だって…………」
龍神貴好:「……だって?」
荒崎怜:椅子に完全に突っ伏す。「わかるでしょう!貴好!」
龍神貴好:辺りを見回す。
龍神貴好:「……見られてるって?」
荒崎怜:「仕事柄、監視カメラは意識しちゃうの……」
荒崎怜:「というか、そうでなくても。その。馬鹿げてると、思うかも知れないというか」
荒崎怜:「私自身が、一番、わかってるけど」
荒崎怜:「見られたくないんじゃなくて。本当は」
荒崎怜:「二人だけのものにしておきたい」
荒崎怜:「だけだから」
龍神貴好:「…………怜、さあ」
龍神貴好:「それこそ、僕だけのものにしておきたいよ、今の」
荒崎怜:がっ、と椅子を蹴って自分の席に戻る。
荒崎怜:「そんなこと言って! き……昨日も……」
荒崎怜:「……」
龍神貴好:「昨日も?」
GM:……先日、退院した荒崎怜は。家事をすると言い張って、きみの家に泊まり込んだ。
GM:彼女の母親からも連絡があった――しばらくは通い詰める気なのだという。
荒崎怜:「……課題終わらせておいて」
龍神貴好:「わかったよ」
荒崎怜:すくっと立ち上がる。「先にビデオ屋さんに向かってるから。一緒にぞろぞろ行くのは時間の無駄」
龍神貴好:「うん。すぐ終わらせて行くから」
龍神貴好:「待ってて」
荒崎怜:「それじゃあ――」着信音が鳴る。きみと始めて見に行った、ホラー映画のテーマソングだ。
荒崎怜:「ん」電話を耳に当てる。「はい、荒崎」
荒崎怜:「ええ。はい……『KSCネッツ関東』です。お世話になっております。……先週の一番街に似た事件ですか? 警察から?」
荒崎怜:「はい。はい。承知致しました。一旦こちらの方で、映像の洗い出しをさせていただきます。類似の事件がないかも……ええ……」
龍神貴好:耳ならぬ、身をそばだてて聞いていた。
龍神貴好:(……大丈夫かな、瑛さん)
荒崎怜:電話を切る。
荒崎怜:「……ごめん、タカくん。ちょっと仕事が入っちゃった」
龍神貴好:「そうみたいだな……」
荒崎怜:「最近、行方不明事件も一番街で増えているみたいなの」
荒崎怜:「ホストクラブとか、コンセプトカフェに出入りする……”イチバン”って呼ばれる、若者たちの集団ね」
荒崎怜:「特定の店舗がどう、って話じゃないみたいだけれど。このところ物騒だから」
龍神貴好:「……うん。物騒だ。本当に」
荒崎怜:「華吶町警とも連携して、今から監視カメラの映像のチェックに立ち会って来る」
GM:『KSCネッツ関東』は、きみが思うよりもはるかに、警察と近い箇所にいる。
GM:それはすなわち、荒崎怜がきみの正体――ひいては『トラス4』の正体に気付く可能性も、決して低くはないということだ。
龍神貴好:「わかった。怜も気をつけて」
龍神貴好:「いざって時は自分のことだけ考えろよ?」
荒崎怜:「タカくんだけには言われたくない」
荒崎怜:「……指。まだ悪い?」
荒崎怜:「仕事が終わったらすぐに帰るから」
荒崎怜:「エマさんにも、伝えておいて。ごめんなさいって」
龍神貴好:「うん。ちょっと、感覚がね。麻痺してて」
龍神貴好:「わかったよ。エマさんに伝えとく」
荒崎怜:「……うん。私の都合で、タカくんの予定も狂ったわけだし」
荒崎怜:「じゃあ」
龍神貴好:「じゃあ」
荒崎怜:学生証をセキュリティ認証にタッチし、そのままPCルームを出ていく。
龍神貴好:「はー……」どっと疲れた。そのことに少し自己嫌悪する。
龍神貴好:「ていうかさ」
龍神貴好:「『答え』ってなんだよ……なんか、この町に残るのにあれだけかっこつけたの」
龍神貴好:「恥ずかしくなってきた………」
龍神貴好:今更、変わんないけどさ。
龍神貴好:息をもうひとつ吐いて。学生の本分を果たすべく、PCに向かった。

INFO:荒崎怜のアライアンスlvが「1」に上昇しました。
INFO:→「コネ:ハッカー」を獲得(★☆☆)しました。
INFO: →「調べ物は得意だから」が発動しました。/「インクリボン・自動巡回ソフト」を獲得(★☆☆)。
GM:これは龍神くんの所持品として、自動的に追加されます。受け渡しも可能です。
GM:→「ウワサ:ご主人様は行方不明(緑)」(★☆☆)を入手しました。

「ウワサ:ご主人様は行方不明(緑)」(★☆☆)
・直近三か月、傷害事件と並行し、華吶町一番街では行方不明者が急増している。
荒崎怜の務める『KSCネッツ関東』も町警から調査協力を要請されているようだ。
行方不者の間には「イチバン」と呼ばれる、「一番街のコンセプトカフェやホストクラブに出入りする少年少女」
という関連性が見受けられるが、特定の店舗や団体が関与している証左は乏しい。

GM:ウワサ(緑)は、『ローンマート』襲撃事件や華吶町の住民の間で流れている噂話が主に分類・整理されます。

【ALLIANCE03】乃木清和

8月21日 20:33/華吶町一番街 古物商『狐市』

GM:『狐市』は、曰く「力のある」だとか、「呪われている」品を扱う、ということで有名な店だ。
GM:瑛・A・アヴァスが乃木清和に任せたのは、「装備の調達」だった。
瑛・A・アヴァス:『――あそこの扱ってる物品は本物だ。どんな手品を使ってるかはどうでもいいがな』
瑛・A・アヴァス:『だが、店のルールで……”美人以外の一見さんには商売しない”とかほざいてる』
瑛・A・アヴァス:『ぶん殴るかひっぱたくかして、装備を調達してこい』
乃木清和:「えっ。知らなかった……」
乃木清和:「ハナちゃんって私のことそういう目で見てるんだ……」
瑛・A・アヴァス:『(放送禁止)(悪口雑言)(自主規制)!!!!!!!』
乃木清和:「あっはっはっは」ほぼ無視して通信を切る。
GM:古風な『狐市』と書かれたのれんを潜ると、まるで異世界のような品ぞろえがきみを出迎えた。
GM:竹を模した棚に並んだ剣、刀、弓、盾、鎧、書物、その他もろもろのがらくた。
コシローさん:「あら。えらい美人さんやねえ」

乃木清和:「ど~も~~。こんにちは」
コシローさん:「こんな辺鄙な店にどない用?」
乃木清和:「そりゃもう、戦うための武器を買いに。『トラス4』ってご存知?」
コシローさん:「別嬪にはお値段まけるって噂、聞い……」「……ちょっと、あんたはん」
乃木清和:飾られた杖などを眺めていた視線を店主に移す。
コシローさん:手に持った、竹筒のような管を掲げる。狐のような金色の影がさっと動き、扉を閉めた。
コシローさん:「えらい面倒事持ち込みはるね」
コシローさん:籐で編まれた木椅子を差し出す。
乃木清和:「話が早くてありがたいよ。そんな面倒なことは言ってないじゃない…私はただの客」
コシローさん:「とりあえず座ってや。その長い脚だとずっと立つんもおまへん」
乃木清和:「お兄さんは商品を売ってくれればいい。それだけ…」「あら、ありがとう」
乃木清和:木椅子に腰かけ、まんざらでもなさそうに足を組む。
コシローさん:「あたしが面倒事言うたのは、何もけったいな逃げ出しもんの寄り合いのことだけやあらしまへん」
コシローさん:「あんたはん、呪われとるよ」
乃木清和:「え~~?」
コシローさん:あなたの背後――”何もない”はずの虚空に目をやる。
コシローさん:「この街で、一応長年こんな因果な商売やっとります。見たらいけんもん、感じたらいけんもんくらいは、わかりますわ」
乃木清和:「心当たりはないけどなあ。神様みたいに思ってる人はいるけど」
コシローさん:「神様のほうはどう思うてはるんやろね。……難儀やわ~」
コシローさん:「別嬪さんやから粉かけたろと思ったのに」
乃木清和:「やだ~困りますぅ~」
コシローさん:「はあ……うちのボロ暖簾でも、もうちょい手ごたえありますわ」
コシローさん:「ほんなら、商いの話しましょか」
乃木清和:「はいはい」姿勢を正す。その際、薬指にはめられた安価な指輪が意味ありげに光をはらむ。
コシローさん:「何が欲しいん? 言うとくけど、むちゃくちゃやれるような品とかはないで」
乃木清和:「逆に聞くけど……」
乃木清和:「どこから手に入れてるの? こういう品。いかにもエセっぽいけど…」
コシローさん:「はっはっは」
コシローさん:「実家のスネかじりやわ」
コシローさん:「知っとる? 蛇目堂とかいう、ふる~いお家」
コシローさん:「あたし、そこの分家の出なん。追っ払われもんやけど」
コシローさん:「だから出ていくとき、蔵からたんまり曰くありげな品をかっぱらって……」
乃木清和:「うぇぇ~……? あそこの血筋で、よくもまあ五体満足で家から離れられたもんだよ」
コシローさん:はぁ~~~~と溜息を吐く。「嫌なこと思い出させんでや」
コシローさん:「あんたはん、あたしの”中身”どうなってるか見えんやろ。年二回は透析必要な体なってはったわ」
乃木清和:「コワ…」
コシローさん:「困るわぁ~~ほんと。こういう仕事してると保険も高いし……」
コシローさん:「せやさかい、あんまりうちの品大っぴらに振り回さんどいてや」
コシローさん:「それさえ守れれば、力は貸したげるわ」口許に指を当てる。
乃木清和:「…オッケーオッケー。私はね。私は」しっしっと手ではらう。
コシローさん:「ほな、取引成立言うことで。……逆にあたしも一つ聞きたいことあるさかい」
コシローさん:「あんたはんら、けったいな夜遊びじけいかつどうしてらっしゃるんやろ」
乃木清和:「うん?」特に否定もせずコシローさんを見ます。
コシローさん:硝子のような破片を、二つ差し出す。
コシローさん:結晶のように大きいものと破片のように小さいもの。
乃木清和:きょとんと見ている。
コシローさん:「破片」の方はただのガラス同然だが――
GM:〈知覚〉5で判定をどうぞ。
乃木清和:4dx+1>=5 とう!
DoubleCross : (4DX10+1>=5) → 3[2,2,3,3]+1 → 4 → 失敗

乃木清和:ア~~!!
GM:では、何も感じない。
コシローさん:「あんたはん、こっちに”やられ”んかったん」
コシローさん:結晶の方を持ち上げる。
コシローさん:「ああ……何か、よっぽど後悔してることが他にあるんやね」
乃木清和:「えぇ…それ、何…? 絶対気付いた方がいいものだと思うんだけど…」
GM:だが、オーヴァードが一般的に持つ性能として……かすかな、レネゲイドの気配を感じ取ることはできる。
コシローさん:「最近この街に蔓延ってるあやかし連中の破片やろ? これ」
コシローさん:「こっちの破片はガラクタ同然のゴミカスやけど」
コシローさん:「こっちの『結晶』は……よくないもん憑いてはるわ」
乃木清和:「あ、あぁ!なるほど…。うわ、ヤバすぎ。いま全然ピンとこなかったのヤバすぎる」
コシローさん:「あんたはん、名づけのしゅってわかる?」
コシローさん:「存在は名前に引っ張られる。名前は存在に引っ張られる」
コシローさん:「これはや。なんや良くない思い出やら悲しい思い出やらを引きずり出す鏡」
コシローさん:きらりと光る結晶をきみに見せる。磨かれ輝く断面は、静かにきみの指輪を映している。
乃木清和:「それは……呪術屋としてのあなたの見立て?」
コシローさん:「別嬪さんへのお節介」
コシローさん:「避けられるか知らんけど、近寄らん方がええで。ほんまに」
乃木清和:「……。……だから」
乃木清和:「苦手なんだよな~、そういう…古いオカルトでレネゲイド語ってくる界隈……」
コシローさん:「は? オカルト言うた今?」
コシローさん:「えらい進んどるんやねえ」
乃木清和:「アハハいえいえ私なんてここ数十年の科学知識をちょこっとかじっただけのド素人ですから」
GM:店の空気が何だか淀んでいる……
コシローさん:「はあ……お客さんやさかい、言い合いはなしにしとくわ。とりあえず、勝手に見てってや」
コシローさん:「あ。右から三番目の棚の本は読んだらあかんで。文字を認識するのがあかん」
乃木清和:「コワ……」
乃木清和:「せっかくなら普通に占いとかしてよ~。恋占いとか! 金運でもいい!」
コシローさん:「卦法は落第寸前やったのになあ」
コシローさん:ぶつぶつと呟きながら、茶器の上に水を貼り、手に持つ管をごそごそと弄る。
コシローさん:取り出した金色に輝く毛を、水の上に浮かべる。ぴり、と電気が走るような感覚がきみを襲う。
コシローさん:「……あ」
コシローさん:「あかんわこれ。ナシナシ」
乃木清和:「おっ……、え~?」
コシローさん:毛を取り出す。べっとりと腐り、汚汁が垂れていた。
コシローさん:「”勝手に見るな”言うとる。怖いわあ~~」
コシローさん:がしゃん!と茶器を割る。恐らくは、そうしなければならなかった。
コシローさん:「悪いこと言わんからぼったくりの手相占いとかにしときや」
コシローさん:「ごめんなあ。あたしが嫉妬させるくらい優秀すぎて……」
乃木清和:「なんなんだか…。まったく」
乃木清和:「私に取り憑くような相手はもういないんだけどなあ」

INFO:コシローさんのアライアンスlvが「1」に上昇しました。
INFO:→「コネ:手配師」を獲得しました(★☆)。
INFO:→「古物商の大サービス」が発動しました(★☆)。 

「古物商の大サービス」 「種別:防具」/「種別:武器」の購入難易度がセッション中永続的に-3される。

→「ウワサ:『狐市』の非売品(緑)」
『狐市』にはときどき、珍しい物品が持ち込まれる。
最近は特に”硝子のような破片”の買い取り依頼が多いのだという。
それらのほとんどはガラクタ同然の値段しかつかないただの破片だが、
ごく稀に、レネゲイドの力の残る「結晶」が持ち込まれるときがある。
コシローの言では、「結晶」は呪術的に言う「鏡」のような性質――
つまり、見た者のトラウマや苦い記憶を呼び覚ます性質があるらしい。

GM:『狐市』とコンタクトを取ったため、購入判定が可能となりました。
GM:アライアンスのシーンが全員分終了したため、ロイスの取得と購入判定が可能です。
龍神貴好:購入〜〜!
柳瀬順吾:買うぞ…UGNボディアーマー!
エマ・カルナデスヤナセ:P連帯感☑/N憤懣☐
GM:コシローさんのアライアンス効果で、現在目標値が-3されてるぞ。
龍神貴好:ロック開けるためのアイテム、どこまでイベントで手に入るかわかんないんだよな
乃木清和:ありがとう! 古参マウントオカルトマン!
柳瀬順吾:1dx>=9
DoubleCross : (1DX10>=9) → 8[8] → 8 → 失敗

柳瀬順吾:財産点1使って成功!
柳瀬順吾:財産 2→1
乃木清和:私もUGNボディーアーマーを買おう
コシローさん:UGNには偉い元気な子が多いんやねえ
乃木清和:3dx+1>=9
DoubleCross : (3DX10+1>=9) → 8[1,7,8]+1 → 9 → 成功

柳瀬順吾:ロイスは、ここは保留!
乃木清和:オッホッホ 若くてぴちぴちですから…
柳瀬順吾:以上です!
乃木清和:私もロイスは保留にしておこうかな 以上です~
エマ・カルナデス:購入は~、まあUGNボディアーマーかな。
龍神貴好:傷薬、もとい応急キット買っときます
エマ・カルナデス:4DX>=9
DoubleCross : (4DX10>=9) → 10[2,4,6,10]+2[2] → 12 → 成功

龍神貴好:あ、いや高性能医療キットにしよう
エマ・カルナデス:成功。装備しておく。
乃木清和:あ!GMすみません!
GM:アイヤー!
乃木清和:自分の武器に《水晶の剣》つかっちゃっていいですか?
龍神貴好:(2+0+0)dx+1+0>=9
DoubleCross : (2DX10+1>=9) → 2[2,2]+1 → 3 → 失敗

GM:もちろんアルね
GM:GM嘘つかないアルよ
龍神貴好:うわ低っ!
龍神貴好:ロイスは保留で、以上です。
荒崎怜:タカくん……
乃木清和:サンキュー!では侵蝕率4上昇させ、クライベイビーに《水晶の剣》します
乃木清和:乃木清和の侵蝕率を4増加(65 → 69)
乃木清和:改めて以上!
龍神貴好:怜に見られた!恥ずかしい!
龍神貴好:以上です。
GM:ゲッチュー!!

【ALLIANCE MOVE02】

【ALLIANCE MAP】

・『華吶町一番街』
⇒[OPEN]ビデオショップ『Chill to Shift』/「トラス4」オペレーター(★★)
⇒[OPEN]古物商『狐市』:怪しい商店主(★☆)
⇒[LOCK]華吶町警察:鋼鉄の猫署長(☆)
(※「レネゲイドチェッカー」(未)「自動巡回ソフト」(済)「インクリボン」(済)を消費して解放)

・『華吶町立寄咲大学』
⇒[OPEN]キャリアセンター:大学の先輩(★☆☆)
⇒[OPEN]喫煙所:俳優志望の同級生(☆☆)
⇒[LOCK]図書室:???(☆)/⚠エマ・カルナデス、龍神貴好、柳瀬順吾のみ進行可能
(※「■自警活動」:『華吶町一番街地下アーケード』を進行して解放)

・『Club Malebolge』
⇒[LOCK]シーシャスペース:黒サングラスのお姉さん(☆☆)
(※購入難易度「20」以上のアイテムを消費して解放)
⇒[LOCK]バースペース:???(☆☆)/⚠乃木清和のみ進行可能
(※「ウワサ:世界を守る秘密結社(赤)」を入手して解放)
⇒[LOCK]ダンスホール:???(☆☆)
(※「ウワサ:ブルーライトゴースト(黒)」を入手して解放)

■自警活動
①華吶町立寄咲大学:「アモルファスβ」掃討活動

GM:現在進行可能なアライアンス・実行可能な項目はこちらです。以上を元に、アライアンス進行の宣言をどうぞ。
乃木清和:すみません 侵蝕ダイスが大暴れしているので、一回休みます
柳瀬順吾:俳優志望の同級生、かな…!
龍神貴好:私も俳優志望の同級生行きたいな
GM:OK!「③日常生活を送る」でシーンには侵蝕1で出れるぜ!
柳瀬順吾:情報:噂話で6 なら、やれるかも!
龍神貴好:3人でダベるのたのしそ
GM:柳瀬・龍神で、俳優志望の同級生に来る!!
柳瀬順吾:龍神くんと3人で男子大学生の日常を送るチャンス…!見せてやるっ まずは侵食率上昇
GM:各アライアンスで手に入れたコネも、適宜活用するのじゃ ふぉっふぉっふぉ
柳瀬順吾:1d10+46
DoubleCross : (1D10+46) → 9[9]+46 → 55

エマ・カルナデス:んん……一人で自警活動はちょっとリスキーかな
龍神貴好:龍神貴好の侵蝕率を1D10(→ 9)増加(49 → 58)
龍神貴好:高め推移!
エマ・カルナデス:なら、狐市の人に会いに行こうか。
柳瀬順吾:さっそく使わせてもらおう。コネ:情報収集チーム
GM:ウオオオオ!!!
柳瀬順吾:侵蝕率9を支払って、成果なしを避けたいですからね!
柳瀬順吾:1dx+2>=6
DoubleCross : (1DX10+2>=6) → 1[1]+2 → 0 (ファンブル) → 失敗

エマ・カルナデス:1D10+45
DoubleCross : (1D10+45) → 1[1]+45 → 46

柳瀬順吾:駄目でした~
龍神貴好:や、柳瀬ーっ!!
柳瀬順吾:侵蝕率9を支払って、成果なし!
GM:柳瀬ッッ
乃木清和:柳瀬~~ッ!
柳瀬順吾:さっきがちょっとおかしかったんですよね
乃木清和:1dxだもんね
柳瀬順吾:龍神くん…あとは任せた!
エマ・カルナデス:ふ、ファンブルはどうしようもない……
龍神貴好:これ、コネは共用ですかね
GM:どうしようかな~と思ったんですが
GM:個人が獲得したコネをチームが使えるというのが
GM:ヴィジランテチームのいい所だと思うので
GM:ゲーム性の表現も兼ね、アライアンスで獲得したコネは共用にしましょう。
龍神貴好:やったー!
柳瀬順吾:やれる!
龍神貴好:じゃあ情報収集チーム使いましょう。2回目。
龍神貴好:2dx+2>=6 噂話!
DoubleCross : (2DX10+2>=6) → 9[3,9]+2 → 11 → 成功

柳瀬順吾:ウォォ~ッ
龍神貴好:オーバーキルだったが、よし!
GM:OK!(ズドン)
エマ・カルナデス:優秀。じゃあ、こっちは【肉体】で難易度5の判定。
エマ・カルナデス:2DX>=5
DoubleCross : (2DX10>=5) → 10[5,10]+6[6] → 16 → 成功

GM:肉体がでかすぎる!!!
柳瀬順吾:白兵でできる情報収集ないかなあ
GM:拷問
乃木清和:コワ…
エマ・カルナデス:インタビュー。
龍神貴好:インタビューじゃん
GM:では、俳優志望の同級生のアライアンスlvが1に、コシローさんのlvが2に上昇します。
GM:では次回、アライアンスのボーナスと、情報をロールで開示していきましょう。

【ALLIANCE04】龍神貴好&柳瀬順吾

8月23日 14:38/華吶町立寄咲大学 喫煙所

GM:寄咲大学の喫煙所は室内に存在する。近年の猛暑や、学内の喫煙者人口の多さから、教授会で室内への移設が推進された。
GM:つまり、それだけ多くの人間がのんべんだらりと集まる場所でもあり、一種の社交空間と認識することもできる。
GM:西舘雅也は喫煙所に入り浸ることで、いつの間にか学内・学外の事情通のような地位を築いているらしい。
GM:龍神貴好・柳瀬順吾が「町の異変を探る」という現状の目標を考えた時、真っ先に思い浮かぶ顔も、また一つだった。
西舘雅也:「……で、最近華吶町で起こってる変なことを教えて欲しいって?」
柳瀬順吾:「そういうこと!」
龍神貴好:「うん」
西舘雅也:「……なんで?」
西舘雅也:「タカまでいるし」
西舘雅也:「柳瀬。お前タカとつるむようなやつだったっけ? コミュニティ違わねえ……?」
龍神貴好:「こないだの強盗事件でちょっとお世話になって……」
柳瀬順吾:「よく行くビデオ屋の常連仲間になったってわけ」
柳瀬順吾:「ビデオ屋はコミュニティだぜ、大宇宙だ」
西舘雅也:「あっ!こないだの『ローンマート』の被害者と……救助者!お前らかよ!」
西舘雅也:ひそひそと叫ぶという器用なことをやっている。
柳瀬順吾:「そうだよ。せっかくだから、この勢いで二人で映画撮りてえな~って思ってる」
柳瀬順吾:「俺が」
柳瀬順吾:「一方的に」
龍神貴好:「初耳な気がするんだよな」
柳瀬順吾:「龍神クンの意見はまだ聞いてない」
龍神貴好:「気のせいじゃなかったっぽいな」
柳瀬順吾:「新情報を得られたね!」
西舘雅也:「やめといた方が良いと思うけどな~~……」
柳瀬順吾:情報:噂話 柳瀬順吾LV1 《次に撮影する映画のプラン》
龍神貴好:アライアンスレベルが上がったな〜!
GM:アライアンスを乗っ取るな
柳瀬順吾:「まあ、そんなわけで……」
柳瀬順吾:「乗り掛かった舟だし、被害者の一人として龍神クンが事件を追跡するモキュメンタリー風をやりたいんだよね」
柳瀬順吾:「で、むしろ危険に近づくんじゃなくて、遠ざかるために情報が必要というわけだ。余計なことに首突っ込まないようにね」
西舘雅也:「何か、最近流行ってるよな……ウチの映画学科のやつも、ほら。お前らがよく言ってるビデオ屋行ってるらしいよ」
西舘雅也:「モキュメンタリーの資料探したいって。それで何か……怒鳴られて帰って来たらしいけど……」
龍神貴好:「ああ……」納得顔
柳瀬順吾:「あり得るね。厳しい店員いるからね」
西舘雅也:「じゃあ、とっておきのヤバそうなネタがあるな。耳貸せよ」
柳瀬順吾:「ひそひそ話だ! 龍神クン、こいつめちゃ煙たいけど、こっち!」
GM:喫煙所内は煙で覆われている。非喫煙者にとっては地獄のような環境だ……
西舘雅也:重めの煙草を吸い、これ見よがしに煙を吐き出している。「わっはっは」
西舘雅也:「ゲホッ」
龍神貴好:「けほけほ」と咳マネをしながら近づく。
西舘雅也:「き、きちぃ~……ホストクラブだと吸えないと話になんねぇ~んだよな」
西舘雅也:西舘雅也は、華吶町一番街のホストクラブに勤務している。
西舘雅也:生活費のために、一発で大きく稼げるバイトに目をつけたようだが……営業成績はと言うと、悲惨なものだ。
柳瀬順吾:「電子タバコがむしろNGな世界だね」
西舘雅也:「でも、これやってると逆に姫が優しくしてくれるんだよな。なんでだろうね?」
西舘雅也:「ただ、最近姫の様子もおかしくてさあ~……」
龍神貴好:「姫?お客さんのこと?」
西舘雅也:「タカは一番街とかあんま行かねーか」
柳瀬順吾:「この人たちは全員姫って呼んでるんだよな。ドン・キホーテだよな」
西舘雅也:「一人一人に本気なんだよ!」
龍神貴好:「全員お姫様なのか」
龍神貴好:「大変そうだ」
西舘雅也:「そのつもりだったんだけど……何か最近、ウチに来なくなる人たちが多くてさ」
西舘雅也:「最初は俺らの接客マズったべ?って思ったんだけど」
西舘雅也:「どうも……変なコンカフェとかクラブで働かされて、そのまま飛んだって話が多くてさ……」
柳瀬順吾:「ガチで? どっかに連れて行かれたんじゃねえよな」
西舘雅也:「……」きょろきょろと辺りを見回す。
西舘雅也:「お前ら、『かとつの軒先』って知ってる?」
龍神貴好:「その話、僕も聞いたことある。行方不明が増えてるって」
龍神貴好:「でも、かとつの…軒先、は、今初めて聞いた」
柳瀬順吾:「ぜんぜんわかんない。秘密組織か~?」
西舘雅也:「いや……何か、表向きはよくあるNPO法人らしいんだよ」
龍神貴好:「秘密組織って大体表向きの顔ある感じだよな」
西舘雅也:「何か実感籠ってね?」
龍神貴好:「そういう本、最近読んでるだけだよ」
西舘雅也:「怖ェ~~よ!彼女の影響か!?この勝ち組がよォ~~~ッ」
西舘雅也:「いや……こっちの噂の方がもっと怖いわ」急にトーンダウンする。
龍神貴好:「彼女ができたからって勝ち組になれるわけじゃないだろ」
龍神貴好:「……む」
柳瀬順吾:「ちゃんと彼女を作りたいならホストはよくないよね。……まあ、それはともかく」
西舘雅也:「一応、最初は『イチバン』にたむろするガキンチョの支援とかしてたらしいんだけどさ……」
柳瀬順吾:「へ~。普通じゃん」
龍神貴好:「でもそのガキンチョどもだよな?今いなくなってるのって」
西舘雅也:「そこで見た顔が、数か月後には……クソみたいな接客させられる店で見かけたりすんだよ」
龍神貴好:「うわ」
西舘雅也:「で、最後には」龍神くんの方を向く。「いなくなる」
西舘雅也:「俺、一回声かけたことあんだよ。そいつらにさ」
龍神貴好:「……それで?」
西舘雅也:「あんなクソ胡散臭い所通報して、ちゃんとしたトコ頼れって。バカなりに頑張って調べて、生活科の電話番号とかも渡したの」
西舘雅也:「でもさ」煙を蒸かす。「無理だって」
柳瀬順吾:「そっちの方が丸いだろ? 無理って?」
西舘雅也:「法人の代表が、”超能力”が使えるとかなんとかで……」
龍神貴好:「うわ、カルト臭出てきたな」
柳瀬順吾:「ハハハハハ! ……いや~、ごめん。笑いごとじゃないけど、本人たちはガチで信じてる感じなんだ?」
西舘雅也:「逃げようとしたら他の連中も連帯責任でやるって、脅されてるらしくてさあ」
西舘雅也:「スピってるよな?」
西舘雅也:「ありゃマジだね。噂の洗脳みたいな?」
柳瀬順吾:「あ~……まあ、超能力みたいなことは、やろうと思えばできなくもないよね」
柳瀬順吾:「盗聴器仕掛けとくだけでもいいし」
西舘雅也:「お前、時々妙に治安悪い考え方するよな……」
西舘雅也:「とにかく、『かとつの軒先』はヤバそうだって話だよ。声かけられても、絶対近寄んな!」
柳瀬順吾:「学校が貸してる撮影用の小道具、GPS仕掛けられててびっくりした。忍者衣装を返すの忘れてたら追跡されたもん」
龍神貴好:「まあでも、そういう『証拠』作り上げて……」
龍神貴好:「洗脳環境さえ整えれば簡単そう」
西舘雅也:「お前ら、本当にビデオ屋の集まりなの……?」
龍神貴好:「だってさ」
龍神貴好:「映画にはそういうフィクション、つきものだろ」
柳瀬順吾:「そうだよ。陰謀論はフィクションだと楽しいからね」
西舘雅也:「あっ確かに」ぽんと手を打つ。「リアル調の……モキュメンタリー?なら、そういうことも勉強するか」
西舘雅也:「俺の単位がヤバいのも陰謀かな?」
柳瀬順吾:「それは自業自得。お前のカルマじゃよ」
龍神貴好:「……」ノート貸すよ、と言いかけてやめる。
柳瀬順吾:「俺の単位がヤバいのは悪夢」
柳瀬順吾:「目が覚めたら評価Bがいっぱい並んでるんだ…」
西舘雅也:「ウワッやめろ!留年費なんて払ったら、今度こそ演劇ワークショップ行けなくなる!」
龍神貴好:「……講義とレポートサボりすぎなければなんとかなるよ」
龍神貴好:「だからまあ……がんばれ」
西舘雅也:「マジィ~~?? サンキュー、タカ」
西舘雅也:「あっ、そうだ。映画撮るなら、俺も付き合わせてくれねえ?」
西舘雅也:「何でもやるぜ。最初に死ぬ役でもいいし……」
柳瀬順吾:「お。興味あるか~? それならちょっと待ってな!」
柳瀬順吾:「この龍神クンを旗頭にしたPV撮ってるから」
柳瀬順吾:「それが撮影がうまくいったら、俺の名声が広まって卒制(卒業制作)もトントン拍子! スタッフもこぞって集まる予定なのだ!」
西舘雅也:「おおお……普段のお前の映画は正直、全然わかんなかったが」
西舘雅也:「タカが出てるなら話は別だ!」
西舘雅也:「こいつには、何かやってくれそうな雰囲気がある。そう前から思ってた」
龍神貴好:「えっ、僕そんなにお前の中での評価高いの」
西舘雅也:「怜ピもいったしな」
龍神貴好:「怜ピ……」
西舘雅也:「とにかく、お前らの撮影には全面的に協力してやる!まずはとっておきの話術を伝授してやろう」
西舘雅也:「現役ホスト直伝の技だ。これを覚えれば、お持ち帰り大成功間違いなし」
柳瀬順吾:「ホントに使えるか、それ~?」
西舘雅也:「エキストラとか演者を口説き落としたい時に使え。ホッホッホ」
龍神貴好:(こいつのホストクラブでの成績って……)
龍神貴好:「まあ……聞いとくよ」
GM:……西舘から、クラブ『Ichiban star』接客虎の巻(※社外秘!!姫の気持ちに寄り添うこと!と書いてある)の特訓を受けた。
GM:少しだけ、女心がつかめた気がする……
INFO:西舘雅也のアライアンスlvが「1」に上昇しました。
INFO:→「コネ:噂好きの友人」を獲得しました。
INFO:→「ホストの爆・お持ち帰り術」が発動しました。

「ホストの爆・お持ち帰り術」 ・ロールプレイで使用。シナリオ一回。 
西舘雅也に聞いた会話のコツで、相手の警戒心を解く。 
特定の女性キャラクターを一人、「Chill to Shift」に登場させることができる。

GM:→「ウワサ:要注意撮影先(黒)」(★☆)を獲得しました。

「ウワサ:要注意撮影先(黒)」(★☆)
西舘雅也は「要注意な団体」としてNPO法人「かとつの軒先」の名前を挙げた。
「かとつの軒先」は性的搾取や虐待に苦しむ「イチバン」の少年少女の保護を謳っているが、
実態は「かとつの軒先」に保護された青少年が、
周辺の風俗店で勤務しているという目撃証言が頻発しており、
本人たちもかたくなに周囲の助けを拒んでいるのだという。
また、「かとつの軒先」の運営者には、「超能力を使う」という噂があるらしい。

GM:「黒」のウワサには、『トラス4』以外のFHセルや反社会的勢力の情報が分類・整理されます。

【ALLIANCE05】エマ・カルナデス

8月23日 12:56/華吶町一番街 古物商『狐市』

GM:乃木清和の交渉により、EXレネゲイド業者『狐市』との交流が確立された。
GM:彼女は「副業」の方が忙しいらしく、しばらく『Chill to shift』に姿を見せていないが……
GM:ビデオ屋に電話がかかって来たのは、そんな折だった。
コシローさん:『あ、もしもし? トラスだかトラヴィスとか何だか知らんけど……ここで合うとります?』
コシローさん:『一番街、「狐市」ちゅうお店で商いさせてもろてます、コシローいうもんです』
エマ・カルナデス:『ノギから話は聞いてる。こちらは代表のエマ』
GM:その日は平日で、瑛・A・アヴァスは市役所へと勤務へ出ていた。よって、応対をするのはきみしかいない。
エマ・カルナデス:『一応、店名は『Chill to shift』だけど。電話で済む要件?』
コシローさん:『いえ。直々にお伝えしたいことがおわします』
コシローさん:『その声……あんたはんもきっと別嬪さんやね。良ければ、お店に一度遊びにお越しやす』
エマ・カルナデス:『よく言われる。じゃあ、少ししたら出るのでよろしく』
GM:乃木清和から、極めて軽薄な人物ということは聞かされているかも知れない。瑛・A・アヴァスは、気絶しそうなほど怒り狂っていたが……
GM:きみの返答を聞き届けたのか、電話は切れる。『狐市』へは、同じ一番街の店同士……歩いて十五分ほどだ。
エマ・カルナデス:(まあ、注意が必要な相手ならノギからもう少し言葉があるはず。警戒しすぎても、向こうに悪印象があるかもしれない)
エマ・カルナデス:電話口の印象と先に聞いていた所感に納得を覚えつつ、店の施錠をしてから足を運ぶ。
GM:もはや夏という季節の切れ目がなくなって久しい。8月の後半でも、うだるような真夏の日差しが容赦なくきみの白い肌を焼いた。
エマ・カルナデス:目を細め、キャスケット帽を深めに被り直す。余人より死に辛いと言っても、暑いものは暑いのだ。
エマ・カルナデス:(そろそろまた、花を買う時期か)
エマ・カルナデス:物思いに耽りつつ街並みを通り過ぎ、目当ての場所に辿り着いた。
コシローさん:ちりん、と軒先の風鈴が鳴る。狐と朝顔の図柄が目に涼しい。
エマ・カルナデス:「お邪魔する。コシローさん、いる?」
GM:のれんを上げると、冷房も効いていないのに、どことなく冷えた空気が淀んでいる。
コシローさん:「あんたがエマはんね。話は聞いとるよ」
コシローさん:「お盆も終わった言うに、まだまだ暑いねえ」ぽりぽりときゅうりとナスの浅漬けを食べている。
コシローさん:「……食べはる? 別に京都弁とかやないで」
エマ・カルナデス:「……?まあ、今はお腹はすいてないので。ありがとう」恐らく何かのスラングだと思うが、分からなかったので素直に答える。
コシローさん:「最近はようけ京言葉に詳しい人が増えて困ってはるわ。ははは」
コシローさん:「ああ……箱入りさんね。やっぱり噂通り、期待通りの別嬪さんや」
エマ・カルナデス:「よく分からないけど、確かにノギとは気が合わなさそう」
コシローさん:「エマはんとはどう?」
コシローさん:「これからの話次第、とか思うてはる?」
エマ・カルナデス:「貴方が私を気に入るかは分からない。でもノギから話を聞いて、個人的に興味はあった」
コシローさん:来客用だろうか、籐編みの椅子を引く。
コシローさん:「あの子もえらい奇麗な子やったねえ。まあ……ちょっとばかし、古いもんへの敬意が足らんけど」
コシローさん:「ちょっとばかしな」
エマ・カルナデス:一礼して腰掛け、話を続ける。
エマ・カルナデス:「まあ、あの子の言葉はリーダーの私の責任でもある。気に障ったなら、その内何かで返す」
エマ・カルナデス:「それより……霊的な解釈でレネゲイドを見るオールドの家系。そう言った人には、今まで会う縁がなかった」
コシローさん:「ああ、ええ、ええ。そんな細っこい肩にそれ以上荷物背負わせたら、申し訳のうて狂い死ぬわ」
コシローさん:「その言い方もほんま色気あらへんねえ~~~」
エマ・カルナデス:「……ふむ。"私達より古くから霊的存在に触れて来たノウハウを持つ人たち"の方がいい?」
コシローさん:「おっ。中々ええ線行っとるやない」
コシローさん:「飴ちゃん食べはる?」
コシローさん:巾着袋から飴玉を取り出している。あずき味だ。
エマ・カルナデス:「2回断るのは流石に失礼。ありがとう」
コシローさん:「で、そのノウハウ持っとる人たちから、ちょっとした忠告なんやけどね」
エマ・カルナデス:飴を口の中で転がしながら傾聴する。
コシローさん:「あんたはんら、何やえろうけったいな連中に探されてはるよ」
コシローさん:「『かとつの軒先』言うたかな……」
エマ・カルナデス:「ギルドの懸賞金の話なら把握してい……」
エマ・カルナデス:「『かとつの軒先』。それは、初耳」
コシローさん:「最近『イチバン』言って騒いどる、アホんだらの、ジャリどもおるやろ?」
エマ・カルナデス:「ああ……近所で屯すのはやめてほしい。この辺も?」
コシローさん:「そいつらがどうなろうと関係あらへんけど……時々、”見える”奴がおるんよね」
エマ・カルナデス:「…それはノギのように、何か憑いているのが見えるという意味?」
コシローさん:「いや。文字通り、あたしらの力が見えるやつら」
エマ・カルナデス:「ご同類オーヴァード
コシローさん:「何か、妙な……薬臭いニオイしたわ」鼻をつまむ。「急ごしらえの術師ちゃう?」
エマ・カルナデス:「…………」溜息。覚えがない、と言うには古巣の匂いがきつすぎる。
エマ・カルナデス:「オーヴァ……術師に強制的に覚醒させる薬剤。心当たりはないこともない」
コシローさん:「で、本題や。『かとつの軒先』の奴からも、薬臭いニオイすんねん。そいつらと同じ!」
コシローさん:「えっと……赤髪の地っ味~な嬢ちゃんと、えらい恰幅のいいおっさんの二人組やったかなあ」
エマ・カルナデス:「それを扱ってる連中というなら、私達を探してるのもまあ納得。背格好の情報は皆に共有しておく」
コシローさん:「嬢ちゃんの方はなんや”なり立て”の感じしとったけど」
コシローさん:「おっさんの方は……多分アレ相当やっとるね」
コシローさん:「赤ちゃんとか子供の泣き声が聞こえんねん。こう、店の前でぎょうさん行列作っとる感じで」
コシローさん:「で、『トラス4』を知っとるか?とか言うて。ほんま胸糞悪かったから、塩撒いて追い返しといたけど」
コシローさん:「まあ、この店ん中なら負ける気せーへんし。流石にあっちも無茶してこんやろね」
エマ・カルナデス:「……あなたの知覚でそう見えたという事は、ノギみたいな愛する人でなくても付いてくるんだ」
エマ・カルナデス:「うん。私達の事、売らないでくれてありがと、コシローさん」
コシローさん:「お得意様無下にするほど儲かっとらへん」ひらひらと手を振る。
コシローさん:「別に、愛とか、憎悪とか、そういうのはあんま関係あらへんと思うよ」
エマ・カルナデス:「……そうなの?」
コシローさん:「あんたはんの後ろにも見えるもん」
コシローさん:にこにこしながら、一つ、二つ、三つ……指をさす。
コシローさん:ちょうど、『トラス4』戦没者の人数で、その指は止まった。
コシローさん:「……ん? あれ、気持ち悪いな」
コシローさん:「なんか一人足らへん気がする。まあいいか……」
エマ・カルナデス:「そっか」頷く。
エマ・カルナデス:「……正直、ノギの話を聞いても懐疑的だった。けど、その人数を言い当てるのは当てずっぽうでは無理」
エマ・カルナデス:「皆がいる・・のか、知りたかった。貴方達のRC知覚……もとい、霊感も、信じることにする」
エマ・カルナデス:「一人分は…………色々確かめられたら、また話のネタに教える」
コシローさん:「う~~ん……普通はお客さんにこんなこと言わへんけどね」
コシローさん:「いた・・として、何がしたいん? あんたはんは」
コシローさん:「謝る? 怒る? 喜ぶ? 泣く?」
エマ・カルナデス:「…何が?」虚を突かれ、返答がつかえる。
コシローさん:「『知りたかった』『信じたかった』って」
コシローさん:「そもそも、その先を決めとらん子の台詞やない?」
コシローさん:「霊魂の実在とか、そういう話やなしにね」
コシローさん:「いるとかいないとか関係なしに、死んだもんに何かしたいと思ってる子は、やる・・やん」
コシローさん:「お墓参りとかだってそうやろ? そこにいるとかいないとか気にしへんやろ。本当は。あれ、納得のための手続きやしね」
エマ・カルナデス:「その先……」考えもしなかった言葉。もとい、考えないようにしていた言葉が、思考の空白に滑り込む。
コシローさん:「実在の有無で態度を変えるなら」
コシローさん:「受け身ってことちゃうの。それは」
エマ・カルナデス:「ッ……違う!」思わず激し、音を立てて椅子から立ち上がる。
コシローさん:眼鏡の奥の瞳が細まる。「何や。ちゃんと怒れるやないの」
コシローさん:「今のあんたはん……全然”自由”に見えへんし」
コシローさん:「もうちょい自分のことも考えた方が、皆喜ぶと思うで。お仲間はんと話してみ」
エマ・カルナデス:「……ただ……ただ、私は………皆が全部消えたんじゃないって……」
コシローさん:「聞こえへ~~~~~ん。そういう独り言は~~~~」
コシローさん:耳を塞いでふるふると首を振る。
エマ・カルナデス:「……無駄じゃないって……いや…………違う……」自分でも合っているのか分からない答えを探して、言葉を選ぼうとした。
エマ・カルナデス:ぎっと睨む。
コシローさん:「あたしは自分のことしか考えてへんよ! 分家の道具、あらかた持ち逃げしはったからね。金のため!」
エマ・カルナデス:「………最初の質問。答えが出たと思う」
エマ・カルナデス:「私、コシローのこと、多分嫌い」
コシローさん:「えっ。き……傷つくわあ」
コシローさん:「ほな、こうしましょ。うちのとっておきの呪い、あんたらの武器に掛けたげるわ。格安で!」
コシローさん:「詫びや詫び。弾避けの呪いでも壊れずの呪いでも何でもええから」
GM:さりげなく商売の話に持って行こうとしている。最も、この店の物品を見てわかる通り……コシローの腕自体は、確かなものだろう。
エマ・カルナデス:「……私を案じてくれたのに、こっちも言葉が過ぎた。申し訳ない」
エマ・カルナデス:眼はまだ納得がいっていない様子だが、非礼を詫びる。
エマ・カルナデス:「……皆には」
エマ・カルナデス:「タイミングがあったら、話してみる……みます」
GM:未だオーヴァードの力であっても実在が確認されていない、霊魂の存在。それは真にコシローが感じているものだろうか?
GM:彼がエマ・カルナデス自身の後悔と贖罪意識こそを、見ているのだとすれば。
GM:罪を償うために向き合わなければならないのは、きみ自身の過去なのかもしれない。
コシローさん:「毎度おおきに」
コシローさん:「季節過ぎてはるけど、あげるわ。これ」段ボールに入っていた、供え物用の落雁セットをごそごそと持ち出してくる。
エマ・カルナデス:「ありがとう。…………古物屋で……?」品揃えに首を傾げ、一瞬素に戻るのだった。

INFO:コシローさんのアライアンスlvが「2」に上昇しました(上限)。
INFO:→「古物商の出血大サービス」が発動しました(★★)。 

「古物商の出血大サービス」 種別:「カスタマイズ」のアイテムが1人1種類、購入判定で購入できるようになる。
購入難易度は「常備化点」の部分を参照するものとする。

INFO:→「レネゲイドチェッカー」を入手しました(★★)。

「ウワサ:『狐市』の迷惑客(黒)」
『狐市』には最近、「『華吶町のアナーキー』を探している」という客がよく来る。
だが、その中でもコシローが特に気にかかった客がいるという。
NPO法人「かとつの軒先」と名乗る、陰気な赤髪の女性と、恰幅の壮年の男性の二人組。
彼らだけが、「『トラス4』という組織を知っているか?」という質問をしてきたらしい。
彼らは『イチバン』にたむろする若者たちと、レネゲイドを通した関係にあるようだ。

GM:アライアンスシーンが終了しました。柳瀬くん・エマさん・龍神くんの三人は、ロイスの取得、購入判定が可能です。
龍神貴好:ロイスどうしよっかなー!
龍神貴好:取るか〜
柳瀬順吾:ロイスは龍神くん。 友情〇/脅威
GM:N脅威なの良すぎる
龍神貴好トラス4/柳瀬順吾/信頼:○/巻き込むな/ロイス
龍神貴好:撮影のことです
柳瀬順吾:巻き込むよ~
GM:あ!すみません コシローからレネゲイドチェッカー渡すの忘れてました
龍神貴好:あ〜
龍神貴好:お!
龍神貴好:これであいつに会えるじゃん〜
GM:水見式みたいな占い盤です ここがフラグだった
柳瀬順吾:ネコちゃん
エマ・カルナデスコシロー P☐誠意/N☑嫌い
コシローさん:そんな……
龍神貴好:買い物するぞ!エンチャントを狙う!
柳瀬順吾:そして買い物は、このサイバーアームを…エンチャントすること!
エマ・カルナデス:整理が付いたら、ポジティブに変えなくもない。
コシローさん:毎度あり~~~♡
柳瀬順吾:1dx>=10 ヤーッ!
DoubleCross : (1DX10>=10) → 5[5] → 5 → 失敗

柳瀬順吾:はい
コシローさん:おい!!
龍神貴好:2dx+1>=10
DoubleCross : (2DX10+1>=10) → 10[9,10]+8[8]+1 → 19 → 成功

龍神貴好:回ったあ!
柳瀬順吾:龍神と柳瀬 どこで経済力に差がついたのか 貯蓄…
柳瀬順吾:以上です
エマ・カルナデス:……ヤナセの腕こっちからカスタマイズしたりできる?私、武器使わないし。
龍神貴好:指定エフェクトは《伸縮腕》、改造アイテムは骨の剣!
GM:いいでしょう!エマさんはRC型だからね。
柳瀬順吾:リーダーッ!
柳瀬順吾:この腕をシックなモノクロームフレームでデコりたいんですよ~
エマ・カルナデス:そんな事言ったらデコを買うよ。
柳瀬順吾:カーボンの方がメンテナンス性いいし、動きもいいし~
エマ・カルナデス:じゃあ、ヤナセのサイバーアームをエンチャントで購入判定。
エマ・カルナデス:4DX>=10
DoubleCross : (4DX10>=10) → 9[2,8,9,9] → 9 → 失敗

エマ・カルナデス:1ポイント使用、購入成功。コシロー、お願い。ヤナセはエフェクト指定してね。
柳瀬順吾:ああっ!財布を開けてまで…ありがとうございますリーダー!
コシローさん:毎度あり~~~
コシローさん:いや~~~ほんまええお得意さん持ったわ
柳瀬順吾:エフェクトは当然瞬速の刃を指定!
柳瀬順吾:ありがたく…エンチャント!
GM:OK!(ズドン)
GM:では、次のアライアンスシーンに参りましょう!

【ALLIANCE MOVE03】

GM:現在解放可能なアライアンスシーンはこちら。
GM:Take your Time……

【KATOTSU CITY ALLIANCE MAP】

・『華吶町一番街』
⇒[OPEN]華吶町警察:鋼鉄の猫署長(☆)〈知覚〉または〈知識:探偵業〉で8
(※「レネゲイドチェッカー」(済)「自動巡回ソフト」(済)「インクリボン」(済)を消費して解放)

・『華吶町立寄咲大学』
⇒[OPEN]キャリアセンター:大学の先輩(★☆☆)情報:裏社会で7(龍神貴好が判定する場合、難易度-5)
⇒[OPEN]喫煙所:俳優志望の同級生(★☆)情報:噂話で6
⇒[LOCK]図書室:???(☆)/⚠エマ・カルナデス、龍神貴好、柳瀬順吾のみ進行可能
(※■自警活動「華吶町一番街地下アーケード」を進行して解放)

・『Club Malebolge』
⇒[LOCK]シーシャスペース:黒サングラスのお姉さん(☆☆)
(※購入難易度「20」以上のアイテムを消費して解放)
⇒[LOCK]バースペース:???(☆☆)/⚠乃木清和のみ進行可能
(※「ウワサ:世界を守る秘密結社(赤)」を入手して解放)
⇒[LOCK]ダンスホール:???(☆☆)
(※「ウワサ:ブルーライトゴースト(黒)」を入手して解放)

■自警活動
①華吶町立寄咲大学:「アモルファスβ」掃討活動

GM:結構一番街方面がスッキリしましたね。
GM:西舘アライアンス、荒崎アライアンス、そして……猫!!
GM:他には自警活動もあるぞ
GM:では、各自アライアンスでの行動を選ぶのじゃ
龍神貴好:猫番長開いたので難易度知りたいですねとりあえず
龍神貴好:あ、開いたというか開くというか
龍神貴好:リーダーアイテムあげますよー
GM:忘れていた!〈知覚〉か、〈知識:探偵業〉で8です!
エマ・カルナデス:こっちもレネゲイドチェッカーを場に出す。これで解放。
龍神貴好:ありがとうございます!
龍神貴好:自警活動もそろそろ行きたいんだよな
柳瀬順吾:社会振るより知識の方がずっとマシだから、猫チャン行こうかな
GM:ネコー
乃木清和:自警活動ってPC全員で挑まなくても大丈夫な難易度なの~?
龍神貴好:というより多分
GM:できれば、PC全員で挑むことを最初は推奨します!
GM:何が起こるかもわからないからね。
乃木清和:そうだよねえ
龍神貴好:あ、他の行動してたらできない奴?
GM:ダンジョンに行った日はコミュを進められないですからね
龍神貴好:なるほど!
エマ・カルナデス:まあ、今回は全員アライアンスに回ったら丁度いい空き数かも。
柳瀬順吾:もう一手、アライアンスを回してから行きませんか? 有利になる要素が解放されていっているので
GM:全員アライアンスに行き、次のシーンで自警活動をCHECK……
龍神貴好:それで行きましょう
乃木清和:OKです!私どこ行こうかな
GM:この順序がベストだと思います リプレイ:アナーキー完全攻略Wiki!
西舘雅也:美人が来てくれると嬉しいんだけどなあ~~ッ
エマ・カルナデス:じゃあ荒崎先輩の所へは龍神リュージンが行くのが丁度いいとして。ノギ、ホストと龍神リュージンの彼女どっち行きたい?
荒崎怜:ムッ
乃木清和:じゃあ私ホストのとこ行く~
乃木清和:リーダー彼女の様子見てきてよ
柳瀬順吾:危険な組み合わせだ
龍神貴好:バッチバチの予感
柳瀬順吾:しかし虎穴に入らずんば虎子を得ずともいう
エマ・カルナデス:そうね。退院したとはいえ、経過は見ておいた方がいい。
荒崎怜:TRASS4 ADVANTAGE!!!(チャンスエンカウントBGM)
柳瀬順吾:作戦プラン、タイガーチャイルド! GO!
龍神貴好:じゃ、早速振って行きますか、彼女を
GM:では、判定コスト侵蝕1d10を振り、判定をどうぞ!!
龍神貴好:違う、振るのは判定ダイスね
柳瀬順吾:1d10+55
DoubleCross : (1D10+55) → 1[1]+55 → 56

龍神貴好:龍神貴好の侵蝕率を1D10(→ 10)増加(58 → 68)
乃木清和:マジで……マジで頑張れよ………
龍神貴好:へんな言い間違えするからー!
荒崎怜:振る? 彼女を?
柳瀬順吾:あぶない
乃木清和:乃木清和の侵蝕率を1D10(→ 2)増加(69 → 71)
柳瀬順吾:猫署長を《知識:探偵業》で振ります。目標値8
龍神貴好:ちがうんだよー
乃木清和:よしっっっ
エマ・カルナデス:1D10+46
DoubleCross : (1D10+46) → 2[2]+46 → 48

荒崎怜:イエス!!
柳瀬順吾:3dx>=8
DoubleCross : (3DX10>=8) → 9[2,6,9] → 9 → 成功

荒崎怜:リーダーは落ち着きすぎ
柳瀬順吾:OK!
龍神貴好:3dx>=2
DoubleCross : (3DX10>=2) → 10[2,9,10]+6[6] → 16 → 成功

柳瀬順吾:説明しよう。このチームの中だと、柳瀬はかなり精神が高い方なのだ。
エマ・カルナデス:振るか、彼女を
エマ・カルナデス:4DX>=7
DoubleCross : (4DX10>=7) → 10[1,1,6,10]+7[7] → 17 → 成功

荒崎怜:彼氏より知られてる??
GM:乃木さんも侵蝕2だ!やったぜ
乃木清和:ホストを《情報:噂話》。素振りで
乃木清和:3dx>=6
DoubleCross : (3DX10>=6) → 7[1,3,7] → 7 → 成功

乃木清和:ヨカッタ!
GM:シャア!!
エマ・カルナデス:順調!!
GM:では、猫署長、西舘、荒崎アライアンスがMAXになります。
GM:では、早速ロールで情報開示と効果開示をしていきましょう。
GM:最初は西舘アライアンスと乃木さんからかな。
乃木清和:は~い!

【ALLIANCE06】乃木清和

8月25日 19:34/ 華吶町立寄咲大学 喫煙所前

GM:『Club malbolge』から『Chill to Shift』までへの帰り道は、寄咲大学を経由する。
GM:地下鉄で大学近くの路線まで乗り換え、そこから徒歩で坂を上って一番街に行く、というのが最寄りのルートだ。
GM:瑛・A・アヴァスから『トラス4』の「訓練」の呼び出しを受けたきみは、何ともなしにビデオ屋への道を歩いていた。
GM:「訓練」とは『トラス4』で行われている、ちょっとした能力開発のようなものだ。どの組織にも所属しないきみたちは、自身で自身のレネゲイド技術を洗練させる必要があった。
GM:最も、乃木清和に関して言えば、それらは無用な試みであったが――
GM:とにかく、きみがちょうど寄咲大学の前を歩いていたときだ。
GM:「……!」「……!?」
GM:何やら、言い争いをする男女の声が聞こえる。
乃木清和:「ん」視線だけ僅か動かしてそちらを見る。
乃木清和:なにか警戒心を煽られたとか、そういうわけではない。シンプルな野次馬精神である。
フリフリの格好をした女:「ねえッ 良いじゃん!! 大学なんてやめて私と暮らそうよォ~~~~ッ!!」
西舘雅也:「よ……良くねえって、姫! あんた先輩の担当でしょ!?」
西舘雅也:「俺とおしゃべりしたことあったっけ!?」
フリフリの格好をした女:「誰でも良いんだよ!! どうせあいつ私のこと金づるとしか思ってないんだからさァ!!!」
西舘雅也:「え、ええ~……」
フリフリの格好をした女:「だってあんた、キョータに可愛がられてたじゃん!!」
西舘雅也:「いや……その感じはまずいって。一回、警察とか、病院とか行こうぜ」
西舘雅也:「俺も付き合ってあげるし、キョータさんにも話しとくからさ。な?」
乃木清和:「お~…」
フリフリの格好をした女:「いいじゃん~~~!! それとも何!?彼女でもいんの!?」
西舘雅也:「エッ」
西舘雅也:「アッ……あ!!」
西舘雅也:「お~~~い!!」
西舘雅也:野次馬に向かって手を振る。
乃木清和:「キョータにバレたら一発アウトだぞ~……ん?」
西舘雅也:別に誰かを狙ったわけでもないが、誰かしらが名乗り出てくれないかな~……とその目が訴えかけているような気がする……
乃木清和:「ヤな予感。逃げよう」
フリフリの格好をした女:「はあ~~??? 何? ……あ!!」
乃木清和:迷いなく通り過ぎようとする。
フリフリの格好をした女:がっと目線がきみの方に向く!!
フリフリの格好をした女:「やっぱこういうタイプが良いんだ!!!」
フリフリの格好をした女:何かのコンプレックスに触れてしまったようだ……
フリフリの格好をした女:「西舘ァ!!どういうことだコラァ!!」
乃木清和:「人違いです~………」誰にも聞かれない呟きが空に消える…。
フリフリの格好をした女:「そこの女も!!」ガンを飛ばして、野次馬から歩み出てくる。
西舘雅也:「やっ、やべ~~~~……よし!!」
西舘雅也:「逃げましょう!!! こっち!!!」
西舘雅也:バッと野次馬を突っ切って走り出す。
乃木清和:「何も言ってないって~~~」「あぁ~~~~」引きずられて行く。
フリフリの格好をした女:「待てゴルァ~~~~~!!!今度『狐市』のおっさんに頼んで呪ったるァ~~~~~~ッ!!!!」
GM:……………………
GM:……………
GM:………

8月25日 19:58/ 華吶町立寄咲大学 喫煙所

西舘雅也:「はあはあはあはあ」
西舘雅也:「撒いてから、構内に逃げ込んだ……」
西舘雅也:「流石にここなら入って来れないだろ。守衛もいるし……」
乃木清和:「そっすか…」
乃木清和:「帰っていい?」
西舘雅也:「はい……本当にすみません……」
西舘雅也:「一応、俺……西舘って言います。西舘雅也」
乃木清和:「ふぅん……」「うん?」
GM:西舘。西舘雅也。龍神貴好や柳瀬順吾がたびたび口にしている、噂好きの友人の名前だ。
乃木清和:二度見。「西舘? 映画学科に知り合いいる?」
西舘雅也:「えっ。ま、まさか」
西舘雅也:「……………『戦うな! 偽ストローマン!!』」
乃木清和:「それそれそれ」
西舘雅也:「うわうわうわ!柳瀬の知り合いっスか!?」
乃木清和:「ん~…まあ…知り合いの知り合いみたいな…? 仲間ではないです」
西舘雅也:「知り合いってか、フツーにめっちゃ友達スけど。昨日龍神……ああ、同じ大学の友達と一緒にラーメン食い行ったし」
西舘雅也:「でもあいつ、あんま食ってなかったな……大丈夫かな……?」
西舘雅也:「あ、すみません。話それました」
乃木清和:「……あなた、街の噂に詳しいって聞いてる」
西舘雅也:「え? いや、まあ……詳しいっちゃ詳しいすけど……」
西舘雅也:「うちのホストクラブ、色々な客来ますし……」
乃木清和:「いいじゃない。私、『Club Malebolge』ってところで働いててさ。お客さんとの会話のネタになるから…」
西舘雅也:「え!?『マレボルージュ』の!?」
乃木清和:店のカードを取り出す。「柳瀬からあなたの話聞いて、私も喋ってみたいなって思ってたの」
乃木清和:「そうだよ~。はいこれ、あげちゃう」
西舘雅也:「あそこ、最近めちゃくちゃかっこよくて美人な店員さん入ったらしいって聞いてたんすけど」
西舘雅也:「おお……今度絶対行きます」
西舘雅也:「あっ!これ、逆ナンってやつっすか!?やった~~~!!!見たか龍神!!」
西舘雅也:カードを受け取ってガッツポーズする。
乃木清和:「……」ニコ……ってする。
西舘雅也:実態は、西舘雅也が勝手にきみを引きずり回していただけなのだが……
西舘雅也:「何でも喋っちゃいますよ~。最近の客層から街中の治安まで」
西舘雅也:「えっと……」店のカードを読む。「ノギ……乃木さんっすね!名前かっこよ!」
乃木清和:「かっこよくて美人な店員さん」
乃木清和:「私かもよ?」
西舘雅也:「ハワ……」膝から崩れ落ちる。
西舘雅也:「し」「師匠って呼ばせて貰ってもいいっすか」
乃木清和:「えっヤダ」
西舘雅也:「なんか、こないだ演劇のワークショップの人に言われたんすけど」
西舘雅也:「カリスマ!カリスマです!」
西舘雅也:「そういうのがどうしても足りないらしくてッ」土下座する。
西舘雅也:「師匠と接すれば、何かを掴めるような気がする……!」
乃木清和:「西舘くんホストなんだから、足りなくちゃダメじゃん。こういうことのプロはそっちでしょ」
西舘雅也:「いや……向いてないってよく言われるんすよ」
西舘雅也:「一発どかんと稼ごうと思って始めたんすけど」
西舘雅也:「成績ドベで、ずっとまかないだけ食いに行ってるみたいな感じで……」
西舘雅也:「何が足りないと思います?」
西舘雅也:西舘は本気で困っているようだ……
乃木清和:「え~………」
乃木清和:「女を財布として扱う精神とか…」
西舘雅也:「え……なんで? こわ……」
乃木清和:「なりふり構わず利用する姿勢とか…?」
西舘雅也:「言ってることずっとやばいすよ」
西舘雅也:「ハァ~~……」ぐったりとスタンド式の灰皿に凭れかかる。「やっぱ、そうだよな……」
西舘雅也:「やめるか、ホスト……」
乃木清和:「まあ……」
乃木清和:「さっきのことでキョータ先輩は怒り心頭だろうし…」
西舘雅也:「薄々解ってたんすよ。さっきみたいな子が生まれるの、普通によくないし……」
西舘雅也:「でも、店の人が可愛がってくれるから、ずるずると……」
西舘雅也:「あっ!!!!!」
乃木清和:「なになに」
西舘雅也:跳ね起きて携帯の着信を確認する。
西舘雅也:「や、やばいやばいやばい」「鬼電着て……うわ!?」
西舘雅也:うっかり着信ボタンを押してしまう。
乃木清和:「あ~あ」
乃木清和:「出ない方がいいよ~」一応そっと言う。
キョータ:『おいマサヤァ!!!!てめェ~~~~人のカモに手出すの何考えてんだコラァ~~~~~!!!』
キョータ:『今どこにいんだッ おいッ!! ふざけてっとお前マジ飛ばすからな!!!』
西舘雅也:「お……」
西舘雅也:逆に乃木さんの声を聞き、冷静になったようだ。
西舘雅也:「いや……すみません。今のでちょっと、目覚めました。俺、最低だったんで」
西舘雅也:「今日でやめます。さっきの女の人、もう警察に相談しといたんで。じゃあ!!」
西舘雅也:ぶちっと電話を切る。
乃木清和:「私………」
乃木清和:「他人のこんな大事な場面に居合わせていいのか……?」
西舘雅也:「いやいやいや」
乃木清和:「なんで龍神くんじゃないの~~」「あ、終わった?」
西舘雅也:「師匠がいてくれたから冷静になれたんすよ」
西舘雅也:「目が覚めました。これからは俳優一本でやってきます」
乃木清和:「それがいいと思うよ…。………」
乃木清和:「はい」手を出す。
西舘雅也:「え? 何すかこれ」言われるがままに手を差し出し返す。
乃木清和:「握手じゃないよ。お代に決まってるでしょ」
西舘雅也:「は!?!?」
乃木清和:「は~?!?!」
西舘雅也:「今何かめちゃくちゃ良い流れになる所だったじゃないすかッ」
西舘雅也:「こないだラーメン食ったばっかで、全然持ち合わせないんすけど」
西舘雅也:※柳瀬・龍神と行ったラーメン屋、『悪魔の端麗』。濃口塩ラーメンチャーシュー煮卵トッピング 1780円
乃木清和:「どう考えたって私の巻き込まれ損じゃんっ。別にお金じゃなくていいし………」
西舘雅也:「ええ~……何か……情報とかでもいいっすか?」
乃木清和:「情報~? どうかな~」横目で見てみる。
西舘雅也:「じゃあ、とっておきのいきますよ」
乃木清和:「そんなこと言って、たいした情報じゃないんじゃな~い?」
西舘雅也:「そんなことない! 結構すごいんすよ、俺の情報網は!」
西舘雅也:「いや嘘っす。何か……皆、俺相手になるとペラペラ話してくれるんすよね、なんか……何でだろう?」
西舘雅也:「っつーか、最近一番街ガチで治安悪いじゃないすか」
乃木清和:(そういう意味ではホスト向きなんだろうな……)
乃木清和:「うん、うん」
西舘雅也:「でも最近、『シャブくん』の名前出すと、悪党が逃げてくらしいっすよ」
GM:全く聞き覚えのない名前だ。恐らく何かの略称だろう。
乃木清和:「シャブくん? クスリ?」
西舘雅也:「いや……一応、愛称らしいっす。本人は偽名?みたいなの使ってるみたいなんすけど、どうも長くて……」
西舘雅也:「あ、あー。思い出した。”シャブダ・ベディ”だ」
西舘雅也:「そういう名前の……ちょっと陰のあるイケメン? みたいな奴が……」
乃木清和:「うわ~、うさんくさい名前…。うんうん」
西舘雅也:「何か、『イチバン』のガキを町から逃がしたり、守ったりしてるらしくて」
西舘雅也:「ほら、最近ちょっとヤバいって噂の『かとつの軒先』ってNPOあるじゃないすか」
西舘雅也:「あそこからも何人かもう逃がしてるらしいっすよ」
乃木清和:「へえ~……」
西舘雅也:「でも、肝心の『シャブくん』の顔とか本名、誰も知らないらしいんすよね」
西舘雅也:「何か秘密結社とか関わってたりして……」
西舘雅也:「って、そんなわけないか。アハハハハ!!」
乃木清和:「あはは、何それ面白~い」(笑)
西舘雅也:「柳瀬と喋るとこっちまで陰謀論っぽくなっちゃうな……」
西舘雅也:「とにかく、一番街でヤバそうな目に遭ったら『シャブくん』を頼るのが良いッスよ。おまじないみたいな感じ!」
乃木清和:「…なるほど。『シャブくん』のこと知ってるんだぞってアピールできるのはいいね」
西舘雅也:「そうそう。めちゃくちゃ強いらしいっすよ」
乃木清和:「ありがと。その噂、うまく使うことにするよ」
西舘雅也:「柄の悪い連中が、手も触れずにばたばた気絶してって……乃木さんしっかりしてそうだから、あんま心配なさそうっすけどね」
西舘雅也:「でも、今回はマジで世話なったんで。俺にできることなら何でもします!」
西舘雅也:「結構顔広いんで。お店の宣伝とかしたかったら言ってください!」
乃木清和:「…じゃあひとつだけ」
乃木清和:「龍神くんと荒崎ちゃんって、最近うまくやれてるの?」
西舘雅也:「え?」
西舘雅也:「……いや、友達のプライベート喋るのは流石に……」
西舘雅也:「まあ、これは勘っすけど」
西舘雅也:「タカ、こないだ強盗遭ってからなんか変じゃないっすか?」
乃木清和:「……そう」
乃木清和:「なにか悩んでるのかなって、私も気になっちゃって」
西舘雅也:「悪い方向にって感じじゃないっすけど」
西舘雅也:「なーんか思い詰めてるっつーか……考え込んでるっつーか……」
西舘雅也:「あ、そうそう。一刻も早く答えを出さないといけない試験問題がある、みたいな感じ」
西舘雅也:「これからなんだから、そう生き急ぐことないと思うんすけどね~~」
西舘雅也:「荒パイは全然わかんないッス。あの人……壊滅的に人付き合い悪いらしいんで……」
西舘雅也:「でも、タカはいいやつですよ」
西舘雅也:「そのタカが付き合ってるんだから、悪い人じゃないって思いたいでしょ」
西舘雅也:「乃木さんこそ、やっぱ面倒見いいんすね」
乃木清和:「やめてやめて。ただのゴシップ収集かもしれないよ?」
乃木清和:「まあ……」
乃木清和:「どうするんだろ、うちのリーダーは」
西舘雅也:「リーダー?」
西舘雅也:「やっぱ…………まさか」
西舘雅也:「映画撮ってるんすか!?柳瀬と一緒に!?」
西舘雅也:「そうか~……あいつがリーダーかァ~~……」
西舘雅也:一人で勝手に納得している。
乃木清和:「………」ニコ…とする。
西舘雅也:「や、やっぱり……!解ってくれるやつは解ってくれるんだ!あいつの映画の良さ!!」
西舘雅也:「俺は、本当に、全く、一ミリも、解らなかったけど……」
乃木清和:「違うっての! 同類みたいな目で見るな!」
西舘雅也:「あ、そこは嫌なんだ」
西舘雅也:「師匠、何かちょっと演技っぽい時とそうじゃない時が一瞬わかんなくなるんで」
西舘雅也:「安心しました」
西舘雅也:「あ……とりあえず、これから店に”西舘討伐隊”が組まれると思うんで、俺はそろそろ行きます」
西舘雅也:「生きてたらまた、稽古つけて下さい。それじゃあ……」
乃木清和:「はいはい…さっきの女にも気をつけるんだよ」見送る。
GM:喫煙室には、きみ一人だけが残された。
乃木清和:「は~……」
GM:”シャブダ・ベディ”。誰もが顔と名前を憶えていない……オーヴァード。
GM:記憶処理は、ほとんどの場合――ユニバーサル・ガーディアンズ・ネットワークの占有する領域でもある。
乃木清和:「……リセが送り出した、もう一人の人材ねえ。シンプルに繋ぎ合わせるには」
乃木清和:「ずいぶん目立つ行動してるみたいだけど…」ちょきちょき、と指でハサミのポーズ。
GM:蛍光灯が点滅する。一瞬の停電。
GM:口紅のように、闇に煙草の燃えさしが灯った。それもやがて消える。

INFO:→「西舘雅也」のアライアンスlvが「2」に上昇しました(上限)。
INFO:「ホストの超・盛り上げ術」が発動しました。

「ホストの超・盛り上げ術」 ・ロールプレイで使用。シナリオ一回。 
西舘雅也が人脈すべてにあらぬ噂を流しまくる。 
使用すると、特定の偽情報一つを華吶町全体に流布できる。

GM:→「ウワサ:世界を守る秘密結社(赤)」(★★)を獲得しました。

「ウワサ:世界を守る秘密結社(赤)」(★★)
「かとつの軒先」に利用されている少年少女のうち、ごく少数は
「シャブダ・ベディ」と呼ばれる謎の青年の手により、町外へ脱出できたらしい(※通称『シャブくん』)。
西舘雅也の人脈でも、そこから先は”関係者の記憶が消えたかのように”情報収集ができていない。
しかし、一般人に対する記憶消去措置は、限られた勢力のみが持つ技術だ。
例えばその一つに、ユニバーサル・ガーディアンズ・ネットワークがあげられる。

GM:「赤」のウワサには、市外・市内に存在するUGN勢力の動向や情報が整理・分類されます。

【ALLIANCE07】エマ・カルナデス&龍神貴好

8月24日 14:35/華吶町寄咲大学 PCルーム

GM:龍神貴好に、荒崎怜からの誘いのメッセージが来たのはその日の午前中だった。
GM:『今日は一日オフにしてるから、ビデオ屋にも挨拶に行ける』
GM:『もしよければ、エマさんって人も一緒に連れて来て。話したいことがあるから』
龍神貴好:恐る恐るという感じで、PCルームの入り口から顔を出す。
荒崎怜:エナジードリンクを片手にラップトップを扱っていたが、首をそらすようにしてきみの方を見る。
龍神貴好:「よっ……」片手を出して挨拶する。
荒崎怜:無言。
龍神貴好:(何なになになにこの気まずさ)
龍神貴好:「連れて……来たけど。エマさん」
エマ・カルナデス:その背後から小さい姿を現し、ぺこりと一礼する。
龍神貴好:とりあえず、入室。
GM:荒崎怜は気難しく、社交的な性格とも言い難いが、礼儀を失するような性格というわけではない。
GM:そうでなければ、インターン先での信頼はおろか、業務すらもままならないからだ。
GM:つまりこれは、意図的にきみの挨拶を無視した、ということを意味していた。
荒崎怜:「どうも。エマ・カルナデスさん……でしたっけ」座椅子をくるりと回す。
エマ・カルナデス:「お久し振りです。その後お身体に障りないですか、荒崎怜先輩」
荒崎怜:「ええ。タカくんの方が大変そうだから」
荒崎怜:「どちらかと言うと、私が話したかったのは」目を細める。「エマさんの方」
エマ・カルナデス:「おや。御礼でしたら、本当に気にしないでいただいていいんですけど」
エマ・カルナデス:常の無表情とは違う、つとめて愛想を意識した振る舞い。
荒崎怜:「お礼・・?」唇をわずかに曲げる。
龍神貴好:「……僕、ここにいて大丈夫か?水差してないか?」
荒崎怜:「タカくんは黙ってて」
龍神貴好:「……」口を真一文字に閉めて、黙り込む。
龍神貴好:直立不動。
エマ・カルナデス:「ええ、事故の通報の件で」
エマ・カルナデス:「それ以外で、私と荒崎先輩に接点はない……と思っていたんですけど」頬を掻く。
エマ・カルナデス:「すみません。何か気に障ったでしょうか?」
荒崎怜:「……」それには答えず、ラップトップをモニタに繋ぎ、映像を再生し始める。
エマ・カルナデス:(あ。まずい)
龍神貴好:(うわ)
GM:あの日――龍神貴好がオーヴァードとなった、『ローンマート』襲撃事件の映像だ。
エマ・カルナデス:彼女の職場を耳にして薄々危惧していた事ではあるが、杞憂ではなかったようだ。
荒崎怜:「これは、うちの会社で閲覧できた生データ。誰かに加工されたり改竄されたりする前の映像が、レジストリに残ってる」
荒崎怜:「もちろん違法ね。普通にプライバシーの侵害だから」
荒崎怜:「私も、かなり危ない橋を渡ってる」
荒崎怜:「でも」
GM:映像は進む。そして、龍神貴好が襲われ、四肢がもがれた時点で――
GM:ブ ツン
エマ・カルナデス:「…………」
GM:映像がブラックアウトする。それから画面上のシークバーで五分間ほど時間が進み、
GM:……『トラス4』の面々が、一般的な通報や介助をしている映像に移り変わる。
荒崎怜:「疑問点が二つある」
荒崎怜:「一つは、この怪物は”何”か、ということ。あなたたちが答えを持っているとは、あまり思わないけど」
エマ・カルナデス:「そうですね。もう一つの疑問は、そこに矛盾が気まずそうな顔で立ってますし」
龍神貴好:「人のこと矛盾っていうのやめてもらえませんか」
荒崎怜:「そしてもう一つは……どうして、うちの生データまで、やられてるのかってこと」
エマ・カルナデス:「あ、そっちですか。いえ失敬」
エマ・カルナデス:「その二つについては……私達では何とも。ただ通りすがっただけですし」
荒崎怜:「単なる改竄目的なら、まるごとレジストリを破壊すればいい。でも……さっきの映像で途切れていた部分、あったでしょう」
荒崎怜:「誰かがあなたたちのことを隠そうとしていたみたい」
荒崎怜:「もしくは、探そうとしているか」
荒崎怜:「あなたたち、タカくんを何かに巻き込もうとしてる?」
エマ・カルナデス:「まあ、あの化物がフェイク映像とするなら、わざわざシステムに挿入した"活躍"シーンを途中でぶった切るのは変ですよね」
GM:……瑛・A・アヴァスの改竄ではない。『トラス4』の活動を隠蔽し続けて来たオペレーターは、これほど乱暴で、直接的な手段を取らない。
GM:つまり、何者かが存在する。『トラス4』が明確に能力を発動し、自警活動を行っていた映像を奪取した何者かだ。
GM:それは瑛・A・アヴァスの改竄よりも前の時点で行われ、既にきみたちの映像データは入手されていると考えていいだろう。
エマ・カルナデス:(そしてそれを出来るなら、相手はハナブサよりも行動が先んじていたか、よりシステム内部に近しいものか)
GM:もっとも、荒崎怜はそのことに思い至っていない。故に、『トラス4』……きみたちが、龍神貴好を危険な目に巻き込んでいるのでは、と考えているのだ。
龍神貴好:「怜。エマさんたちは僕たちを助けてくれたんだ」
荒崎怜:「……助けられたのは、わかる。タカくんと私を救ってくれたことについては、感謝してる」
龍神貴好:「映像のことは、正直僕はわからないけど」
龍神貴好:「巻き込もうとしては、ない」
エマ・カルナデス:(……面倒だけど、辻褄を合わせない事には彼女、より深く探りそうだからなあ。龍神リュージンのために)
エマ・カルナデス:それで彼女が映像を奪取した何者かによって、闇に葬られるのは看過できない。言葉を練りながら会話を続ける。
エマ・カルナデス:「……荒崎先輩は、本当に龍神リュージン先輩が大切なんですね」
荒崎怜:「当たり前」
荒崎怜:「だから、本当のことが知りたい。……巻き込まれては、ないの?」
エマ・カルナデス:「ですよね。なので私も、荒崎先輩の心配の種にはなりたくないので正直にお答えします」
荒崎怜:「……」
エマ・カルナデス:「龍神リュージン先輩が困っていたから助けた。それだけの事で、彼を何かに巻き込みたいとか、そう言う意図はありません」
荒崎怜:噛み跡がついたエナジードリンクの缶を、脇に置く。
荒崎怜:「嘘だ」
荒崎怜:「……そういう、無私の人助けとか。私は、信用しない」
荒崎怜:「あっていいはず・・・・・・・がない」
荒崎怜:「そんなものがあるから、お父さんだって……」
エマ・カルナデス:「……別に、無私って訳じゃ……」先程、狐顔の店主に突かれた痛い所を思い出し、言い淀む。
龍神貴好:「待て。二人とも、落ち着けよ」
龍神貴好:「一瞬でいいから鏡見ろ。どんな顔色してるか」
エマ・カルナデス:「………龍神リュージン
荒崎怜:「……落ち着けって、何。タカくんの話してるんだよ!?」立ち上がる。「私に付き合わせたせいで! あのまま、お父さんみたいに! 死んで……」
荒崎怜:「……」
荒崎怜:ガラス張りの自分と、目を合わせる。
エマ・カルナデス:互い違いの、薄青と紺の瞳。はそうでなかったと思う。
龍神貴好:「怜。僕のこと、信用できないか」
荒崎怜:静かに俯く。首を横に振る。
荒崎怜:「あなたが、騙されたり、利用されたりするのが」
荒崎怜:「優しい人が、不幸になるのが嫌……」
荒崎怜:顔を手で覆う。
エマ・カルナデス:「…………」瞑目し、息を深く吸い、吐き出す。
龍神貴好:少しの逡巡ののち、その手に自分の手を拙く重ねる。《擬態の仮面》。
龍神貴好:集中して、手の作りを。ぬくもりを。作り出す。
龍神貴好:「僕はここにいる」
龍神貴好:「色々、心配はあると思うし、何があったかとか、気になると思うけど」
龍神貴好:「龍神貴好は、ここにいる。それだけ、信じてくれればいい」
龍神貴好:「勝手にお前の前からいなくなったりしないから」
荒崎怜:黙って頷く。二度。
荒崎怜:「……裏切らないでね」
龍神貴好:「うん」
龍神貴好:全部嘘で全部本当だ。
エマ・カルナデス:彼を今の状況に置いた、きっかけのひとつは自分だ。軋轢これは、ちゃんとフォローしなければならない。
エマ・カルナデス:(……そう思って身構えてたんだけど。私より、しっかりしてるなあ)
荒崎怜:「……エマさん」目を上げる。「当たって、すみません」
エマ・カルナデス:「いいえ。あんな事に巻き込まれて、心配しない方が無理というものです」
エマ・カルナデス:「まして、私達の言う事と食い違うような映像を見つけてしまったら猶更」
エマ・カルナデス:それは自ら探さなければ目に入らないのだから。当然、抱えていた心配は膨れ上がった事だろう。
荒崎怜:「……本当は、解ってるんです。タカくんは、確かに危機感は薄いけど、何も考えてないわけじゃない」
荒崎怜:「自分で選んだことだから、ちゃんとそこにいるんだって」
荒崎怜:「……いつか、ちゃんと説明してくださいね」
荒崎怜:「それまでは私も、信じることにします。タカくんが信じたあなたたちのこと」
荒崎怜:「ただのお人好しのビデオ屋だって」
GM:「騙されてあげる・・・・・・・」と言っていることがわかる。それが、荒崎怜なりの最大限の譲歩なのだろう。
エマ・カルナデス:(……なんというか、難儀な人だな……)この芯の強さが惹かれる部分なのだろうか。
エマ・カルナデス:なので、こちらも『嘘ではない言葉』で煙に巻くのでなく、少しは本音で喋ることにした。
エマ・カルナデス:「信じるというか、ご説明した通りなんですけどね。……ただ、別にお人好しじゃないですよ、私」
荒崎怜:「……どういうことです?」
エマ・カルナデス:「私は私で、のっぴきならない・・・・・・・・事情があって人に親切にしています。その事情は、人にはあまり言いたくありません」
荒崎怜:「……タカくんは、それ。知ってるんですか」
エマ・カルナデス:「………」思わず、内心で少し笑ってしまう。そうか、重要なのはそこか。
エマ・カルナデス:「安心してください。龍神リュージン先輩も知りません」
荒崎怜:「なら」
荒崎怜:「私はいいですけど。いつか彼にはきちんと話してあげてください」
エマ・カルナデス:「……えっ?あ、はい……」
エマ・カルナデス:(共通の秘密が嫌だったとか……そういうわけじゃないんだ)
エマ・カルナデス:男女の仲は分からない事が多い。
荒崎怜:「……別に、ぽっと出の小娘に取られるかも、みたいな心配はしてないですよ」
エマ・カルナデス:見透かされていた。
エマ・カルナデス:「それこそ安心してください。私、別に横取りのそういう趣味はないので」
荒崎怜:耳元に口を寄せる。「いいですよ。別に……かっこいいですもんね、タカくん」
エマ・カルナデス:人を介して惚気ないでほしい。
龍神貴好:「えっと………何か」
荒崎怜:「ううん」振り向く。「私の勘違い・・・だったみたいだから。気にしないで」
龍神貴好:「お、おう……」
龍神貴好:「じゃあ、まあ、行くか。"Chill to shift"」
エマ・カルナデス:「…………ええと。まあ、仲がいいのはいい事なんじゃないですかね」
エマ・カルナデス:何故だろう。何かとても隣の男をどつきたくなった。

INFO:→荒崎怜のアライアンスlvが「3」まで上昇しました。
INFO:→「合理的投資術」が発動しました。/ 「アセティック(IA:185)」を獲得する。(★★☆)
INFO:→「非合理な真実」が発動しました。/「エンブレム:シーカー(IA:186)」を獲得する(★★★)。
INFO:以降、荒崎怜のアライアンスは「エンブレム:シーカー」としても扱います。
INFO:特定の事項について、一つ個別にGMに質問をすることが可能です。

「ウワサ:『ローンマート』付近カメラ運用保全インシデント(緑)」(★★☆)
・『KSCネッツ関東』が監視カメラの運用保全を担当するエリアには、
アモルファスβ襲撃事件が発生した『ローンマート』一番街店も含まれている。
事件当日の映像記録はそのほとんどが「偶発的な破損」により確認できなかったが、
荒崎怜が精査した結果、破損の寸前に第三者がデータを窃取した形跡がみられた。
瑛・A・アヴァスすら関知しえない何者かが、『トラス4』の存在を暴こうとしている。

「ウワサ:ブルーライトゴースト(黒)」(★★★)
・『ローンマート』襲撃事件画像データの配布元を特定することはできなかった。
幽霊のように、データだけが無作為な端末にダウンロードされては消えている。
だが、どのような電子戦能力者であっても、形跡を残さない侵入はあり得ない。
特異な手段を用いる敵なら、その特異性こそが追跡の糸口となるはずだ。

【ALLIANCE08】柳瀬順吾

8月24日 15:29 / 華吶町一番街 KAHOシネマズ前

GM:その日、きみは瑛・A・アヴァスに「お使い」を頼まれていた。
GM:(彼が一番『お使い』を頼む相手は乃木清和で、その次がきみだ。曰く、『一番暇そうだから』らしい)
GM:エマ・カルナデスが『狐市』というレネゲイド古物商から土産に貰って来た、謎の法盤。
GM:龍神貴好が、交際相手の荒崎怜から半ば無理矢理譲り受けたという自動巡回ソフトと記録ソフトウェア。
GM:その3つを、一番街KAHOシネマズ前の華吶町警察署に渡すのが今日の任務なのだという。
GM:報酬はKAHOシネマズで上映される、「20世紀のベトナム人」のチケット。
GM:さる都市の脚本家が大学時代に執筆したという、20世紀の猫が支配するベトナムにタイムスリップした男のラブ・SFアクション・哲学映画らしい……
柳瀬順吾:「俺だって別に暇じゃないんだけどな~…。講義とか出ようと思ったりしなかったりしなくもないわけではないし……」
柳瀬順吾:「警察とか苦手なんだけど……『20ナム』じゃなきゃ来てないぜ」
柳瀬順吾:「ここでウロウロしてりゃいいのか? 誰か職務質問してくれるはずだし」
悪そうな警察官:すると、きみの予想通り人相の悪い警察官がぞろぞろとやってくる。
悪そうな警察官:「おォ~~~~ッとアホそうな『イチバン』のガキはっけェ~~ン」
柳瀬順吾:「おっと」 手持ち鞄を背中に隠す
柳瀬順吾:「さっそく登場~~~。いや、タイミングいいね~」
悪そうな警察官:「おい!お前、家はどこだ!? 身分証は!? 今何か隠したな、コラ!」
悪そうな警察官:「お前みたいなガキでも点数稼ぎにはちょうど良いんだよねェ~~……最近、署長が変わってサボれなくなったし……」
柳瀬順吾:「はっはっはっ」
柳瀬順吾:「家は川の向こうで、身分証は部屋にあるから一緒に探さない? あと、いま隠したのはただの古道具とパソコンなんで絶対安心です」
悪そうな警察官:「ほざけェ~~~~ッ!!!」怪物的な形相で襲い掛かる!襲い掛かっていいのか!?
柳瀬順吾:「学生証、ぜったいクッションの上に置いたと思うんだけど見つからなくて……えっと、待て! 待った待った!」
ミケ彦長官:「ニ”ャー!!!(やめろこの愚か者ども!!)」
柳瀬順吾:「強制連行はまずいって! 誰か! 誰か、おまわりさ~~~……ん?」
ミケ彦長官:鋼鉄の機影がすかさず飛び掛かり、すさまじい膂力で警官どもを打ちのめす!!
柳瀬順吾:「あっ! ミケ彦くんだ!!!」
ミケ彦長官:「ニ”ャ!(無辜の市民に何をしているか! 官憲としての誇りはないのか、貴様らは!?)」

GM:ミケ彦長官。市民からの誹謗中傷と支持の低下に喘ぐ華吶町警が苦肉の策で打ち出したキャンペーンにより、一日署長に祭り上げられた一番街の天才野良猫。
GM:そのたぐいまれなる正義感と勇敢さにより、瞬く間に市の内外から支持を集め……ついには神城までをもスポンサーとして獲得し、署長の座を手にするに至る。
ミケ彦長官:強襲機動骨格「猫まんま」は、神城のスポンサードを受け開発された鎮圧武装だ。それを扱うことのできるミケ彦自身もまた、ノイマンのアニマル・オーヴァードである。
ミケ彦長官:「ニ”ャ(すまなかったな、市民。怪我はないか?)」
柳瀬順吾:これ、ミケ彦長官が喋っている内容わかったりするんですか!?
GM:なぜかわかります。
柳瀬順吾:すごい…
GM:「猫まんま」には、通訳用の機能も搭載されているのだ。リンガル的な何かが……
柳瀬順吾:「いや~、助かりました。ちょっと俺、若干挙動が不審な人物でして……よく誤解されるんです」
悪そうな警察官:「ち、ちくしょ~……覚えてやがれ、このクソ猫……俺たちの点数を……」
悪そうな警察官:不良警官は去って行った。明らかに治安が日本のそれではない……
柳瀬順吾:「署長に対する言葉づかいじゃねえんだよなあ」
ミケ彦長官:「ミャ~(そう言うな、市民。どの世界にも、外見だけで立場を判断するものはいる)」
ミケ彦長官:「ミャオ(それよりも、何か我々に届けたい紛失物があるのではないのかな?)」
柳瀬順吾:「たしかに…カラーリングが三毛だからって、女子扱いされる三毛猫もいるもんね。常に外れ値はある……なっとく」
柳瀬順吾:「あっ、そうそう。瑛クンにお使い頼まれてたんでした」
ミケ彦長官:「ゴロゴロ(そうか! するときみが……『トラス4』からの使いというわけだな)」
柳瀬順吾:「話が速い! えーっとね……この古道具と、巡回ソフトと、記録のやつ」
柳瀬順吾:「これでよござんすか?」
ミケ彦長官:「ニャア(助かる。もはやこの街の警察組織は、手の施しようのないほどに腐敗しきってしまっていてね)」
柳瀬順吾:「いや~元気すぎるだけでしょう」
柳瀬順吾:「ほざけこのダボがァ~~~ッ!なんて、近頃の覇気のない警察官さんにはできないっすよ」
柳瀬順吾:「感動しましたもん。覇気のない顔でふらふらと街中を徘徊してるラクーン市警よりよっぽど頼りになりますよ」
ミケ彦長官:「ミャ~オ(身内の恥だ。忘れてくれ……それに彼らはあくまで一般人だ。レネゲイド犯罪に対しては出動させられん)」
ミケ彦長官:「ニャ!(だからこそ、個人的にきみたちのような有望な自警組織と協力できたことを嬉しく思う)」
ミケ彦長官:きみの鞄の中に入っているツールの中身を確認する。
柳瀬順吾:「へっへっへ。俺もミケ彦の旦那みたいに立派な毛並みとお近づきになれて何よりでさあ……ささ、こいつが例のブツですぜ」
ミケ彦長官:「ニャニャ……(要望通りの品だ。これがあれば捜査もはかどるだろう)」
柳瀬順吾:「近頃、街も物騒なんでね。はやく色んな事件が解決してほしいんですよ」
柳瀬順吾:「ウチのメンバーも通り魔に襲われたって言ってましたし」
GM:『トラス4』は市内の様々な勢力とコネクションを築きつつあるが、ミケ彦長官だけは、ごく初期に、能動的に『トラス4』へと接触してきた人物である。
GM:UGNが介入しづらい環境にある市内のレネゲイド犯罪を憂い、いち早くきみたちのような”野良”の自警組織と渡りをつけていたのだ。
GM:もっとも、華吶町警の大半は、レネゲイドの存在すら認識していない有様だが……
ミケ彦長官:「ニャ~(私も近頃、色々なウワサを耳にするよ)」
ミケ彦長官:「ニャオ?(だが、惑わされてはならないぞ、市民。ウワサは一側面から見た情報の断片に過ぎない)」
柳瀬順吾:「ニャア?(そんなもんですか? けど、妙に気になる噂もいくつかあるんですよね)」
柳瀬順吾:「ニャッ(いまはそれを追うしかないって状況です)」
ミケ彦長官:「ニャニャ!(それは良くないな。追うことと踊らされることは違うぞ)」
ミケ彦長官:「ニャアン(一度時間を取って、ウワサを”■推理”してみることも大切だ)」
ミケ彦長官:「ミャアミャ~(様々な角度から精査し、ウワサを統合することで、初めて”情報”として捜査線上にあげられる)」
柳瀬順吾:「ニ…(なるほど…)」
柳瀬順吾:「推理、苦手だからな~。でもまあ、やってみますか」
ミケ彦長官:「ミャオ(私も、無責任に勧めるつもりはないさ)」
ミケ彦長官:「ニャ!(署内に、秘蔵の刑事ドラマのビデオが沢山眠っている)」
ミケ彦長官:「ミャ……(私が正義を学んだのも、彼らのような、明晰で、正義感に溢れる刑事からだ)」
ミケ彦長官:「ニャ!(つまり、刑事ドラマを見れば推理もできるようになる!)」
柳瀬順吾:「同感です。気が合うな~!」
柳瀬順吾:「俺なんて科学者が探偵やるドラマ、3周してるからね……そうか!」
柳瀬順吾:「俺たちに足りなかったもの……それは推理とひらめきをその場で書き留めるでかいスペースだ!」
ミケ彦長官:「ニャア~~(自警団の件を抜きにしても、前途有望な若者に会えたようだ……嬉しいよ)」
柳瀬順吾:「それがあれば……かっこいい音楽を流してもらいながら、トントン拍子に推理が進むはずだ! ありがとうございます!」
柳瀬順吾:「まずビデオ屋の掃除することにしますよ。助かりました」
ミケ彦長官:「ニャ(是非、そのひらめきを推理に有効活用してくれたまえ)」
ミケ彦長官:「ニャ!ニャ!(ついでに、これもやろう)」署内から段ボール箱をえっちらおっちら運んでくる。
柳瀬順吾:「おおっ」
ミケ彦長官:「ニャフ……(私の秘蔵刑事ドラマセットだ。これを観れば、正義の心と、たぐいまれなる捜査手法が学べるだろう)」
柳瀬順吾:「うわ~~~~!ガチで俺得セットじゃないすか!」
柳瀬順吾:「いやあ、ほかのやつらに任せなくてよかった! 署長! イチ市民として応援してます!」 変な敬礼
ミケ彦長官:「ニャ!(ともに華吶町の治安を守ろう!)」完璧な角度の敬礼を返す。
GM:……しばらく刑事ドラマの魅力を語り合ったあと、きみはビデオ屋に帰った。
瑛・A・アヴァス:――「何? おい……柳瀬。なぜ店の掃除を……まさか、ついにお前も”衛生”という観念に目覚めたのか?」
柳瀬順吾:「へへ……少し違うね……俺が目覚めたのは!」
柳瀬順吾:「推理だ!」 (BGM) 「実に面白いぜ!」
瑛・A・アヴァス:―――ズ がガガガガガガガガガ!!!!!!!
GM:……その後しばらく、『Chill to Shift』への刑事ドラマ持ち込みは禁止になったという。
エマ・カルナデス:『店内に無断でビデオを持ち込まないこと  店主』

INFO:→ミケ彦長官のアライアンスlvが「1」に上昇しました。(上限)
INFO:→「コネ:警察官」を獲得しました(★)。
INFO:→「■推理」が解放されました。(★)

INFO:【INFO】ミケ彦長官から捜査のコツを教わり、「■推理」ができるようになった!
INFO:・侵蝕「1」で、誰でも、何度でも登場できるシーンです。
INFO:・「■推理」シーンではこれまでに収集した「ウワサ」を「色」ごとに整理し、ロールプレイによって新たな情報として統合することができます。
INFO:「■推理」シーンで得られた結論は、従来通りの情報項目としてストックされます。
INFO:また、この「■推理」シーンでは、新たな行動や、捜査のためアライアンスへの訪問を提案することも可能です。

INFO:「アライアンスへの訪問」は上限まで解放したものに限られますが、
INFO:それ以外の「新たな行動」(街を見回りたい、ジャームを討伐したい)などは、新たな「■自警活動」として追加することができます。
INFO:つまり、ウワサから得られた情報を確認するため、能動的に提案し、行動できるのが「■推理」シーンということです。

INFO:・現在どの「色」の「ウワサ」がどれだけ集まっているかは、プレイシート上の「インフォプロットテーブル」から確認できます。
INFO:・集めた情報を整理・検討したくなったときや、新たな行動に出たくなった時は、気軽に「■推理」シーンを行ってみるとよいでしょう。

GM:最後に、ミケ彦長官からもウワサがありますが……これは今までの情報の再確認のようなものですね。
GM:→「ウワサ:ガラスの捜査線(緑)」を入手しました。

「ウワサ:ガラスの捜査線(緑)」
・近頃華吶町では傷害事件が急増しているが、被害者に明確な共通点は存在せず、
目撃証言にも乏しい。UGNの助力が得られないこともあり、捜査は難航しているようだ。
唯一の手掛かりは、現場に残されたガラスのような結晶構造を持つ謎の体組織である。
瑛・A・アヴァスはこのジャーム群を便宜上「アモルファスβ」と呼称している。

GM:アライアンスシーン終了。ロイスの取得、購入判定が可能です。
エマ・カルナデス:ロイスは~…今回は保留かな。
龍神貴好:ろいほろいほ
乃木清和:ロイスは…保留にしておきましょう
龍神貴好:どなたか手配師使って難易度20のもの買う方います?
柳瀬順吾:ロイスは保留!
”ブラック・ブロック”:ええ~~~???
”ブラック・ブロック”:お姉さんにプレゼントしてくれるの~~??うれし~~
龍神貴好:というか……欲しいものが中々ないんだよな
柳瀬順吾:難易度20なら、腐りにくい医療トランクが最有力候補ですね
乃木清和:カスタマイズのアイテムも買えるんだよね
龍神貴好:買える!
エマ・カルナデス:それは確かに。私は特にHPの補充が課題だから。
龍神貴好:手配師シナリオ1回になっちゃってる
乃木清和:これ、わかんないんだけど
乃木清和:手配師ってブラックブロックさんの条件解放のために使いそうな予感は…特にないのかな
龍神貴好:あ、私が言ってたのはそれですね
乃木清和:20以上ならなんでもいいってことなんだ
GM:手配師はどこに使ってくれても良いと思いますが……購入難易度20は結構高いので、出来るならばそこにつぎ込んでしまった方がいいでしょう。
龍神貴好:難易度20のアイテムを手配師で買ってブラックブロックさんにあげよっかなって
GM:そうです!20以上ならマジでなんでもいい
柳瀬順吾:それに使った方がよさそうですね
乃木清和:は~い 具体的に指定されるのかな?って思ってました 了解です!
エマ・カルナデス:トランクなら使った後もなくならないから、用を済ませてからブラックブロックに渡しても問題はない。中古品だけど。
龍神貴好:で、やってもらうなら社会高いリーダーがよいのかなーと
GM:ブラックアビスでもブラスギアスでもいいぜ
柳瀬順吾:柳瀬は応急手当キットを買ってきます。
エマ・カルナデス:とはいえ、財産ポイントの残量を考えたら龍神リュージンの方が確実じゃない?
柳瀬順吾:1dx>=8
DoubleCross : (1DX10>=8) → 1[1] → 0 (ファンブル) → 失敗

柳瀬順吾:ああ~~~~
柳瀬順吾:みんながんばってね!
乃木清和:1/10だ
龍神貴好:ほんとだ財産点結構ある
エマ・カルナデス:侵蝕Bも乗ってないから、ダイス数も大した違いはない。……そこみたいにファンブルする確率は低い。
GM:おかねもち~~~
龍神貴好:じゃあ、医療用トランク買ってみましょうか。
乃木清和:お願いしま~す
龍神貴好:手配師使用しまーす
龍神貴好:6dx+1>=20
DoubleCross : (6DX10+1>=20) → 10[2,3,5,7,8,10]+3[3]+1 → 14 → 失敗

エマ・カルナデス:ダメなら私も試してみる。よろしく。
龍神貴好:お
エマ・カルナデス:ぴったり!
柳瀬順吾:げっへっへ ダイス数は正義
龍神貴好:財産点注ぎ込んで買いまーす
乃木清和:すご~い!
GM:すげえ!!
龍神貴好:龍神貴好の財産点を6減少(6 → 0)
GM:では……ブラックブロックアライアンス開放の準備も整ったッ
龍神貴好:で、リーダーに渡しておこう
龍神貴好:ぽんっ
エマ・カルナデス:ありがと。大事にする
龍神貴好:えっ
エマ・カルナデス:じゃあ、私は応急手当キットを。
荒崎怜:!?!?!?!?!?
荒崎怜:~~~~~!!??!?!? !!!!!!
龍神貴好:怜しっとだうん!
エマ・カルナデス:4DX10>=8
DoubleCross : (4DX10>=8) → 6[2,4,5,6] → 6 → 失敗

エマ・カルナデス:ん~…まだ情報収集で使う場面が多そう。此処は失敗で。
乃木清和:じゃあ私が狙ってみましょう 応急手当キット
乃木清和:3dx+1>=8
DoubleCross : (3DX10+1>=8) → 10[1,5,10]+7[7]+1 → 18 → 成功

GM:すげえ……
乃木清和:すごい
GM:伝説の応急手当キット
乃木清和:良い品入りましたぜ… 所持します!
GM:OK!ではアライアンスシーン3もこれで無事終了!

【Master02】:8月24日 24:13/華吶町一番街 KAHOシネマズ広場裏

GM:『イチバン』の若者にとって、KAHOシネマズの広場裏は格好の溜まり場だ。
GM:華吶町警は以前から華吶町に巣食うギルド・反社会的なオーヴァード勢力の手によって、少しずつ人員を入れ替えられ、あるいは取り込まれていた。
GM:よって、町警の大半が、『イチバン』の活動には目をつぶる。単純に、捕まえたところでさしたる実績にもならないということもあるが……
GM:それ以上に、上部工程に存在する組織の「手駒」として、あまりにも扱いやすく、安価だからだ。
『イチバン』の少年:「…………」退屈そうな顔で、映画ポスターの前に座り込み、スマートフォンを弄っている。
『イチバン』の少年:何もかもが気に食わなかった。
『イチバン』の少年:「普通」の人生を送れと母親に言われた。名前も知らない男と帰って来た朝、その口で。
『イチバン』の少年:「……全部」
『イチバン』の少年:「むちゃくちゃにならねえかな」
GM:ふと、気付く。周囲にざわめいていた喧噪が、止まっている。

椎原瑠々:「あ、あの……」

瀬古隆司:「どうしたのかな? こんな夜中に、外を出歩いていては危ないよ」
GM:陰気そうな赤髪の女性と、恰幅のいい中年男性の二人組だ。
『イチバン』の少年:「……誰だよ、あんたら」
瀬古隆司:「帰りたくないのかい?」
瀬古隆司:少年の言葉を無視して問いかける。
『イチバン』の少年:「帰る? 家族なんていねえよ……警察? 児相?」
瀬古隆司:「はっはっは。そんな大層なものじゃないよ。ただ……」
瀬古隆司:「私たちは、きみがやりたいことを、家庭の事情に邪魔されずに。伸び伸び叶えられる手伝いをしている人たちだ」
瀬古隆司:「そうだよな、椎原くん?」
椎原瑠々:「えっ!? あっ……は、はい。えへへ……」
瀬古隆司:名刺を差し出す。NPO法人『かとつの軒先』。
瀬古隆司:「お腹は空いていないかい? 少なくとも、私たちの所に来れば、お腹いっぱいご飯が食べられる」
瀬古隆司:「最初はニ、三日滞在するだけでいい。心身の調子を整えて、ゆっくりとこれからのことを考えていこう」
『イチバン』の少年:「な……」目を伏せる。「バカじゃねえのか? そんな……」
『イチバン』の少年:無私の人助けなど、あるはずがない。
『イチバン』の少年:そう思っていたはずなのに……何故か、いなくなってしまった父親のことが思い浮かんだ。
『イチバン』の少年:母親が遊び歩いている日は、よく炒飯を作ってくれた。手の込んだものではなかったが、何故か無性にうまかった。
『イチバン』の少年:「……炒飯」
『イチバン』の少年:「作れる?」
瀬古隆司:「任せてくれたまえ!」がし、っと少年の手を掴む。「きみたちのやりたいことをやって貰うのが、私の生きがいなんだ」
瀬古隆司:「力になるよ」
瀬古隆司:「自由はこの世で最も尊い精神だからね。……私の名前は、瀬古隆司」
瀬古隆司:「『かとつの軒先』の代表をさせて貰っている」
瀬古隆司:「椎原くんも、新しい家族に挨拶をしてあげてくれたまえ」
椎原瑠々:「あっ。あの……」「……」
椎原瑠々:「……椎原。椎原瑠々です」
『イチバン』の少年:「別に、家族とかじゃねえよ。ちょっと飯食って帰るだけだからな……」
瀬古隆司:「それでも構わないさ! じゃあ、行こうか」
GM:少年と椎原瑠々、瀬古隆司は、地下街の方面へと歩き出し、やがて町の闇に溶けて見えなくなる。
GM:じゃり、という硝子細工のような音がかすかに聞こえたが、足音がそれを踏み砕いた。
陰険な目つきの青年:「…………」ざり、という音。

陰険な目つきの青年:「……間に合わなかったな。取り込まれる前に、個別で助けるしかないか……」
陰険な目つきの青年:「……だから、ノーマルの連中は面倒なんだ。どいつもこいつも、すぐ騙される」
陰険な目つきの青年:「僕たちがきみらと違うって、何故わからない?」
陰険な目つきの青年:「やっぱり、”リセ”に文句を言ってやりたい気分だ」
陰険な目つきの青年:「彼だったら、こういう時……」
陰険な目つきの青年:ざわざわと、人通りが戻ってくる。
陰険な目つきの青年:弓矢のような目線を切る。人ごみに紛れ、一番街の喧騒の中に消えた。

【ALLIANCE MOVE04】

GM:現在実行可能な項目はこちら。
GM:now loading……

【KATOTSU CITY ALLIANCE MAP】

・『華吶町一番街』
⇒[COMPLETE!]

・『華吶町立寄咲大学』
⇒[LOCK]図書室:???(☆)〈意志〉で7/⚠エマ・カルナデス、龍神貴好、柳瀬順吾のみ進行可能
(※■自警活動:「華吶町一番街地下アーケード」を進行して解放)

・『Club Malebolge』
⇒[OPEN]シーシャスペース:黒サングラスのお姉さん(☆☆)情報:FHで7
(※購入難易度「20」以上のアイテムを消費して解放)
⇒[OPEN]バースペース:???(☆☆)情報:UGNで7/⚠乃木清和のみ進行可能
(※「ウワサ:世界を守る秘密結社(赤)」を入手して解放)
⇒[OPEN]ダンスホール:???(☆☆)〈交渉〉で6
(※「ウワサ:ブルーライトゴースト(黒)」を入手して解放)

■自警活動
①華吶町立寄咲大学:「アモルファスβ」掃討活動

■推理
・侵蝕「1」でいつでも、何度でも登場可能。情報を整理・統合し、新たな行動を提案できる。
絆レベルを上げきったアライアンスに訪問することも可能。

GM:一番街方面のアライアンスはコンプリートしたようですね。新たに「■推理」コマンドが可能になりました。
乃木清和:推理しよ~よ~
柳瀬順吾:推理しましょう!
龍神貴好:ましょう!
エマ・カルナデス:-推理開始-
GM:OK!(ズドン)
GM:では、全員■推理コマンドを選択するということなので、アジトに集合しましょう。

【DETECTIVE01】『トラス4』

龍神貴好:龍神貴好の侵蝕率を1増加(68 → 69)
柳瀬順吾:侵蝕率56→57
乃木清和:乃木清和の侵蝕率を1増加(71 → 72)
エマ・カルナデス:侵蝕を+1して49。

8月26日 11:54/華吶町一番街 ビデオショップ『Chill to Shift』

GM:ビデオショップ『Chill to Shit』――スチール製の、ヴィンテージをイメージした扉には『CLOSE』の看板がかかっていた。
GM:龍神貴好が『トラス4』に加入してから二週間弱が経ち、華吶町の様子も少しずつ様変わりしている。
GM:自警組織という関係上、全員がビデオショップに集合することはあまりない。よって、これまでは各人の持つ情報を精査する機会も持たれなかった。
GM:しかしながら、現状『トラス4』を狙う危機には、より綿密で広大な繋がりアライアンスで対抗しなくてはならない。
GM:きみたちの味方は、きみたちが守ろうとしている街だけだ。
瑛・A・アヴァス:ソファの一番いい席を占有し、デスクトップPCの画面を睨みつけている。
柳瀬順吾:「みんな、情報集めて来たかい?」 床の落書きをモップで消している。
龍神貴好:ポスターを避け、壁に背中を預けている。
龍神貴好:「色々わかったと思う」
瑛・A・アヴァス:「まさか、真っ先に噂を統合しようとしたのが柳瀬こいつになるとはな」
柳瀬順吾:「何を言うんだ。俺は推理のおジュンと呼ばれた男だぜ」
龍神貴好:「そうなのか?」
乃木清和:「こいつの言う事は話半分で聞いた方がいいよ、龍神」ソファに深く腰掛けて足を組んでいる。
龍神貴好:「なるほど、話半分ね」
エマ・カルナデス:「『あれは俺が任意の何かと呼ばれていた頃……』で始まる時は、大抵適当な話。聞き流していい」
柳瀬順吾:「へっへっへ……もう警戒態勢続いて長いからな。肩が凝って仕方ねえよ。解決しに行こうぜ」
エマ・カルナデス:「まあ……ヤナセが学生や街の人に顔が広いのは確かだから。それじゃ各々、分かった事をとりあえず上げていこう」
GM:ビデオ屋の薄青い間接照明が、陳列棚に静かな光を落としている。埃っぽい匂いは、どこか懐かしさを覚えるかもしれない。
龍神貴好:聞いてきた噂を挙げる。
龍神貴好:行方不明の急増、かとつの軒先、ローンマートの映像が奪取された痕跡……
柳瀬順吾:「『わかったこと』リストは俺も少ない。龍神とほぼ同じだね。《かとつの軒先》ってやつらが胡散臭いってことだ」
乃木清和:「狐市のおじさんのオカルト的アドバイスを聞いてきたのってもう話したっけ? あとシャブくんね」
エマ・カルナデス:「その名前なら、コシローからも聞いた。どうもその団体の代表が、トラス4私達を探しているらしい」
柳瀬順吾:「げっ。探されてんの? やだね~」
龍神貴好:「あの団体の代表が『超能力者』らしい、って話も聞いた」
龍神貴好:「つまり、オーヴァードってやつなんだろう」
瑛・A・アヴァス:「……情報が錯綜しているな」
瑛・A・アヴァス:柳瀬くんが開けたスペースに、店の予定表が貼ってあるホワイトボードを押し、裏返す。
エマ・カルナデス:「おお。ドラマでよく見るやつ」ホワイトボードを引っ張り出した動機に得心する。
瑛・A・アヴァス:「まずは『かとつの軒先』……”俺たちを狙う敵”の情報から整理していくぞ」
柳瀬順吾:「そう。もうはっきり敵だね、確実に」
乃木清和:「表向きには慈善団体なんでしょ? やだね~」
龍神貴好:「行方不明者にかかわってるってことだから。直接的にも、間接的にも、敵だ」
エマ・カルナデス:「その私達を探している二人組の人相は聞いている。陰気な赤髪の女性と、恰幅の壮年の男性の二人」
エマ・カルナデス:「『アナーキー』というだけじゃなく、『トラス4FHセル』の名前を知っている」
瑛・A・アヴァス:「お前が『狐市』の店主から聞いたというウワサか」
エマ・カルナデス:「ギルドの懸賞金目当てか、確保派の関係者なのはまず間違いない、と思う」
乃木清和:「いまのところ、私たちを狙ってるぽいのってそいつらだけ?」
龍神貴好:「目立ったウワサとしては出てきてない感じだ」
柳瀬順吾:「有象無象を除けば、そいつらだけだね」
瑛・A・アヴァス:「懸賞金……」考え込む。「俺たちの懸賞金騒ぎがここまで大きくなったのも、元はと言えば”事件当日の映像”が流出していたからだ」
エマ・カルナデス:「……ただ、もう一つ懸念することはある。龍神リュージン、荒崎先輩の」
エマ・カルナデス:「覚えてる?」
龍神貴好:「映像のことか?ファイルが破損してた」
瑛・A・アヴァス:「おい!ちょっと待て!なぜそこで龍神の交際相手の名前が出てくる!?」
瑛・A・アヴァス:「まさか情に流されてほいほい話したんじゃないだろうな!俺たちはUGNと違って都合よく記憶処理技術など扱えないんだぞ!!!」
エマ・カルナデス:「違う。私か龍神リュージンがそこまで馬鹿だと思ってる?」
乃木清和:「まあそれはおいておいて。ファイルが破損ってなに?」
瑛・A・アヴァス:「……」憮然とした表情で腕組み。
エマ・カルナデス:「彼女が自分で調べて見つけたの。ローンマートの事件、ハナブサが潜る前に映像が”もぎ取られていた”」
瑛・A・アヴァス:「……『KSCネッツ関東』のエリアマネージャーだったか。それなら、映像の生データにもアクセスできる……法さえ気にしなければの話だがな」
エマ・カルナデス:「そこからハッキング元までは追跡できなかったようだけど……龍神リュージンの覚醒の瞬間の映像が、意図を持って奪取された。ここまでは確実」
柳瀬順吾:「荒っぽいな~。UGNとか神城カンパニー系の手口じゃない感じがする」
瑛・A・アヴァス:「体制側の連中は、そもそも”奪い取る”必要はないからな」柳瀬の言葉に同意するように
エマ・カルナデス:「彼女も、中々”アナーキー”。龍神リュージンとお似合い」肩を竦める。
龍神貴好:「怜のことは今はいいんだよ」
龍神貴好:むっとした表情をつくる。
エマ・カルナデス:「そう。脱線した」
乃木清和:「ふふふ。それも《かとつの軒先》の仕業だっていうならわかりやすいけど」
瑛・A・アヴァス:「この”見えない電子戦能力者”は、今のところ正体不明というわけか。……何かこちらから、打てそうな手はあるか?」
柳瀬順吾:「わかんね~。《かとつの軒先》の方がまだ簡単に接触できると思うね」
龍神貴好:「僕はこういうことには疎い。エマさんはいいアイデアある?」
乃木清和:「あ、はーい」挙手。
龍神貴好:「乃木さん」
エマ・カルナデス:「どうぞ、ノギ」
乃木清和:「『Club Malebolge』の客に、何か知ってそうな人がいるかも。私以外の人が接触するなら、仲介するし」
瑛・A・アヴァス:「乃木にしては良い案だな。……それに比べて乃木!!!」
瑛・A・アヴァス:「……うん?」
瑛・A・アヴァス:ぎょっとしたように乃木さんを見る。
柳瀬順吾:「ダブってる!」
エマ・カルナデス:「記憶処理の後遺症?ちょっと休むといい、ハナブサ」
乃木清和:「え? 何? 損じゃん」
柳瀬順吾:「循環参照~。…乃木チャンの店の客って、そんな訳アリっぽい人いそうなんだ?」
乃木清和:「前ほどじゃないけどね。ブラック・ブロックさん達のしのぎの場ですから」
瑛・A・アヴァス:「対外交渉についてはお前の役割だ。一任する」
龍神貴好:「FHの人だっけ?僕らに協力的な」
エマ・カルナデス:「協力的というか……まあ……」
柳瀬順吾:「どうかな~。一応そうだけどさあ。……ま、闇雲に探すよりマシか」
エマ・カルナデス:「……私達を捕まえようとしないだけ、ありがたい相手ではある」
瑛・A・アヴァス:「俺は信用していないがな。ああいう女は危ない」
龍神貴好:「……複雑なんだな」まだ、トラス4周りの関係については掴みかねている。
エマ・カルナデス:「それじゃ、その人脈に関してはノギの担当で。よろしく」

【CHECK POINT】(黒)
・NPO法人『かとつの軒先』が、『トラス4』を明確に認識し、探している。運営者は高い確率でオーヴァード。
・『かとつの軒先』は、”恰幅の良い男性”と、”陰気な赤髪の少女”の二人組。
・映像を流出させたと思われる犯人については、現状手掛かり不明。
⇒方針:乃木清和の手引きにより、『Club Malbolge』のアライアンスに接触してみる。

柳瀬順吾:「あとは、逆に俺たちに敵対してないやつもいるね。西舘から聞いたやつ」
柳瀬順吾:「ジャブくん」
瑛・A・アヴァス:「西舘? ああ……柳瀬と龍神の友人か」
乃木清和:「あっそうだそうだそうだ言いたかったんだけど、龍神と柳瀬に!」
エマ・カルナデス:「?」
龍神貴好:「えっそのまとまり?」
柳瀬順吾:「おぉん?」
乃木清和:「なんなのあの西舘ってヤツ! ホスト向いてないよ!」
龍神貴好:「それはそうだな……会ったのか?」
柳瀬順吾:「それはそう。向いてない!」
エマ・カルナデス:「友人二人からも太鼓判押されるほどなんだ」
乃木清和:「たまたま、西舘くんがトラブル遭ってるところに巻き込まれたの!」
瑛・A・アヴァス:「素通りしなかったのか?」
龍神貴好:「うっわ。災難だったな乃木さん……」
柳瀬順吾:「おおっ、いいことしたじゃん! あとで鶴とかお地蔵さんになって恩返ししてくれるかもよ!」
乃木清和:「しつこいんだも~ん。やだ~、関わらないでくれるのが恩~」
エマ・カルナデス:「お地蔵さんは別に化けてくる訳じゃないでしょ」
エマ・カルナデス:「……いや、鶴も逆。逆でしょ」
龍神貴好:「もうすでに化けてるやつじゃん。僕みたいに」
柳瀬順吾:「へへへへへ! 言えてる。でも、いろんな噂を知ってるのは確かなんだよな」
瑛・A・アヴァス:「笑えないぞ、おい……」龍神くんに、苦虫をかみつぶしたような表情。
龍神貴好:「まあ、いいやつではあるから」
乃木清和:「良いやつだからタチ悪いんだよな~」ぶつくさ
エマ・カルナデス:「辛辣。……それで、その西館さんが言っていたのが?シャブくん?」
柳瀬順吾:「たぶん、そう。だよね?」
柳瀬順吾:「《かとつの軒先》から逃げたいやつを逃がしてるらしいよ。たま~に、みたいだけど」
瑛・A・アヴァス:「何だその物好きは……」
乃木清和:「そうそう。ヤバくなったらシャブくんの名前を出せばいいんだって」
エマ・カルナデス:「……私達と同じような『アナーキー』?」
エマ・カルナデス:「でも、これまでにシャブくんなんて不真面目な名前は聞いた事がない」
龍神貴好:「名前がヤバくない?」
龍神貴好:「コードネームだとしたら僕の最初の案より酷いよな」
エマ・カルナデス:「リューくんね。あのまま確定しなくて良かった」
瑛・A・アヴァス:「どう考えても略称だろう、何かの!」
瑛・A・アヴァス:「龍神!カルナデス!緊張感が足りないようだなッ!」
乃木清和:「正式はシャブダ・ベディって名前だそうで。でも、それ以上は不自然なまでに一切不明」
龍神貴好:「あっ、急にそれっぽくなった」>シャブダ・ベディ
柳瀬順吾:「BGMが盛り上がってきたな。《かとつの軒先》の嫌がることしてるなら、いまのところ敵対する要素ないね」
瑛・A・アヴァス:「”教育”は、乃木の報告を待ってからにしてやろう。……情報が不明? またそのパターンか」
乃木清和:「それっぽいついでに、すっごい個人的な印象論話していい?」
柳瀬順吾:「おっ。気になる~」
瑛・A・アヴァス:「長くなりそうだな……珈琲を入れて来る。勝手にいろいろ話しておけ」
乃木清和:「コードネームだったらさぁ…これ、UGNのセンスっぽくない?」
乃木清和:「ごめん一言で終わった」
瑛・A・アヴァス:立ち上がりかけたままの格好で、ミシミシと額に青筋を浮かべている。
龍神貴好:「そうなのか?」
エマ・カルナデス:「………なるほど。まあ、以前言ったようにコードネームの決定方法はまちまち」
エマ・カルナデス:「UGNは、特に重要な仕事や役割を持つ者に、何かしらの伝承に準えた名前を与えがちではある。そう言うことでいい?」
乃木清和:「いいよ~。うっふふふ、でしょでしょ?」
柳瀬順吾:「はははは! そうだな、SOGかUGNの二択だな!」
柳瀬順吾:「神話由来は大げさすぎるぜ。まー、実際そのレベルのオーヴァードもいるっちゃいるからな~」
瑛・A・アヴァス:「お前はどうなんだ、”オッドボール”……」
柳瀬順吾:「俺は普通だよ。スプーキーとかピーナッツガイとかよりはマシだと思ってる」
エマ・カルナデス:「なにせ、日本UGNのトップが”リヴァイアサン”だもの。割と大見得が好きな社風だと思う」
龍神貴好:「結構愉快な組織なんだな…」
瑛・A・アヴァス:「おい龍神。UGNを舐めるなよ」
瑛・A・アヴァス:「いや……脅威を正しく認識していても、だ」
瑛・A・アヴァス:「細胞構造を持つ、俺たちFHセルの総数は不明だ。中枢セントラルドグマでさえ、正確な把握は困難だろう」
瑛・A・アヴァス:「そういう連中が、大なり小なりこの世界の秩序を転覆しようと企図している……」
瑛・A・アヴァス:「にも関わらず、一度もそうなっていない・・・・・・・・・
瑛・A・アヴァス:「これが何を意味しているか、解るか?」
瑛・A・アヴァス:少し言葉を切り、答えを待つ。
龍神貴好:「どのような事態が起きても対応できるほどの組織力と柔軟性がある?」
瑛・A・アヴァス:「簡単に言えば、そういうことになる」
瑛・A・アヴァス:「つまり、一度も敗北していないということだ。少なくとも、この世界ではな」
エマ・カルナデス:「私達FHは各々の欲望のままに振る舞おうとする。でも、かれ等UGNはそれを抑え付けた上でレネゲイドの事実を秘匿している」
柳瀬順吾:「ちなみに、俺はお互いのトップ同士の八百長説に一票入れてるよ。そっちの方がまだマシに思えるからな」
エマ・カルナデス:「この街の現状の方が特異。普通、こんなに各種組織が野放図になっている地域は珍しい」
龍神貴好:「そんな場所だけど、UGNの直接介入が今存在してるかもしれない、のか…」
エマ・カルナデス:「それで、心当たりの方に話を戻すと……ノギは"シャブダ・ベディ"の名がどういう由来か知ってる?」
乃木清和:「インド神話に出てくる神様の武器でしょ。伝承までは詳しくないけど」
エマ・カルナデス:「武器かあ。直接戦闘能力もそれなりにありそう」
エマ・カルナデス:「まあ、単独で活動しているならそれは元よりか」
龍神貴好:「ああ、なるほど。コードネームが能力とかを示すなら」
龍神貴好:「武器、なら戦闘タイプ、ってことなんだな」
瑛・A・アヴァス:「英雄ラーマの扱った弓矢の名だ。それくらい勉強しておけ」ちょうどそちらの地方の出身なのだ。
龍神貴好:「あ、ラーマは知ってる。ソシャゲでよく見るから」
柳瀬順吾:「腕に自信ありって感じだな。……さーて、どうする?」
柳瀬順吾:「どこから追いかけようかね?」
龍神貴好:「”シャブダ・ベディ”。協力はできないのかな」
瑛・A・アヴァス:「おい!あんな軽薄な集金機構に金を……」「……いや、そうだな。現状、”シャブダ・ベディ”については……」
エマ・カルナデス:「……ああ、議題が山盛りの所で申し訳ないんだけど。もう一つある」
龍神貴好:「もう一つ」
エマ・カルナデス:「ほら、残り1人のトラス4」
柳瀬順吾:「ああ。なんか、いるみたいだね」
乃木清和:「そうなの? 初耳」
龍神貴好:「残り1人?」
瑛・A・アヴァス:「『記憶探索者』の話か? ……確かに一応、こいつらも今はメンバーの一員だ。話しておく必要はあるか」
エマ・カルナデス:「『トラス4』は元々私達がいた実験セルの名前。過去にはもっと多くの実験体メンバーがいた」
エマ・カルナデス:「その中に一人、『記憶探索者』系の能力者が居た……と、ハナブサは思い出した。らしい」
瑛・A・アヴァス:「俺に振るな! ……何が忘却を解く契機になったのかは、俺自身にも解らん」
柳瀬順吾:「俺もぜんぜん思い出せない。そういう能力なんだから、仕方ないっちゃ仕方ない」
エマ・カルナデス:「FHでは、記憶改竄系の能力はあまり見ない。それが必要なのはレネゲイドを秘匿したがるUGNの方だから」
エマ・カルナデス:「だから普通、そんな能力者が居れば印象に残る。でも、私とヤナセは全く記憶にない」
瑛・A・アヴァス:「記憶を消された、と考えてもいいかも知れない。だが……だからこそ、今考えていても対処のしようがない」
柳瀬順吾:「現状、”いる”ってことだけ頭の片隅に置いとくしかないんだよね~。向こうが会いたくなけりゃ絶対に会えないし」
瑛・A・アヴァス:「そういうことだ。『記憶探索者』は、『トラス4』の実験していた理論の中心だったが……最早終わった話だからな」
瑛・A・アヴァス:「龍神、乃木。お前たちも頭にだけは入れておけ。今考える必要はないはずだ」
龍神貴好:「……もうひとり、か」
龍神貴好:「一応心の隅に留めとくよ」
乃木清和:「皆も大変だねー」
エマ・カルナデス:「うん。今の状況からはあまり関りないと思うけど、念のため」
柳瀬順吾:「気にしないことにするよ。そのうち、俺が有名になったら、映画見てくれるかもしれないしな」
柳瀬順吾:「いまは、目の前の敵をどうにかしようぜ」

【CHECK POINT】(青)
・『記憶探索者』が、『トラス4』の中にかつて存在した。恐らく、柳瀬・エマ・瑛の記憶に干渉していた可能性が高い。
・『記憶探索者』の正体や目的は現状不明。『トラス4』の実験理論の基礎とされていたらしい。
⇒現段階では放置。

乃木清和:「……てかさ、柳瀬」
乃木清和:「フツーにバトりたくなってない?」
柳瀬順吾:「……なってないよ。冗談キツイぜ」
乃木清和:「そ~? 私はそっちの方が分かりやすくていいけどな。急に襲われたりしてもイヤだし」
柳瀬順吾:「俺はもっとシンプルだぜ。いますぐ消えて欲しいってだけだ。ブラックホールに飲み込まれるみたいにさ」
柳瀬順吾:「神隠しでもなんでもいい。……それだけだよ」
龍神貴好:(………)
瑛・A・アヴァス:「嫌でもこいつの力は必要になる」話を逸らすように。「お前の過剰な性能も、俺の手間を減らすには役立つ」
エマ・カルナデス:「まぁ、生存競争なんて気持ちのいいものではない。手早くこの状況を終わらせるのは、賛成」
エマ・カルナデス:「敵。……そう言えば、結晶タイプが襲う相手の基準は分かった?」
柳瀬順吾:「戦うのは最後の手段だ。UGNに正体バラせば消してくれるかもしれない。あいつら真面目だし」
柳瀬順吾:「あ! そういや猫署長から聞いたんだけど、ぜんぜん捜査は進んでないってさ」
柳瀬順吾:「手がかりは瑛クンが名付けたところの、アモルファスβクンだけ」
龍神貴好:「結晶タイプ……あの、ローンマートにいた奴か」
瑛・A・アヴァス:「恐らくあのジャームは”子機”だろう。生み出され、暴れるだけの、低次な機能しか持たない生物だ」
エマ・カルナデス:「そう。君の今の所の主食」
龍神貴好:「そんなに言うほど食べてないけど……実際あれからご飯がおいしくないんだよな」
瑛・A・アヴァス:「だからβ二次タイプと呼んでいる。……俺は”本体”がいると踏んでいるんだが、それらしい噂はないか?」
瑛・A・アヴァス:「おい!俺の珈琲も美味しくないということか!?」
乃木清和:「あ、狐市のおじさんの見立ては参考になるかな」
瑛・A・アヴァス:「後で改善点を言え!!今度は隠し立てなどさせん!!……」説教がワイプアウトしていく……
エマ・カルナデス:「コシローの……」僅かに眉を顰める。
柳瀬順吾:「警察はぜんぜんわかんないってさ。キツネのおじさん、なんか言ってた?」
乃木清和:「硝子の結晶には鏡みたいな性質があって、見た人のトラウマとかを呼び覚ます力があるんだって」
龍神貴好:「トラウマかー」
龍神貴好:ちくり、と刺すものを感じる。すぐに覆い隠す。
柳瀬順吾:「そんなことすんのはもうほぼ確でジャームだな」
瑛・A・アヴァス:「……俺たちが接触した”β”に、そういう特筆性は見受けられなかったはずだ」
エマ・カルナデス:「こう言ってはなんだけど、心の傷を抉るならこれまでの何処かで被害を受けてておかしくない」
瑛・A・アヴァス:「……おい、カルナデス。それは……」
エマ・カルナデス:「なに?」
瑛・A・アヴァス:「いい」目を閉じる。「邪魔した。続けろ」
エマ・カルナデス:「ありがと」
エマ・カルナデス:「……とにかく、ガラスの結晶のほとんどは私達が今まで見て来たものと同じ、単なる残骸」
エマ・カルナデス:「でも、一部は鏡の性質のそういう個体がいる。……鏡じゃない個体は、まだそこまで成長してなかったとか?」
エマ・カルナデス:「他にも考えられる可能性があるなら、皆もどんどん言ってほしい」
龍神貴好:「力を持つのが『本体』とか?」
瑛・A・アヴァス:「あり得る話だ。俺は龍神の説を支持する」
エマ・カルナデス:「でも、『鏡』の欠片が持ち込まれてるならその本体が砕かれてない?」
柳瀬順吾:「誰かに痛い目を見せられたのかもね」
龍神貴好:「もしくは、脱皮……とか」
龍神貴好:自分は知識も経験も足りない素人だ。だから素人なりの意見を出す。
柳瀬順吾:「はは~、脱皮! 面白いな! ミラーザリガニモンスターだな。覚えとこ」
エマ・カルナデス:「次のネタ?」
瑛・A・アヴァス:「考えていても埒が明かんな」
瑛・A・アヴァス:「少し考えがある。……連日の行方不明事件や傷害事件は関連しているという前提で話を進めるが……おい!聞け!」
エマ・カルナデス:「はぁい」
柳瀬順吾:「ア~イ」
瑛・A・アヴァス:「行方不明者の共通点が解れば、逆に”アモルファスβ”を誘導できるかも知れん」
瑛・A・アヴァス:「元々、断続的な出撃はうんざりしていたんだ。一か所に集めて、連中を一掃する」
龍神貴好:「行方不明者、っていうと『イチバン』の子達か」
龍神貴好:「あれは『かとつの軒先』の案件じゃないのか?」
瑛・A・アヴァス:「……」
乃木清和:「あはは!新人にやられてる」
龍神貴好:「あ、いや、瑛さんの考えを否定するつもりじゃなくって」
龍神貴好:「ただ疑問に思っただけで……」
瑛・A・アヴァス:目を閉じ、額に皺を寄せている。「続けろ」
エマ・カルナデス:「大丈夫。ハナブサはきちんと間違えた時は自己批判と総括が出来る。ので、勝手に続けていい」
エマ・カルナデス:「それ以外だと、下手に気遣い過ぎるとそのことに説教が始まる。最短ルートで行こう」
龍神貴好:「うーん」
龍神貴好:「傷害事件と行方不明事件を繋げる鍵ってある?」
瑛・A・アヴァス:「……」
瑛・A・アヴァス:「龍神。ローンマートの事件の日……」
瑛・A・アヴァス:「お前は、一番街にいたか?」
GM:覚えているはずだ。あの日は、荒崎怜と一緒に一番街でデートをして、その後『ローンマート』に寄ったということ。
龍神貴好:「……いた」
龍神貴好:「ローンマート自体一番街店だったし」
エマ・カルナデス:「……傷害事件の方は、場所以外はほとんど無作為と言っていい。龍神リュージン自身は別に『イチバン』じゃないし」
瑛・A・アヴァス:「だが、ジャームには厳密な意味で他人を識別する機能はない。絆を持つことができないからだ」
瑛・A・アヴァス:「自分と、それ以外の世界しかない。お前は”勘違い”されたんじゃないか?」
龍神貴好:「一番街にいる一定の年齢帯にある奴が……狙われる?」
龍神貴好:「行方不明にせよ、傷害事件にせよ」
龍神貴好:「僕は『イチバン』じゃない。でも、『イチバン』と勘違いした奴がいる」
瑛・A・アヴァス:「その仮説を証明するために、やはりアモルファスβの一掃は必要だ」
エマ・カルナデス:「………イチバンの若者たちを襲う化物がうろついている状況。行き場のないイチバンの子達は、何処にすがるか」
柳瀬順吾:「マッチポンプ! あるね、そういうの」
エマ・カルナデス:「なるほど。この線が繋がるか……実証パートが必要」
龍神貴好:「すると、あの結晶の化け物……ジャームと、戦う必要が出てくる、ってわけだ」
柳瀬順吾:「くっそ~。また掃除かよ! 犯人を捜し出して、真実はいつも一つ!で解決するパートじゃないな…」
乃木清和:「龍神~。彼女にバレないようにね~」
乃木清和:「またまた心配されちゃうぞ」
龍神貴好:「……パーカーのデザイン変えて、顔が見えないようにするよ」
瑛・A・アヴァス:「偽装対策は必要だな。俺の方でも考えておくが……」
エマ・カルナデス:「……」首を傾げる。
エマ・カルナデス:「君のその擬態能力、自分以外の姿にはなれないの?」
龍神貴好:「試したことはないんだけど、多分無理か、すっごく神経使う」
龍神貴好:「自然に変われるのが元の僕の姿なんだ」
エマ・カルナデス:「なるほど。それなら、今は無理に試さない方がいい」頷く。
エマ・カルナデス:「元の姿を思い出せなくなったら、擬態を作り直す監修が大変」
瑛・A・アヴァス:「……普通、異形化を発現させたやつの自認は逆なんだがな」
瑛・A・アヴァス:(……自分が”指”だという事実を、受け入れ、一か月と経たずに適合している)
瑛・A・アヴァス:(存在は自認に、自認は名称に引っ張られる)
瑛・A・アヴァス:(……こいつ、自分のことを『何』だと思っていたんだ?)
柳瀬順吾:床掃除を終えたモップを担ぐ。 「じゃ、新しいパーカー買いに行くか。偽装用の」
乃木清和:「おっ、私もついてくからね」
龍神貴好:「………パーカー部分も『僕』だから……」
龍神貴好:「買いに行かなくても多分いいけど。デザインの参考にはなるか」
柳瀬順吾:「そうしようぜ。俺もジャージ一着駄目にしたから、新しいの買うし」
柳瀬順吾:「このナリでバーとか一番街とか行くの目立ってアレだからね」
龍神貴好:「それは、確かに……」
エマ・カルナデス:「職質されなかった?」
柳瀬順吾:「心配するな。された!」
柳瀬順吾:「この街の警察はちゃんとしてるぜ。じゃ、土曜日駅前集合な!」
瑛・A・アヴァス:「何でもいいが、くれぐれも目立つ真似だけはするなよ」
瑛・A・アヴァス:「するなよ」
エマ・カルナデス:「言われてるよ、ノギ」
乃木清和:「何で私!?」
龍神貴好:「2回言ったらフリになるぞ……」

【CHECK POINT】(緑)
・行方不明事件(『かとつの軒先』が関与している?)と傷害事件(アモルファスβが関与している?)は一見別。
・しかし、それらに共通点があるのだとすれば、『ローンマート』襲撃事件がミッシングリンクになっているのかも知れない。
・すなわち、『一番街』に存在する若者を無差別に襲うようにアモルファスβが命令されていたのではないか、という仮説が立てられる。
⇒自警活動において、アモルファスβを掃討し、仮説を検証する。

【CHECK POINT】(赤)
・”シャブダ・ベディ”……乃木清和・エマの見立てでは、UGN関連の勢力の可能性が高い。
・今のところ、『トラス4』に敵対する行動はとっていないようだ。
⇒引き続き監視を継続。

GM:こうして、『トラス4』の方針は固まりつつあった。
GM:『Club Malbolge』における調査、ならびにアモルファスβの掃討。
GM:”シャブダ・ベディ”、”見えない電子戦能力者”、”記憶探索者”については……当面の間様子見になるはずだ。
GM:こうしてきみたちは、束の間の休息を許された。

【ALLIANCE MOVE05】

GM:「日常生活」を送る人は、侵蝕の上昇をどうぞ。
龍神貴好:龍神貴好の侵蝕率を1増加(69 → 70)
エマ・カルナデス:1増加して、50。
GM:OK!日時だけ指定するから場所は自由に決めな!

【DAYLIFE 01】龍神貴好&エマ・カルナデス

8月27日 13:21/ 華吶町一番街 ビデオショップ『Chill to Shift』

エマ・カルナデス:ポスターやステッカー、不埒者への貼り紙が所狭しと貼られた店内。
エマ・カルナデス:カウンターで物憂げにリキッド煙草を咥えていた少女が、来店者を目にして姿勢を起こした。
エマ・カルナデス:「いらっしゃい。急に呼び出してごめん」
龍神貴好:「いや。今日は予定なかったし、全然大丈夫」
龍神貴好:「エマさんからの呼び出しならわかってもらえるだろうし」
龍神貴好:フードを被ったままでいう。覚醒以降、ほとんど外したことはない。髪と癒着しているからだ。
エマ・カルナデス:「信頼されてる。喜んでいいのかどうか」主語を抜いた答えに笑う。
エマ・カルナデス:「今回は、私の相談に少し乗って欲しくて。もちろん、ただでとは言わない」
龍神貴好:「相談」
龍神貴好:「そりゃ、聞くけど……僕でいいのか?」
エマ・カルナデス:「君がいい」頷く。
龍神貴好:「……???」少し宇宙猫になる。
エマ・カルナデス:「というか、君個人に端を発する話だから。……見返りは、これも私でないと多分難しいもの」
龍神貴好:「まあ、それなら」
エマ・カルナデス:「とりあえず……店内で立ち話もなんだし」DVDの陳列棚を指差す。
エマ・カルナデス:「映画でも、見ながら話そう」

エマ・カルナデス:『──荒れ狂う化物達は神が遣わした大洪水だ。世界のリセットだよ──我々の宇宙ステーションだけが、そのリセットをやり過ごせる』
エマ・カルナデス:プロジェクターのスクリーン上で、傲慢な為政者が熱弁を振るう。
エマ・カルナデス:『ノアの箱舟のチケットは少ない。優れた者のみが生き延びるべきだ──君のような』
エマ・カルナデス:作品名『新創世期』。
エマ・カルナデス:怪物に襲われる地球で、次世代に限られた人類を残す是非と、主人公の苦悩を描いた往年の名作だ。
龍神貴好:ぼんやりと画面を見ている。
エマ・カルナデス:「龍神リュージンって名字、格好いいよね。羨ましい」
エマ・カルナデス:ぽつり。映画の展開とは、一見関係ない事を呟く。
龍神貴好:「名前負けしてるよ」
龍神貴好:「うち、本当に普通の家庭だから」
エマ・カルナデス:「でも、親から受け継いだ物でしょう。そういうの、うちにはないから」
龍神貴好:「………」
エマ・カルナデス:「ファルスハーツ……私がいた秘密結社では、戸籍のない孤児や浮浪児もよく実験に集められてた」
エマ・カルナデス:「そして、優れた成果を残した者だけが、実験コンセプトに沿ったこせきを与えられた」
エマ・カルナデス:「だから、あまり好きじゃない」
エマ・カルナデス:この姓は墓標と同じだ。カルナデスの板は、一枚きりしか用意されなかった。
龍神貴好:「不思議な苗字だとは思ってた。でも……そういうことなら、あまり突っ込んでは聞かないよ」
龍神貴好:「そういうことなんだろうと思うから」
エマ・カルナデス:「優しいね、龍神リュージンは。……でも、私が勝手に話す分にはいいでしょう?」
龍神貴好:「話したいなら、聞くさ」
エマ・カルナデス:「全部話すと長くなるから、割愛するね。端的に言うと……」
エマ・カルナデス:「私は、龍神リュージンに強い興味を抱いている」
龍神貴好:「…………あの」
龍神貴好:「勘違いされかねないと思うんだが」
エマ・カルナデス:「?」首を傾げる。
龍神貴好:「いや、勘違いだとしても変わらないけど……」
エマ・カルナデス:「ええと……じゃあ、言い直そうか」
エマ・カルナデス:「私は、龍神リュージンのことが気になって仕方ない。どうなるのか目が離せない」
エマ・カルナデス:「…………」暫し沈黙があったのを受けて、困ったように眉を寄せる。
龍神貴好:「いや、その、エマさん」
龍神貴好:「それ、その」
龍神貴好:「『あなたが好きです』って意味だろ、どう聞いても」
エマ・カルナデス:「……やっぱり、初めから話した方がいい?」
エマ・カルナデス:「荒崎先輩にも言った通り、別に横取りの趣味はない」
龍神貴好:「始めから順を追ってお願いします」
エマ・カルナデス:「はい」一般人との会話のテンポ、難しい。
エマ・カルナデス:「えー……まず、龍神リュージンは『カルネアデスの板』という逸話は知っている?」
龍神貴好:「知ってるよ。緊急避難の話だろ」
龍神貴好:「一人しか板を掴めない。その中で……」
龍神貴好:「自分が助かるために縋ろうとするもう一人を突き放した。これは罪になるか」
エマ・カルナデス:「そう。私はそう名付けられた実験で、大勢の仲間の命を蹴落とした」頷く。
エマ・カルナデス:「だから、そこからの私は……まあ、控えめに言って惨めだった」
エマ・カルナデス:「大勢の仲間を蹴落とし、生き残った事を正当化するしかなかった。適者生存を言い訳に、自分の行いを肯定していた」
龍神貴好:「……うん」
エマ・カルナデス:「……でも。トラス4が壊滅した時、私はあるメンバーに命を救われた」
エマ・カルナデス:「その身を呈して。多分……もう、生きてはいない」
龍神貴好:「生かされたんだな」
エマ・カルナデス:「目の前で、自分が掴める板を押し付けて沈んでいった。私は、また・・自分の信じるものが壊された」
エマ・カルナデス:「……最近、自分を見つめ直せとある大人に叱られた。目を逸らしてたけど、やっと言語化出来る」
エマ・カルナデス:「……多分、自警活動の中で、あの子の"自己犠牲"をやりたかったんだと思う」
龍神貴好:「………」
エマ・カルナデス:「あの時どんな気持ちだったのか。私も、その時が来れば分かるのか、って」
エマ・カルナデス:「……だから、この間は、『やっと自分の番か』って思った」
エマ・カルナデス:指を指す。
エマ・カルナデス:「龍神リュージン。君が、脱出を断るまでは」
龍神貴好:「僕が?」
エマ・カルナデス:「そう」頷く。
龍神貴好:「……正直、軽率だったかなと思ったんだけど。怜にも怒られたし」
エマ・カルナデス:「セルが壊滅してから、いろんな映画を見て、常識を学んだ。映画の中では、私みたいな状況に置かれた人もたくさんいた」
龍神貴好:映画の先ほどのシーンを思い返す。
龍神貴好:「箱舟のチケットは少ない……」
エマ・カルナデス:「でも、そう言った映画は正しさをやり通すか、もっと冴えたやり方で全てを救って越えていく人がほとんど」
エマ・カルナデス:「だから、『ただ意志を曲げたくない』だけで渡された板を断る人を見たのは、龍神リュージンが初めて」
エマ・カルナデス:「……私はまだ、この実験の正しい答えを持っていない」
龍神貴好:「か。」
龍神貴好:「買い被りすぎだよ、多分……」
龍神貴好:「僕は、ただ。自分の手の届く範囲なら、ワガママをやり通したいって思っただけで……」
エマ・カルナデス:「だから、今まで思いもしなかった選択肢を提示した君を、最後まで見ていたい」
エマ・カルナデス:「……どう?」瞳を覗き込む。
エマ・カルナデス:「君から目が離せない。言った通りでしょう?」
龍神貴好:「……」
龍神貴好:「まあ、どういうことかは、わかったよ」
エマ・カルナデス:「長くなるって言ったのに。伝わらなかったから仕方ない」
エマ・カルナデス:「それで、此処までは私の相談の話」
エマ・カルナデス:「ここからが、君に取ってもメリットのある話」
龍神貴好:「うん?」
エマ・カルナデス:「龍神リュージン、普通の食事では栄養が取れなくなってるんじゃない?」
エマ・カルナデス:「生物は、自分の身体に必要なものを美味しく感じるように出来ている。それはオーヴァードだって、たぶん同じ」
龍神貴好:「あー……まあ、うん。今のこの体の構造にあってないみたいだ」
エマ・カルナデス:「で、考えてみた。普通の食事と、君が覚醒して真っ先に食べた結晶の違い」
エマ・カルナデス:「それは、レネゲイドを多分に含んでいること」
龍神貴好:「ということは……」
エマ・カルナデス:「私達オーヴァードの身体には、常人や他の生物より多量のレネゲイドが満たされている」
エマ・カルナデス:「試してみる価値はある」と言って、卓上に置いていた鋏を手首に当てる。
龍神貴好:「ちょ」
龍神貴好:「おい!」
エマ・カルナデス:ぎちっ。
龍神貴好:ばたばたと、それを止めようとするが
龍神貴好:器用な動きは咄嗟にできない。
エマ・カルナデス:本来なら普通の刃では通る筈もない堅牢な肌。だが、その刃を握っているのは同じ怪力の手だ。
エマ・カルナデス:浅く、皮膚を割いて赤が白い腕に伝う。
龍神貴好:「ばかっ……」
エマ・カルナデス:「大丈夫。人より血液量は4~5倍ぐらい多い」
エマ・カルナデス:「……それで、どう?」指先を龍神リュージンの顔に近付ける。
龍神貴好:「そういうことじゃなくてだ……ああ、もう」
エマ・カルナデス:「私、おいしそう?」
龍神貴好:血の匂いが、自分の中に流れる何かを励起させているのがわかる。
龍神貴好:「いいにおいがする」
エマ・カルナデス:「よかった」
エマ・カルナデス:「それじゃあ、これが取引」
エマ・カルナデス:「君を見届けさせてほしい。それまでの食事は、私で賄ってあげる……どう?」
龍神貴好:その指先を、手で包む。
龍神貴好:「できるだけ、きみの血は飲みたくないけど」
龍神貴好:「だめだな。くらくらしてしまう」手に包まれているはずなのに、濡れた感触をエマは感じるだろう。
龍神貴好:その能力で口を手のひらに開いた。
エマ・カルナデス:「ん……」くすぐったさに思わず漏れた声。気恥ずかしさを誤魔化すため、咳払いをひとつ。
龍神貴好:「……やばい、これ」
龍神貴好:「ほんとに、時々でいい。時々がいい」
龍神貴好:「でないとちょっと」
龍神貴好:「よくない」
エマ・カルナデス:「癖になりそう?」
エマ・カルナデス:「私も、貧血になったらろくに戦えない。適度にしてほしい」
龍神貴好:こくりと頷く。
エマ・カルナデス:「それじゃ……」改めて、初めて会った時のように手を差し伸べる。
エマ・カルナデス:「取引成立。これからもよろしく、龍神リュージン先輩」
龍神貴好:「エマさんて、もしかしてずるい?」
龍神貴好:手を握る。
エマ・カルナデス:「?」何を言っている?という風に首を傾げた。
龍神貴好:「いいんだ。……よろしく」

【ALLIANCE MOVE06】

GM:現在実行可能な項目はこちらです。

【KATOTSU CITY ALLIANCE MAP】

・『華吶町一番街』
⇒[COMPLETE!]

・『華吶町立寄咲大学』
⇒[LOCK]図書室:???(☆)〈意志〉で7/⚠エマ・カルナデス、龍神貴好、柳瀬順吾のみ進行可能
(※■自警活動:「華吶町一番街地下アーケード」を進行して解放)

・『Club Malebolge』
⇒[OPEN]シーシャスペース:黒サングラスのお姉さん(☆☆)情報:FHで7
(※購入難易度「20」以上のアイテムを消費して解放)
⇒[OPEN]バースペース:???(☆☆)情報:UGNで7/⚠乃木清和のみ進行可能
(※「ウワサ:世界を守る秘密結社(赤)」を入手して解放)
⇒[OPEN]ダンスホール:???(☆☆)〈交渉〉で6
(※「ウワサ:ブルーライトゴースト(黒)」を入手して解放)

■自警活動
①華吶町立寄咲大学:「アモルファスβ」掃討活動

■推理
・侵蝕「1」でいつでも、何度でも登場可能。情報を整理・統合し、新たな行動を提案できる。
絆レベルを上げきったアライアンスに訪問することも可能。

GM:先程のアライアンスムーブでは進行がなかったので、基本的にはさっきと項目は変わりませんね。
柳瀬順吾:先に《水晶の剣》を!
乃木清和:イエス!柳瀬くんのサイバーアームに対して《水晶の剣》を使わせていただきたく!
GM:エフェクトの使用があるなら、ここで使って頂いてOKです!ウオオ!!
乃木清和:攻撃力+6だよ~
柳瀬順吾:やった~!
柳瀬順吾:スーパーサイバーアームだ ありがたく!
乃木清和:乃木清和の侵蝕率を4増加(72 → 76)
乃木清和:では… しますか? 自警活動を…
龍神貴好:しましょうか
柳瀬順吾:しましょう!
GM:OK!
エマ・カルナデス:れっつご。

【VIGILANCE01】『トラス4』

GM:全員、登場侵蝕1d10をどうぞ。
龍神貴好:龍神貴好の侵蝕率を1D10(→ 3)増加(70 → 73)
龍神貴好:悪くはない
乃木清和:乃木清和の侵蝕率を1D10(→ 1)増加(76 → 77)
乃木清和:よし…!
柳瀬順吾:1d10+57
DoubleCross : (1D10+57) → 2[2]+57 → 59

エマ・カルナデス:1d10+50
DoubleCross : (1D10+50) → 5[5]+50 → 55

8月27日 11:34/華吶町一番街 KAHOシネマズ広場裏 路地

GM:深夜のKAHOシネマズは、ぎらつくような光を放っている。
GM:映画館前の広場には合法薬物やたばこでとろけた目をした「イチバン」が立ち並び、スマホを弄ったり、酒類の空き缶を積み上げていた。
瑛・A・アヴァス⇒”コヴフェイス”:「……」それらを尻目に、裏路地。人通りの少ない路地に腰を下ろし、ドローンの調整をしている。
”コヴフェイス”:「理解しているとは思うが、俺たちの社会的立場は極めて不安定だ」
”コヴフェイス”:「まずは前提として、作戦期間中はコードネームでの呼称を徹底する。覚えたか、”指龍”」
龍神貴好⇒”指龍”:「………あっ、はっ、はい!うん!」
”コヴフェイス”:「おい……こいつの教育は誰の仕事だ? 有事に使えないようじゃ話にならんぞ」
乃木清和⇒“バニティ”:「それこそ”コヴフェイス”の仕事じゃないの?」
柳瀬順吾⇒”オッドボール”:「ブリーフィングの説明は”コヴフェイス”案件だよな」
“バニティ”:「んね~」
”コヴフェイス”:「”バニティ”!”オッドボール”!貴様ら、面倒事は俺に投げておけばいいと思っていないか!?」
”コヴフェイス”:「お前が甘やかすからだ、”ストローマン”!もっとリーダーとしての自覚を……」
エマ・カルナデス→"ストローマン":「まさか。2人だけじゃない」
”指龍”:(……確か乃木さんが”バニティ”。柳瀬くんは”オッドボール”。エマさんが”ストローマン”)
エマ・カルナデス→"ストローマン":「冗談はここまでにして。彼はまだシンドロームの種類すら全部は知らない」
エマ・カルナデス→"ストローマン":「まぁ、一度に詰め込んでも身につくものじゃない。実地でこなしながら覚えてもらう」
”オッドボール”:「座学とかやってないし、あんま意味ないもんね」
”指龍”:「自分がエグザイルってのはわかったんだけど。一人ひとつ、ってわけでもないんだよな」
”コヴフェイス”:溜息をつき、舌打ちをし、貧乏ゆすりをし、また溜息を吐く。態度が悪い。
”コヴフェイス”:「複数の能力傾向組成が確認される場合もあるが、大抵は2つから3つだ」
”コヴフェイス”:「それ以外で何か妙なことをやってきたら、そいつの影を見ろ。能力を模倣する性質がある」
“バニティ”:「イエ~イ」ピース。
”指龍”:「……”コヴフェイス”のチュートリアル、いつも助かってるよ」
”指龍”:「なるほど、影ね」 ”バニティ”を見る。
”コヴフェイス”:「何がチュートリアルだ!本来ならば作戦前にシンドロームの同定方法と戦況における対処まで詰め込んでおくべきだ!!!!」
”指龍”:「声。声が大きい」
"ストローマン":「あとは、"鎖付き"の個体を見たら気を付けて。新種で、私たちも十分なデータを持っていない」
”オッドボール”:「俺ら、先生に引率されてる高校の部活みたいだね」
“バニティ”:「大会前でピリピリしてるんだ、顧問が」
GM:”コヴフェイス”は、オペレーターと言う立ち位置に反して、実戦経験がひどく豊富かのような言動を度々口にする。
GM:事実、彼が直率するドローンも……管制用ではなく、明らかな戦闘用に調整を施されたものだった。
”コヴフェイス”:「誰が顧問だ。自警活動はお遊びじゃない!!」
”コヴフェイス”:「仕方ない……作戦を説明するぞ」少しだけ声のボリュームを落とす。
”指龍”:頷く。
”コヴフェイス”:「この作戦は大きく二段階に分かれる。誘導と撃滅だ」
”コヴフェイス”:「まずは、市内に群がる”アモルファスβ”を誰かがおびき寄せる。バカなカップルのフリでもしてな」
”指龍”:「バカなカップル………」
"ストローマン":「荒崎先輩は危ないから呼べないからね」
”指龍”:「当たり前だ」
”コヴフェイス”:「何匹か出て来たら、連中の分布している”パターン”がわかる」
”コヴフェイス”:「俺がルートを指示するから、引き付けながら指定するポイントまで逃げろ」
”オッドボール”:「ルート指示ありがたいね~。俺、いまだによく迷うもん」
”コヴフェイス”:「素体の運動能力が高い奴と、身のこなしが早いやつがいい。”バニティ”、お前が”指龍”を守れ」
“バニティ”:「おっ、私? オッケ~」
”指龍”:「世話になる」頭を下げる。
“バニティ”:「彼氏役でもいいよ?」ウインク。
”指龍”:「彼氏」
”指龍”:宇宙猫
”コヴフェイス”:「作戦行動中だ!!!!口説くな!!!!!!!!」
“バニティ”:耳がキーンとなっている。
”コヴフェイス”:「”ストローマン”と、”オッドボール”。お前たちの役割は殲滅だ」
”コヴフェイス”:「こいつらが引き寄せた”アモルファスβ”を、広域殲滅能力で片っ端から砕いて砕いて砕きまくれ」
”オッドボール”:「あいよ、お掃除ね」
"ストローマン":「了解。まぁ、順当な役割」
”オッドボール”:「できればその前のカップルのふりのところから撮影したかったんだけどな」
”オッドボール”:「演技指導とかしてさあ」
”コヴフェイス”:「俺のドローンの録画映像でも見ておけ……」
“バニティ”:「こいつ、映画に使うつもりだ」
”コヴフェイス”:「解ってるとは思うが、全体の戦闘状況は俺が逐次管制する。が」
”コヴフェイス”:「不測の事態が起こったら、”ストローマン”に従え」
"ストローマン":「……あ、監視映像の消去は迅速によろしくね、コヴフェイス」
"ストローマン":「また”指龍”の彼女が見つけたら面倒が加速する気がするから」
”コヴフェイス”:「こいつの生き残ってきた勘や考え方の癖は伊達じゃない……」”ストローマン”の言を聞いて。
”コヴフェイス”:「努力はするが、確約はできん」
”コヴフェイス”:「”見えない電子戦能力者”がまた噛んでくる可能性も充分にあるからな」
"ストローマン":「だって。なるべくカメラのないところがオススメ」2人に向けて。
“バニティ”:「それってむしろよくない気がする~」面白がっている。
”オッドボール”:「俺はカメラのあるところの方がいいと思うけど……まあ、せいぜいいい感じに誘き出してね」
”コヴフェイス”:「ブリーフィングは以上だ。質問や確認事項はあるか」腕時計を差し出す。
”コヴフェイス”:「針は合わせておけよ。作戦時刻は1147だ」
”オッドボール”:「ヒトヒトヨンナナ! 了解~」
”指龍”:「……了解」
“バニティ”:「”指龍”~、カップルのふりする練習でもして待機してる~?」
"ストローマン":「オーライ。みんな、新入りがいるからって張り切り過ぎないように」
”指龍”:「すごい乗り気だな”バニティ”……」
”指龍”:「一応僕、彼女持ちだからな」
”オッドボール”:「”ストローマン”こそ。はりきって怪我しすぎんなよ」
”オッドボール”:「責任感で麻痺しちゃうからな。……いつでもいいぜ」
”コヴフェイス”:「どいつもこいつも、好き勝手言いやがって……」
”コヴフェイス”:「よし」腕時計を確認する。「”ストローマン”。号令を頼む」
"ストローマン":「大丈夫。今は、少しモチベーションが違うから」オッドボールに向けて。
"ストローマン":「現『トラス4』指揮官より、各員に通達」
"ストローマン":「自警活動、状況開始。━各員、返事は?」
”指龍”:「了解した」
”オッドボール”:「了解~」
“バニティ”:「ラジャ~」
”コヴフェイス”:「受領コピー
GM:1147。作戦開始。

INFO:①アモルファスβ撃滅作戦の簡易戦闘ルールを説明します。

GM:①華吶町立寄咲大学:「アモルファスβ」掃討活動
簡易戦闘です。市内の「アモルファスβ」を一掃します。


GM:”アモルファスβ”を攻撃しながら瑛の指示に従い「誘導」する役割と、
誘導されてきた”アモルファスβ”を大学構内運動場で「撃滅」する役割で分担します。


GM:【誘導】:「対象:単体」の攻撃で合計「100」以上のダメージ。
敵の装甲は8点。1ラウンドで撃破出来ない場合、クリンナップ時に装甲有効6d10のダメージを受ける。カバーリング可能。

GM:【撃滅】:「対象:範囲」の攻撃で合計「80」以上のダメージ。
敵の装甲は8点。1ラウンドで撃破出来ない場合、クリンナップ時に装甲有効8d10のダメージを受ける。カバーリング可能。


INFO:【誘導】には”バニティ”・”指龍”、【撃滅】には”オッドボール”・”ストローマン”がそれぞれ配備されます。
GM:エフェクトの使用・アイテムの使用は全て許可。一番火力の出るやり方で、作戦を遂行してください。
GM:何か質問や確認事項はありますか?
”オッドボール”:こちらはOK!
“バニティ”:OKです!
"ストローマン":問題なし。
”指龍”:OKです!
GM:では、瑛・A・アヴァスのアライアンス効果が発動します。
INFO:「総力支援管制」が発動(★★) 「■自警活動」における命中判定ダイスが+3される。
”オッドボール”:ウォ~ッ
“バニティ”:ヤッタァ~~ッ
”指龍”:たすかる
GM:それでは早速判定にGOだ!まずは誘導組から!
”指龍”:はーい!
“バニティ”:ウス!
GM:あ、攻撃は自動命中します。
“バニティ”:処理は同時ですか? 順番ですか?
GM:イベイジョンを持たせようかとも考えたのですが、追って来ている相手に当てられない道理がない。
GM:処理は順番でお願いします。イニシアチブ順かな。
“バニティ”:ともに理解でございます!
”指龍”:じゃあ僕からか
GM:龍神GO!!
“バニティ”:ファイトファイト~!
”指龍”:マイナー!【擬態一部解除】:《骨の剣》+《死招きの爪》
”指龍”::侵蝕+7
”指龍”::侵蝕率+7
”指龍”:ん、ちょっと待ってね
“バニティ”:名前欄変えてるからかも!
GM:ま、まさかそんな弊害があるとは
”指龍”:龍神貴好の侵蝕率を7増加(73 → 80)
GM:あっいけてる!えらい
”指龍”:そういうことか!
”指龍”:カウンターリモコンに頼りました
”指龍”:で、メジャー!
”指龍”:【噛む】:《コンセントレイト:エグザイル》+《伸縮腕》(クランサイン適用)
”指龍”:(4+2+1+2+3)dx7-1
DoubleCross : (12DX7-1) → 10[1,2,3,3,4,4,4,6,9,9,10,10]+10[3,5,7,10]+6[2,6]-1 → 25

”指龍”:まあこんなものだろう…ダメージ行きます
“バニティ”:充分すごいぜ
”指龍”:3d10+45+1D ダメージ
DoubleCross : (3D10+45+1D10) → 11[1,7,3]+45+1[1] → 57

GM:GOGO!装甲は8です
”オッドボール”:つよ
GM:いてええええええええ
“バニティ”:ヤバイよ~~!
”指龍”:龍神貴好の侵蝕率を4増加(80 → 84)
GM:残り51!!一気に半分近く持ってかれたぞおい!!!
荒崎怜:見なよ……私の彼氏を……
“バニティ”:来ちゃだめだよ
"ストローマン":(シャドーボクシング)
GM:では次!女泣かせの自惚れ野郎こと、バニティ!!
“バニティ”:イエス!やってやるぜ
“バニティ”:マイナーなし。
GM:ルージュにくちづけして♡(うちわ)
“バニティ”:メジャーでコンボ:女泣かせのうぬぼれ野郎クライベイビー・バニティ。全力でいくよ~
“バニティ”:《コンセントレイト:ウロボロス》《原初の赤:瞬速の刃》《混沌なる主》。
GM:コンボ名マジでかっこいい
“バニティ”:えへへ
“バニティ”:(7+1+3)dx7+9
DoubleCross : (11DX7+9) → 10[1,1,2,2,5,6,6,7,8,8,10]+10[2,3,6,7]+2[2]+9 → 31

“バニティ”:よしよし
”指龍”:ナイス!
GM:ウワアアアアアア
GM:もちろん自動命中します。ダメージ来なさい!
“バニティ”:4d10+17+1d10 装甲有効
DoubleCross : (4D10+17+1D10) → 21[7,5,3,6]+17+3[3] → 41

GM:グギャ~~~ 痛い!!!
“バニティ”:あっ、届かなかった!
”指龍”:どんまい!
GM:33点喰らって、残り18点。瀕死だ……
”オッドボール”:ちょい削り残し!
GM:マイナーで作成したエフェクト武器は持続するものとして処理します。クリンナップ。
“バニティ”:乃木清和の侵蝕率を8増加(77 → 85)
”指龍”:助かり
GM:こいつは人間をジャーム化させたがっているかのように、侵蝕の低い方から狙います。龍神くんに6d10の装甲有効攻撃。
GM:6d10
DoubleCross : (6D10) → 30[6,3,1,5,9,6] → 30

”指龍”:ボディアーマー買っとけばよかった
GM:ガードかドッジか、リアクションをどうぞ。そうだな……命中値考えてなかったけど、15として扱いましょうか。
GM:アモルファスβに出せるのはそのくらいでしょう。
”指龍”:あっじゃあガード!これならギリギリ生きられる!
GM:おおっ
“バニティ”:あっよかった!
”指龍”:骨の剣はガードが6もあるのだ
”指龍”:龍神貴好のHPを24減少(29 → 5)
GM:強い……!では24ダメージで生存ですね。
GM:HPもギリ残りなので、このまま第2Rに行ってしまいましょう。
“バニティ”:白兵型は固くてタフ
GM:龍神くんからの行動です。とはいえ、この分だと素殴りされるだけで死にそうだ……
”指龍”:OK!
”指龍”:自動命中らしいんで
”指龍”:素殴りします。エフェクト使わないからエンチャントは乗らないが…
GM:や、やめろ~~~ッ
GM:エフェクト武器の強い所だ
”指龍”:9dx-1 侵蝕ボーナスとコヴフェイスボーナスでたっぷり振れる
DoubleCross : (9DX10-1) → 10[1,4,6,7,7,7,8,8,10]+4[4]-1 → 13

GM:ウギャッ
GM:命中!ダメージどうぞ!
GM:く、くそ~~ こいつらに回避という知能があれば……!
”指龍”:2d10+45+1D+0 ダメージ
DoubleCross : (2D10+45+1D10+0) → 10[3,7]+45+10[10]+0 → 65

”指龍”:?
“バニティ”:す、すご
“バニティ”:さっきより強い数値が!?
GM:痛い痛い痛い痛い痛い
”指龍”:ところで、ちょっとまずいことに気づいてしまったのですが
GM:なんで素でこれが出るんすか? 爆散します。
”指龍”:Dロイスの効果でガード-5でした。つまり
”指龍”:ピッタリ死んでましたので、
”指龍”:リザレクトします。
”指龍”:龍神貴好の侵蝕率を1D10(→ 6)増加(84 → 90)
GM:ああーっ龍神くんッ
”指龍”:龍神貴好のHPを6に変更(5 → 6)
“バニティ”:そっか!破壊者!
”指龍”:くっ攻撃しかできない性質が…!
GM:だが……こちらも撃破!!
”指龍”:無事やっつけた!
“バニティ”:やったーー!
"ストローマン":ご苦労様。こっちもやるよ、オッドボール。
GM:では次!撃滅組!!
GM:【撃滅】:「対象:範囲」の攻撃で合計「80」以上のダメージ。
敵の装甲は8点。1ラウンドで撃破出来ない場合、クリンナップ時に装甲有効8d10のダメージを受ける。カバーリング可能。

”オッドボール”:ヤルゼッ
GM:早速柳瀬くんの手番です。
”オッドボール”:先に殴りにいきます。
"ストローマン":侵蝕は私の方が低いから…うん、このラウンドはどっちもフルアタックで問題ないね。
”オッドボール”:コンボ:アラン・スミシーズ・ホライゾン 瞬速の刃+コンセ+漆黒の波濤+漆黒の拳(スレイヤーの証)
”オッドボール”:13dx7+7
DoubleCross : (13DX7+7) → 10[1,2,4,4,4,5,6,6,7,7,9,9,10]+10[1,2,3,4,9]+5[5]+7 → 32

GM:良い出目だ!
”オッドボール”:OK
”オッドボール”:4d10+29+3d10 装甲無視
DoubleCross : (4D10+29+3D10) → 14[1,4,3,6]+29+14[2,7,5] → 57

”オッドボール”:低め! こんなところで…!
GM:う、ウワァーッ
GM:何だこれは!!
”オッドボール”:侵蝕59→70
GM:べらぼうなダメージを喰らい、残りHPが23になってしまいました。これに装甲無視までついている
"ストローマン":まぁ、これならファンブルでもしなければ平気。
GM:次はエマさん!
”オッドボール”:オネガイシャス!
GM:頼む!さっきみたいなダメージを出さないでくれ!
"ストローマン":続こう。【波濤よ、唯一人を岸へと浚えカルナデス・ウェイブ】:《黒の鉄槌》+《エクスプロージョン》+《ツインバースト》
GM:同じことを繰り返すくらいなら死んでしまえ そう岡本太郎も言っていたんですよ
"ストローマン":5dx+2
DoubleCross : (5DX10+2) → 6[1,2,2,4,6]+2 → 8

"ストローマン":今言うとストローマンがタローマンのマイナーチェンジみたいになるじゃん
GM:ギャハハ!カスみたいなダイス数じゃねえか!!
GM:ダメージもマイナスに飛び込むんじゃねえのか~~~???
"ストローマン":ともあれ、ダメージ…装甲値勝負だなぁ。
"ストローマン":1d10+23
DoubleCross : (1D10+23) → 6[6]+23 → 29

GM:はあはあはあはあ
"ストローマン":侵蝕は+7で62点。
GM:残りHP2で……生存!!!
"ストローマン":惜しい。まぁ、そう言うこともある。
GM:装甲8が効いた 何はともあれ、こちらの手番!
GM:狙うは無論侵蝕の低いストローマン!そのHPをへこませてやるッ
GM:8d10 装甲無視
DoubleCross : (8D10) → 48[7,3,5,7,9,7,4,6] → 48

GM:勝った!!!トラス4完!!!
"ストローマン":48点か……
"ストローマン":96点から48点引いて、ピッタリ半分。やるね。
”オッドボール”:TOUGH
GM:?
GM:なんだそのでたらめなHPは
GM:では、クリンナップは終了。手番は再び柳瀬くんへ。
”オッドボール”:もはや全力は必要なし。《漆黒の波濤》の範囲攻撃だけで攻撃。
GM:ウワアーッ
”オッドボール”:10dx+7
DoubleCross : (10DX10+7) → 10[1,1,1,3,4,6,6,9,9,10]+7[7]+7 → 24

GM:こ、こえがトラス4最強のオーヴァード……!
”オッドボール”:3d10+28+3d10
DoubleCross : (3D10+28+3D10) → 14[8,2,4]+28+18[5,8,5] → 60

”オッドボール”:さっきと大差ないじゃん!
”オッドボール”:装甲は有効だけど…そういえば、こういう設計思想のやつだった…
GM:爆散します。どう考えても耐えられるわけないんですよね
”オッドボール”:侵蝕70→73
GM:戦闘終了です。誘導組と殲滅組に分かれて、演出をやってしまいましょうか。
GM:別れるというよりかは……多分誘導組が殲滅組に合流することになりそう。

8月27日 11:47/華吶町一番街 KAHOシネマズ前広場

GM:瑛・A・アヴァスに支給されたのは、骨伝導式の小型イヤフォンだ。耳に埋め込むカナル型のもので、壊れにくく、堅牢性に優れる。
”指龍”:「僕、どこにつけても聞こえるんだけど」
“バニティ”:「変なとこつけたら悪目立ちしちゃうでしょ~」
”指龍”:「まあ隠しやすいし、いいか」
”指龍”:耳型の『パーツ』に埋め込む。
GM:瑛のオーヴァードとしての能力は、変質した《ワ―ディング》だ。電磁気線のような性質を持ち、通信波として機能する。
GM:それを利用して、探知されない中継網を築くこともできた。
“バニティ”:「さ~て、”指龍……ん~……しーくん?」
”指龍”:「愛称つくのかこれ」
“バニティ”:「カップルらしくtiktokでも撮る?」
”指龍”:「確かに、それはバカっぽくていい」
”指龍”:「僕もなんか、愛称で呼んだ方がいいのか?」
“バニティ”:「ハニー♡でいいよ」
”指龍”:「…………はにー」
”指龍”:「うわめっちゃキャラじゃない」
"ストローマン":『照れが見える。もっと真面目にやって』
”指龍”:「バニーでもいいか?」
”指龍”:「真面目にふざけるの難しいな……僕は演劇志望じゃないんだぞ」
“バニティ”:「あ、いいね~。うさぎちゃんってことね」
“バニティ”:「しーくんとバニーで~す」と言いつつ、スマホを自分達に向けて歩きはじめる。
”オッドボール”:『いや、いいセン言ってるよ。滑らか過ぎてもモキュメンタリーっぽくないしね』
”指龍”:手でチョキの形をつくる。
”指龍”:ちょっと折った指の間に肉が張っているが、暗いのでそこまでは見えないだろう。
GM:きみたちは容易く、KAHOシネマズ前の「イチバン」たちに溶け込むことができた。
GM:瑛からはしばらく広場に”たむろ”して、様子を見るように指示されている。
“バニティ”:「しーくんは~、私のことどれくらい知ってる~?」
”指龍”:「ええ………そういや好きな音楽とかは知らないな」
“バニティ”:「あとで教えてあげる。普通に好きな映画もね」
”指龍”:「それは気になるな、普通に」
“バニティ”:「でしょう」くすくす笑う。「お返しに、教え返してね」
”指龍”:「うん」
”指龍”:「僕は最近の……あの、米波玄子とか好きだから」
”指龍”:「あっ、後で言った方がいいやつかこれ?」
“バニティ”:「ふっふふふふ」笑って、上機嫌な表情で恋人についついくっつくような仕草。
”指龍”:こちらも、もうすこしくっつく。
”指龍”:(それっぽく見えるのかなこれ)
"ストローマン":『……咄嗟に動けないような姿勢は危ない。気を付けた方がいい』
GM:そうしていると、「イチバン」の若者が、きみたちに話しかけてくる。
GM:君たちと言うよりかは、ほとんど乃木清和が目当てのようだったが……
”オッドボール”:『おお~。釣り餌効果バツグン!』
軟派な若者たち:「ねー、きみら暇?」「あ、そこの女の子女の子」
“バニティ”:(いいよ、無視して。適当にやりすごせば…)龍神くんにひそひそ囁く。
軟派な若者たち:「かっこいいね~!モデルさん?」「何このモヤシ」
軟派な若者たち:「俺らそこでバーやってんすけど~。良かったらお姉さん来ないすか?」「ちょっとで良いんで。マジ」
”指龍”:「………生憎僕も彼女も暇じゃない」
”指龍”:「どこか行ってくれ」
軟派な若者たち:「は? 彼女の前でイキんなよ。動画にハダカ上げて晒してやってもいいんだぞ」「そしたら蛙化すんべ?」「嫌いだわ~それ言う奴」
軟派な若者たち:下卑た笑いが起こる。
”指龍”:「…はー」
”指龍”:「めんどくせえな」
"ストローマン":『関係ないのが釣れた。面倒なら《ワーディング》してもいい』
“バニティ”:「ね~、行こうよ…」龍神くんの袖を引っ張ろうとし。
軟派な若者たち:「おら」その内の一人が、きみを突き飛ばそうとする。
”指龍”:突き飛ばされない。奇妙な反動だけがある。
軟派な若者たち:「お」がく、と尻もちを付く。「お?」
軟派な若者たち:「んな……」
軟派な若者たち:手を見て、続いてきみの細い体躯を見る。
”指龍”:「邪魔なんだよ」不機嫌そうに見下ろす。
軟派な若者たち:「……おい、こいつ何かヤバくね?」「だ、ダルいわ。行こうぜ、おい……!」
”指龍”:「……ああ、ごめん、バニー。行こうか」
軟派な若者たち:「でもよぉ。瀬古さんに言われてた、今月のノルマ……」「良いって!上玉の方が連れなきゃ意味ないんだから」
軟派な若者たち:若者たちは去って行った。
”オッドボール”:『もうちょいしっかり腕組んだ方がいいね。いまみたいなやつら面倒だし』
”指龍”:「確かに……そうだな」
”コヴフェイス”:『ゴミどもが』心底機嫌が悪そうに吐き捨てる。
”指龍”:腕を組み直す。
”コヴフェイス”:『……頃合いだろう。隙を見てちょっとずつ繁華街から外れろ』
”コヴフェイス”:『俺ならそこで襲う』
“バニティ”:「……」憮然とした顔で腕を組まれる。「オッケーオッケー。まったく…」
”指龍”:「わかった」
”ストローマン”:『……気を付けてね』
”指龍”:慎重な足取りで歩き出す。この体で歩くのもだいぶ慣れた。
“バニティ”:「カッコいいダーリンをひとりじめしちゃお」ぎゅっとくっつきつつ路地裏に向かっていく。
”指龍”:「……今だけだからな」くっつかれつつ。
”コヴフェイス”:『……』僅かなノイズ。『止まれ。来る』
“バニティ”:「え~、さみし~。さっき怖かったのに~」
“バニティ”:軽口を叩きつつ、視線を上げます。
”指龍”:「それは……悪かったよ。頼りなくて………」
アモルファスβ:「り」「りりりり」「りりりりりりり」
”指龍”:視線をジャームへと向ける。
アモルファスβ:ビルの外壁を伝うように。
アモルファスβ:ネオン看板やデジタルサイネージ、ライトに張り付き、原始的な隠ぺいを施していたのだと解る。
”指龍”:「頼りない続きで申し訳ないけど」
”指龍”:「守ってくれるか、”バニティ”!」
“バニティ”:「むしろ」
“バニティ”:「姫役やるはめになってフラストレーション溜まってたっつの!」
“バニティ”:安価な口紅を取り出す。《ワーディング》。
アモルファスβ:硝子結晶構造の光透過率は100%に近い。光源の傍に張り付いていれば、視覚による探知はほぼ不可能だ。
アモルファスβ:がしゃ、がしゃん!!と。シャンデリアを纏めて叩き割るような音が響く。”アモルファスβ”が路地裏に落ちる音。
GM:君たちを目撃しようとしていた「イチバン」の若者の何人かが、酒をぶちまけて倒れる。同時に――
アモルファスβ:「り」「りりりりりりり」「――り」
”コヴフェイス”:「走れ!!!!」
“バニティ”:闇が、影がアスファルトを這う。すなわち、それが乃木清和の領域である。
”コヴフェイス”:「……よし、一度叩き返してもいい。”指龍”、よく見ておけ!!」
“バニティ”:「スミカ!」影の髑髏が出現し、暗闇の中で硝子の怪物と衝突する。
”オッドボール”:『大漁だなあ! こいつは予想以上』
アモルファスβ:無機質で不愉快な音を上げながら飛び掛かっていた。その躯体が砕け散る。
“バニティ”:「”指龍”、行って! こっちでフォローする!」
アモルファスβ:がしゃん!と硝子片が散乱し、破片は電線をずたずたに引き裂いた。断線し、周囲一帯が停電する。
”指龍”:「……わかった!」
”コヴフェイス”:『誘導する』虫のような曳光ドローンが君の目の前に滑り込み、飛翔する。
アモルファスβ:「り」「りりりり」「りり り――」
”ストローマン”:『この数なら、遠隔操作とすれば指令は余程単純でないと不可能。…こちらはポイントに先行している』
“バニティ”:上下左右から襲い来る怪物を、影から伸びる髑髏の手が捕まえ振り払っていく。
”指龍”:片腕と片足の《擬態の仮面》を解除。腕ほどもある指と、動きを補助するように繊毛のような指が表れる。
アモルファスβ:がしゃがしゃと騒音を立てながら、”指龍”を追いかける。
アモルファスβ:だが、路地を通過するたびに、その数は減じていく。
”指龍”:足の方の指が動いて誘導についていく。
“バニティ”:「ラジャ、ね~~こいつら、思ってた百倍の数いるんだけど!」飛んできた破片を避けつつ叫ぶ。
GM:影を領域とするという事実。それは、攻撃媒体の偏在を意味する。
”コヴフェイス”:『――身のこなしの早いやつがいい』
”コヴフェイス”:”コヴフェイス”が評価していたのは、その攻撃端末を、素早く、”意のままに”扱える能力を持つものだ。
GM:ドローンはごく普通の原動機付自転車を遥かに超えるスピードで飛行していた。
GM:だが、一方で、”指龍”の機動はその速度に追随することができる。
”コヴフェイス”:『まるで自分の体のような使いこなしっぷりだな。なかなかやるじゃないか』
”コヴフェイス”:『……油断するな!そこの路地にもいるぞ!!』
”指龍”:「……丁度」
”指龍”:「腹が減ってた所だ!!!」
アモルファスβ:「りりりりりりりりり――」
”指龍”:ざっくりと腕の”指”が裂ける。
”指龍”:ば ぐん!
アモルファスβ:跳躍。月の光を通して、きみの異形を照らす。それが、砕けた。
アモルファスβ:―― が しゃあああああああああん!!!
”コヴフェイス”:『走れ! そこの駐車場を飛び越えて、坂を一気にショートカットしろ!』
”指龍”:喰らったエネルギーをそのまま使う。
”指龍”:ばね状に指を組み合わせて、跳躍。
”コヴフェイス”:『寄咲大学構内運動場で迎え撃つ――”オッドボール”、”ストローマン”!合流ランデブー!』
“バニティ”:「まったく」シルエットを見つめる。
“バニティ”:「人じゃあないね…」
”オッドボール”:『スタントマンでもいけそうだね。あとちょっと…引っ張って来てよ…いつでもいいからさ』
アモルファスβ:が しゃしゃしゃしゃしゃ!!!! ばりん!!!
アモルファスβ:坂を転がるように、数十体では効かない規模の個体が――一斉に、人工芝の運動場に流れ込んでくる。
”指龍”:「あと、任せた!」
”指龍”:《擬態の仮面》。いつの間にかパーカーを着込んだ普通の大学生に戻っている。
GM:転がり込んだきみへと、アモルファスβの群れが殺到する。
”オッドボール”:「――はい来た」
”ストローマン”:「”オッドボール”、”ストローマン”、合流ランデブー。私達の所まで、よく耐えた」
GM:指向性を持った集団が、無防備に平地を滑走していた。その局面は、すなわち。
”オッドボール”:かっ、と空気が断たれるような音。それと同時に、群れの半数近くが前兆もなく消えた。
”オッドボール”:黒い帳がそれを飲み込んだ。
GM:音。光。情報が喪失する。
アモルファスβ:「 り
”オッドボール”:「悪いな。お前らの同類は、粉みじんになって死んだ! ……”ストローマン!”」
アモルファスβ:右半身が抉られている。結晶化した細胞が失活し、形状を失って硝子片状に砕ける。そして、もう半数は。
エマ・カルナデス:「こいつらに視覚以外の五感が備わっているかが問題。まあ……」
エマ・カルナデス:緩く広げた両手の平から、香しい薄霧が周囲へと展開される。
エマ・カルナデス:それを嗅いだ者は、次の瞬間には、
エマ・カルナデスざぶん・・・
エマ・カルナデス:大時化の海、その荒波の中へと付き落とされている。
エマ・カルナデス:「やってみれば分かる。……どう?」
アモルファスβ:がしゃしゃしゃ!!!
エマ・カルナデス:「ちゃんと暗く、苦しく、成す術がなさそう?」
アモルファスβ:滑走の運動量を持った群れが急停止し、破滅的な雪玉となって飛散する。
GM:ソラリス・シンドロームの本質は、生体有機物への干渉。
エマ・カルナデス:悠々と、荒れる海———の幻覚が貼られた人工芝───の上を歩いていく。
エマ・カルナデス:雪玉に手を翳す。
GM:五感の有無さえも、本来ならば問題ではなかった。粘膜。視覚。細胞質。有機物を取り込む受容体が存在する限り、射程からは逃れられない。
エマ・カルナデス:黒い、ただただ黒い円錐状の物体を展開。
エマ・カルナデス:突き込んだ。
”コヴフェイス”:『終わったな』
エマ・カルナデス:「──うん。有効そう」
アモルファスβ:破滅的な響きを軋ませ、群体が”ひび割れた”。
アモルファスβ:一般的な魔眼端末だが、濃縮体の出力で、無抵抗に展開される。どれほどの数が存在しようと、問題にはならないだろう。
エマ・カルナデス:「よし。各員、状況オワリ」
”オッドボール”:「お疲れ~」 残った個体を、蹴とばしている。その爪先に生じた黒い球体が、体を丸ごと圧縮させ、小さなガラス玉に変えた。
”オッドボール”:「めちゃ多かったな~。こんなにいるんだ……こわ……」
“バニティ”:「終わった? はーー、つっかれた…。死ぬほど走らされて…」
”指龍”:「お疲れ様」
”コヴフェイス”:「終わったか」ドローンを変形させた端末に捕まり、屋上から飛び降りて来る。「全部壊すなよ。一部は分析する」
エマ・カルナデス:「あ、いくつか残しておいてほしい。”指龍”が食べられる、貴重な食事」
”指龍”:「さっき一体食べたよ」
”コヴフェイス”:「おい!つまみ食いするな!」
”指龍”:「いや……攻撃のついでっていうか……」
”指龍”:「そういう攻撃方法みたいなところがあって」
”オッドボール”:「いいじゃん、夜食だよ夜食」
エマ・カルナデス:「”バニティ”も、お疲れ様。慣れない演技もさせてごめんね」
“バニティ”:「全然だいじょう……あっ!ね~っ、さっきの龍神見てた~? ナンパ追い払ってくれたところ~!」
“バニティ”:「『邪魔なんだよ…』って。キャー!」
”オッドボール”:「見た見た。正面からのアングルで撮りたかったね」
エマ・カルナデス:「まあ…肉体変容エグザイル能力者は、キュマイラやブラムの次ぐらいにはそう言う力が多い」
”指龍”:「……再演されると、恥ずかしいな」
“バニティ”:「なんて言ってるけど、これはモテちゃうね。主人公だね」
”オッドボール”:「脅して追い払うってのは、いいよ。憧れるね……」
エマ・カルナデス:「私達の力で荒っぽくやると、相手は大変なことになる。相手にしなかったのはえらい」
”コヴフェイス”:「お前……随分と気に入ったようだな。”指龍”のことを……」
”コヴフェイス”:「まあ、あの対応は悪くなかった。後二秒遅かったら、俺が連中を撃ち殺していたが」
”指龍”:「これは冗談だし、間違っても怜の耳に入れないで欲しいんだけど」
”指龍”:「人生最大のモテ期が訪れてるかもしれない」
エマ・カルナデス:「"バニティ"。あまり”指龍”で遊ぶと、彼女から呼び出されるから気を付けた方がいい」
”コヴフェイス”:「おい貴様。何だその軽薄な態度は……調子に乗っているんじゃあないだろうな。作戦行動中に」
”コヴフェイス”:「お前まで”バニティ”のような振る舞いになったらこの世の終わりだぞ!!!」
“バニティ”:「人をなんだと思ってるんだ?」
”指龍”:「冗談だってば……まあちょっと、テンションは上がってる」
”指龍”:「アドレナリンなんかがこの体で出てるかはわかんないけど」
”オッドボール”:「仕方ねえだろ。はじめてのミッション、大成功だ。お菓子買って帰ろうぜ」
”コヴフェイス”:「ふん。まあ、初回の出撃で死ななかったのは褒めてやる」
”コヴフェイス”:「”バニティ”も……その……」「……」
“バニティ”:「ん~?」
“バニティ”:「本当は俺がお前を守ってやりたかった?」
エマ・カルナデス:「わー。おあつい」
”コヴフェイス”:「護衛の成功は、お前の能力なら当然のこと……」「……■■■■!!!」
”コヴフェイス”:「〇〇〇〇!?!? [よく解らないスラング][ヒンディー語らしき罵倒]!!!」
”コヴフェイス”:騒ぎながら銃を乱射している。
エマ・カルナデス:「という訳で、帰りはナビがない。分散せず4人で帰ろう」
“バニティ”:「途中でコンビニ寄ろ~。お菓子、お菓子」
龍神貴好:「了解〜」
”オッドボール”:「俺はグミだな、グミ。絶対グミ!」
”コヴフェイス”:「くそ……貴様ら、今日という今日は……」「……?」顔を上げる。
エマ・カルナデス:「あ、ヘム鉄のサプリ買い足したい。…?」
”コヴフェイス”:「……全員、待て。熱源反応だ。3つ」
GM:正門前に、三つの影が並んでいた。
GM:一つは恰幅のいい中年男性のもの。もう一つは、猫背の少女らしきもの。そして最後は……
????:「――こんにちは」
????:「私はあなたが私を見ていることを知覚しています」
????:「覚えていることはありますか? 眼球の裏は何色ですか? りりり」
????:結晶構造。正八面体のような、透明な物質そのものが、浮遊している。
龍神貴好:「な、なんだあれ」
“バニティ”:「この登場で味方だったりするパターンある?」
エマ・カルナデス:「……レネゲイドは、人に感染して超能力者に変えるだけじゃない。モノを呪いのアイテムにする事もあれば……」
”オッドボール”:「わっ……」 無造作に圧縮しようとしかけて、止まる。 「かんね~…」
????:ごぽり、ごぽりと内部に泡立つような輪郭がある。それは、人の顔だった。
????:人の顔が結晶の内部に浮かんでは消えている。
エマ・カルナデス:「ウイルスそのものが自我を持って、形を得る事もある。その類か……あるいは、君と同じか」
瀬古隆司:「ああ、すまない。驚かせてしまったかな……いや、こんな訪問をされれば誰でも驚くか。ははは!!」
瀬古隆司:恰幅のいい男性が笑う。
椎原瑠々:「う、あ、あ……」結晶の背後に隠れ、縮こまっている赤髪の少女。
エマ・カルナデス:視線を逸らさず《ワーディング》を展開。念の為の確認だ。
瀬古隆司:「うっ!」胸を抑えて倒れる。
瀬古隆司:「……」
瀬古隆司:「なんてな。面白かっただろう?」
”オッドボール”:「クソ演技やめろ!」
”オッドボール”:「俺はそーゆーの厳しいんだよ! 何しにきたかさっさと言え!」
瀬古隆司:頭を掻きながら、熊のようにむくりと立ち上がった。
エマ・カルナデス:「食えない相手。それで、貴方達は?一体何?」
GM:……覚えがあるかも知れない。彼らの人相や風体は、”コシローさん”から聞いたものと一致する。
GM:すなわち、華吶町において、”トラス4”を探し続けていた存在。
龍神貴好:「エ……”ストローマン”。あの特徴」
エマ・カルナデス:「後でお仕置き」名前を漏らしかけたことにじろっとにらみつつ、首肯を返す。
エマ・カルナデス:「かとつの軒先の人達。別に、私達はそう言う支援は間に合っている」
エマ・カルナデス:「それとも……トラス4への用事で来たの?懸賞金が目当て?」
瀬古隆司:「流石『トラス4』の子供たちだ。いやあ……やはり子供の可能性は素晴らしい」
瀬古隆司:「良い成長をしている。そうだな……うん、私たちの今の身分は、「かとつの軒先」だ。恵まれない子供たちに、自由に夢を叶えられる場を与えている」
龍神貴好:「どう考えても悪役だろってセリフ言うな」
瀬古隆司:「悪役? とんでもないよ」
瀬古隆司:「我々の前身は、FHセル『アウトカスト』」
瀬古隆司:「紛れもない、きみたちが定義する”悪”そのものだ」
”コヴフェイス”:「……『アウトカスト』? そうか、お前ら……」そのやり取りを、黙って聞いていた瑛・A・アヴァスが呻く。
”コヴフェイス”:「連中は、『確保派』の筆頭だ。最後までお前たちの徹底的な利用を主張していた」
エマ・カルナデス:「悪い方に予想が当たったわけ。……はあ、それじゃ」
エマ・カルナデス:「集めたイチバン、何処にやった?」
瀬古隆司:ガラス玉を指さす。
瀬古隆司:「彼らが望んだことだ」
龍神貴好:「は?」
瀬古隆司:「”お父さん”のためなら何でもすると言ってくれたよ。嬉しかったなあ」
龍神貴好:「いや、ちょっと待て。みんなあれで意味わかってるのか?」
エマ・カルナデス:「………………」視線の温度が下がる。沈黙。
”コヴフェイス”:「”指龍”。黙れ」「連中とまともに会話をする必要はない」
GM:視覚。嗅覚。”アモルファス”βの矛盾は、無機物のジャームでありながら、有機体に反応する機能を維持し続けていたことにあった。
”オッドボール”:「ちっ。リーダー、あんたと”指龍”が組んで逃げろよ。俺と”バニティ”が”コヴフェイス”をエスコートするから……!」
瀬古隆司:「……? よく解らないな。やっと再会できたのに、なぜ逃げる?」
瀬古隆司:「家に帰るだけだ」
龍神貴好:ぞわりと全身に寒気が走った。
瀬古隆司:「瑛くん。きみからもよく言って聞かせてやってくれ」
瀬古隆司:「ダメじゃないか……仕事にかまけて、子育てをおろそかにしたら……私はこれでも、結構練習したんだぞ。料理とか」
”コヴフェイス”:「……………………」
瀬古隆司:「さあ、子供たち」分厚い手を差し出す。拳に胼胝ができていた。
瀬古隆司殴り・・胼胝だ。
瀬古隆司:「家に帰ろう。親は子供の間違いを許してやるもんだ」
GM:兵力は展開されていない。示威行動や、脅しの類ではないと判断できる。
GM:つまり、心から。きみたちが”望んで帰って来る”と思っている。
瀬古隆司:「何人か新しい子供も増えてるようだが……纏めて歓迎しようじゃないか!」
龍神貴好:「……あんたの子供になった覚えなんてない」
龍神貴好:「なるほど、確かにまともに会話しちゃだめなやつだな」
椎原瑠々:「ひっ……」びくり、と震える。
椎原瑠々:きみの言葉ではなく、「反抗した」という行為そのものに怯えるような。
”オッドボール”:「ああ。そういうことだな……失せろ。俺の家はそこじゃない」
エマ・カルナデス:「……そっちの子。君は、そこの”お父さん”が苦手?」
エマ・カルナデス:『お父さん』の部分には皮肉たっぷりのイントネーションを込めて。
椎原瑠々:「あっ、違います!!!お父さんは、殴ら……殴らないから!機嫌のいい時は!!」
椎原瑠々:「私、お父さんのことが好きです!家族のことが大好きです!!」
“バニティ”:「……聞いてるだけで肌荒れしそう」
龍神貴好:パーカーが毛羽立っている。
龍神貴好:鳥肌だ。
エマ・カルナデス:「そう。じゃあ、私達もわざわざあなたを引き離す手間はいらなさそう」
瀬古隆司:「はっははは! 良くできてるだろ!?」
瀬古隆司:「それに引き換え、順吾……どうしちゃったんだ? 昔はあんなに良い子だっただろう。これが反抗期ってやつか……」
GM:きみとこの男に、会った記憶などない。一方的に、家族の一員と認識されているだけだ。
瀬古隆司:「エマも、随分奔放に育ったなあ……でも、娘は生意気なくらいが可愛いって言うしなあ」
”オッドボール”:「もともとだよ。アンタのツラは見たことねーし、見たくもねーなあ!」
エマ・カルナデス:「黙れ。嫌気が差すカルナデスの姓ですら、お前の口からは聞きたくない」
瀬古隆司:「くぅ~~、これこれ」
瀬古隆司:「親子の対話ってやつかあ? 父さんと一丁やるか?」
瀬古隆司:「……まあ、今日は無理そうだな。大丈夫、ちゃんとわかってるからな」
龍神貴好:「キモすぎる」腕をもう一方の腕でさすりながら。
瀬古隆司:どん、と胸を叩く。「きみらの心の準備ができたら、もう一回聞きに来るよ。大丈夫!」
瀬古隆司:「なあ、そこの……」目を向ける。「指のきみ」
龍神貴好:目をそらす。
瀬古隆司:「帰る場所・・・・ってあるのか?」
瀬古隆司:「隠したってだめだぞ。そういう悲しい子のことは、解るからな」
龍神貴好:その逸らした目が、今度は真っ直ぐに男を睨んだ。
龍神貴好:「ばかにするなよ、おっさん」
龍神貴好:「僕には帰る場所もあるし、家族だっているんだ」
龍神貴好:「勝手に属性くっつけて哀れんでんじゃねえ」
瀬古隆司:「ううん……なら、その体のこと、ちゃんと話せるか?」
瀬古隆司:「そういうのって、帰る場所って言わないんじゃないか。隠し事するなんて……」
龍神貴好:「もう一度言う。ばかにするな」
龍神貴好:「隠し事程度で崩壊するような」
龍神貴好:「そんな脆い関係を築いてきた覚えはない」
瀬古隆司:「こりゃ参ったな」手を上げる。「なら……うん。そうだな」
瀬古隆司:「きみを信用してみよう。試してみよう・・・・・・じゃないか」
瀬古隆司:乃木さんには一瞥もくれない。まるで、最初から”勧誘”する対象としてみなしていないような。
椎原瑠々:「っ、あ…………!」思わず、君たちの方に手を伸ばしかけるが。
瀬古隆司:「よーし、帰るぞ。瑠々」
“バニティ”:(……)龍神くんを一瞥する。「ちょっと~、さっきから蚊帳の外なんだけど~」
瀬古隆司:「うん?」振り返る。「…………………………誰だ? きみ」
瀬古隆司:「子供・・じゃないだろ」
“バニティ”:「はは」
“バニティ”:「なんだそりゃ」
”オッドボール”:「大人だから、だろ?」 片手で龍神くんを摑む。
”オッドボール”:「……仕掛けるなよ。駄目だ。FH相手に戦いはじめたら、キリがねえ……」
龍神貴好:「………わかった」
瀬古隆司:「帰る場所がある奴を相手にするほど、『かとつの軒先』は余裕がないんだよ……」
エマ・カルナデス:「……君。瑠々って言ったっけ」
エマ・カルナデス:呼び止め、男の方は無視して一言だけ告げる。
椎原瑠々:「……………」
椎原瑠々:足が止まる。
エマ・カルナデス:「決断は、早い方がいいよ。それだけ」
瀬古隆司:「瑠々、何してるんだ」「今日は炒飯だぞ。コウタの好きな」
椎原瑠々:「こ」
椎原瑠々:「コウタは……」
瀬古隆司:「何言ってんだ!俺たちのために頑張ってくれたじゃないか!」
瀬古隆司:ばしん、と少女の背中を叩く。
椎原瑠々:「がっ、ふ! げ、ほっ……!」
瀬古隆司:「お前も頑張らないとダメだぞ~。あの何とかチューバー?だっけ……」
GM:ありきたりな親子のような会話をしながら、結晶を引き連れた二人組は去って行った。
GM:後には静寂だけが残る。夜が白み始めていた。
”オッドボール”:「……ふー」 龍神くんの手を離す。
”オッドボール”:「悪いな。臆病なもんで……ビビっちまったよ」 手が震えている。 「喧嘩したくないんだよね」
龍神貴好:「……臆病な方がいい時もあるだろ」
”コヴフェイス”:「柳瀬。柳瀬」手を握る。「よく耐えた」
”コヴフェイス”⇒瑛・A・アヴァス:「あいつは殺す。俺に任せろ」
エマ・カルナデス:「……コードネーム、忘れてるよ、"コヴフェイス"」緩く息を吐き出し、身体を弛緩させる。
瑛・A・アヴァス:「『アウトカスト』。連中の専科は」座り込んで呟く。「少年兵・・・の育成だ」
柳瀬順吾:「どうしようもねえカスってことは、じゅうぶん伝わったよ」
龍神貴好:「……瑛さん。あいつは、正気なのか?狂ってるのか?」
瑛・A・アヴァス:「さあな」よろめきながら立ち上がる。「お前には……お前たちには、どう見えた?」
柳瀬順吾:「ジャームと変わりねえな」
柳瀬順吾:「人の話聞いてねえんだもん」
龍神貴好:「どうかしてる。こっちの話が通じない、一方的に自分の世界を押し付けてくる。普通に考えれば狂人だろ」
エマ・カルナデス:「最悪。肌が泡立つ。一緒の洗濯機で服を洗ってほしくない」
乃木清和:「それ娘になってるよ、リーダー」
”コヴフェイス”:「乃木」目を細める。「……お前は奴に無視された。その意味は、俺に解らんが……」
瑛・A・アヴァス:「案外お前が一番ちゃんとしてるのかも知れん。撃ち返せなかった俺よりな」
瑛・A・アヴァス:「連中の話にマジになってないのは、お前だけだ」
乃木清和:「まあ、私はみんなと違って元実験体でもないし、体が触手にもなっていないからね!」
乃木清和:「ほ~~ら、ジメジメしてないでさっさと帰ろ。いろいろ話すのはあとあと!」
瑛・A・アヴァス:「……はは」息を吸い、再び吐く。「軽薄な奴だ」
エマ・カルナデス:「ノギのそういう所、助かっている」
瑛・A・アヴァス:「おい。コンビニに寄るんだろう」
瑛・A・アヴァス:「俺の分のアイスも買って来い。日頃散々迷惑をかけてるだろうが」
柳瀬順吾:「……へっへっへ」
柳瀬順吾:「そうだな。腹減っちまったし、やっぱりアイスだな……。フフフフフ・フーンフ……」
エマ・カルナデス:「季節フレーバーだと塩鮭味がおすすめ」
乃木清和:「塩鮭って夏なんだ」
龍神貴好:「僕でも食べて美味しいやつあるかな……ちぇっ、32のアイス好きだったのに」
エマ・カルナデス:「……凍らせてみる?」龍神リュージンに向けて、ひらひらと手を振る。
龍神貴好:「……遠慮しとく」
GM:人工芝に軽い足跡が残されていく。連れ立つ足取りは、どれも不規則で並び立ってはいない。
GM:しかしそれらは、自由に飛ぶ鳥のようにどこか軽やかに見えた。

龍神貴好敵/瀬古隆司/憤懣/キモイキモイキモイ:○/ロイス
龍神貴好:高機能治療キット
龍神貴好:4dx+1>=9
DoubleCross : (4DX10+1>=9) → 10[2,5,8,10]+3[3]+1 → 14 → 成功

龍神貴好:で、自分に使いたい感じ
龍神貴好:龍神貴好のHPを3D10(→ 15)増加(6 → 21)
エマ・カルナデス:『龍神リュージン』P:好奇心☑/N:ふうん
エマ・カルナデス:高性能治療キットを判定。
エマ・カルナデス:5DX>=9
DoubleCross : (5DX10>=9) → 8[3,3,4,7,8] → 8 → 失敗

エマ・カルナデス:1ポイント財産ポイントを使用、残り3。
エマ・カルナデス:で、自分に使用。ついでに龍神リュージンから貰った医療トランクも使用。
エマ・カルナデス:2D10+3D10+48
DoubleCross : (2D10+3D10+48) → 6[1,5]+7[2,2,3]+48 → 61

エマ・カルナデス:低い………まあ、次回以降もぼちぼち回復していく。
乃木清和:ロイスは…保留で!
乃木清和:応急手当キット持ってるから龍神くんよかったら使ってね
乃木清和:UGNボディーアーマーを買って渡せたら渡すか
龍神貴好:いいの?!ありがとう!
乃木清和:もちろんだよ~!
柳瀬順吾:ロイスは保留!
乃木清和:4dx+1>=12
DoubleCross : (4DX10+1>=12) → 9[3,4,4,9]+1 → 10 → 失敗

龍神貴好:うれしい 早速使います
龍神貴好:龍神貴好のHPを2D10(→ 11)増加(21 → 29)
乃木清和:あ~ 失敗にしておこう 以上で!
龍神貴好:全快!
柳瀬順吾:ボディアーマー買うの狙ってみよ
エマ・カルナデス:あっ、医療トランク使い回せばよかった。失敗。
柳瀬順吾:2dx>=12
DoubleCross : (2DX10>=12) → 10[2,10]+6[6] → 16 → 成功

柳瀬順吾:ふっ
柳瀬順吾:龍神クン、これは奢りさ
柳瀬順吾:もらっておきな
龍神貴好:嬉しい……ありがとな
柳瀬順吾:さっきそこで拾ったんだ…
龍神貴好:装備します 装甲8だ
GM:あ!乃木さんのボデマ購入成功かも
柳瀬順吾:以上です!
乃木清和:あっ!そうだった…!
龍神貴好:あ、コシローさん!
GM:コシローさんのアライアンス効果で、防具/武器は購入目標値が-3されている!
乃木清和:しょうがない…瑛にあげるか
乃木清和:確保しておきます!
GM:OK!(ズドン)

【ALLIANCE MOVE07】

GM:現在選択できる項目はこちら。
GM:Now loading...(一緒に映画を撮る柳瀬くんと龍神くんのイラスト)

【KATOTSU CITY ALLIANCE MAP】

・『華吶町一番街』
⇒[COMPLETE!]

・『華吶町立寄咲大学』
⇒[LOCK]図書室:???(☆)〈意志〉で7/⚠エマ・カルナデス、龍神貴好、柳瀬順吾のみ進行可能
(※■自警活動:「華吶町一番街地下アーケード」を進行して解放)

・『Club Malebolge』
⇒[OPEN]シーシャスペース:黒サングラスのお姉さん(☆☆)情報:FHで7
(※購入難易度「20」以上のアイテムを消費して解放)
⇒[OPEN]バースペース:???(☆☆)情報:UGNで7/⚠乃木清和のみ進行可能
(※「ウワサ:世界を守る秘密結社(赤)」を入手して解放)
⇒[OPEN]ダンスホール:???(☆☆)〈交渉〉で6
(※「ウワサ:ブルーライトゴースト(黒)」を入手して解放)

■自警活動
[EMPTY]。「■推理」で新たな項目を生成できる。

■推理
・侵蝕「1」でいつでも、何度でも登場可能。情報を整理・統合し、新たな行動を提案できる。
絆レベルを上げきったアライアンスに訪問することも可能。

GM:現在実行可能なアライアンスは、『Club Malbolge』に集中していますね。
龍神貴好:ですね
龍神貴好:んー とりあえず様子見かな
龍神貴好:どっかに日常生活で出る可能性はある
エマ・カルナデス:地下アーケード…は、クラブの情報を調べないと解放されない感じかな。
GM:そうですね。恐らくどこかのアライアンスに生成に必要なウワサが紛れている可能性が高いでしょう。
乃木清和:わたしバースペースに行くのが丸いんですが、いままで単独行動しかしてないので、一回誰かと組みたさがあります
GM:オオッ
柳瀬順吾:購入難易度20以上のアイテムを消費なら、柳瀬が黒サングラス行ってもいいですね
柳瀬順吾:成功する見込みはない…かもしれないが…
GM:今まで獲得したコネも総動員してアライアンス突破を目指すのじゃ
エマ・カルナデス:1人だけ進められるアライアンスだと進行は出来ないけど、日常生活登場で同行とかは可能だったりする?
GM:すみません!単独行動のみのアライアンスは、同行も不可になっているのだ
GM:厳密には、一緒に進めてもいいのですが……
GM:乃木さんの正体が同行相手に露見すると考えていいです。
龍神貴好:なるほどね……
エマ・カルナデス:バースペースに龍神リュージン・ノギコンビで行って貰うのは駄目そうだね。
乃木清和:そゆことだね~
乃木清和:じゃあまあ、とりあえずこのシーンはバースペースに行きましょうか
エマ・カルナデス:じゃあ、今回は私・ヤナセでアライアンスを進めて、ノギ・龍神リュージンで日常シーンを作って貰う?
龍神貴好:購入難易度20以上のアイテムは、医療用トランクを手放せば達成できますが
龍神貴好:そこはお任せします
柳瀬順吾:では、使っていただき、黒サングラスの突破を目指しましょう。
乃木清和:大丈夫よ!うまく組めなさそうなら効率を優先しよう
龍神貴好:じゃあブルーライトゴースト行ってみようかな
龍神貴好:じゃなくってダンスホール
エマ・カルナデス:OK。龍神リュージンから貰った医療トランク……を、消費。アライアンスを解放する。
GM:OKです!ではそれぞれ、アライアンスの判定をどうぞ……!
龍神貴好:龍神貴好の侵蝕率を1D10(→ 9)増加(90 → 99)
GM:りゅっ龍神くん
龍神貴好:ンンッ
乃木清和:乃木清和の侵蝕率を1D10(→ 6)増加(85 → 91)
柳瀬順吾:1d10+73
DoubleCross : (1D10+73) → 8[8]+73 → 81

エマ・カルナデス:1D10+61
DoubleCross : (1D10+61) → 7[7]+61 → 68

龍神貴好:4dx>=6 ダンスホール、交渉で!
DoubleCross : (4DX10>=6) → 10[1,7,9,10]+2[2] → 12 → 成功

柳瀬順吾:3dx>=7 情報:FH
DoubleCross : (3DX10>=7) → 7[4,4,7] → 7 → 成功

柳瀬順吾:おっ、いけた
エマ・カルナデス:何処出るか言ってなかった。ん~…ヤナセ、お邪魔していい?
GM:カモンッ
エマ・カルナデス:5DX+1>=7
DoubleCross : (5DX10+1>=7) → 9[1,4,6,7,9]+1 → 10 → 成功

柳瀬順吾:やった~
エマ・カルナデス:よし。
乃木清和:情報UGN!
GM:いけーっ
乃木清和:6dx+2>=7
DoubleCross : (6DX10+2>=7) → 9[1,2,3,7,8,9]+2 → 11 → 成功

GM:全員成功!
GM:では、一つだけこの時点で発動するアライアンス効果があるので、開示します。
INFO:→「交渉も戦術です」が発動しました。(★☆)/シナリオ一回。特定のアライアンスのlvを、即座に「上限まで」上昇させる。
GM:このタイミングで使ってもいいですし、他のアライアンスの会話内容を見てから決めてもいいです。
GM:使い所はPCにお任せします!
龍神貴好:とりあえず他のアライアンス見てからがいい気は……するかな?
乃木清和:それがよさそう!
GM:OK。ちなみにこれは乃木さんが開けた、バースペースのアライアンスの効果でした。
GM:では黒サングラスのアライアンスlvは2に、バースペース・ダンススペースのアライアンスlvはそれぞれ1に上昇します。
GM:では……まずは黒サングラスのアライアンスからやっていきましょうか。

【ALLIANCE09】柳瀬順吾&エマ・カルナデス

8月28日 22時07分/ビデオショップ『Chill to shift』

GM:その日、『トラス4』のうち、エマ・カルナデスと柳瀬順吾――いわゆる”実験体組”に、瑛の通信網を通じて一本の電話がかかって来た。
”ブラック・ブロック”:『もしも~し、お久しぶり~。最近何か色んなとこでよろしくやってるみたいじゃん』
”ブラック・ブロック”:『こんな大変な時に頼ってくれないなんて、お姉さん悲しくて涙がちょちょ切れそうだよ』
柳瀬順吾:「え~……ここの番号教えてたっけ?」
瑛・A・アヴァス:「……教えてないのにかかって来てるから、問題なんだ」
エマ・カルナデス:「相変わらず神出鬼没。番号を変えた所でまた探り当てそう」
柳瀬順吾:「残念ですが、おかけになった番号は基本的には現在使われておりません。ごめんね。ピーッという発信音のあとに有益な情報をどうぞ~」
”ブラック・ブロック”:『まあ、細かいことは良いじゃん。それよりきみら、大変なんじゃないの? 色々と』
”ブラック・ブロック”:『良かったら、こっちのシマに遊びに来てよ。今日、そっちの清和ちゃんがシフトに入ってるかはわかんないけど……』
エマ・カルナデス:「ギルドのことをヤナセに伝えてくれた点には感謝してる。その情報料の取り立て?」
”ブラック・ブロック”:『相変わらず可愛くない子だよなぁ~~。有益情報教えてあげるって言ってんの』
”ブラック・ブロック”:『”アウトカスト”とは、こっちも多少面識があるからね。敵のこと知れば、戦いやすくなるじゃん?』
柳瀬順吾:「ん~~~…このままゴロゴロしてても仕方ねえからな~。リーダー、どうする?」
柳瀬順吾:「俺は虎穴のことわざに一票」
エマ・カルナデス:「……実際、一番街だけでは情報もそろそろ出尽くし始めたのも事実。乗るのはやぶさかではない」
乃木清和:乃木清和の侵蝕率を1増加(91 → 92)
乃木清和:「シフトは入ってるよ~」顔を覗かせる。「そんな、取って食われるような場所じゃないんだけどな~」
エマ・カルナデス:「ノギ。じゃあ、働いてるノギの姿も見られる?」
乃木清和:「見せてあげる。サービスもするし」投げちゅー
”ブラック・ブロック”:『ほら』通信画面から顔を乗り出す。『"トラス4"と”ピパ・ソング”の友好親善大使がこう言うんだから、間違いないってば』
柳瀬順吾:「ホントか~? バーって行ったら、なんかすごい悪い人がいるってこの前見た映画で言ってた」
柳瀬順吾:「夕日のガンマンとか、続・夕日のガンマンとか。拳銃ぶっ放して来るし」
瑛・A・アヴァス:首を振ってこめかみを抑える。
エマ・カルナデス:「現代日本なら、その二つはとりあえず心配いらないと思う…」
乃木清和:「このお姉さんの用事次第では、何も否定できなくはなりますけど…」ブラックブロックを指さし
”ブラック・ブロック”:『取って食ったりしないっての。私は平和主義者だからね』
柳瀬順吾:「気が合うね。じゃ、行ってみようか」
エマ・カルナデス:「"アウトカスト"セルの情報。期待している」
瑛・A・アヴァス:「さっさと行ってこい。……おい、乃木」
乃木清和:「私?」
瑛・A・アヴァス:「……『Malbolge』はテイクアウトの販売もしていたよな?」
瑛・A・アヴァス:「まあ、手が空いたらで良いんだが……」
瑛・A・アヴァス:「”ブラック・ブロック”に一応、店で使っている燻製をいくつか売ってくれと聞いてみてくれないか」
瑛・A・アヴァス:「その……料理に使う……」
乃木清和:「あはは! そんなのマスターに聞いた方が早いし、言ってみるよ。優しいから融通利かせてくれるんじゃないかな」
瑛・A・アヴァス:「ルートが確保できるなら構わん。早く用事を済ませておけ!」鋼材のドアをばたん!と閉める。
乃木清和:「カワイ~」
エマ・カルナデス:「……ハナブサがあんな風に頼るの、私たちにはない。ずるい」
柳瀬順吾:「あいつ暇なときキャンプ道具も買ってるみたいだよ。野外メシ始めんのかな~」
乃木清和:「え~いいな。でもさ、振舞いたいのってリーダー達にじゃないの?」
柳瀬順吾:「え、俺たちに? そりゃそうだろ! そうじゃなくても勝手に振る舞われるつもりだし」
柳瀬順吾:「乃木チャンも見逃すなよ! 五人分作るに決まってんだけど、食いしん坊がいるからな~」
エマ・カルナデス:「……納得。まあ、頼られるようになるのはもう少し後で頑張る」
エマ・カルナデス:「さて、それじゃ…出発する?」
乃木清和:「ふふふ」ニヤニヤしている。「行こうか。当然のようについて行きますとも」
GM:そんな風に話しつつ、きみたちは『Club Malbolge』へと向かう。べとついて、蒸し暑い風も、少しずつその湿度を和らげていた。
GM:夏が終わろうとしている。

8月28日 22時36分/『Club Malbolge』シーシャスペース

GM:一番街を外れて、地下。木材の重厚感あふれる扉を開けると、常のように落ち着いたスタンダードがきみたちを迎える。
GM:『Club Malbolge』は”ピパ・ソング”の社交場フロントでもあり、彼らにとって《トラス4》との結節点でもある。
GM:当然、『トラス4』の面々は顔馴染として認識されており、店主は快くきみたちを奥のシーシャスペースへと通した。
GM:キャラメルやナッツのような薫香と、息の詰まるような湿気が立ち上る。
GM:酒を飲み、水煙草を吹かしながら、思い思いに会話を楽しむ人々――その中に寂しく、”ブラック・ブロック”は座っていた。
”ブラック・ブロック”:「……」つまらなそうに水煙草を吸っていたが、きみたちを認めて。
”ブラック・ブロック”:「や~~~ん、清和ちん」
乃木清和:「ども~、アネキ~」初めて呼んだ呼び方
”ブラック・ブロック”:「それに我らが『トラス4』のリーダーと、愛しの柳瀬少年も待ってたよ」

柳瀬正装

柳瀬順吾:「暇すぎて来ちゃったよ。乃木チャンの邪魔するつもりはなかったんだけどな」
エマ・カルナデス:「私だけ役職なんだ。じゃあ久しぶり、“ピパ・ソング”のエージェント」
”ブラック・ブロック”:「えっ、何それ……普通に傷つく……」
”ブラック・ブロック”:「仲良く行こうぜ~。ブラブロのアネキって呼んでくれてもいいよ、エマちゃん」
”ブラック・ブロック”:「まー、座んなよ。吸う? チェリーフレーバーとかコーヒーフレーバーとか色々あるけど」
柳瀬順吾:「アイスコーラのフレーバーのやつと、ダイキリ!」 勝手に腰を下ろす。
エマ・カルナデス:「…はあ。よろしく、ブラックブロック。キャラメルがいい」
”ブラック・ブロック”:ひょいと手を伸ばすと、腕が分裂するように枝分かれする。一瞬の出来事だ。
”ブラック・ブロック”:三人分の椅子を引いている。
乃木清和:「私は仕事中なんで~。チェリーで♡」
柳瀬順吾:「あらゆる意味で仕事中だもんな。……で?」
”ブラック・ブロック”:「くるしゅうない。これも実労働時間に入れてあげよう……”ピパ・ソング”はホワイトなセルだからね」
”ブラック・ブロック”:「”アウトカスト”のゴミどもと違ってさ」
柳瀬順吾:「なんかお互い役に立つ話ができると思って来たんだけど、どうだろ?」
”ブラック・ブロック”:「結構真面目モードだね、少年。服も決まってるしさ~……うっかり惚れそうになっちゃったよ。あはは」
柳瀬順吾:「物理学者からよく言われるよ。ブラックホールに恋してるやつは相当多いんだぜ」
”ブラック・ブロック”:「ま、こっちも結構マジにならないとヤバそうでさ」
”ブラック・ブロック”:バーの仕入れ在庫表をテーブルの上に渡す。
エマ・カルナデス:「こちらが引き換えに出来るものは、情報ぐらいしかない。…これは?」
”ブラック・ブロック”:実態は、材料のグラム数を特定の方法で変換するタイプの暗号だ。乃木清和も、”ブラック・ブロック”と時折やりとりしたことがあるはずだった。
”ブラック・ブロック”:「奴さんアウトカストの動向をざっくり纏めた資料」
柳瀬順吾:「あいつらそんなに派手に動いてたのかね」
”ブラック・ブロック”:「私たちが無視できなくなるレベルにはね。……少年兵育成のノウハウを、こっちで試してやがるっぽくてさ」
”ブラック・ブロック”:「瑛クンにお願いして、きみらがやったらしい”アモルファスβ”の総数とここ最近の失踪者を照らし合わせてみたけどさ」
”ブラック・ブロック”:「ほぼ一致してた」とんとん、と”グラス在庫補充”の部分の数値を叩く。
エマ・カルナデス:「その隠れ蓑がNPO法人とはね。……表社会なら、発覚しだい一斉に制度の見直しが行われるところ」
柳瀬順吾:「少年兵を堂々と作ろうとしてるなら、公安も動くね」
柳瀬順吾:「裏の公安の方は、さすがにこっちまで来れないだろうしな」
乃木清和:「この街の状況じゃねえ。頼りになんないねえ、全く」
”ブラック・ブロック”:「ところがどっこい、連中にはどうも強力な電子戦能力者がいるっぽいんだな、こりゃ」
”ブラック・ブロック”:「瑛クンとは全然違うタイプのね。あっちは機械そのものをおかしくさせて、改竄するタイプだけど」
”ブラック・ブロック”:「こっちのはどうも……もっと高次の、データを魔法みたいに弄れるタイプみたい」
柳瀬順吾:「面倒くさっ! そいつを捕まえるのが手っ取り早い気がしてきたぞ……」
エマ・カルナデス:「その情報なら私達も掴んでいる。というよりは、足取りがハナブサでも掴めないからそう仮定している、というところだけど」
エマ・カルナデス:「別々に至ったジャームが、皆一様にあんな結晶の異形を取るのは考えづらい。あれも”少年兵育成”のマニュアル通り?」
”ブラック・ブロック”:「うーん……」首を捻る。「そもそも『アウトカスト』が『トラス4』実験計画に参加してたのは、本当にしょうもない理由なんすよね」
”ブラック・ブロック”:「究極の兵士の育成」
乃木清和:「なんすかそれは」
”ブラック・ブロック”:「死なず、化け物にもならず、いつまでも戦い続ける子供のこと……かな」
”ブラック・ブロック”:「侵蝕をどうにかして元に戻すって実験の延長上に、そういうモデルを夢見てたらしくてさ」
柳瀬順吾:「あのカスどもどうにかしろよ~。UGN、役目でしょ~……」
乃木清和:スパーと水煙草をふかしている。
”ブラック・ブロック”:「わっはっは」
エマ・カルナデス:「その結果があれ?」
エマ・カルナデス:「先行研究をもっとあたった方がいい。きっと”やめとけ”って結果がごまんとある」
”ブラック・ブロック”:「『確保派』の連中の末路は実際だいぶ笑えたしね」同じく水煙草をぷくぷくとふかす。
”ブラック・ブロック”:「離散に壊滅、資金難で他のセルに合併吸収」
”ブラック・ブロック”:「……ただ、『アウトカスト』はしぶとく生き延びたんだよね。研究成果の一部を持ち逃げしたらしいんだ」
”ブラック・ブロック”:「連中が考えてることって、多分めちゃくちゃ単純だよ」
”ブラック・ブロック”:「原価償却。あの失敗で失った資産を、きみたちを確保することで取り戻そうとしてる」
柳瀬順吾:「……そのまま自己破産してもらいたいもんだね」
エマ・カルナデス:「同感。私達の遺産で食いつながれても困る」
”ブラック・ブロック”:「言っておくけど、そこも他人事じゃないかんね」スパスパやっている乃木さんを指す。
乃木清和:「えぇ。私、めちゃくちゃ興味なさげな反応されたのに?」
”ブラック・ブロック”:「”転売”だよ。『アウトカスト』の変態が興味を持たなくても、他のセルならいくらでも工作員として買い手が付く」
”ブラック・ブロック”:「”ピパ・ソング”と特に問題なく友好関係築けてるってことに、もう少し自信持ってくれてもいいんだぜ」ばきゅーん、と銃を撃つ真似。
”ブラック・ブロック”:「これ言うなって口止めされてんだけど……瑛クンも大人になって、『アウトカスト』から売られたクチだし」
柳瀬順吾:「アドリブでジェスチャーするのは禁止項目に入れとこ」
乃木清和:「ダメなんだ」弾丸を掴む仕草。
エマ・カルナデス:「……そう思うと、貴女やハナブサは本当に変な人」吸い口を離し。
エマ・カルナデス:「私達で実験しておいて、セル解散後はこうやって自由にさせている」
エマ・カルナデス:「《確保派》は資産を取り戻すために私達を狙う。なら、《脱出派》の貴女は?」
”ブラック・ブロック”:「ツンデレ大魔神の瑛クンが何考えてるかとかは知らないけどさ」
”ブラック・ブロック”:「”ピパ・ソング”の目的なら、全然言えるよ」
”ブラック・ブロック”:「世界平和」ピースサインを作る。
エマ・カルナデス:「…………」うさんくさそうな顔。
”ブラック・ブロック”:「いやいやいや。大マジだって、傷つくな~~~」
”ブラック・ブロック”:「いい? 多分、最終的にノーマルはオーヴァードに淘汰される」
”ブラック・ブロック”:「レネゲイドへの感染事例は増え続けてるし、洒落にならないR事案も毎日”未遂”で起きてるわけでさ」
”ブラック・ブロック”:「ぶっちゃけ最終的な”勝者”はいつか決まる。……我々はそう考えてる」
”ブラック・ブロック”:「でも、いきなり全人類がオーヴァードに覚醒したり、ジャームになるわけじゃないよね」
エマ・カルナデス:「UGNの日常の守護と隠蔽にも限界が来る、と」
柳瀬順吾:「ま~ね~。そうなるといいんだけどな」
”ブラック・ブロック”:「そう。物事には何事も融和段階がある。私たちがやってるのは、そのための”戦後工作”」
”ブラック・ブロック”:「こうやって世界の平和を愛するきみらみたいな有望オーヴァードに媚びを売ったり」
”ブラック・ブロック”:「一方で、UGNとのコネクションも平気で作ったりするわけ」
”ブラック・ブロック”:「どっちかに勝たれ過ぎても困るんだよね。最終的に軟着陸してほしい」
乃木清和:「げ、そうなの?」
”ブラック・ブロック”:「今からでも”ピパ・ソング”に入って確かめてみる~??」手招き。
エマ・カルナデス:「ノギはうちのメンバー。渡さない」肩に手を掛けて下がらせる。
乃木清和:「キャッ」両頬に手を添える。
”ブラック・ブロック”:「まあ……そういう身からすると、『アウトカスト』みたいな連中は邪魔すぎるわけ」肩を竦める。
”ブラック・ブロック”:「こっちが地固めしてるのを、まるごと無駄にしてくる……もう、存在ごと滅ぼすしかない」
”ブラック・ブロック”:「一応今までの行動と矛盾ないように話したつもりだけど、ちょっとは信用して貰えた?」
エマ・カルナデス:「それは同意。表の倫理にも、裏の道理にも害しかない」
エマ・カルナデス:「思ったよりずっとしっかりした理由だった。謝罪する」
”ブラック・ブロック”:「えっ」乃木さんを見る。「めっちゃ良い子じゃん……ウチのリーダーもこうだったらなァ~~~~!!!」
乃木清和:「渡さないよ~」エマちゃんの肩に両手をかけている
エマ・カルナデス:「きゃー」真顔で両頬に手を添える。
柳瀬順吾:「あんたらのリーダーって見たことないな」
”ブラック・ブロック”:「どっかの戦線を調停中。運が悪かったら会えるかもね」
”ブラック・ブロック”:「良いなあ女子メンバーの仲良くて……」
エマ・カルナデス:「男同士も仲がいいと思う。たぶん」
柳瀬順吾:「仲いいよ。朋友だよ」
”ブラック・ブロック”:「良いことじゃんか。うちのセルってみんな、基本的に仲間同士のことを人格としてみなさないからなあ」
柳瀬順吾:「ま……いいや。その情報を使って、俺らが『アウトカスト』をどうにかするしかないわけだ。UGNや政府の介入は見込めねえし」
”ブラック・ブロック”:「こんな時に、どこで油売ってんだか。”スカマンドロス”だよ、”スカマンドロス”」
”ブラック・ブロック”:「まだ『トラス4』に帰って来てないの? 喋るなって言われてたけど、もう限界だよ~」
”ブラック・ブロック”:「……ん?」
”ブラック・ブロック”:慌てて、きみたちを見回す。『トラス4』の面々には、聞き覚えのない名だ。
エマ・カルナデス:「……ギリシア神話系?それがセルリーダーの名前?」
”ブラック・ブロック”:「いや、違うって。うちのセルの話じゃない」
エマ・カルナデス:「………?」
”ブラック・ブロック”:「きみら・・・の話だよ。……少年、エマちゃん。清和ちゃん。誰でもいい」
”ブラック・ブロック”:「”スカマンドロス”の……三上宗助のこと、覚えてないか?」
柳瀬順吾:「初耳だね」
乃木清和:「まったく知らない」
GM:きみたちは、思い出しても良いかも知れない。瑛・A・アヴァスたちが……会議で語っていた、『記憶探索者』の存在を。
”ブラック・ブロック”:「あのボケ野郎~~~~~ッ」
エマ・カルナデス:「………実は、聞こうと思っていたことではある」
エマ・カルナデス:「貴女は、ハナブサ以外で研究者側としてトラス4に関わっていた人だから。かつていたという、”記憶探索者”について」
”ブラック・ブロック”:「かつていたも何も……あの子、きみらのカウンセリング係だったんだよね」
”ブラック・ブロック”:「で」柳瀬とエマを指さす。「『トラス4』脱出の主犯」
柳瀬順吾:「ぜんぜん記憶にね~~~~~」
乃木清和:「すっ…ごい重要人物じゃん」
エマ・カルナデス:「名前の心当たりすらない」首を横に振る。
柳瀬順吾:「まあ俺が記憶探索能力持ちでも、同じようなことするか……。誰からも認識されないのがベストだもんな」
”ブラック・ブロック”:「めちゃくちゃ仲良かったよ」乃木さんに。
”ブラック・ブロック”:「って言うかちょっとイケメンだった」
乃木清和:「マジ~~~?? ウソ~悔しいんだけど~」
”ブラック・ブロック”:「ものすっごいナルシスト野郎だったけど……」
乃木清和:「あぁ~~」悩「まあ許せる」
乃木清和:「でもさ」姿勢を正し。
”ブラック・ブロック”:「いいんかい……ん? どしたの」
乃木清和:「一応みんなに確認しておきたいんだけど、その記憶探索者の目的って何?」
”ブラック・ブロック”:「え」固まる「いや……わからん。全然わかんない。彼、皆のこと大好きだったし」
柳瀬順吾:「俺にはわかる。平和な日常の維持だ」
柳瀬順吾:「俺たちみたいなオーヴァードとつるまなくていいなら、それが一番」
柳瀬順吾:「わざわざ追ってくるようなカスどもは片づけてもらう。……俺なら絶対そうする」
エマ・カルナデス:「…………わざわざ私達を逃がしたうえで記憶を消す。まあ、妙ではある」
乃木清和:「見捨てられちゃったか。チョキンと」
”ブラック・ブロック”:でこぴんで柳瀬の額を弾く。
”ブラック・ブロック”:「それだけはない」
”ブラック・ブロック”:「そうしたいのって、少年の願望でしょ。”スカマンドロス”は、きみらのこと大好きだったよ」
柳瀬順吾:「いてっ。と、一応言っておく」
エマ・カルナデス:「そもそも、セルを壊滅させてまで私達を逃がさなければ、彼が追われるような恨みも買わない」
柳瀬順吾:「俺もたぶん好きだったよ、”スカマンドロス”。覚えてないけど、たぶんな。そうじゃなきゃ脱走してない」
柳瀬順吾:「だから、『俺なら』どうするかだよ。関わらないのが一番いい。本当は、接触だってしない方がいいんだろうけどね」
エマ・カルナデス:「……まあ、ブラックブロックの言葉を信じるなら、だけど」
エマ・カルナデス:「貴女もそう言う記憶を植え付けられているだけ、という可能性もいちおうある」
”ブラック・ブロック”:「関わらないのが一番いい、か」溜息を吐く。「ほんとの平和って、そういうもんかもね」
”ブラック・ブロック”:「こっちの改竄も疑いはしたけどさ……たぶん意味ないよ」
”ブラック・ブロック”:頭を指さす。「何回も挿げ替えてるもん。脳味噌ここ
GM:”ブラック・ブロック”。生殖細胞のキュマイラ。
GM:オーヴァードとしての能力は、分体の生成と取捨選択。
GM:記憶という概念の連続性が脳に基づくものである以上、それを生成保存する臓器を入れ替えた時、記憶の干渉は果たして起こり得るのか?
”ブラック・ブロック”:「『脱出派』は、当時から計画の中でも立場が弱かった。……この先を知っているとすれば、『確保派』の連中だ」
”ブラック・ブロック”:「『アウトカスト』。連中なら、”スカマンドロス”の行方も掴んでるかも」
エマ・カルナデス:「……はぁ。そうなると、まずは彼等をどうにかする所からか」
乃木清和:「結局そこに返ってくるか。シンプルなのはいいね」
柳瀬順吾:「本当にシンプルか~? 警察に通報してお願いってのとはワケが違うぜ……」
柳瀬順吾:「でもまあ、やるしかねえんだよな」
”ブラック・ブロック”:「そういうこと。お姉さんならいつでも訓練に付き合ったげるからさ」
”ブラック・ブロック”:「自慢じゃないけど、結構いい練習相手になると思うよ。一緒に『アウトカスト』の連中、やっちゃおうぜ」
エマ・カルナデス:「情報提供、ありがとう。見合うだけはひっかき回してくる」
乃木清和:「やる相手が一つだってんだから、シンプルでしょ…」
柳瀬順吾:「乃木チャン、これでトップクラスに武闘派なんだよなあ」
乃木清和:「血の気が多くて悪かったな。付き合えよ、柳瀬」
柳瀬順吾:「ま、”二人”がいてくれりゃ心強い。もちろん付き合いますよ。追い詰めるか……『アウトカスト』」
エマ・カルナデス:やれやれ、と首を振る。
エマ・カルナデス:「二人とも、現場では前に出すぎないこと。受けるのは私の仕事だから」

INFO:”ブラック・ブロック”のアライアンスlvが「2」に上昇しました(上限)。
INFO:→「コネ:熱心なファン」を獲得しました。(★☆)
INFO:→「お姉さんがコーチングしたげる」が発動しました。

「制限:80%」までのエフェクトの最大レベルを上限を超えて「1」上昇できる。

INFO:→「『ピパ・ソング』の特別教練課程」

「制限:100%」までのエフェクトの最大レベルを、上限を超えてさらに「1」上昇できる(★★)。

「平和主義者の歌」:シナリオ1回。ロールプレイ中に発動できる。特定のエキストラを『ピパ・ソング』が保護する。(★★)

「ウワサ:『トラス4』計画出資記録(黒)」
・『トラス4』計画に出資していたセルのうち、『確保派』セルの末路は様々だった。
事故の処理によって深刻な損耗を強いられ、他セルに吸収されたもの。
占有していた実験結果を転売し、新たな計画を実施するもの。
そして、出資の”償却”を求め、今なお実験体を追い続けているもの。
特に、少年兵調製セル『アウトカスト』は、実験体確保を目論む勢力の最先鋒に位置していた。
彼らの狙いは、至って凡庸な、”戦力”としての『トラス4』吸収だと予想される。

ウワサ:「『シナリオDS-52:記憶破綻インシデント』(青)」(★★)
『トラス4』凍結時の事故については、大半の情報が錯綜、または散逸している。
それは実験体であった『トラス4』部隊員についても例外ではない。
しかしながら、『脱出派』であった『ピパ・ソング』セルは、『トラス4』の知り得ない情報を所有している。
それはすなわち、”脱出を手引きした者”の記録だ。
”スカマンドロス”三上宗助。『記憶探索者』である彼が、『トラス4』脱走計画の主犯だったことは間違いない。
例え『トラス4』がその存在を記憶していなくとも。
この先の情報は、当時『確保派』に所属していた勢力でなければ知りえないだろう。

【ALLIANCE08】龍神貴好

8月29日 15時24分/華吶町立寄咲大学 正門付近

GM:『アウトカスト』との邂逅から2日が経ったが、世間はきみの疑念や不安など考慮せずに回っていた。
GM:大学では相変わらず男女交際や楽な単位、残り少ない夏休みをどうするか、と言った”普通”の話が取り沙汰されている。
西舘雅也:「おい」「おいおいおいおい」
西舘雅也:「お前何したんだよ、タカ。最近めちゃくちゃモテ期来てない?」
GM:きみの傍に、カフェテリアのコーヒーをテイクアウトした西舘雅也が駆け寄ってくる。
龍神貴好:「あ?」「何だよそれ。変な噂でも流れてんの?」
西舘雅也:「何がウワサだよ。現物が来てんだよ、校門に!」
龍神貴好:「現物?」
西舘雅也:「シイハラ? って言ったかな……」
西舘雅也:「赤髪で猫背の、ちょっと緊張しいな子」
龍神貴好:「………」聞いたことがある。つい先日……
龍神貴好:「……僕に用なのか、その子が」
西舘雅也:頷く。「めちゃくちゃ血相変えてたぞ」
西舘雅也:「……え、別れ話?」
西舘雅也:「腹にジャンプとか挟んで行った方がいいよ。刺されるかもだし」
龍神貴好:「はは」「大丈夫だよ」
西舘雅也:「ならいいけど……あ、乃木師匠によろしく!!」
西舘雅也:「じゃ、俺演劇の授業あるから」
龍神貴好:「お、おう……(師匠……?)」
龍神貴好:「おー。行ってこい」
西舘雅也:西舘は去って行った。校門に向かおう……
龍神貴好:校門の方にぺたぺたと歩いていく。
龍神貴好:(適応できるもんだなあ)普通に歩けるようになったことについて
椎原瑠々:「あ……」正門前に、隠れるように立っていた。君を認めると、小さく会釈をする。
龍神貴好:「こんにちは。椎原さん、だったよな」
龍神貴好:こちらも頭部分を下げる。
椎原瑠々:びくり、と肩を震わせつつ。頷く。
椎原瑠々:「その……先日は、本当にすみませんでした。”お父さん”が……」
龍神貴好:「……ん……」
龍神貴好:「じゃあ、今日は内緒で来てる感じ?」
椎原瑠々:「はい」
龍神貴好:「そっか」
龍神貴好:「んー、とりあえず、ここだと目立つから」
龍神貴好:「移動しない?いいお店、知ってるんだ」

GM:椎原瑠々は、特に警戒をすることもなくきみに付いてきた。
GM:奇妙に浮世離れしているような印象をきみは覚えるかもしれない。
GM:ありていに言ってしまえば、本人の年齢と、社会経験が乖離しているような……
龍神貴好:(……なんか)
龍神貴好:(あれだよな……僕が一時期登校拒否になった時みたいな)
龍神貴好:(頑張って外に出てきてる感じ)
椎原瑠々:「あっ……あはは。か、かっこいいお店知ってるんですね」
椎原瑠々:「すごいな、私、こんなの全然知らなくて……ダメですよね、えへへ……」
龍神貴好:「うん。友達に教えてもらって」
龍神貴好:「いや……別に知らないからダメってことはないだろ」
椎原瑠々:「友達……」
椎原瑠々:「あっ、ごめんなさい。ごめんなさい、怒らせちゃって……!」
龍神貴好:「えっ」
椎原瑠々:「えっ えっ?」
龍神貴好:「怒ってない、怒ってないぞ」
椎原瑠々:「あ……」
椎原瑠々:「わァ……」
GM:泣きだした椎原瑠々を何とかなだめ、『Club Malbolge』へと足を運んだ……
龍神貴好:「うーん……やっぱり”家”ではすぐ怒られたりしてんの」
龍神貴好:などと宥めすかしつつ
GM:…………
………
……

8月29日 16時02分/ジャズバー『Club Malbolge』

GM:店内にはそれほど客は多くない。
GM:アイドリングの時間ということもあってか、フードは提供されておらず、ドリンクと乾き物だけのメニューとなっていた。
GM:演奏家もこの時間ではまだ来ておらず、少し閑散とした印象を受けるが……
椎原瑠々:「……落ち着きます。すごく……」
椎原瑠々:椎原瑠々には、それがかえって気持ちを休める要因になったようだった。
龍神貴好:「よかった」
”ブラック・ブロック”:「あ~、お客さん? 新入りクン」頼んだドリンクを持ってやって来る。
龍神貴好:「あ、ども」軽く頭を下げる。
”ブラック・ブロック”:「女の子をとっかえひっかえしてるって聞いたよ~。こりゃ”敵”かな?」
椎原瑠々:「えっ」「あっ」
龍神貴好:「してないしてない!」
椎原瑠々:「ひ、ひええ……」
”ブラック・ブロック”:「お姉さんは好きだよ~、そういうの!」爆笑しながら去っていく。
龍神貴好:「ったく……あ、今の冗談みたいなもんだと思うから」
椎原瑠々:「あっ、冗談……冗談ですか!? 今の!そうですよね!」
龍神貴好:「そうだよ!僕にはちゃんと彼女がいてずっと一筋なんだ」
龍神貴好:「そんなに人を誤解させてるのか僕は……」
椎原瑠々:「いいなあ……普通の恋愛……」
龍神貴好:「ん……」
龍神貴好:「やっぱ自由恋愛とかは難しいのか」
龍神貴好:「”お父さん”が厳しい?」
椎原瑠々:「え、へへへ……」
椎原瑠々:「……13歳の時から、たぶん、誘拐、されてて」
龍神貴好:「誘拐」
椎原瑠々:「もともと、ちょっと変な力はあったんです」
龍神貴好:「ああ……オーヴァードってやつか……」
椎原瑠々:「家の蔵にある、魔法少女のステッキみたいなので遊んでたら……テレビとか、ゲームの画面に入れるようになっちゃって」頷き、両手でお冷を飲む。
龍神貴好:「へえ、すごいなそりゃ。色んな人が憧れる話じゃん」
椎原瑠々:「多分今思うと、レネゲイドの、道具とかだったんだと思います。とにかく……凄く調子に乗っちゃって」
椎原瑠々:「ほんとに、いろんなことができたんです」
龍神貴好:「うん」
椎原瑠々:「パソコンの間でやり取りされてるメールとか、データとかを、えいやって掴んで。そのまま自分のパソコンに持って帰ったり」
椎原瑠々:「テレビとかの映像をくしゃくしゃに丸めて、他の媒体に移し替えたり……魔法みたいですよね?」
龍神貴好:「すごいな……サイバーパンクだ」
龍神貴好:「ああ」「魔法だ」
椎原瑠々:「自慢したくて、配信活動とかも始めちゃったんですよ」少し表情が柔らかくなる。
龍神貴好:「配信活動………あ!」
椎原瑠々:「Vtuberが流行り始めてた時期だったので……私も見様見真似で、アバターとか安物で作って……」
椎原瑠々:「……どうしたんですか?」
龍神貴好:「違ってたらごめん。もしかして電海オワリって子?」
椎原瑠々:「え!?何でわかったんですか!?もしかしてリスナーさん!?!?!?」
椎原瑠々:がばりと身を乗り出す。
龍神貴好:「えっと、ごめん、普段から聞いてるわけじゃなくって」
椎原瑠々:「嘘嘘!身バレしちゃったけど……めっちゃ嬉しいかも……」「……あっ」
龍神貴好:「ローンマートのさ。事件の」
龍神貴好:少し慎重に言葉を選ぼうとする。できるだけ、柔らかく。
椎原瑠々:「そう」「ですよね」乾いた笑い。「ごめんなさい。私、加害者なのに。はしゃいじゃった」
椎原瑠々:「……配信活動やってたら、東京の事務所からメールが来て。スカウトしたいって」
椎原瑠々:「私も、自分のこと、すごいって思えたんですよ。ぜんぜん、取柄とかなかったし」
龍神貴好:「……いや、なんていうか、すごいなって、思って」
龍神貴好:「『魔法』が使えたってことは、あの映像も君が見つけたんだろ」
椎原瑠々:頷く。「そうです。お父さんに言われて、私がサーバーから抜き取りました」
龍神貴好:「すごいのは間違いない」
龍神貴好:「僕たちとしては、そりゃ困ったし、僕も結構恥ずかしかったけど」
椎原瑠々:「……やめてください。ヤクザの人とか、裏のよくわからないサイトとかに、あの映像を流して、賞金をかけたのも私たちです」
龍神貴好:「………ん」
椎原瑠々:「あんなメールなんて信じるんじゃなかったな。全部ウソでした」
椎原瑠々:「いきなり力を使わないと地元のお父さんとお母さんを殺すって言われて」
椎原瑠々:「お父さんの、命令するとおりに……色んなデータを、沢山抜き取ったり、握りつぶしたりして」
椎原瑠々:「その間にも、どんどん人が……死……死んで、ははっ」
龍神貴好:「椎原さん」
椎原瑠々:呼吸が荒くなる。胸を抑える。
龍神貴好:少し躊躇いながら、背をさする。
龍神貴好:棒のような腕だ。
椎原瑠々:「ぜ、ぜほっ、ひゅっ……お、”お父さん”は悪いけどっ」
椎原瑠々:「私っ、私だって、人殺しだっ」
椎原瑠々:「……だから……ひゅっ、ひっ」
椎原瑠々:「殺して欲しいって」
椎原瑠々:「お願いを、しに来ました」
龍神貴好:「息……息をゆっくり、するんだ」
龍神貴好:「……きみは自分のこと加害者だって言ったけど」
龍神貴好:「きみだって被害者だろ」
椎原瑠々:背をさする調子に合わせて、段々と呼吸が深くなる。
龍神貴好:「あのクソ親父がきみを拉致って、脅して……」
龍神貴好:「情状酌量の余地は全然ある」
椎原瑠々:「……一番好きだったもので、リスナーさんのことだって、騙してるんです」
龍神貴好:「きみはそれをしたくてやってるわけじゃないんだろ」
椎原瑠々:「デマをバラ撒いてお金を取ったり、コラボ配信って言って……若い子騙して、拉致の手伝いさせられたり……」嗚咽が混じる。
椎原瑠々:「もう、やだよ……!」
椎原瑠々:「やりたくない!やりたくないよ!」
龍神貴好:「……うん」
龍神貴好:「だよな。そうだよな」
龍神貴好:「……きみのこと、みんなにお願いしてみるよ」
椎原瑠々:ぐしゃりと表情が歪む。
椎原瑠々:「わ、わたしっ、あなたのこと……陥れようとしたっ、のに」
龍神貴好:「だって、好きでやってるわけじゃないんだろ」
椎原瑠々:こくこく、と頷く。
龍神貴好:「命令されてやってんだったら、きみを憎むのはお門違いだ」
椎原瑠々:「お父さんが……数年前、あの結晶の化け物を連れて来て……」
龍神貴好:「数年前……」
椎原瑠々:「今回沢山化け物を生み出したのも、『トラス4』って、お父さんの昔の子供たちを……」
椎原瑠々:「あなたたちを、対処させて、おびき寄せるためだって言って……ました」
龍神貴好:「街を守るなら、まあ、動くしかないよな」
龍神貴好:「……ひっでえ奴」
椎原瑠々:「私も、調べてみます。『トラス4』のこと……」
椎原瑠々:「多分、お父さんがデータとか、持ってると思うので」
龍神貴好:「……そっか。気をつけてくれよ」
椎原瑠々:頷く。「……あなたみたいな人たち、本当にいるんですね」
椎原瑠々:「『アナーキー』。噂くらいにしか聞いてなかったけど……」
龍神貴好:「僕もきみが何とかあいつの支配から逃れられるように、考えるから」
椎原瑠々:「……ありがとうございます。……信じます」
椎原瑠々:「じゃ、じゃあ……」
龍神貴好:頷く。
椎原瑠々:「――さ、さよならディ~~プ!!」
椎原瑠々:「……」
龍神貴好:「……ふふ」
龍神貴好:「いいじゃん」
椎原瑠々:「はっ、配信!見て下さいね!あっ、でも……今は見ない方が良いのかも」
龍神貴好:「色々落ち着いてからがいいかもな」
龍神貴好:「そしたら、見にいくから」
椎原瑠々:「はい……約束です!」
椎原瑠々:頭を下げ、椎原瑠々は小走りで去って行った。
龍神貴好:「………」
龍神貴好:「無事でいろよな」
椎原瑠々:机にはくしゃくしゃの五千円札が置かれている。
椎原瑠々:財布なども持たされていなかったのだろう。恐らく、身一つできみに会いに来たようだ。
龍神貴好:「……」
龍神貴好:携帯端末を身体から取り出して、苦心してメールを打つ。
龍神貴好:宛先はエマ・カルデナス。
龍神貴好:『椎原瑠々と会った。抜け出したがっている。協力したい』
龍神貴好:少し高い椅子に腰掛け、少しずつドリンクを体内に取り込みながら
龍神貴好:彼女の無事をもう一度祈った。

【件名】:リスナーちゃんにおくりもの♡

こんばんディ~~~プ!!!電海オワリだょ!!
早速だけど、龍神くんに頼まれてた例のブツ……
ご主人様のために掘り出しておきました♡
トラス4の皆がリスナーになってくれるの、待ってるぜ!
ガッツだぜ!パワフル魂!イェイ!

【添付ファイルが2件あります】
[侵蝕エントロピー指向性同定カウンセリング#22.mp4]
[侵蝕エントロピー指向性同定カウンセリング#37.mp4]



P.S:助けてくれるって言ってくれて嬉しかったです。

INFO:椎原瑠々のアライアンスlvが「1」に上昇しました。
INFO:→「コネ:インフルエンサー」を獲得しました(★☆)。
INFO:→「deep w@ve dive」が発動しました。/”『トラス4』映像記録”を入手しました(★☆)。

 『トラス4映像記録』/種別:一般
サルベージされた『トラス4』の映像記録。 
「侵蝕エントロピー指向性同定カウンセリング#22」「同#37」 
の2本の映像が収録されている。 
視聴すれば、エマ・カルナデスと柳瀬順吾の記憶の欠落部分を補えるはずだ。 
「■推理」シーンで再生できる。

「ウワサ:201■年 7月14日 椎原瑠々ちゃん(13)失踪事件(黒)」
椎原瑠々は『アウトカスト』により誘拐され、調整を受けたFHチルドレンである。
インターネット上での活動名義は『電海オワリ』。
彼女は体内に寄生したオリジン:サイバーのレネゲイドビーイング能力により、
瑛・A・アヴァスを上回るほどの、直感的な電子戦能力を獲得していた。
現在彼女は市外に暮らす家族を人質に取られ、『アウトカスト』の情報収集・集金要員としての活動を強いられている。
だが同時に、彼女との接触は、『アウトカスト』の持つ『トラス4』の情報を探る絶好のチャンスかもしれない。

【ALLIANCE11】乃木清和

エマ・カルナデス:侵蝕1を支払って70に。

8月29日 19時11分/ジャズバー『Club Malbolge』従業員室

GM:龍神貴好からの情報共有を受けたエマ・カルナデスの行動は迅速だった。
GM:その日のうちに、『トラス4』の各員には連絡が行き渡ることとなり、すぐに乃木清和の所にも着信が来る。
GM:瑛・A・アヴァスがダウンロードした秘匿通話アプリ。アカウント名は『Strawman』。
Strawman:『ノギ。新入りからちょっとインシデントが発生した』
乃木清和:「そりゃすばらしい。ハッピーな方?」店内裏口。路地の片隅にいる。
Strawman:『本来なら例のハッカーを警戒して実際に会って伝える話。ハッピーかは半々』
Strawman:『その電子戦能力者の身柄が判明した。名前は椎原瑠々』
乃木清和:「ってことはよっぽど緊急か、そのハッカーを警戒する必要がないかのどっちか…おや」
乃木清和:「両方だ」
Strawman:『彼女は本物の家族を人質に取られ、不本意にかとつの軒先に協力させられている』
Strawman:『龍神リュージンが離脱の意思と、協力を引き出した。だから、リスクと成果でハッピーかは半々』
乃木清和:「そうだね。シリアスだ」
Strawman:『取り急ぎ、情報を共有した。また全体で集まった時に方針を決定したい』
Strawman:『以上、よろしく』
乃木清和:「わかった、連絡ありがとう。…ねえ、リーダー」
Strawman:『なに?』
乃木清和:「子どもが巻き込まれていることに、あなたが責任を感じる必要はない」
乃木清和:「無責任な私からのアドバイス」
Strawman:何かを入力しては消し、メッセージ下段に入力中の表示が踊る。
Strawman:『ありがとう。大丈夫』
乃木清和:宵闇、ブルーライトに照らされて、楽しそうにそれを眺める表情がかすか。
乃木清和:「オーケイ。そういうことにしてあげよう」と、それは告げずにスタンプだけ返す。
乃木清和:端末をポケットにねじこみ、ホールへと戻る。
GM:事態は『トラス4』の思惑を超え、『アウトカスト』による一方的な追撃へと形を変えつつあった。
GM:だが一方で、『トラス4』の自警活動により、”アモルファスβ”が一掃されたことも事実だ。
GM:瑛・A・アヴァスの話では、行方不明事件や傷害事件の数は減少の一途をたどっていた。
GM:つまり、『アウトカスト』は……『トラス4』確保のために、あれほどのリソースを費やしたことになる。
GM:運用できるリソースの差で、『トラス4』は明らかに『アウトカスト』の後塵を拝している。この状況を打破するには、第三勢力の介入が必要だ。
”ブラック・ブロック”:「や、清和ちゃん」シーシャスペースで煙を吹かしていた”ブラック・ブロック”が、君に声をかける。
乃木清和:「いらっしゃ~い。今日もひとり?」
”ブラック・ブロック”:「そだねえ。静かに飲もうと思ってたら、伝言頼まれちゃった」
”ブラック・ブロック”:「バースペースにお客さんが来てるって。”元カレ”って言えば解るって言ってたよ」
乃木清和:「……はあ?」
”ブラック・ブロック”:「チラっと見たけど中々イケメンじゃんさ。30代くらいのダンディな……」
乃木清和:「マスターか…! やめやめ、内緒にしてるんだから。誰にも言わないって約束したんだよ」
乃木清和:「あとで奢ってあげるから。またね、お姉さん」
”ブラック・ブロック”:「あんまり”面倒事”にならないように、気をつけなよ」とん、と背中を突く。
乃木清和:「まったくだ。どうも」
乃木清和:肩をすくめるようにして返し、バースペースの方へ向かいましょう。
坂城只人:辺りを見回すと、バースペースに一人佇む男性が、軽く手を上げる。
坂城只人:「マスター。彼女にシェリーを」
乃木清和:「え、いいの?」
坂城只人:「私なりのねぎらいです。今回の任務、あなたには随分無理をさせてしまいましたから」
乃木清和:「わざわざ顔を見せるんだから本当にそう思ってるんでしょうね…」
GM:……『トラス4』を取り巻くこの状況を打破するには、第三勢力の介入が必要だ。
GM:”ピパ・ソング”。市内にうずまくフリーランスのオーヴァード。あるいは……UGN七咲支部。
GM:捜査員に対する最大の”ねぎらい”とは、つまり任務の終了時期の通達だ。
GM:”リセ”は華吶町地域における最終的な作戦行動を決定しつつある。この場に顔を見せたことから、きみにもそれがわかる。
坂城只人:「どうですか? 『トラス4』の状況は」
乃木清和:「逆に聞きたいけど」
乃木清和:「そこまで詰んでる?」
坂城只人:にこやかに微笑む。「あなたたちだけが生き延びられるかという観点で言えば、何も問題はありません」
坂城只人:「今すぐにでも『アウトカスト』を特定し、総攻撃をかければいい。『トラス4』の戦力なら、作戦の実行自体は充分可能でしょう」
坂城只人:「彼らトラス4の戦力同定についても、”バニティ”からは申し分ないデータが送られていますから」
乃木清和:「ただ生き延びられるだけじゃ“リセ”は困る。まあ、胡散臭いモキュメンタリーみたいな動画も出回っちゃったしな」
坂城只人:「そういうことです。私たちの目的は、一般人の保護と秩序の維持」
坂城只人:「攻撃をかけられた『アウトカスト』は、正面から『トラス4』と戦うでしょうか?」
坂城只人:「既に若年層コミュニティに浸透し、少年兵として略取を繰り返しているセルが」
乃木清和:「う~ん。私だったら少年兵を囮に使ってとんずらするかな…」
坂城只人:「悪くない作戦ですね」
乃木清和:「でも、リセ。そうは言っても。今更UGNが介入しても、何の面目も立たないじゃない」
乃木清和:「一般人の保護も秩序の維持も何もできてない。ヒーローが遅れて登場するにしても遅すぎる」
坂城只人:「そうでしょうか? 『アウトカスト』はいま、姿を現しています」
坂城只人:「最初にお伝えしましたが、あなたの任務は『トラス4』の現況を大きく変え得る要因の排除」
坂城只人:「『アウトカスト』はまさに剪定すべき害虫です。ですがあなた方という花によって、その隠れ蓑を自ら脱ぎ捨てた」
乃木清和:「あなたがトラス4に期待していた役割はもう十分果たされたってこと?」
坂城只人:頷く。「彼らは充分、華吶町の”アナーキー”としての役割を果たしました」
坂城只人:「アモルファスβの掃討活動。市内のオーヴァードコミュニティの特定。『アウトカスト』の釣り出し役」
坂城只人:「期待以上の成果です。”バニティ”。あなたの任務は、完璧でした」
乃木清和:「ああ、そう…」カクテルグラスを口元に運ぶ。「てっきり私は…この任務は、もっと長期的なものかと」
乃木清和:「しばらくトラス4に華を持たせて、何か大きな悪意を釣るのかと…、そうじゃないね。そうじゃない。あなたの目的は最初から『アウトカスト』だった」
坂城只人:「一般人に犠牲を出した我々の役割は、完璧な後始末・・・です。」
坂城只人:「あなたには、そちらの作戦に合流して貰いたい」
坂城只人:「――即応牽引カテゴリ『B2*ベニー・ベニー』」
坂城只人:「私の部隊です。あとは、あなたも含めた彼らがまとめて害虫どもを剪定する」
乃木清和:「それって、どんな『めでたしめでたし』が用意されてるの?」
坂城只人:「この任務が終わった後、『トラス4』はあなたをパイプとして、華吶町のUGNイリーガルとして活動を再開する」
坂城只人:「表面上はUGNに属さず、しかし連帯する”アナーキー”として……」
坂城只人:「”バニティ”が『トラス4』と合流するのは恐らく難しいと思いますが……まあ、そこはいいでしょう」
乃木清和:「ははは。まあいっか」
坂城只人:「ええ。まさか」
乃木清和:「分かってるよ。その状況で、まさか私が喜んで合流するはずはないからね」
坂城只人:「……『トラス4』のことは諦めてください」
乃木清和:「違うよ。“リセ”。私が言いたいのは…」
坂城只人:静かにグラスを傾ける。
乃木清和:「…いや、ずっと同じだな。私達がヒーローになるには、この街はもう遅すぎる」
坂城只人:「……我々は裏切者ですよ。英雄になどなれない」
坂城只人:「そう思っていた子供は、みな死にました」
坂城只人:「ですから、今はこれでいい。今は」
乃木清和:「……じゃあひとつ?」
坂城只人:「ええ、もちろん。”バニティ”。あなたには、大人としての……理性ある行動を期待していますから」
乃木清和:「たくさんの子どもが巻き込まれていることを、あなたは悲しんでいるんだろうね」
坂城只人:「ははは」
乃木清和:「ふふふ。まさか」
乃木清和:「理性ある大人ならきっと…ああ、どうだろう? 分かんないな、私には」
坂城只人:「何とも、やり辛い部下を持ってしまいました」
乃木清和:「それは何より。期待されないくらいがちょうどいいから」
坂城只人:「……あなたのような人間は、私にはうまく扱えないかもしれません」
GM:数々のイリーガルを運用してきた”リセ”のその一言は、明らかに偽りだ。
GM:あるいは、何かを試されていると感じるかもしれない。それは果たして、組織に対しての忠誠だけ・・なのだろうか?
GM:あなたには解る。”リセ”は、あなたに微かな期待をしている。
乃木清和:「やめてよ。UGNエージェントらしくはないかもしれないけどさ」
乃木清和:「私だって私なりに平和が好きよ」
坂城只人:「……なら、不出来な部下に作戦の通達をしておきましょうか。まずは椎原瑠々の確保が絶対条件です」
坂城只人:「優秀な情報改竄能力者の存在は、作戦の勝利条件を変更してしまう。よって、彼女はこちらで軟禁します」
坂城只人:「『トラス4』に保護を求めていると聞きましたが……リスクは徹底的に排除すべきだ」
坂城只人:「私に言わせれば、平和とはそういうものです」
坂城只人:「不確定な切り札などはいらない」
乃木清和:「分かった、秩序ってやつだ…他には?」
坂城只人:「作戦にはいま少し、猶予があります。『B2*』への合流の可否は、作戦開始時に通達していただければ」
乃木清和:「は~い」
坂城只人:グラスを静かに置き、席を立つ。会計はきみの分もまとめて、既に済ませていたようだ。
乃木清和:「……もう一人の捜査官はどう思ってんだろうな~」
乃木清和:「まったく。こりゃ嫌われるわ、ほんと…」自虐も含めてぼやく。
GM:店には軽快なジャズの音色が流れている。曲目はジャック・スタバーズ、『裏切者のテーマ』。

INFO:坂城只人のアライアンスlvが「1」に上昇しました。
INFO:→「コネ:UGN幹部」を獲得しました。(★☆) 
→「交渉も戦術です」が発動しました。(★☆)

シナリオ一回。特定のアライアンスのlvを、即座に「上限まで」上昇させる。

GM:→「ウワサ:『アウトカスト』撃滅作戦(赤)」(★☆)を入手しました。

「ウワサ:『アウトカスト』撃滅作戦(赤)」(★☆)
・UGN七咲支部長”リセ”の狙いは、最初から『アウトカスト』セルの撃滅にあった。
『トラス4』の存在を餌として、『アウトカスト』セルを確実におびき寄せる。
”シャブダ・ベディ”による妨害工作は、『アウトカスト』の戦力拡充を中断し、
彼らに『トラス4』実験体の確保を急がせる意図さえあったはずだ。

INFO:※「『アウトカスト』撃滅作戦(赤)」を入手したため、「???」アライアンスの進行条件が緩和されました。
INFO:以降、「■自警活動」前に「誰でも」可能になります。

GM:ロイスの取得・購入が可能です。
龍神貴好:ろいほ
柳瀬順吾:ロイス保留で…応急手当キットを狙う
龍神貴好:ブルーゲイルでもとっとこかな
乃木清和:エマリーダーに取りましょう 誠意:〇/庇護/ロイス
エマ・カルナデス:ロイス枠残数なし。応急手当キットかな。
柳瀬順吾:3dx>=8
DoubleCross : (3DX10>=8) → 7[2,4,7] → 7 → 失敗

龍神貴好:4dx+1>=20
DoubleCross : (4DX10+1>=20) → 9[1,2,7,9]+1 → 10 → 失敗

柳瀬順吾:ダメ~!以上!
龍神貴好:だめか。以上!
エマ・カルナデス:5DX>=8
DoubleCross : (5DX10>=8) → 8[4,5,6,7,8] → 8 → 成功

乃木清和:応急手当キット取ってリーダーにあげるか
エマ・カルナデス:よし、自分に使用。まだ35点ぐらいダメージが残ってる。
エマ・カルナデス:2D10+61
DoubleCross : (2D10+61) → 7[6,1]+61 → 68

乃木清和:4dx+1>=8
DoubleCross : (4DX10+1>=8) → 10[4,5,6,10]+5[5]+1 → 16 → 成功

乃木清和:すごいの買えた これもあげる~~
GM:乃木さんの応急手当が……リーダーに……!?
エマ・カルナデス:すごくいいキット。大事に使う。
エマ・カルナデス:2D10+68
DoubleCross : (2D10+68) → 2[1,1]+68 → 70

GM:?
エマ・カルナデス:……ごめん
龍神貴好:??
乃木清和:一体なにが…
GM:ドラマCDで見れるらしいですよ この幕間が

【ALLIANCE MOVE08】

INFO:→[WARNING!!]
INFO:→「椎原瑠々」のアライアンスが凍結されました。
TIPS:アライアンスの「凍結」について説明します。
TIPS:ストーリーの進行上、ロールによってはアライアンスが「凍結」されることがあります。
TIPS:これはアライアンス相手が何らかのトラブルに陥るか、あるいは接触を拒否している時に発動する状態です。
TIPS:この状態に陥ったアライアンスは、接触や訪問ができず、アライアンスのlvも上昇できません。
TIPS:解除するには特定のアライアンスの効果によって、アライアンス相手を「ビデオショップ」に呼び出すことが必要です。
TIPS:もしくは、ストーリーを進行させることによってもアライアンスに変化があるかも知れませんが……必ずしも望ましい方向とは限らないでしょう。
GM:現在の項目はこちらです。

【KATOTSU CITY ALLIANCE MAP】

・『華吶町一番街』
⇒[COMPLETE!]

・『華吶町立寄咲大学』
⇒[OPEN]図書室:???(☆)〈意志〉で7

・『Club Malebolge』
⇒[OPEN]バースペース:坂城只人(★☆)情報:UGNで7/⚠乃木清和のみ進行可能
⇒[FREEZE!]ダンスホール:椎原瑠々(★☆)〈交渉〉で6

■自警活動
[EMPTY]。「■推理」で新たな項目を生成できる。

■推理
・侵蝕「1」でいつでも、何度でも登場可能。情報を整理・統合し、新たな行動を提案できる。
絆レベルを上げきったアライアンスに訪問することも可能。

龍神貴好:よし、ここであえての日常生活!
龍神貴好:龍神貴好の侵蝕率を1増加(99 → 100)
乃木清和:出ます!
乃木清和:乃木清和の侵蝕率を1増加(92 → 93)
柳瀬順吾:精神高いから普通に出て「???」行こうかな
GM:!
柳瀬順吾:いや、侵食率の低いリーダーに任せたほうがいいか…
柳瀬順吾:日常生活するぞ!
Strawman:じゃあ、そこに出よう。
柳瀬順吾:侵蝕81→82
エマ・カルナデス:1d10+70
DoubleCross : (1D10+70) → 10[10]+70 → 80

エマ・カルナデス:いっきにならんだ
エマ・カルナデス:とりあえず判定…
エマ・カルナデス:4dx+2
DoubleCross : (4DX10+2) → 8[2,5,7,8]+2 → 10

エマ・カルナデス:成功。なんとかなった。
GM:OK!(ズドン)
GM:では……エマアライアンスと、日常生活組ですね。
GM:では最初に……日常生活のロールからやっていきましょうか
龍神貴好:やたー!
乃木清和:うおー!
柳瀬順吾:Say yes

【DAYLIFE02】柳瀬順吾&龍神貴好&乃木清和

8月30日 12:34/華吶町一番街 ビデオショップ『Chill to Shift』

GM:その日は、ビデオショップにおいて柳瀬順吾の提案した『鑑賞会』が催されていた。

柳瀬順吾:――風が吹き荒れる荒野の中央で、巨大な異形の着ぐるみが4つ……対峙している。
柳瀬順吾:ミルメコレオ『ハハハ……お笑いだぜ。俺のやっていたことは、ぜんぶ無駄だったんだ……』
柳瀬順吾:ミルメコレオ『上半身はライオン。下半身はアリ。そうさ……俺は獣でもない! 虫でもない! ダブルクロス(裏切り者)なのさ!』
柳瀬順吾:メカしょうけら『やるしかないのか……』
柳瀬順吾:ミルメコレオ『ああ……』
柳瀬順吾:ドリルぬりかべ『ぬり…ぬり……』
柳瀬順吾:あぶらすまし『おれもいるぞ! ここにいるぞ! いまもいるぞぉーーっ!』
柳瀬順吾:ミルメコレオ『メカしょうけらあああああああああ!』 BLAM!BLAM!
柳瀬順吾:メカしょうけら『ミルメコレオ!!!!!』 BLATATATATATA!
柳瀬順吾:――その宿場町を後にした影は一つだけ。
柳瀬順吾:ほかの3つがどうなったのか、誰も知らない……。
柳瀬順吾:ただ、風だけが吹き荒れていた。
柳瀬順吾:FIN

柳瀬順吾:「……いや~~~~」
柳瀬順吾:「四鬼夜行リベンジ、名作だったね~」
柳瀬順吾:「映画って本当にいいものですね!」
瑛・A・アヴァス:意識を喪失している。
龍神貴好:「…………」無表情。表情を変える力がない。
乃木清和:スマートフォンをいじっている。
柳瀬順吾:「みんなはどの妖怪が好きだった? 俺はね、あぶらすまし!」
柳瀬順吾:「ミステリアスでいいよね」
龍神貴好:「あ、ああ」
龍神貴好:「ミステリアスでは、ある」
柳瀬順吾:「画面にほとんど出ないのにね」
柳瀬順吾:「これでみんなも、映画のすばらしさを理解できたと思う」
柳瀬順吾:「撮ろうぜ、映画! もしくは俺の映画に出資してもいいし!」
乃木清和:「あのさ……」
乃木清和:「今日は超名作を見せるって言ってたよね?」
柳瀬順吾:「言った!」
柳瀬順吾:「願いは叶ったかな?」
乃木清和:「どこがだァ~~~ッッ!」
柳瀬順吾:「メカしょうけらに拳銃の弾が当たった時の『キカーン!』って音声がすごいよかったよね」
柳瀬順吾:「効果音も口でいっちゃうんだ。しかも『効かん!』とかけてるんだ…って思って」
柳瀬順吾:「胸アツじゃない?」
龍神貴好:「あ、やっぱりそこそういう駄洒落だったんだ」
乃木清和:「ちょっと面白…じゃない!騙されるな!」
龍神貴好:「はっ……!?」
柳瀬順吾:「なんだよ~。みんなが派手でスカッとする映画に投票したから、チョイスしたんだぜ」
柳瀬順吾:「みんなはどういうのが好きなわけ?」
乃木清和:「有名人が出てくるやつ」
龍神貴好:「未来の機械がやってくるやつ」
柳瀬順吾:「そんなら猫型ロボットのアニメでも見ときなッ! 3Dもあるからドラ泣きしとけ!」
瑛・A・アヴァス:「うう……」目を覚ます。「おい……攻撃か? ここ数時間の記憶がないんだが」
瑛・A・アヴァス:「誰か状況を説明しろ」
乃木清和:「柳瀬がもっとたくさんのおすすめ映画を紹介してくれるって」
瑛・A・アヴァス:「…………」
瑛・A・アヴァス:「俺は飯を作って来る」
柳瀬順吾:「いっぱいあるよ~」
龍神貴好:「そう言えばお昼時か」
瑛・A・アヴァス:「柳瀬。お前もたまには手伝え」
瑛・A・アヴァス:「以前から思っていたが、お前の自炊の腕は絶望的だ。今日は徹底的に教育してやる」
柳瀬順吾:「しょうがね~な~」
柳瀬順吾:「タンドリーチキンがいいな! 俺、瑛クンのタンドリーチキン超好き」
柳瀬順吾:瑛に続いてキッチンへ向かう。
瑛・A・アヴァス:「カルナデスは外出するから要らんと言っていたが……おい!!その辺のものに触るんじゃない!!」
龍神貴好:「いってらー」
乃木清和:「てらしゃ~」
龍神貴好:「………」
瑛・A・アヴァス:「なぜ包丁を逆手で持つんだ!? ちょっと待て! ぬらりひょん型アサシンとは何だ!? ――」声が段々と小さくなっていく。
乃木清和:「は~、時間ムダにした」両手を上に向けて伸びをしている。
乃木清和:「でもムダなのがいいんだっていう……」「ん?」
龍神貴好:「確かにこの上ない無駄……はい?」
乃木清和:「そっちこそ。『乃木さんとふたりきりか…。気まずいな』って顔してない?」
龍神貴好:「えっ?そんな顔に見えるかな、これ」
龍神貴好:目や口をぱちぱち動かしている。
乃木清和:「違うよ、冗談」にやりとする。「私は龍神に聞きたいことあったけどね?」
龍神貴好:「あっ、そうなんだ。聞きたいこと?」
龍神貴好:少しだけ柔らかい表情に固定される。
乃木清和:「うん。ちゃんと生活できてるのかなって…それ・・で」
龍神貴好:「……あー、うーん」少し悩むようにうなり。
龍神貴好:フードが少しばかり深く被った状態になる。
龍神貴好:「なかなか、難しさを感じてる」
龍神貴好:「ここに来てる時はだいぶリラックスしてるけどさ」
龍神貴好:「怜の前とかだと緊張しっぱなし」
乃木清和:「素を晒せない…晒すわけにはいかないもんね。それって、関係が微妙にならない?」
乃木清和:「龍神のそういう緊張、気付くでしょ、あの彼女は」
龍神貴好:「……そうだな。気づいてると、思う」
龍神貴好:「疑問も持ってるだろうし。でもそれに目を瞑ってくれてるんだろうな」
乃木清和:「ふうん…。愛されてるから?」
龍神貴好:「そこに関しては、僕は自惚れることにしてる」
乃木清和:「アハハ! いいね。自信があるってことだ」
龍神貴好:「予定が空いてる時は家に来てくれるし」
龍神貴好:「大事にされてると、思う」
乃木清和:「あなたのその自惚れを」
乃木清和:「私たちは絆と称するんだよ。オーヴァードにはなくてはならないものだ……ね、龍神」
龍神貴好:「絆……」
龍神貴好:「ん」
乃木清和:「その絆によってあなたは人の外見を保っている。でも、私はこうも思うんだ…」
乃木清和:「化け物の姿であるあなたと、他の化け物になっちゃったやつらとの境界線は、どこにあるのかって」
龍神貴好:「それは……」
龍神貴好:「あの、ガラスの化け物たちのことか?」
龍神貴好:自分の見聞きした範囲でしか語れない。
乃木清和:「思い浮かべるのはそいつらでいい。ああいうのが、もっとたくさんいるってこと」
龍神貴好:「もっと」「たくさん……」
乃木清和:「つまり、なんていうかさ…。言葉を選ばずに言うと」
乃木清和:「いっそそちらに行ってしまった方が、楽になると思ったことはない?」「…私には、ときどきそう思える」
龍神貴好:「楽に……か」
龍神貴好:視線を乃木清和に合わせる。黒い瞬きをしない瞳が見つめている。
龍神貴好:「僕が、本当の姿になって、なにも気にせず、本能のままに動くとしたら」
龍神貴好:「そういうこと、考えないわけじゃないけど」
龍神貴好:「でもさ、それってなんていうか……」
龍神貴好:「人間だった時で言えば、裸になって酔っ払って暴れ回ってるような」
龍神貴好:「そんな感じなんだよな」
龍神貴好:「だから、まあ。楽かも知んないけど、嫌だな、って思う」
龍神貴好:「恥ずかしいんだよ。あれになるのは」
乃木清和:「………ふっ。…ふふふ……まあ、そりゃそうか」
乃木清和:「いいね、それ。理性だ…。理性ある子は言うことが違うね~、龍神!」
龍神貴好:「まあ。理性なくしちゃったらそりゃ……なんも気にしなくなっちゃうからな」
乃木清和:「だから龍神はやさしさで他人に手をさしのべることができるんだね…。分かった、分かってきた」
龍神貴好:首をこて、と傾ける。
龍神貴好:「もしかして思ってたよりずっと興味持たれてるのか、僕」
乃木清和:「やだな、ちゃんと心配してるんだよ? これでも」
乃木清和:「あと、私の能力…」目くばせ。
龍神貴好:「心配されてたんだ……あんまりそういうの気にしないタイプかと思ってた」
龍神貴好:「うん?あの影の?」
乃木清和:「うん。レネゲイドを食い荒らす能力は、いつでも野暮に他人の秘密を解くことができて」
乃木清和:「龍神のその仮面も、いつでも剥せる」
龍神貴好:全身に力が入る。
乃木清和:「嫌でしょ」
龍神貴好:「……ああ、嫌だ」
乃木清和:「その気持ちが大切。日常に返りたいならね」腰を上げる。
乃木清和:「荒崎ちゃんによろしく~」
龍神貴好:「今日はもう帰るのか?」
龍神貴好:「瑛さん、ご飯作ってるけど」
乃木清和:「も~、カッコつけさせてよ…」
龍神貴好:「時々、言われる」
乃木清和:「アハハ」
龍神貴好:「ふふ」
乃木清和:「じゃあ乗っからない。今日は帰る。瑛には謝っておいて」
龍神貴好:「わかった。怜にもよろしく言っとく」
乃木清和:「ど~も。じゃね」ウインクして、本当に店内から出ていく。
龍神貴好:「……」その姿を見送り、
龍神貴好:「日常に帰りたいなら、か……」
龍神貴好:フードを下ろす。表情は見えなくなる。
龍神貴好:「ずっと……思ってるよ」
GM:――どんがらがっしゃん!!
GM:乃木さんが帰ると同時に、キッチンから血まみれの柳瀬くんが転がり出て来る。
瑛・A・アヴァス:「おい……飯ができたぞ」
瑛・A・アヴァス:エプロンを着用したまま、ぼろぼろになっている瑛・A・アヴァスも姿を現す。……何があったのだろうか?
柳瀬順吾:「わかんない。けど……」
柳瀬順吾:「乃木チャンまたバイトか? 忙しいんだな、あいつもあいつで……」
柳瀬順吾:「冷凍しとくか~」
龍神貴好:「まあ、そんなとこ」
瑛・A・アヴァス:「ふざけるな!もう四人前作ってあるんだぞ!断りもせず帰るとはいい度胸だ……!」
龍神貴好:「謝っといてって言ってたぞ」
瑛・A・アヴァス:「仕方ない。余りはレモンと一緒に一晩寝かせて、サンドイッチ用に調整するか」
瑛・A・アヴァス:「バイト先で食べろと言っておけ。栄養不足で倒れられたらたまったもんじゃないんでな」
瑛・A・アヴァス:「おい龍神。お前もお前だ。新たに発見した好みの味付けがあるならすぐに俺に知らせろ」
龍神貴好:「あ、うん。鉛筆を削ったやつとか、割と行けることを発見した」
瑛・A・アヴァス:「ゴミを食べるな!!!!!!!!!!」
柳瀬順吾:「へへへへへへ!」
龍神貴好:「……善処するよ」

【ALLIANCE12】エマ・カルナデス

8月30日 11:12 / 華吶町立寄咲大学 第二講堂

GM:”アナーキー”としての活動は、通常のUGNやFHエージェントのそれと比してむしろ融通が効きにくい。
GM:通常組織の代理人エージェント少年兵チルドレンの場合、多かれ少なかれ、公権力に対するパイプを有する。
GM:しかい、無政府主義者アナーキーであるエマ・カルナデスたちに対しては、そのような後ろ盾など存在するべくもない。
エマ・カルナデス:(はぁ。……ハナブサの電子戦能力も、紙と鉛筆の出席簿相手には無力だし)
エマ・カルナデス:(この非常時に、単位のひとつやふたつなんて、気にしてる場合じゃないと思うんだけど)
GM:……きみはビデオ屋を『トラス4』の面々に任せ、自ら社会学総論Ⅰの授業に出席する必要があった。
穏やかな教授:「えー、じゃあ……今日は自警主義ヴィジランティズムの走りからですね」
穏やかな教授:「二年のほうでもよく取りざたされる内容だから、パワーポイントはしっかり保存しておくように。なんてね」
穏やかな教授:パワーポイントに、アメリカン・コミックのヒーローたちのイラストが映し出される。
エマ・カルナデス:脳内で独り言ちながら、飾り気のないノートにシャープペンを走らせる。
穏やかな教授:「簡単に自警主義を説明すると……」
穏やかな教授:「政府や軍隊、警察なんかの公権力に頼らず、自分たちで街を守ろう、という考え方のことですね」
穏やかな教授:「フランス革命のサン=キュロットなんかが代表例ですが、今の時代ではこういうヒーローの方がわかりやすいんじゃないでしょうか」
穏やかな教授:「こういう働きが行き過ぎると、政府なんていらない!という考え方の、無政府主義にも繋がっていくわけですが……」
エマ・カルナデス:(映画もよくやってるもんね。超能力で悪に立ち向かう、ヒーローたちの)
穏やかな教授:「ここで重要なのは、自警主義の背景への着目です」
穏やかな教授:「なぜ、”組織”が信用できないのか。なぜ、善意の市民が街を守る必要があるのか」
エマ・カルナデス:かりかりと要点を書き進めていていたペン先が、とん、とんと止まる。
穏やかな教授:「自警主義の発展の裏には往々にして、社会の変革と公権力への強い不信が抱き合わせで存在するものです」
穏やかな教授:「……そうですね。ええと……」出席アプリを見る。「ちょうどいい。誰か、この中で”組織や公権力が信用できない”って経験をした人はいますか?」
穏やかな教授:「警察にどうでもいい理由で呼び止められたとか、本当にこの政府の省庁はきちんと仕事をしているのかとか……」
エマ・カルナデス:(その問い方で手を挙げるの、中々勇気いるんじゃないかな……)
GM:ひそひそと苦笑と笑い声があがる。
穏やかな教授:「って言っても、言いづらいですよね。例えば私は、先日落とし物をしたときに警察の人にすごく冷たい対応をされちゃいました」
穏やかな教授:「そういう時に、やっぱり思うわけです。”自分がやった方がいいんじゃないか”とかね。」
穏やかな教授:「不信なんて大層な言葉じゃなくても、そういうことくらいは皆さんも考えるかもしれません」
エマ・カルナデス:自身にそう言った境遇の覚えはあるものの、まさか手を挙げて「悪の秘密結社に身体を改造されて人体実験に協力していました」とは言える筈もない。
穏やかな教授:「ですが、行動に移せる人は少ない。日本は一応福祉国家ですからね。先生も恩恵を受けてます」
穏やかな教授:「自警主義というのは、そういった枠組から一歩飛び出した考え方でもあり」
穏やかな教授:「政府によって保証された基本的な庇護権を放棄する代わりに、自己防衛という手段を通し、”自由”を獲得した人間、という見方もできるでしょう」
GM:穏やかだが熱の入った講義と共に、授業は進んでいく……
エマ・カルナデス:(……まあ、面白い授業かな)
エマ・カルナデス:自分の身の上があるからこそかもしれないが、日常生活にも予期せず得るものがあるのはいい事だと思う。多分。
GM:……授業が終わり、学生たちにはレポート課題が課された。テーマは、「”近代における自由”とは何かを論じよ」。
GM:図書室には近代人権学の参考図書がある。きみは蔵書を見繕おうと、席を立つ。
エマ・カルナデス:「こういうの、教授によっては自分の考えに近くないと採点低いって見たなあ」
エマ・カルナデス:少なくとも、あの教授は偏っているようには感じなかったが。書きあがったら、一度ノギあたりに添削をお願いしてもいいかもしれない。
エマ・カルナデス:そんな事を考えつつ、書架の間で目当ての本を探す。
陰気そうな青年:書架の向こう。整った顔立ちだが、陰気そうな青年が君を見つめていた。
エマ・カルナデス:「………」
陰気そうな青年:「アナーキー……”トラス4”のリーダーも、大学からの評価なんて気にするとはね」
エマ・カルナデス:本を定位置に戻して、書架の隙間を塞ぐ手前でぴた、と手を止める。
陰気そうな青年:「やっと接触できた。僕は”シャブダ・ベディ”」
陰気そうな青年:「もう知ってるかも知れないが、UGNという組織に所属している。きみたちには、個人的な忠告と依頼をしに来た」
エマ・カルナデス:「シャブ君。……そっちから接触してくるとは、少し驚き」
エマ・カルナデス:「誰も顔も名前も知らない、という触れ込みだった」
陰気そうな青年:「やれやれ。ノーマルどもの名づけのセンスには辟易するね……」
陰気そうな青年:芝居がかった仕草で、髪をいじる。
陰気そうな青年:「当然さ。僕たちオーヴァードは選ばれた人間だ……証拠を残さず立ち回るなんて、造作もない」
陰気そうな青年:「……気が利かないな。”立ち話もなんだし、座ったら?”くらい言ったらどう?」
エマ・カルナデス:「じゃあ、有能な"シャブダ・べディ"」
エマ・カルナデス:すっと本を持ってない方の手で、誰もいない机の方を指差す。
エマ・カルナデス:「図書室ではお喋りは望ましくない。もう少し小さな声で」
エマ・カルナデス:言って、今度こそ書架に本を戻し、そちらに向かう。
”シャブダ・ベディ”:「ふん」鼻を鳴らし、椅子にかける。片手にコーヒーを持っている。「随分日常生活に溶け込んでいるようだね」
エマ・カルナデス:「おかげさまで。此処はUGNの手入れも少ないから、潜り込むのは楽」
”シャブダ・ベディ”:「……単刀直入に言おう。椎原瑠々からは手を引け。彼女は僕たちが確保する」
エマ・カルナデス:「確保」
”シャブダ・ベディ”:「ああ。即応牽引カテゴリ『B2*ベニー・ベニー』」
エマ・カルナデス:机の上で、音なく指を上下させる。
”シャブダ・ベディ”:「本領は、敵地への速やかな侵入と、人員の確保・奪取さ。だから即応牽引が担当」
エマ・カルナデス:「依頼というのは、彼女への干渉をやめろという意味?」
”シャブダ・ベディ”:「きみがそういう解釈ならそれでいいんじゃない?」
”シャブダ・ベディ”:常に人を見下したような話し方だ。エマ・カルナデスでなければ、あるいは殴り合いになっていたかもしれない。
エマ・カルナデス:「随分適当な物言い。UGNの職員ってそういうものなの?」
”シャブダ・ベディ”:「クハッ! 勘違いしないでくれよ……僕は元FHだからね」
”シャブダ・ベディ”:「きみたちのお仲間ってやつさ。そうだな……」
”シャブダ・ベディ”:「昔、”シューラ・ヴァラ”ってエージェントがいた。聞いたことくらいはあるだろ?」
エマ・カルナデス:「ああ……離脱組ドロップアウトなのか。その名前を知らない奴はいないと思う」
”シャブダ・ベディ”:「”ディアボロス”と手を組んだ僕は、ジャーム化寸前でね」
”シャブダ・ベディ”:「あのまま殺されてても、誰も気にも留めなかっただろう。……だが、作戦当時に、あるイリーガルが僕の保護を直訴した」
”シャブダ・ベディ”:「そうして、”矢神秀人”という少年は、公的には死亡扱い」
”シャブダ・ベディ”:「訓練と調整を経て、今の支部長の元に復帰したってわけさ」
エマ・カルナデス:「…………そう。君はUGNに保護されたんだ」相槌と共に、自分たちの新たな仲間が加入した日のことを思い出す。
”シャブダ・ベディ”:「だが、僕の保護を提案したイリーガルはその後すぐに死んだよ。仲間を庇って、力を出し尽くして化け物になった」
”シャブダ・ベディ”:「裏切者を僕が殺してやったのさ。いい気味だろ?」
”シャブダ・ベディ”:「はは」
エマ・カルナデス:「コメントに困る」
エマ・カルナデス:「自己犠牲によって生かされた訳。与えて貰った余生はどんな気分?」
”シャブダ・ベディ”:「惨めだね」
”シャブダ・ベディ”:「僕は奴に勝ち逃げされたわけだ。……忘れたくても忘れられない」
”シャブダ・ベディ”:「だから、あいつが救うはずだったノーマルどもは全員僕が助けてやる」
”シャブダ・ベディ”:「……こっちの支部長に……”リセ”にその気がなくともね」
エマ・カルナデス:「そう。気は合わないけど、惨めなその気持ちは分かる」
エマ・カルナデス:「私の場合は、君ほど気持ちに整理を付けられていない。…と思う」
”シャブダ・ベディ”:「きみが? ……ああ。”実験体”か」
エマ・カルナデス:「…私の話はいい。それより、彼女の事」
エマ・カルナデス:「瑠々が協力させられている事情はUGN側で把握している?」
”シャブダ・ベディ”:「している。だからこそ、こちらで確保する必要がある」
”シャブダ・ベディ”:「きみ、『アウトカスト』を壊滅させたとして、その後彼女がまともに生きていけると本気で思うのかい?」
エマ・カルナデス:「………」沈黙する。
”シャブダ・ベディ”:「誰が何と言おうと、既に彼女は”実行犯”だ」
”シャブダ・ベディ”:「その償いのために、UGNに所属させる。……もちろん、相応の罰は受けて貰うことになるだろうね」
”シャブダ・ベディ”:「彼女自身のためでもあるんだ。一度人を傷つけた奴がまともに生きられないことは、僕が一番知ってる」
”シャブダ・ベディ”:「ははは!!我ながら説得力あるだろ!?」
エマ・カルナデス:「それ、私に言う?」
エマ・カルナデス:相手の事情を知ったからか同郷からか、遠慮のない物言いになって来た。
”シャブダ・ベディ”:「笑える。まともに生きてるつもりかい?」
エマ・カルナデス:「まさか。だから言ってる」
”シャブダ・ベディ”:「はあ……度し難い女だね」髪を弄る。
エマ・カルナデス:「それより、彼女の予後を考えてる事は分かった。でも、私が言いたいのはそっちじゃない」
エマ・カルナデス:「彼女は実の親を人質に取られている。そんな状況で無理に突入する気?」
”シャブダ・ベディ”:「『B2*』を舐めて貰っちゃ困るな」
”シャブダ・ベディ”:「散々無能ぶりをさらして、重い腰を上げたんだ。後始末くらいは完璧にやってやるさ」
”シャブダ・ベディ”:「きみたちが意地を張るつもりなら、こっちも容赦はしないよ。これが忠告」
”シャブダ・ベディ”:「まあ、椎原瑠々は家族には会えなくなるだろうけどね」
エマ・カルナデス:「……君、偽悪的な振る舞いが好きだね。その注釈、手を引かせるつもりならいらなくない?」吐息。
エマ・カルナデス:「ともあれ、忠告ありがとう。持ち帰って検討する」
”シャブダ・ベディ”:「は? 言い返せないからって人格攻撃かい? 大概にしてほしいものだね」
”シャブダ・ベディ”:「気味の悪い感謝をするつもりなら、僕の依頼の方も聞きなよ」
”シャブダ・ベディ”:「龍神貴好。彼を解放しろ」
”シャブダ・ベディ”:「また”あいつ”みたいになられるのは、ごめんだ」
エマ・カルナデス:「やっと本題。……それは、龍神リュージンをUGNで改めて保護するとでも?」
”シャブダ・ベディ”:「きみ、僕を同じミスをわざわざ繰り返す無能にしたいわけ?」
”シャブダ・ベディ”:「記憶処理して保護観察。すべて忘れて貰う」
エマ・カルナデス:「君を救った人は、UGNの協力者として亡くなったのに?と言わずに済んだ。失礼」
”シャブダ・ベディ”:「…………」
”シャブダ・ベディ”:「帰る」
エマ・カルナデス:「お帰りはあっち。その依頼は、龍神リュージン本人次第」図書室の入り口を指差す
”シャブダ・ベディ”:紙片を机の上に放り出す。”シャブダ・ベディ”の連絡先が書いてあるようだ。
”シャブダ・ベディ”:「……報酬の先払いだ。あの”シューラ・ヴァラ”が、一度だけ手を貸してあげるよ」
”シャブダ・ベディ”:「僕の忠告を忘れるほど、きみたちが愚かじゃないことを願うよ」
”シャブダ・ベディ”:「”トラス4”程度、UGNにはどうとでもできるんだからさ」
”シャブダ・ベディ”:そう言って、身を翻し去っていく。
エマ・カルナデス:「…………」
エマ・カルナデス:メモをポシェットに入れた後、白紙のままのレポート用紙に目を落とし、溜息を吐く。
エマ・カルナデス:「自由って、なんだろうね」

INFO:「矢神秀人」のアライアンスlvが「1」に上昇しました。(上限)
INFO:→「コネ:UGN諜報部」を獲得しました。
INFO:→「ルーイナス・トップ・バウアー」が発動しました。

 ・シナリオ1回。トループを全てシーンから退場させ、
 加えて任意の「対象:単体」に10d10の装甲無視ダメージを与える。
  この効果を発動後、矢神秀人はシーンから退場する。

GM:→「ウワサ:黙殺の弓(赤)」(★)

「ウワサ:黙殺の弓(赤)」(★)
・”シャブダ・ベディ”矢神秀人は、七咲支部長”リセ”の命令を受け動いていた。
作戦目的は、少年兵調製セル『アウトカスト』に略取された一般人の保護。
そして保護活動に伴う、『アウトカスト』の兵力調達の妨害である。
既に彼は数か月前から華吶町に潜入し、「イチバン」の若者たちを救助している。
また、”シャブダ・ベディ”自身は、個人的に龍神貴好の確保も望んでいるようだ。

GM:ロイスの取得・購入が可能です。
龍神貴好:満を持して乃木さんにロイスをとる
乃木清和:うおおお私も龍神くんにロイスを取る!
龍神貴好仲間/乃木清和/連帯感:○/警戒/ロイス
GM:オホホ……
柳瀬順吾:ロイスは保留で、
柳瀬順吾:買い物は…一応、応急手当キット
柳瀬順吾:3dx>=8
DoubleCross : (3DX10>=8) → 10[5,6,10]+3[3] → 13 → 成功

柳瀬順吾:リーダッ!
乃木清和龍神貴好/信頼:〇/悔悟/ロイス
柳瀬順吾:この応急手当キットをどうぞ!
龍神貴好:高性能医療キット!
龍神貴好:5dx+1>=9
DoubleCross : (5DX10+1>=9) → 10[1,1,2,3,10]+4[4]+1 → 15 → 成功

龍神貴好:リーダー!
乃木清和:リーダーの回復具合を見て…何買うか決めるか
乃木清和:ほかに欲しいものあります?
エマ・カルナデス:あ、ありがとう。私もキット買おう。
エマ・カルナデス:6DX>=8
DoubleCross : (6DX10>=8) → 5[1,2,3,4,4,5] → 5 → 失敗

エマ・カルナデス:ままならないね。ありがたく二人のを使わせて貰おう。
エマ・カルナデス:2D10+3D10+70
DoubleCross : (2D10+3D10+70) → 16[6,10]+10[1,5,4]+70 → 96

GM:カルナデス篠澤
エマ・カルナデス:おお、ぴったり回復。
乃木清和:お~よかった!
乃木清和:じゃあどうしよっかな ブルゲでも買っとくか
GM:そうしたら乃木さんには別のもの買って貰った方がよさそうですね
GM:勝負服とか……
乃木清和:紐!?
エマ・カルナデス:すごい服とか……
GM:夏はこれから!(8/30)
柳瀬順吾:ほとんど紐じゃん…!
龍神貴好:ほとんど紐!
龍神貴好:ほとんど指じゃない!
乃木清和:ブルゲ買いま~す
乃木清和:4dx+1>=20
DoubleCross : (4DX10+1>=20) → 7[1,3,5,7]+1 → 8 → 失敗

乃木清和:だめ!以上です
GM:OK!(ズドン)

【ALLIANCE MOVE09】

GM:恐らく最後のアライアンスになるであろう……

【KATOTSU CITY ALLIANCE MAP】

・『華吶町一番街』
⇒[COMPLETE!]

・『華吶町立寄咲大学』
⇒[COMPLETE!]

・『Club Malebolge』
⇒[OPEN]バースペース:坂城只人(★☆)情報:UGNで7/⚠乃木清和のみ進行可能
⇒[FLEEZE!]ダンスホール:椎原瑠々(★☆)〈交渉〉で6

■自警活動
[EMPTY]。「■推理」で新たな項目を生成できる。

■推理
・侵蝕「1」でいつでも、何度でも登場可能。情報を整理・統合し、新たな行動を提案できる。
絆レベルを上げきったアライアンスに訪問することも可能。

乃木清和:ではここでリセちの「交渉も戦術です」を使って、バースペースのアライアンスをLV上限まで進行させちゃうよ~
GM:では、即座に進行!リセのアライアンスlvが2に上昇!
乃木清和:いえーい!
龍神貴好:ではあれですね
GM:最後は椎原瑠々のアライアンスですが……今の所は凍結状態になってしまっていますね。
龍神貴好:「ホストの超・盛り上げ術」
龍神貴好:使っちゃいましょう。
龍神貴好:椎原瑠々を……ビデオ屋に呼んじゃうぜ〜〜〜っ!
西舘雅也:ウェーイ!!!!
乃木清和:パリピの登場や!
柳瀬順吾:HOOOO!
INFO:→「椎原瑠々」のアライアンスが、「凍結」状態から「OPEN」状態に戻りました。進行可能です。
エマ・カルナデス:おいで!ホストとVtuber!
GM:終わりの客層
乃木清和:www
龍神貴好:進めるの、他の方にお願いしてもいいかな?
龍神貴好:同席だけなら日常生活使うけど、今1d10振るのは怖い
柳瀬順吾:任せな!
エマ・カルナデス:じゃあ、一番低い私が適任。
柳瀬順吾:ほんとだ、エマリーダーの方が低い…
GM:ウオーッ 生存性!
エマ・カルナデス:ん、じゃあ一緒に行こう。成功するとも限らない。
柳瀬順吾:やるぞ~っ
エマ・カルナデス:1D10+80
DoubleCross : (1D10+80) → 2[2]+80 → 82

柳瀬順吾:1d10+82
DoubleCross : (1D10+82) → 10[10]+82 → 92

GM:ギャ
柳瀬順吾:ヤーッ
龍神貴好:順吾〜〜っ
エマ・カルナデス:……ごめんって。後でちゃんと庇うから。
エマ・カルナデス:さて、哄笑…もとい交渉判定。
GM:笑うな!!(ヤンクミ)
エマ・カルナデス:6DX>=6
DoubleCross : (6DX10>=6) → 9[3,5,5,6,7,9] → 9 → 成功

柳瀬順吾:ヤッタネ
GM:OK!では、どうせだしまずはトラス4組のシーンからやっちゃいましょう。
GM:ここはこの後推理パートもすると思うので、GM権限で全員在席させてください!
龍神貴好:やったー!

【ALLIANCE13】→【DETECTIVE02】『トラス4』

8月31日 華吶町一番街 / 灰田ビル付近

GM:『かとつの軒先』――”アウトカスト”セルは、華吶町一番街のビルにカバーの企業体を構えている。
GM:NPO法人としての設立経緯も、法人としての活動も、何ら咎める部分はない。
GM:行政にとって”イチバン”は徒に街の治安を乱し税金を浪費するだけの公害であって、それを無償で引き受ける団体に厳しい監査が及ぶはずもなかった。
GM:……故に、一般人が最も干渉しやすい場所である、とも言える。
GM:ぴんぽーん。
GM:チャイムの音が連続で木霊する。
西舘雅也:「すみませーん!ご連絡させて頂いた寄咲大の西舘っす!!」
西舘雅也:「今日は連絡通り『かとつの軒先』の皆さんに取材をさせていただきます!!」
瀬古隆司:「はっはっは。こちらこそよろしく頼むよ」
椎原瑠々:「あ…………しゅ、取材?」
椎原瑠々:ビルの奥からおずおずと出て来る。
瀬古隆司:「私たちの活動を大学で映画にしてくれるらしくてね」
西舘雅也:「ウス! あ、お土産も持って来たんでちょっと奥置かせて貰っていいすか?」
瀬古隆司:「もちろんさ。瑠々、案内してあげなさい」
西舘雅也:「え!やったー!美人に案内して貰える!ラッキー!」
椎原瑠々:「はあ……こちらです」
椎原瑠々:事務所の奥。雑居用のスペースに案内する。
椎原瑠々:玄関からは見えづらく、死角となっている。暴力を振るうための間取りと家具の配置だ。
西舘雅也:「……ここならいいか」
椎原瑠々:「え?」
西舘雅也:「じゃあな、ロリコン野郎!!」
西舘雅也:ばりん!と窓ガラスを割り、そのまま転げ落ちるように椎原瑠々の手を引いてビルの外へと出る。
瀬古隆司:「――」
GM:ぼすん、というマットらしき音。そしてバイクの発進音。
GM:一瞬のことだった。その一瞬すら、瀬古隆司自身が設計した”間取り”が視線を遮った。
GM:西舘雅也は、”友人”からの依頼を受け、情報を集め続けていた。脱出の経路、協力者、そして何より”かとつの軒先”の悪評を。
瀬古隆司:「……はっはっは」
瀬古隆司:「やはりこの街の若者は、元気が良いなあ」
瀬古隆司:み し り
瀬古隆司:握っていたドアノブが紙のようにひしゃげ、落ちる。

8月31日 17:05 / ビデオショップ『Chill to Shift』

西舘雅也:「やっちまった!!おいやっちまったよ!おい!!人攫っちゃったよ!!!」
龍神貴好:「まあまあ」「まあまあまあ」
龍神貴好:「お前も聞いてただろ。あいつらの方が人攫いなんだよ」
西舘雅也:「そうじゃん。じゃあいいか……よし。この後『Club Malbolge』に行けばいいんだっけ?」
西舘雅也:頭を抱えていたが、すっと立ち上がる。
龍神貴好:「そこら辺は乃木さんが手を回してくれてるから」
西舘雅也:「政財界のお偉いさんとかも来てるから絶対安心って聞いたけど……え!師匠が!?」
乃木清和:「その代わりに三回まわってワンと鳴きなさい」
西舘雅也:「ワンワンワン」
エマ・カルナデス:「お手柄。でも、そう言うプレイはブラックブロックの店でやって」
西舘雅也:「クゥーン」すごすごと店を出ていく。
乃木清和:「ちっ言いやがった…。ブラック・ブロックには連絡しておいたから。融通してくれるでしょ」
龍神貴好:「犬の演技で声優できるんじゃないか?」
瑛・A・アヴァス:「……外面を完璧にしてる連中なら、当然一般人の訪問も積極的に受ける」
瑛・A・アヴァス:「そこそこ考えたんじゃないか。……今回はよくやったと言いたいところだが……」
柳瀬順吾:「あいつタフだな~。最強の非オーヴァードかもしれん」
エマ・カルナデス:「正直、ニシダテ先輩がここまでやってくれるとは思わなかった」
椎原瑠々:「すみません……私なんかのために」居心地悪そうに、初めておずおずと右手を上げる。
柳瀬順吾:「やめなやめな。せっかく助けたんだから、大物っぽく構えてなよ」
柳瀬順吾:「俺らもあいつも、せっかくだからピーチ姫を助けたって思いたいじゃん?」
瑛・A・アヴァス:「辛気臭い表情をやめろ!!!猫背を直せ!!!歪んだ姿勢は内臓を圧迫し、生活習慣病の要因となる!!!!!」
エマ・カルナデス:「危ない橋だったから、ニシダテと龍神リュージンに色々と言いたい事は凄くあるけど……あなたは被害者でもある」
龍神貴好:「助けないわけにもいかないからな」肩を竦める
椎原瑠々:「ひっ」瑛の怒声に驚きながら。「わ……わかり、ました。ふひゅ……」
椎原瑠々:「……お姫様、なんて。昔の夢が、叶ったみたいで……ちょっと、嬉しいです」
椎原瑠々:「……龍神くん。約束、守ってくれたんですね」
エマ・カルナデス:「あなたではどうしようもなかった話を、どうしようもなかったと再確認するだけ。私達もそこは了解しているから、話を次に進めよ……」
エマ・カルナデス:「龍神リュージン?約束って?」
椎原瑠々:「ありがとうございます……」ぎゅっと龍神くんの右手を握る。
龍神貴好:「ん。助けるって……言ったから」
龍神貴好:「あ」
椎原瑠々:「え?」
龍神貴好:右手は整えてる途中だった。スパゲッティのように指が絡まっている。
龍神貴好:「ごめん、ちゃんとする」
椎原瑠々:「うひゃ!?!? ひゃわああああ!!!」
椎原瑠々:尻もちを付いて後ずさる。
椎原瑠々:「ゆっ、ゆゆゆゆ 指が ゆびっ」
柳瀬順吾:「ハハハハ! 指、難しそうだね~」
柳瀬順吾:「俺もCG処理でよくミスるよ」
瑛・A・アヴァス:「おい……………店で盛るんじゃない………………」
エマ・カルナデス:「………擬態、まだまだ未完成。そんなんじゃ、荒崎先輩にいつバレるか」
龍神貴好:「ごめん。つい気が緩んじゃって」
瑛・A・アヴァス:「黙れ。貴様のその節操のない擬態など知らん」
瑛・A・アヴァス:どっかりと腰かける。
椎原瑠々:「ひっ」龍神くんの背に隠れて。
エマ・カルナデス龍神リュージンへの感情をP:☐好奇心/N:☑ふーんに変更。
龍神貴好:「大丈夫、この人、怒ってるように見えるけど」
龍神貴好:「大体はこっちを思い遣ってくれてるし、だから理不尽な暴力もない」
瑛・A・アヴァス:――ズ ガガガガガガガガガガ!!!!!!!!!
瑛・A・アヴァス:ソファに忍ばせていたサブマシンガンを龍神くんに向けて乱射しているよ。
龍神貴好:「何でわざわざ怖がらせるようなことすんだよ?!」
龍神貴好:「いてて、いてっ」
エマ・カルナデス:「ハナブサ。あと10秒ぐらいやっといていい」
龍神貴好:「エマさん!?」
瑛・A・アヴァス:「残念だが弾切れだ」エマに向けて。
柳瀬順吾:「ンなことより、これからのことを考えようぜ。西舘は適当に保護してもらうとして……」
柳瀬順吾:「こっからどうする? ってことだ」
瑛・A・アヴァス:「椎原と言ったな。以前龍神と接触した際に、”トラス4”の映像記録を持っていると言ったのは本当か?」
椎原瑠々:こくり、と頷く。「はい……いつか、助けに来てくれるって思ってたから」
椎原瑠々:「映像記録はなるべくサルベージしておきました。これで全部だと思います」
GM:電脳上の情報――恐らくは最高レベルの機密であろう”トラス4”の記録を、戯画的にあっさりと収奪してみせる。
GM:物理情報を一つ上のレイヤーから扱うという点において、椎原瑠々は柳瀬順吾と同等の深度の能力者と認識してもよかった。
龍神貴好:「で、これを……どうするんだ?鑑賞会?」
龍神貴好:過去のトラス4周りの情報はある程度共有されているものの、まだ実感がない。
椎原瑠々:「はい。映像は、全部で3本ありました」
椎原瑠々:「『侵蝕エントロピー指向性同定カウンセリング#22』『同#37』」
椎原瑠々:「……『”スカマンドロス”調整記録』の、3つ」
エマ・カルナデス:「例の記憶探索者。本当に在籍していたらしい」
柳瀬順吾:「最後のやつ。ちょっと気になるな」
INFO:→「Public enemies dom@in」が発動しました。/”『スカマンドロス』調整記録”を入手しました。(★★)
椎原瑠々:表情が曇る。
椎原瑠々:「……すみません。映像をすくう時に、中身も何となく解って……」
椎原瑠々:「……先に、言っておきます。”スカマンドロス”……三上宗助さんは……」
瑛・A・アヴァス:「……」
椎原瑠々:「あの、水晶の、化け物です」
柳瀬順吾:「……ガチで?」
エマ・カルナデス:「…………」細く、長い吐息。
椎原瑠々:「……見ないことも、できます。最初にそれを伝えたくて」
椎原瑠々:「きっと、辛くなると思うから」
乃木清和:「逆に言うと…映像を見れば、分かるんだ。何が起きたのか」
椎原瑠々:こくり、と乃木さんに頷く。
柳瀬順吾:「見るよ。見ようぜ、みんなで」
龍神貴好:「………」ソファに座る。
龍神貴好:膝の間で両手を組んでいる。完璧ではないが、そのように見える。
INFO:「■推理シーン」で椎原瑠々の映像を再生せずとも、シナリオ進行に影響はありません。
INFO:”アウトカスト”という目標と必要な「ウワサ」はそろっているため、問題なく「■推理」項目による自警活動の生成が可能です。
INFO:再生しますか?
柳瀬順吾:「誰かが……見て、覚えておいてやらないとさあ……」
柳瀬順吾:「俺はやだ」
乃木清和:「ハハ…、優しいの。どんなヤツだったか、何も覚えてもないのにさ」
柳瀬順吾:「どんなヤツだか思い出して、嫌いになりたいくらいだね」
龍神貴好:「見よう」
龍神貴好:「僕も、知りたい」
龍神貴好:化け物とは、何なのか。
龍神貴好:ここに『いた』存在が何故『そう』なったのか。
エマ・カルナデス:「映像媒体は……パソコンとプロジェクターで使える?」
瑛・A・アヴァス:「……問題なく再生できる」
柳瀬順吾:「……頼むぜ」
エマ・カルナデス:「私は、自分の経験以外の常識を映画という映像で埋めてきた」
エマ・カルナデス:「……彼の事も、忘れてしまったとしても、また知っておきたい」
瑛・A・アヴァス:椎原瑠々が取り出した魔法のステッキのようなものを、プロジェクターを据え付けたPCに置く。
乃木清和:「…いいよ、見よう。龍神も付き合ってね」
瑛・A・アヴァス:その言葉を待って、かちり、とマウスをクリックする。
INFO:→マスターシーン「上映会」を開始します。
INFO:エマ・カルナデス、及び柳瀬順吾は強制的にこのシーンに登場します。

【Master03】上映会

「なあ。この世で一番怖いものって、何だと思う?」
「俺は」
「心に傷がつくことだ」

『侵蝕エントロピー指向性同定カウンセリング#22:”ストローマン”』

三上宗助:「なあ、エマ」

三上宗助:「おまえがこの世で一番怖いことって、何?」
三上宗助:映像の中には、幼い少年と……今より少し年齢が下に見える、エマ・カルナデスが映っている。
エマ・カルナデス:「なに、やぶからぼうに」
三上宗助:「カウンセリングだよ、カウンセリング」
三上宗助:「ブラックブロック野郎に定期的にやれって言われてるだろ」
三上宗助:三上宗助は、記憶探索者と呼ばれる特筆性を持つオーヴァードだった。
三上宗助:記憶という概念上の抽象情報を、具体的な事物として認識し、干渉することができる。
エマ・カルナデス:「めんどくさい……」溜息を吐きながら答える。
エマ・カルナデス:「決まってる。無為に死ぬこと」
三上宗助:「嘘つくなよ。死んじゃだめだ」
エマ・カルナデス:「わたしを造るために、何人使った・・・かはカルテで知ってるでしょ?だからこそ、無駄遣いは許されない」
三上宗助:「エマ」優しく笑う。「そんな言い方しちゃダメだぜ」
三上宗助:「俺、知ってるよ。死んでいったやつらは皆、エマに生き延びて欲しいって思ってた」
三上宗助:「俺もだ」
三上宗助:……三上宗助は、共感性が極めて高いオーヴァードでもあった。
三上宗助:他人の苦痛を、自分の苦痛のように感じることができる。
三上宗助:それ故に彼は”トラス4”のカウンセリング要員として、こうした個別インタビューの時間を与えられていた。
三上宗助:メンタルケアではない。侵蝕エントロピーの要因を特定するためだ。
三上宗助:どのような心を、記憶を持っていれば、オーヴァードは死なない・・・・のか。
エマ・カルナデス:「……その、何もかも見透かしたーって感じ、感じ悪いよ」
エマ・カルナデス:「例え本当に見透かしててもさ。まあ……それがミカミの仕事だろうけど」
三上宗助:「いや~、俺皆のこと大好きだし」
三上宗助:「皆も俺のこと大好きじゃん? へへへへ」
三上宗助:「見透かしてるんじゃない。家族のことはわかるんだよ」
エマ・カルナデス:「はいはい。言葉にしない奥ゆかしさとか、君に期待した私が間違い」
エマ・カルナデス:「それで?最初の質問の答えはさっきのでいい?」
三上宗助:「無為に死ぬこと、だろ? 別にそれはいいよ」
三上宗助:「俺が”嘘”って言ったのは」
三上宗助:「主語の部分だ。”自分が”無為に死ぬこと、じゃなくて」
三上宗助:「”皆が”無為に死ぬこと、だろ」
三上宗助:エマ・カルナデスに額に手を当てる。
三上宗助:掌の表皮に、結晶が生成される。そこに、消えていったものたちの顔が次々と浮かんでは消えた。
三上宗助:「エマ。エマ……大丈夫だ。俺は死なねー」
三上宗助:「超イケメンだから」
エマ・カルナデス:「…………」はいはい、という表情。手を細心の注意を払った力加減でそうっとどかす。
エマ・カルナデス:「そもそも、ミカミの能力はうちでは希少レア。使い切られる事はそうそうないでしょ」
エマ・カルナデス:「君の心配は初めからしてない。どう?ウソついて見える?」肩を竦める。
三上宗助:エマに褒められたことに気をよくしたのか、笑う。
GM:映像はここで途切れている。

『侵蝕エントロピー指向性同定カウンセリング#37:”オッドボール”』

三上宗助:「柳瀬」
柳瀬順吾:「あいよ」
三上宗助:「何か……エマに告白するいい方法ないかな?」
三上宗助:簡素な椅子の上にだらんと足を投げ出している。
柳瀬順吾:「無理難題だぜ。おすすめはできねえな~」
柳瀬順吾:「エマ・カルナデスだもん。まずその隙がない」
三上宗助:「い~や。あいつは……あれで意外と感動しいだから」
三上宗助:「初頭情操教育のためのビデオを繰り返し見てる。……俺もあんなの作れりゃな」
柳瀬順吾:「”ストローマン”が映画で感動するところなんて想像もつかねーな~」
三上宗助:「だからいいんだよ」
柳瀬順吾:「どこがいいんだよ。映画とか嫌いだろ、たぶん」
三上宗助:「映画でも何でも超バカバカしい方がいい」
三上宗助:「あいつの後ろにいるやつら全員、纏めて笑わせてやれるからな」
三上宗助:「あっ、そうだ。手伝ってくれよ柳瀬」
柳瀬順吾:「それはそうだな。みんな真面目過ぎる。現実は厳しい、現実は残酷、現実は思うようにいかない、現実、現実、現実……」
柳瀬順吾:「みんな現実に頭をやられてんだよな。……だから、いくらでも手伝うぜ」
柳瀬順吾:「どんなアホみたいなプランがお好みだ?」
三上宗助:「”偽ストローマン”VS”本物ストローマン”」
三上宗助:「エマ・カルナデスは偽物なんだよ。真面目なことなんか何も背負う必要のない偽物で……」
柳瀬順吾:「ハハハハ!」
三上宗助:「……それでも、皆のために戦う! 超いいだろ?」
柳瀬順吾:「いいな。アイデアがいい。お前、脚本家になれよ。席は空けとくから。……そうだな、一個だけ変えよう」
柳瀬順吾:「偽物のストローマンは戦わない」
柳瀬順吾:「そっちの方が100倍いい」
三上宗助:「中々やるな。監督はお前に任せた」
柳瀬順吾:「ああ。普通に暮らす……んだ。偽物ストローマンは……」
柳瀬順吾:「ビデオ屋でバイトしたり、学校の授業に出たり」
柳瀬順吾:「……恋愛もする。そういう普通のことをする。それで行くよ」
柳瀬順吾:「お前の最初の願いもこれで叶うかもしれん。期待しとけ」
三上宗助:「……エマと付き合えたら、どうしようかな……」
柳瀬順吾:「気持ち悪い顔してるぞ」
柳瀬順吾:「鏡見るか?」
三上宗助:「決めた。やっぱり俺も普通に暮らしてみてえ」
三上宗助:「鏡は毎日見てんだよ。うんざりするんだよな」
三上宗助:「俺が見るのは……鏡じゃなくて未来!」
三上宗助:「どんどん仲間が減ってくのはうんざりだ。友達を沢山作って、毎晩夜遊びもするぞ!」
柳瀬順吾:「いいかもな。そのときは……」
柳瀬順吾:「バーにでも行こうぜ」
三上宗助:「いいな。絶対美人のお姉さんの店員とかいるんだろうな~」
三上宗助:「やっぱ年上いいよな。年上……エマも一歳上だし……」
三上宗助:「あっ。そうだ、いっけね。カウンセリングだったわこれ」
三上宗助:「一応聞いとくけど、柳瀬。お前の一番怖いもんって、なに?」
三上宗助:”スカマンドロス”が、きみの額に指を当てる。
三上宗助:何もかもを見透かす記憶探索者に、口頭での意思疎通が意味をなすだろうか?
柳瀬順吾:「一人ぼっちになること。……普通で悪いね」
柳瀬順吾:「友達がいないと楽しくないからね。何やっててもさ……。俺は、それが嫌だ」
三上宗助:そうではない。鏡と言葉の間に挟まれる、嘘と真実。”スカマンドロス”はその境目こそを見ていた。
三上宗助:「お前は素直でいいな。どっかの青いのと違ってさ」
三上宗助:「大丈夫だよ。心配すんな」肩を組む。「俺たちは家族だ。ハナブサだっていてくれる」
GM:きみは、思い出すことができる。
GM:映像には映っていない、三上宗助がこの時きみに囁いた言葉を。
三上宗助:『お前にだけ教えてやる。俺の怖いもの』
三上宗助:『……お前の言葉が本当だってわかる。エマの言葉が嘘だってわかる』
三上宗助:『だから、みんなの心に傷をつける事なんて、本当に簡単なんだ』
柳瀬順吾:(……イケちらかしてる自分が怖いとか、言うと思ったぜ)
三上宗助:『いや』笑う。『その通りだよ。俺は、俺が怖い』
三上宗助:『みんなの心に傷をつけられる、自分の能力が怖い』
三上宗助:『エマ。柳瀬。お前らは、まだ化け物になってない』
三上宗助:『心に傷がついてないからだ。おれは、それを確認するために運用されてる』
柳瀬順吾:(馬鹿馬鹿しい話だ。真面目に聞いて損をした……)
柳瀬順吾:(いまは違うとわかる)
三上宗助:『お前が、一人が怖いのだって』
三上宗助:『全部が本当じゃないな』
三上宗助:『お前は、周りの全部を壊して、一人になっちゃえるお前自身の力が怖いんだ』
三上宗助:肩を組んだ先の手。”スカマンドロス”の鏡には、一人きりの柳瀬順吾が映っている。
三上宗助:『思い出さない方がいい。心を守るには……』
三上宗助:『鏡に映った奇麗な自分だけ、覚えとくことだ』
三上宗助:”スカマンドロス”が、掌の鏡をぐしゃりと握りつぶす。
三上宗助:それだけで、かつてのきみの記憶は消えた。
柳瀬順吾:(そういうの、よせよ……)
柳瀬順吾:(死ぬやつの言い方だ)
三上宗助:「……”スカマンドロス”。カウンセリングを終了します」
三上宗助:振り返る。挑むように。

『”スカマンドロス”調整記録』

REC:警報が鳴っている。
REC:オーヴァード職員のジャーム化により、研究施設は深刻な混乱に陥っていた。
”ブラック・ブロック”:「……あのさ。三上くん」
”ブラック・ブロック”:「もうやめときなよ。ここまで手伝ったけど、死ぬよ。マジで」
”ブラック・ブロック”:辺りには、夥しい数の骸が転がっている。
三上宗助:「……もう、少しなんだ……」
三上宗助:腹から血を流しながら、周囲に浮かんだ鏡を、手あたり次第握りつぶしている。
三上宗助:「そいつの一番怖いものがわかるって力は、”失ったら怖いものがわかる”ってことだ」
三上宗助:「その記憶を消せる。人間を化け物にするなんて、簡単なことなんだ」
REC:その日施設で起こった大規模なジャーム化事件。それらは全て、”スカマンドロス”の能力暴走による結果だった。
REC:ロイスと定義される、心理的余白の焼失。喪失の自覚は――「心に傷がついた」という感覚は、いともたやすくオーヴァードを怪物へと変貌させる。
三上宗助:「だから、消す」
三上宗助:「”スカマンドロス”なんて、超カッコよくて、皆のことが大好きだったやつはいなかった」
三上宗助:「覚えてられるとして……せいぜい大事な時にフラフラ逃げ出したクソ野郎だった」
三上宗助:「皆、俺のこと大好きだろ? だから悲しませないために消えるのさ」
三上宗助:最後の鏡を握りつぶす。
三上宗助:「……ブラブロ姉さんも逃げなよ。俺、年上派だから……」
”ブラック・ブロック”:「……バカじゃん」
三上宗助:「それが俺のいいとこ。もうひと暴れしてくるよ」
瑛・A・アヴァス:「っ」がしゃん!!!ドローンが、二人を収めたシェルターへと突貫する。「待て!!!!!!」
瑛・A・アヴァス:血だらけの瑛・A・アヴァスが転がり込んでくる。「連中は俺が撤退させる!お前が……家族には、お前が必要なんだ!!!」
瑛・A・アヴァス:「行くな!!!三上!!!お前が……お前がそんなことする必要など、あるもんかッ!!!!!」
三上宗助:「あーあ」顔をしかめる。「うるせえのが来ちゃったな……」
三上宗助:ぱりん。
瑛・A・アヴァス:”立ち方”の記憶を忘れる。座り込む。
瑛・A・アヴァス:「な……あ……?」
三上宗助:「瑛さん、それ、エマと柳瀬にも言ってやれよ」
三上宗助:「”家族”って言葉だけは、忘れずに残しといてやるからさ」
三上宗助:小柄な体が、血だまりの河を、這うように進んでいく。
瑛・A・アヴァス:「ま……待て……三上……」
瑛・A・アヴァス:「探し……探し出すぞ! 何年かかっても、お前は、俺たちの大切な……」
三上宗助:「……なあ」振り向く。
三上宗助:「こうなるのは解ってたよ。俺が見れるのって、過去の記憶だけじゃないし」
”ブラック・ブロック”:「……は?」
三上宗助:「撮ってんだろ?」
三上宗助:「二人のことを頼むよ。えっと……龍神リュージンくんと」
三上宗助:「乃木さん。……やっぱいるじゃん! 年上の美人!」
三上宗助:「あ! あと……おい!龍神リュージン!呼び捨てにするからな、お前みたいなやつは」
三上宗助:「エマのこと泣かすなよ」
三上宗助:「じゃあな」
三上宗助:全身が鏡に覆われる。結晶のような躯体へと姿を変える。
REC:悲鳴。悲鳴。悲鳴。
REC:鏡が割れる音が響く。
INFO:→映像の再生を終了します。

Skamandoros[Σκάμανδρος][名]
①ギリシア神話の河川の神。トロイア戦争のおり、
 水面を汚した死骸を外へと追いやり、川を浄化した逸話をもつ。
②”トラス4”最後の一員。

【DETECTIVE02】『トラス4』

椎原瑠々:「……あなたたち、《トラス4》が結局何を最終的に作り出したのか、とか」
椎原瑠々:「他の実験部隊も、あるんでしたっけ。その人たちが、どうなったのか、とかは……《アウトカスト》のデータベースには残っていませんでした」
椎原瑠々:重々しい空気の中、絞り出すように口を開く。
椎原瑠々:「でも、”スカマンドロス”さんが、あなたたちを逃がして、ジャーム化して……」
椎原瑠々:「きっとそこで、《アウトカスト》に捕まったんだと思います」
エマ・カルナデス:「……………」帽子の鍔を深く引き下げ、表情は読めない。
乃木清和:「ジャーム、確定かあ」
柳瀬順吾:「嫌な映画を見ちまったな」
龍神貴好:「……お前が、泣かせるなよ……」
エマ・カルナデス:「どうして、龍神リュージンが泣いてるの」
龍神貴好:「泣いてない……」
エマ・カルナデス:「……涙腺の再現は、上出来」フード状の、頭部を撫でる。
GM:椎原瑠々の証言を信じるならば、《アウトカスト》における”スカマンドロス”の運用方法は……
GM:稚拙。その一言に尽きる。
GM:遡って未来すらも演算できる記憶の処理能力を、絆の毀損と、それに伴うジャーム化のみに限定している。
GM:あるいは、怪物となり共感能力を失った”スカマンドロス”は、もはや記憶探索者としての力の大部分を失ったのかもしれなかった。
瑛・A・アヴァス:おもむろに立ち上がり、サブマシンガンを手にする。
瑛・A・アヴァス:ふらふらと、幽鬼のような足取りで、ドアから出て行こうとする。
柳瀬順吾:「おいバカ、何するつもりだよ」
瑛・A・アヴァス:「を?」
瑛・A・アヴァス:「家族を取り戻しに行く。それ以外に何がある?」
エマ・カルナデス:「ハナブサ。あれは過去の映像」
瑛・A・アヴァス:「黙れ」
エマ・カルナデス:「もう、手遅れ」
瑛・A・アヴァス:「……何も」
瑛・A・アヴァス:「してやれないと言うのか?」
瑛・A・アヴァス:「正しくない。認められない。そんなことは……」頭を抱える。ずるずると扉に座り込む。
柳瀬順吾:「……手遅れかい。一人で行こうとした瑛クンはアホだけど、やりたいことはわかるぜ」
柳瀬順吾:「放っておけないってことだ」
柳瀬順吾:「どうなんだ、リーダー」
エマ・カルナデス:「……彼……三上は、私達を身を呈して逃がした」
エマ・カルナデス:「その意思を尊重するなら、このまま忘れて、かとつの軒先なんて危険な集団には近寄らずに何処かへ逃げる」
「安全な場所で、自分のことなんて忘れて、それなりに生きてくれる。彼がやった事は、そう言う願い」

エマ・カルナデス:「……どう?」
エマ・カルナデス:「ヤナセは、ハナブサは、そうしたい?」
柳瀬順吾:「できるもんなら、そうしたいね」
柳瀬順吾:「でもまあ……無理だな~。俺は三上に結構腹が立ってるんだよね」
瑛・A・アヴァス:「解らん。俺には何も、決められん。もう……」
瑛・A・アヴァス:「……龍神。乃木……」
瑛・A・アヴァス:「そうだ……三上は、お前たちのことも”家族”と認めていた。あいつの記憶処理能力は、未来まで及んでたってことだ」
瑛・A・アヴァス:「記憶探索者に対して、嘘はつけない。俺たちはきっと……お前たちのことも、心のどこかでそう看做しちまったんだろう」
龍神貴好:(まるで、ラプラスの魔だな)
乃木清和:「あのインスピレーションみたいなやつ? とんでもない能力者だったんだね」
柳瀬順吾:「まあね~。乃木チャン、龍神クンには悪いけど……俺はやらせてもらうよ。やらないと、どこに逃げようが一緒って感じだ」
龍神貴好:「僕は別に逃げる気ないけど」
龍神貴好:「家族、か」
エマ・カルナデス:「同感。……前に龍神リュージンにも話したけど」
エマ・カルナデス:「今にして思えば、『私を自己犠牲で助けたメンバー』の事は覚えていても、顔も名前も出てこなかった」
エマ・カルナデス:「……私への記憶処理が甘かった?ともかく、私から助けられた負い目まで奪おうとしたのは許せない」
乃木清和:「柳瀬がそう言うなんてねえ」
柳瀬順吾:「言うよ~。俺は映画には真面目だぜ。……乃木チャンはしばらくどっかに遊びに行っとく?」
柳瀬順吾:「北海道とか。しばらく近づかない方がいいかもよ」
瑛・A・アヴァス:「柳瀬順吾が《トラス4》における最強の戦闘調整体なら、三上宗助は恐らく最強の情報処理能力者だ」
瑛・A・アヴァス:「だが、結局末路はこれだ」
エマ・カルナデス:「手遅れだろうと、一度ミカミの襟首を引っ掴んで言いたい事を言う。それぐらいの権利はある」
乃木清和:「ばか。こないだの会話忘れたのかよ…。…やる相手が一つで、シンプルならやるだけだよ」
柳瀬順吾:「乃木チャンは血の気が多すぎるんだよな。これ、乃木チャンの因縁とは関係ないぜ」
柳瀬順吾:「バーで暴れてマシンガン連射しないと引っ込みがつかない西部劇のアウトローじゃねえんだからさ」
乃木清和:「あは、やぶれかぶれだったりして」
乃木清和:「……じゃあ、全員、思ってることは瑛と同じじゃない」
龍神貴好:先ほどから考え込むように黙っている。
柳瀬順吾:「マジかよ~。バイオレンス・ザ・乃木チャンはそれでいいとしてもさあ」
乃木清和:「ちょっと殴りたくなってきたな。血の気が多いせいかな」
エマ・カルナデス:「でも、一人で行くのは無謀。ハナブサは後方担当なのに血の気が多すぎ」
瑛・A・アヴァス:「……龍神。何を考えている」
柳瀬順吾:「龍神クンこそ、街を離れておいた方がいいだろ。彼女連れてさ」
柳瀬順吾:「めちゃくちゃだよ、ここから俺たちと一緒に派手なことしようなんてさ」
龍神貴好:「……」瑛と、柳瀬を交互に見て、
龍神貴好:「僕は、皆が好きだ」
龍神貴好:「偶然出会って、助けてもらった程度の縁だけど。一緒にいて、仲間だなって思う」
瑛・A・アヴァス:殴る。
龍神貴好:「でも、家族っていうところに、新参の僕がぺっって入り込んじゃっていいのか、邪魔じゃないのかって」
龍神貴好:効いていない。
瑛・A・アヴァス:「お前は、この期に及んで、まだ」
瑛・A・アヴァス:「好きだとか、嫌いだとか……そんな青臭い理由で命を賭けようとしているのか!?」
瑛・A・アヴァス:「死ぬんだぞ! 戦ったら!」
瑛・A・アヴァス:殴り続ける。殴った手の方に血が滲み、歪んでいく。
龍神貴好:腕で押し除けるようにガードしている。
龍神貴好:「考えてるんだよ……まだ」
瑛・A・アヴァス:「はあ……はあ……何だと……?」肩で息をし、倒れ込む。
龍神貴好:「ただ、そうだな。僕は一度死んだようなもので」
龍神貴好:「今の三上と……外見は大して変わらない。実際、瑛さんだって殺そうとしただろ」
瑛・A・アヴァス:「……」
龍神貴好:「今から、ただ普通に生きるなんて、無理なんだよ」
瑛・A・アヴァス:「……普通に生きようとすることの、何が悪い」「お前だって、そう思うから”おまじない”を唱えてたんじゃないのか……」
龍神貴好:「うん。悪くない。悪くないけど、僕は、自分の存在というものを認めるためにも」
龍神貴好:「三上とぶつかる必要がある、と、思う」
龍神貴好:「それと、まあ。この街を守りたいって気持ちは、あるしな」
乃木清和:「……私が口出しちゃうけど~」
瑛・A・アヴァス:「何だ乃木!!!!!!!」
瑛・A・アヴァス:「男と男の話の最中に!!!!!!!!!」
エマ・カルナデス:「ハナブサ、ステイ」
瑛・A・アヴァス:「ハアッハアッハアッ」
エマ・カルナデス:続けて、のジェスチャー。
龍神貴好:「聞くよ」
乃木清和:「うるせ~」キーンとなっている。「ありがと。でも龍神さ、言ってたよこの間。化物の中身だったとしても」
乃木清和:「その中身をさらして化物になっちゃうのは、なんか恥ずかしくてやだーって。それくらいの気持ちでいいんじゃないの?」
乃木清和:「なんか放っとけないんでしょ」
龍神貴好:目を見開く。
龍神貴好:「うん。……ああ」
龍神貴好:「そうだよな。……そうだ」
龍神貴好:「僕は龍神貴好」
乃木清和:「うふ」「ふたりきりの大事な話、みんなの前でしちゃったのはゴメンだけどね~。ね~!内緒にしてたのにね~!」
龍神貴好:「な、なんでそう言う言い方なんだよ、恥ずかしいだろっ」
エマ・カルナデス:「む。……『約束』に『内緒』」
瑛・A・アヴァス:「き……貴様ら……」
瑛・A・アヴァス:「もう知らん!勝手にしろ!俺は面倒を見ん!!せいぜい勝手に野垂れ死ね!!!」
エマ・カルナデス:「荒崎先輩に秘密にするものが多くて大変そうだね、龍神リュージン
龍神貴好:はー、と息を吐く。
柳瀬順吾:「乃木チャンの口車に乗るなよ~。花火と喧嘩は派手な方がいいってタイプなんだぜ。騒ぎをデカくしようとしてるだけじゃないか?」
瑛・A・アヴァス:「柳瀬!連中にはどんな忠告も無駄らしい。地の果てまで付いて来るに違いない」
乃木清和:「なんだと? 柳瀬の見てる映画だってなんかよく爆発するじゃん」
柳瀬順吾:「芸術の爆発なんだよっ。……まあ、いいか」
エマ・カルナデス:「自分でそう決めたなら、”普通に生きる”のも選択のひとつ。私も否定はしない」
エマ・カルナデス:「でも、私は自分の過去を全て忘れて”偽ストローマン”にしてほしいとは思わない」
柳瀬順吾:「うげっ。あの話、きっちり覚えてんね~」
エマ・カルナデス:「あの映画、どうせ完成してないんでしょ。クランクアップが見物」
エマ・カルナデス:「三上……ミカミは、彼について悩み、傷付き、どう折り合うかを選ぶ『自由』を私達から奪おうとした」
エマ・カルナデス:「だから、私たちなりのやり方で反抗させて貰う。……どう?」
エマ・カルナデス:「この方針は、合意できる?」
柳瀬順吾:「俺は賛成だ」
柳瀬順吾:「腹立ってるからね、俺はね……」
龍神貴好:「よく、わかるよ」
龍神貴好:「僕だってそんなのは嫌だから」
瑛・A・アヴァス:「お前にしてはマシな案じゃないか……そろそろ連中に、生まれたことを後悔させてやりたいと思っていたところだ」
乃木清和:「私も好き」
乃木清和:「何から何までエスコートして尽くしてくる彼氏っているけど、違うんだよな~」
椎原瑠々:「あ、あの」おずおずと手を上げる。「私も、協力。させて下さい」
椎原瑠々:これまでずっと押し黙っていたが、決意を固めたようだった。
椎原瑠々:「私、皆さんの……活動の全部を、見てきました」
柳瀬順吾:「おっ。あのテロップ入れるか? 『椎原瑠々、参戦』」
エマ・カルナデス:「ワープ技がありそう」
椎原瑠々:「茶化さないでください! 解るんです……《アウトカスト》は、悪いやつらだって」
椎原瑠々:「この街の全部を使って、反撃しないといけないんです。そうしなきゃ、きっと勝てない」
椎原瑠々:「私も……私がまず、協力します! 皆さんと……”華吶町のアナーキー”と」
乃木清和:「無理はしないでね~…。……華吶町のアナーキーか~」
柳瀬順吾:「名前が物騒だよな。実際、物騒なんだけどさ」
瑛・A・アヴァス:「威勢は結構なことだが……具体的に何をするつもりだ?」
椎原瑠々:「え、えっと……私、狙われてるんですよね? 何か……UGNに……」
瑛・A・アヴァス:「俺は知らん。誰か情報を持ってるやつはいるか」
エマ・カルナデス:「……気持ちは嬉しい。けど、瑠々ちゃんは今二つの陣営から狙われている」
椎原瑠々:「瑠々”ちゃん”……ひゅへへ」
エマ・カルナデス:「ひとつは勿論、かとつの軒先。もう一つは、UGNの即応牽引カテゴリ『B2*ベニー・ベニー』」
柳瀬順吾:「そうなん? ちょうどいいじゃん」
乃木清和:「ちょうどいいって?」
柳瀬順吾:「争奪戦だよ。かとつのアホどもは絶対に逃がしたくないだろうし」
柳瀬順吾:「UGNも絶対確保しようとするし……」
柳瀬順吾:「花いちもんめで決める連中じゃないから、ぜったい喧嘩になる」
乃木清和:「かち合わせようって? あ~、いいかも」
椎原瑠々:「えっ! じゃあ、私お姫様みたいな感じですか! へへへへ……何かイイかも……」
エマ・カルナデス:「あの《シューラ・ヴァラ》と同等レベルのエージェントが所属してる。手口も、相当荒っぽいと見ている」
瑛・A・アヴァス:「は? ちょっと待て。”シューラ・ヴァラ”の名前が何故出て来る?」
龍神貴好:小声で「誰?」と乃木さんに聞いている。
乃木清和:「あ、ごめんごめん。FHのエージェント…有名人」
瑛・A・アヴァス:「お前たちの大学で言うと柳瀬くらいの有名人だ」
龍神貴好:「へー……有名人とかそういうのもあるのか……」
エマ・カルナデス:「……”シャ……シャブ君の昔の名前」
エマ・カルナデス:「思い出した。”シャブダ・ベディ”の昔の名前。彼は、FHうちからの離脱組ドロップアウト
瑛・A・アヴァス:「……妙だな。クランブルデイズ・インシデントで”シューラ・ヴァラ”は死んだはずだ」
瑛・A・アヴァス:「公的には死亡扱いにした上で、人材として引き抜いたのか? だとすれば相当相手は強かだぞ」
乃木清和:「へぇ~~…」へぇ~~……という顔
乃木清和:「リーダー、そいつと会ったの?」
エマ・カルナデス:「会った。UGNらしくないひねくれ屋だった」
乃木清和:「あはは!そりゃいいね。UGNらしくない」
柳瀬順吾:「”シューラ・ヴァラ”だけじゃなくて、UGNの戦力も一人だけってことはないだろうよ」
エマ・カルナデス:「でも、力量は恐らく本物。彼以外の『B2*ベニー・ベニー』も、一筋縄ではいかないと思う」
乃木清和:「そうだよね…。瑠々ちゃんのことだって、一人で辿り着いたワケはないだろうし」
龍神貴好:「……なら、UGNとぶつかるのは避けたいよな」
柳瀬順吾:「だから、本気の《アウトカスト》と殴り合えば、どっちもワンパンで終わりってことはないだろ……たぶん」
瑛・A・アヴァス:「小耳にはさんだことがある。”カテゴリ”は、UGNにおける部隊の区分けだ」
瑛・A・アヴァス:「機動遊撃カテゴリ《アンカー》。封鎖迎撃カテゴリ《ステープラー》」
瑛・A・アヴァス:「……極限状況下での活動を専門にした特殊部隊だ。この場合の極限状況下、というのは」
瑛・A・アヴァス:「エンドライン・シナリオ。……FHが勝利したとされる想定の世界だ」
瑛・A・アヴァス:「つまり、長々と言ったが」ぱん、と拳を打ち合わせる「潰し合わせるには十分すぎる」
柳瀬順吾:「心配性すぎるだろ、UGN……普段から防災訓練とかやってんのかよ~」
エマ・カルナデス:「そんなものを差し向ける余裕があるなら、普段からこの街の人員を増やしてほしい」呆れ顔。
乃木清和:「……あのさ」
エマ・カルナデス:「?」
瑛・A・アヴァス:「だが、解せないのは俺たちに対する警戒心の低さだ」
瑛・A・アヴァス:「本来ならば、連中にとっても、《トラス4》は無視できないリスクの……」「……?」
乃木清和:「潰し合わせるっていうなら、具体的にトラス4は…どうすんの」
乃木清和:「どこまで首を突っ込む? 陽動だけ? UGNに見つかるまで?」
柳瀬順吾:「それで見逃してくれる相手じゃないと思うね、俺は」
瑛・A・アヴァス:「陽動だけで済むわけがないだろう。連中からしてみれば、最優先確保目標が好きに使われてるんだ」
瑛・A・アヴァス:「”その場の全員を排除して目標を奪取する”」
瑛・A・アヴァス:「そういう選択を、現実のものとしてとれる組織でもある」
柳瀬順吾:「椎原チャンを、どっちの陣営にも渡さないってのも目的の一つだからね~」
龍神貴好:「じゃあどのみち両方とぶつかることになるんじゃないのか」
エマ・カルナデス:「…かとつの軒先への『完璧な解決』はUGNのような組織力がないと難しい。実際、《アウトカスト》はあの混乱を生き残った」
エマ・カルナデス:「そして、彼等は今回根絶それを実行するつもりでいる。その中で、私達が口を挟む必要はあるのか」
エマ・カルナデス:「そう言う意味?」
乃木清和:「そうだよね~。そうなんだよ…」
瑛・A・アヴァス:「……」
瑛・A・アヴァス:(……やはり、何かがおかしい。なぜこのタイミングで、”俺たちが手を出すか”ということを議題に上げる?)
柳瀬順吾:「UGNだって無敵で完璧じゃない。あいつらが見逃さざるを得ない独立勢力ってのも、山ほどいる」
乃木清和:「いやいや、リーダー。それじゃせっかくまとまった話を振りだしに戻しちゃうじゃない。皆はやるつもりでしょ。私ものるつもりでいる」
瑛・A・アヴァス:(そうだ。乃木は……こういうやつだ)
瑛・A・アヴァス:(目標を排除することに、驚くほど躊躇がない。……躊躇? 俺は何を考えている?)
柳瀬順吾:「《ティンダロス》くらいには手強いぜってところを……見せてやらなきゃな」
乃木清和:「ティンダロス~? もっと頑張ろうぜ~…。ん~~~、いや…いやいやいや。ん~」
エマ・カルナデス:「……なら、良いけど。懸念していることは?」
エマ・カルナデス:「ノギがそんなに歯切れが悪いの、珍しい」
柳瀬順吾:「心配しなくても、乃木チャンの見せ場は取らないよ」
瑛・A・アヴァス:「エマ」言葉を遮るように。
瑛・A・アヴァス:「”シャブダ・ベディ”は」
瑛・A・アヴァス:「《トラス4》の誰かを連れ出そうとしていたか?」
瑛・A・アヴァス:「即応牽引のカテゴリだ。人員の確保の領域は……《アウトカスト》だけに及ぶとは限らない」
エマ・カルナデス:「……?」怪訝そうに眉をひそめる。
エマ・カルナデス:「……言ってた。龍神リュージンを解放しろ、とは」
龍神貴好:「僕を?」
エマ・カルナデス:「……………」自分の言葉を反芻する。
瑛・A・アヴァス:乃木に銃を向ける。
龍神貴好:「……って。瑛さん、何を」
瑛・A・アヴァス:「俺たちが拾った野良のオーヴァードは、”二人”だ」
エマ・カルナデス:「………!」弾かれたように、顔を向けた。
瑛・A・アヴァス:「なぜ、片方だけを選ぶ?」
龍神貴好:「え?え?」
乃木清和:「その言葉はシャブくんのお節介じゃないかな~。喋ったことないから知らないけど…」
乃木清和:「そんなにビビらないでよ。片方だけなのは…そりゃ」
乃木清和:「皆をUGNに連れ出すのは、そもそも私の役目だからですけど」
瑛・A・アヴァス:その言葉の半歩早く、迷わず引き金を引こうとする。
柳瀬順吾:「……勘弁してくれよ」
GM:〈白兵〉10で、瑛の射撃を止めることができます。
乃木清和:3dx>=10
DoubleCross : (3DX10>=10) → 9[5,8,9] → 9 → 失敗

乃木清和:1!
エマ・カルナデス:4DX10>=10
DoubleCross : (4DX10>=10) → 8[1,2,5,8] → 8 → 失敗

エマ・カルナデス:2!
柳瀬順吾:5dx+7>=10
DoubleCross : (5DX10+7>=10) → 9[3,7,7,8,9]+7 → 16 → 成功

乃木清和:かっこいい!!!
龍神貴好:7dx>=10
DoubleCross : (7DX10>=10) → 10[2,2,4,6,6,7,10]+4[4] → 14 → 成功

龍神貴好:一応ね
乃木清和:キャ~!!!

GM:――その瞬間、いくつかのことが同時に起こった。
GM:瑛・A・アヴァスの引鉄が指にかかる瞬間。最も早く反応し、対応を行おうとしていたのは乃木清和だった。
柳瀬順吾:「瑛!」 銃弾の軌道を、小さなブラックホールが阻む。
乃木清和:身を翻し、龍神くんの首を掴もうとする。
GM:柳瀬順吾が、銃弾を消した。それを織り込み済みで、瑛・A・アヴァスは次弾を放とうとしていた。
GM:エマ・カルナデスは動けずにいる。リーダーとして場を収める方法を、思考し続けていたからだ。
エマ・カルナデス:「ッ……」ノギの手前に飛び出し、ハナブサの間に立とうと逡巡して、ノギ自身の行動に判断が遅れた。
龍神貴好:首の部分はパーカーだ。奇妙な感触の布地。
龍神貴好:意に介さず、両腕を前に向ける。
瑛・A・アヴァス:「ち」
龍神貴好:そこから伸びる無数の指が、瑛の動きを拘束した。
瑛・A・アヴァス:舌打ちしながら、拘束されると同時にコントローラーを押す。奥の部屋からドローンを次々に召喚しようとして――
椎原瑠々:「【やめて】!!!!」
瑛・A・アヴァス:が ががががが がしゃん!!
瑛・A・アヴァス:機械の蛇が、身を強張らせてねじ切れた。
柳瀬順吾:「乃木……!」
乃木清和:「どーもね、皆…」龍神くんの首根っこを掴む体勢。手のひらに、布地とは言えない感触がある。
エマ・カルナデス:「ノギ……これは、どういう冗談?」
乃木清和:「悪いんだけど、一旦落ち着いてくださる? それこそ、今すぐ何かをするつもりはないんだから」
エマ・カルナデス:「なら、龍神リュージンを離して」
瑛・A・アヴァス:「……なんで」「お前なんだ」
乃木清和:「…ふふ。いいよ、もちろん…。ごめんごめん。ビビっちゃったのは私の方か」手を離し、やおら壁際に寄る。
瑛・A・アヴァス:「……いや。撃ったのは、俺が先だ」
瑛・A・アヴァス:銃を取り落とす。足で蹴り、乃木の方に滑らせる。
柳瀬順吾:「なに考えてんだよ……乃木チャンさあ」
椎原瑠々:「あ……うあ、あ……」
龍神貴好:乃木の動きを視覚で追う。
乃木清和:「最初は任務。トラス4に潜り込んでこの街の動向を探れって」
柳瀬順吾:「ええー……そんな感じか? マジか……」
乃木清和:「気付かなかった? 嬉しい。自信出ちゃうなー」
乃木清和:「UGNの本命がかとつの軒先で、最終対象が判明したので私の潜入任務は終わりになった。これ以降は『B2*』と合流しろと指令が下ってる」
瑛・A・アヴァス:「連中の目標は、あくまでかとつの軒先……《アウトカスト》ということか」
エマ・カルナデス:「……即応牽引カテゴリ『B2*ベニー・ベニー』。片方はベディで……そういうこと」
乃木清和:「そ~いうこと。みんなは瀬古隆司をおびき出すための釣り餌、私は…釣り竿?ふふ」
龍神貴好:「つまり、なんだ。乃木さんはスパイだった……ってことか?」
龍神貴好:状況に必死に追いつこうとしている。
瑛・A・アヴァス:「裏切者ダブルクロスだ」
エマ・カルナデス:「UGN。いわゆる正義側の秘密結社。……ノギは、そこから来たと言っている」
乃木清和:「そうです。ごめんね? 皆と仲良くなったのも、龍神くんと内緒の話したのもただの仕事だったってわけ」
瑛・A・アヴァス:「それにしちゃあ、随分と楽しんでいたようだがな」舌打ちを交える。
柳瀬順吾:「……指令か。仕事だもんな。……仕事、するのか?」
乃木清和:「へへへ。仕事、仕事ね~…そうなんだよ、柳瀬。それが問題で」
柳瀬順吾:「ああ。……仕事されると、困るんだよな……」
乃木清和:「これからUGNは、悪い奴をぜ~んぶ倒して、かわいそうな少年少女をUGNの仲間に入れてあげるつもりでいる」
瑛・A・アヴァス:「……完璧な排除。完璧な後始末……」
龍神貴好:「……UGNは、トラス4と、事を構えるつもりなのか?」
乃木清和:「事を構えるつもりはないよ。みんなをUGNの仲間にしようとしてるんだ。正義の味方らしくね」
龍神貴好:「………」
柳瀬順吾:「ぷっ……ははははは!」
柳瀬順吾:「俺はごめんだな。イチ抜けだ」
エマ・カルナデス:「…………」平静を装って、努めて”ストローマン”らしい無表情で質問する。
エマ・カルナデス:「ノギ……いや、UGNエージェント”バニティ”」
エマ・カルナデス:「楽しかった?私達との仲間ごっこ」
乃木清和:「このままでもいいかなってくらい楽しかったですとも」
瑛・A・アヴァス:「……なら」額を抑える。「いいだろう。このままでも……」
乃木清和:「正直私も、こないだまではそう思ってたんだけど~」
エマ・カルナデス:「彼女の上司は、それを許さない。多分ね」
乃木清和:「それだけじゃなくて…」
乃木清和:「ちょっと心配になっちゃって。ふふふ……しばらくどっちつかずの蝙蝠になろうかなって」
龍神貴好:「心配?」
乃木清和:「心配。放っておいたらいけないかもって人がいるの」
乃木清和:「なので…ここは一旦、見逃してくださると嬉しいんだけど」
乃木清和:「いかがかな。“ストローマン”?」
柳瀬順吾:「勝手なことを言いやがる……」
瑛・A・アヴァス:「……”シャブダ・ベディ”に……『B2*』の連中か」独り言つ。
瑛・A・アヴァス:「柳瀬。動くな」
瑛・A・アヴァス:「たぶん」「お前より早い」
瑛・A・アヴァス:冷や汗が伝っている。
GM:瑛・A・アヴァスが射撃によって計測しようとしていたのは、着弾までの反応速度・・・・だ。
GM:通信波の性質を持ったワ―ディングであれば、ソナーのような利用によって動作までの速度を計測できる。
GM:乃木清和の対応は、結果的に弾丸を防がなかったが――柳瀬順吾以上の速度によって展開された。
エマ・カルナデス:「……活動中に”バニティ”に背中から撃たれたら、流石に無事では済まない」
柳瀬順吾:「……消えてくれ」
柳瀬順吾:「いまのうちに」
乃木清和:「あはは」
乃木清和:「デリカシーないこと言われるより、一番いやだね、こういうの…」後ずさる。
龍神貴好:「いや、待て待て待てって」
龍神貴好:「おかしいだろ、そんなの。僕たちと敵対する気はないんだろ?」
龍神貴好:「なら……それなら……」
柳瀬順吾:「ちょうどいい。UGNに……正確に伝えてくれよ。俺たちがやろうとしていること……」
柳瀬順吾:「無視されるのが一番困るからな」
エマ・カルナデス:「”バニティ”。仲間だったあなたは、凄く頼れる人だった。それが……裏返るのは、とても恐ろしい」
エマ・カルナデス:「……背中は見せたくない。行くなら、行って」
龍神貴好:「ずっと、一緒にいたんだろ……」
椎原瑠々:「そ、そうですよ。龍神くんの、言う通りです」呻く。
椎原瑠々:「家族が、離れないといけないなんて」
椎原瑠々:「おかしいですよ。おかしい……」
柳瀬順吾:「一緒にいたからって、それになんの意味がある?」
柳瀬順吾:「”かとつの軒先”はどうだ? どれだけ一緒にいた? そういうのじゃねえんだよな……」
柳瀬順吾:「そういうのじゃあ、ねえんだよ」 その場に座る。追うつもりはない、という意思表示だ。
乃木清和:ニコリと微笑み、ドアを閉める。
乃木清和:そのままシーンから外れます!
椎原瑠々:「あ……」座り込む。「う、わあああ」
椎原瑠々:「うああああああああ……」
龍神貴好:立つ姿勢が保てない。膝から下の擬態が崩れて、ぐしゃり、とその場に頽れる。
エマ・カルナデス:閉じられたドアからようやく視線を外し、長い溜息を吐く。
エマ・カルナデス:「……一緒にいた仲間と、殺し合わされることだってある。この世には、なるようになることと、ならないことがある」
エマ・カルナデス:「これは、ならなかった方」
瑛・A・アヴァス:「柳瀬」低く呟く。「これが現実か?」
瑛・A・アヴァス:「確かに三上の言う通りだ。馬鹿馬鹿しいな」
柳瀬順吾:「かもな」
柳瀬順吾:「……ラーメン食って帰る」
瑛・A・アヴァス:「そうだな。乃木、お前もたまには付き合え――」
瑛・A・アヴァス:「……」
瑛・A・アヴァス:「はは」
エマ・カルナデス:「それに比べてノギー」
エマ・カルナデス:「………不謹慎だった。ごめん」
龍神貴好:「何が………」
龍神貴好:「何がいけないってんだよ………」
柳瀬順吾:「……できるだけ一人にはなるなって言ったけど……」
柳瀬順吾:「悪いね。今日は一人で帰るよ」
瑛・A・アヴァス:止めない。ソファに倒れ込むように横になる。
柳瀬順吾:「えーと……作戦開始は、連絡してくれ。大丈夫。やることはやるさ」
柳瀬順吾:「やらなきゃいけないしさ」 サンダルの踵を鳴らして、部屋を出ていく。
エマ・カルナデス:「うん。アプリはちゃんと確認しておいて」
エマ・カルナデス:「…………」告げた後、携帯電話を取り出して、アプリを開く。
エマ・カルナデス:逡巡する。
エマ・カルナデス:サーバーの管理画面から、『ユーザーをキック』のボタンをタップした。

INFO:→「乃木清和」が『トラス4』から離脱しました。
INFO:→「乃木清和」は、以降他のPCの「■日常生活」「■推理」に登場しなくなります。
INFO:「■自警活動」に「華吶町一番街地下アーケード」が追加されました。

GM:ロイスの変更・購入が可能です。
龍神貴好仲間/乃木清和/連帯感:○/警戒/ロイス→仲間/乃木清和/連帯感/悔悟:○/ロイス
乃木清和柳瀬順吾/友情:〇/食傷/ロイス これで取得!
GM:おい!!!!裏切った所でP感情を自覚するな!!!!!!!!
GM:いなくなって改めて大切さに気付いてるんじゃね~~~
乃木清和:あんなに一緒だったのに 夕暮れはもう違う色
柳瀬順吾乃木清和/信頼/脅威:〇/ロイス
柳瀬順吾:これで!
エマ・カルナデス龍神リュージンとのロイスをP☑:好奇心に戻しておく。
龍神貴好:購入かあ。
GM:プレゼント用の道具とか購入するのはどうですか?
GM:乃木さんのアライアンスの進行度が上がるかも
龍神貴好:ははは(乾)
龍神貴好:リアクティブアーマーでも狙おうかな
エマ・カルナデス:HPはもう十分だし……駄目元で電磁シールドでも購入してみよう。
乃木清和:取得しても ひとり セーフハウス買います
エマ・カルナデス:6DX>=14
DoubleCross : (6DX10>=14) → 9[4,6,6,7,8,9] → 9 → 失敗

乃木清和:4dx+1>=15
DoubleCross : (4DX10+1>=15) → 7[1,4,5,7]+1 → 8 → 失敗

龍神貴好:5dx+1>=24
DoubleCross : (5DX10+1>=24) → 10[2,3,3,4,10]+5[5]+1 → 16 → 失敗

GM:皆テンション下がりすぎだろ
GM:龍神くんだけ燃えてる!
龍神貴好:ごおおおおお
乃木清和:寝床、手に入りませんでした 以上です
柳瀬順吾:強化素材でも狙ってみよう
GM:ルールルー……
柳瀬順吾:3dx>=15
DoubleCross : (3DX10>=15) → 7[1,4,7] → 7 → 失敗

柳瀬順吾:だめ~!
柳瀬順吾:以上!
龍神貴好:失敗しかない!以上です
GM:皆テンション低くな~い?? もっとアゲてこうぜ~~!!って西舘も言ってるよ

【ALLIANCE14】”バニティ”

9月2日 21:24 / ジャズバー『Club Malbolge』

GM:『B2*』潜入捜査官、”バニティ”の華吶町における『トラス4』潜入任務は終了した。
GM:もはやきみにとって、華吶町に留まり続ける理由もさして残されてはいない。
GM:本当に『トラス4』との接触を断つならば、七咲支部に合流後、『アウトカスト』排撃作戦の開始を待つだけでよかった。
GM:それでも『Club Malbolge』に足を向けたのには、何か理由があっただろうか?
乃木清和:キッチンで働くマスターを視界に、メッセージアプリには職を辞める旨をしたためた下書きが表示されている。
乃木清和:これを送れば、私生活を理由に急にいなくなる不出来なアルバイトの出来上がりだ。
乃木清和:(なんだけどね…)
”ブラック・ブロック”:逡巡するきみの視界の端に、手招きする人影が映った。
”ブラック・ブロック”:黒サングラスの女――”ブラック・ブロック”だ。常のようにその瞳はグラス越しに隠されて見えないが、笑っているようにも受け取れた。
乃木清和:「お。お姉様」
”ブラック・ブロック”:「いやぁ~……聞いたよ、清和ちゃん」
”ブラック・ブロック”:シーシャスペース。空いている隣の席を、とんとんと指で指し示す。
”ブラック・ブロック”:「盛大に大暴れしたみたいじゃん」
乃木清和:「やだ~、年下の女に向かってそんな野蛮な」隣の席に腰掛けます。
”ブラック・ブロック”:「いいけどね。別に」煙を吹きかける。「ピパ・ソングうちのことは隠れ家として使って頂いて」
乃木清和:「ブッ…ふふ」「良かった。裏口に部下を待機させていたりしたらどうしようかと……」
”ブラック・ブロック”:「流石に、『B2*』の清和ちゃんとやりあったら……」
”ブラック・ブロック”:「どっちもタダじゃすまない」
”ブラック・ブロック”:「我々は平和主義者だからね。UGNとのパイプが増えること自体は、別に万々歳なのさ」
乃木清和:「貸しができたってわけだ。これからウチらは『アウトカスト』をせん滅させるつもりだけど、あなた達はそれに手を出さない」
乃木清和:「そもそもピパ・ソング…いやあなたか…は、『アウトカスト』を危険視していたんだからこんなことを言うのも野暮かもしれないけどね」
”ブラック・ブロック”:「強かだね。嫌いじゃない……」くつくつと笑う。「それに、個人的な借りもできちゃった」
”ブラック・ブロック”:「柳瀬くん、落ち込んでたでしょ? 慰めるチャンスだと思うんだなあ~」
乃木清和:「ハ~? マジで?」
乃木清和:「あれのどこがいいの。ジャージいつ洗濯してるか分からないよ」
”ブラック・ブロック”:「”家族”の目から見たらそう見えるかもね」
”ブラック・ブロック”:ワイングラスが揺れる。燻製のチーズをちぎって、口に放り込む。
乃木清和:「家族」少し笑う。
”ブラック・ブロック”:「私にはそう見えた。違う?」
乃木清和:「そこまで馴染めていたなら、私の任務は上々…」
乃木清和:「さて、返答を避けようかな。ねえ、ブラック・ブロック」
”ブラック・ブロック”:笑みを崩さない。煙を吸い込み、また吐き出す。
乃木清和:「柳瀬の好きな店をひとつ教えてあげるから、面倒見てほしいことがあるんだけど」
”ブラック・ブロック”:「聞こうじゃない。友人の頼みに免じて……」
”ブラック・ブロック”:「ラーメン屋はなしね」
乃木清和:「あっはっは!」
乃木清和:「瑛がさ、このお店で使ってる燻製がいくつか欲しいんだって」
”ブラック・ブロック”:「……」
乃木清和:「マスターに頼もうと思ってたんだけど…これから店を辞めるバイトがそんなこと言うのも気まずいからさ…」
乃木清和:「代わりに分けてやってあげてよ。お願い」
”ブラック・ブロック”:溜息を吐く。
”ブラック・ブロック”:「これは、自己紹介だけどさ」
”ブラック・ブロック”:「中途半端なやつが一番嫌いなんだ。私は」
乃木清和:「フッ…」
”ブラック・ブロック”:「これから清和ちゃんがやることを見て、お願いを聞くかどうか考えたげる」
乃木清和:「分かった。私はあなたのそういうとこ好き」
”ブラック・ブロック”:にやりと笑う。「いいね。実は私、友達少ないんだ」
”ブラック・ブロック”:「状況が煮詰まったら、いつでも遊びに来てよ」
”ブラック・ブロック”:「きっと、うちのリーダーも気に入る。清和ちゃんのことはね」席を立つ。バーの方に何か注文をして、ウインクする。
乃木清和:「そりゃ嬉しい。デートでもさせてよ…」特に返答を求めるわけでもなく呟きながら、ブラックブロックの行方を見送る。
GM:……”トラス4”が、バーへと駆けつける様子はない。
GM:”ブラック・ブロック”は、彼らに乃木清和の居場所を知らせなかったということだ。
乃木清和:「優しくされちゃった」ぼやく。
GM:任務用に支給された端末に着信が入る。”リセ”からの伝言だ。
乃木清和:「は~い」着信に出ます。
坂城忠人:『ああ……もしもし。”バニティ”ですね。連絡がついてよかった』
坂城忠人:『最後の定時連絡を要請します。一番街の”ホテル・べランシア”のロビーで待ち合わせましょう』
GM:以前のような、単純暗号鍵によって秘匿された通信ではない。
乃木清和:「了解。ほろ酔いだけど許してくれます?」
GM:もはや傍受されても構わない・・・・類の通信だということだ。
GM:こういった情報流量の制御だけでも、市内の勢力を思うがままに動かすことができる。
GM:本来UGNとは、そういった影響力を持つ組織だった。
坂城忠人:『構いません。オーヴァードにとって、友人との交流は大切なことです』
坂城忠人:『乃木清和という個人にとっても、そうであることを願っています』
乃木清和:「ふふ…それはどうも。…また後で」通信を切る。
GM:バーを出て、地下鉄から一番街を目指す。
GM:底菱駅の2番線から一番街駅で乗り換えれば、指定された『ホテル・ベランシア』は駅前に辿り着けるはずだった。
GM:『Club Malbolge』の付近は閑静な住宅街であるため、22時でも駅の人影は疎らだ。
GM:無人改札を進み、自販機が立ち並ぶホームを下れば2番線メトロに乗れる。きみが、改札を抜けた時だった。
酔っ払い:「うぃ~……ひっく」
酔っ払い:柱の陰から、酔った40代程の女性が出て来る。
酔っ払い:「あ~……奇麗なお姉さんじゃない。若いっていいわねえ~~……」
酔っ払い:華吶町では毎日目にする、悪質な酔っ払いの類だ。
乃木清和:「どうも? あなたもお綺麗ですよ」相手にせずさっさと立ち去るのがベストではある。
酔っ払い:「そぉ? やだ~……やっぱりおじょーずねえ」
酔っ払い:「情報通り・・・・
酔っ払い:ふらついた足が、
酔っ払い:もつれ、
酔っ払い:地を這う。きみに肉薄する。
GM:《射撃》で目標8の判定をどうぞ。
乃木清和:イヤ~ン
乃木清和:5dx+3>=8
DoubleCross : (5DX10+3>=8) → 9[1,2,3,8,9]+3 → 12 → 成功

GM:成功すると、攻撃を迎撃することができます。というかRCでいいな
GM:めっちゃ成功してる

酔っ払い:手提げ鞄から、どす黒い色をしたナイフが零れ落ちる。振動し、増殖する。
酔っ払い:コピーとペーストを乱雑に繰り返したような、違和感のある造型だった。刃を宙に浮かべながら、旋回する。肉薄。
酔っ払い:UGNの教練にも描かれるような、手本通りの「不意打ち」だった――だが、迎撃することはできる。
乃木清和:「おっと…」よろけた女性にそっと手を差し出すように、傍目からはそう見える。
乃木清和:《ワーディング》を発動。気配を周囲からそこだけ遮断し、さらに己の能力を重ねて使用。
乃木清和:乃木清和の影の粒が不定形に生成、弾丸のように発射。空中のナイフを的確に“飲み込み”、するとその刃は塵へと化していく。
GM影使いウロボロス同士の白刃戦だった。
GM:同出力かつ、同質の能力媒体が干渉し合う時。勝利するのは――
乃木清和:女性を抱えるようにし、その体勢で拘束する。
酔っ払い:「ぐ」「!!」
乃木清和:「誰?」
酔っ払い:完全な先手を取った。にも関わらず、拘束され、地に伏している。
酔っ払い:複雑な能力機序が展開されたわけではない。乃木清和には、周囲への隠ぺいを優先させてなお”早撃ち”に勝利する余裕があったということだ。
酔っ払い:「……《トラス4》の……」「乃木清和じゃ、ないの」
GM:『トラス4』に懸けられた”懸賞金”はまだ展開され続けていた。今の言葉だけで、賞金目当ての”野良”だということがわかるだろう。
乃木清和:「あ~、そっちか…。オーケーオーケー、その言葉は当たりで外れ」
乃木清和:「そう“だった”。今は追い出されてて、皆とも連絡つかないから、私を殺してもお金は貰えないよ。残念だね」
乃木清和:「どう、マダム。ここはお互い、なかったことにしない?」
酔っ払い:「それは――」逡巡した瞬間。
坂城忠人:ぱちん。
坂城忠人:指を鳴らす音が走った。
酔っ払い:それと同時に、泡を吹き、がくりと項垂れる。
坂城忠人:「……あれ」
坂城忠人:「要りませんでしたか?」
坂城忠人:”リセ”。坂城忠人が、階段から姿を現していた。
坂城忠人:「そんな目で見ないでください。眠らせただけです」
乃木清和:「せっかく和解の道を探っていたところだったのに~」
坂城忠人:「でも、大体こういうものでしょう。私たちの仕事って……」
坂城忠人:肩を貸して、無人の駅員室の前に丁寧に置いておく。
坂城忠人:すぐそばの自動販売機から、ペットボトルの水を買い、女の傍に転がした。
乃木清和:「………だからバイオレンスなのか? こういうところが…」
乃木清和:「いや、なんでもない。ホテル向かいます?」
坂城忠人:「なにか気にしてます?」
坂城忠人:「いえ……良いです。私も色々と疲れたので、ここで定時連絡を済ませてしまいましょう」
坂城忠人:「そちらの方が都合がいいでしょう。あなたのに帰るつもりなら」
乃木清和:「え~……」微かに笑う。
乃木清和:「それって、私、リセにどう思われてる?」
坂城忠人:ホームのベンチに座る。
坂城忠人:「裏切る気マンマンだと思っていました。正直……」
坂城忠人:「私はそれを期待していたのかもしれません」
乃木清和:「あっはっはっは」ウケる「それは期待を裏切ってしまって申し訳なかったな…。色々と疲れてるって言ってたけど」
乃木清和:「あなたもあなただよ、リセ。結局、何がしたいのか分からないのは」
坂城忠人:「そうでしょうね。……『B2*』を使って、『トラス4』を使い潰すような真似をしておきながら……」
坂城忠人:「心のどこかで、私たちのような悪が敗北すればいいと思っている」
乃木清和:「悪。悪ってことはないでしょう…。ただ、『トラス4』も『アウトカスト』の因縁なんて、UGNが一掃しても大勢に影響がない小競り合いだと判断しただけで」
坂城忠人:「今日は随分と優しいじゃないですか……」苦笑する。
乃木清和:「なんだか色々納得できなくて」
坂城忠人:「でも、小競り合いでしょう。悪の華というものがあるとすれば、我々オーヴァードは」
坂城忠人:「随分とその花に水をやるのが好きらしい」
坂城忠人:「こんな悲劇は……ありふれています。それをあなたは認められますか?」
坂城忠人:腕時計を見る。「2200。定時連絡を開始します。UGNエージェント、”バニティ”」
乃木清和:「ん~…」
乃木清和:「UGNエージェントである私は、だからUGNの理念に反するつもりはない」
坂城忠人:静かに目線を返す。きみの考えを聞く気のようだ。
乃木清和:「作戦終了のことも、聞いたときは納得できてなかったけど、一晩経って頭を冷やしたら考えが変わった…ここで乗れないって降りるのは子どものワガママかもって思えるくらいにね」
乃木清和:「だから今、私はここにいる…」「…トラス4のメンバーに、『俺達のやろうとしていることを伝えろ』と言われた」
乃木清和:「無視されるのが一番つらいって」
坂城忠人:「……」
乃木清和:「リセ。彼らがなぜ実験施設からそのままUGNに逃げ込まなかったのか、その心情を想像できる?」
坂城忠人:「我々が、彼らを無視したからですね」
乃木清和:「キツいねー」
乃木清和:「とにかく彼らは私達のことも嫌いだ…だから自由で在ろうとしている。自由を掴むために戦おうとしている」
坂城忠人:「”アナーキー”。特定の組織に所属せず、独自の理念を持って活動する未補足のイリーガル」
坂城忠人:「華吶町の”アナーキー”……彼らの理念は、”自由”だと?」
乃木清和:「無政府主義アナーキズムなんて乱暴に聞こえるかもしれないけど」
乃木清和:「誰にも縛られず良い事だけしていくなら、世界は何も問題はなく平和に回っていく」
乃木清和:「…という理想の“自由”を彼らが掲げているかは知らないけど。反抗期真っ盛りなだけかもしれないけど~」
坂城忠人:「……」額を抑える。
乃木清和:「あなたとシャブくんは大切な人を失った経験があるって?」
坂城忠人:「人の繋がりは怖いものですね」
坂城忠人:「噂がどこから漏れるかもわからない。ははは……」
GM:”リセ”にしては、あまりにも稚拙な肯定だった。
GM:しかし、その稚拙さがかえってきみに確信を与える。
坂城忠人:「だから、あなたを『B2*』に推薦しました」
乃木清和:「えっ、そこ繋がります?」
坂城忠人:「同じ痛みを共有できる相手」
乃木清和:「あ、そうか。アハハ」
乃木清和:こっちも特に否定しない。
坂城忠人:「ええ。我々は家族ではない」
坂城忠人:「痛みに満ちた絆で結ばれた同志。私は『B2*』を、そんな風に考えています」
坂城忠人:「……大切なものを殺すという決断ができるなら」
坂城忠人:「それ以外の全ての人間を、同じように殺せる。そういう信頼の形もあります」
乃木清和:「……」地下鉄の構内を眺める。「さっきの質問。悲劇はありふれているって話」
乃木清和:「まったくそうだと思う。あなた達は傷つき、私も傷ついて、トラス4の皆だって傷ついてる」
乃木清和:「じゃあ、これからのことを認められるかっていうと…。どうしよーかなーって思って…思うのは…私がどうとでも選択できるから」
坂城忠人:「ええ」静かに微笑む。
乃木清和:「フフ。私がどうしたいかっていうのは、それは、スミカが望んだことをするだけなんだけど…」
坂城忠人:「……?」
乃木清和:「スミカはきっと…『清和がしたいことをしなよ』って言うから…困った。私がしたいことをしなくちゃいけない」
坂城忠人:「少し」首を振る。「……待って下さい。あなたは……」
坂城忠人:「と話しているんですか?」
乃木清和:「えっ。スミカ……あ、話してませんでしたっけ? 私がエージェントになるきっかけになったジャーム化事件の…」
坂城忠人:「それは認知しています。彼女が既に死亡していることも」
GM:既に坂城忠人は座ってはいない。
GM:握ったペットボトルの水が、少しずつ変色している。誰もが知らない、”リセ”の戦闘態勢でもあった。
坂城忠人:「私が聞いているのは」
坂城忠人:「あなたにそういう能力傾向シンドロームはないということです」
乃木清和:「……? そんな話じゃないですよ」
乃木清和:「私はまだ、自分の中に彼女の存在を感じられる。それだけ」
坂城忠人:「死者は蘇らない。魂や心は実在しない……」
坂城忠人:「もし、そんなものがあるなら」
坂城忠人:「我々だって、をいまも認識できるはずだ」
坂城忠人:水を掲げた腕を下ろす。何かが、”リセ”の琴線に触れてしまったことを……きみは認識してもいい。
乃木清和:「そんな幽霊みたいな話じゃなくて……え~と…」「……まあ、とにかく」
乃木清和:「リセ。それで私は、この状況の中であなたが欲しているものがあるんじゃないかと考えた」
坂城忠人:「!」
乃木清和:「あなたが私に裏切ることを期待していたのだって、あなたがそんなにも彼を求めるのだって」
乃木清和:「状況を、何か良い方向に変えてくれるヒーローみたいな人が欲しいんでしょって…そう思った」
坂城忠人:「……そうですよ。でも」「死んでしまいました。我々が殺した」
坂城忠人:「その代わりを、『トラス4』に期待するのは……あまりにも不誠実じゃありませんか?」
乃木清和:「不誠実ですとも。だから私がなってあげる」
坂城忠人:「それが、あなたの”したいこと”だとでも……」
坂城忠人:「……」力が抜けたように笑う。「やはり、私はあなたが苦手だ」
乃木清和:「そうだと思う。どうしても“したいこと”なんて、特に持ってないんだから」
坂城忠人:「そんなエージェントは、信頼できませんね」
乃木清和:「そうだよ。作戦に招くのは危険じゃない?」
坂城忠人:「はははははは……」
坂城忠人:「……」
坂城忠人:「”バニティ”。任務の越見解釈、並びに著しいあなたの反社会的な言動は部隊員として不適格です」
乃木清和:「アッハッハッハ」
坂城忠人:「『B2*』との合流指令は解除。現刻をもって、華吶町での任を解きます」
坂城忠人:立ち上がる。反対方向への電車へと歩いて行く。
乃木清和:「ラジャ~」
坂城忠人:「以降、私は”バニティ”と接触しません。不出来な隊員に指令を下すのは、リソースの無駄ですから……」
坂城忠人:「……”シューラ・ヴァラ”にも伝達事項を共有しておいてください。どうせ”シャブダ・ベディ”の正体も聞いているでしょう?」
乃木清和:「了解。任務の合間の少ない余暇を楽しませていただきまーす」
坂城忠人:「では」振り向かずに、手を上げる。
坂城忠人:「せいぜい、場を引っ掻き回す道化師ジョーカーになってください」
坂城忠人:「期待はしてませんけどね」
乃木清和:「裏切れないじゃん」
乃木清和:と言って、ニヤニヤ笑って見送る。
坂城忠人:「ははは!何言ってるんですか」
坂城忠人:「我々は正義の味方ですよ。裏切らない方がいいです」
GM:『――次は 一番街前 一番街前……』
GM:ホームドアが開く。”リセ”は地下鉄に乗り込み、すぐに姿を消す。電車は『Chill to Shift』と反対方向に去っていった。
乃木清和:「元気出てやんの…」
乃木清和:「…大した信条も、乗り越えるべき課題も、大きな決意も、理由も、何もない」
乃木清和:「まったく中途半端のどっちつかずだ。私らしくて最高」
乃木清和:「でしょ?」と言って、薬指の指輪を一瞥してみせる。

Benny[béni]:[名]
①Benjaminの略称。(男性名詞)
②100ドル札(米)のスラング。
③トランプにおける切り札ジョーカーの別称。ベニー・カード。

INFO:「坂城忠人」のアライアンスlvが「2」に上昇しました。
INFO:内緒の差入れです」が発動しました。

シナリオ1回。PC全員の侵蝕決定ダイスを、「1」で固定する。

GM:→「ウワサ:七咲支部直轄即応牽引カテゴリ『B2*(ベニーベニー)』(赤)」を入手しました。

「ウワサ:七咲支部直轄即応牽引カテゴリ『B2*(ベニーベニー)』(赤)」 『アウトカスト』殲滅作戦は、”リセ”が直轄する即応牽引カテゴリ『B2*』が受け持つ。
『B2*』の専科は、非UGN支配領域に対する潜入と、UGN介入の障害となる要因の排除。
”バニティ”に対しても、『B2*』への合流、及び撃滅作戦への参加が通達されていたが……
何かトラブルがあったのか、現在彼女に対する指令は撤回されているようだ。

INFO:[WARNING!]「坂城忠人」のアライアンスが凍結されました。以降、「凍結」状態が解除されるまで、「坂城忠人」のアライアンスに接触することはできません。
INFO:→新たなアライアンスが発生しました。
INFO:→「華吶町」(☆☆☆☆☆☆☆☆☆)のアライアンスを実行可能になりました。進行条件は不明です。

【DAYLIFE03】龍神貴好&柳瀬順吾

龍神貴好:龍神貴好の侵蝕率を1増加(100 → 101)
柳瀬順吾:侵蝕率92→93

9月3日 18:43 / 寄咲大学 映像編纂室

柳瀬順吾:「……」 キーを叩くと、映像が巻き戻る。何度も、同じ部分を再生している。
柳瀬順吾:CGの鮫がデパート内を暴れ回るところだ。
柳瀬順吾:「悪いね~……どうもスランプでさ……。店にも顔出せてない。リーダーに言われて来た?」
龍神貴好:手でノックの形を作り、入り口に立っている。
柳瀬順吾:「龍神クン。まさか、先輩のフィルム漁りに来たわけじゃないよな?」
龍神貴好:「それだけはない」言って、部屋の中に入る。
龍神貴好:「様子気になって。エマさんにも言われはしたけど」
柳瀬順吾:「へへへ……いつも通りだよ、俺は。……つっても、『いつも』をあんまり知らないか」
柳瀬順吾:「お互いに」
龍神貴好:「まあ、柳瀬くんと知り合ってまだ……一ヶ月?弱?だからな」
龍神貴好:「僕のいつもなんてそれこそだよ。もう今までの通りにはなってないんだから」
柳瀬順吾:「それでも……龍神クンは、”今までの通り”を続けようとしてるだろ……」
柳瀬順吾:「だから必要だったんじゃないかって、今は思ってる」
柳瀬順吾:「”いつも”を知る努力ってやつ?」
龍神貴好:「……続けてて、どうにかなるもんでもないのかもな」独り言のように。
柳瀬順吾:「ずいぶんネガティブじゃんか。疲れてる? それとも、ヤなことあった?」
龍神貴好:「疲れてはいるかもな。ビデオ屋行っても……」
龍神貴好:言葉に迷って。
龍神貴好:「……今までと違う、し」
柳瀬順吾:「それな」 指差す。キーを叩いて映像を止める。
柳瀬順吾:鮫がデパートのコスメストアに突っ込んでいくところだ。
柳瀬順吾:「俺は落ち込んでる……っていうか、もっとちゃんと言うと」
柳瀬順吾:「後悔してるね」
龍神貴好:「後悔」
龍神貴好:「どういう後悔?色々ありそうだけど」
柳瀬順吾:「色々あるよ~。難しい物事を、単純にして表現しちゃうのはさ……俺はあんまり好きじゃなくてさ……」
龍神貴好:「うん」頷く。
柳瀬順吾:「たとえば、もっとあいつのことを知ろうとしとけばよかった、とか……あるけど……」
柳瀬順吾:「あのとき、動けなかったのがな~……。瑛クンはああ言ってたけど……」
柳瀬順吾:「ああいうときに荒事を引き受けるのが、俺の仕事だったんじゃないかってね。思ってる。相手がどうこう関係なしに」
柳瀬順吾:「どう思う?」
龍神貴好:「ん……」
龍神貴好:「正直に言うけどさ、あの時、柳瀬くんであれ誰であれ」
龍神貴好:「乃木さんを殺してたら、あの場で吐いてた……いや今はそう言う反応は起きないけど……そういう気分になったと思う」
龍神貴好:「最悪の気分ってやつ」
龍神貴好:「まだよく解ってないことも多いけど」
柳瀬順吾:「へっへっへ」
柳瀬順吾:「気が合うな。俺も、きっと最悪になってたと思うよ……」
柳瀬順吾:「……龍神クンにとっても、リスクしかない結果になったからさ……。一回、ごめんなさいしとこうと思ってた」
龍神貴好:「そこら辺、多分僕はよくわかってないんだよな」
龍神貴好:「だから謝られてもハテナになっちまう」
柳瀬順吾:「いやいやいや、それこそ俺がハテナだよ。フツー、大ピンチって思う状況じゃないか?」
柳瀬順吾:「実はあいつがスパイでさ、情報を横流しとかしてたら……なんか……ヤバいじゃん!」
龍神貴好:「危機感が足りないとは……よく言われる」
龍神貴好:「そうだな、情報はもう大分流れてるんだろうと思う」
龍神貴好:「それは、きっと発覚しようがしまいが変わらないし」
柳瀬順吾:「え~……!?」
龍神貴好:「……ことを構える気があるんだったらとっくに何かしてきてるだろ」
柳瀬順吾:「ンなことないって! オーヴァードはどんな能力があるかわかんねえんだから、俺たちを泳がせとくことでなんか、アレが、有利になるようなさあ!」
柳瀬順吾:「……いや。それこそ、考えすぎか? 俺?」
龍神貴好:「んー………」
龍神貴好:「多分、柳瀬くんの感覚のほうがこう言う時は正しいのかなって思うけど」
龍神貴好:「僕はあんまヤバいって思えないんだよな」
龍神貴好:「それは、まだ乃木さんのことを普通に信じてるからかもしんないし」
龍神貴好:「少なくとも……僕たちを殺しにくる奴が増えたとして」
龍神貴好:「そこに彼女はいない気がする」
柳瀬順吾:「んん……なんでそう思うか、聞いてもいいか?」
龍神貴好:「あの人はやりたがらないだろ」
龍神貴好:「それに……そうだな」
龍神貴好:「僕が初めてトラス4に会った時、真っ先に庇ってくれたのがあの人だったから」
龍神貴好:「まあ、なんか、そうする必要、別にないよな……って」
柳瀬順吾:「……ああ」
柳瀬順吾:「そうだな。そうだった……本当、俺、あいつのそーゆーとこどうかなって正直思ってたけど……」
柳瀬順吾:「要するに、『そういうことをするやつ』ってことだな。自分の利益にならないし……なんなら面倒ごとを背負い込むだけのリスクを拾う」
龍神貴好:「うん」
龍神貴好:「日常的に色々人を騙さなきゃいけないようなことしてるから思うんだけどさ」
龍神貴好:「演技なんて、手を抜けるところでは手を抜きたいよ」
龍神貴好:「吐く嘘は少ないほうが、バレにくいし」
龍神貴好:「だからそういうとこ、信じられると、思うんだよな」
柳瀬順吾:「へへへへへ! そうかもな。龍神クンに感謝だ。あいつのことを……」
柳瀬順吾:「もう一度、少しはわかろうって気になれた気がする。……龍神クンもね」
柳瀬順吾:「お人好しすぎるぜ。俺が言った『面倒ごと』ってのは龍神クンのことだぜ」 指差す。 「自称・面倒ごとでやってくつもりか?」
龍神貴好:「む」
龍神貴好:「それは困るな。何かあるたびに『僕は面倒ごと』……って言うの、決まらなすぎるだろ」
柳瀬順吾:「ハハハハハ! いいね~それ。ミスター・トラブルマン」
柳瀬順吾:「今度使お。……助かったよ。いや、本気でね」
龍神貴好:「どうか主役を僕にしてくれるなよ」
龍神貴好:「でも、まあ……力になったんなら、よかった」
柳瀬順吾:「うん。……もう一度、ちゃんとやるかって気になってる。そっちはどうだ、龍神クン?」
柳瀬順吾:「”今まで通り”を続けていく気力はあるか?」
龍神貴好:「きみが調子出てきたの見て、僕も元気出てきた」
龍神貴好:「やるよ。”今まで通り”も”これから”も」
柳瀬順吾:「上等だ。俺たちを”ここ”から引き離そうとするやつは……」
柳瀬順吾:「全員、やっつけてやる。昔の友達のためにもさ」 コスメストアで暴れる鮫が、鏡を割った。アクセサリーが、口紅が、床に散乱する映像で止まる。
龍神貴好:笑みを作る。大分自然になった。
龍神貴好:「いいね。悪くない」
龍神貴好:「どうせなら欲張って行こう。友達は……」
龍神貴好:目を閉じる。視覚は開かれている。
龍神貴好:「多いに越したこと、ないからな」

【DAYLIFE04】エマ・カルナデス

エマ・カルナデス:82→83

9月3日 17:54 / 華吶町一番街 ビデオショップ『Chill to Shift』

エマ・カルナデス:店が入っている雑居ビルは築数十年の年代物だが、格安の割にはそれなりの設備が用意されていた。
エマ・カルナデス:もっぱらハナブサが使用するキッチンと、狭いながらも更衣室、浴室──とは名ばかりのシャワー室。
エマ・カルナデス:ともあれ、UGNからも『かとつの軒先』からも彼女の身を隠すには、身近な場所にいて貰うほかない。
エマ・カルナデス:そう言った都合から、椎原瑠々には『Chill to Shift』内で常に誰か一人と生活してもらうこととなっていた。
椎原瑠々:「あっ、あの! えへへへ……お料理、作ってみました」
椎原瑠々:持って来た小皿には、100円足らずで買えるような魚介のすり身を揚げた駄菓子に、スクランブルエッグを載せたものが盛られている。
椎原瑠々:「自信作なんです! 本当のお父さんもお母さんも美味しい美味しいって食べてくれて……」
GM:椎原瑠々は、中学生の時から『アウトカスト』に誘拐され、略取を受け続けている。
GM:年齢に似合わない子供のような言動や、舌足らずな発音も、情操教育の不足によるものなのかもしれない。
エマ・カルナデス:髪の水滴をタオルで拭いながら、リビング相当の空間に戻って来て礼を言う。
エマ・カルナデス:「ゲストのルルちゃんに作らせるつもりはなかったんだけど。ありがとう」
椎原瑠々:「いえ。え、瑛さんが作るって、言ってくれましたけど……」
椎原瑠々:「すごくつらそうだったので。私にできることなら、なんでも言ってください!」
エマ・カルナデス:「……あいつ、ルルちゃんにまで気を遣わせて。へこみすぎ」溜息。
エマ・カルナデス:「前から思ってたけど、ハナブサもたいがいうちFHに向いてない」
エマ・カルナデス:「まあ、しばらくは共同生活。お互いなにかしんどいことがあったら代わるのは合理的」
エマ・カルナデス:「ルルちゃんにも外に出られない生活を強いてるし、何かあれば頼んでくれていい」
椎原瑠々:「あっ、え! 良いんです! 私なんかに気を遣って頂かなくて! お風呂場くらいのスペースがあればどこでも寝れますし!」
椎原瑠々:「その。皆さん……ファルスハーツ、なんですよね。一応」
椎原瑠々:「『アウトカスト』とは全然様子が……違うので、その、驚いて」
エマ・カルナデス:「んー……まあ、後でいいか。トラス4の話ね?」
エマ・カルナデス:「昔はこうじゃなかった。それこそ、『アウトカスト』が上に居た頃の話は……まあ、あまり聞いても愉快ではないと思う」
椎原瑠々:頷く。「……映像探してる時に、見ました。沢山ひどいことされてるの……」
エマ・カルナデス:「変わったのは、3人になってから。身分証とか表の仕事とか……とにかく大変だった」
エマ・カルナデス:当時を思い出しながら、食卓に座って手を合わせる。
エマ・カルナデス:「せっかく作ってくれたのに、冷ましてもいけない。行儀が悪いけど、食べながら話す」
エマ・カルナデス:「ハナブサには内緒ね。面倒だから」
椎原瑠々:「ふへへ……ほんとに家族みたいですね」
椎原瑠々:箸を使わず、手で食べ始める。
エマ・カルナデス:「そう。ルルちゃんとの内緒話」
エマ・カルナデス:箸が用意されてないのを見て、同じように手で摘まみ食事を摂る。
エマ・カルナデス:「それで……うちがこんな環境になった話。きっかけはまあ、ハナブサだと思う」
椎原瑠々:「あの……」
エマ・カルナデス:「?」
椎原瑠々:「いつも銃を撃ってるひとですよね」
エマ・カルナデス:「ああ、そう。あんなのだけど、面倒見はいい」
エマ・カルナデス:「恥ずかしい話だけど。セルから逃げおおせた当時の私は、ヤナセとハナブサの2人に比べてもかなり不安定だった」
エマ・カルナデス:「ひとりでいると、自分のしたことに押し潰されそうだった。誰かが生き残る席を奪い続けてきた、と」
エマ・カルナデス:言葉を切り、また一切れ摘まんで口へ運ぶ。
エマ・カルナデス:「うん。美味しい」
椎原瑠々:「……つらいですよね」
椎原瑠々:「自分が生きてるってことが……自分の命そのものが、えっと、その……」
椎原瑠々:「誰かを殺しちゃった上に建ってる、お墓みたいなものだって」
椎原瑠々:「あっ……すみません、意味わかりますか? む……難しいな……」
エマ・カルナデス:「ううん。よく分かるよ」
エマ・カルナデス:「でも、こうして今も生きてる。……私の場合は、二人が居たから」
椎原瑠々:「……家族がいたから」
エマ・カルナデス:「ハナブサが私をいつまでも出てこない自室から引っ張り出して、ヤナセもそこに座らせて。ご飯を作ってくれたの」
エマ・カルナデス:「『適切な食事を摂れ!!それと運動と睡眠!!!オーヴァードと言えど調整を受けなければ途端に錆び付くぞ!!!!』」
エマ・カルナデス:手を肩の位置まで上げ、やれやれ、というポーズ。
エマ・カルナデス:「……今と大して変わらないかも。でも、料理の腕はずっと上がったかな?」
椎原瑠々:「何だかお母さんみたいですね」自然に笑う。常のような、引きつるような笑みではなかった。
エマ・カルナデス:「そう。あんなだけど、感謝している……本人には恥ずかしいから、内緒にしておいて」
椎原瑠々:「はい! お友達との約束です」
エマ・カルナデス:「だから、私が辛かった時に嬉しかったことは、他の人にもやってあげたい」
エマ・カルナデス:「それで、さっきの話に戻るけど……」
エマ・カルナデス:「遠慮とかは、むしろ失礼だと思って。ハナブサなんかは『子供が大人に気を遣うな!!!!それはこちらの落ち度だ!!!!!』ってがーって怒るから」
椎原瑠々:「……エマさんは優しいですね」
椎原瑠々:「やっぱり、『アウトカスト』とは全然違うなあ……」
エマ・カルナデス:「アレは最悪だから。今回で縁が切れたら……いや、絶対に縁を切る」
椎原瑠々:「やっぱり……本当の家族って、薬で頭をヘンにさせたり……」
椎原瑠々:「家族を殺しちゃうぞ、って脅すようなものじゃないですよね」
椎原瑠々:「忘れちゃってました。私にも、ほんとの家族がいたはずなのに」
エマ・カルナデス:「とにかく、今後ルルちゃんに関わらせることはない。………」手を止めて、少し考え込む。
エマ・カルナデス:「ルルちゃん。ひとつ、それに関して謝っておくことがある」
椎原瑠々:「……え? 何でですか?」
椎原瑠々:「皆さんを先に攻撃しちゃったのは、私たちの方なのに……」
エマ・カルナデス:「最初にあなたと会った時。私は、ルルちゃんが助けを求めるなら応じるつもりだった」
エマ・カルナデス:「でも、あなたは助けてとは言えなかった。……あんな連中に、脅されていたら当然のこと」
椎原瑠々:「……」
エマ・カルナデス:「だから……あの後龍神リュージンがあなたと会っていなかったら。きっと、こうなってはいなかった」
エマ・カルナデス:「ごめんなさい。保護するのが遅くなって」頭を下げる。
椎原瑠々:「エマさん……やっぱり、優しすぎますよ」体をさする。
椎原瑠々:「龍神さん、素敵ですよね。静かで、かっこよくて、色んなお店も知ってて……」
エマ・カルナデス:「………」ぴく。背中が動く。
椎原瑠々:「自分のことを、自分で決められて」
エマ・カルナデス:「色んなお店。……何度か会ってたりするの?」
椎原瑠々:「あっ。え……?」
椎原瑠々:「初めてお話したのが、『Club Malbolge』ってところだったので……」
エマ・カルナデス:「ああ……あの店か。他には?」身を起こして、眼をしっかりと見て質問する。
椎原瑠々:「えっと、寄咲大学のカフェテリアとか……」
椎原瑠々:「でも、私を連れ出してくれた西舘さんって人が、送り際に『アイツ彼女いるからな』って言ってきて」
エマ・カルナデス:「ふーん………」
エマ・カルナデス:「ああ、そう。龍神リュージンと同じ大学の人」
椎原瑠々:「色んな人が皆さんの……『トラス4』と関わってるんですね」
椎原瑠々:「私、ずっと見てきました。警察とか、お店の人とか、大学の人とか……」
エマ・カルナデス:「私からは先輩にあたる。……でも、こんな風にたくさんの人と関わり始めたのはつい最近」
エマ・カルナデス:「それこそ、龍神リュージンが入って来てから。今思えば、龍神リュージンが色んなことの始まり」
椎原瑠々:「みんな皆さんのことを応援してるんです。それってすごく、素敵なことですよね」
椎原瑠々:「……やっぱり、このままなんて嫌です」
椎原瑠々:「さっき出て行った、乃木さんって人も……大切な家族なんですよね?」
エマ・カルナデス:「…………」
エマ・カルナデス:「大事だよ。でも、あの人は……私達みたいな、はぐれ物じゃなかった」
エマ・カルナデス:「ファルスハーツのセルとは規模が違う。UGNは……」
椎原瑠々:「ぜ……」
椎原瑠々:「贅沢なこと言わないでくださいよ!!!!」
エマ・カルナデス:目を瞬かせる。
椎原瑠々:エマ・カルナデスが言葉を続ける前に、机を叩く。
椎原瑠々:「優しすぎます。なんか……なんか、大人ぶられてるみたいで、すっごいムカつきます!!」
椎原瑠々:「UGNがどうとか、ファルスハーツがどうとか、私の質問に何も答えてないじゃないですか」
椎原瑠々:「わ……私は、もう」「家族に会うことだってできない」
椎原瑠々:「大切なら、追いかければいいじゃないですか。全然わかんない……」
椎原瑠々:肩で上下させている。息を呑む。「すみません。でも、遠慮するなって、言われたので……」
エマ・カルナデス:「……質問には答えている。ノギは大事だけど、"バニティ"は私達とは…………」
椎原瑠々:「なんですか? そうやって都合よく人格を使い分けられると思ってるんですか?」
エマ・カルナデス:「そういう訳では……」思わぬ勢いに、たじろいで言葉がかなりしろどもどろになっている。
椎原瑠々:「配信してるから、わかります。思ってもないこと言ったりするのって……本当に難しいんですよ」
エマ・カルナデス:「……ああ、もう、分かった。分かった!」
エマ・カルナデス:「ノギとこのままなんて、絶対に嫌!でも彼女の居場所は分からない!」
エマ・カルナデス:「どうしようもないけど、そんな事をルルちゃんに言ったって心配させるだけ!」
エマ・カルナデス:「だからこう言ってる!………はぁ……はぁ」
椎原瑠々:「……遠慮してくれてたんですね。私に……」
椎原瑠々:「皆にも」
エマ・カルナデス:常になく、息を荒げた後に、ちょっと拗ねたような視線を向ける。
椎原瑠々:「……でも、一人で抱え込まないで下さい」
椎原瑠々:「『トラス4』には……い、今っ、最強の配信者がついてるんです」
椎原瑠々:「それだけじゃないです。街の皆が味方です」
エマ・カルナデス:「ルルがここまで頑固とは思わなかった」
エマ・カルナデス:「はぁ……じゃあ、『遠慮』しないで言うけど」
椎原瑠々:「はい」
エマ・カルナデス:「不埒者と話がしたい。でも、多分あの人はのらりくらりと逃げるから」
エマ・カルナデス:「力を貸してくれる?電子の海の、最強の配信者さん」
椎原瑠々:「こ……」
椎原瑠々:「こんばんディ~~~~プ!!」
GM:……
エマ・カルナデス:「…………」
GM:無人の部屋に、作った声が響き渡る。
エマ・カルナデス:「ああ」手ぽむ。
エマ・カルナデス:「こんばんディープ。……挨拶だよね?」
椎原瑠々:「やめてください!やめてください!」
椎原瑠々:「するので!協力!」
椎原瑠々:「……じゃあ、ちょっと……瑛さんにも相談してきますね」咳払いして。
椎原瑠々:「あ、そうだ。最後に一つだけ質問していいですか?」
椎原瑠々:「……三上さんと龍神さん、どっちが好きなんです?」
エマ・カルナデス:「マセガキ」適度な力で引っぱたいておいた。

【DAYLIFE05】”バニティ”

9月3日 20:34 / 華吶町一番街 ハンバーガーショップ「バンバンバーガー」

GM:”シャブくん”の目撃証言を割り出すのは、”バニティの能力をもってしても”容易なことではなかった。
GM:まるでFHやUGNのやり口を知悉しているかのように、痕跡がすり抜けては消える。監視カメラに映るような愚も、容姿や行先を匂わせるミスも犯さない。
GM:つまり、きみが”シャブダ・ベディ”と遭遇したのはほとんど奇跡的な確率と言ってもよかった。
乃木清和:「リセの野郎~~…何が『伝達事項を共有しておいてください』だっつの」
乃木清和:「一日かけちゃったじゃん…まったく」
矢神秀人:「……」向かいの席に座る矢神秀人は、明らかにイライラしている。ストローの噛み口がギザギザになっていた。
乃木清和:テラス席である。街の喧噪がうるさいくらいで、人気は少ない。
矢神秀人:「それで僕に何の用? こっちは『B2*』をクビになった現地捜査員に関わってる暇ないンだけどね」
矢神秀人:「大方”リセ”が要らない気でも利かせたってとこかな? ハッ、とんだ無駄足だったね」
乃木清和:「“ストローマン”に接触して、お節介焼いたって?」
矢神秀人:「個人的な忠告くらい、誰にだってするだろう? 龍神貴好は何も知らない哀れな被害者さ」
矢神秀人:「一刻も早く記憶処置して、ヘラヘラした元の生活に戻してやるべきだって進言してやったとも」
乃木清和:「その進言がきっかけで、私、トラス4にダブルクロスだってバレちゃったんだけど」
矢神秀人:「言うに事欠いて自分の無能を他人に棚上げかい?」
乃木清和:「お~~…」
乃木清和:「めんどくさ…」
矢神秀人:「フン!」
矢神秀人:髪を弄る。「まあ、凡俗にしてはよくやった方なんじゃないの」
矢神秀人:「ノーマルどもに混じって二重の潜入生活なんてさ。僕なら発狂してるね」
乃木清和:「オーヴァードじゃない人間は嫌い? UGNのくせに」
矢神秀人:「おや。逆に質問するけど、君は好きなのかい? ”バニティ”」
矢神秀人:「何も知らず、弱く、愚かで」
矢神秀人:「そのくせすぐに化け物に成り果ててしまう……脆弱極まりない生物が?」
矢神秀人:「こんな連中を守護できないほど、僕が無能だと思われるのは……耐えがたいね」
乃木清和:「シャブくんを無能とは思ってないけど。オーヴァードじゃなくて、化物に成り果ててしまったけど、好きだった人はいたよ」
矢神秀人:「………………」
乃木清和:「ね、シャブくん。アウトカスト殲滅作戦の真っ最中、私、あなた達の邪魔するから」
矢神秀人:「”リセ”がきみを推薦したんだったね。なるほど……」
矢神秀人:「は? 何で?」納得しかけたところで硬直する。
乃木清和:「トラス4を自由に動かすため」
乃木清和:「あ、でも、トラス4に寝返ったわけでもないよ」
矢神秀人:「……??」
矢神秀人:「きみ、殺されたいなら素直にそう言った方が良いんじゃない?」
矢神秀人:殺意ではなく、明らかな困惑が滲み出ていた。
乃木清和:「まあ、そうなったらリセの期待外れってことだね」
矢神秀人:「……どういうことだ?」
矢神秀人:「”リセ”のバカが……きみに、何かを期待しているのか!?」
乃木清和:「ううん」
乃木清和:「期待されてない。期待されないから、期待されてる」
矢神秀人:「そんなわけがない。彼が、僕たちをそういう風に信じていたのは……」
矢神秀人:「……ずっと昔のことだ」
矢神秀人:「……適当言って貰ったら困るんだけど?」
乃木清和:「適当言ったに決まってるじゃん、こんな矛盾した言葉」
矢神秀人:「おい!何かの暗号か!?」
乃木清和:「暗号でもないよ。ただ、『それ』に…彼が求める誰かの代わりになってあげるって言ったの」
矢神秀人:「チッ……さぞ楽しいだろうね。不確定な立場から局面をめちゃくちゃにするのは」
矢神秀人:「僕が、一番、嫌いな、人種だ」一言ごとに指をさす。
矢神秀人:「思い上がっちゃいけないよ、”バニティ”。きみは主人公なんかじゃあ、ない」
矢神秀人:「誰にとっても荷が重いのさ。そんな、毒みたいな希望の身代わりになるのはね」
乃木清和:「その時には、また別の人にさっさと役割を放り投げるだけだよ」
乃木清和:「なんとなく嫌だからってだけで、誰かに優しく手を差し伸べられるような男の子とかにね」
矢神秀人:「……どうせ後悔する」
矢神秀人:「すぐ、『こんな力を使わせないでくれ』って泣きベソかくことになるだろうさ」
乃木清和:ニコッと笑う。「シャブくんの予想通り、トラス4にもUGNにも返り討ちにされて無駄死にするかもしれませんし」
乃木清和:「とはいえ私の奮闘を応援してってことで……」
乃木清和:ホットコーヒーを口に運ぶ。「じゃあ、私からも一つ言わせてもらおうかな」
矢神秀人:無言。机の下から何度も足で床を叩く音が聞こえる。
矢神秀人:だが、きみの発言を遮るつもりはないようだった。
乃木清和:「いつまでも昔の男のこと引きずるのやめてくれない?」
矢神秀人:「………………」
乃木清和:「それじゃ。作戦ではヨロシク~」席を立つ。
矢神秀人:「フン。昔の女を引きずっているやつが、よく言うよ」
矢神秀人:きみを引き留める様子はない。
矢神秀人:つまりこの時点をもって、”バニティ”と『B2*』の連結は完全に断たれたことになる。
GM:ありとあらゆる要素が乃木清和の敵になるかも知れない。生き延びることはできるだろうか?
乃木清和:とはいえ楽天的な気持ちだった。ぐんと伸びをする。
乃木清和:雑踏に消えていく。瞳に街のネオンが映りこみ、そしてきらめいた。

【ALLIANCE15】『トラス4』

GM:現在実行可能な項目はこちらです。

【ALLIANCE MAP】
・華吶町(☆☆☆☆☆☆☆☆☆)/進行条件不明

■自警活動
②『華吶町一番街地下アーケード』

乃木清和:ここで”ブラック・ブロック”のアライアンスから「お姉さんがコーチングしたげる」と「『ピパ・ソング』の特別教練課程」を使用するよ~!
柳瀬順吾:wow wow
GM:おおっ!確かエフェクトのレベルをそれぞれ上げられるという効果だったはずですが……
GM:何を選択するんだい!
龍神貴好:僕は《死招きの爪》を2レベル!
柳瀬順吾:《サイバーアーム》を2レベル上昇!
エマ・カルナデス:私は《エクスプロージョン》と《孤独の魔眼》をそれぞれ1レベル。使用回数が1回ずつ増える。
乃木清和:《水晶の剣》1レベルと《原初の赤:瞬速の刃》を1レベルずつ上げます!
GM:OK!
GM:では、訓練も済んだところで……
GM:マスターシーンに参りましょう。

【Master04】『B2*』/対『アウトカスト』戦術調整ブリーフィング

9月4日 18:34 / 華吶町外 UGN七咲支部 第2ブリーフィングルーム

GM:UGN七咲支部は、”リセ”を支部長とし、即応牽引カテゴリ『B2*』を擁する大規模な支部だ。
GM:つまり、それほど多くのリソースがUGNから投じられているということを意味する。
GM:今回の華吶町方面への『アウトカスト』排撃作戦は、七咲支部にとっては『B2*』の有用性を更に証明するための試金石でもあった。
GM:部隊の存在意義――「FHの勢力圏内」における、確保対象の牽引を実行できるのか。
坂城忠人:「……というわけで」
坂城忠人:「ブリーフィングを始めましょうか。矢神くん、如月さん」
坂城忠人:「本当ならば乃木さんもこちらに合流する予定だったのですが……どうにも振られてしまいました」
如月二胡:「随分簡単に言うわね。潜入任務に付き物のリスクが表面化した……というところ?」


NPC:”ウンブラツイン”如月二胡きさらぎ・にこ:(PL:おのしろ)

坂城忠人:向かいの席に座る少女と青年に微笑みかける。
矢神秀人:「おいおい。”リセ”が別に損切りできないわけじゃないのは、きみが一番よく知ってるだろ?」
矢神秀人:「何せあのバス事故の時に一緒に戦ったメンバーなンだからさ」
GM:”あのバス事故”。『B2*』を結成する以前、七咲支部が遭遇した……”ディアボロス”による集団覚醒事件。
GM:FHエージェント”シューラ・ヴァラ”と、もう一人の覚醒者を生んだ”バス事故”。それら一連の事件の解決に奔走したのが、UGNチルドレン――如月二胡だった。
矢神秀人:「それとも何? 如月さんは、”バニティ”と一緒に戦いたかったってクチかい?」
如月二胡:「いちいち癇に障るわね。不確定要素は排除したいと言うだけよ」
矢神秀人:「いかにも純粋培養チルドレンらしい物言いだね。はっはっは!」
如月二胡:「自信過剰を慎むのは初歩の初歩…… 地道な救出任務で少しは大人しくなるかと期待した私が馬鹿だったわ」
坂城忠人:「では、場も暖まったところで……早速ですが、作戦会議を始めましょうか」
坂城忠人:にこやかに二人を見回している。

GM:情報項目を開示します。

・『アウトカスト』排撃作戦方針〈情報:UGN〉7
・"バニティ"について〈情報:UGN〉6
・『トラス4』戦力同定〈情報:FH〉6

坂城忠人:コネ:UGN幹部を使用。『アウトカスト』排撃作戦方針を調査します。
矢神秀人:コネ:要人への貸しを使用。『トラス4』戦力同定を捜査します。
如月二胡:コネ:UGN幹部を使用し、"バニティ"についてを調査します。
如月二胡:5dx+1
DoubleCross : (5DX10+1) → 5[1,2,3,4,5]+1 → 6

坂城忠人:10dx+2>=7
DoubleCross : (10DX10+2>=7) → 10[1,2,4,4,5,8,8,8,10,10]+7[2,7]+2 → 19 → 成功

矢神秀人:8dx+2>=6
DoubleCross : (8DX10+2>=6) → 9[1,3,3,4,6,7,8,9]+2 → 11 → 成功

GM:全員成功。情報を開示します。

・『アウトカスト』排撃作戦方針
『アウトカスト』の排撃は決定事項だ。華吶町に潜伏する彼らをおびき寄せるためには、
重要参考人かつ電子戦要員である椎原瑠々を人質に取ることが必須条件となる。
しかし、椎原瑠々を現在確保しているのは『トラス4』の面々だ。
作戦の前提として、『トラス4』と交渉の上、椎原瑠々を確保することが必要になるだろう。

坂城忠人:「……ということで、事前の通達通り、まずは椎原瑠々を確保します」
坂城忠人:「そのために『トラス4』とも一応交渉はしてみますが……まあ、ほとんど泣き別れになるでしょう。覚悟しておいてくださいね」
如月二胡:「了解。彼女の能力を考えれば、保護は必須要件ね」
坂城忠人:「では、次に”バニティ”についてですが……」

・"バニティ"について〈情報:UGN〉6
"バニティ"乃木清和。シンドローム傾向はオルクス/ウロボロス。
「スミカ」と呼ばれる半物理的実体を呼び出し、使役する。
『B2*』と合流予定だったが、独断専行によって『B2*』との連結を解かれた。
現在の所属は不明。華吶町に潜伏し、七咲支部の任務の妨害を狙っていると思われる。

所持エフェクト:《水晶の剣》《原初の黒:時の棺》

坂城忠人:「如月さん、報告をお願いできますか?」
坂城忠人:「矢神くんと最後に接触した後、やはり行方知れずになっているそうです」
如月二胡:「トラス4とも合流はしていない…… ただ、こちらの邪魔をするって明言していたんでしょう? 」
坂城忠人:頷く。「あの口ぶりでは、高い確率で現場にも現れるはずです」
坂城忠人:「……と思わせるまでが、彼女の策略かも知れませんがね。如月さんはどう考えますか?」
如月二胡:「乃木は思わせぶりに見えるけど、無意味な嘘を弄するタイプではないわ。来ると言ったなら必ず来る」
坂城忠人:「ああ……そういえば、”彼”もそういう部分のある人間でしたね」
如月二胡:「……アイツの話は関係ない」
如月二胡:「とにかく、乃木の介入があるなら前提条件も増える。彼女の能力はワケがわからないけれど…… 一度だけ、切札を見たわ」
如月二胡:「一番イヤなタイミングで時間停止が来る。矢神も頭に入れておいて」
矢神秀人:「よりによって僕に助言かい? 随分と出世したものだね如月さん」
坂城忠人:「報告ありがとうございます、如月さん」にこやかに微笑む。「恐らく、最も効果的なタイミングで介入を狙ってくることは間違いないでしょう」
坂城忠人:「つまり、彼女の仕掛けてくるタイミングを読むには……」「我々がどの程度戦局をコントロールするか、という部分も関係してきます」
矢神秀人:「『トラス4』の連中は一筋縄じゃいかないと思うけどね」
矢神秀人:「僕たちが余裕をかましていられたのは、腐っても”バニティ”の存在があったからだ」
矢神秀人:「いつまでもそんな薄ら笑い浮かべてていいのかい、”リセ”?」
矢神秀人:神経質に髪を弄りながら、資料を机上に投げ放つ。

・『トラス4』戦力同定

"指龍"龍神貴好。シンドローム傾向はエグザイル。
脅威的な身体能力を、稚拙な擬態でカバーしている白兵戦能力者。
『ローンマート』襲撃事件の折覚醒し『トラス4』に保護されたようだが、目的は不明。

所持エフェクト:《擬態の仮面》《死招きの爪》

矢神秀人:「まずは”指龍”だけど……そこそこ強力なエグザイルみたいだね」
矢神秀人:「直近の覚醒者にすれば中々の出力だ。まあ、肝心の擬態はお粗末みたいだけどね。ははははは!!」
如月二胡:「慣れていなくてこれなら十分脅威…… まあ、絡め手を使われるよりいいか」
矢神秀人:「しかし何考えてるんだろうね? 愚かしすぎて理解できないな……『トラス4』なんて、普通潜伏先に選ぶものかい?」
矢神秀人:「で」もう一枚の資料をめくる。「次が」

"藁人形ストローマン"エマ・カルナデス。シンドローム傾向はソラリス/バロール/エグザイル。
『トラス4』において行われていた濃縮体実験の完成形にして、『トラス4』指揮官。
非常に強靭な生命力と、カウンター能力を併せ持つ攻防一体のオーヴァード。

所持エフェクト:《孤独の魔眼》《迎撃する魔眼》

矢神秀人:「こっちは接触したよ。エマ・カルナデス……」
矢神秀人:「呑気に大学生活なんて送っちゃってたよ。中々笑えるだろう?」
如月二胡:「……そうね。笑える。私よりはうまくやっているんでしょうけど」
矢神秀人:「まあ、オーソドックスな濃縮実験体って感じだね」髪をかき上げる。「耐久力に特筆すべきものはある」
矢神秀人:「こっちに合わせて攻撃を返す、なんて事例も確認されてるらしいけど……まあ、貯め込んだリソースを吐き出す類の能力運用じゃない?」
矢神秀人:「で、最後。ここが一番厄介」

"オッドボール"柳瀬順吾。シンドローム傾向はバロール/ブラックドッグ。
『トラス4』最強のオーヴァード。ブラックホールの戯画的運用能力を持つ。
光さえも逃れられない物理現象を恣意的に運用できる以上、本質的には極めて強力な情報消去能力者でもある。

所持エフェクト:《サイバーアーム》
所持エンブレム:《スレイヤーの証》

矢神秀人:「”オッドボール”。『トラス4』最強のオーヴァード」
矢神秀人:「この中に、光を使う能力者がいるんなら……相性は最悪だと思うけどね?」如月さんを見る。
矢神秀人:「何せ能力が”ブラックホールの運用”と来た」
坂城忠人:「……私はあんまり興味を惹かれませんが。矢神くんは楽しそうですね」
如月二胡:「……うるさいけど、それは認める。少しでもナメてかかれる相手じゃない」
矢神秀人:「ははは!! 僕たちみたいな選ばれた人間が、存分に力を振るうチャンスだ!」
矢神秀人:「敵は少しでも強い方がいい……きみにも期待してるよ、如月さん」
矢神秀人:「いや……今は”ウンブラツイン”だっけ?」
GM二重の黒点ウンブラツイン。それは、『B2*』発足以降、如月二胡が自らに与えたコードネームだった。
如月二胡:「……いつまでも、引きずってはいられないもの」
如月二胡:「貴方もそうでしょ?”シャブダ・ベディ” ……本当にムカつくけど、アテにはさせてもらう」
矢神秀人:「ふーん」
矢神秀人:「少しはマシな目をするようになったじゃないか」
矢神秀人:「そうだね……死にかけの川魚の目から、スーパーで売られてる鮮魚の目くらいにはなったんじゃない?」
矢神秀人:「ははははは! 僕って結構ユーモアもあるだろ!?」
如月二胡:「いちいち人を小馬鹿にしないと死んじゃうわけ? 貴方は……!」軽く足が出る
矢神秀人:「あっ、おい! みだりに足癖を悪くするのは、感心しな……ァ痛ッた!!」
坂城忠人:「後は、”コヴフェイス”と呼ばれる優秀なオペレーターも擁しているそうです」
坂城忠人:暴れる矢神を無視して如月さんに資料を渡す。
坂城忠人:「瑛・A・アヴァス。以前『アウトカスト』が養成していた少年兵の一人のようですが……今はこの通り、脱走しているみたいですね」
坂城忠人:「前途多難ですが、まあ……何とかなるでしょう」
如月二胡:「後方要員まで充実…… いつも以上に、地の利は向こうという訳」
坂城忠人:「その分、我々は組織の助力を得ていますからね」
坂城忠人:「通常であれば『噂』としてしか収集できないような話も」
坂城忠人:「UGNわれわれであれば、確定した事実として情報を得ることができます」
如月二胡:「細工は流々…… 後はB2*としての仕事をするだけね」
GM:……迅速な情報収集は、迅速な作戦行動を可能とする。『B2*』が『トラス4』の能力傾向に合わせて作戦を調整する時間も、十分に残されていた。
矢神秀人:「連中も死に物狂いで抗ってくるだろうけどね。如月さんもせいぜい死なないように頑張れば?」
如月二胡:「そうね。支部長にも矢神にもここまで手間と時間をかけてもらったし……」
如月二胡:「ここからは、早く終わらせましょう。……この街のためにもね」

GM:シーンを終了します。

【CRIMAX01】『トラス4』&”バニティ”&『B2*』

GM:全員登場です。登場侵蝕をどうぞ。
龍神貴好:龍神貴好の侵蝕率を1D10(→ 9)増加(101 → 110)
INFO:そういえば、”リセ”からの差し入れがあった気がするが……
龍神貴好:!!
柳瀬順吾:いまがそのとき!
乃木清和:内緒の差し入れよ!
エマ・カルナデス:でも、私達にはリセとのコネクションなんて……
GM:龍神くんも侵蝕を戻していいんだぜッ
エマ・カルナデス:ノギ姉~~~!
龍神貴好:戻したぜ!
乃木清和:クラスの皆には内緒だよ
乃木清和:乃木清和の侵蝕率を1増加(93 → 94)
エマ・カルナデス:83→84。
龍神貴好:龍神貴好の侵蝕率を1増加(101 → 102)
柳瀬順吾:侵蝕93→94
GM:OK!

9月4日 21時35分 / 華吶町一番街 地下アーケード構内 廃テナント(現『トラス4』出張管制室)

GM:『トラス4』と『B2*』が激突しようとしている。
GM:秩序と混沌の再端に立ち、しかしそのどちらもが市民の人命を濫費することを許容しない集団。
GM:それら二つの勢力が考える暗黙の妥協点として、一番街地下アーケードが選ばれたのはある種の必然でもあった。
GM:廃テナントが多く、水道管老朽化工事のために極めて広範囲の区画が封鎖されている。
GM:潜伏場所としても、”一般人を巻き込まない”戦闘地点としても、地下アーケード以上の場所は考えられない――そう”コヴフェイス”は主張していた。
瑛・A・アヴァス⇒コヴフェイス:「作戦を説明するぞ」
”コヴフェイス”:廃テナントにドローン群やラップトップを持ち込み、非常用電源にとって動作させている。
"コヴフェイス":「この作戦は大きく3つの段階に分かれる。一つは下準備だ」
龍神貴好⇒”指龍”:地べたにあぐらをかいている。
柳瀬順吾⇒オッドボール:「アイアイ」 ゴミ箱の上に座っている。
エマ・カルナデス⇒ストローマン:「序破急、ね」柱に寄りかかっている。
"コヴフェイス":「まずは市民の無事の保障だ。椎原瑠々の家族の安全の確保、及び町内における俺たちの関係者の安全の確保」
GM:現在、ロールプレイで使用できるアライアンス効果は下記の三つです。

「ホストの超・盛り上げ術」(西舘雅也)  ・ロールプレイで使用。シナリオ一回。 西舘雅也が人脈すべてにあらぬ噂を流しまくる。
 使用すると、特定の偽情報一つを華吶町全体に流布できる。

「平和主義者の歌」(ブラック・ブロック) シナリオ1回。ロールプレイ中に発動できる。 
特定のエキストラを『ピパ・ソング』が保護する。

「ルーイナス・トップ・バウアー」(矢神秀人) シナリオ1回。トループを全てシーンから退場させ、
なおかつ「対象:単体」に10d10の装甲無視ダメージを与える。 
この効果を発動後、矢神秀人はシーンから退場する。

"コヴフェイス":「”ピパ・ソング”は恐らく直接的な助力はしないだろうが……俺たちに貸しを作るチャンスを見逃すほど無能とも思えん」
"コヴフェイス":「西舘雅也については……あいつはなんなんだ?」
"コヴフェイス":「とにかく、上手く使え。情報攪乱程度にはなるかも知れん」
”指龍”:「愛され元ホストかな……」
オッドボール:「すごいアホだよ」
”ストローマン”:「ただの指龍シリューとオッドボールの友達なんでしょ。すごくお人好しの」
”ストローマン”:「似た者同士。まあ、本人に危険のない範囲にしてほしい」
"コヴフェイス":「”シャブダ・ベディ”は本当に協力関係を一度だけ結ぶと言ったのか?」
”ストローマン”:「ああ……あの子」ちょっとめんどくさそうな表情。
オッドボール:「何がどうなったらそうなるのか、ぜんぜんわかんね~けど…」
オッドボール:「やってくれるんだろ」
”ストローマン”:「口は悪いけど、自分の力と責務にはやたら自負があるタイプ。多分、言ったことは違えない」
”ストローマン”:「纏まった敵ならともかく、周囲を一掃する程の広域担当はうちにはいない。精々上手く使わせてもらう」
"コヴフェイス":「なら、奴との密約の扱いはお前に一任する」
”指龍”:「でも、関係者の安全の確保って言ってもさ」
"コヴフェイス":「意見か? ”指龍”」
”指龍”:「いや、事実の確認」
”指龍”:「沢山いるだろ。今の僕たちの手札で、何とかできるのか?」
”ストローマン”:「私達とUGNがぶつかった場合、フリーになった《かとつの軒先》が漁夫の利を狙う可能性は高い」
"コヴフェイス":「だが、『B2*』を放っておく、という選択肢もないだろう」
オッドボール:「一人だけなら、ブラックブロックにどうにかしてもらえるだろうな」
オッドボール:「でも、ある程度数がいるとな~……」
”ストローマン”:「向こうからやって来るからね。どうにも出来ないことでも、どうにかするしかない」
"コヴフェイス":「連中が真っ先に狙うのは、恐らく椎原瑠々の家族のはずだな」
"コヴフェイス":「俺ならそうする。安い人質だけで、この場において最強の電子戦能力者を確保し続けることができる」
オッドボール:「ブラックブロックのサービスも無限大じゃねえし、瑠々チャンの家族には市外に避難とかしといてもらうか」
"コヴフェイス":「……悪くない手だ。どうやって避難させる?」
”ストローマン”:「避難が必要なのは彼女の両親だけじゃない。ならいっそ、市内の人間全員を動かしてしまうのは?」
"コヴフェイス":「”偽情報”か」
オッドボール:「うーん、やっぱり最近の天気からすると…一帯の人間をまとめて動かすなら、やっぱり避難勧告かね」
”指龍”:「……西舘に頑張ってもらうか」
”ストローマン”:「UGNならガス漏れ事故にするところ。ニシダテ先輩の人脈に頼れば、今の私達でも可能」
オッドボール:「そう! 西舘。一帯の住人にはまとめて市外の避難所に向かってもらうのが一番速いんじゃね?」
”指龍”:「天災が来るわけじゃないからな。事故ってことにしとくのが丸そうだ」
"コヴフェイス":「異論はない。西舘雅也には誰か付き合いのあるやつが連絡しておけ」
”ストローマン”:「ノギからなら喜ぶと思……あ」
”指龍”:「僕がやっとくよ」
”ストローマン”:「……ごめん。次の議題に移ろう」
"コヴフェイス":「……」
オッドボール:「……そうだな。乃木チャンが好きそうな、派手な事故にしようぜ」
オッドボール:「陥没事故」
オッドボール:「エグいくらいでっかい大穴が空いて、一帯が陥没しそうだから避難してもらう」
”ストローマン”:「……派手な事故にした方が、後始末考えずに暴れやすそうって?」笑う。
"コヴフェイス":「……つまらん三文芝居だ」くつくつと喉を鳴らす。
オッドボール:「いつ何時、地区全体が崩落してもおかしくない状況なら……みんな逃げるしかないさ。これでいこう」
”指龍”:「了解。芝居なら、西舘も大喜びだろ」
INFO:☑「市内の安全を確保する・椎原瑠々の安全を確保する」が達成されました。
INFO:次の作戦フェイズへと移行が可能になります。
"コヴフェイス":「だが、これで作戦の前提は達成された。次は……」
オッドボール:「うん。二段階目は?」
"コヴフェイス":「俺たちが」
"コヴフェイス":「連中に勝利できるか、ということだ」

同 9月4日 21時35分 / 華吶町一番街 地下アーケード構内 2番ホーム沿い通路

GM:椎原瑠々というデータサルべージャーを失ったからこそ、『アウトカスト』の動きは迅速だった。
GM:瀬古隆司が養成した少年兵は、精神偏向薬剤と電子的な調整によって、画一的な兵士としての練度を獲得している。
”イェニチェリ”:「――」どこにでもいるようなジャージやパーカーを着た少年たちが、防弾防刃繊維タクティカルアーマーを着込み、ホーム沿いの通路を行軍している。
”イェニチェリ”:”イェニチェリ”という。
”イェニチェリ”:オーヴァードとして覚醒させられながら、しかしシンドロームを発現しない――あるいは、させないような調整を施された素体のことを指していた。
”イェニチェリ”:何故ならば、『アウトカスト』の少年兵育成事業には”売却”という過程が付随するからだ。
”イェニチェリ”:文字通りの”素体”。異能のポテンシャルだけを持ちながら、画一的な兵士として運用できるよう、常人の兵士にも似た教練を施された、いわば”雛”でもあった。
”イェニチェリ”:「……」行軍していたうちの、一人が手を上げる。《シークレットトーク》。
”イェニチェリ”:発話機能は必要ない。オーヴァードが標準的に持つ精神感応作用を増幅した短距離通信網による、思念会話。
”イェニチェリ”:ライフルを構える。銃口の先――通路の奥には、何の変哲もない廃テナントが佇んでいた。
”イェニチェリ”:背後の兵士たちも一斉に銃器を構える。
乃木清和/“バニティ”:「ざーんねん」なので、その女の声だけが場に響く。
“バニティ”:頭上から。
”イェニチェリ”:「!」一団が銃口を上に向ける。射撃体勢。
”イェニチェリ”:オーヴァードの身体能力や感覚能力を基軸にした戦術教練ドクトリンは、当然のごとく一般兵のそれを凌駕する。だが。
“バニティ”:天井で影の骸骨スミカに抱えられるようにして、少年たちに狙いを定めている。「……遅いな!」
“バニティ”:地上に降りつつ、滑るような破裂音。的確な狙撃がそれより早く、少年兵たちを狙う。
”イェニチェリ”:弾かれるように、互いが互いを庇い合った。
”イェニチェリ”:戦術的な目的を含んだ行動だ。肉の盾を銃座にして、素早くきみに斉射し続ける。
”イェニチェリ”:「……」「……」「……」
”イェニチェリ”:軍団は影の弾丸に貫かれながらも、その半分が射撃を開始している。回避することはできるだろうか?
“バニティ”:「ジリ貧!」狙いを変える。少年兵たちではなく──その横、廃テナントの壁面。
“バニティ”:建造物に連射、罅を割らせると…そのままスミカを滑らせ、砕けたアスファルト群を掴ませる。
”イェニチェリ”:弾道の変化を気にする様子はない。”イェニチェリ”の稼働原理は、生存ではなく命令の実行だ。
”イェニチェリ”:弾丸を回避し、滑り込んだ”スミカ”と乃木清和を視認する。腰から大振りのハチェットナイフを引き抜き、白兵戦へ移ろうとする。
“バニティ”:「フッ飛ばしちゃって!」骸骨が巨大な腕を振りかぶる。砕けたテナントを、そのまま少年兵達へ向け横薙ぎにはらう。
GM:――ごっ しゃあああああああああああああん!!!!!
GM:破滅的な轟音が響いた。瓦礫の残骸ごと壁面が砕け、吹き出た水道管が汚水を撒き散らす。
”イェニチェリ”:「……――!」
”イェニチェリ”:”イェニチェリ”たちは痙攣して倒れる。
“バニティ”:「フゥ~…」「………」「………しまった」
“バニティ”:「誰にもバレないようこっそり始末していくつもりが……」
“バニティ”:派手に破壊された周辺を見渡す。
GM:幸いなことに、戦闘に気付かれた様子はない。
GM:入り組んだ地下構造は音響を隠蔽する。彼らの銃器に、市内戦用の消音機が付属していたのも幸いしたのかもしれない。
“バニティ”:「……柳瀬に見られたらクソみたいな文句言われてたかも。セーフセーフ」
“バニティ”:「私も二胡ちゃんみたいに超射撃できるようになりたいな~…っと」倒れた”イェニチェリ”の服をあさる。
“バニティ”:通信端末を見つけ出し、七咲UGN支部にあてて彼らの回収を要請する文面を送る。
“バニティ”:「ん?」 同時、SNSに届いた通知が目に入る。
“バニティ”:「アーケード街で大規模な陥没事故……市民は避難すること……」天井を見上げる。「…私のせいじゃない。ということは」
“バニティ”:「いいね。皆、動きはじめたか」
GM:増え続けていく「陥没事故」タグの投稿数。
GM:その中に、「華吶町のアナーキー」を含んだ投稿はない。彼らの戦いを、未だ誰も知らない。

"コヴフェイス":「俺たちが」
"コヴフェイス":「連中に勝利できるか、ということだ――」
坂城忠人⇒:顔を上げたその先に。
⇒”リセ”:「それは少し難しいかもしれませんね。”コヴフェイス”」
オッドボール:「げ~……」
”指龍”:「あなたが」「いや」
”指龍”:「あなたたちが、UGN……」
”リセ”:「初めまして。ユニバーサル・ガーディアンズ・ネットワークの……”リセ”という者です」にこやかに微笑む。
”シャブダ・ベディ”:「ふーん。貧相な面々が揃ってるじゃないか」
”シャブダ・ベディ”:反対側の通路から、整った容貌だが、神経質そうな青年が姿を現す。
”ストローマン”:「ご挨拶。……それで?」
”ストローマン”:「鳴り物入りの『B2*ベニー・ベニー』が二人だけって事はないんでしょう?」
オッドボール:「やっぱりUGN面倒くせえな……逃げる先は”魔街”に一票入れるべきだったな……」
”ウンブラツイン”:「煽るのはやめなさい。彼らは『善意の協力者』よ」
”指龍”:「一応、聞くんだけど」挙手。
”指龍”:指と指の間は癒着している。
”指龍”:「戦わなきゃいけないのか、僕たちは」
”シャブダ・ベディ”:「何かな? ”指龍”。この”シャブダ・ベディ”が特別に聞いてあげようじゃないか……はァ~~~~???」
”シャブダ・ベディ”:「おいおいおいおい、聞いた!? ”ウンブラツイン”!!」
”指龍”:少女を一瞥して「『善意の協力者』なんだろ?」
”ストローマン”:(楽しそうだな、この人……)
”ウンブラツイン”:「もちろん、その必要はないわ。あなた達のここまでの活動には感謝と敬意を。ここからは、私達B2*に任せてもらう」
”ストローマン”:「……”ここまでの”、”ここからは”?」
”リセ”:「”ウンブラツイン”の言う通りです。我々の目標は、椎原瑠々の保護」
”リセ”:「そしてそれに伴う、『アウトカスト』の誘因と撃滅。この二点です」静かに指を立てる。
”リセ”:「あなた方『トラス4』が椎原さんの引き渡しに同意すれば、戦う理由はありません」
”リセ”:「『トラス4』は、UGNの”カテゴリ”の一つとして活動を継続することもできるでしょう」
”指龍”:「……なるほど」
”ストローマン”:「ふふっ。ノ……"バニティ"が言っていた通り」
オッドボール:「うわっ! いかにもUGNらしい台詞だな! 俺が監督だったら、脚本は交代してもらいたいね」
”指龍”:「理解はした。でも、納得いくかは別の話だな」
オッドボール:「だよな。ルルチャンを渡すの、渡さないの……ってのは、ちょっと違うんじゃないか? 龍神クン、どう思う?」
オッドボール:「秘密のデータが入ったアタッシュケースじゃないんだぜ」
”指龍”:「うん。僕も違うと思う。彼女は……道具じゃないし」
”指龍”:「助ける、約束だし。何より」
”指龍”:「友達だから」
”指龍”:「モノみたいに『はいどうぞ!』って渡すのは、なんだか、納得いかない」
"コヴフェイス":「……良く言った。”指龍”」
”ストローマン”:「構成員が納得いっていないなら、リーダーとしても彼女の身柄は預けかねる。それに……」
”ストローマン”:「私達はこの数年、華吶町のレネゲイド犯罪にささやかながら対処してきた」
”ストローマン”:「もちろん、UGNの組織力に比べれば微々たる影響」
”ストローマン”:「……でも、あなた達UGNとは華吶町の何処でくつわを並べたことがある?」
”ストローマン”:「端的に言うと。……今更出て来て、虫が良すぎる」
"コヴフェイス":「『B2*』。そもそもお前たちが信用に足る相手だとでも思うのか?」
"コヴフェイス":「お前たちは”アモルファスβ”や『アウトカスト』の一件で、故意に戦局を遅滞させた疑いがある」
"コヴフェイス":「悪いが、”ストローマン”の言う通りだ。第一、『トラス4』計画を暴けなかったのもあんたらUGNだろう」
"コヴフェイス":「計画にはUGNの一部勢力も関わっていた。家族をそんな所に渡すわけがない」すう、と息を吸って。
"コヴフェイス":「――いきなり出て来て上から和解案を押し付けるとはいい度胸だ!!!!! ブチ殺してやる!!!!!!」
”指龍”:「相変わらず血の気が多いな……声もでかい」
オッドボール:「そーゆーやつなんだよ」
”指龍”:「まあ、わかったよ。僕たちの間にはあなたたちへの不信感が根強い」
”指龍”:「せめて、見逃してくれないか。目的はそんなに変わらないはずだ」
”シャブダ・ベディ”:「……ふ、ふふふ」
”シャブダ・ベディ”:「はははははははははは!!!」
”シャブダ・ベディ”:「ふゥ――……あのさ」
”シャブダ・ベディ”:「逆に、ここで見逃すと思う? 放っておいても勝手に化け物になるような連中をさ……」
”シャブダ・ベディ”:「UGNの庇護下に入らないってのは、そういうことだよ。脳味噌までは擬態できないのかな?」
”ウンブラツイン”:「私達はいつでも今更…… それには同意するけど、看過はできないわ」
”指龍”:「へぇ……」
”指龍”:「そんな認識なんだ。舐められてるってよく解ったよ」
"コヴフェイス":「……あれが”指龍”の保護を進言していたやつだろう」
オッドボール:「すまんね……うちの連中、ちょっと血の気が多くて」
オッドボール:「でも、俺もおんなじ気持ちだよ」
オッドボール:「いますぐ失せてくれ。……ダメ?」
”シャブダ・ベディ”:「舐められてる? ここまで現実が見えてないとは思わなかったね」
”シャブダ・ベディ”:「いつか化け物になるんだ。僕も」
”シャブダ・ベディ”:「君も……皆さ」龍神くんの方へ指をさす。
”指龍”:「………いつか・・・?」
”指龍”:「とっくに、だろうが」
”シャブダ・ベディ”:「悪いね、”オッドボール”」
”シャブダ・ベディ”:「消えてやることはできないな。個人的に、彼に興味が湧いた……」
”シャブダ・ベディ”:「僕は優しいから、愚かすぎる奴を見ると教えたくなるんだ。身の程ってやつをね」
”シャブダ・ベディ”:「負けて、せいぜいお似合いの”日常”ってやつに帰るがいいさ」
”指龍”:「………お前」
”指龍”:「”シャブダ・ベディ”……だっけ?めんどくせえ名前だな」
”指龍”:「僕が擬態してるの分かっててその言いよう、さあ」
”指龍”:「舐めてる、としか、」
”指龍”:「言えないだろうがッッッ!!!!!」
”指龍”:巨大な指が、地を叩く。
”指龍”:「日常に帰れって?!帰らせろよ!帰らせてみろよ!!!」
”リセ”:「”ウンブラツイン”。戦闘態勢を」
”シャブダ・ベディ”:「はははははは!! 怒ったね、”指龍”!!」
”ウンブラツイン”:「……スカウトの再研修が必要そうね、”シャブダ・ベディ”」
”ウンブラツイン”:「でも、私もうんざりしてきたところ。どいつもこいつも、知ってる目をしてる…… 「自分の意志」がそんなに大事? 命よりも?」
”ウンブラツイン”:「”リセ”。『善意の協力者』たちは暴走……。やむなく鎮圧。その後、本来の殲滅任務を実行」
”ウンブラツイン”:「それで片をつけましょう。どこの誰が見ても、私達の首輪が付いてるってわかるように……」
”リセ”:「では、言い訳カヴァーストーリーはそのように……」細身の腕時計を合わせる。
”ストローマン”:かつん。
”リセ”:目線を上げる。音の方向を見る。
”ストローマン”:靴底が床を踏むと、周囲の瓦礫、家具、構造物が浮遊する。効果分類エフェクト名《ゼログラビティ》。
”ストローマン”:「指龍シリュー、冷静に。頭が冷えたら"シャブダ・ベディ"と対峙」
”ストローマン”:「オッドボール、情報のない相手がいる。”ウンブラツイン”は頼んだ」
”ストローマン”:「コヴフェイス、管制は任せる。途中で横槍が入らないかも警戒しておいて」
オッドボール:「アイアイ。なんとかするよ。バニティがいないからな……わけのわかんねー相手は、俺!」
"コヴフェイス":ドローン群が頭をもたげる。
INFO:⇒「総力支援管制」が発動しました。
 「■自警活動」における命中判定ダイスが+3される。

”シャブダ・ベディ”:「帰らせてやるとも。待ってたんだ……この力を、使う時をさァッ!!」
”シャブダ・ベディ”:《異能の継承》を使用します。
”シャブダ・ベディ”:取得するエフェクトは、《完全獣化》。
”シャブダ・ベディ”:右腕が、漂白された体毛を持つ獣のようなそれへと変貌する。
”ウンブラツイン”:「野良犬は嫌いなの。利他的で、感情的で…… 救いがないから」
”ウンブラツイン”:ほとんど見ずに時計を合わせる。そのまま手首をくるりと返すと、一瞬にして武器が顕現する。《光の銃》。
オッドボール:「どいつもこいつも、喧嘩が好きで困るよな……ホントに……」 黒い球体が、手のひらに生じる。
オッドボール:「俺は嫌いだな~。こういうの……なんかさ……」 黒い球体を軽くバウンドさせる。バスケットボールのように。
オッドボール:「”雑魚はどいてろ”って感じでさ。いかにもサンシタみたいじゃん! へへへへへ!」
”ストローマン”:「リセの相手は、ストローマンが受け持つ。……『トラス4』各員、状況開始」
”リセ”:「では、いつものように世界を救いましょう」
”リセ”:「『B2*』。作戦目標時間は3分40秒です」
”指龍”:「僕は………僕は、”指龍”!!」腕はばらばらとほどけ、指の触腕へと変化する。
”指龍”:「指の化け物だとしても!!」
”指龍”:「”龍”に、なってみせるッ!!!」
”指龍”:地面にヒビが入る。
”リセ”:(――切り札は)
”リセ”:(切られませんでしたか)僅かに嘆息する。

INFO:『トラス4』配備勢力は、”オッドボール”、”ストローマン”、”指龍”。
INFO:『B2*』配備勢力は、”ウンブラツイン”、”リセ”、”シャブダ・ベディ”。
INFO:『トラス4』の勝利条件は、隊員全員の生存です。
INFO:『B2*』の勝利条件は、椎原瑠々の確保と隊員全員の生存です。
GM:現在アライアンスフェイズではないため、”バニティ”は『トラス4』にも接触できます。従って、所属する勢力を選択できます。
“バニティ”:はい!
“バニティ”:『トラス4』への接触を宣言し、『トラス4』に所属しましょう!
オッドボール:ウォ~~~ッ
”指龍”:ひゅーっ
INFO:『トラス4』配備勢力が、”オッドボール”、”ストローマン”、”指龍”、”バニティ”に変更されました。
”ストローマン”:ノギ姉~~~~~!!

※立ち絵を準備しています…
如月二胡:出るかしら
”ストローマン”:ばっちり。
”シャブダ・ベディ”:ふゥん……きみにしては中々飲み込みが早いじゃないか 褒めてやってもいいよ

GM:戦場において、最も早く動き出したのは”ウンブラツイン”と龍神貴好の二人だった。
GM:人間としての感覚質を極限まで研ぎすましたもの。人間の域を外れた感覚質を備えているもの。
”シャブダ・ベディ”:「”ウンブラツイン”! 牽制でもしてれば!?」
”シャブダ・ベディ”:「僕は”指龍”と遊ぶからさァ!」
”シャブダ・ベディ”:攻撃態勢を取る。漂白された獣の体毛が、より硬質なものへと変化し始める。完全変態までの時間を稼げという指示だった。
如月二胡:「……合わせるわ、”シャブダ・ベディ”。指図するなと言っても無駄そうだし」
”指龍”:「ふざけやがって」
”指龍”:「遊びじゃないんだぞ、僕は……!」
如月二胡:「悪いけど、これは余裕というのよ、ルーキー!」
如月二胡:手から閃光が閃く。注文通り、牽制の弾丸。
“バニティ”:”ウンブラツイン”の光線がひらめこうとしたその瞬間。
“バニティ”:アーケード街に建ち並ぶ店舗のひとつ、化粧品店の看板から亀裂音がパシリと鳴った。
”リセ”:「あ」
“バニティ”:直後。その店舗が、内側から膨らんで破裂。ショーウィンドのガラスが粉のように砕け散り、木材やアルミ片がキミ達を襲う。
オッドボール:「……おい……」
”シャブダ・ベディ”:「お……おいッ、”リセ”!? 『あ』って何だ、『あ』って!?」
GM:ガ ジャジャジャジャジャ――――ッ!!
”指龍”:見えている。そして、笑った。
”指龍”:「映画みたいじゃないか」
”ストローマン”:「……この派手好きは」
如月二胡:「……来たのね」
"コヴフェイス":『状況を……観測してる。このレネゲイド反応は……』
"コヴフェイス":『いや。……軽薄な登場は……』
“バニティ”:埃煙が沸き起こる。その向こうでニヤニヤと笑っている。「UGNエージェント、コードネーム“バニティ”……」
“バニティ”:「…が、トラス4の皆を助太刀にし来たよ~。間に合った?」
”指龍”:「今始まったトコ」
オッドボール:「……遅ぇ~よ。やっぱりデストロイ・ザ・乃木チャンじゃん」
“バニティ”:「柳瀬!殺すぞ!」
オッドボール:「へへへへへへ!」
”ストローマン”:膠着した一瞬、闖入者に向けて足を進める。
"コヴフェイス":「………………」
"コヴフェイス":『作戦開始時刻は2135だ。46分もの遅刻だぞ……!』
”ストローマン”:「”バニティ”」
“バニティ”:「は~い、“ストローマン”」
”ストローマン”:近寄り、そして、そのまま前へ通り過ぎる。
”ストローマン”:敵対者との正面に立つ。
”ストローマン”:「背中は預ける・・・・・・。それと、あとでビンタ」
“バニティ”:「ふ、ふっふふふ…」少女の、華奢な背中を一瞥する。
“バニティ”:床に散らばった化粧品のがらくた。その中に、割れたマネキンの手首があった。巻き付いていた壊れた腕時計を拾い上げる。
“バニティ”:「ラジャ~。作戦再開といこうじゃない」
”指龍”:「”バニティ”」
”指龍”:「助かった。あの登場で、少し頭が冷えたよ」
”指龍”:「あと」「来てくれてうれしい」
”指龍”:「ありがとう」
“バニティ”:「どういたしまして。それに…」
“バニティ”:「頭を冷やす必要はないんじゃない? ルーキーをからかって余裕ぶるのなんて大人げないし」
”指龍”:「はは、言えてる」
”ストローマン”:「現『トラス4』指揮官から各員へ、作戦目標を通達」
”ストローマン”:「みんなで帰るよ」
”ストローマン”:「───各員、返事は!」
”指龍”:「了解!」
"コヴフェイス":「当たり前だ」
オッドボール:「めちゃくちゃ言いたいこと、あったんだけどさ~……」
オッドボール:「忘れたし、あとにしよ。リーダーの言う通り、帰るんだからな!」
“バニティ”:「ふふふふ」はにかむ。「私も、いろいろ言いたいことあったはずなんだけど~…」
“バニティ”:「まあいっか。みんなで帰るんなら、必要なさそうだしね」
”シャブダ・ベディ”:「…………それがきみの判断か、”バニティ”。自惚れもここまで来ると清々しいね」
”シャブダ・ベディ”:「一人ウロボロス能力者の搾りカスが増えた程度でもう形勢逆転ヅラかい? あまり調子に乗らないことだ」
”ウンブラツイン”:「子供じみてるのはそっちでしょ。絆されるだけならまだしも、すっかり仲間って体じゃない」
”リセ”:「ははは……」手を叩く「良いじゃありませんか」
”リセ”:「我々が勝利した後、どうせ”バニティ”には『トラス4』に復帰して貰うことになるでしょうし」
”リセ”:「その際にわだかまりがないのは良いことです」
”リセ”:「作戦目標時間は」腕時計を巻く。「……そうですね。20秒伸ばしましょうか」
”ウンブラツイン”:「妥当なところ。じゃあ『トラス4』最初の監督責任として…… まとめて痛い目にあってもらいましょう」
”シャブダ・ベディ”:「ゴミどもめ」吐き捨てる。
”リセ”:「『B2*』。制圧行動を継続します」
GM:クライマックス戦闘を再開します。

INFO:・対『B2*』戦特殊ルールを説明します。

INFO:『B2*』はロイスをそれぞれ2つずつ所持しており、戦闘不能になるたび昇華して復活します。 
ロイスの昇華数が2になった時点で、『B2*』はそれ以降のメジャーアクションを停止し、回避・支援行動に専念します。 
また、『B2*』は全員弛まぬ訓練により最初から《生命増強lv3》を所持しています。 
「とどめを刺す」こともシステム上可能ですが、今後のシナリオ展開が大きく変化します。

INFO:また、マイナーアクションの際、『B2*』が「椎原瑠々の確保」を行ってくることがあります。 
〈白兵〉/〈RC〉/〈交渉〉/〈射撃〉いずれかの技能によって難易度8の判定を行い、 
成功した場合、NPC「椎原瑠々」が『B2*』に確保されます。

INFO:「椎原瑠々」を奪還するには、同じくマイナーアクションで 
〈白兵〉/〈RC〉/〈交渉〉/〈射撃〉いずれかの技能によって難易度8の判定を行い、 
成功した場合、NPC「椎原瑠々」を『トラス4』に奪還できます。

GM:何か質問はありますか?
“バニティ”:だいじょうV!
オッドボール:OKで~す
”ストローマン”:問題ない。
”指龍”:OK!
GM:では、戦闘を始めましょう。

【ENGAGE】
”シャブダ・ベディ”・”ウンブラツイン”
-[10m]-
"指龍"・”ストローマン”・”オッドボール”・”バニティ”
-[10m]-
”リセ”

GM:エンゲージはこうです。矢神は反対側の通路からでてきたからね。
GM:では、セットアップ。
GM:【SETUP】
”リセ”:《アクセル》。自身のイニシアチブを+10。
”ウンブラツイン”:《光の銃》攻撃力12、射程視界の武器を作成して装備。
オッドボール:なし!
”シャブダ・ベディ”:セットアップ? こんな連中相手にこの僕がそんなしょうもないことするわけないだろ ハハハ
“バニティ”:なし!
”指龍”:なし!
”ストローマン”:セットアップなし。宣言よりお喋りの方が長いね、きみ。
GM:【INITIATIVE】
”リセ”:イニシアチブ15。”リセ”の行動。
”リセ”:【完璧な庭園】:《導きの華》+《狂戦士》+《タブレット》+《要の陣形》
“バニティ”:基本ルルブ作成可能コンボ!
”リセ”:対象は”シャブダ・ベディ”、”リセ”、”ウンブラツイン”の3人。
”リセ”:次のメジャーアクションのC値を-1し、達成値を+12し、ダイスを+12します。
”リセ”:以上!
GM:イニシアチブ10。”指龍”、”ウンブラツイン”の手番です。PC優先のため、手番は”指龍”。
”指龍”:はい!
龍神貴好:【擬態一部解除】:《骨の剣》+《死招きの爪》
龍神貴好:龍神貴好の侵蝕率を7増加(102 → 109)
”指龍”:これで攻撃力は…62!
”リセ”:おかしいよ~~
”指龍”:全力で行くぞ
”指龍”:メジャー【咀嚼する】:《コンセントレイト:エグザイル》+《伸縮腕》(クランサイン適用)(覇者の印適用)これでシャブくんを攻撃します。
”リセ”:ウワーッ くる!!
”シャブダ・ベディ”:こい!妨害などはないです。
龍神貴好:(4+7+3+5)dx7-1+0
DoubleCross : (19DX7-1) → 10[1,1,1,1,2,2,3,3,3,4,5,6,7,8,8,8,8,10,10]+10[2,2,5,8,8,9,10]+10[1,6,10,10]+10[6,8]+3[3]-1 → 42

”指龍”:よしよし
”シャブダ・ベディ”:リアクションは……あっちを使っても良かったが……この感じだと大分あれが怖い
”シャブダ・ベディ”:《竜鱗》lv4を使用し、リアクションを放棄。命中します。装甲+40。
”指龍”:高ェ!
”指龍”:5d10+62+1D10 ダメージ 装甲諸々有効です。
DoubleCross : (5D10+62+1D10) → 22[4,8,2,5,3]+62+6[6] → 90

”シャブダ・ベディ”:そんな攻撃力素通ししたら死んじゃうヨ~~ン
龍神貴好:龍神貴好の侵蝕率を4増加(109 → 113)
”シャブダ・ベディ”:元々あった謎の装甲8に、40を足し……42点。
”シャブダ・ベディ”:痛いよ
”指龍”:よーしよしよし
”シャブダ・ベディ”:これで侵蝕4なのイカれとる!!
GM:”シャブダ・ベディ”のHPを42減少(0 → -42)
GM:では続いて……
GM:”ウンブラツインズ”の手番ですね。
”リセ”:ということで、まずは……一番侵蝕の低い”ストローマン”から狙って頂きましょうか。
”ウンブラツイン”:了解。ではマイナーはなしでメジャーで”ストローマン”を狙って……
”ストローマン”:舐められてる?……もっとも、私を狙ってくれる分には好都合。
”ウンブラツイン”:【フルライトジャケット・ウンブラ】《瞬速の刃》+《小さな塵》+《マルチウェポン》+《C:エンジェルハイロウ》
GM:リセの支援が入っているので
GM:24d7+13になっているはずじゃ フォフォフォ
”ウンブラツイン”:(12+12)dx6+1+12
DoubleCross : (24DX6+13) → 10[1,2,2,2,2,2,3,3,3,4,5,5,5,5,6,6,7,7,7,7,7,9,10,10]+10[1,1,1,2,4,5,5,10,10,10]+10[6,9,9]+10[5,7,9]+4[3,4]+13 → 57

GM:エグすぎる
”ウンブラツイン”:リセちーありがとう
GM:あ!!3足りない!!
GM:ち、ちくしょ~~ UGNチルドレンがいれば……!
GM:あれ?ところでウンブラツインさん……ひょっとしてUGNチルドレンだったことがありませんか?
GM:ということで、ボスシートにある”アレ”の使用を……お願いできますか!
”ウンブラツイン”:ナニッ そういや私はチルドレン
”ウンブラツイン”:《バディムーヴ》エンブレム。1R1回、判定達成値に+3
”ウンブラツイン”:達成値を60に
”ウンブラツイン”:これ自分にも使えるの強すぎる
“バニティ”:待って!できないかも…
GM:あっ本当だ 腹を切ります
“バニティ”:バディムーヴは………バディへのムーヴだから…自分には使えないはず…!
”ストローマン”:とはいえ、厄介な見せ札を作られた。警戒は必要。
GM:すみません!他の人への支援にとってあげて下さい
”ウンブラツイン”:承知! では据え置き57で
“バニティ”:私とかに…!
”リセ”:ということでこれ使っちゃお~~ 《妖精の手》lv3。
”指龍”:絵に描いたような支援オルクス!
”ストローマン”:オイ!!妨害ないよ!!
”リセ”:達成値を+6して再回転してください。
”リセ”:1dx6+63ですね
”ウンブラツイン”:1dx6+63
DoubleCross : (1DX6+63) → 10[9]+10[9]+10[10]+10[8]+10[8]+10[10]+10[6]+10[9]+10[10]+3[3]+63 → 156

オッドボール:卑劣!
”指龍”:????
オッドボール:????
”ウンブラツイン”:やっちゃったぜ
“バニティ”:ヤッッバ
”リセ”:おお
オッドボール:あ…あ…?
”ストローマン”:え?死ぬかもさすがに
GM:だ、ダメージを……
”ストローマン”:【丑三ツ参り《リダイレクト・カース》】《迎撃する魔眼》……リアクションを放棄し、《黒の鉄槌》のみを使用した攻撃を返す。リアクション不可。
”ストローマン”:リアクションは一応行なう。
”ストローマン”:4DX9+2
DoubleCross : (4DX9+2) → 10[4,7,8,10]+6[6]+2 → 18

GM:強いな~~カウンター
”ストローマン”:というわけで、そっちもダメージをどうぞ。
GM:16d+50だ 見たことなさすぎるダメージ
”指龍”:固定値も高い
”ストローマン”:84→91
”ウンブラツイン”:16d10+50 ダメージ
DoubleCross : (16D10+50) → 78[3,2,2,7,5,6,3,7,1,10,8,6,5,8,4,1]+50 → 128

“バニティ”:つよすぎるんじゃ~
GM:ガチでエグいぞ
”ストローマン”:2D10+10
DoubleCross : (2D10+10) → 2[1,1]+10 → 12

GM:ポコッ
”指龍”:これエマリーダー以外ならそんなに気にならないんだけどな…!
”ストローマン”:……2D10と相性が悪い。
“バニティ”:かなしすぎ
”ストローマン”:HPは0になるから、《リザレクト》を使用。
”ストローマン”:1D10+91
DoubleCross : (1D10+92) → 1[1]+92 → 93

”指龍”:リザレクトがうまい
GM:君本当リザレクト上手
”ストローマン”:HPを1へ。
“バニティ”:最高の展開
GM:では……イニシアチブ9。”バニティ”の手番。
”ストローマン”:あ、”ウンブラツイン”はダメージを受けた?
”ストローマン”:一応12点と言ってもダメージはダメージ。4点ぐらいは通る?
GM:そうじゃん!謎の装甲8点を弾いて、4点通りますね。
GM:”ウンブラツイン”のHPを4減少(0 → -4)
”ウンブラツイン”:くらってました
”ストローマン”:オーケー。ではバニティ、よろしく。
“バニティ”:オーライ!
“バニティ”:マイナーなし!メジャーで”ウンブラツイン”に射撃攻撃しますよ~
”ウンブラツイン”:おのれ牙をむくか
“バニティ”:コンボ「女泣かせのうぬぼれ野郎クライベイビー・バニティ」:《コンセントレイト:ウロボロス》《原初の赤:瞬速の刃》《混沌なる主》
GM:クライベイビー!
“バニティ”:命中判定いくぞ!
“バニティ”:あ!宣言忘れてた 《オーバーロード》も使って攻撃力を上昇させます。改めて判定!
GM:妨害なし!きなさい
“バニティ”:(9+3+2)dx7+9
DoubleCross : (14DX7+9) → 10[3,4,4,4,4,4,4,5,5,6,6,9,10,10]+10[2,7,9]+2[1,2]+9 → 31

“バニティ”:ぼちぼちでした
GM:あっそうだ 瑛のアライアンス効果も継続中だけど
GM:入れるの忘れてる人は……いたりするかい……?
オッドボール:そうか、これ自警活動なんだッ
”ストローマン”:……忘れてた!命中はしてるからあまり関わりないけど!
“バニティ”:これはダイス+3個してます!
GM:OK!(ズドン)
GM:では……ウンブラちゃんには普通にドッジをして貰おうか
”ウンブラツイン”:承知! ドッジします
”ウンブラツイン”:4dx
DoubleCross : (4DX10) → 9[3,7,8,9] → 9

”ウンブラツイン”:当たります
GM:9か……
GM:ギリギリアレ使っても足りないですね ここは素直に喰らっておきましょう
“バニティ”:ではダメージを出します!計算するので待ってね 《水晶の剣》による攻撃力はいま+8……
“バニティ”:ヨシッ
“バニティ”:4d10+19+19+1d10 装甲有効
DoubleCross : (4D10+19+19+1D10) → 15[3,3,3,6]+19+19+3[3] → 56

“バニティ”:ぼちぼちすぎる 56ダメージです!
GM:装甲8点で……48点通し!きつくなってきました
GM:”ウンブラツイン”のHPを8減少(-11 → -19)
GM:”ウンブラツイン”のHPを40減少(-19 → -59)
“バニティ”:《オーバーロード》による武器破壊を「クライベイビー」の効果で打ち消します!これでコンボに加えて侵蝕率が2上昇しますので
GM:な なんじゃそりゃ~~~~
”ウンブラツイン”:いたいぜ
”ウンブラツイン”:踏み倒しコンボ!
“バニティ”:侵蝕率+10で104!水晶の剣による攻撃力が10になったぞ
オッドボール:こっちも嬉しい!
“バニティ”:計算が楽になりました!柳瀬くんよろしくね!
GM:イニシアチブ7。”オッドボール”の手番。
オッドボール:マイナーで戦闘移動。ニコちゃんと矢神くんにエンゲージ。
オッドボール:メジャーでコンボ:アラン・スミシーズ・ホライゾン。コンセントレイト:バロール+瞬速の刃+漆黒の波濤+漆黒の拳+(スレイヤーの証)!
オッドボール:二人まとめて殴ります。
“バニティ”:いけいけゴーゴー!
”ストローマン”:でたらめにしてやって。
オッドボール:15dx7+7
DoubleCross : (15DX7+7) → 10[1,1,3,4,4,6,6,7,8,9,10,10,10,10,10]+10[1,6,6,6,9,9,10,10]+10[3,6,7,10]+10[9,9]+5[3,5]+7 → 52

GM:ギャア~~~~~ッ
オッドボール:期待値以上!
”シャブダ・ベディ”:それはちょっとまずいな……
”シャブダ・ベディ”:《イージスの盾》+《軍神の守り》。ウンブラツインズをカバーし、ガードを行います。
”ウンブラツイン”:ありがた山
オッドボール:おのれ~っ
オッドボール:6d10+3d10+35 装甲のみ無視
DoubleCross : (6D10+3D10+35) → 20[2,2,2,1,7,6]+27[9,8,10]+35 → 82

GM:まずはダメージを倍加!164!
オッドボール:侵蝕率94→104
”シャブダ・ベディ”:そこから……
”シャブダ・ベディ”:4d10 ガード値
DoubleCross : (4D10) → 19[4,2,3,10] → 19

”指龍”:あ、いや
”指龍”:ガードは倍加前でいいんですよ〜
”シャブダ・ベディ”:計算式間違ってたか! だとしても……余裕で死ぬ。
”シャブダ・ベディ”:タイタス昇華。HP12で復活。
GM:ハアーッ 次!シャブダ・ベディ!行くぞォ!!
”シャブダ・ベディ”:マイナー。
”ストローマン”:念願のこんな力!
”シャブダ・ベディ”:《異能の継承:完全獣化》+《インフィニティウェポン》+《ハンティングスタイル》
“バニティ”:怖!!!
”シャブダ・ベディ”:うるせえ!!【肉体】ダイスを+4し、攻撃力19・ガード値3の白兵武器を作成しながら戦闘移動。
”指龍”:えっ武器使えるの?!
オッドボール:知恵があるんだ…この獣!
”シャブダ・ベディ”:知恵ある獣も持ってるヨ~ン
”ストローマン”:エンゲージしてるけど……離脱系の何かも取ってあるのかな。
”シャブダ・ベディ”:ハンティングスタイルで離脱も行えるのだ 行えるよね 行えるっけ?
“バニティ”:ハンティングスタイルはエンゲージ離脱できたきがする!
”ストローマン”:そうだった。失敬。
”指龍”:行えますね!
”シャブダ・ベディ”:ということで柳瀬くん抜き中央3人にエンゲージ!
”シャブダ・ベディ”:【ルーイナス・トップ・バウアー】《カスタマイズ》+《クリスタライズ》+《ギガンティックモード》+《コンセントレイト:モルフェウス》
”シャブダ・ベディ”:そのまま3人に範囲攻撃だ!死に晒せ~~~~~!!!
”ストローマン”:ここだね。
”シャブダ・ベディ”:何だァ……?
”ストローマン”:【溺れる者が掴む藁トラス・フォー・ユー】《孤独の魔眼》……自身を攻撃対象に含む範囲(選択)の攻撃が行なわれた時に宣言する。その攻撃の対象を「単体」、自身に変更する。
”シャブダ・ベディ”:ガ……
”シャブダ・ベディ”:ガキィ~~~~~~~~!!!!!
”ストローマン”:92→96
”ストローマン”:ふふ、いい気分。判定どうぞ?
”シャブダ・ベディ”:26dx7+16
DoubleCross : (26DX7+16) → 10[1,1,1,1,2,2,3,3,3,3,4,5,5,6,6,6,7,7,7,7,8,8,8,8,9,9]+10[1,1,1,2,3,5,6,7,9,10]+10[1,8,8]+5[4,5]+16 → 51

オッドボール:雑魚妖怪みたいな鳴き声
”シャブダ・ベディ”:ウンブラツイン!!!!!
”シャブダ・ベディ”:女神をくれ!!!!
”指龍”:ダイス数こわ
”指龍”:女神!
”指龍”:やっぱりあったか
“バニティ”:誰よその女神
”ウンブラツイン”:ここか!
”ストローマン”:こっちは元々死に体。そこまでしなくてもと思うけど……回避。
”ストローマン”:4DX+1
DoubleCross : (4DX10+1) → 8[3,3,8,8]+1 → 9

”ウンブラツイン”:オート《勝利の女神》  達成値+20 1R1回 対象は”シャブダ・ベディ”
”シャブダ・ベディ”:達成値71で命中!!
”シャブダ・ベディ”:イクゾーッ
”ストローマン”:リアクションに失敗。ダメージどうぞ?
”シャブダ・ベディ”:8d10+31
DoubleCross : (8D10+31) → 43[8,9,7,3,1,8,6,1]+31 → 74

”シャブダ・ベディ”:装甲無視!
”シャブダ・ベディ”:なんだよ……なんなんだよ、この力は!!
”指龍”:高いダメージ!
”ストローマン”:74点受けて、-73。リザレクトする。
”ストローマン”:1D10+96
DoubleCross : (1D10+96) → 1[1]+96 → 97

”指龍”:???
オッドボール:リザレクトのプロ
”シャブダ・ベディ”:なんだよ……なんなんだよ、その出目は!!
”指龍”:エマさん、1しか出ないようになってる?
”ストローマン”:この出目に一番驚いてるのは私なんだよね。
”ストローマン”:ともあれ……HP1で復活。
”ウンブラツイン”:体力が削れればみんなを守れないというのは浅はかな勘違いだった……
GM:では、最後!イニシアチブ4、ストローマンの手番!
”ストローマン”:オーケー。散々穴だらけにしてくれた。
”ストローマン”:マイナーアクションは放棄。
”ストローマン”:【波濤よ、唯一人を岸へと浚えカルナデス・ウェイブ】《黒の鉄槌》+《エクスプロージョン》+《ツインバースト》……範囲(選択)の射撃攻撃を行なう。ドッジ不可。
”シャブダ・ベディ”:ウワアーーーーッ
”ストローマン”:メジャーアクション、こいつをシャブ君と”ウンブラツイン”のエンゲージへ。
”ストローマン”:……どう?妨害ある?
”指龍”:シャブくんは
”指龍”:こっちのエンゲージにきてるはず
”シャブダ・ベディ”:ハハハハ
オッドボール:三人バラバラか~
”ストローマン”:あ、そうだった。うーん……じゃあシャブ君だなぁ
”シャブダ・ベディ”:そ、そんな
”ストローマン”:まあ、リアクション不可だから。最初に落ちてもらう
”シャブダ・ベディ”:く、くそ~~~~!!!
”ストローマン”:97→104
”シャブダ・ベディ”:キュマイラシンドロームでカバーリングをしてくれる奴がいれば~~~~!!!
”指龍”:またいない男の話してる?
”ストローマン”:いない人の話しても仕方ないでしょ。ほら、達成値出すよ。
”ストローマン”:7DX+2
DoubleCross : (7DX10+2) → 9[2,2,6,7,8,8,9]+2 → 11

オッドボール:悪役の台詞
”ストローマン”:2D10+11+10+3 装甲有効
DoubleCross : (2D10+11+10+3) → 18[8,10]+11+10+3 → 42

"コヴフェイス":Dロイス:秘密兵器で取得したフォールンサラマンダーを使用。
"コヴフェイス":そのダメージに+3Dする。
オッドボール:火力支援だ!
”ストローマン”:ご苦労、コヴフェイス。
"コヴフェイス":42+3d
DoubleCross : (42+3D10) → 42+19[3,10,6] → 61

”シャブダ・ベディ”:ギャハハ!こんな豆鉄砲が通じるか!
”ストローマン”竜鱗リューリンも使えないから、これは耐えられないと思うけど。……どう?
”シャブダ・ベディ”:《イージスの盾》でガード。
”シャブダ・ベディ”:4d10+3
DoubleCross : (4D10+3) → 18[1,9,2,6]+3 → 21

”シャブダ・ベディ”:全然ダメでした
”ウンブラツイン”:ウーンアレを使っても守り切れない……
”シャブダ・ベディ”:ロイスの昇華数が2に達したので、以降”シャブダ・ベディ”はメジャーアクションを行わなくなります。
GM:クリンナップは特にないと思うので……次に行きましょう!

”ウンブラツイン”・”オッドボール”
-[10m]-
”シャブダ・ベディ”・"指龍"・”ストローマン”・”バニティ”
-[10m]-
”リセ”

“バニティ”:エンゲージはいまこう!
”指龍”:あ、一度演出した方がいいかもに思っています
”指龍”:2ラウンド分は負荷が高そう
GM:大丈夫!次と言うのは……演出のことです
”指龍”:そういうことか!失礼しました
GM:優水さんの言う通り、1ラウンドごとにまとめてやっていきましょうか
”指龍”:流石だぜ
オッドボール:やるぞっ
“バニティ”:ウオー!

GM:FH・UGNの両組織は、シンドロームという能力傾向について研究を積み重ねて来た。
GM:特にソラリス・シンドロームの発現者は、人格的に高い社会性を持ち合わせる傾向にある。
GM:ソラリスの汎用的な所見である、生体への誘導的干渉。それらが他者だけではなく、自身にももたらされるものだとすれば――
”リセ”:何の先ぶれもない。目を少し閉じる。
”リセ”:次の瞬間、瞳孔が開いた。呼吸が荒くなり、発汗が進行する。
”リセ”:『B2*』の二人も同様だった。体内の水分を直接鎮静作用のある薬剤に置換されている。
”リセ”:「少し調整しました。これで戦いやすくなるはずです……」
”リセ”:「例えば、勝手知ったる同僚を相手取る時などにはね」
“バニティ”:「ソレ、私にもやって欲しいんだけど」ニヤニヤしている。
”リセ”:「部下じゃないのであげません」にこりと微笑む。
”指龍”:「元上司と戦うの大変そうだな」
”指龍”:素朴な感想を漏らす。その間にも『指』は戦う為の姿に変わりつつある。
“バニティ”:「こっちの手札は知られてるからね~。だから、こういうとき」
“バニティ”:「まだ誰にも知られてないルーキーが切り札になりえるんだな」
”シャブダ・ベディ”:「ああ……ちょうどいいね。頭が冷えて来た――」
”シャブダ・ベディ”:「あの”シューラ・ヴァラ”が相手をしてやろうって言うんだ。光栄に思った方がいいんじゃない?」
”指龍”:側面に鋭い牙が何本も生え、二本の指で挟めば喰いちぎれるように変わっていく。
”指龍”:「悪い。今回初めて知ったんだよな。有名人ってことだけわかるけど」
”指龍”:指が、伸びる。それは見た目よりもずっと俊敏な動作で。
”指龍”:「光栄には思わないな」叩きつける。
”指龍”:叩きつける。
”指龍”:叩きつける。
”シャブダ・ベディ”:「は!」せせら笑う。「なんて非力な攻撃だ――ごっば!?!?」
”シャブダ・ベディ”:「がっ……ぶ!! ぐはあああああああ!!!」
”指龍”:「悪くない手応えだ。リアクションも大きいしな」
”指龍”:(血も美味い。エマさんとは違う味だ)
”指龍”:そう思考して、自嘲気味に笑って首を振る。
”シャブダ・ベディ”:初動の対応が完全に遅れていた。壁面に叩きつけられ、血を吐き出す。髪がぐしゃぐしゃに乱れる。
“バニティ”:「うわ」顔をしかめる。「いッたそ~…。ずいぶん頭冷えたみたいで…」
オッドボール:「本気になると、あんな感じか。出力がデカい。こりゃ大物だね……!」
”シャブダ・ベディ”:「がっ……ふッ、ははははァ!! 浸ってる余裕が……あるのかなッ!?」
”シャブダ・ベディ”:その指が、突如バラバラに切り裂かれる。
”指龍”:「っとと」
”シャブダ・ベディ”:反応装甲。上半身を覆う体毛を、槍のように硬質化させていた。砂が零れ落ちる。
”指龍”:それぞれの切り裂かれた指がまたばらばらの指になる。
”指龍”:「あぶねえ奴……!」
”シャブダ・ベディ”:「げほっ、中々効いたね……まァ、悪くはないんじゃない?」
”ストローマン”:「獣化変性キュマイラ能力。君とは似てるけど、もう少し野蛮」
”シャブダ・ベディ”:「僕に比べれば全然……ごぶっ」
”ストローマン”:「とはいえ、確実に効いている。……見て分かる通りに」
”リセ”:「結構喰らってますね。大丈夫ですか、”シャブダ・ベディ”?」
”シャブダ・ベディ”:「……”ウンブラツイン”! 黙らせろッ!!」
”ウンブラツイン”:「いい前衛ね。無駄に騒いで…… そのまま引き付けて」
”ウンブラツイン”:「頭を叩く」
"コヴフェイス":「ち」背後から、牽制にドローンに搭載された銃器を乱射するが。
”ストローマン”:「来る?なら、用意しないとね」
”ウンブラツイン”:薬物の効果が、どこまでも冷静で残酷な自分を呼び起こす。これが本来のような気がした――。今となっては全てが遠い。
”ウンブラツイン”:「受けられる? 耐久試験といきましょう」
”ストローマン”:("コヴフェイス"には悪いけど。相手はUGNでも、”シューラ・ヴァラ”に並ぶ指折り)
”ストローマン”:牽制の成果は考えず、"ウンブラツイン"をじっと見据える。
”ストローマン”:「『釘を刺しておくけど起点指定・座標確定』」
”ストローマン”:緩く取ったガード姿勢から幾分離れた場所。”ウンブラツイン”との間に、黒い球体が発生する。
”ウンブラツイン”:手の銃から光芒が放たれる。先ほどの牽制とは違う―― 一撃必殺を狙う。
”ストローマン”:「『それ以上は、報いがあるよ応報予約・相互承認』」
”ストローマン”:定型句を用いた、レネゲイド操作の手順化。
”ストローマン”:"藁人形ストローマン"の設計当時の想定運用は感情の激発ではなく、集中の深化にあった。
”ストローマン”:光芒の軌跡を追うようにして滑る、闇の球体が光を捉えた。
”ストローマン”:呆気なく通過を許し、本体へと到達する。
”リセ”:「ああ。確定した因果を痕跡とするタイプの……一種の呪術ですね」
”リセ”:「”ウンブラツイン”。受けて下さい。たぶん死にません」
GM:光と闇の軌跡が交錯し、互いを喰らい合ってすり抜ける。弾着する。
GM:”ウンブラツイン”の方が早い。確定した因果よりも、弾丸が到達する結果の方がだったということだ。
”ストローマン”:「ッ………!」大穴が空いた身体で、どうにか返しの一手を投げ終える。
”ウンブラツイン”:「仕込みか……! 光に合わせる速度なんて、生意気」
”ストローマン”:「……一発で満タンにされたのは、きみが初めて。よくやる」
”ウンブラツイン”:「ッ……! 戦闘続行に支障はないわ」
”ウンブラツイン”:「こちらも、認識の外から食らうのは久々。趣味のいいカウンターね 」
”リセ”:「手数ではこちらが勝っています。人数は少ないですが、強気でいきましょう」
”ストローマン”:致命傷を、最低限立てる程度までレネゲイドが強引に補修する。オーヴァードのささやかな特典だ。
”ストローマン”:「とはいえ。貴重な一発を、私に使ったのはまずかった」
”ストローマン”:「今が好機。……バニティ!」
”シャブダ・ベディ”:「くそっ」先程の龍神貴好の攻撃によって、浅くない傷を負っている。再生が追いついていない。
“バニティ”:「オッケーー!」
“バニティ”:安価な口紅を弾丸に見立てて手中の影に装填。すると、それは銃身として確かな輪郭を形どる。
“バニティ”:それとほぼ同時、応答しながら“ウンブラツイン”に向かって連射。紅交じりの漆黒の弾丸が、彼女の手を狙う。
”ウンブラツイン”:「チ、間に合うか――!」
”ウンブラツイン”:攻撃直後を捉えられた隙に、さらに攻撃を重ねられては逃れるすべがない。
“バニティ”:「間に合わなくってもいいんだよね…」武器を持つ手、次に足元。動きを封じようとする狙撃が続く。
”シャブダ・ベディ”:「おいッ、”リセ”!手数もあっちの方が多そうだぞ! どうなってる!?」
“バニティ”:「ねえ、“ウンブラツイン”。しっかり話をするのは初めてだった気がするんだけど──」
“バニティ”:「同じ男を追いかけて、嫉妬しないの?」
”指龍”:「なんかやたら気になる話出てきたな……?」
”ウンブラツイン”:「退路を塞いで、聞きたいのがそれ……? そういうヤツだったのね、乃木って」
”ウンブラツイン”:「矢神はアイツの代わりになろうとしてるみたいだけど…… 私は、別に追いかけてはいないから」
”ウンブラツイン”:「アイツが私を追って来たの。それがああなったのは、だから私だけのせい」
GM:狙撃弾幕は拮抗している。精度の応射と物量の連射。つまり、集中を乱したものが敗北する類の戦いだった。
”シャブダ・ベディ”:「チイッ……あの女ども、余計なことを……!」
“バニティ”:「え~~何それ、私も言われてみたいんだけど…」
”ウンブラツイン”:「全てが過ぎ去って、手遅れでも…… それでも、私は止まれない」
”ストローマン”:「随分込み入っている様子。UGNでは、活動に色恋沙汰を持ち込んでるの?」
”指龍”:「日常の守護者ってそういう……」何かをとても勘違いしている。
“バニティ”:「あはは! こいつらは皆そうだし…」「喪った人間をいつまでも引きずってる奴らって」
“バニティ”:「良い映画の題材になりそうじゃない?」腕時計を見る──時間稼ぎは充分だ。
”ウンブラツイン”:「いろっ……! とか、そうじゃない! もっと信念とかの話よっ!」
”ウンブラツイン”:集中が乱れる。薬効を超えた精神的動揺――。人間性のブレだった。
オッドボール:「いやァ――どうだろ? 止まれないやつには、ここで止まってもらおうかな」 ご。がが。がががががっががが!
オッドボール:「自傷行為はよくないぜ……たぶん……」 巨大な黒い球体が、乱れ飛ぶ弾丸を吸い込んでさらに拡大している。
”シャブダ・ベディ”:「あのさァ――」体を引きずりながら前に進み出る。「死んだ後まで、僕に奴の尻を拭かせないでくれないかな!?」
”シャブダ・ベディ”:「”ウンブラツイン”! どいてなよ、あれは相性が悪すぎる」
オッドボール:新雪を転がる雪玉のように、膨れ上がるブラックホール。オッドボールはそれをオーバースローで『叩きつける』。
”ウンブラツイン”:「ッ! やめなさい!”シャブダ・ベディ”!」
”シャブダ・ベディ”:「はははははは!! 随分楽しそうじゃないか、”オッドボール”!?」
”シャブダ・ベディ”:「昔の僕と――とても良く似ている!!」
オッドボール:「楽しいはずがあるかよ。こんなの」 顔を歪める。 「マジで」跳ぶ。跳ねる。
オッドボール:「いくら壊したところで、な~んの自慢にもならねえ、んだよッ!」 巨大なブラックホールが、叩きつけられる。
オッドボール:「アカデミー賞とりてェ~~~~っ」
”シャブダ・ベディ”:喰らう。喰らい続ける。だが。
”シャブダ・ベディ”:ぐじゃり。
”シャブダ・ベディ”:肉体ごと弾け飛ぶかと思われた、必殺の情報消去が――
”シャブダ・ベディ”:「愚か者め」
”シャブダ・ベディ”:身体の半分を抉れさせてなお、”シャブダ・ベディ”は健在だった。
”指龍”:「うわグロッ」
オッドボール:「お前がな。優しくて甘い俺にやられてりゃよかったんだ。……リーダー」
オッドボール:「よろしく~」
”シャブダ・ベディ”:尋常の域の再生能力ではない。柳瀬順吾の異能は、再生するための遺伝子情報ごと消去する。
”ストローマン”:「相手も仕掛けて来る。それを受けてから」
”シャブダ・ベディ”:体毛装甲を変化させ、受けたブラックホールの形を捻じ曲げる。
”シャブダ・ベディ”:そのままブラックホール自身に、ブラックホールを消去させることで、失われる情報量を0にした。
”シャブダ・ベディ”:「楽しいに決まってるじゃないか。こんな力を振るうのも……」
”シャブダ・ベディ”:身体形状が変化し続けている。その材質ごと、殺傷に最適化される。
”シャブダ・ベディ”:「彼が最後までやり通せなかったことを、この僕がやれる」
”シャブダ・ベディ”:「選ばれし者なら。”シャブダ・ベディ”なら――」
”ストローマン”:(あれは……受けの片手間じゃ、削り切れるか怪しいな)
”ストローマン”:相手の気合いを見て取り、受けに徹する姿勢を固める。
”シャブダ・ベディ”:「はは――ははははははははははは!!!!」
”シャブダ・ベディ”:右腕が巨大な、ねじれて輝く槍の形をとる。脚部は巨獣のそれに。
“バニティ”:(リセ~~、どういう部下教育してんだよ…)ゲ~って顔で見ている
”シャブダ・ベディ”:激突した。空気が弾け、槍がほぐれるように形状を変化させる。
オッドボール:「無茶してやがる。どういうスペックだよ……」
”シャブダ・ベディ”:力任せに振り回す。その一つ一つが、モルフェウスの形状変化能力により、回避をすり抜ける形に変化しながら殺到する。
”指龍”:(やばいな。今度はダメージを受ける部位かもしれない……)
”ストローマン”:「きみ、やっぱり昔の私みたいだね。一度鼻っ柱を折られてもそう・・なのは、凄いけ──どっ!」
”ストローマン”:重力操作。本来幾多の方向から3人へと突き刺さるはずだった穂先を、ただ一人の標的へと捻じ曲げる。
”指龍”:「……あれ。”ストローマン”……?に?」
”シャブダ・ベディ”:「ふははははははははは!!!!! ご立派な博愛精神だ!! いつまで受け続けられるかな!?」
”シャブダ・ベディ”:ぐじゃじゃじゃじゃじゃじゃじゃじゃじゃ!!!!!
”シャブダ・ベディ”:「そら、化け物になる前に降参した方が良いんじゃないかい!? ”ストローマン”!!」
”ストローマン”:受ける。刺される。削られる。貫かれる。
”シャブダ・ベディ”:「きみに捧げられた犠牲が、無駄になる前にさ――!!」
"コヴフェイス":「”ストローマン”! もういい! 態勢を――!」
”ストローマン”:砂嵐のごとく削りとる暴風は、しかし、それより先に進むことはない。
”ストローマン”:ぎちり。
”ストローマン”:暴風の中から差し出された襤褸切れのような腕が、槍を、掴んだ。
”シャブダ・ベディ”:「……は?」
”ストローマン”:「…………どう?」
”ストローマン”:もう片方の襤褸切れに、闇色の球体を掴み、煙の中から顔を出す。
”ストローマン”:「この距離、この間合い、この威力。……君は、ちゃんと受け切れる?」
”ストローマン”:叩き込む。
オッドボール:「……ツイてるね。それでも冷静な方なんだぜ、リーダーは」
”シャブダ・ベディ”:”ストローマン”の膂力と強靭性は、その容貌に比して、あまりにも高い。
”シャブダ・ベディ”:「ご……」瞳孔が狭まる。「ごばあああああああああああッ!!!!」
”ストローマン”:「犠牲がどうとか、シャブ君に言われるまでもない。そっちこそ……」今の応酬により、口内を切った血を吐き出す。
”ストローマン”:「君たちの昔の仲間が此処にいたら、なんて言うか。一度考えて見たら?」
”シャブダ・ベディ”:吹き飛び、勢いを殺すことすら不可能だった。内臓が破裂している。
”シャブダ・ベディ”:(なんだ?)(殴られ……)(回避は無理)(体毛を炸裂装甲に)(死ぬ)
”シャブダ・ベディ”:「舐めるな」
”シャブダ・ベディ”:「僕が――それほど、都合のいい生き方を――」
”リセ”:ぱちん。
”シャブダ・ベディ”:指の音と同時に、崩れ落ちた。
”リセ”:「彼女の言う通りですね。少し彼には休んで貰いましょう」
”ストローマン”:「ただの悪態返しだったんだけど。まあ、こっちは楽になる」
“バニティ”:「見といた方がいいよ“指龍”くん。トラス4のリーダーは…怒るとコワいんだから」
”指龍”:「……気を付ける。いや、本当に。心に刻むよ」
”ストローマン”:「他人事みたいに言う。バニティも、次やったら”これ”だから」
“バニティ”:「ヒィ~…」

GM:【ROUND2】

【ENGAGE】
”ウンブラツイン”・”オッドボール”
-[10m]-
”シャブダ・ベディ[DOWN]”・"指龍"・”ストローマン”・”バニティ”
-[10m]-
”リセ”

GM:【SETUP】
”リセ”:《アクセル》lv5。イニシアチブ+10。
“バニティ”:うわ!きた!
”指龍”:こわいよ〜
”指龍”:まあ、なしですわね
”ウンブラツイン”:セットアップこんどはなし
オッドボール:なし!
”ストローマン”:なし。静かなセットアップ。
“バニティ”:同じくなし!
GM:OK!ではイニシアチブ15、リセの手番。
”リセ”:《雨粒の矢》+《シングインザレイン》。
”リセ”:に
”リセ”:D:指導者を使用します。
”リセ”:ダイス+5、C値-1!
”リセ”:さっきの狂戦士と合わせて……
”リセ”:23dx8+12
DoubleCross : (23DX8+12) → 10[1,1,2,3,3,3,4,4,5,5,5,6,6,7,7,8,8,8,9,9,9,9,10]+10[1,3,3,4,4,6,6,9]+6[6]+12 → 38

”リセ”:では……今度こそ
”リセ”:”あれ”をお願いします
”リセ”:+3を足すやつを……今!
オッドボール:3を足すやつ
”ウンブラツイン”:いい数字!いきます
”ウンブラツイン”:《バディムーヴ》エンブレム。1R1回、判定達成値に+3 対象リセ
”リセ”:OK!では、対象はトラス4の皆さんです。
”リセ”:あ、その前に
”リセ”:一応マイナーの戦闘移動に《縮地》を組み合わせて使用します。
”リセ”:オッドボールにエンゲージに移動。流石に射撃型が孤立しているのはまずい!
”リセ”:では……死ぬドス
”リセ”:5d10+14+20
DoubleCross : (5D10+14+20) → 29[9,8,1,10,1]+14+20 → 63

”指龍”:そういえばリアクションを忘れていた
オッドボール:いちおうドッジしてみるか
“バニティ”:ヤバイのら ドッジするのら
GM:そうじゃん。各々リアクションをどうぞ!
”指龍”:僕も一応のドッジ ドッジダイスは-3!
”指龍”:4dx>=41
DoubleCross : (4DX10>=41) → 10[4,7,9,10]+10[10]+1[1] → 21 → 失敗

オッドボール:6dx+1>=41
DoubleCross : (6DX10+1>=41) → 10[3,5,8,8,9,10]+3[3]+1 → 14 → 失敗

“バニティ”:4dx>=41
DoubleCross : (4DX10>=41) → 7[1,4,4,7] → 7 → 失敗

GM:す、すげえ
”ストローマン”:うーん……この状況、手番放棄してカバーするか考え所。
“バニティ”:す、すごい
”指龍”:あと20あればなー
オッドボール:龍神くんのロイスをタイタス昇華して復活!
GM:個人的には後詰のために手番残しておいた方が良いと思うワン
”ストローマン”:とはいえ、次のラウンド回ったらまたシーン攻撃が飛んでくるか。此処はそのまま回避。
”ストローマン”:5DX+1
DoubleCross : (5DX10+1) → 10[4,7,7,8,10]+1[1]+1 → 12

”リセ”:発狂モードのリセはめちゃくちゃ強い
”ウンブラツイン”:頼れる支部長
“バニティ”:リセに対するロイスをタイタス昇華して復活するよ~!
GM:では全員命中!61ダメージだ 装甲有効!
”指龍”:んーんー 乃木さんのロイスをタイタス昇華!戻ってくれてありがとね!
”ストローマン”:あと3回回れば。HP1なのでそのまま戦闘不能、コシローのロイスをタイタス化・昇華して復活。
”指龍”:ふっかつ!
“バニティ”:イェイイェイ
”指龍”:龍神貴好のHPを14に変更(29 → 14)
GM:では、イニシアチブ10。まずは龍神くんの手番!
”指龍”:んー、そうですね。ニコちゃん殴っても落としきれないので
”指龍”:リセを削りに行きましょうか
”リセ”:えっ!? 私~~~???
”指龍”:マジでシーン攻撃このあともやられたら辛いんでぇ……
“バニティ”:冷静な判断
”リセ”:辞めて下さい ちょっとシーン攻撃と妖精と支援するだけのか弱い生き物を
”指龍”:そういうやつはか弱いって言わねえんだよ!!!
”リセ”:ちくしょ~~!!来やがれ!!
オッドボール:なんて冷静な判断力 戦いの扇子
オッドボール:センス
”指龍”:【咀嚼する】:《コンセントレイト:エグザイル》+《伸縮腕》(クランサイン適用)(覇者の印適用)これで2回目!
”リセ”:ウワア~~~ッ
”指龍”:マイナーはとくになしですよ
龍神貴好:(4+7+3+5)dx7-1+0
DoubleCross : (19DX7-1) → 10[1,2,2,2,3,4,4,4,4,4,5,6,7,7,7,8,10,10,10]+10[1,2,3,4,5,9,10]+10[1,8]+10[7]+1[1]-1 → 40

”リセ”:ウワッ きっちり回す
”指龍”:まあよかよか
オッドボール:いい出目!ちょうど繰り上がり
“バニティ”:充分スゴイよ~!
”リセ”:しょうがねえな……リアクションはドッジ。
”リセ”:果たしてあの頃の青を覚えていられるかな?
”リセ”:4dx>=40
DoubleCross : (4DX10>=40) → 6[2,2,5,6] → 6 → 失敗

“バニティ”:なんか言い出したぞ
”リセ”:全然無理
”リセ”:二回目の妖精の手!!
”指龍”:やめて!
”リセ”:1dx+10
DoubleCross : (1DX10+10) → 5[5]+10 → 15

”指龍”:ほっ
”リセ”:♪青に似た酸っぱい春のライラック
”リセ”:ということでダメージどうぞ。
”指龍”:5d10+62+1D ダメージ装甲諸々有効で!
DoubleCross : (5D10+62+1D10) → 24[5,7,1,8,3]+62+9[9] → 95

”リセ”:ぎゃあああああああああああああああああ
”リセ”:それは痛すぎる!
オッドボール:一撃でHP増加分が消し飛ぶ威力
GM:”リセ”のHPを87減少(0 → -87)
”指龍”:流石にワンショットキルは無理でもな!
GM:謎の装甲8点で弾いて87点喰らいます。死んじゃうよ~~~
龍神貴好:龍神貴好の侵蝕率を4増加(113 → 117)
GM:だが……ウンブラツインズ!
GM:マイナーで【確保】判定に挑戦するのだ!
GM:射撃で難易度8を成功させれば、椎原瑠々を攫えるぞ
“バニティ”:ついにその判定がきたか!
”ウンブラツイン”:はっそうでした さらっちゃうぜ
オッドボール:ガッツで食いしばれ!るるチャン!
GM:このために君のマイナーを開けておいたのだよ
GM:ということで、手番は改めて”ウンブラツイン”。
”ウンブラツイン”:はい ではマイナーで
”ウンブラツイン”:「椎原瑠々の確保」
GM:いけーっ
”ウンブラツイン”:6dx+1
DoubleCross : (6DX10+1) → 10[1,2,6,7,9,10]+1[1]+1 → 12

”ウンブラツイン”:ゲッツ
“バニティ”:きゃ~!!
GM:OK!確保に成功!
”指龍”:まあ、8は超えられるよなあ…!
オッドボール:攫われた!
”ストローマン”:ルル!あばれる!
GM:そのまま攻撃もやってしまいなさい!どう動くかは……
オッドボール:じた… ばた…!
GM:ここからはおのしろさんに任せます!
”ウンブラツイン”:ではメジャー 乃木さんに射撃攻撃
”ウンブラツイン”:【フルライトジャケット・ウンブラ】《瞬速の刃》+《小さな塵》+《マルチウェポン》+《C:エンジェルハイロウ》
”ウンブラツイン”:12dx7+1
DoubleCross : (12DX7+1) → 10[1,1,1,3,3,3,5,6,8,8,10,10]+4[1,2,4,4]+1 → 15

”ウンブラツイン”:やっべぇ!
“バニティ”:うおおお これは……!
オッドボール:落差が大きい!
GM:ウギャー
”リセ”:しょうがねえなオフだって時に……
”リセ”:3回目の《妖精の手》!!
“バニティ”:ア~!!
”ウンブラツイン”:うれしい手
”ストローマン”:オフとの落差狙ってる?
”ウンブラツイン”:1dx7+14
DoubleCross : (1DX7+14) → 10[7]+10[9]+10[9]+2[2]+14 → 46

”リセ”:1dx7+21で再回転をどうぞ(アニメージュピンナップ)
”リセ”:えらい!!
“バニティ”:なんで妖精の手使いがそんなにうまいの???
”リセ”:妖精の手はあと一回です タハハ……
“バニティ”:このままじゃ「職務をほっぽって何してんねん」という正論が私を襲ってしまう……させん!!!ドッジします!!
“バニティ”:4dx>=46
DoubleCross : (4DX10>=46) → 9[5,5,7,9] → 9 → 失敗

“バニティ”:ダメだーーーー!!!
GM:まんじりともせず正論パンチを受けろ!!
“バニティ”:ギアア ダメージお願いします
”ウンブラツイン”:すいません、達成値46と53どっちが合ってますか?
GM:53ですね!
”ウンブラツイン”:はい! では
“バニティ”:ダメージダイスは6d10だよ~
”ウンブラツイン”:6d10+50 ダメージ
DoubleCross : (6D10+50) → 36[8,7,4,8,2,7]+50 → 86

GM:ヤバ
”ウンブラツイン”:ありがとうございます 切り上げをいつも間違える
GM:めちゃくちゃ怒っとる
“バニティ”:これが正論パンチの味……………死にます
GM:では……返す刀で乃木さんだ
オッドボール:半端ないダメージ
“バニティ”:柳瀬くんのロイスをタイタス昇華して復活!HPは継続して11でヤンス
GM:イニシアチブ9!”バニティ”の手番!
“バニティ”:では返す刀で…マイナーでルルチャン取り戻し判定!
“バニティ”:〈射撃〉で難易度8の判定を行うよ
“バニティ”:6dx+3>=8
DoubleCross : (6DX10+3>=8) → 9[1,2,3,4,6,9]+3 → 12 → 成功

オッドボール:お姫様抱っこだ!
“バニティ”:お姫様抱っこします!
椎原瑠々:キャ~~!!
GM:椎原瑠々奪還!!
”ウンブラツイン”:お姫様だっこのマトリョーシカめ
“バニティ”:ではメジャーでコンボ「女泣かせのうぬぼれ野郎クライベイビー・バニティ」:《コンセントレイト:ウロボロス》《原初の赤:瞬速の刃》《混沌なる主》《オーバーロード》。“ウンブラツイン”を対象に射撃攻撃!
“バニティ”:(9+3+3)dx7+9 とりゃーっ
DoubleCross : (15DX7+9) → 10[1,1,1,3,3,4,4,5,5,6,7,8,9,10,10]+6[1,2,4,5,6]+9 → 25

“バニティ”:しょっぱい!ずっと…!
“バニティ”:リアクションをどうぞ!放棄してもいいですよ
”ウンブラツイン”:ドッジ!
GM:偉い!
”ウンブラツイン”:4dx
DoubleCross : (4DX10) → 10[2,4,4,10]+3[3] → 13

“バニティ”:あ、あぶねえ
GM:では……命中します!
“バニティ”:よし…!ダメージ出します!
“バニティ”:3d10+22+22+1d10 装甲有効
DoubleCross : (3D10+22+22+1D10) → 25[8,9,8]+22+22+2[2] → 71

オッドボール:つよっ
GM:怒りの乃木パンチ
“バニティ”:おりゃ~!ようやく頑張った!! 71ダメージだ~~~!!
“バニティ”:これが俺の……正論にマジギレパンチ
”指龍”:出目すごい!
エマ・カルナデス:ブチギレ!
オッドボール:キレてる!
”ウンブラツイン”:やっとこれが有効そうな場面がきたか……?
GM:やりますか!あれを……!
”指龍”:なになになに
“バニティ”:いまのうちに侵蝕率はあげちゃお!114になります(クライベイビーの効果を使用して武器破壊を防いでいます)
”ウンブラツイン”:オート《ひらめきの盾》ダメージ-10 ×4回
GM:合計23ダメージ!とはいえ追加HPを切らせたようなものだった……
“バニティ”:そんなのもってたの!
GM:”ウンブラツイン”のHPを23減少(-59 → -82)
GM:両方ともいい感じに落ちそうなHPになってしまった
GM:だが即死は免れたぞ!
GM:ナイス判断です
GM:では次!イニシアチブ7、柳瀬くん!
オッドボール:ここは装甲無視は過剰だな
オッドボール:範囲だけ噛ませよう
オッドボール:マイナーなし!
GM:げ、げえ~~~ッ 冷静な判断を
オッドボール:いや、いまなら瞬速の刃も抜ける。コンセントレイト:バロール+漆黒の波濤+(スレイヤーの証)!
オッドボール:自警活動の扱いなら、これでもダイス12個は確保できる寸法
オッドボール:攻撃対象はリセとウンブラツイン!
オッドボール:12dx7+7
DoubleCross : (12DX7+7) → 10[3,3,5,5,5,6,6,6,8,9,10,10]+10[4,8,9,9]+10[3,5,7]+2[2]+7 → 39

”リセ”:こいつマジか……
"コヴフェイス":【黒い蛇】(フォールンサラマンダー)。
"コヴフェイス":ダメージに+3Dだ。
オッドボール:やった~! 当たってくれ~!
”リセ”:ドッジします
”ウンブラツイン”:ドッジ!
”リセ”:4dx>=39
DoubleCross : (4DX10>=39) → 9[2,3,7,9] → 9 → 失敗

”ウンブラツイン”:4dx
DoubleCross : (4DX10) → 10[3,8,9,10]+2[2] → 12

”リセ”:う~~ん
”リセ”:最後の《妖精の手》!ウンブラツインに。
”ウンブラツイン”:いただきます……!
オッドボール:これが連携かッ
”リセ”:10dx+20で再回転するのじゃ
”ウンブラツイン”:1dx+12
DoubleCross : (1DX10+12) → 3[3]+12 → 15

”リセ”:23……!避けられない!
”リセ”:二人とも喰らいました。ダメージ下さい!
オッドボール:ヒット!
オッドボール:4d10+3D10+3D10+37 諸々有効
DoubleCross : (4D10+3D10+3D10+37) → 20[5,4,5,6]+9[4,2,3]+23[7,7,9]+37 → 89

”指龍”:すげー
オッドボール:侵蝕104→109
”リセ”:おかしいよ
“バニティ”:すご…
”リセ”:当然死にます。ロイス昇華し、復活。
”ウンブラツイン”:こちらもたえれず 復活
GM:最後はエマさんの手番だ!
GM:シャブダ・ベディはあの感じで起き上がるのもなんか違うので、寝てます
エマ・カルナデス:オーケー。丁度良くなった。
GM:こいつだけオート支援エフェクトもないし…
エマ・カルナデス:マイナーは放棄。
エマ・カルナデス:【波濤よ、ただ一人を岸へと浚えカルナデス・ウェイブ】《黒の鉄槌》+《エクスプロージョン》+《ツインバースト》
オッドボール:エクスプロージョンのレベルをあげたおかげで、余裕を持って撃てる…!
エマ・カルナデス:メジャー、B2*の残る2人に向けて攻撃。
”リセ”:よっしゃ~~!!!ドッジするぞ!!
”リセ”:ドッジ……あれ?
エマ・カルナデス:リアクション不可。ざんねん
”リセ”:チクショ~~~~!!!判定しやがれ!!
エマ・カルナデス:8dx+2
DoubleCross : (8DX10+2) → 10[1,1,4,5,7,9,9,10]+4[4]+2 → 16

エマ・カルナデス:2D10+30 装甲有効
DoubleCross : (2D10+30) → 8[6,2]+30 → 38

”リセ”:ダメージが腐ればワンチャン耐えれると思っていたが、終了しました
エマ・カルナデス:きみ達の肉体が10以上あったら耐えられそう。
”リセ”:肉体型は死んだんだよなあ
”リセ”:即死し、復活します。
”リセ”:昇華数は2に。これ以降メジャーアクションを行いません。
”ウンブラツイン”:こちらも倒れて昇華数2、おわりやね……
INFO:⇒『トラス4』の勝利条件を満たしました。『トラス4』の勝利です。
INFO:クライマックス戦闘1を終了します。
INFO:⇒作戦の第三段階が進行できるようになりました。

”リセ”:オルクス/ソラリス能力者にとって、自身の身体とはほとんどの場合攻撃端末を展開するプラットフォームにすぎない。
”リセ”:”リセ”にとって、その端末とは――空気中に存在する水分そのものだった。
”リセ”:既に攻撃は完了している。
“バニティ”:「あっ」
”指龍”:「え?」
”リセ”:ぱちん。
”リセ”:指を鳴らす。それだけの攻撃動作で、きみたちを強烈な眠気が襲う。
“バニティ”:「ヤバッ、避けられないのくるか」「も……」
”指龍”:「からだが……」
”指龍”:「重い……」
“バニティ”:「うわこれダッル………!」
”リセ”:「オーヴァードにとって、毒物での攻撃はほとんどの場合効果がないんですが……」
”リセ”:「それが身体の害にならない場合はどうでしょう? 通常の代謝として認識されるでしょうか?」
”ストローマン”:「ッ……支援担当みたいな顔して……」
オッドボール:「でっ」 ぼごん。頭から、黒い球体が飛び出す。弾かれたようにのけぞる。頭を抱える。
オッドボール:「…って~~~~! 脳に攻撃するなって! 痛ぇんだよ、これ……!」 眠気を表す吹き出しのように、黒い球体が頭を爆ぜさせながら泡立つ。
“バニティ”:「“オッドボール”、バトル脳すぎる…」
”リセ”:「入れ物ハードごと破壊しますか。乱暴ですね……」
オッドボール:「うるせっ。なっ……なんとか、攻めろ! 対応させ続ければ、あっちも攻撃できね~から! たぶん!」
”リセ”:12通りの睡眠作用化合物と、34通りの脳機能阻害化合物を、秒単位で調製し、空気中の水分を通じてきみたちに投与し続けている。
”ウンブラツイン”:「”リセ”にこれを使わせるのは、私たちにとっては恥。でも、出すからには最大の効果を上げないとね」周辺の重力を操作。化合を阻害しない程度に、水分子の密度を上げる。
”指龍”:「ぁ、あ。ああああああああ!!!」
”ストローマン”:「……!?」
”指龍”:───いまの龍神貴好に、『脳』なる器官は存在しない。
”指龍”:身体の全てが『指』である彼には、身体中に神経系が通っており。
”指龍”:それはその身体に異常を生じさせ、保てなくするには充分だった。
”リセ”:”庭園リセ”はその名の通り、有機体への干渉能力だけを、極限まで特筆化させている。
”リセ”:敵対者が代謝機能によって生存している限り、勝利することはできない。そういう敵だった。
”指龍”:体がほどける。《擬態の仮面》解除。
”指龍”:そして、完全に内臓を模したモノも失ったせいで───
”指龍”:その攻撃も、本来の効力を発揮できなくなる。
”指龍”:ばくり、と指中の指が開いた。
”リセ”:「なるほど」
”リセ”:得心が行ったように頷く。能力を展開し続けている。
”指龍”:「オオオオオォオオオオオッ!!!」
”指龍”:そのまま、触腕……『指』が、”指龍”が、”リセ”へと殺到する。
“バニティ”:「いた。ジョーカーが………」
”リセ”:ずたずたに引き裂かれる。吹き飛ぶ。
”リセ”:「ぐ」血を吐き出す。「は……く、はっ、はっ」
”リセ”:龍神貴好個人への対処よりも、残る3人への攻撃を継続している。
”リセ”:攻撃を侮っているわけではない。だ。
”指龍”:「がっ、ががが、がふっ、げほっ、げほっ」まずは頭が。そして腕が。歪に形を取り始める。
”指龍”:「まだやってるのか……!やめるまで……やるぞ!!」
”リセ”:今、”指龍”を抑え込むには――残りの3人に傾けているだけの能力資源を、集約させなければならない。その事実を意味していた。
”指龍”:「繋げ!!誰でも……良い!」
”リセ”:「後続を止めて下さい。”ウンブラツイン”」
”リセ”:「流石に、若者のやんちゃに付き合うには……少し骨が折れる」
”指龍”:首と胴だけを残し、他の全身で”リセ”を押さえ込もうとしている。
オッドボール:「”バニティ”、突っ込むから……射撃、どうにか頼むよ」
“バニティ”:「ま~ったく…」頭を振る。「オッケー。強引にやってみる」
”リセ”:触れた”指龍”の指先から、腐食し、融解していく。それ自体は致命傷となるようなものではないが――時間を稼ぐつもりだ。
”ストローマン”:「後詰めは任せて。もう少ししたら……私も動け、る」
”ウンブラツイン”:「あれを凌げる……!?」
”ウンブラツイン”:「勝ち筋……は……!」判断は一瞬。逡巡がさらに一瞬。
”ウンブラツイン”:「迷うな!」
”リセ”:――”リセ”の指示は、”攻撃に対処しろ”ではなく、”止めろ”だったということきみは思い出してもいい。
”リセ”:『トラス4』の攻撃を止める方法は、たった一つ存在する。すなわち――
“バニティ”:「……人質をとろうって!?」その思考に追いつく。
”ウンブラツイン”:崩れた戦列の間を縫って走る。
“バニティ”:銃口を“ウンブラツイン”に向けて構えながら、こちらも走り出す。
”ウンブラツイン”:「本物の鬼札は…… この子でしょ?」
"コヴフェイス":「ぐ……」呻きながらも、ドローンの銃口を向ける。「っ」その銃口の、正反対。
椎原瑠々:光学迷彩を施した隠蔽布は、接近した”ウンブラツイン”の関知能力にとって些細な障害にもならない。
オッドボール:「げ」
オッドボール:「それは一番やばい」
”ストローマン”:「……ッ、ルル!逃げて!」
椎原瑠々:「あっ……あ」のたのたと走り出す。
”ウンブラツイン”:「そこっ! 見えてる!」
”ウンブラツイン”:前衛ではなくとも、一通りの訓練は終了している。逃げる少女を確保することなど造作もない。
椎原瑠々:「うひっ!?」
"コヴフェイス":「く……くそっ、失着を……!」
”ウンブラツイン”:「大人しくして。傷つけたくないけど…… 最初ほど余裕がないのも事実なの」
椎原瑠々:地面に引き倒され、銃口を突き付けられている。
椎原瑠々:直接戦闘力は皆無に等しい。瑛・A・アヴァスが配備しているドローンよりも早く、”ウンブラツイン”の弾丸は到達する。
“バニティ”:狙撃。椎原瑠々に当たることも辞さないような近距離、“ウンブラツイン”が突きつけた銃口を狙う。
”ウンブラツイン”:「アンバランスね。やっぱり貴女が一番危険」
”リセ”:「……王手チェックです。それは……」「――?」
”指龍”:「……ックソ!!」
”指龍”:「まだだ……!」
”ウンブラツイン”:「狙いはそこでいいの、“バニティ”? どっちつかずは根っからだったの?」
“バニティ”:「慣れないことを……」同時、おのれの影から巨大な骸骨スミカが出現。“ウンブラツイン”に殺到させる。
“バニティ”:「するもんじゃあないな!」骸骨の手が横薙ぎに“ウンブラツイン”をはらう。
“バニティ”:「悪役ぶりたいならこれくらいギリギリを狙えって言ってる」
”リセ”:「”ウンブラツイン”。防御を」
”ウンブラツイン”:「……ッ!」薙ぎ払われると同時、瑠々に向けていない方の銃で反撃。
”ウンブラツイン”:かつ、幾分か甘くなった軌道を縫うように飛びすさる。バイタルを避ける。
”ウンブラツイン”:全てがほぼ同時。ノイマンの処理能力を万全に発揮したが――。それでやっと状況をイーブンに戻しただけとも言えた。
”指龍”:「あんたも……」
”指龍”:「余裕ぶってるんじゃ、ねえ、よ……!」
”指龍”:指を溶かされながら更に押す。
”リセ”:「ははは……余裕? そんなものがあったらよかったんですけどね」
”リセ”:「必死ですよ。いつでも」
”指龍”:「───頼む!!」
”指龍”:全幅の信頼を込めて、叫ぶ。
“バニティ”:「いッづ……」「……“オッドボーーール”!やって!」
オッドボール:「いいよ。頼まれた……ってか、もう囲んだ」 シャボン玉のように、無数の黒い球体が浮いている。
”リセ”:(すべて撃ち落とす……のは、無理だな)
オッドボール:そのすべてが、小型のブラックホール。この攻撃を知っているのならば、必ず避けなければならないこともまた、明白だ。
オッドボール:もちろん、オーヴァードならば、ブラックホールであろうと対処は可能だ。バロールなら相殺できるし、ウロボロスならレネゲイド自体を消し去れる。
”ウンブラツイン”:「こいつ…… この精度!」
オッドボール:それでも”オッドボール”が戦闘能力においていままで後れをとっていないのは、「当たってはいけない攻撃」に加えて、本体の――
オッドボール:「説明しよう! ”オッドボール”は悪の組織であるFHによって改造された――」 踏み込んでいる。白兵――打撃。
”リセ”:”指龍”の、腐食させた指をもぐ。それを盾にしようと試みた。
”リセ”:”リセ”の指示が、後手に回っている。初めてのことだ。
オッドボール:「戦闘型サイボーグである!」 鋼の両腕が火花を散らす。「当たってはいけない攻撃」で追い込んだ相手を、
オッドボール:殴り飛ばす。高速で、大質量の打撃。この組み合わせが、”オッドボール”の真価だった。
”ウンブラツイン”:「がっ……!」致死的攻撃に追い立てられるようにして、打撃に当たる。打撃に、吸い込まれる。
”ウンブラツイン”:椎原瑠々を強引に盤面に引き出したことで無差別攻撃を制限する意図が挫かれる。パワーではなく精度と戦術が真価だと、実際に対面するまでだれが想像するだろうか? ブラックホールからは、逃れられない。
”リセ”:極限状況下における高速戦闘。そこに展開される致死の攻撃端末は、それ以外の空白地帯においての立ち回りを制限するものでもあった。
”リセ”:吹き飛ぶ。背後の分子組成を組み替えて、固化させた空気を作り出す。衝撃を吸収する。
オッドボール:「……崩したよ」 本人もブラックホールの重力に引きずられて、追い討ちはできない。 「リーダー! 頼んだ~!」
“バニティ”:「つっよいな~…。絶対褒めないけどね。へへん」瑠々ちゃんを助け起こし、さらに避難を誘導している。
椎原瑠々:「ひゃ、ヒャ~~!! ありがとうございます……王子様みたい……!」
”ストローマン”:"オッドボール"の介入への対処によって、寸毫、周囲のソラリス能力による支配が止む。
”ストローマン”:「うん……あなた達には恨みはないけど」
”ストローマン”度し難い隙だった・・・・・・・・
”ストローマン”:「一度くらいは、どんな気持ちだったか知ってもらう」
”ストローマン”:好機を逃さず、投射された香気が目標の2名へ到達。
”ストローマン”:いつも通りに、焼き付いた心象を展開する。
”リセ”:「っ……ここまでなのか、”オッドボール”!」展開され続けている睡眠化合物組成が、初めて乱れる。そこにエマ・カルナデスの攻撃が到達する。
”ストローマン”:荒れた大海。叩き込まれた海は、何物をも通さない程黒く、激しく、冷たい錯覚を与える。
”リセ”:「ぐ」全身が変色する「!!」
”ストローマン”:「……どう?」
”ストローマン”:「ちゃんと、取り零された側の想いを表現出来てる?」
”ウンブラツイン”:「……っ! あ……!」身がすくむ。あらゆる光を飲む闇。あらゆる思考を塗りつぶす恐怖。
”ストローマン”:両手に黒の球体を造り出し、悠々と歩み寄る。
”ストローマン”:「歩み寄るには、まず気持ちに寄り添う事。……大事なことなんでしょう?」
”リセ”:精神が暴走し、薬剤を調製する器官が誤作動を起こした。自律神経失調・・・・・・
”リセ”:神経ブロック薬剤がひとりでに分泌され、極寒の疑似体験を作り出す。青ざめる。
”ストローマン”:「映画で見た。いったん、寝てて」
”ストローマン”:身動きの取れない二人の頭に、叩き込んだ。
GM:――ごっ しゃああああああああああああん!!!!!
オッドボール:「うわ。気持ちに寄り添うって……そーゆー意味かな~……」
”ウンブラツイン”:「こ、こんな…… 私は……!」武器は消え去り、もうない。戦意も海に沈み。音もなくくずおれる。
”リセ”:「……」
”指龍”:「はぁ、はぁ……」大の字になって横たわっている
”指龍”:「や、やっと……楽んなった……」
”リセ”:倒れ伏しながら腕時計を見る。「作戦、は…………失敗、ですね」
”ウンブラツイン”:「………負け、か」
”ストローマン”:「……よし。第二段階、状況オワリ」
“バニティ”:「今度やったら“あれ”か……いやはや」
オッドボール:「やっと、かよ」 耳をとんとんと叩く。水泳の後のように、耳から黒い液体がこぼれる。
”ストローマン”:「最大の修羅場は此処ではない。だから、この場面では温存した手札があった、お互いに」
”リセ”:「……そこまでお見通しですか」
”指龍”:四肢を戻しながらよろよろと皆の方に歩いて行く。
”ストローマン”:「……それでも数の不利を押して、ここまでやられたのだから恐れ入る」
“バニティ”:先に倒れたシャブダ・べディの様子を見に行っている。
”ストローマン”:「でも、今《かとつの軒先》相手に対峙する余力があるのは私達だけ」
”ストローマン”:「使わず残した切り札。使うか捨て札にするかは、そちらの自由」
”シャブダ・ベディ”:「寄るな、裏切者」地下アーケードの天井を見ている。
”シャブダ・ベディ”:「……これが一番最悪だった。『トラス4』を無駄に消耗させたあげく、僕たちも敗北する……」
“バニティ”:「あら起きてた」
”シャブダ・ベディ”:「きみたちは自分で自分を不利に追い込んだんだよ」
”指龍”:「言って聞かなかったのはお互い様だ」
”指龍”:「なら、こうなるしかないだろ」
オッドボール:「自分で自分を不利に追い込むのが趣味だからね。そうじゃなきゃ、こんなことやってない」
”ストローマン”:「……ああ、そこの紫色は別」襤褸切れのようになった衣服から、メモを取り出す。
”ストローマン”:「選ばれし超人は、自分で言った約束も守ってくれるんでしょう?」
”シャブダ・ベディ”:「…………フン」
”シャブダ・ベディ”:「きみ、これ以上僕を恥さらしにしたいわけ?」
”シャブダ・ベディ”:「”リセ”。僕も一旦抜けさせてもらうよ」
”シャブダ・ベディ”:「連中がどうしてもって泣いて頼んでくるから、力を貸してあげなきゃね」
”ウンブラツイン”:「貴方も密約? ”シャブダ・ベディ”  これじゃあ勝てないわけね」
“バニティ”:「あはは!仲間だねー!裏切り仲間!」
”シャブダ・ベディ”:「はしゃぐな!寄るな!」
”ストローマン”:「つまり了承した、と。最初からそう言えばいい」
”リセ”:「ははは!!裏切り者ばかりですね」
”指龍”:「随分楽しそうだな、あんた……”リセ”さん」
”リセ”:「そう見えますか?」
”指龍”:「見えるさ。希望が戻ってきた奴の目、って感じ」
”リセ”:「……”バニティ”には、信じて貰えなかったかも知れないですが。いつか、こういう日が来るのを……少しだけ待っていた気がするんです」
”リセ”:「”バニティ”には信じて貰えなかったかも知れないですがね」
”指龍”:「余程大事なことらしい。2回言ったぞ」
“バニティ”:「聞こえませんでしたー」
オッドボール:「いいこと言うね、”指龍”。スターウォーズの旧三部作だ」
オッドボール:「新たなる希望。負けるわけにはいかねえよな~」
”リセ”:「では、言い訳カヴァーストーリーはこうしましょう」
”リセ”:「即応牽引カテゴリ『B2*』は現地FH勢力・・・・・・との突発的な交戦・・・・・・を経て、その体制を維持することが困難に」
”リセ”:「『アウトカスト』と敵対関係にあった『トラス4』と連携することで辛くも難を逃れ……」
”リセ”:「その後、共同で『アウトカスト』を排撃に至る」
”リセ”:「というか、最初から私はそう報告するつもりで作戦を立てていたんですけど……こんなことになってしまったので……」
”ストローマン”:「『トラス4』の所属が曖昧なのをいいことに、「突発的な戦闘」の相手が『アウトカスト』と誤認させる報告書……ってこと」呆れ顔。
”リセ”:「こういうこともしないと出世できないんですよね」
”指龍”:「大人ってのあ大変だな」
”指龍”:「と、モラトリアムの若者はそう思うわけさ」
”リセ”:「子供ほどじゃないです」
”ストローマン”:「そう。まだレポートが白紙。だからさっさと終わらせないといけない」
オッドボール:「ここらでどうにかしないと、単位がヤバい」
”リセ”:「良いことです。考えようによっては、これでUGNも『トラス4』に手出ししにくくなったわけでしょう」
”リセ”:「椎原瑠々のことは……そうですね。『ピパ・ソング』にでも任せてしまいましょうか」
”ストローマン”:「UGNからの裏切り者もいるし?」
”リセ”:「人質は中立の勢力に任せるのが世の常ですからね」にっこりとほほ笑む。
“バニティ”:「私は休暇中なだけなんで~」
”ストローマン”:「……大人って、ずるい……いや、小賢しい」休暇中、という言い分を聞いて。
”指龍”:「ああ……椎原さんはそうするのが良さそうだな」
”指龍”:「『アウトカスト』はヌルい奪還はしない」
椎原瑠々:「え、ええ……? 私、家族に会えないんですか……?」
”指龍”:「今だけさ」
”シャブダ・ベディ”:「知らないよ。僕たち、きみみたいな愚鈍な女のことは関知したくないんだよね」
”シャブダ・ベディ”:「きみのしょうもない家族がしょうもない店に勝手に来て、従業員とお喋りしてようが知ったことじゃない」
”シャブダ・ベディ”:「勝手にすれ……ふべっ」
“バニティ”:”シャブダ・ベディ”を踏みつけている。
”ストローマン”:「終わったらUGNとしては関わらない、って。よかったね」
オッドボール:「あとは勝つだけ。それでエンドロール流せる」
”シャブダ・ベディ”:「なんだ!女ってみんな足癖悪いのか!? ギャッ!!」
”ウンブラツイン”:「貴方の言動が原因でしょ……」
”指龍”:「モテなさそうだな、お前……」
”ストローマン”:「……踏まれたいの?」軽蔑する目線。
”シャブダ・ベディ”:「…………フン。これでも女友達の一人や二人くらいいるんだ」
”シャブダ・ベディ”:「人格攻撃も大概にしてほしいんだけど?」
”ストローマン”:「“ウンブラツイン”が言ってくれたから、特にいう事はない」
"コヴフェイス":「……こいつのことは本当にどうでもいいが……」
"コヴフェイス":「今後の具体的な作戦方針を話していいか?」
”指龍”:「らっじゃ」
”シャブダ・ベディ”:「何かなあいつは……偉そうなやつだね」
“バニティ”:「おまえが言うな」
オッドボール:「自覚ね~のかよ」
”指龍”:「気が合うと思うぜ」
”ストローマン”:「五十歩百歩どっちもどっち
"コヴフェイス":「”リセ”。同意を得られる前提で話すが、一番最悪なのはこの時点で『アウトカスト』に襲撃されることだ」
"コヴフェイス":「俺たちは『アウトカスト』をおびき寄せる手段を手にするために、消耗しすぎた」
椎原瑠々:「あっ、私のせい……ですよね……」
"コヴフェイス":「その通りだ!!よってここからはお前にも大いに協力して貰う!!!」
“バニティ”:「ツンデレ男ばっかりかよ~」
”リセ”:「私は結構素直な言動をしてると思いますけどね……ですが、”コヴフェイス”の言う通りですね」
”リセ”:「市民に深く紛れ込み、人質を取るのも、一般人へのレネゲイド暴露も辞さない敵」
”リセ”:「こういう”何でもあり”の勢力を追い込みたいと考えた時、どのように立ち回るべきでしょうか?」
”指龍”:「こういうの、僕はあんまり考えるの得意じゃないんだよな……」
”指龍”:「”バニティ”、なんか案ある?」
“バニティ”:「暗殺だ暗殺」
”ストローマン”:「アイスブレイクありがとう、”バニティ”」
オッドボール:「ふっ……へへへへへ! UGN相手でも変わんねえんだな! まさに暴力」
“バニティ”:「うるさいな~。まわりくどいの嫌いなんだも~ん」
"コヴフェイス":「こちらから攻めるのは悪くないな。ムシャクシャしてたところだ」
”ストローマン”:「ニシダテの人払いも、そう長くは続けられない。誤報と判明すれば勝手に戻る人もきっと出る」
”ストローマン”:「ただ……攻めるにしても、相手の居場所が分からない」
椎原瑠々:「あ、あの……」手を上げる。「私、調べられるかもです」
”指龍”:「それは……それこそ椎原さんの出番なんじゃ」
”指龍”:「ほら」
椎原瑠々:「あっ、はい!!」龍神くんの言葉にぱっと目が輝く。
椎原瑠々:「ありがとうございます、龍神さん……!」
”ストローマン”:「……そうだった。そもそも、ハナブサを欺く電子戦能力者が相手の強みだった」
“バニティ”:「柳瀬は何かアイデアある……お」
オッドボール:「あいつらの身柄さえ押さえられれば、あとは楽だよ。……市民に紛れ込めなくさせちゃおうぜ」
オッドボール:「普通に犯罪者のクソ野郎なんだから、なにやってるか…ちゃんと事実をフツーにそのまんま周知すれば」
オッドボール:「あいつら、もうイチバンでふざけたことできないだろ」
”ストローマン”:「ルルが味方なら、今までされていたことをそのままやり返せる」
椎原瑠々:「えへへへ……そうなんです。するんです、暴露配信!!」
“バニティ”:「お~。冴えてるじゃん」
”指龍”:「誘拐に……人身売買もしてたんだっけ?」
”指龍”:「ジャーム云々のところは伏せるとして」
椎原瑠々:「私、配信者なので! あいつらのやり口も全部集めて、ネットに流せます!」
”ウンブラツイン”:「街をそのまま利用するなんて…… 私たちではできない発想」
オッドボール:「俺は不審者扱いされて噂になって、大変な思いをしたことがあるからね」
”ストローマン”:「こんばんディープ。みんなご一緒に」
オッドボール:「こんばんディ~プ!」
”指龍”:「こんばんディープ」
“バニティ”:「こんばんディ~プ♡」
”シャブダ・ベディ”:「気色悪……」
"コヴフェイス":矢神を蹴る。
”ストローマン”:”シャブダ・ベディ”の足を踏む。
”指龍”:矢神の髪を引っ張る。
”シャブダ・ベディ”:「やめ……やめろ!きみたち、本当に法治国家の住民なのか!?」
”ストローマン”:「無政府主義者アナーキーの呼び名に対して、今更過ぎ」
"コヴフェイス":「連中をあぶり出す方法は目途が立ったな」
”ウンブラツイン”:「大衆を扇動するようなやり方…… でもこの場合は効果的なのか……」矢神を助けるそぶりなし
”リセ”:「我々では出来ないやり口ですからね。ははは……痛快なこと極まりない!」
”リセ”:「全面的に協力しましょう。何からやります?」
”指龍”:「奴らの悪事を詳らかにする」
”指龍”:「……とか」
”ストローマン”:「それで、報告書には「『トラス4』がやったこと」って書いておく?」
”リセ”:「正義の味方がそんなことできるわけないじゃないですか……怒られるの、私なんですからね」
オッドボール:「だね。指名手配でもされれば、…つーか顔が割れれば、街から外に出れなくなる」
オッドボール:「悪事を発表して、動けなくして、アジトを制圧する」
オッドボール:「そんな感じか?」
”指龍”:「そんな感じだと思う」
”指龍”:「勿論椎原さんの力も借りるけど、もっと信頼できる筋からの協力も欲しいんだよな」
”ストローマン”:「イチバンの行方不明者の捜索願については、署長に聞いたら協力してくれるかも」
"コヴフェイス":「……作戦の第三段階だ」
"コヴフェイス":「この街の全員で、立ち向かう」
”ストローマン”:「実際の現場の証拠は……監視カメラ。でも、今からハッキングは時間が…」
”指龍”:「……怜に」
”指龍”:「調べてもらうか」
"コヴフェイス":龍神くんの方を向く。
GM:エンブレムの使用があれば、宣言をどうぞ。
”指龍”:シーカーの使用を宣言しましょう。
GM:OKです。質問内容は何になりますか?
”指龍”:『アウトカストを倒す方法』で!
GM:OKです。
GM:クライマックスシーン1を終了します。

【ALLIANCE MOVE10】『華吶町』

荒崎怜:『……もしもし、貴好? ああ……もういいわ』
荒崎怜:『どうせ、また危険なことに足を突っ込んでいるんでしょう?』
荒崎怜:『もう何も聞いてあげない。でも』
荒崎怜:『ちゃんと帰って来て。それで、私に話してね』
荒崎怜:『大切なことも、大切じゃないことも、全部』

INFO:⇒「アウトカストを倒す方法」について説明します。
INFO:荒崎怜の所属している「KSCネッツ関東」は、警察と連携しています。従って公権力を経由し、街中のあらゆる勢力と連絡を取ることが可能です。
INFO:今回敵対する『アウトカスト』は、街そのものに根を張る敵です。
INFO:従って、街のアライアンス全てを利用し、対抗する必要があるでしょう。
GM:現在実行可能なアライアンスを表示します。

【ALLIANCE MAP】
・華吶町(☆☆☆☆☆☆☆☆☆)/進行条件:各アライアンスにおいて取得した「種別:コネ」アイテムの消費

GM:ありますよね?
”指龍”:ある!!
GM:今まで手にした、数々のコネクションが……!
“バニティ”:ある!いっぱい…!
“バニティ”:これってもしかして…コネクション!?
GM:これを一つずつ消費することで、今まで『トラス4』が接触してきた勢力が、あなたたちの有利になるように動きます。
”指龍”:フレーバーかなーって思ってたけど ここで!
GM:9つのアライアンス全ての助力を得ることで、『アウトカスト』を排撃することも可能でしょう。
”指龍”:クラブでは熱心なファン、UGN幹部、インフルエンサー
”指龍”:一番通りでは情報収集チーム、警察官、手配師
”指龍”:大学ではハッカー、噂好きの友人、UGN諜報部!
”指龍”:こいつらを……華吶町アライアンスに流し込むぜ!!
INFO:⇒「華吶町」アライアンスのlvが「9」になりました。
”ストローマン”:華吶町が……溢れ出す!
INFO:「リプレイ:アナーキー」が発動しました。

『トラス4』に触発された人々が、勇気を出し、街を守るために立ち上がる。

GM:では、演出に移っていきましょう。

9月4日 23:12 / 華吶町一番街 KSCネッツ関東

荒崎怜:「もしもし、貴好。聞こえる?」
龍神貴好:『ああ、聞こえてる』
"コヴフェイス":”コヴフェイス”が確立した中継通信網によって、真っ先に荒崎怜との通話が確立された。
荒崎怜:「ええと……整理すると、NPO法人『かとつの軒先』が、今私たちを襲っているトラブルの元凶なのよね」
荒崎怜:「超能力だとか化け物なんかより、よほど信じられる話だわ」
龍神貴好:「うん。あいつらはまるで出来の悪いカルト集団だ」
荒崎怜:「連中の悪事を暴露するんでしょう? まずは証拠集めね。ミケ彦長官と通話を繋いでいるわ」
ミケ彦長官⇒コネ:警察官を消費します。
ミケ彦長官:『ミャー!!(”トラ”……善意のビデオ屋の客の諸君! 元気だったかな!?)』
龍神貴好:「おお……これ僕たち全員に言ってるやつかな」
GM:全員に言っています。なぜか言葉もわかる。
オッドボール:「ようやく警察のお出ましだな」
ミケ彦長官:『ニャウ(先程警察に連れ込まれた少年少女が、”かとつの軒先”の犯行を吐き始めた)』
”ストローマン”:「署長は猫のオーヴァード。天才なので、人間にも言葉が分かるように喋ってくれてるの」
“バニティ”:「にゃうにゃう…」
ミケ彦長官:『ミャンミャオ(UG……善意の協力者が保護してくれたようだ。指示した者に感謝せねばな)』
”リセ”:”リセ”がにこりと乃木さんを見る。
“バニティ”:「まあ、善意の協力者が?とんだぐうぜんもあったものだねー」
”ストローマン”:「感謝する。後は報道筋に”警察関係者”として、情報のメールでも流してくれればいい」
”ストローマン”:「拾うのは、こっちがやる」
椎原瑠々⇒「コネ:インフルエンサー」を消費します。
椎原瑠々⇒電海オワリ:すでに配信の準備を始めている。
"コヴフェイス"⇒「コネ:情報収集チーム」を消費します。華吶町の中継網に対し、《ワ―ディング》を展開し続けている。
電海オワリ:『こんばんディ~~プ!!』
電海オワリ:『●REC?って感じで、今日の配信始めるよ~! 今までお休みしててごめんね~!』
電海オワリ:『えっと、暴露は……マジで重大なお話だからよく聞いて!』
電海オワリ:『今回はなんとコラボ配信! 町警のアイドル、ミケ彦くんとのコラボ配信!』
電海オワリ:『最近噂のヤバイNPO法人、”かとつの軒先”の闇を暴いちゃおうスペシャル!』
電海オワリ:テンションの高いトークと共に、『アウトカスト』の悪行が映像付きでどんどん流されていく!
オッドボール:「すげ~……俺の新作動画配信とは比べ物にならない視聴者数だ…」
龍神貴好:「流石だ。警察署長がいれば信用度もだいぶ上がるだろ」
GM:街中のテレビをジャックしているからか、地下アーケードの「管制室」からでも認知できるレベルで……同時接続視聴者数がどんどん増えていく。
"コヴフェイス":「UGN組。あんたらは一旦ここに残って椎原を護衛して貰えるか」
"コヴフェイス":「俺たちは撃って出る。奴らを追い詰めるんだ」
"コヴフェイス":「『アウトカスト』の捜索状況は逐次報告する。呼んだらすぐ来い!!!!いいな!!!!」
”ストローマン”:「ルルも戦っている。なら、私達も身体を張らないと」
”ウンブラツイン”:「ええ。そのぐらいの仕事はさせてもらう」
”シャブダ・ベディ”:「ふん。きみたちがあんまり無能なようなら、僕たちの方が先に連中を叩かせて貰うからね」
龍神貴好:「勿論」「行くさ」
“バニティ”:「お供させていただきますよーっと」
”リセ”:「では、後程合流を。さよならディ~プ」にこにこと手を振っている。何故か上手い。
オッドボール:「へへ……まあ、あとで土産話でも聞かせてやるよ」
“バニティ”:「ウンブラツインも、またね~。さよならディープ~」
”ウンブラツイン”:「気を付けて。……誰も死んだりしないで」
”指龍”:「さよならディープ〜」
”ストローマン”:「さよならディープ。……視聴者?」
電海オワリ:「さよならディ~~プ」小声でぶんぶん手を振っている。
”ウンブラツイン”:「さよなら…… ディープ」真似へたくそ
オッドボール:「さよならディ~プ!」
”ストローマン”:「………個レス貰ってるよ。よかったね、龍神リュージン
”シャブダ・ベディ”:「本当にやめてくれ……」
”指龍”:「ちょっとだけ…恥ずかしいな」
GM:『B2*』に椎原瑠々の護衛を任せ、きみたちは地下アーケードを後にし、地上へと復帰する。

9月4日 23:21 / 華吶町一番街 KAHOシネマズ前

GM:地上へ出たきみたちが目にしたのは、街頭テレビ一面に映る椎原瑠々のアバター――”電海オワリ”の配信画面。
GM:そしてそれらを目にし騒ぎ立てる、”イチバン”の若者たちだった。
”イチバン”の若者:「なあ……これ、見たか? 最近この辺の連中に声かけてる”かとつの軒先”って……」
”イチバン”の若者:「うわっ! あのおっさん、顔見たことある! マジかよ……」
”イチバン”の若者:「探して晒そうぜ! 謝礼金とか貰えるんじゃね!?」
”イチバン”の若者:SNSには「瀬古隆司」や「かとつの軒先」が急速にトレンドワードとして浮上している。
”イチバン”の若者:社会で生活する以上、社会から逃れることはできない。一般人を搾取していた『かとつの軒先』は、取るに足らない民衆にその正体を暴かれようとしていた。
”ストローマン”:「これで立場が逆転した。もっとも、懸賞金が掛かってるのは本当は私達の方だけど」
”ブラック・ブロック”:「その懸賞金なら”アウトカスト”に移し替えといたよ~ん」
”ブラック・ブロック”:ひょっこりときみたちの方に手を振りながら歩いて来る、黒サングラスの女。
”指龍”:「あ、えっと こんばんは」
”ストローマン”:「ブラック・ブロック。また暗躍?」
”ブラック・ブロック”:「暗躍だったらもっと得意な奴があんたらにいるでしょ~が」
”ストローマン”:「言われてるよ、”バニティ”」
“バニティ”:「私はもう何の暗躍もできてないよ~。皆についてってるだけだし」
オッドボール:「今回の件でいちばんローリスクでリターン拾ってるやつらに言われたくないね~」
”ブラック・ブロック”:「おっ! 少年も生きてるじゃーん、会いたかったよ♡」
”ブラック・ブロック”:投げキッス。
オッドボール:「俺も会いたかったぜ~。特に懸賞金が解除されたってニュースが一番聞きたかった」
”指龍”:「すごい。”オッドボール”のこと好きって本当だったんだ」
オッドボール:「龍神クン、ホントにそう見えるとしたら、映画で勉強した方がいいんじゃねえかな」
”ブラック・ブロック”:「え? 良かったじゃん」乃木さんに。「家族に隠し事なんてするもんじゃないでしょ?」
”ブラック・ブロック”:「”スマイリーの貸金庫”は、出資者がヘマしないのが前提の作りだからね」
”ブラック・ブロック”:「こうなっちゃった以上、連中には”制裁”が下る。私はちょっとギルドの人たちに忠告をしてあげただけだよ~」
”ブラック・ブロック”:「え? ひどい……私のことヒロインにしてくれるって言ったじゃん」
オッドボール:「するよ。『ひょうすべシャーク』にはひょうすべ役のヒロインが必要だから……っつーか、いまそれどころじゃなくてね」
オッドボール:「もうだいぶ追い詰めちゃった感じ?」
”ブラック・ブロック”:「どうだろうね? 街の外に逃げる方法なんて、いくらでもあるからな~……」
”ブラック・ブロック”⇒「コネ:熱心なファン」が消費されました。
”ブラック・ブロック”:「というわけで、連れてきました」
西舘雅也⇒「コネ:噂好きの友人」が消費されました。
西舘雅也:「え!? 何これ!? 何でこんなことになってんの!? お前らすげええええ!!!」
“バニティ”:「ウワッ」龍神くんの後ろに隠れる。
オッドボール:「師匠、なんで隠れてるんスか~」
西舘雅也:「え!? 反応ひどくない?」
オッドボール:「よく来たな、西舘クン。いまちょうどいいところだったんだ」
”ストローマン”:「犬の鳴き真似とかするからじゃない?」
西舘雅也:電海オワリの配信を映している配信片手にギャーギャー騒いでいる。
“バニティ”:「私もうこいつの相手する元気ないよ~」
”指龍”:「よ、こないだぶり」
西舘雅也:「あ、あのラーメン旨かったな。……じゃなくて」
西舘雅也:「周りの連中が『軒先狩り』始めてさ。ちらほら目撃情報が集まってきてるんだよね」
”指龍”:「ひえ……扇動された大衆ってこええな…」
西舘雅也:「逃げる気っぽいぜ、あいつら」
”指龍”:「あー、生き汚そうだもんな」
西舘雅也:スマホの画面を見せると、大量の通知が表示されたトーク画面に、隠し撮りされた瀬古隆司や「イチバン」の若者たちが映っている。
”ストローマン”:「針の筵は苦手らしい。軟弱」肩を竦める。
”指龍”:「サイフリートみたいに逃したくはねえな」ゲームの話。
“バニティ”:「……少年兵を囮に使ってとんずらするんだ」「見てるかリセ…」
西舘雅也:「今は地下鉄に向かってるらしい。お前らに言われた通り、避難勧告流したから閉鎖されてると思うんだけど」
”ストローマン”:「ともあれ、タイムラインを追えば進路も分かる。とても有益な情報」
”ブラック・ブロック”:「地下鉄の操縦くらいできるでしょ、瀬古は。元々中東でゲリラやってたって話だし……」
オッドボール:「あいつロクでもねえな」
”ストローマン”:「流石に地下に敷設された路線の何処かで下車されたら、補足するのは困難」
”ブラック・ブロック”:「ボコボコにしてくれない? あいつみたいなのがいると、一生世界平和なんて無理だよ」
オッドボール:「そーだな。アクション映画は、現実が平和だから面白いんだ」
オッドボール:「ここからどうやって捕捉すっかな~」
”ストローマン”:「”お約束”を守れない奴は、舞台にも観客席にもいられない」
”ストローマン”:「映画の常識。…此処から一番近い駅の入り口は?」
”ブラック・ブロック”:「すぐそこだよ。華吶町一番街駅地下鉄」
”ブラック・ブロック”:「この際だから手当たり次第探して貰おうよ。残った一般人の連中は……」
”ブラック・ブロック”:ぞ わり
”ブラック・ブロック”:”ブラック・ブロックの瞳孔だけが、3つ、4つ、と増えていく。”「”私たち”が守る」
“バニティ”:「お姉様、頼れる~。FHになんかもったいな~い」
”ブラック・ブロック”:「へへへ……チャン乃木、これ終わったらどうすんのか決めてんの?」
”ブラック・ブロック”:「ウチに来てもいいって話、全然本気だからね」ひらひらと手を振って去っていく。
“バニティ”:「私までスカウトされちゃったよ」くるりと皆へ振り返る。
オッドボール:「本気なのは余計に性質が悪いんだよね」
オッドボール:「やめとけば? これ以上面倒くさいことになる気かよ」
”ストローマン”:「”バニティ”はうちのだから。前も言ったし、あげない」
"コヴフェイス":「チッ……どいつもこいつも好き勝手……」
"コヴフェイス":「家族が勝手にフラフラと出歩くな!! 地下鉄に行くぞ!!」
"コヴフェイス":露骨に声量が上がっている。
“バニティ”:「フフフ!ありがとー皆ー」
オッドボール:「地下鉄か。……丁寧に仕事しないとな……」
オッドボール:「クライマックス・シーン、行くか」
”指龍”:頷く。

9月4日 23:35 / 華吶町一番街駅地下構内

GM:華吶町の地下に張り巡らされた地下鉄路線は広大だ。
GM:西舘雅也との情報共有があるとはいえ、紛れ込んだ少数の集団を探すのは容易ではない。
”リセ”:『こちらは一旦配信を終了しました。”ピパ・ソング”に椎原さんは保護して貰ったので、我々も挟み撃ちにします』
”リセ”:『B2*』も合流を目的としている。事態は大詰めを迎えつつあった。
GM:その時。
GM:こん。と、鳴き声が響く。
GM:駅の奥だ。
GM:管狐、という妖怪がいる。
???:伝承に曰く、過去や未来を覗き見る力を持ち、所有者に助言を与える妖。
???:仮に――魂、というものを見聞きすることができるとするならば。
???:『アウトカスト』には、それらの霊魂とでも言うべき、殺したものたちの情報が残渣のごとくこびりついている。
???:それらの霊魂が感じている情報を、見聞きし、ただ一人感じ取れる能力者がいるのだとすれば――
GM:君たちを導くように、小さな狐が駅の奥から姿を見せる。
???:『出血大サービスやね』
???:そう笑って、狐は消えた。その先には――
瀬古隆司:「……ああ、なんだ」
瀬古隆司:「家出息子たちじゃないか」
瀬古隆司:”イェニチェリ”を引き連れた瀬古隆司が、にこやかに立っていた。
???:「――」その傍らには、結晶体――”スカマンドロス”の成れの果てだという結晶体が、静かに浮いている。

【CRIMAX02】:アナーキー・イン・ザ・シティ

GM:前回と地続きのシーンのため、登場侵蝕は不要です。

9月4日 23:23 / 華吶町一番街 KAHOシネマズ前 [ROLL BACK!]

GM:……時間は少し巻き戻る。
GM:華吶町に置いて『トラス4』が築いてきた繋がりが、能動的に、連携して動き始めた。
GM:誰もが予想していなかった事態のはずだ。街を利用し続けてきた『アウトカスト』は今、街の善意に追い詰められつつある。
"コヴフェイス":「最終作戦目的地の地下鉄ホームへ急ぐぞ。歩きになるが……何か必要な事項があれば今の内に共有しておけ」
オッドボール:「必要な事項、っつーかさ……」
オッドボール:「本当によかったのかね、”バニティ”?」
”ストローマン”⇒エマ・カルナデス:「そうね。……身内しかいないし、一旦普通に名前で呼んでもいいんじゃない?」
エマ・カルナデス:「思う所があるなら、今ぶちまけておいた方がいい。後で連携に支障が出ても困る」
GM:西舘雅也が流布した偽情報は、今でも効果を発揮し続けている。人通りは常に比べて非常に少なかった。
GM:KAHOシネマズに残っているのも、物見遊山気分の”イチバン”の若者だけだ。
”指龍”⇒龍神貴好:「了解。……」一旦、聞きに回る。
オッドボール⇒柳瀬順吾:「わかったよ。それでいく。……本当によかったのか、乃木チャン?」
“バニティ”⇒乃木清和:「よかったのか…って何が?」
柳瀬順吾:「こんなことしちゃってよ。職場の人間関係とか、出世とかさ……下手したらクビになっちゃうぜ!」
柳瀬順吾:「大変だろ?」
"コヴフェイス"⇒瑛・A・アヴァス:「お前はどっちの味方なんだッ!あの時は上手く行ったから良かったものの!!」
乃木清和:「あ~…はは。そこまでの事態にはならないっしょ…」
乃木清和:「ならないよね?」
瑛・A・アヴァス:「お前はバカか?」
乃木清和:「バカって言ったー!」
エマ・カルナデス:「UGNの人事考査は知らない」首を振る。
エマ・カルナデス:「でも、FHだと裏切り者に差し向ける処刑人の役職はあるよ」
柳瀬順吾:「俺のイメージだと、デカい鎌持った仮面の集団が押し寄せてくる」
龍神貴好:「そんな冗談みたいな集団いるんだ?」
龍神貴好:業界に詳しくないので素直に信じる。
エマ・カルナデス:「たまに持ってる人いるよ、大鎌。《ファントム》セルだかの遺物だったかな……」
柳瀬順吾:「冗談のつもりだったのに……。いや、本気でさ。どうなんだ?」
乃木清和:「こわ~…、やめといた方がいいよそんな組織。いやそれはともかくとして…」
乃木清和:「自分の立場に関して言えば、正直、まったく無計画にだったわけじゃないよ。上司の“リセ”と2人で話したときに、感触を探って…。彼がなんとかしてくれそうな気配があったから、まあいいかな~って」
柳瀬順吾:「へっ。はははははは! なんだそれ、超適当~」
乃木清和:「あとはまあ…」
乃木清和:「みんなのこと好きだしさ。ンッフフフフ」
龍神貴好:「”リセ”さんも割と……こう、そういうの期待してる人だったっぽいしな」
龍神貴好:「乃木さんのこと信じてて良かったよ」
エマ・カルナデス:「本当に、あの時のまま喧嘩別れしたらどうしてやろうかと思った」
瑛・A・アヴァス:舌打ちをする。「俺は、あの時お前を撃った判断は今でも正しかったと確信している」
柳瀬順吾:「それな!」
柳瀬順吾:「正しかったよ。どうせ俺が止めるしな」
乃木清和:「うっそ。ホント~?」
乃木清和:「こういうときの柳瀬って信用していいかどうかよく分からん…」
瑛・A・アヴァス:柳瀬くんを見る。囁くように呟く。「よく解らん理由で戻って来るやつは、よく解らん理由でまた裏切る……」
瑛・A・アヴァス:「乃木。お前、なんでUGNなんかやってる?」
乃木清和:「ん~?」
瑛・A・アヴァス:「戦う動機の話だ。それを聞かずに、このままお前を家族だと信用できるか?」
瑛・A・アヴァス:「”スカマンドロス”なら、恐らく……似たようなことを聞くはずだ」
エマ・カルナデス:「彼なら能力で発言の真偽を見抜けるけどね。別に私達はそう言った能力はない」
龍神貴好:「そんな能力、今必要かな」
エマ・カルナデス:「だから、ノギの言葉をそのまま信じるかどうか、という話でもある」
柳瀬順吾:「龍神クン、いまいいこと言った」
瑛・A・アヴァス:「気持ちの悪い付和雷同をやめろ!仲良しサークルじゃないんだぞ!」
乃木清和:「そうだなー」考えるように景色を見やる。「まあ、流されるままなところは正直あるけど……」
乃木清和:「言っちゃえば、正義のヒーローになりたいからだよ。いいでしょ」
柳瀬順吾:「……おお~」
龍神貴好:「……やっぱり」
龍神貴好:「そうだよな。最初から乃木さん、そういう人だった」
龍神貴好:「僕が出会った『最初』から、な」
エマ・カルナデス:「『B2*』じゃ、正義の味方っぽくないと。ふふ、痛快」
柳瀬順吾:「嘘を見分ける能力があったって、信用できるかどうかは別の話だ。能力をすり抜ける方法なんていくらでもあるしな」
柳瀬順吾:「そういう意味で言うと……」
柳瀬順吾:「”正義のヒーロー”になりたいやつってのは、信用できるかどうかはおいといて」
柳瀬順吾:「そいつの映画を撮りたいって思うね、俺は」
エマ・カルナデス:「だって。ヤナセの映画の主演、やりたい?」
乃木清和:「うるせ~」柳瀬くんに肘でグイグイしている。
柳瀬順吾:乃木チャンの心の声「ワタシ、主演ヤリタイ」
乃木清和:「うるせえ!」
エマ・カルナデス:「じゃあ、主演志望にもう一つやって欲しい配役がある」
乃木清和:「言ってないから…、なーに? “これ”は勘弁してよ」
エマ・カルナデス:「それは終わってから。対『かとつの軒先』において、私たち『トラス4』セルの出身者は大きく不利」
エマ・カルナデス:「どうしてか分かる?」
柳瀬順吾:「わかんねえな~。これだけアツい絆で結ばれた仲良しサークルなのに?」
エマ・カルナデス:「だからこそ。相手は私達を使って実験していた『アウトカスト』セルの残党」
エマ・カルナデス:「当然、仲良しサークル『トラス4』の監督者として実験データの情報を持っている」
エマ・カルナデス:「龍神リュージンも勧誘対象だったことを考えると、ルルが居た頃に情報収集はされていると思う」
乃木清和:「……そのうえ、“スカマンドロス”のこともあるしね。言っちゃあなんだけど、冷静になりきれるワケないでしょう」
エマ・カルナデス:「…まあ、そう。それに関しては自ら決着を付けたい意思はあるけど、ストッパーが欲しいのも一因」
柳瀬順吾:「まあな。情報戦じゃ不利だよ。そこは異論も挟めないね」
瑛・A・アヴァス:「……」タブレットを操作する。『アウトカスト』が君たちの目の前に姿を現した時の映像だ。
瑛・A・アヴァス:「瀬古はお前に興味を示さなかった。あの時の”大人”がどういうことか、俺には解らなかったが」
瑛・A・アヴァス:「……お前、うんざりしてたんじゃないのか? これまでの任務に」
瑛・A・アヴァス:「ジャームの言うことなんて信じられん、と言う奴もいるだろうが……俺の考えは逆だ」
瑛・A・アヴァス:「連中はある意味で本当のこと・・・・・しか言わない。欲望の奴隷になりきるってのは、そういうことだからな……どうなんだ?」
乃木清和:「…そこ断言するとカッコ悪いからノーコメントでいきたいんだけど…」
乃木清和:「まあ、そのあとやった“リセ”とのミーティングで文句言ったのは事実」
エマ・カルナデス:「ハナブサ。デリカシー」
瑛・A・アヴァス:「気の効かん父親擬きで悪かったな。だが俺の”信用する”、というのはそういうことだ」
柳瀬順吾:「よくもまあUGNの支部長に文句言えるな。大物だな」
龍神貴好:「支部長ってもしかしてめちゃくちゃ偉い?」
エマ・カルナデス:「まあ、私も彼等の方針は気に入らなかった。雇用関係があってそれを口に出来なかったのなら、お疲れ様」
柳瀬順吾:「その地区のレネゲイド関連の事件とか仕切ってるんだから、実質警察署長みたいなもんでしょ」
乃木清和:「リ~ダ~~」ヨヨヨと抱き着く。
エマ・カルナデス:「一般的には、数万人規模の自治体一つを数人のエージェントと若干のサポーターで治安維持するお仕事」
エマ・カルナデス:「それも秘密裏にね。まあ、此処は若干特殊な運用だったみたいだけど……」やや手を高く伸ばして頭を撫でる。
瑛・A・アヴァス:「甘やかすな!!! ……まあいい。俺はこいつを信用することにした」
乃木清和:「そんなすごいポストかな…まあいいか…」撫でられている。
龍神貴好:「……結構な人にタメ聞いちゃったかもな……別に変えねえけど」
エマ・カルナデス:「満足したら、話を戻す」
柳瀬順吾:「アイアイ」
乃木清和:「は~い」離れる。
エマ・カルナデス:「奴らから見てヤナセやハナブサ、私の手元にある札はほぼ全て確定されていると見ていい」
エマ・カルナデス:「この戦いは、どの札を出してどう負けるかの選択でしかない……「大人」のノギがいなければ」
エマ・カルナデス:「奴らが私達への対策札を切っている間に、眼もくれなかった未知のカードで死角を衝く」
エマ・カルナデス:「つまり……私達の不確定な切り札になってほしい。それがあなたの配役」
エマ・カルナデス:「出来る?ノギ」
乃木清和:「そんな大役、務めちゃっていいの?」
エマ・カルナデス:「ノギがいい」頷く。
瑛・A・アヴァス:(『B2*』の連中が、あそこで俺たちの排除に舵を切ったのは……本来乃木やつがそれだけ戦力としても信頼されていたという証だ)
GM:内通者戦略における利点は、情報の引き出し以外にもある。離反の時点で、確定的に、敵の戦力を低下させられる点だ。
GM:事実、乃木清和を欠いた『トラス4』は不完全な状態で『B2*』に立ち向かわなければならなかった。
乃木清和:「いいね、最高」微笑む。「任せて。“バニティ”は場をかき回すのが大得意」
エマ・カルナデス:「その実績は全員知ってる。頼りにしている」
龍神貴好:「先に言われたな。頼りにしてるよ、乃木さん」
乃木清和:「ありがと、期待の新人くん」背中を叩く。
龍神貴好:「うおっ」ちょっとつんのめる。
瑛・A・アヴァス:「よし」頷く。「龍神。お前はエマをカバーするように動け」
瑛・A・アヴァス:「お前の膂力は知っていたからと言って対策できるような類のものじゃない。時間稼ぎにはなるはずだ」
龍神貴好:「カバーね。自信はないけどやってみるさ」
瑛・A・アヴァス:「柳瀬は……自力で何とかしろ」
柳瀬順吾:「へっへっへ」
柳瀬順吾:「どうにかするよ」
瑛・A・アヴァス:「乃木。お前は――」
瑛・A・アヴァス:「お前の判断で動け。結局のところ、それが一番いい方向に転がる」
乃木清和:「あっはっは!いいね、UGNの任務じゃできないことしちゃおっかな」
エマ・カルナデス:「よし、それじゃ……皆、『自警活動』に戻るとしよう」

INFO:⇒■自警活動に華吶町一番街駅地下『アウトカスト』追撃 が追加されました。
INFO:残りのアライアンス項目が存在しないため、自動で「■自警活動」が実行されます。

9月4日 23:35 / 華吶町一番街駅地下構内 [Current]

瀬古隆司:「……ああ、なんだ」
瀬古隆司:「家出息子たちじゃないか」
瀬古隆司:”イェニチェリ”を引き連れた瀬古隆司が、にこやかに佇んでいる。纏う空気でさえも一見して弛緩しているように見えた。
???:「――」その傍らには、結晶体――”スカマンドロス”の成れの果てだという結晶体が、静かに浮いている。
龍神貴好⇒”指龍”:「家出なんて生まれてこの方経験がないんだよな」
”指龍”:「人違いじゃない?」
エマ・カルナデス⇒"ストローマン":「家とやらを捨てて、夜逃げしようとしているのはそちらの方」
"ストローマン":「どちらかと言えば、筋違い」
柳瀬順吾⇒"オッドボール":「そうだね。おとなしく新しい家に引っ越した方がいい」
"オッドボール":「でかい監獄か、地獄か、どっちかに」
乃木清和⇒“バニティ”:「アハハ、言われたい放題」
“バニティ”:「犯罪者さん、正義の味方が捕まえにきましたよ~」
GM:きみたちはついに”アウトカスト”の背中を捉えた。もはやここから『アウトカスト』が脱出する手立てはないようにも見える。
瀬古隆司:「ハァ~~~~ッ」大きく溜息を吐く。「嫌われたもんだなあ……父さん悲しいよ」
瀬古隆司:「お前たちを置いて行こうとしたのは悪かったよ。ウチの子供の教育に悪影響だと思ったんでな」
瀬古隆司:「宗助・・もそう思うだろ?」
瀬古隆司:「いや……瑛。お前のカッコいい名づけの法則だと、アレだな……」
瀬古隆司:「”カレットα”ってところか」
”カレットα”:「りりりりり りりりりりりりりり」
”カレットα”:「こんにちは! また来てください! 卵の黄身はいくつですか? やもりの内臓には鏡が含まれていますか?」
"オッドボール":「こいつ……人の話聞かねえし、カスみたいな名前つけやがって」
”指龍”:「三上宗助……」
”指龍”:映像の中身を思い出している。
”指龍”:姿の変容には動揺しない。自分の方が酷い。ただ。
”指龍”:(化物になるって、ああいうことか)
瑛・A・アヴァス⇒”コヴフェイス”:「……」
"ストローマン":「ハナブサ。そのまま落ち着いててね」
”コヴフェイス”:「殺す」
"ストローマン":「同感。…私は、これ以上オウムと喋る気はない」
GM:今の”カレットα”に、三上宗助が発揮していたような人智を越えた記憶演算能力はない。
GM:その特筆性は、人間としての共感性を由来に発揮されたものだった。
GM:誰かを大切に思う心。誰かの傷を癒したいと願う心。
GM:今は全て失われている。貯蓄された記憶を輻輳し、無差別に垂れ流す怪物にすぎない。
”カレットα”:「りりりり りりりりり――」
"ストローマン":「ジャーム……あれは、私達が成れ果てた・・・・・場合の末路」
"ストローマン":「人の言葉を真似ても、通じているとは思わない方がいい。どっちもね」
”カレットα”:気付くものもいるかも知れない。”カレットα”や”アモルファスβ”が頻りに発話している甲高い音は、「警報」だ。
”カレットα”:”スカマンドロス”が最後に耳にしたであろう音。脱出の日、『トラス4』実験施設に鳴り響いていた音。
"オッドボール":「これ以上、あんなことさせられるのはな……」
"オッドボール":「見てられねえな。ここで、ケリをつける」
瀬古隆司:「やっぱりお前たちは特別元気がいいな……」
瀬古隆司:「宗助もそうだったよ。だから、ちょっと削らせて・・・・・貰った」
瀬古隆司:「元々でっかい結晶だったのを、こう、な。最初は人間の言葉を喋れたんだが……」
瀬古隆司:「今は父さんの言うことをちゃんとわかってくれたみたいでな。家族の味方をしてくれてる」
"ストローマン":「……君はまだ、そこにいるんだね。あの日のセルに」
”カレットα”:結晶が僅かに剥がれ落ちた。涙のようにも見える。
瀬古隆司:「はははは!! 安心しろ、エマ」
瀬古隆司:「宗助もお前のことが気になってるって教えてくれたからな。すぐに同じにしてやる」
"ストローマン":「よく動く口だな。殴って言う事聞かせるから自分のしたい話しか出来ないんだ?」
瀬古隆司:「子供は親の話を聞くもんだろう?」
”指龍”:一歩、エマの前に出る。
”指龍”:「親も子供の話を聞くもんさ」
瀬古隆司:「……?」
”指龍”:「良い親ってのはな」
”指龍”:「子供を対等に見てくれるもんなんだよ」
瀬古隆司:「……対等? 子供が?」
”指龍”:「所有物のようにしか見てないなら、あんたは親でもなんでもない」
瀬古隆司:「やりたいことをやらせてやってる・・・・ってのに、まだ口答えをするのか。よくないな……」
”指龍”:「『悪』なんだろ、あんた」
瀬古隆司:「そうだ。お前たちも親になればいい。大人になれば、俺と同じようにやっていんだぞ」
瀬古隆司:「文句があるなら何でそうしない?」
”指龍”:「……僕たちはあんたじゃないから」
”指龍”:「僕は自分をヒーローなんて言えないけど」
”指龍”:「少なくとも、この街の『悪』は……敵だ!」
"ストローマン":「………」外気を吸い、沸きかけていた頭の熱を払う。
"ストローマン":「指龍シリュー。ありがと」
"ストローマン":(君は、いつも私に新しい道を見せてくれるね)
"ストローマン":続く言葉は裡にしまって、冷えた頭で敵へと向き直る。
瀬古隆司:「はははは……父さんが、何で子供たちにやりたいようにやらせてやってるか、わかるか?」
瀬古隆司:「現実を見て欲しいからだ。失敗したってな」
瀬古隆司:「その失敗から、悪を学んで、賢くなる」
瀬古隆司:「きみはそっち側だと思ってたのに」
瀬古隆司:ぐりん、と眼球が動く。乃木清和を見る。
瀬古隆司:「……おかしいな。今は……”子供”に見える」
“バニティ”:「そりゃー何より。あんたに気に入られてもまったく嬉しくないけど」
“バニティ”:「通告。あんたはUGNにもギルドにも、名もなき民間人からすら狙われてる」
“バニティ”:「ここでトラス4に倒されるのが一番穏当だと思うけど…。それで、どこに逃げる気?」
瀬古隆司:「家族と一緒なら、そこが居場所さ」
瀬古隆司:「『トラス4』のきみたちならそう思うだろう? それに――」
瀬古隆司:イージーエフェクト:《擬態の仮面》を
瀬古隆司:解除します。
瀬古隆司:自らの体を、引っ掻くように傷つける。
瀬古隆司:血が流れる。流れ続ける。瀬古隆司という外見を形成していた皮がドロドロに溶け、筋肉と皮膚を煮詰めて組み合わせたような、おぞましい化け物が現れる。

瀬古隆司:「……”デウシルメ”。こっちFHの名義はまだ生きてるからな」
瀬古隆司⇒”デウシルメ”:「大丈夫だ!! 生きていれば、何度だってやり直せるさ!!」
”デウシルメ”:「お前たち・・・・みたいにな! ははははは!!」
"オッドボール":「じゃあ、てめーはやり直せねえな……」
"オッドボール":「ここで消してやる!」

GM:クライマックス戦闘2を開始します。

INFO:勝利条件はこちらです。
INFO:☑”デウシルメ”の撃破
INFO:”デウシルメ”はオーヴァードが堕落した姿である”ジャーム”のため、衝動判定が発生します。

GM:全員侵蝕を2d10上昇させ、意思で難易度「9」の判定をどうぞ。
"ストローマン":2D10+111
DoubleCross : (2D10+111) → 8[2,6]+111 → 119

"オッドボール":6dx>=9
DoubleCross : (6DX10>=9) → 9[2,2,3,3,5,9] → 9 → 成功

"オッドボール":2d10+109
DoubleCross : (2D10+109) → 18[10,8]+109 → 127

”指龍”:4dx+1>=9
DoubleCross : (4DX10+1>=9) → 10[2,4,8,10]+1[1]+1 → 12 → 成功

”指龍”:龍神貴好の侵蝕率を2D10(→ 16)増加(117 → 133)
"オッドボール":グェーッ
“バニティ”:6dx+1>=9
DoubleCross : (6DX10+1>=9) → 10[1,2,3,9,10,10]+9[3,9]+1 → 20 → 成功

“バニティ”:2d10+114
DoubleCross : (2D10+114) → 9[7,2]+114 → 123

GM:やっ柳瀬ーッ
”指龍”:ギャー!
"ストローマン":5DX+2>=9
DoubleCross : (5DX10+2>=9) → 9[2,8,8,8,9]+2 → 11 → 成功

“バニティ”:みっみんな
GM:りゅっ龍神ーッ
"オッドボール":龍神クンーッ
"ストローマン":そんな………
”指龍”:ダイスボーナス!
GM:では、現在のエンゲージはこちら。

【ENGAGE】
『トラス4』-[10m]-”イェニチェリ”*4・"デウシルメ"・”カレットα”

INFO:⇒現在、以下のアライアンス効果・NPCカードが発動できます。

NPCカード:”リセ” ・『狂乱の華』:《力の霊水》lv3
オートアクションで使用。シーン1回。
ダメージ算出後、そのダメージに+4Dする。

NPCカード:”ウンブラツイン” ・『フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン』:オートアクション
オートアクションで使用。シーン1回。
メジャーアクション/リアクション達成値算出後、その数値に+20する。

アライアンス効果:瑛・A・アヴァス ・「総力支援管制」
■自警活動中のダイスを+3する。
また、瑛・A・アヴァスが独自の判断で『フォールンサラマンダー』を使用する。

アライアンス効果:”シャブダ・ベディ” 「ルーイナス・トップ・バウアー」
・シナリオ1回。トループを全てシーンから退場させ、
 なおかつ「対象:単体」に10d10の装甲無視ダメージを与える。

GM:この時点で、”シャブダ・ベディ”のアライアンス効果を発動することができます。
"ストローマン":「ルーイナス・トップ・バウアー」を使用。約束は果たしてもらう。
”指龍”:ヒュー!
"オッドボール":お願いします…矢神クン!
“バニティ”:いけー!
”シャブダ・ベディ”:ふ~~~ん あれだけ僕をボコボコにしたって言うのに何て恥知らずな奴らなんだ
“バニティ”:ボコボコにされた側の台詞とは思えない
”シャブダ・ベディ”:まあ……きみたちが僕に頼らざるを得ない所を見るのは気分がいいし……乗ってあげようじゃないか
"ストローマン":選ばれし超人は広い心と約束を違えない仁義も持ってるでしょ?ほら、出して
”シャブダ・ベディ”:では、効果でトループのイェニチェリ*4を排除。
”シャブダ・ベディ”:10d10の装甲無視ダメージを”デウシルメ”に与えます。
”指龍”:頼れるゥ
”シャブダ・ベディ”:10d10
DoubleCross : (10D10) → 60[10,1,2,5,5,10,3,10,6,8] → 60

"オッドボール":高め!
”シャブダ・ベディ”:フン、義理は果たしたよ。これで離脱する。
“バニティ”:ありがと~!
”デウシルメ”:息子たちがいなくなってしまった

『トラス4』-[10m]-"デウシルメ"・”カレットα”

GM:ということで、エンゲージはこうなります。
"ストローマン":上出来。あとでビデオ一本貸してあげよう。
GM:"デウシルメ"のHPを60減少(0 → -60)
"オッドボール":いいビデオ撮ったから貸すね
GM:では……セットアップからやっていきましょう!

GM:【SETUP】
”デウシルメ”:《速攻体制》部下の行動値を+6
”デウシルメ”:を持っていましたが
”デウシルメ”:イェニチェリがいなくなってしまったので、意味なし!!
"ストローマン":唱えるものはない。
“バニティ”:せつない
"オッドボール":なし!
”指龍”:なし!
“バニティ”:こちらありません!
”カレットα”:こちらもなし。

GM:【INITIATIVE】
”デウシルメ”:じゃあ……やっちゃおっかな~~
”指龍”:来るか〜
"ストローマン":まさか
”デウシルメ”:《さらなる絶望》。イェニチェリを一体自身のエンゲージに召喚します。
”指龍”:そういうアレか!まあ納得だぜ
"オッドボール":許せないぜ
“バニティ”:エ~ン
”デウシルメ”:これを2回使用します。
"ストローマン":カバーリング役かどうか……いずれにせようっとうしい。
”指龍”:許せねえ
”カレットα”:カレットαはなし。
”イェニチェリ”:ちなみにイェニチェリは瀬古のFHセルリーダーエンブレム「ユニフォームド」「ユニファイドコンファーム」で強化されているぞ 注意しよう
GM:他にイニシアチブ行動を持っている奴もいないはずなので、このまま行ってしまいましょう。
GM:まずはイニシアチブ10、”指龍”の攻撃から!
"オッドボール":がんばれーッ
”指龍”:いっくぞー
龍神貴好:マイナー【擬態一部解除】:《骨の剣》+《死招きの爪》
龍神貴好:龍神貴好の侵蝕率を7増加(133 → 140)
”指龍”:攻撃力+62!
”イェニチェリ”:おかしいよこいつ
”指龍”:カバーリングされそうな気もするので、少し省エネで
龍神貴好:【噛む】:《コンセントレイト:エグザイル》+《伸縮腕》(クランサイン適用)
龍神貴好:で、デウシルメを対象に攻撃。
”イェニチェリ”:《カバーディフェンス》。デウシルメをカバーリングします。
”指龍”:(4+2+4+5)dx7-1
DoubleCross : (15DX7-1) → 10[1,1,1,2,3,4,6,6,6,7,8,8,10,10,10]+4[1,1,2,2,3,4]-1 → 13

GM:ウワアーーッ
“バニティ”:マジ!?
”指龍”:何も間違ってないぞ式
”イェニチェリ”:避けられるぞ!と言いたいところだが
”イェニチェリ”:こいつはイベイジョン9なのだ
”イェニチェリ”:命中します。命拾いしたな…
”指龍”:それはありがたい。ありがたいのか?
”指龍”:本当は攻撃したくなかったが已むをえまい。
"オッドボール":こんなことがあるのか…
”指龍”:ダメージ!
”指龍”:2d10+62+1D+0 ダメージ
DoubleCross : (2D10+62+1D10+0) → 3[2,1]+62+9[9]+0 → 74

“バニティ”:すごすぎるよ!
”指龍”:ダメージダイスも振るわないが……固定値で大体行けた気がする
”指龍”:諸々有効!
”イェニチェリ”:爆散します。装甲込でもまったく耐えられない。
龍神貴好:龍神貴好の侵蝕率を4増加(140 → 144)
"オッドボール":カバーリングありの相手に省エネで当ててる
“バニティ”:プ、プロ
GM:君戦い上手いねえ!!!
GM:次!イニシアチブ9、”バニティ”の手番です。
“バニティ”:私!いっくよ~
“バニティ”:じゃあ同様に“デウシルメ”を攻撃しようかな。カバーされそうだけど…
“バニティ”:マイナーなし!
“バニティ”:メジャーでコンボ「女泣かせのうぬぼれ野郎クライベイビー・バニティ」:《コンセントレイト:ウロボロス》《原初の赤:瞬速の刃》《混沌なる主》、直前に《オーバーロード》。
“バニティ”:命中判定いきますね~
“バニティ”:(9+3+3)dx7+9
DoubleCross : (15DX7+9) → 10[1,1,2,3,4,4,4,4,5,5,7,8,8,9,9]+10[3,8,9,10,10]+10[3,4,4,7]+10[10]+5[5]+9 → 54

”指龍”:つっよ
“バニティ”:ヨシヨシ!
”イェニチェリ”:や やべ~~~
"オッドボール":回ってる
”イェニチェリ”:もちろん”デウシルメ”を《カバーディフェンス》でカバーリングします。
”イェニチェリ”:《イベイジョン9》で命中。ダメージをどうぞ。
“バニティ”:は~い
“バニティ”:6d10+22+22+1d10 装甲有効
DoubleCross : (6D10+22+22+1D10) → 29[8,8,5,1,5,2]+22+22+2[2] → 75

”イェニチェリ”:ゲロ吐くよ
“バニティ”:75ダメージ 装甲有効!
”イェニチェリ”:野蛮人どもがァ~~~!!!
”イェニチェリ”:爆散します!イェニチェリは全滅!!
“バニティ”:でもこれ龍神くんのダメ値と同じくらいだから すごいんだよ彼は
“バニティ”:侵蝕率10上昇!
“バニティ”:123⇒133 クライベイビーの効果を使用して武器破壊を防いでおります
"ストローマン":流石。
“バニティ”:リーダー♡
”リセ”:流石ですね…
“バニティ”:うわっ上司
"オッドボール":必殺
GM:では続いてイニシアチブ7!”オッドボール”の手番!
“バニティ”:滅殺よ~!
"オッドボール":マイナーで戦闘移動、デウシルメたちのエンゲージに接近!
"オッドボール":メジャーでコンボ:アラン・スミシーズ・ホライゾン!
"オッドボール":全力で行く!
”デウシルメ”:来い!!
"オッドボール":17dx7+7
DoubleCross : (17DX7+7) → 10[1,2,4,4,4,4,5,7,7,8,8,8,8,8,9,9,10]+10[1,3,6,7,7,8,8,10,10,10]+10[1,2,4,5,9,9,10]+10[4,9,9]+5[4,5]+7 → 52

”指龍”:回る!
"オッドボール":対象はエネミー全員!
”デウシルメ”:ギャア~~~~!!!
”カレットα”:こいつはリアクションを放棄します。回避能力すら持ち合わせていない。
"ストローマン":とはいえ、向こうはオッドボールの弱点も知っているはず。そう……避けられれば無力、と。
"オッドボール":カレ介…
”デウシルメ”:ということで
”デウシルメ”:《蛇の動き》+《リフレックス》でドッジします。
"オッドボール":それは全員そうでしょ!ドッジしないで!
”デウシルメ”:読んでんだよ~~お前の弱点はよ!!ギャハハ!!
”デウシルメ”:15dx8>=52
DoubleCross : (15DX8>=52) → 10[1,2,2,3,3,6,6,6,7,8,8,9,9,9,10]+10[3,3,4,4,5,10]+3[3] → 23 → 失敗

”デウシルメ”:チィーッ
”指龍”:ほっ
“バニティ”:こ、怖いダイス数
”指龍”:リセち、使いどきでは?
“バニティ”:どっちにも当たるし、そうですね
”コヴフェイス”:【黒い蛇】(フォールンサラマンダー):そのダメージに+3dする。
"ストローマン":いいと思う
"オッドボール":リセジュンコンボと呼ばれる作戦
"オッドボール":ダメージを+3dします ケイサンチュウ
GM:ということで全員命中。リセのNPCカードも宣言しな!
“バニティ”:新たなカップリング可能性を爆誕させましょう!
"オッドボール":リセのNPCカード!フォールんサラマンダーを使って、ダメージ!
“バニティ”:待ちな!
"オッドボール":はっ
GM:なんだあっ
“バニティ”:リマインド……NPCカード:”リセ”
・『狂乱の華』:《力の霊水》lv3
オートアクションで使用。シーン1回。
ダメージ算出後、そのダメージに+4Dする。

“バニティ”:二回振る?
"オッドボール":まさか…この霊水は…!
GM:ウワアーーーッ
GM:合計+7dですね
"オッドボール":計算ちゅう
GM:皆さん 大変なことになってしまいました(Gガンダム)
"オッドボール":6d10+3d10+4d10+3D10+35+2+2 装甲無視
DoubleCross : (6D10+3D10+4D10+3D10+35+2+2) → 37[3,5,5,9,10,5]+23[9,4,10]+16[2,9,3,2]+17[4,3,10]+35+2+2 → 132

"オッドボール":ヤーッ
“バニティ”:す、すご
”デウシルメ”:あっ……そのダメージはやばすぎる!!!
"オッドボール":侵蝕率127→137
"ストローマン":こなみじんになりそう。死ぬ?
GM:"デウシルメ"のHPを132減少(-60 → -192)
GM:これだと……
GM:まだギリギリ生きてますね
”デウシルメ”:なので
”指龍”:生きてやがる!
"オッドボール":これだから傭兵はTOUGH!
”デウシルメ”:オートタイミング。《呪われし者の印》+《流刑者の刻印》
”デウシルメ”:HPを40回復します。
"オッドボール":自己回復!
”指龍”:う、うわーっ!
GM:"デウシルメ"のHPを-41減少(-192 → -151)
”指龍”:珍しいものを!
"ストローマン":同じタイプの能力者。厄介な。
”デウシルメ”:24時間働けますか
“バニティ”:怖…
”カレットα”:カレットαは特に何事もなく死にます。
“バニティ”:し、死んだ!
”指龍”:か、カレットαーーーッ!!!
”カレットα”:耐えられるわけないんですよね 《蘇生復活》を切る。
"ストローマン":生き返った!!
GM:"カレットα"のHPを132減少(0 → -132)
”カレットα”:以上!!!
"ストローマン":これでヤナセの行動が終了と。次は……相手が動くか。
”カレットα”:散々殴ってくれたなあ~~~~このか弱い結晶さまをよ~~~
GM:イニシアチブ6。デウシルメ、カレットαの手番です。
”カレットα”:こちらから動くヨ~ン
”カレットα”:イニシアチブで《加速する刻》。メジャーアクションを行います。
”カレットα”:【カウンセリング】:《インスピレーション》+《E:虚実崩壊》
“バニティ”:エ~!?
"ストローマン":ワッ……ワァッ……
"オッドボール":虚実が!
”カレットα”:Eロイス:虚実崩壊の影響により、「PCの最も恐れるもの」を、強制的に、PC全員に回答させます。
”カレットα”:内容はロールの中で回答してください!
“バニティ”:はい…!
”カレットα”:続いて普通イニシアチブのメジャーアクション。
”カレットα”:【回答】《絶対の恐怖》+《タブレット》+《多重生成》+《コンセントレイト:ソラリス》+《ポイズンフォッグ》+《ハザードコール》
”カレットα”:対象はPC全員。
”カレットα”:10d7x+2の射撃攻撃。命中時侵蝕率10上昇。ダメージは発生しません。
”カレットα”:これを行います。
"オッドボール":カレットαの弱点も、こちらにはお見通しさ…
"オッドボール":回避すれば無力!
"ストローマン":何処に撃つ?
”指龍”:これは通しかなあ
”指龍”:難しい
"ストローマン":多重生成を噛ませてないなら、多分ヤナセは外れるかも。
"オッドボール":そうかっ ポイズンフォッグは範囲攻撃!
”カレットα”:噛ませていたことにさせてください
”指龍”:あ、ほんとうだ
"オッドボール":違った
”指龍”:噛ませられた
”カレットα”:オラッ記憶探索!!!
"オッドボール":噛んでた 鮫のように
“バニティ”:GMの特権…!
“バニティ”:ハイ 最初から多重に生成されていました
"ストローマン":んー、そうなると対象が変わるから《孤独の魔眼》が使えない。此処は通すしかないね……
”指龍”:範囲じゃないからね
”カレットα”:10dx7+2 イクゾッ
DoubleCross : (10DX7+2) → 10[2,3,3,4,5,5,6,6,7,7]+10[7,10]+5[3,5]+2 → 27

"ストローマン":変わる?初めから多重生成だったかも。私は何を言ってる?
"オッドボール":裂ければ問題ない!やるぞ!
"オッドボール":27?無理かも
“バニティ”:うおお!避けてやる!
"オッドボール":7dx+1>=27
DoubleCross : (7DX10+1>=27) → 10[2,4,5,6,8,9,10]+9[9]+1 → 20 → 失敗

"オッドボール":ああ~っ
"ストローマン":5DX+1>=27
DoubleCross : (5DX10+1>=27) → 10[3,5,7,9,10]+9[9]+1 → 20 → 失敗

“バニティ”:が、がんばってる
”指龍”:5dx+1>=27
DoubleCross : (5DX10+1>=27) → 10[1,1,2,7,10]+4[4]+1 → 15 → 失敗

"ストローマン":ああ~ッ
”指龍”:ウンブラちゃん誰か使う?
“バニティ”:4dx>=27
DoubleCross : (4DX10>=27) → 10[3,6,7,10]+9[9] → 19 → 失敗

“バニティ”:あ~~!
”カレットα”:あ!忘れてた 棺の宣言聞かなかったので差し込んでもいいですよ
”カレットα”:どうせ達成値27避けるとか無理だろうし(笑)
“バニティ”:え!いいんですか
"オッドボール":ばっバニティさん!
"オッドボール":その通りです我々は27なんて避けられるはずもないドッジ平民です
“バニティ”:フフ…使っちゃうか…一番イヤなタイミングで……
"ストローマン":バニ姉~~!
”カレットα”:な……何ィ~~~~~???
“バニティ”:かつての仲間から攻撃される哀しくも美味しいシチュエーションをムチャクチャにしてやる~~!
“バニティ”:《時の棺》!その判定を失敗させます!
”ウンブラツイン”:ほらやっぱり
”カレットα”:ギャ……ギャア~~~~~~!!!!
”カレットα”:wwww
“バニティ”:1d10 侵蝕率
DoubleCross : (1D10) → 2

”カレットα”:では……攻撃は失敗!最悪だよチクショ~~~
“バニティ”:侵蝕率ダイスもそうしろって言ってる
”カレットα”:しかもメチャクチャ軽いじゃね~か
“バニティ”:侵蝕率133⇒135
”カレットα”:教えはどうなってんだ教えは
”カレットα”:許さねえ……殺してやるぞ指龍
"ストローマン":私怨入ってない?
"オッドボール":ボーボボ飛び火
”カレットα”:エマ……奇麗になったな
”デウシルメ”:ということで、デウシルメが動きます。
”デウシルメ”:これを使いたかった。イニシアチブタイミングで《異形の転身》。PC3人にエンゲージ。
"ストローマン":離脱可能な……戦闘移動!
“バニティ”:(割り込み)すいません時の棺、原初の黒なので侵蝕率12上昇でした!さらに10上がり侵蝕率145になります
”デウシルメ”:マイナーで《滅びのかぎ爪》。
"オッドボール":逃げるな! 煉獄さんは負けてない…!
”デウシルメ”:攻撃力17、ガード値4の武器を作って装備 命中・ガード時HPを2点失う
”デウシルメ”:メジャーアクション。
”デウシルメ”:【徴収】:《渇きの主》+《伸縮腕》+《コンセントレイト:ブラム・ストーカー》+《ジャイアントグロウス》
”指龍”:げっ 渇きの主
”デウシルメ”:射程視界、11dx7+1、攻撃力4d+17、範囲(選択)攻撃、与えたHPダメージを回復する
"オッドボール":強欲!
”指龍”:リーダー!
"ストローマン":範囲っつったね。欲張りめ。
"ストローマン":【溺れる者が掴む藁トラス・フォー・ユー】:《孤独の魔眼》……自身を攻撃対象に含む範囲(選択)の攻撃が行なわれた時に宣言する。その攻撃の対象を「単体」、自身に変更する。
”デウシルメ”:これを”指龍”、”藁人形”、”バニティ”に対して撃ちます。吸わせろーーーっ
”デウシルメ”:なっばっ
”デウシルメ”:娘……?
"オッドボール":驚くところどこ?
”デウシルメ”:ふ……ふざけんな~~~~~!!!
"ストローマン":という訳で、私単体にしてもらう。そんな大雑把な対応だから見限られるんじゃない?
”デウシルメ”:俺に気持ちよく攻撃させろ!!!!
”指龍”:ファンサービス?
”デウシルメ”:ということで対象がエマさんに変更されます。
”デウシルメ”:11dx7+1
DoubleCross : (11DX7+1) → 10[1,2,2,2,3,4,5,6,6,8,9]+4[2,4]+1 → 15

”デウシルメ”:あっ
”デウシルメ”:やばい!!!!
"ストローマン":これは……釘を刺すより、塩対応した方がいいか。
"ストローマン":回避するね。
“バニティ”:やはり回避が最強の防御
"ストローマン":5DX10+1>=15
DoubleCross : (5DX10+1>=15) → 5[1,1,4,4,5]+1 → 6 → 失敗

”デウシルメ”:やめろーっ 家族とコミュニケーションしろ!!
”デウシルメ”:はあはあはあ
"ストローマン":私1人じゃこうなる。だから
”デウシルメ”:やったか!?
”指龍”:やはり……
"オッドボール":いるぜ…
"ストローマン":・『フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン』:オートアクション
”デウシルメ”:あ~~~~~!!!バカヤロ~~~~~!!!
"ストローマン":”ウンブラツイン”、大穴開けた分は返してもらう。
“バニティ”:これが真のヒロインバトルや!
"オッドボール":PC2のヒロインがね!
”デウシルメ”:お前ら両方未亡人PC2ヒロイン族のくせに!!
”ウンブラツイン”:キャラソンのCDが出たとしたら私達が組になるでしょう
”デウシルメ”:では、回避は成功します。全然回復できなかったじゃん
"ストローマン":正面から向き合うのも嫌だったから、助かった。今度カラオケ行こう
”デウシルメ”:UGNさん家の子と仲良くなるんじゃありません!!
GM:では、イニシアチブ4。”ストローマン”の手番。
"ストローマン":オーケー。全てを終わらせる。
”ウンブラツイン”:コスパを考えればフリータイムが安定
"ストローマン":マイナーアクションを放棄。
"オッドボール":ストロ-マン必殺拳…!
"ストローマン":メジャーアクション、【波濤よ、藁束を彼の手へ運べストローマンズ・ウェイブ】《黒の鉄槌》+《エクスプロージョン》+《ツインバースト》+《D:復讐者》……範囲(選択)の射撃攻撃を行なう。ドッジ不可。この攻撃のダメージに、+[最大HP-現在HP]する。
”デウシルメ”:ギャ~~~~~~!!!!
"ストローマン":HP:12/96
”デウシルメ”:ま……まずい!!!
"ストローマン":よって、84点のダメージを加算する。対象はデウシルメ。
”デウシルメ”:(リフレックスを構える音)
"ストローマン":ドッジ不可だけど、ドッジ以外のリアクションある?
”デウシルメ”:ん?
”指龍”:www
”デウシルメ”:あっ
“バニティ”:パパ…
”デウシルメ”:俺はガードを出したぞ(シャンクス)
"オッドボール":デウシルメ、ありがとうございました。
"ストローマン":じゃあ、叩き割るね。
”指龍”:じゃーね。
”デウシルメ”:ということでダメージをどうぞ…
"ストローマン":8DX+2
DoubleCross : (8DX10+2) → 8[1,1,2,3,3,7,8,8]+2 → 10

"ストローマン":2D10+30+84
DoubleCross : (2D10+30+84) → 14[5,9]+30+84 → 128

“バニティ”:しゅごい
”デウシルメ”:そのダメージは……
”デウシルメ”:落ちます!!
GM:"デウシルメ"のHPを128減少(-152 → -280)
“バニティ”:やったあああ
"オッドボール":ハァハァハァハァ 復讐者…!
”指龍”:残心
”デウシルメ”:復活もなし。
”指龍”:おお
”指龍”:やったぜ!
"ストローマン":てっきり《透過》でもしてくると思ったけど。意外
"ストローマン":じゃあ……残るは彼だけだね。
”指龍”:いや、
”指龍”:勝利条件を満たしているから
”指龍”:……
"ストローマン":あっ、そうか。
INFO:⇒☑勝利条件:”デウシルメ”を倒すを達成しました。戦闘を終了します。
INFO:残存しているジャーム、”カレットα”に関しては、破壊するか、凍結するかを選択することが可能です。
"ストローマン":119→126
”指龍”:凍結に手を挙げておきます
"オッドボール":凍結に一票
“バニティ”:同じく凍結に一票!
"ストローマン":破壊。……3対1だね。
GM:では、”カレットα”は凍結されます。

”イェニチェリ”:銃器で武装したオーヴァードの”素体”の少年少女――”イェニチェリ”たちが動く。
”デウシルメ”:「ドクトリン68。百人隊盾陣センチュリオ
”イェニチェリ”:伏座射撃の陣と膝立射撃の陣がそれぞれ構成された。弾幕を形成する意図が読み取れる。
”イェニチェリ”:レネゲイドを浸透させた実弾での射撃は、並のオーヴァードをリザレクトに至らしめるには必要十分な威力を備えている。
”イェニチェリ”:「殺す」「殺す」「殺す」「殺す――」
”イェニチェリ”:薬剤と教練によって精神を偏向された、オーヴァードの集中力は凄まじい射撃精度を実現する。弾丸の雨がきみたちに到達するはずだった。
”イェニチェリ”:だが。
”シャブダ・ベディ”:「――選ばれし者オーヴァードの」
”シャブダ・ベディ”:「恥さらしが」
”シャブダ・ベディ”:――ズッ ゴガガガガガガガ!!!!!!!!!
”シャブダ・ベディ”:が ごおおおおおおおおおおおおおん!!!!
”シャブダ・ベディ”:地下鉄ホームを横殴りにするように、その破壊は現れた。
”指龍”:「シャブ!!」
"オッドボール":「なるほど……」
"オッドボール":「さっきは、これをとっておいたわけだ」
”シャブダ・ベディ”:夥しい、純白の投槍。それらは”イェニチェリ”の構成した陣を完全なる死角から切り裂いて、決定的な被害をもたらしている。
”シャブダ・ベディ”:「わかってないな……きみたちが相手してたのは、FHでも有数のモルフェウス能力者なんだよね」
”シャブダ・ベディ”:「巻き添えを考慮しなきゃ、閉所での戦いは一方的に決着がつく」
”イェニチェリ”:「ぐ……」「ご、は……」
”イェニチェリ”:投槍は的確に急所を避けて打ち込まれている。槍そのものが肉体を砂へと分解し、リザレクトを阻害し続けていた。
"ストローマン":「つまりさっき負けたのは実力ではない、と」
”デウシルメ”:「ははは……”シューラ・ヴァラ”か!!」
”デウシルメ”:ばきばき、と全身に突き刺さった投げ槍を折り砕き、立ち上がる。
”デウシルメ”:「まさかこんな所で会えるとは! 『トラス4』の友人なのか!?」
”指龍”:「そうなのか……?」
"オッドボール":「そーだよ」
”シャブダ・ベディ”:「よく解ってるじゃないか」自身が開けた穴から顔を出し、エマさんに応える。
”シャブダ・ベディ”:「気色の悪い表現はやめろ……おい、”バニティ”! 僕は帰るからな!!」
"ストローマン":「…まあ、この調子で暴れられたら勝てるか怪しかった。ご苦労様」
”シャブダ・ベディ”:「きみらが遠慮なくボコボコにしてくれたせいでこのザマだ」
”シャブダ・ベディ”:「きみも」”バニティ”の方を見る。「自分がやったのがどういうことか、もう一度よく考えてみろ」
“バニティ”:「うえ、何?」
“バニティ”:「あれっ、この後ヤバいのか私…?」
”シャブダ・ベディ”:「そうだ。責任を取れって話だよ」
”シャブダ・ベディ”:「僕は、力がある奴には厳しいんだ。特にね」
“バニティ”:「うん……?」
”シャブダ・ベディ”:そのままもう一度獣化した腕で壁を殴り付け、離脱します。《瞬間退場》。
”デウシルメ”:「何だ……」「さっきのはこれで終わりか」
”デウシルメ”:「子供たちの友人が折角来たんだ。話くらい聞いておきたかったんだが」
”指龍”:「そんなこと言ってる余裕、あるのか?」
”コヴフェイス”:「いや」観測ドローンを双眼鏡のように目に当てながら呟く。「実際、余裕なんだろう」
"オッドボール":「まだなんかあるのかよ~」
”コヴフェイス”:「解析が完了した。恐らくエグザイル/ブラム=ストーカー種だ」
"ストローマン":「……片方は私や指龍シリュー同タイプ肉体変容の能力。もう片方は……」
”デウシルメ”:――ぞ ぶり!!
”デウシルメ”:倒れた”イェニチェリ”の心臓に、指を突き刺す。
”指龍”:「!」
”デウシルメ”:ぼ、ぐぐぐぐぐ、と。ポンプで何かを送り出すような音が、断続的に発泡し――
"ストローマン":「傾向にもよるけど、概して再生能力が高い血液操作能力」
”イェニチェリ”:ブジッ
”イェニチェリ”:”イェニチェリ”の傷口から、血液が噴き出す。槍がはじけ飛ぶ。
“バニティ”:「はぁ~…?」
"ストローマン":「……ああして、他人から生命力を奪う事もある」
”コヴフェイス”:「いや……恐らく、今回の場合はもっと単純だ。血液の輸血と加圧」
”コヴフェイス”:「自分の血液を送って・・・、内部から刺さった槍を弾き飛ばした……」
”指龍”:「えぐいことするぜ……」
”コヴフェイス”:「だが、”ストローマン”の予測も正しい。送ることができるということは、奪うこともできる」
”コヴフェイス”:「奴の攻撃には当たるな。血液ごと搾取されるぞ」
"ストローマン":「なるほど。見た目より繊細なコントロールも出来るとなると、強敵」
”デウシルメ”:「相変わらず勉強ができるじゃないか、瑛」
”デウシルメ”:「どうした? 父さんと遊びたい奴はいないのか!?」
”指龍”:「言われなくても」跳んでいる。
”デウシルメ”:狂気的な言動は、その実ブラフにすぎない。
”デウシルメ”:会話と体躯で視界を遮り、既に背後の”イェニチェリ”が復帰している。銃を向ける――
”指龍”:指を絡ませ、ばねのように組み合わせる。その力で跳躍した。
"オッドボール":「戦場向きだな。慎重に……あっ。遅かった、すげえなあいつ! ボルテージの上げ幅が急激すぎるだろ」
”デウシルメ”:「おっ」指揮者のように手を振り上げる。
”指龍”:そして、腕の擬態も解除。そのまま、上から下へ───振り下ろす!
”イェニチェリ”:「あ ああああ――」”デウシルメ”を庇うように発砲する。その弾丸ごと、致命的な一撃に巻き込まれた。
”指龍”:「うっ───」
GM:――ず どごおおおおおおおおん!!!!
”イェニチェリ”:全身がねじ曲がり、吹き飛ぶ。ホームのベンチをバウンドし、自販機に激突して動かなくなる。
”デウシルメ”:「うーん……覚醒仕立てにはこういうのが一番効くはずなんだがなあ」
”指龍”:「そんな、庇うなんて」
”指龍”:「僕は……」
”指龍”:顔が青ざめている。
”デウシルメ”:「結構躊躇なくいったな。そうだ、一緒に殺しでもやるか?」
”デウシルメ”:「能力と言い、父さんと結構似てるしなぁ。お互い演技にはうんざりしてるだろ」
”指龍”:「やめろ!……人を、殺すことを……」
”指龍”:「当たり前みたいに、言うな………!」
”デウシルメ”:「……?」疑問を呈するように首をかしげながら――その合間にも、足は動いている。また、汲み上げ式井戸のような、奇妙な音が脚部から響いた。
”コヴフェイス”:「よせ、”指龍”! そいつと会話をするな!!」
”コヴフェイス”:「ロボットみたいな、欲望の人形にすぎないんだ! もう人間じゃないッ!」
”指龍”:「───!!」
エマ・カルナデス:「……龍神リュージン!」
エマ・カルナデス:「オーヴァードは滅多な事じゃ死なない。耳を貸しちゃダメ!」
”指龍”:「わかった……!ありがとう、”コヴフェイス”、”ストローマン”!」
”デウシルメ”:「……二秒」
”デウシルメ”:加速している。赤い軌跡を引きながら。
”デウシルメ”:それは加圧によって噴射された血液だった。
”デウシルメ”:既に変態は完了していた。血液が凝固し形成された、鉤爪のような器官。
”デウシルメ”:会話のための見当識を失いながら、会話によって相手の行動を操作することさえできた。それは兵士として身に付いた技術・・であったからだ。
"オッドボール":「”バニティ”! 道を開けてくれ。……直接、叩き込む!」
“バニティ”:口紅をくるりと回すと、紅色の弾丸が弾倉に装填される。影の銃を構える。「オッケーー………」
GM:……柳瀬順吾が、能力を投射しようとしている。それさえ間に合わない。
GM:だが。『トラス4』において、最速の対応を可能とする能力者は別に存在する――
“バニティ”:銃口が、それを捉えた。
”デウシルメ”:「――」視認して・・・・から、迎撃を回避しようとする。血液の操作によって強化された、驚異的なまでの動体視力だった。
”デウシルメ”:同時に、回避と並列させた思考でその失敗を悟っている。よって、”デウシルメ”は保険・・を使用した。
”イェニチェリ”:「――ぐ」「ああああ!!!」「わあああ!!! あああ!!」
”イェニチェリ”:指示よりも先に、”イェニチェリ”の体躯が”デウシルメ”を庇うように動いている。
”イェニチェリ”:血液による、物理的な操作。体液そのものを駆動させ、操り人形のように護衛行動を行わせていた。
“バニティ”:「それはむしろ──歓迎だっつの!」弾くように連射。黒い弾丸がイェニチェリの身を次々と貫いていく。
“バニティ”:それと同時、天井へ掃射。アスファルトに亀裂が走り、砕け、地下空間に張り巡らされた水道管まで破裂させる。
“バニティ”:水が降り注いだ。若いイェニチェリたちが、濁流に呑まれて一気に押し流される。
”指龍”:固唾を飲んで見ている。
”コヴフェイス”:「残念だったな。こちらにも弾幕がある」
”デウシルメ”:”イェニチェリ”を障害物・・・として配置しているならば、その弾幕を回避できる。回避し続けることができる。
”イェニチェリ”:「ぐ」「ああっ」応射に次々と呻き、倒れていく。
”デウシルメ”:だが。弾幕とは本来、対手に対応を強いることにこそ戦術的価値が存在する。
”デウシルメ”:”デウシルメ”は今――その機動力と殺戮性能を、乃木清和の展開し続ける弾丸によって、回避行動を取るのみに貶められていた。
”デウシルメ”:「……乱射に見えて」眼筋が動き続ける。弾丸1つずつの射線を見切る。「誘導されてるな」
GM:――すなわち、柳瀬順吾の攻撃が成立する方向に。
"オッドボール":「助かるぜ、”二人とも”。準備完了……」 親指で抑えた中指を、はじき出す。その指先に黒く小さな球体があった。
"オッドボール":「ブレイクショットだ!」 黒く小さな球体がはじき出される、その先には、すでに展開されていた無数の小型ブラックホールがあった。
"オッドボール":ブラックホールの乱反射。その軌道は、柳瀬本人でさえ予測できない。
"オッドボール":ぶつかったブラックホール同士は、あるいは結合して質量を増し、あるいはぶつかると同時に分裂する。
"オッドボール":振れれば、その部分が抉り取られる小型の防御不能攻撃の嵐だった。
”デウシルメ”:弾幕。射線。分裂と反射を繰り返し続ける、致死の極小球体。
”デウシルメ”:『トラス4』最大の攻撃密度を誇る、二人のオーヴァードの連携だった。よってその時”デウシルメ”が取った行動もまた、回避ではありえない。
”デウシルメ”:「なるほど――避けるのは骨が折れる」
”デウシルメ”:当たる。当たる。心臓と主要な内臓だけを守りながら、血液を噴射して柳瀬順吾に組み付く。
"オッドボール":「……いいさ。お前を終わらせるのは、俺じゃない……!」 デウシルメを無視して、柳瀬は跳躍し、肉薄している――ガラスのような結晶体に。
"オッドボール":組みつくことはできない。その狙いは、もう一人の方だった。
"オッドボール":「迎えに来たぜ、”スカマンドロス”」
”デウシルメ”:「――!」”デウシルメ”の狙い。それは、重力球の戯画化能力を持つ”オッドボール”そのものを盾にすることだった。
”デウシルメ”:最初から攻撃対象を読み違えていた”デウシルメ”は、その機動に追随できない。
”カレットα”:結晶体――”カレットα”の表面に、ぼこり、と人の顔の形をした泡が浮かぶ。
”カレットα”:「――りりり りりりりり」
”コヴフェイス”:「ッ、うおおおおっ!!!」
”コヴフェイス”:ダン!!ダン!!ダン!!
”コヴフェイス”:”コヴフェイス”が絶叫し、その能力機序を停止させようとした。
”コヴフェイス”:アンチレネゲイド弾と呼ばれる兵器。その弾頭自体を模した、蛇のようなドローンが”カレットα”へと殺到する。
”コヴフェイス”:瑛・A・アヴァスが独自に開発を進めていた、対『アウトカスト』用の秘密兵器でもあった――
"オッドボール":「撃ちまくれ……! 叩き込んで、やるっ」 掌打を、結晶体に打ち込む。
”カレットα”:”カレットα”に、迎撃能力は存在しない。
”カレットα”:ただ。
”カレットα”:「――」
”カレットα”:「【何で置いて行ったんだ?】」
”カレットα”:「【俺を】」
エマ・カルナデス:「ッ」
”カレットα”:対象の恐怖を喚起し、狂乱させ、絆を失わせる。
”カレットα”:そのためだけの、対話機能がジャームとして持ち得る唯一の能力だった。
”カレットα”:皮肉にもその時、全員の意識の焦点は”カレットα”に向いていた。
”カレットα”:結晶の表面に映る。『トラス4』の、最も恐れているものが――
”指龍”:「───怜?」
”指龍”:呟きが零れ落ちる。
”指龍”:それは幻像だ。と、理解していたはずなのに、それは、
”指龍”:どろどろと顔から汗が流れ落ちる。いや、汗ではない。肉だ。
”コヴフェイス”:『――っ……おい!! ”指龍”!! 幻覚だ!! 戦闘に復帰しろ!!』
”コヴフェイス”:瑛・A・アヴァスの声も、どこか遠くに聞こえるだろう。それだけではない。戦場の喧騒さえも、今は鏡の中の出来事のように現実感がない。
GM:”スカマンドロス”の能力は、対峙した本人の認識している現実をこそ映し出すからだ。
”指龍”:「わかってる、わかってるよ……そんな、こと……」呟く。それでも、なにか、精神が丸ごと皮を剥がれて捨て置かれているような気分になる。
”指龍”:どろどろとパーカーが汗をかいている。
”指龍”:「見るな………見ないでくれ、僕を……」
”カレットα”:「【お前も本当はわかってるよな】」
”カレットα”:「【化け物と人間が一緒に生きることはできない。心の話じゃなくて、肉体の話だ】」
荒崎怜:「【……嘘をついてたんだね。ずっと】」
荒崎怜:「【本当は、その体を見られたくなかっただけなんじゃないの。タカくん】」
GM:結晶の表面に浮かぶ泡が、三上宗助のものから、荒崎怜のものへと変わっていく。
”指龍”:「僕は……僕は、化物なんだ………知られたくない……」
”指龍”:「見られたくないよ!当たり前だろ……!!!」
”指龍”:「はぁっ、はぁっ……」
”指龍”:無数の指が頭を抱える。
“バニティ”:……一方、乃木清和にとって「最も恐れているもの」はとっくに終わっていた。
“バニティ”:澄花は死んだのだ。そして化物にすら変貌した。
“バニティ”:だから、今そこに映る景色はまったく別のものだった。何も変哲もない街並みで、乃木清和以外の人間にとって不自然に感じるものはないだろう。
“バニティ”:だからこそ、最も恐れている。
GM:”スカマンドロス”の鏡は、もはや何も映さない。愛した者の姿さえも。
“バニティ”:(もし、世界から…)
“バニティ”:(澄花の生きていた名残とか欠片が、何もかも無くなってしまって、誰にとっても澄花がどうでもよくなってしまったとしたら…)
“バニティ”:(私は、それが一番恐ろしい。澄花の意味が、なくなってしまうことが…)
”カレットα”:「【……みんなの心に傷をつけることなんて、簡単だ。簡単なことなんだ……】」
”カレットα”:「【俺の死だって、どうでもよくなったんだからな】」
”カレットα”:「【あんたの愛した人だって、きっとそうなる】」
”カレットα”:「【あんたは誰と喋ってるんだ? 今、あんたの隣には――】」
“バニティ”:「うるっさいな…。自傷行為に巻き込むのはやめてくれる……?」
”カレットα”:「【……解ってないな】」
”カレットα”:「【これは、あんた自身が恐れたものなんだ】」
”カレットα”:「【自分に嘘はつけない】」
“バニティ”:「はは。そうかよ…」
"オッドボール":「――ちっ」 柳瀬順吾が投げ出されたのは、無限に広がる虚空だった。
"オッドボール":「心理分析は一流だな、三上!」 誰もいなくなること。その恐怖に加えて、もう一つ。
"オッドボール":「こういうジャームの相手は、してこなかったわけじゃない。それでも……”これ”は、俺には通じるよ。たしかにな……!」
"オッドボール":銀河のような虚空の中に、黒い球体が生まれる。
"オッドボール":ブラックホール。柳瀬自身の能力だ。それが柳瀬順吾を取り囲み、乱反射して襲ってくる。
"オッドボール":「自分自身の能力が怖い……二重の意味で当たってるぜ」 飛来する球体を、弾いて防ぐ。回避する。
"オッドボール":「俺が一番対処しなきゃいけないのは、自分の能力。怖がらなきゃいけないのも……自分だ」
"オッドボール":「だから……みんないなくなるのが、怖いんだよ」
”カレットα”:「【最後まで、その力を都合よく使いこなして、皆を助けるヒーロー。無敵の”オッドボール”……】」
"オッドボール":「そうだな。この世に自分一人だけ……だったら、怖すぎる。マジでよくわかってるよ、三上」
”カレットα”:「【そういうことは起こらない。現実は映画じゃないからな】」
”カレットα”:「【予言してやるよ。これ・・が、お前の行き着く先だ】」
"オッドボール":「精神面でも物理面でも、追い詰めて来やがる」 自分で乱反射させたブラックホールから、自分自身を守らざるを得ない。
"オッドボール":「……落ち込むぜ、”スカマンドロス”……」
"オッドボール":「お前にそういうこと、言わせたくなかったんだよ……!」 捌き続ける、それしかできない。
GM:……三上宗助には。”スカマンドロス”は、ジャームとして変質する以前から……誰に対してもこういった種類の攻撃が可能だった。
GM:例えば、彼自身が仄かな好意を抱いていた、エマ・カルナデスにさえも。
"ストローマン":「……なるほど」映し出された光景は、みずからの能力行使時に現れる、常の荒海と板ではなかった。
"ストローマン":あれは自分の心象であって、諦観であって、今恐れるものではない。
"ストローマン":映る像は、今のトラス4の面々。
"ストローマン":エマも、龍神リュージンも、ヤナセも、ノギも、ハナブサもいる。 町で関わった人々の姿さえある。
"ストローマン":違うのは、誰もが互いを知らず、仮初のはずの日常をそれぞれに生きている事。
"ストローマン":「……どう?”スカマンドロス”」
"ストローマン":「この光景。きみがやった事に、何か言うべきことがあるんじゃない?」
"ストローマン"忘れてしまう事・・・・・・・忘れられてしまう事・・・・・・・・・
"ストローマン":人との絆や離別をよすがに立っている『今のエマ』にとって、これ以上の恐怖はなかった。
”カレットα”:「【詭弁だぜ。エマ】」
”カレットα”:「【おれは見せてる・・・・だけだ。その繋がりに価値を感じてるのも】」
”カレットα”:「【築いた繋がりが忘れ去られることも】」
”カレットα”:「【全部、お前が勝手に怖がってることだ】」
”カレットα”:「【自分が一番恐れているものを認識するだけでも、人間は化け物になれる】」
"ストローマン":「ああ……違うんだよな」
"ストローマン":「やっぱり、オウムはオウムか。本人なら、きっともう言いたい事が分かってる」
"ストローマン":頭を掻く。ジャームを相手にするなと言ったのは自分なのに、相手が相手だと徹しきれないらしい。
”カレットα”:「【そうかもな……お前は頭のいい奴だ】」
”カレットα”:「【今まで目を逸らし続けてきたことに、今更目を向けるだけで】」
”カレットα”:「【恐怖に立ち向かえる……そういうフリができると思ってやがる】」
"ストローマン":「まあ、さっきよりは近いかな」
"ストローマン":「私は、嬉しい記憶も痛い記憶も、全部あってその人を形作ると思っている。都合よく切り貼りしても、それは本来の人格の殺人」
"ストローマン":「だから……立ち向かえるとか、そう言うご立派なこととは関係なしに」
"ストローマン":「私から、あなたを奪おうとしたことに、今更腹が立っている」
"ストローマン":記憶の像の中に、ミカミの姿はない。
"ストローマン":誰の記憶からも消えたかのように。
GM:――”カレットα”の恐怖を喚起する対話機能は、生前の三上宗助の人格情報を寄せ集め、継ぎ接ぎに再構成したものだ。
GM:三上宗助のように振る舞い、三上宗助のように話す”カレットα”。対象の心理を抽象的に把握できる「記憶探索者」が、唯一読み違えたのは。
”カレットα”:「……」 ”スカマンドロス”自身が、愛されていたという事実だった。
”カレットα”:認識していない事実を、解釈することはできない。
”カレットα”:「……ああ。今更だな」
”カレットα”:「全部終わったことだ」
エマ:「ばか」
"ストローマン":「……虚像相手に、話過ぎた。とはいえ……解除手段はない、か……」
GM:――認識していない事実を、解釈することはできない。
GM:そして反対に、認識してしまった事実は強制的に当人の中で解釈される。
GM:絆が失われるという恐怖。絆が失われたという恐怖。それはオーヴァードの心理機能を容易に毀損し、人間を怪物に変貌させる。
”カレットα”:ぴし ぴし ぴししししししししし
”カレットα”:きみたちの手足が、急速に結晶へと遷移していく。
”カレットα”:”アモルファスβ”は、こうして作り出されたのだと全員が理解できるだろう。
”カレットα”:そして今、誰もが苦痛と恐怖に満ちた結晶の塊へと変貌しようとしている――
“バニティ”:「……そうだね、坊や。いいこと教えてあげようか」
“バニティ”:指先から、微細な粒子が零れ落ちている。赤、青、白。鮮やかな光は、すぐに混ざり合い、真黒な影へと変わる。
GM――如月二胡:『とにかく、乃木の介入があるなら前提条件も増える。彼女の能力はワケがわからないけれど…… 一度だけ、切札を見たわ』
GM如月二胡:『一番イヤなタイミングで時間停止が来る。矢神も頭に入れておいて』
“バニティ”:それは限りなくシンプルな、ウロボロス・シンドロームの因子。
“バニティ”:レネゲイドを食らう力を持つ、微細なその粒子を、繰り返し繰り返し複製していく。
“バニティ”:乃木清和がもっとも得意とする、模倣の力。怪物と化した少女の姿を、寸分もなく再現して自在に動かせるような。
“バニティ”:「自分に嘘はつける」
GM:模倣という行為において、コストが最小となる対象は――
GM自己の複製・・・・・である。
“バニティ”:「写式コピー:、『鏡よ鏡よ鏡さんルナキッソス!」
“バニティ”:ばちんと指を弾く。大量に複製されたレネゲイド粒子が、波のようにうねり、結晶体に降り注いだ。
“バニティ”:それはカレットαのレネゲイドを食らうことで、疑似的に時間停止能力と同様の状況を再現してみせる。
GM:鏡像によって生成される虚像を通じた心理掌握能力。”カレットα”の対話機能は、一見すべての攻撃に対して有効な解を導き出すかと思われた。
GM:乃木清和の能力精度だけが、その埒外だった。
GM:自己複製を繰り返し続けるレネゲイド喰らいの影と、”カレットα”の内部で生成され続ける反撃のための鏡像。
GM:それらが追突し、尾を喰らい合う蛇のような処理機能の停滞を生んだ。
”カレットα”:「り――」
”カレットα”:自己反響した反撃定理を覆すことができない。
”カレットα”:結晶の表面が黒く染まり、
”カレットα”:び しり
”カレットα”:――ひび割れる。同時に、きみたちを襲っていた”対話”が中断される。
“バニティ”:「よーーし、借りたぜ先生」
”コヴフェイス”:「――っづ、あ!!」「今のは……!」
”指龍”:「は───ぁっ、はぁっ、はあ……!」床に手と膝に当たる部分を付いて跪く。
"オッドボール":「……ぶはっ! はーっ……助かった!」
"ストローマン":「…………」目を瞬かせ、少年ではなく、結晶のような姿のそれを正しく見る。
"ストローマン":「普通に術中だった。"バニティ"、助かった」
“バニティ”:「どーいたしまして。ムカついてるでしょ、リーダー?」
"ストローマン":「とても」頷く。
”デウシルメ”:「……驚いたな。ウロボロスをそう言う風に使う奴は、中々見ない……」
”デウシルメ”:「俺の子なだけあって独創的じゃあないか」
”指龍”:「全部自分の手柄にするつもりだぞあいつ」
"オッドボール":「いいさ。地獄で自慢させとこう」
”デウシルメ”:「宗助は」黒く染まった”カレットα”を見る。「やられてるな。一度再調整が必要か……」
"オッドボール":「リーダー。決めてくれよ……!」
"ストローマン":「当然。……でも、あちらの方が一手早い」
”デウシルメ”:「……解ってないな。全部俺のものなのさ」「だから子供の命に責任を持てる」
”デウシルメ”:三度。油圧ポンプじみた音が、”デウシルメ”の脚部と肩部から破裂する。
”デウシルメ”:これまでの攻撃を思い返してもいい。その音が聞こえた際には、既に攻撃動作は――
”デウシルメ”:――ズ ガゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!
”デウシルメ”:赤い軌跡が蜘蛛の巣じみてホームに反響する。遅れて炸裂音と衝撃波が響いた。
”デウシルメ”:加圧。噴射。高速移動。交錯のたびに、きみたちの皮膚が切削される。血液が削り取られる!!
"ストローマン":足元に手を当てて、前方から後方へとスライドさせる動作で床を『引き開ける』。即席の異空間だ。
"ストローマン":「開くまで出ちゃ駄目」言葉と共に、近くにいた二人の肩を掴む。
”指龍”:「わっ!?」
”指龍”:ほどけそうになりながら床の空間に引き込まれる。
“バニティ”:「おおっ」
"ストローマン":投げ込み、片腕でしっかりと空間の扉を塞いだ。
”デウシルメ”:「――徴収デウシルメだ!! 受け入れりゃ、やりたいこともさせてやる! 俺の許す形でな・・・・・!」
”デウシルメ”:すれ違うたびに、白磁の肌が弾け飛ぶ。南国の鳥のような美しい髪が血で染まる。
"オッドボール":「くそ! そっちいったか!」
"ストローマン":「………!」わずかに顔をしかめ、しかし腕は離さない。少しでも緩めれば、戦闘用でもない手遊びの能力で出来た空間は途端に二人を弾き出すだろう。
”ウンブラツイン”:「まともに受けすぎないで。止まらず動いて」
GM:……荒崎怜が構築し、瑛・A・アヴァスが運用を続けた通信網。
GM:それは、先ほどまで死力を尽くし戦闘を行っていた『B2*』の合流を、この局面において可能とした。
GM:”ウンブラツイン”。今の”ストローマン”の背後には、藁人形に足りないがついている。
”ウンブラツイン”:光の弾丸が降り注ぐ。直撃を狙ったものではない。魔眼の重力が乗ったそれらは、攻撃軌道そのものを引きずるようにして妨害する。
”デウシルメ”:「……なるほど!!」強化された眼筋と動体視力は、その弾幕さえも回避してしまう。。
"ストローマン":「……アドバイス、ありがと、う。でも……」
"ストローマン":「悪いけど、違う形で、力を借りる」
”デウシルメ”:エマ・カルナデスの空間操作の練度では、釘付けにされざるを得ないと理解している。よって、エマに近付く形で弾幕を逆に誘導・・した。
”デウシルメ”:「UGN。あんたらの腕なら……」「友軍誤射フレンドリーファイアは、ないだろうッ!!」
”デウシルメ”:一瞬の交錯。腕を掴み、
”ウンブラツイン”:「――!」
”ウンブラツイン”:「無茶を!」
”ウンブラツイン”:エマの意図を察し、弾丸の光量を最大まで上げる。
”デウシルメ”:「ぐおっ!? 閃光弾を……!」
”ウンブラツイン”:「そうまでしたなら決めなさい! 隊長なんでしょう!」
”デウシルメ”:”デウシルメ”にも、いくつかの弱点がある。その一つが、見えすぎる・・・・・ということだった。
”デウシルメ”:全てを捉える動体視力は、直視してはいけない光量でさえも正確に知覚してしまう。
”デウシルメ”:「だが!」
”デウシルメ”:ぶ づんっっっ!!!!
”デウシルメ”:掴んでいた少女の右腕をもぎ取り、咀嚼する。
”デウシルメ”輸血・・だ。血液の残量を回復し、更に一方的な殺戮機動へと移ろうとしていた。
"ストローマン":「──御明察。これは、私本来の調整された用途ではない」
"ストローマン":「練度から手は離せなかった。さりとて、動けない的ではみすみす回復の機会を与える」
"ストローマン":声は、頭上から聞こえて来た。
"ストローマン":「だから、吸われる前に千切っておいた・・・・・・・・・・・・・
"ストローマン":腕が毀損されたことで保っていた空間が解ける。それに続いて、宙を浮く身が残った片腕に黒い魔眼を湛える。
”デウシルメ”:(……腕の陽動?)(この)(俺が)
”デウシルメ”:「こんな……初歩的な手に?」
"ストローマン":無重力化能力、空間形成能力。
"ストローマン":それはいずれも、旧『トラス4』時代から研鑽を重ねて新たに得た、微々たる能力だった。
”デウシルメ”:……”デウシルメ”には自負があった。子供たちのことを一番知っているのは自分だという自負。
”デウシルメ”:子供が成長するわけがないという、奢りにも似た慈しみ。だからこそ管理し、庇護すべきだという歪んだ義務感。
"ストローマン":「──子供って成長するものよ。知らなかった?お父さん・・・・
"ストローマン":脂汗を滑らせる頬を、皮肉気に歪める。
"ストローマン":振り被って。
”デウシルメ”:(まだ時間はある)(”イェニチェリ”を――)
"ストローマン":叩き込んだ。
”デウシルメ”:……召喚することはできない。乃木清和の叩き込んだ水流が、彼らに”デウシルメ”が打ち込んだ血液を洗い流している。
”デウシルメ”:(時間はある)(時間)(が)
”デウシルメ”:ずるり。
”デウシルメ”:凝固させていた血液が、溶解する。足を滑らせる。
”リセ”:「……私からの手向けです、”デウシルメ”」
”リセ”:「子供を利用した大人同士、仲良く地獄に落ちましょう」
”リセ”:「まあ、とりあえずは……貴方からになりそうですがね」
”リセ”:フィブリン酵素は血液凝固を促進するが、その反対に血液を溶かす・・・タンパク質も存在する。
”リセ”:アンチトロンビン製剤。既に調整方法が解っている化学物質ならば、”リセ”にとってはあまりにも合成が容易い。
”デウシルメ”:「い……嫌だ」
”デウシルメ”:「もっと守らせろ!!管理させろ!!この俺に!!!」
”デウシルメ”:「そうでなければ、もう二度と!俺は――!!」
”デウシルメ”:悲鳴に似た絶叫と共に、魔眼が叩き込まれる。
”デウシルメ”:毛細血管単位で極限まで加圧された躯体に、血液凝固抑制剤を投与されている。よって、”デウシルメ”の肉体は速やかに引き裂かれ、はじけ飛んだ。
”デウシルメ”:――ぶ ばんっ!!!!!
”指龍”:空間は解除されていた。だから、その最期も全身で良く知覚できた。
GM:天井一帯まで、べっとりと血の痕跡が張り付いた。”デウシルメ”は死んだ。
”指龍”:(……あれはもう人間じゃない、と聞いた)
”指龍”:(だから死んだ?殺されても良かったのか)
”指龍”:(………僕は、)
”指龍”:「……リーダー。これで終わったのかな」
"ストローマン":壁面を蹴ったバランスを欠く身体は、地面へと羽のような緩やかさで降り立つ。
"ストローマン":……立とうとして、姿勢を崩した。
"ストローマン":「っと……」
”コヴフェイス”:「……龍神」”デウシルメ”の死体に近付きながら、声をかける。「支えてやれ」
”指龍”⇒龍神貴好:躊躇いつつも、エマを支える。
龍神貴好:腕にしては関節の多いそれで受け止めた。
”コヴフェイス”:「俺は」ドローンの銃口を向ける。まだ僅かに痙攣している死体に向け、
”コヴフェイス”:ダン!!ダン!!!ダン!!!ダン!!!ダン!!!ダン!!!
”コヴフェイス”⇒瑛・A・アヴァス:「……言っただろ。『こいつは俺が殺す・・・・』と」
“バニティ”:憮然とした顔でそれを見ている。
"オッドボール":「……そうだな」
"オッドボール":「放っておけば、もっとたくさん被害にあうやつが増えてた」
"オッドボール":「ここで行き止まりだよ……こいつは」
瑛・A・アヴァス:「……そうだ。カルナデスも、龍神も、乃木も、柳瀬も、人殺しはしていない」
瑛・A・アヴァス:「昔育てたチルドレンに逆恨みされて、ジャーム化した教官が殺された。良くある話だ」ドローンの電源を切る。
"オッドボール"⇒柳瀬順吾:「は」
柳瀬順吾:「よくある話……か。怪物狩りが俺の役目だったから、なおさらそう思えるのかもな」
“バニティ”⇒乃木清和:「何も言わないよー私は…。休暇中の身だし」
"ストローマン":「ありがと。龍神リュージンも、みんなも」
"ストローマン":肩……?を借りながら、言葉を続ける。
"ストローマン"⇒エマ・カルナデス:「……一人で抱えようとしない。これは、トラス4の自警活動」
"ストローマン"⇒エマ・カルナデス:「でも、まだ終わってない」
龍神貴好:エマの視線を追う。
エマ・カルナデス:残る腕で指した先には、結晶体の姿があった。

【BACKTRACK】

GM:今回のEロイスはこちら。

”デウシルメ”
・《さらなる絶望》*4
”カレットα”
・《虚実崩壊》

GM:合計五個です。振りたい方はどうぞ!
”指龍”:振ります!
"オッドボール":振ります!!!
”指龍”:144-5d10
DoubleCross : (144-5D10) → 144-27[6,10,3,5,3] → 117

“バニティ”:振る!!
"オッドボール":137-5d10
DoubleCross : (137-5D10) → 137-12[2,5,3,1,1] → 125

"ストローマン":んー……一応振っておこうか。
“バニティ”:145-5d10
DoubleCross : (145-5D10) → 145-13[1,1,4,4,3] → 132

“バニティ”:ウワ
"ストローマン":127-5D10
DoubleCross : (127-5D10) → 127-21[10,5,2,3,1] → 106

GM:急激に変な汗が出て来た
"オッドボール":ほらーっ 出目!
"オッドボール":2倍振り
“バニティ”:二倍振りしましょう…
"オッドボール":125-10d10
DoubleCross : (125-10D10) → 125-46[1,3,10,8,1,10,3,3,1,6] → 79

”指龍”:怖くなってきた 2倍ぶり
"オッドボール":ヨシ!
”指龍”:117-10d10
DoubleCross : (117-10D10) → 117-47[10,5,6,3,2,6,2,5,6,2] → 70

“バニティ”:132-10d10
DoubleCross : (132-10D10) → 132-55[5,4,7,6,9,4,1,5,4,10] → 77

GM:ハアーッ
"ストローマン":まあこれなら私はピンゾロでもなければ大丈夫。等倍だね。
“バニティ”:よし!
GM:よ、良かった…………
"ストローマン":106-5D10
DoubleCross : (106-5D10) → 106-36[8,10,10,4,4] → 70

”指龍”:よかったー
"ストローマン":侵蝕分の経験点は4点。……結果論すぎるけど、振らない方がよかったかも。
"オッドボール":侵蝕経験点…3点!
”指龍”:3点!
“バニティ”:3点~!
GM:では、今回のDロイスはこちら。

『UGN』
坂城忠人:【指導者】
如月二胡:【天才】
矢神秀人:【特異点】

『アウトカスト』
瀬古隆司:【強化兵】

『トラス4』
三上宗助/カレットα:【記憶探索者】

GM:皆さん最高のロールプレイだったので、通常10点に加え、Dロイス分の5点
GM:それに皆さんの経験点を足して……
”指龍”:Eロイス分の経験点とかもね

【RESULT】
龍神貴好:23点
エマ・カルナデス:24点
柳瀬順吾:23点
乃木清和:23点

GM:お受け取り下さい。トラス4と華吶町の勝利だ!!!
"オッドボール":ありがとうございます!!!!!
”指龍”:いただきます!!
"ストローマン":いただいておく。
“バニティ”:いただきま~す!
GM:よくぞ生還しました……お疲れさまでした!!

【Ending01】『トラス4』&”スカマンドロス”

9月5日 00:12 / 華吶町一番街駅地下構内

GM:一番街駅地下構内における『アウトカスト』排撃作戦は終了した。
GM:リーダーである”デウシルメ”は死亡し、構成員の椎原瑠々は保護。
GM:”イェニチェリ”はUGN七咲支部が回収し、今後保護と処遇を検討することになるだろう。
GM:残された問題は――”カレットα”。
GM:『トラス4』が忘れていた、最後の家族のことだった。
”リセ”:「……我々七咲支部としては、正直な話……『トラス4』計画の鍵である三上宗助のジャーム体を……無為に破壊するのは避けたいのですが」
乃木清和:「龍神くんがいるし、最初にUGNらしい対応を教えちゃうね」
龍神貴好:「UGNらしい対応?」
柳瀬順吾:「おっ。チュートリアルだ」
乃木清和:「そう。UGNじゃ、ジャームの破壊は基本はしないことになってるの。いつかジャーム化は治癒されるはずって題目で」
瑛・A・アヴァス:「詭弁だ。こいつらは問題の先送りが大得意な組織だからな」腕を組んでいる。
龍神貴好:「殺さなくっていい……ってことか。でもそのまんまにはしておけないだろ」
エマ・カルナデス:「だから、治療を試みている。らしいよ」
乃木清和:「あー。正確には冷凍処置をかけるんだよね。特殊施設で保管して」
乃木清和:「技術が確立するまで待っててね~。ってするの」
エマ・カルナデス:「……ちなみに、今までにジャーム状態から治癒した成功例は?」
乃木清和:「私も知りたーい」
龍神貴好:”リセ”の方を見る。
”リセ”:「そんな例があれば、『トラス4』計画ももう少し成果らしい成果が出ていたと思いませんか?」
龍神貴好:「つまり、ない……と」
龍神貴好:「まあ、先送りって言われるのも悪いけどわかっちまうな」
”リセ”:「彼女は言及しませんでしたが、基本的にジャーム化は不可逆的な変化です。絶対と言ってもいい」
龍神貴好:「不可逆」
”リセ”:「復帰した例もありますが……極めて特殊な症例ですね。操作されているようなパターンですから、今回は当てはまらないでしょう」
エマ・カルナデス:「つまり、実体としては民間の『コールドスリープ』事業とさほど変わりない」片手を挙げて竦める。
乃木清和:「きびち~」トホホ~
柳瀬順吾:「なんの演出だよ」
エマ・カルナデス:「未来に技術の革新が起きて、奇跡みたいな事が現実になる。そういう、限りなくゼロに近い期待」
柳瀬順吾:「治す手段はない、って割り切った方が楽かもね」
瑛・A・アヴァス:「……通常のFHセルでは確立されていないノウハウなのも事実だ。連中はジャームの利用・・に主眼を置くからな」
龍神貴好:「あいつ……デウシルメもジャームだったのにリーダー張ってたんだろ」
龍神貴好:「だから、お構いなしなんだろうな、とは思うさ」
エマ・カルナデス:「社会に負荷を存分に掛けながらね。FHならいざ知らず、UGNや他の組織ではそうはいかない」
瑛・A・アヴァス:「幸いにして、ここにはUGNの関係者も揃っている」皮肉気に唇の端を歪める。
瑛・A・アヴァス:「”カレットα”の……三上への対応を決めるにはいい機会だ」
龍神貴好:「……」
エマ・カルナデス:「じゃあ、まずはハナブサから。どうぞ」
瑛・A・アヴァス:「破壊すべきだ」ほとんど同時に言う。
瑛・A・アヴァス:「今回の件で何人の人間が”アモルファスβ”にされた?」
瑛・A・アヴァス:「俺は今度こそ正しいことをする。もう誰にもこいつは使わせん」
瑛・A・アヴァス:「以上だ」
瑛・A・アヴァス:突き放すように言葉を切り上げ、ドローンの上に座り込む。
エマ・カルナデス:頷く。
エマ・カルナデス:「私も、概ね同意見。加えて……」
エマ・カルナデス:「彼の場合、"デウシルメ"から調整と称し、身体の大部分が毀損されている」
エマ・カルナデス:「仮に遠い未来、ジャーム化が治癒可能な疾病になったとしても……切り分けられた彼は、果たして元に戻れるか」
エマ・カルナデス:「それに……この街は長くUGNから見放されたといってもいい状態にあった」
エマ・カルナデス:「正直、仲間を任せて、また何かに利用されないか、という不信もある」
エマ・カルナデス:「……これはリセが企んでいる、という話ではなく。もっと上から利用される可能性の危惧だけど」
瑛・A・アヴァス:「……龍神。柳瀬。乃木」
瑛・A・アヴァス:「お前たちの考えも聞かせろ。これは全員で結論を出すべき問題だ」
乃木清和:「じゃあ私から言うか」
乃木清和:「リーダーの直後に悪いけど、私はUGNの回収を提案させてもらうよ」
柳瀬順吾:「おっ。正義の味方の決断、ってやつかい?」
乃木清和:「イイコチャンが一人くらいいた方がバランス良いでしょ。それに…」
乃木清和:「どうあれ、友達は殺さない方がいいぜ」
乃木清和:「それだけ。柳瀬くんどーぞ」
”リセ”:「……」
柳瀬順吾:「はは! 俺は……凍結に一票だね」
柳瀬順吾:「正義の味方ってわけじゃない。……俺はね、ジャームを治療することなんて、未来永劫無理だと思ってる」
柳瀬順吾:「俺はジャーム狩りだ。もう戻れないと信じてるから、それができたし、いまも……できる」
柳瀬順吾:「ただ、例外はある。乃木チャンが言うように」
柳瀬順吾:「差別をしたい」
柳瀬順吾:「俺の友達で、家族で、兄弟だったんだ」
柳瀬順吾:「そういうやつを、これ以上傷つけることは……俺はしたくない。どうなるにしても、他のやつがやってくれ」
柳瀬順吾:「……俺は以上だ」
GM:凍結派が二人。破壊派が二人。
GM:誰もが理解していた。龍神貴好の意見が、”スカマンドロス”の最期を決めることになる。
龍神貴好:儀式のように、息を吸って、吐く。
龍神貴好:覚醒前に遊んだゲームの主人公がよくやっていた行動だ。
龍神貴好:呼吸器がどうなってるかはわからないが、真似事でも落ち着く気がした。
エマ・カルナデス:「……」腕を組むように、片腕を胸の前で抱く。
龍神貴好:「……色々聞いて、みんな、それぞれ、納得できる。そう思う」
龍神貴好:「で、化物1年生の僕からは……」
龍神貴好:「そうだな。人間であったものを、殺すって割り切りがまだできない、し」
龍神貴好:「……彼は攫われて兵士にさせられた子達と一緒だと、思う」
龍神貴好:「治療なんてできなくてもなんでも、僕には彼を殺す動機がない」
龍神貴好:「……なんていうかな。彼をそのまま殺す選択をしたら、それはいつか僕を殺す」
龍神貴好:「彼は、三上宗助だ」
龍神貴好:「凍結してやってほしい」
エマ・カルナデス:「…………」深く、息を吐く。
瑛・A・アヴァス:「カルナデス」
瑛・A・アヴァス:「俺は、指揮官であるお前の命令に従う」
エマ・カルナデス:「…いつも助かってるよ、コヴフェイス」
エマ・カルナデス:「でも、家族のみんなが決めた事だ」
エマ・カルナデス:「龍神リュージン
龍神貴好:「うん」
エマ・カルナデス:「きみが、龍神リュージン貴好であるように?」
龍神貴好:「そうだ」
龍神貴好:「僕は、龍神貴好だ」
龍神貴好:「化物でもなんでも、それだけは奪わせたくはない」
エマ・カルナデス:「そっか」
エマ・カルナデス:「それを言われると、仕方ない。……現『トラス4』指揮官より、各員に伝達」
エマ・カルナデス:「作戦目標”デウシルメ”の排除は完了。しかし損耗が激しい事から、作戦目標"カレットα"は戦闘不能に留め、撤退を優先する」
エマ・カルナデス:「……以上。各員、返事は?」
龍神貴好:「了解」
瑛・A・アヴァス:「……」僅かに笑う。荷物を下ろしたような笑みだった。「受領コピー
柳瀬順吾:「へへ……了解~」
乃木清和:「ラッジャー。あとは誰かがやってくれると」
”リセ”:「こちらも大人ですからね」にこりと微笑む。「責任を持って護送しますよ。三上宗助・・・・は」
エマ・カルナデス:「そういう訳だから。愚か者どもの後始末は、選ばれし超人がやってくれるんでしょ?」
”ウンブラツイン”:「それ言ってるの矢神だけ…… まあUGNに皮肉を言いたい気持ちもわかるけど、責任を持って保護させてもらう」
”シャブダ・ベディ”:がしゃん!と瓦礫を砕いて現れる。「ちっ……いつまでも人の過去の発言を遡るなんて、女々しいやつだね」
”シャブダ・ベディ”:侵蝕過剰で離脱すると宣言したはずだが、帰っていなかったようだ。
”シャブダ・ベディ”:「そんなんじゃ昔の男のことも忘れられないんじゃないの?」
龍神貴好:「わっ出た」
エマ・カルナデス:「鏡と喋ってる?」
柳瀬順吾:「ハハハハ!」
柳瀬順吾:「ナイスジョーク」
”ウンブラツイン”:「せっかくまとまったのに喧嘩を売らないで……! 殺すことになったらどうしようと思ってたのに」
”リセ”:「良かったですね、如月さん。正義の味方らしいことができたじゃないですか」
エマ・カルナデス:「仲良しこよしじゃなくて結構。この後”追撃を避ける”ために撤退するんだから」
”リセ”:「ええ。我々も、”侵蝕過剰能力を有するジャームの確保を優先”させます」
龍神貴好:「シャブ……いや、矢神だっけ。後で顔貸せよ」
”シャブダ・ベディ”:「は? 僕が君とお喋りする理由なんてないんだけど?」
龍神貴好:「そう言う奴は大抵付き合ってくれる」
”シャブダ・ベディ”:「君との会話が僕に何をもたらしてくれるわけ? 忠告を聞かなかった愚か者との会話が?」
龍神貴好:「まあ気が乗ったら来いよ。愚か者に付き合ってやるのも選ばれし者の役目だろ?」
”シャブダ・ベディ”:「とことん僕を愚弄しないと気が済まないようだね……」額に青筋を浮かべている。
”ウンブラツイン”:「……そうね、最後だけでも締めないと」
乃木清和:「私は休暇中なんでこれで失礼しま~す」
瑛・A・アヴァス:「待て!!!失礼するな!!!!!!!!」
瑛・A・アヴァス:「お前は今後の職場をちゃんと決めておけ!フラフラされては迷惑だ!!」
柳瀬順吾:「おいっ、一本締めとか万歳三唱とか…やらない? やらないよな」
エマ・カルナデス:「逃げ口上ぐらいでいいんじゃない?なんだっけ、最近撮ってた映画あったでしょ」
”ウンブラツイン”:「……もうさっさと解散したほうがよさそうね。私からは最後に一つだけ」
エマ・カルナデス:「?」
”ウンブラツイン”:「カルナデス。貴女はUGNが手遅れだと言ったわ。それはつまり、『予防的な措置』ができないとは考えられないかしら」
”ウンブラツイン”:「三上宗介がいかに危険でも先んじて処分したり、利用したりすることは構造的にできないのよ。信頼してほしいと言える立場ではないけど…… それは伝えておきたかった」
”ウンブラツイン”:「あなた達の家族。請け負うわ。……選んでくれて、ありがとう」
エマ・カルナデス:「………こちらも不躾だった」
エマ・カルナデス:機密情報だろうに、と思いつつも感謝を述べる。
エマ・カルナデス:「なら、あなたのその言葉ぶんは信じる事にする」
”シャブダ・ベディ”:「チッ……僕は”ウンブラツイン”みたいに真面目じゃないから、不真面目なUGNへの苦情でも言ってやろうかな」
”シャブダ・ベディ”:「”バニティ”。きみ、能力だけ・・はあるんだからさ……道化気取りはやめたら? みっともないよ」
乃木清和:「急にデレないで」
”シャブダ・ベディ”:「苦情だって言わなかった? もう少し自分の影響力を考えて行動してくれなきゃ困るね」
乃木清和:「え~何…? あっリーダー大丈夫。こっちはこっちでやってるから…」
”リセ”:「異種部隊同士のコミュニケーションも暖まりましたね」にこやかに。
”リセ”:「では、現時刻……0043を持って、『B2*』は華吶町方面での作戦を終了します」
エマ・カルナデス:「もしかして、シャブ君と仲いい?貴重な人材」
乃木清和:ちが~うと言っているよ
”シャブダ・ベディ”:エマの言葉に聞こえるように舌打ちし、時計を合わせながら立ち去っていく。
”ウンブラツイン”:時計を合わせて歩き出す。振り返ることはない。
エマ・カルナデス:「うん。『トラス4』は、現刻をもって今夜の自警活動を終了する」
エマ・カルナデス:「各員、帰るまでが自警活動。行くよ」
GM:陽はまだ昇らない。夜のうちに、彼らの戦いは終わる。
GM:『華吶町のアナーキー』の功績は、わずかな者たちしか知ることはない。
GM:一連の事件の終わりには名誉も報酬も待ち受けていなかった。ただ、家族を自由にするためだけの戦いだった。
GM:『トラス4』の誰もが知っている。その自由こそが、最大の報酬なのだと。

【Ending02】龍神貴好

9月13日 15:36 / 華吶町立寄咲大学 PCルーム

GM:『トラス4』と『アウトカスト』の戦いから、およそ十日弱が経った。
GM:今ではきみたちの侵蝕率も安定域に落ち着き、街の情勢も常日頃の様子を取り戻しつつあった。
GM:もう、『イチバン』の若者が連れ去られることも、誰かが怪物へと変貌することもない。
荒崎怜:「……危機感が足りない」
荒崎怜:エナジードリンクにストローを突き刺した荒崎怜が、デスクトップPCを閉じて振り返る。
龍神貴好:「えー……今度は何の?」
荒崎怜:「冬季レポートの提出期限をもう忘れたの? 締め切り二か月前から、計画的に取り組んでおくべき」
龍神貴好:「あっ、そうかそうか……そうだよな、早くやっておかないとだよな……」
GM:大学によっては、秋期授業の最初から期末レポートの標題を告知している学部も少なくない。
GM:荒崎怜はなぜか自らが既に単位を取得し終えたはずの講義まで状況を把握していた。
龍神貴好:「……なんか」
龍神貴好:「久しぶりな気がするな、こういうの」
龍神貴好:「僕が課題遅くなってそれを怜が手伝って……」
荒崎怜:「前にタカくんに論文作成のソフトを貸したでしょう。あれを使って……」
荒崎怜:「……そうね。この一か月間、特に慌ただしかったもの」
龍神貴好:「……心配かけたよな」
荒崎怜:「いきなり”ビデオ屋”から街中に映像と回線を繋げ、と言われた時は何事かと思った」
荒崎怜:「心配というか」
荒崎怜:「次同じことを、説明なしでやったら別れる」
龍神貴好:「…………」
龍神貴好:「説明、欲しい?」
荒崎怜:「して」
荒崎怜:「騙されてあげるけど、いつかちゃんと話してって言った。そのいつかが、いま」
龍神貴好:「だよな。ていうか」
龍神貴好:「怜、勘はいいし、技術もあるし。僕のこととか、もうとっくに気付いてるんじゃないかと思った」
荒崎怜:「持ち上げないで。ずっと言ってるけど、私はすごく普通の人間だから」
荒崎怜:「好きな人が危ない目に遭ってるのは怖いし、本当のことを知りたいし」
荒崎怜:「あなたみたいな良い人がひどい目を見るのは嫌なだけ」
龍神貴好:「……怜」
龍神貴好:手をとる。
荒崎怜:「……全部、あなたの責任だって言えればどんなに良かったんでしょうね」
荒崎怜:「そうじゃないことを、本当はわかってた」
荒崎怜:手を握る。
龍神貴好:手を動かして、袖の中に導く。そこにはあるべき空洞が、ない。
荒崎怜:「誰のせいじゃなくても、人を助けるために、損なことを選んでしまう人だっている。それを……」
龍神貴好:「……結構前よりは自然になったけど」
荒崎怜:「……」
龍神貴好:「今はこれが限界みたいなんだ」
荒崎怜:「……最近、あんまりしてくれなくなったのって」
荒崎怜:「……はああ~~~~」肩を落とす。
荒崎怜:「ほ」
荒崎怜:「ほっとした……」
龍神貴好:「え。結構予想外の反応」
荒崎怜:「聞きたいことは色々あるけれど……逆算すると、恐らく『ローンマート』の夜よね?」
龍神貴好:「うん」
荒崎怜:「私が”そう”なっていないということは、恐らく選択的に発現……ううん、感染・・する何か?」
荒崎怜:「あなたにはその因子が顕性となる要素があって、こうして人と違う体を手に入れたというところかしら」
龍神貴好:「そう。感染するものだって聞いてる。でも、僕みたいな例は珍しいらしい」
龍神貴好:「まあ、あの時から体がすっかり変わっちゃって」
龍神貴好:「だから、隠そうとして……隠してた」
荒崎怜:「良かった。愛想を尽かされたわけじゃないのね」
荒崎怜:「ほら。最近」「あの。ビデオ屋の……」
荒崎怜:「……」
龍神貴好:「………あっ、いや、」
龍神貴好:「エマさんとはそう言うのじゃ全然ないから」
荒崎怜:「冗談よ」
龍神貴好:「……僕はいつだって怜が一番なんだよ」
荒崎怜:「それは本当?」
龍神貴好:「うん」
荒崎怜:「その割には名前で呼ぶのね」
荒崎怜:「……ごめんなさい。こういうやり取り、久しぶりだから」
荒崎怜:「少し、はしゃいでしまって」
龍神貴好:「あっそうか……なんか、日本語と同じ感じで……」
龍神貴好:「名前の方呼んでる意識なかった」
龍神貴好:「……そうだな、僕も結構はしゃいでるかも」
荒崎怜:「ごめんなさい。これでも、驚いてはいるの」
荒崎怜:「でも……」「……あなたはずっと、変わっていなかったから」
龍神貴好:「変わってないようにいたかった」
龍神貴好:「僕は僕で……龍神貴好でいたかったから」
荒崎怜:「怪物か何かになったみたいな言い方ね」手を手持無沙汰に揉む。
龍神貴好:「実際、そうだよ。今は元の姿を一生懸命真似てるだけで……」
荒崎怜:「同じ人間同士でも、解り合えないことなんて沢山あるわ」
荒崎怜:「私はお父さんが最後まで何を考えてるかわからなかった」
龍神貴好:「…………」
荒崎怜:「化け物・・・に思えた。どうして、娘の私より、見ず知らずの浮浪者を助けて死んだのかって」
龍神貴好:「…そうか」
龍神貴好:「通じ合えないってことは……」
龍神貴好:「それが本当に化け物になるってことなんだって」
龍神貴好:「僕も、この間知った」
龍神貴好:「話すよ、色々全部」
龍神貴好:「お前には……知っておいて欲しいから」
荒崎怜:頷く。「でもね」
荒崎怜:「秘密を抱えていても、解り合えることだってある」
荒崎怜:「私を騙そうとしてくれていると言ったでしょう」
龍神貴好:「うん」
荒崎怜:「私にはその嘘が、私のためだってわかった」
荒崎怜:「だから私も騙されてあげることにしたの」
龍神貴好:「………」
龍神貴好:もう片方の手で軽く怜の頭を撫でる。
荒崎怜:「全てをさらけ出さなくても、繋がってると思えるの。私たちは。だから……」
荒崎怜:「貴好の話したいこと・・・・・・・を話して」
荒崎怜:軽く、引っ手繰るように口づける。
龍神貴好:「ん」
龍神貴好:口はほとんど本物に近い。
龍神貴好:暫く、その交歓を味わっていた。
荒崎怜:「……」唇を離す。「前より肌艶が良くなっていない?」
龍神貴好:「そうかな」
荒崎怜:「結構こちらは保湿とか気を遣ってるんだけど」
龍神貴好:「知ってる」
龍神貴好:「……ズルは、してないと思う」
荒崎怜:「はあ……まあいいわ」
荒崎怜:「第一、理解できないことなんて他にも沢山あるもの」
荒崎怜:「まず、洗い終わった洗濯物を取り込まないのはやめてくれない?」
荒崎怜:「もう貴方には必要ないものかも知れないけれど」
荒崎怜:「私は着るから」
龍神貴好:「はい……」
龍神貴好:「善処します」
荒崎怜:「……ふふ」
荒崎怜:「たまには新しい擬態先も必要でしょう。ずっと同じ服だと、格好がつかない」
龍神貴好:「また、服選んでくれよ。怜のセンス、好きなんだ」
荒崎怜:「なら一番街にでも行きましょう。その後は……今日は夜まで空いているから、ビデオでも借りましょうか」
荒崎怜:手を繋ぐ。指を絡める。
龍神貴好:辿々しく、しかししっかりと、指を絡め返す。
荒崎怜:「前より」
荒崎怜:「逞しくなった?」
GM:増したきみの膂力を、少しだけ愛おし気に握りしめる。
龍神貴好:少しだけ紅くなって。でも、その暖かさが、心地よかった。
龍神貴好:隣には、愛おしい人がいる。
龍神貴好:自分が『何』であっても、
龍神貴好:それは変わらない事実として、そこにあった。

【Ending03】エマ・カルナデス

9月13日 16:21 / 華吶町一番街 ビデオショップ『Chill to Shift』

GM:エマ・カルナデスにとって、その日は静かな午後になるはずだった。
GM:溜まっていたビデオを見てもよかったし、瑛・A・アヴァスに押し付けられた雑事をこなしてもいい。
GM:もしくは、平和になった街をぶらつくのも悪くはない。そう考えていた折に――
瑛・A・アヴァス:「おい!! いきなり”店に来る”とはなんだ!?」
瑛・A・アヴァス:先程、荒崎怜と龍神貴好が来る、との連絡を受けたため、大慌てで準備をしている。
エマ・カルナデス:「しょーがないじゃん、私だって急に言われたんだからさぁー」
エマ・カルナデス:不貞腐れながら、秘匿通信アプリで先程送った通知の画面を示す。

”strawman — 15:19
@everyone
リマインド
21:30〜アジト集合。
人が来るので私物は片付けておくこと。”

瑛・A・アヴァス:「タンドリーチキンは漬け込み時間が命なんだぞ!」
瑛・A・アヴァス:「俺に半端な料理を出して舐められろとでも言うのか!?」
エマ・カルナデス:「ハナブサー、手ー足りないから私のも手伝ってー」
エマ・カルナデス:先程から、散らかしたビデオをえっちらおっちら片腕で棚に詰め込んでいるのだった。
瑛・A・アヴァス:「チッ……誰でもいい! 手の空いている奴はいないのか!」
乃木清和:「21時30分に来るカップル、やらしくない? どっかで飲んでから来るんだぜ」
乃木清和:ソファでくつろいでいる。
瑛・A・アヴァス:「手を動かせカルナデス」
エマ・カルナデス:「え?」
エマ・カルナデス:スマホの通知を見る。
エマ・カルナデス:「あっ」
柳瀬順吾:「どっかで飲んでから来る場所が、こことはね」 動画編集中
エマ・カルナデス:「ごめん。16時半」
エマ・カルナデス:「間違えてたから、もう来る」
瑛・A・アヴァス:「貴様!!!!!!!!!!!!!!!!!」
乃木清和:「嘘。もうすぐじゃん」
エマ・カルナデス:「だーって、左手で打ち直すの面倒臭かったんだもん」
瑛・A・アヴァス:「柳瀬!バラバラにしてもいいから片付けろ!」
瑛・A・アヴァス:「乃木は配膳だ!!元ホールスタッフならお手の物だろう……サボるな!!!」
柳瀬順吾:「無茶言うなよ~、俺の大事なガラクタがどこにあるかわかったもんじゃないんだぜ~」
柳瀬順吾:言いながらも、のそのそと大きなガラクタは隅に押しのけている。
瑛・A・アヴァス:「もういい!俺がやる!」
エマ・カルナデス:「いい調子。丸く履いたらだいたいなんとかなる」
乃木清和:「今するところだったんだも~ん」ダラダラしている。
瑛・A・アヴァス:ドローンを操り、柳瀬の片付けを手伝わせている。
瑛・A・アヴァス:タンドリーチキンは諦め、献立をカレー風味のピカタに変更したようだ。
瑛・A・アヴァス:「くそっ……屈辱だ……!」
エマ・カルナデス:「大丈夫、美味しいのは変わりない」
乃木清和:「そういえば燻製って届いた?」言いながら手伝いはじめます。
龍神貴好:では、そんなところで、扉がノックされる。
瑛・A・アヴァス:「『Malbolge』のマスターから直々に配達して頂いた。料理談義で盛り上がったが、中々腕がいい……」
瑛・A・アヴァス:「!」
荒崎怜:『すみません。お邪魔してもよろしいですか?』
荒崎怜:アルミサッシの扉の奥から、抑制の効いた涼やかな声が響く。
龍神貴好:「なんかすごい慌ててる気配を感じるんだけど」
瑛・A・アヴァス:「いらっしゃいませッッ!!!」
龍神貴好:「お、おお……入ろう、怜」
エマ・カルナデス:「あー、鍵掛かってないんでどうぞー」
柳瀬順吾:「どーもどーも、いらっしゃっせ~」
龍神貴好:遠慮がちな音がして、扉が開く。
荒崎怜:「では、お言葉に甘えて……お邪魔します」『OPEN』の表札をずり上げ、龍神貴好と荒崎怜が入室する。
乃木清和:「や~ん、病院ぶり~」
荒崎怜:「『Malbolge』の……こちらこそ、御無沙汰してます」ぺこりと頭を下げます。
龍神貴好:「とりあえず、ここに来る前色々話した。僕の体のことも」
エマ・カルナデス:「お久し振りです、荒崎先輩。前より血色良さそうですね?」挨拶に上げた右の袖が、半ばでぺったりと厚みを失っている。
エマ・カルナデス:「あ、話したんだ」
龍神貴好:「ああ。だからそこを誤魔化す必要はないから」
荒崎怜:「……タカくんから色々聞いたので。たぶん、あの『かとつの軒先』の件から考えて」
荒崎怜:「皆さんが、そうなんですよね。……『華吶町のアナーキー』?」
柳瀬順吾:「おお~。名探偵、ここにいたんだ」
龍神貴好:「名ハッカーでもある」得意気
エマ・カルナデス:「ふーん、じゃあ、正体を知ったら消される~、とか考えませんでした?」
瑛・A・アヴァス:「チッ……俺の必死の隠蔽を無駄にしやがって」猫を被る必要がないと解ったからか、毒づく。
荒崎怜:「タカくんが信頼している方々ですよね?」
龍神貴好:隣で頷く。
荒崎怜:「それに、あの日『かとつの軒先』を排除しようとしたことを考えて……」
荒崎怜:「皆さんは一般市民を”守る”立場にいる、と考えるのは自然なことじゃないでしょうか」
エマ・カルナデス:「名推理。拍手する手が足りないのが惜しい所」
荒崎怜:「私を消すつもりなら、皆さんを手伝った直後が一番タイミング的にも適当だと思うので……」
荒崎怜:「私の周囲に妙なことが起きていないなら、『Chill to Shift』の皆さんを信頼しようと初めから決めていました」
龍神貴好:「あれから10日も経つからな」
エマ・カルナデス:「慣れない脅しはするものじゃない。私達はまあ、いわゆる自警組織」
柳瀬順吾:「善良な! 自警組織だよ」
荒崎怜:「それにしては、随分荒っぽいこともしてたみたいですが……」
乃木清和:「私たちが“そう”って言うのは、できたらナイショにしといてほしいな~」
荒崎怜:頷く。「西舘くんにもこちらから釘を刺しておきます」
荒崎怜:「あの日あなた方の事件の隠蔽を手伝ってから、相当調子に乗っているようなので……」
エマ・カルナデス:「そこはまあ……うち、根回しとかで戦う人はあんまりいなくて……」
乃木清和:「何してんだアイツは…」
龍神貴好:「顔は広いからなあ、アイツ」
瑛・A・アヴァス:「チッ……学内のことに関してはカルナデスと龍神と柳瀬の三人で何とかしろ。俺は知らん」
瑛・A・アヴァス:「……飯が出来る。遊びに来たんなら、食っていけ」
エマ・カルナデス:「だから、この間は助かった。……でも、協力を理由に私達も正体を明かした訳じゃない」
エマ・カルナデス:「今日は、龍神リュージンの隣人としてのお付き合い。だよね?怜先輩」
荒崎怜:「はい」かすかに笑う。「恋人がお世話になっているので。そのご挨拶と、お礼も兼ねて」
荒崎怜:駅前で買ってきたバウムクーヘンの箱を手渡す。キャンディでコ―ティングされた、かなり高価なもののようだ。
柳瀬順吾:「やった! バームクーヘンじゃん!」
エマ・カルナデス:「わ。駅前の店ですか?」
乃木清和:「並ばないと買えないとこじゃん~」
瑛・A・アヴァス:箱の店名を見る。「……龍神。お前の交際相手のセンスだが、中々悪くないようだな」
瑛・A・アヴァス:「大切にしておけよ」
瑛・A・アヴァス:完全に土産目当てだ。
龍神貴好:「………いいだろ。僕の彼女」
龍神貴好:「こう言うところいつもしっかりしてるんだぜ」
荒崎怜:「……」僅かに頬が赤く染まっている。
エマ・カルナデス:「うん。龍神リュージンには勿体ない……」首を傾げる。
エマ・カルナデス:「違うか。お似合い?」
瑛・A・アヴァス:そうこうしていると、ドローンが皿を載せてうねうねとテーブルに近付いて来る
エマ・カルナデス:「じゃあ、折角だから食後にみんなで食べよう。ハナブサー、等分に切っといてー」
瑛・A・アヴァス:「お前が切れッ」
エマ・カルナデス:「利き手が……ああ、いや。じゃあ、分かった」
瑛・A・アヴァス:「待て!動くな!俺が切る!!」
瑛・A・アヴァス:「型崩れでもさせてみろ……本当に殺すぞ」
瑛・A・アヴァス:パンナイフとバウムクーヘンを持って台所に引っ込んでいく。
エマ・カルナデス:「過保護め。今から本気出すつもりだったのに」
乃木清和:「……それはそれとしてエマちゃん」
乃木清和:「今日、テンション高くない?」
エマ・カルナデス:「?……私、普段からこんな物じゃない?」
GM:運ばれてきた料理の大皿は、カレー粉とスモークチーズを練り込んだ鶏もも肉のピカタだった。
GM:ビリヤニ風のターメリックライスと、濃厚なドレッシングのかかったサラダが付け合わせとして添えられている。
エマ・カルナデス:「龍神リュージンはどう思う?」とりあえず、第三者の意見を振ってみる。
龍神貴好:「そうだな……ちょっとそわそわ?うきうき?してるように、見えるけど」
龍神貴好:「怜に会えるの、そんなに楽しみにしてたのか?」
荒崎怜:「確かに、少し前と印象が違う」ドローンに驚きながらも、運ばれてきたラッシーをストローで飲む。
エマ・カルナデス:「ふーん……」ちょっと考え込みながら、左手で匙を持つ。
エマ・カルナデス:「落ち着いてみんなで食事を取るの、久々かも。そのせい?」
エマ・カルナデス:「ノギが最近付き合い悪かったからね~」
乃木清和:「うーわ! もう許してよ~」
柳瀬順吾:「へへへへ! その辺にしとけよ。俺、腹減っちゃってさ」
龍神貴好:「まあ色々あったからなー」
乃木清和:「今度一緒にケーキ食べに行こ!ごちそうするから!」
龍神貴好:「おいしそうだよな、相変わらず……」
エマ・カルナデス:「そうね。じゃあ……」食事の合図の前に、合わせる手がない事に気付く。
エマ・カルナデス:GM、提案を一つ。
GM:はい!なんでしょうか
エマ・カルナデス:今回取得した経験点で、《カンビュセスの籤》を1レベルで新たに取得したいです。
エマ・カルナデス:よろしいでしょうか?
GM:許可します。
エマ・カルナデス:「いい加減、不便。練習通り行けるか……」
エマ・カルナデス:追加で、《異形の刻印》を1レベル成長。最大HPを+10してもよろしいでしょうか?
GM:許可します。
エマ・カルナデス:「んしょ」目を瞑って小さく力む。
エマ・カルナデス:ぺったりとしぼんだ右の袖の中で、何かがうごめき、膨らみ、纏まっていく。
エマ・カルナデス:「……よし。とりあえず、これで不便はない」真新しい右手を開いては閉じ、調子を確かめる。
龍神貴好:口をぽかんと開けている。
荒崎怜:「えっ……」「え?」
龍神貴好:「……すごい。まだまだ僕の知らないことがあるな……」
エマ・カルナデス:「お待たせした」
柳瀬順吾:「器用だな~」
エマ・カルナデス:「これで龍神リュージンのご飯もまた作れる」
乃木清和:「ぶっ」
荒崎怜:「ん?」
荒崎怜:「……タカくん?」
龍神貴好:「……その。少なくとも、瑛さんの料理前にして言わなくても良くないか?」
荒崎怜:「エマさんとはそういうのじゃないって、説明してくれたよね」
乃木清和:(疑われてたんか?)
龍神貴好:「そういうのじゃない。本当にそういうのじゃない」
荒崎怜:「でも、ご飯作って貰ったって……おかしくない?」
龍神貴好:「ただ……ちょっと、普通の料理があんまりおいしくなくなってて」
柳瀬順吾:(帰りたいな~)
エマ・カルナデス:「……ん?まあ、食べられる食事の模索はどんどんやった方がいい。それはそれとして、こっちの食事も必要でしょう?」首を傾げる。
荒崎怜:「乃木さん」飛び火。「エマさんとタカくんって……」
GM:何だか空気が重苦しい……
乃木清和:「あっ、はい」
荒崎怜:「私、邪魔な感じですか?」
龍神貴好:「それはない!」
荒崎怜:「そう。よかった」
エマ・カルナデス:「???」
エマ・カルナデス:何やら高次元な会話が行なわれて終わったらしい。
乃木清和:「いいよ、どんどんやって。ウチらこっちで食べてっから…」
柳瀬順吾:「俺は宇宙と一体化して気配を消してるんで、お気になさらず」
柳瀬順吾:「宇宙の虚空に放り出されるイメージ体験が役に立つとは思わなかったが…」
エマ・カルナデス:「待って、なんでそんな除け者にするの。説明してほしい」
龍神貴好:「ごめん。本当にもうちょっとちゃんと説明する。エマさんは誤解を招きやすい表現をよくするから」
荒崎怜:「普通の食事が美味しくないなら、もう少しメニューも工夫するけど……」
エマ・カルナデス:誰も疑問に答えてくれないまま、食事会は進んだ……

エマ・カルナデス:皆が居るリビングを抜け、自室相当の個室へ続く隙間を開く。
エマ・カルナデス:所狭しと積まれたビデオから無地の一つを取り出し、空白の欄にサインペンを滑らせる。
エマ・カルナデス:『トラス4活動日記#00』
エマ・カルナデス:タイトルを書き込んだ、録画されていないそれをデッキに挿し込んだ。
エマ・カルナデス:砂嵐が映される。
エマ・カルナデス:「酷い味だったよ」ソファに腰掛けながら、ぽつりと呟く。
エマ・カルナデス:「実験では、食べて取り込むことはなかったから。2回は御免かも」
エマ・カルナデス:指の間で弄ぶのは、微細な割れた鏡のような結晶。
エマ・カルナデス:《かとつの軒先》との決戦時、ある者が落とした一部だった。
エマ・カルナデス:砂嵐の向こうに、誰かが見えるかのように話しかける。
エマ・カルナデス:「リュージンも、食の嗜好が変わると大変そう」
エマ・カルナデス:「そうは思わない?ミカミ」
GM:……魂は存在しない。死者は蘇らない。
GM:だが、記憶はそこにある。摂食と同調は極めて近しい行為だ。
GM:もしも”スカマンドロス”の一部をエマ・カルナデスがその身に取り込んだことと、
GM:彼女がその身に宿す死者の想念とも呼ぶべき記憶が、わずかに交差したならば。
三上宗助:「好き嫌いが多い奴は大変だぜ」
三上宗助:砂嵐の映る、テレビの上。
三上宗助:腰かけるように、三上宗助がそこにいる。
エマ・カルナデス:「……コシローの話を聞いた時は、半信半疑だったけど」
エマ・カルナデス:「ていうか。折角用意したんだから、映像の方に出なさいよ」
GM:”スカマンドロス”の人格は消滅した。彼が成れ果てた姿である”カレットα”も、もはや『B2*』に凍結されている。
GM:つまり、これは接触を契機とした記憶の混線にすぎないのかもしれない。彼の記憶が、一時的に鏡像として映し出されるだけの。
エマ・カルナデス:だからこれは、きっと"私の中の三上宗助"だ。ただ、納得のための儀式。
エマ・カルナデス:そう理解した上で、親し気に言葉を続ける。
三上宗助:「相変わらず、注文が多い奴だな……」
三上宗助:「お前みたいのを支えられるのは、俺しかいないと思ってたはずなんだけどな」
三上宗助:嘘だ。”スカマンドロス”は最後に、誰かにエマ・カルナデスを託す道を選んだ。
エマ・カルナデス:「だったらきみの記憶を消せば万事よし、なんてのは無責任すぎたんじゃない?」
エマ・カルナデス:「まあ、お生憎様だったね。私って、意外と根に持つタイプなの」
三上宗助:「お前ら、俺のこと大好きだっただろ? 死んじゃったことなんか覚えてたら、悲しくて悲しくて」
三上宗助:「……化け物になっちゃうぜ!」
エマ・カルナデス:「ハナブサもだけど、過保護すぎる、君たち」
エマ・カルナデス:「『チャーリー・パーカーが伝説的なジャズ奏者になれたのは何故か?』」有名な映画の一節だ。
三上宗助:テレビの上に胡坐をかき、きみの言葉を待つ。
エマ・カルナデス:「……そうだね。きみは私達みたいに、たくさんの映画を見たり、撮ったり出来なかった」
エマ・カルナデス:「意地悪な質問だったね。答えは、『下手な演奏にシンバルを投げつけられ、屈辱をバネにしたから』」
エマ・カルナデス:「もちろん、悲劇や挫折なんてない方がいい。でも、起きてしまったことを忘れるのは……私は好きじゃない」
エマ・カルナデス:「……まあ!これはカレットαのきみにも言ったこと。何度も繰り返すのは野暮」
エマ・カルナデス:「こうやって会いたかったのは、もう一つ、整理を付ける必要があったから」
三上宗助:「聞かせてくれよ。家族の話を聞くのは、”スカマンドロス”の仕事だからな」
エマ・カルナデス:「ちょっと前までの私は、自分の何もかもが好きじゃなかった」
三上宗助:「……そうだろうな。知ってるよ」
エマ・カルナデス:「生かされた身も。与えられた名前も。なのに、自分を変える事も出来ず、君達の方うしろばかり向いてた」
エマ・カルナデス:「でも……最近は」
エマ・カルナデス:「私の周りにいる人が、ちょっとずつ、前を向かせてくれたように思う」
三上宗助:「そっか」微笑む。「普通の生活は、悪くないか?」
三上宗助:「仕事して、勉強して、家族とバカやって、恋愛して」
エマ・カルナデス:「恋愛は知らないけど。まあ、悪くない」
三上宗助:「だったら」
三上宗助:「柳瀬の翻案は成功だったってことだな」
エマ・カルナデス:「そう。そこ」
エマ・カルナデス:びっと指差す。
三上宗助:「”戦うな!偽ストローマン”」
三上宗助:「おれは悪くない映画だと思うけどね。何か不満でも?」
三上宗助:背を伸ばす。あくびをする。
エマ・カルナデス:「何も知らない無傷の私なんてごめん。これも何度も言った」
エマ・カルナデス:「だから……"忘れて普通に生きろ"なんて、散々私を悩ませてくれた君に、ひとつ復讐してやる」
エマ・カルナデスタイタス:「トラス4戦没者」をSロイスに指定。効果は使いません。
エマ・カルナデス:「忘れてやらない」
エマ・カルナデス:「君の思い通りになんてならずに、きみを抱えたまま幸せになってやる」
三上宗助:「船板を墓碑にしても、腐ってくだけだぜ」
三上宗助:「断言してやる。きっと、めちゃくちゃ辛い航海になる」
三上宗助:「それでもやるのか? エマ・カルナデス……」
エマ・カルナデス:「板が腐ったら、次は藁でも掴めばいい」
エマ・カルナデス:「……君が見た未来のエマ・カルナデスは、そのぐらい格好いいやつなんでしょう?」
エマ・カルナデス:「じゃあ、私もそう信じる」
三上宗助:「……」エマの頭に僅かに手を伸ばし、止める。
三上宗助:「新作を思い付いた」
三上宗助:「次の題名は、”幸せになれ、偽ストローマン”だ」
三上宗助:「これでいこう」
エマ・カルナデス:鼻で笑う。
エマ・カルナデス:「ダッサ」
三上宗助:テレビから飛び降りる。ぐっと伸びをし、扉を開ける。
三上宗助:「柳瀬に聞いてみろ。絶対いいって言うから」
三上宗助:「じゃあ、エマ。家族によろしく」
エマ・カルナデス:「ヤナセに伝えとく。”タイトルは五十歩百歩だった”って」
エマ・カルナデス:「うん。じゃあ、……」締めの言葉を迷い、しかし笑顔で続ける。
エマ・カルナデス:「また」
GM:答えず、三上宗助は笑った。扉がわずかに開いたような音だけがする。
GM:ビデオは砂嵐だけを映し出している。最初から。

【Ending04】乃木清和

9月14日 19:34 / 華吶町外 「ホテル・ストゥーバ」

GM:華吶町における『B2*』の任務は、失敗とも成功とも結論づけられない評価に収まっていた。
GM:『アウトカスト』の撃滅には成功し、”カレットα”についても凍結処理までを実行したものの、
GM:主要な構成員である椎原瑠々の行方は不明。「華吶町のアナーキー」に関しても、明確な協力関係を敷くことはできなかった。
GM:つまり、即応牽引カテゴリとしての役割を達成することはできなかったと言える。
矢神秀人:ホテルから、髪を撫でつけたスーツ姿の矢神秀人と、
坂城忠人:常通りの装いの坂城忠人が出て来る。
矢神秀人:「いや~~、怒られちゃったね、坂城サン」
矢神秀人:「いつも人を煙に巻いてばっかりいるから、皆鬼の首を取ったみたいに責めてくるんだよ」
矢神秀人:「これに反省したらせいぜい日頃の言動を見直せば? ははは!」
坂城忠人:「そうですね。今回の件は、我々が無意識に抱いていた驕りを見直すいい機会にもなりました」
坂城忠人:「とはいえ」ぺらり、と書類を渡す。七咲支部における新規チルドレン育成計画だ。
坂城忠人:「今回手をこまねいていたUGN本部の責任を被る形で、”イェニチェリ”の大半をこちらで引き受けることはできました」
坂城忠人:「どこの支部にとってもコストのかかる部分を率先して対応することで、あちらとしても矛を収めざるをえませんし」
坂城忠人:「我々はFHセルのやり方を知っている貴重なチルドレンを確保できます。きみのようなね」
”ウンブラツイン”:「政治手腕があるんだか、苦労性なんだか……」
矢神秀人:「……相変わらず回りくどいやり口が好きな奴だね。”バニティ”に悪い影響を与えてるの、やっぱり坂城サンなんじゃない?」
矢神秀人:「じゃあ僕は帰るから。如月サンもたまには付き合えば?」
矢神秀人:「仲間同士親交を深める良い機会だろ? ははは!!」
”ウンブラツイン”:「………そうね。そういうのも、たまには悪くないかもしれないわね」
矢神秀人:「ちっ……何で僕が譲歩されたみたいになってるわけ?」
矢神秀人:誘った側なのに露骨にイヤな顔をする。
”ウンブラツイン”:「貴方のその態度が改まるとは思えないし…… 今後見習いの増員があるわけでしょう。飴担当は私が担う必要がありそうで…… 練習を、しないと」軽く頭を抑えながら去っていく。
坂城忠人:にこにこ微笑んで二人を見送る。
坂城忠人:反対方向。ホテル前のロータリーに泊めてあったスモークガラスの公用車に近付く。
坂城忠人:「終わりました。七咲支部までお願いできますか?」
坂城忠人:「今日は少し疲れました。隊の人間関係が良化しているのは喜ぶべきことですが……」
乃木清和:すると運転席からニヤニヤとした声がする。「じゃあこの車内でリラックスしていってくださいよ」
乃木清和:「ど~も~。びっくりした?」
坂城忠人:「……」にこにこと微笑んでいる。「ええ。かなり」
乃木清和:「矢神くんと二胡ちゃんも送ってくつもりだったんだけどな。まあ、あとで連絡すればいいや」
乃木清和:坂城さんを乗せ、公用車が出発する。
坂城忠人:「二人に知らせるのはやめておきましょう。中々ユニークな登場ですし……驚かせたくありません」
乃木清和:「支部に行ったら、ちょうど車が出るとこだったからさー。代わってもらっちゃった」
GM:ブランドショップや遊歩道、公園が立ち並ぶ洗練された街並みを、滑るように車は走っていく。
坂城忠人:「そうですか……”休暇中”のエージェントがいきなり帰還してきたら、まずはなりすましを疑って欲しいものなんですが」
坂城忠人:「そういうやり方をするということは、本物みたいですね」
坂城忠人:革のシートに身を委ね、くつろいだ様子だ。ジャケットの上は既に脱いでいた。
乃木清和:ちらりと坂城さんを一瞥する。
乃木清和:「“休暇中”ってそんなに重いことになってる?」
坂城忠人:「いえ。当然ですが、あなたの……やんちゃを知っているのは、『B2*』だけです」
坂城忠人:「それくらいの配慮はさせて下さい。戻る席自体は、七咲支部にも開けてありますよ」
乃木清和:「あはは。やんちゃ」
坂城忠人:「如月さんに関しても信用していいでしょう。矢神くん……は、少しお喋りなところがあるので不安ですが」
乃木清和:「二胡ちゃん、良い子だよね~。矢神くんは…」
乃木清和:「そういえばあの時、なんか言われたんだけど」
坂城忠人:「何か言ってましたね」含み笑い。「聞かせて頂いても?」
乃木清和:「え~、なんだっけかな…。能力だけの女って褒められて…」
乃木清和:「影響力を考えろって言われた」
坂城忠人:「残念ですが、私も概ね同じ意見です」全く残念がっていなさそうな顔だ。
坂城忠人:「能力”だけ”か、に関してはノーコメントですが……後半の部分は特にそうですね」
乃木清和:「ちょっと離反しただけじゃないですか~」
坂城忠人:「ははは……」
坂城忠人:「乃木さん自身は、どう考えていますか?」
乃木清和:「何よ」ムズ痒そうなしかめっ面をする。「どうって?」
坂城忠人:「そのままの意味です。自分がもしも、”何かを変えられる”ような人間だと解った時……」
坂城忠人:「どのように振る舞うか。私には、それが最も興味深い事柄ですね」
乃木清和:「ん? ん~……」
乃木清和:交差点。ゆるやかに停止する。
乃木清和:「…変えられるんだから、変えたいところを変えるかも」
乃木清和:「今回の件で、ずっと感じてたことがあってさー」
坂城忠人:サイドボードに肘をつく。視線で続きを促していることがわかる。
乃木清和:「トラス4の皆は、UGNにたいして良い印象を抱いていない。境遇を考えれば当然なんだけど…」前を向いたまま話す。
乃木清和:「これ自体は前にも話したね。皆はUGNに、その存在を無視されたことがある…っぽい。というか、彼らの研究にすら、UGNが関りを持っていたっぽい」
坂城忠人:「”アダムカドモン”や、”ノヴァリス”のような都市伝説ですね」
坂城忠人:「……ですが、あなたはそうではないと考えている」
乃木清和:「私達は、私達が掲げている盾をそんな脆いものだと思っていないでしょ?」
乃木清和:楽しげに笑う。「ここにはこんなに良い子たちがいるのにって、それこそ無視されたくないじゃん」
坂城忠人:「正しく」にっこりと微笑む。「ですが、どんな武器にだって些細な傷や綻びはあるものです」
乃木清和:「武器磨きは得意なんで」
坂城忠人:「勘弁してください……”オッドボール”に殴られた時は、すごく痛かったですよ」
坂城忠人:「ですが、確かに」言葉を切る。「盾の手入れをするには、裏側から構造を覗く必要があるでしょうね」
乃木清和:「ふふっ…。別に、今から大きく何かを変えれるとは思ってない。でも、内部にいないと見つけられないものはあるはず」
乃木清和:目くばせする。「同じこと言った」
坂城忠人:「やはりあなたはやり辛い」唇を尖らせる。「あまり優秀な部下を持つと、重圧を感じるんですよ。これでも」
乃木清和:「え~? 鉄面皮に見えてますよー」車はするすると街の中を走っている。
乃木清和:「……馬鹿にされるくらいきれいごとを言っているやつが」
乃木清和:「良い子ちゃんが一人くらいいた方が、バランスが取れるなって思ったの」
乃木清和:「しばらくそうやって過ごそうかと。道化師らしい?」
GM:優秀な能力と、破綻した理念。
GM:”バニティ”は潜入捜査官として特筆すべき資質と異常を同時に抱えている。
GM:だが、その事実が……彼女の内面において、矛盾なく同居しているとすれば?
GM:正義の味方でありたい。世界を守りたい。それはUGNとしては根本的に破綻していて、同時に普遍的な願いだ。
坂城忠人:「道化なんて言わないでください。”バニティ”」
坂城忠人:「きちんと見えていますよ。正義の味方らしくね」
坂城忠人:「……では、七咲支部長としてUGNエージェント”バニティ”に新たな辞令を下します」
乃木清和:「どうぞ、”リセ”支部長」
坂城忠人:「再び華吶町に潜入し、『トラス4』監視を継続すること」
坂城忠人:「ただし、監視対象は……『トラス4』の人員だけではなく」
坂城忠人:「『トラス4』計画そのもの・・・・に拡大します」
坂城忠人:「くれぐれも、任務の悪質な解釈は行わないように。いいですね?」にこりと笑う。
乃木清和:「さあ…」左手の薬指に、いつでも指輪は光る。
乃木清和:「そればかりはどーも、期待されると裏切っちゃうからな。なんてね?」
GM:夜の街を車は音もなく走る。坂城忠人の手が、カーナビの行き先に「華吶町」を設定した。

【Ending05】柳瀬順吾

9月15日 13:34 / 華吶町立寄咲大学正門前 路上

柳瀬順吾:「いいか諸君! この映画は勢いが肝心だッ!」
GM:『アウトカスト』の一件を経て、柳瀬順吾には得たものが二つあった。
GM:一つは映画を撮影するだけの平穏。そしてもう一つは……
椎原瑠々:「か、監督の言う通りです! 撮影、頑張っていきましょう!!」
西舘雅也:「つってもなあ……まだ何撮るかも知らされてないんだぞ」
柳瀬順吾:「うん!いい返事だね~椎原クン! きみの存在はとても重要なものになる!」
柳瀬順吾:「あ、そうだっけ? まあ何撮るか知らなくてもなんとかなるんだけど……じゃあタイトルだけ」
柳瀬順吾:「この映画は……『超絶的無敵的スカマンドロス仮面必殺拳・NGシーン集』だッ!」
柳瀬順吾:「7割がNGシーン集とインタビューだけで構成された意欲的な作品だからねッ!」
西舘雅也:「アホか!!企画倒れだろ、そんなのは!!」
西舘雅也:「映画のタイトルに”シーン集”ってつけて良いと思ってんのか!?」
柳瀬順吾:「大丈夫だ! というか、予算と演者の練度的にこれがベスト!」
柳瀬順吾:「思いっきりスタッフが映りこんだり、ワイヤーが見えても、失敗してもOK! NGシーン集だから!」
”ブラック・ブロック”:「まあまあ、そんなこと言わずにさ……」ぽん、と背後から西舘の肩を叩く。
”ブラック・ブロック”:「超面白そうじゃん。私は是非参加したいね」
”ブラック・ブロック”:「平和な映画になりそうだ」
西舘雅也:「俺の役者としての初デビュー、”これ”なの??」
柳瀬順吾:「派手なNGシーンの連発である前半、徐々にそれが連作のショートエピソードであり、主人公スカマンドロス不在の撮影であることがわかってくる中盤……」
柳瀬順吾:「そして倒叙トリックを絡めた終盤で、オチ! これだッ」
柳瀬順吾:「ブラックブロックもわかってるじゃ~ん。ちょっとは。多少。若干」
”ブラック・ブロック”:「つれないなあ。きみの映画の一番のファンを自称してるんだけど……」
”ブラック・ブロック”:「でも気に入った。特に主人公の造形がいいね」ぺらぺらと脚本を読んでいる。
椎原瑠々:「だ……大丈夫です! 映像がごっちゃになっても、私がちゃんとサルベージするので!」
柳瀬順吾:「おっ。わかる~? 脚本いないから、仕方なく俺が書いたんだよね!」
柳瀬順吾:「脚本コースの人にめちゃ手直しされたけど……」
西舘雅也:「当たり前だろ! 主人公以外の周辺人物の大半が記憶喪失なんて、どんなクソ脚本だよ」
柳瀬順吾:「そこが肝なんだよッ! ミステリアスだから!」
西舘雅也:「まあいいや……これが西舘様の伝説の第一歩だ。よし柳瀬! 撮影行くぞッ!」
柳瀬順吾:「うん。じゃあ、西舘はこっちの着ぐるみね」
西舘雅也:「え? 着ぐるみ?」
西舘雅也:「なんで?」
柳瀬順吾:ミルメコレオの着ぐるみを指差す
柳瀬順吾:「今回の撮影スタッフの中で一番TOUGHなのが……西舘! きみだ!」
”ブラック・ブロック”:「ま、まさかそれは!」
”ブラック・ブロック”:「伝説のウエスタンムービー……”四奇夜行ファイナル”に出て来たミルメコレオのオマージュ!?」
”ブラック・ブロック”:「タランティーノやスコセッシも手本にしたという、あの……」※してません
柳瀬順吾:「ふっ。ご存じか、ブラックブロック! いや~、似せるのに苦労したぜ」
柳瀬順吾:「結果、なんか……合成妖怪みたいになっちゃったけど……」
GM:周囲の大学生は、触れてはいけないものを見るような目線で君たちを見ている……
西舘雅也:「顔が見えねえだろうが~~~~ッ!!」
柳瀬順吾:「でも、これ着てないと危ないよ」
柳瀬順吾:「この着ぐるみは4mからの落下で無傷であることが証明されているからね」
西舘雅也:「やめてくれよ……この間クソ怖いおっさんからの逃亡劇やったばっかりなんだからさ」
柳瀬順吾:「あれは劇じゃなかったけど、今回は劇だから大丈夫だよ~」
西舘雅也:「じゃあ大丈夫か……」
西舘雅也:「ん? 騙されてない?」
”ブラック・ブロック”:「まあまあ。むしろ着ぐるみで名演を飾れば……演技力が評価されるかもよ?」
柳瀬順吾:「そうそう! ブラックブロックには、こっち……」
”ブラック・ブロック”:「おっ!きたきた」
”ブラック・ブロック”:「さ~て、どんな素敵な衣装が……」
柳瀬順吾:「背負って運べるように改造したピッチングマシーンを用意したから」
”ブラック・ブロック”:「なんで?」
柳瀬順吾:「ヒロインとして、これを装着して……西舘を追跡し、ピッチングしまくってくれ」
椎原瑠々:「バカウケ間違いなしですよ!」
柳瀬順吾:「ミルメコレオの着ぐるみがあれば、20発まで無傷で耐えられることがわかっている」
”ブラック・ブロック”:「あの……」「確認するけど」
”ブラック・ブロック”:「本当に私ヒロインなんだよね?」
”ブラック・ブロック”:「めちゃくちゃ怖い役やらされてない??」
柳瀬順吾:「いや、なんかぁ……」
柳瀬順吾:「ジャッキーのカンフー映画見てたら、ごろごろモノが転がってるところで、派手な追跡劇するのって……」
柳瀬順吾:「すっげ~NGシーン集ぽいなって思って……」
柳瀬順吾:「ヒロインがその大役を担うべきだって確信したんだよ」
”ブラック・ブロック”:「じゃあまあ、いいか……」華奢な体躯に見合わない膂力で、ピッチングマシーンを背負う。
柳瀬順吾:「おっ! 悔しいけど、似合ってるじゃん……」
柳瀬順吾:「ドクター・オクトパスみたい……」
西舘雅也:「柳瀬。お前……」
西舘雅也:「俺なんかよりよっぽど向いてるんじゃねえ? ホストとか……」
西舘雅也:「あんな騙されやすい姫見たことないぞ」
柳瀬順吾:「何を言ってるんだ」
柳瀬順吾:「ここには本気の映画監督と演者とスタッフしかいない!」
柳瀬順吾:「騙すのではなく……本気だよ~」
西舘雅也:「そ、そうか……なら俺も覚悟決めないとか……」
西舘雅也:「よし!!ここからが役者人生の一歩だ!!」
西舘雅也:「見ててくれ!!師匠ォーーーッ」
西舘雅也:ミルメコレオの着ぐるみを装着し、のたのたと走り出す。
柳瀬順吾:「師匠は見るかな~……まあいいか」
柳瀬順吾:「椎原クン! きみにも重要な役割がある」
椎原瑠々:「はい!何でもお申しつけ下さい、監督!」
柳瀬順吾:「宣伝係なのはもちろんとして、この映画の核心に迫るインタビュアーの役をやっていただく!」
柳瀬順吾:「画面には映らず、質問を投げかける役……椎原クンにはその適性があるッ」
椎原瑠々:「わ、私がそんな大役を……!」
柳瀬順吾:「てことで、まずは俺にインタビューしてもらえる? あの~……」
柳瀬順吾:「”スカマンドロス”とはなんだったかってことを」
柳瀬順吾:「これがカメラね。手ブレしまくっててもいいから。……頼めるかね?」
椎原瑠々:「わ、わかりました! リスナーさんとのコミュニケーションで鍛えたコミュ力、今ここで発揮します!」カメラを受け取って。
椎原瑠々:「……はい。私も、彼のことは……三上さんのことは気になりますから」
柳瀬順吾:「うん」
柳瀬順吾:「じゃ、撮影……開始!」
●REC:====
●REC:猫耳をつけた赤い髪の少女が、ハンディカムを覗き込む。彼女がこの映画のナレーターのようだ。
●REC:カメラが回り、柳瀬順吾を映し出す。大学の喧噪が流れていく。
ナレーター:「……”スカマンドロス”って、一体なんだったんでしょう」
柳瀬順吾:「ああ。世間じゃヒーロー扱いだよな。実際、そうなのかもしれないね……」
柳瀬順吾:「俺もあいつに助けられた一人だよ」 パイプ椅子にもたれかかったまま、答える。
ナレーター:「実在を疑う人もいます」
柳瀬順吾:「とんでもねえ……不在だったらどんなによかったか!」
柳瀬順吾:「あいつはたしかに実在した。そこんところが、悲劇だと思うね」
ナレーター:「消えてしまった英雄に報いることはできないと?」
柳瀬順吾:「まー、そうだな。あいつのために空けといた席は、当分空席のまんまだし……」
柳瀬順吾:「なにより、あいつは普通すぎたよ」
柳瀬順吾:「ヒーローなんてガラじゃねえのにさ。誰かが止めりゃよかったって思う」
ナレーター:「だとしたら、彼に対してできることはなくなってしまったのでしょうか?」
ナレーター:「……そんな結末は、あんまりだと思いますが」
柳瀬順吾:「いいこと言うねえ」
柳瀬順吾:「できることは、ないと思うよ。もういないんだ。主演だったのにな」
柳瀬順吾:「ただ……」
柳瀬順吾:「残されたやつらと、あいつのことを知らないやつらに、こうやって語ること」
柳瀬順吾:「あいつ以外のみんなに対してなら、できる。……結局……」
柳瀬順吾:「そういうことこそが、スカマンドロス仮面自身の望みでもあったんじゃねえかなって」
柳瀬順吾:「俺は思います」 カチ。ボールペンをノックする。
柳瀬順吾:インタビュー終了の合図だった。
●REC:====
”ブラック・ブロック”:ピッチングマシーンを背負った女が、ミカン箱に腰かけている。
柳瀬順吾:「よお。そいつの操作、慣れた?」
”ブラック・ブロック”:「人を撃つよりよっぽど難しいね」
”ブラック・ブロック”:「普通じゃないな。こんなものを操れるやつはさ……」
柳瀬順吾:「はは! そういやあんた、射撃型か」
柳瀬順吾:「ヘンテコなキャラクターだよな~」
”ブラック・ブロック”:「残念ながら、現実は映画みたいに全てのできごとに整合性があるってわけじゃないんだよね」
”ブラック・ブロック”:「ヒーローが意味もなく死ぬこともある。悪役が意味もなく生き残ることもある」
”ブラック・ブロック”:「理不尽。理不尽、理不尽……」
柳瀬順吾:「意外だな。あんたが、そう思うタイプだったなんて」
”ブラック・ブロック”:「”スカマンドロス”を見送ったのは私だからね」
柳瀬順吾:「……そうだったん?」
”ブラック・ブロック”:「厳密には、最後に『確保派』の連中に打って出るのを見た、ってだけだけど」
”ブラック・ブロック”:「絶望的な望みだけど、どこかで生きてると思ってた。またきみとの共作が見れるって楽しみにしてたよ」
柳瀬順吾:「その状態になったやつって、絶対助かるもんだけどな」
柳瀬順吾:「現実は脈絡のあることしか起こらない」
”ブラック・ブロック”:「……きっと、それだけじゃないさ。今回の件は久しぶりにスカッとしたよ」
”ブラック・ブロック”:「映画みたいだった」
柳瀬順吾:「お楽しみいただけたなら、俺たちも嬉しいね」
柳瀬順吾:「なんか意味のあることした気がするからさ」
”ブラック・ブロック”:「分裂と別離を経た主人公たちが、最後には結束し、悪党を倒す……」
”ブラック・ブロック”:「いいお話ってのはこうでないとね」
”ブラック・ブロック”:「少年。なんで私がきみに付きまとうか、教えてあげようか」
柳瀬順吾:「一応、参考までに聞いとくよ、姐さん」
”ブラック・ブロック”:「きみが現実にムカついてるからさ」
”ブラック・ブロック”:「うんざりしてる、と言ってもいい」
”ブラック・ブロック”:「だからきみは、映画では嘘をつかない……一度も」
柳瀬順吾:「ひでえ!」
柳瀬順吾:「思春期の子供みたいじゃんか」
”ブラック・ブロック”:「そう・・だろ」乱暴に頭を撫でる。
”ブラック・ブロック”:「予言してあげよう。今回の映画は『戦うな!偽ストローマン』を越えるはずさ」
柳瀬順吾:「ふっ」 撫でられたまま、腕を組む。
柳瀬順吾:「毛むくじゃらの動物撫でてるみたいで、セラピー効果あるだろ?」
”ブラック・ブロック”:「つけあがるなよ」脛を蹴る。
柳瀬順吾:「いて! 未来の超監督の脛を……蹴れるのは」
柳瀬順吾:「あんたぐらいだって言ったら図に乗ってきそうだからやめとこう」
柳瀬順吾:「カウンセリング、ありがとよ」
”ブラック・ブロック”:「よく解ってるじゃないか」スムージーを手に、立ち上がる。
”ブラック・ブロック”:「まさか。私はきみたちの言う、現実に抗う物語ってやつが好きだったのさ」
”ブラック・ブロック”:「これは単なる追っかけ行為さ。ジュンゴ・アイアンボルト」
柳瀬順吾:「俺もまあ、嫌いじゃない」
柳瀬順吾:「あんたみたいな観客がいてくれてよかったよ」 カフェオレを飲み干し、歩き出す。
”ブラック・ブロック”:「ははは……戦争の最中に撮られた映画は、ろくでもないって相場が決まってるんだ」反対方向に歩いて行く。ピッチングマシーンは背負ったままだ。
”ブラック・ブロック”:「やっぱり平和がいいよ」

Pipa's song【名】(-)
①19世紀イギリスの劇作家、ブラウニングの詩。
 「春の歌」を指す。「すべて世はこともなし」の結びで有名。

柳瀬順吾:(つまるところ)
柳瀬順吾:(どんなものにも、終わりがくる)
柳瀬順吾:(秩序はやがて混沌に飲み込まれるし、狂騒もいつかは落ち着く)
柳瀬順吾:(……ただ、それだってやっぱり永遠には続かない……)
柳瀬順吾:指を鳴らす。イージーエフェクト《タッピング&オンエア》を使用する。
柳瀬順吾:学内のあちこちのスピーカーから、音楽が流れ始める。
柳瀬順吾:「というわけで……」
柳瀬順吾:「エンドロール。そしてto be continueだ」
GM:――ガシャン!! どこからか発射されたボールが、レンズを砕く。
GM:画面が暗転する。

Truss【名】[trˈʌs]
①建築分野における、橋梁、構造体。
②鉄塔。
③(干し草、藁などの)束。

【Teaser Trailer】

昨日と同じ今日。今日と同じ明日。
日々は繰り返し時を刻み、変わらないように見えた。
しかし――きみたちの知らない所で、世界は既に変貌していた。

『リプレイ:アナーキー』
▶▶To be Continued……

GM:以上で『リプレイ:アナーキー』の全工程を終了します。
GM:お疲れさまでした。またの上映をお楽しみに!
乃木清和:おつかれさまでした!ありがとうございました~!
エマ・カルナデス:皆様、ご視聴、ご共演ありがとうございました。またの御縁があれば是非!
柳瀬順吾:お疲れ様でした!終わりなのが信じられない!
龍神貴好:本当にありがとうございました。To be Continued!またいつかお会いしましょう!