『一夜二人転・安東邑と木場田つぐみの場合』 GM:優水

本編ログ|雑談ログ

登場PC

PC:安東邑キャラシート(PL:カムリ)
PC:木場田つぐみキャラシート(PL:嗣子)

目次

オープニング

GM:君たちはあるジャームを追っている。
GM:『逆行』の力を持つジャームだ。それを捕まえれば、レネゲイド治癒のための研究は大きく前進する。
GM:獣の姿をしたソレは、駆けて、駆けて───君たちはついにソレを追い詰めた。
安東邑:「よし……や~っと捕まえられそうだ。ごめんだけど、ちょっと大人しくしてくれ」
木場田つぐみ:「さて、あまり手荒にやると色々煩いからな。手間がかかったよ、まったく」
”リワインド”:「ウゥウ〜〜〜…」
安東邑:「あ~……ごめんね先輩。一般人に被害出すわけには行かないからさあ」
木場田つぐみ:レネゲイドによる単純時間遡行は、それに素質あるものでも数秒程度が限度だ。だからこそ、こういう形式のものは非常に希少。
安東邑:それを捕まえるのに、人目につかないように針路を誘導しつつ、確実に追い詰めたのはつぐみ先輩だ。
木場田つぐみ:その補助として、大味になりがちな自分の勢子として動いてくれたのが安東くんだ。もうだいぶ慣れてきたんだろうな、と思う。
木場田つぐみ:「別に構わないさ。あっちからすりゃ、寧ろ望外なくらい甘い処置だぜ」
安東邑:「つっても、こいつだってなりたくてジャームになったわけでもないだろうしな……苦しまずに済むんなら、その方が良いよ」
安東邑:「じゃあ、捕まえて帰ろうか。今日のご飯何が良い?」ぞるり、とうなじを突き破って黒い触手が飛び出す。
木場田つぐみ:「ま、感傷は後でいい。きっちりやるぞ」
木場田つぐみ:「そうだな……カレーとかでも皆と一緒に作るのもいいかも」
安東邑:「うっす。よろしく、先輩」
GM:では───君たちが攻撃を仕掛けようとした、その時。
”リワインド”:「ガアァアアアアッ!!」
木場田つぐみ:詠唱を口にしようとして。「、むーー」
安東邑:「先輩伏せて!」触手を展開し、盾のようにぶつける。
”リワインド”:その盾の外側から、何かが回り込み
”リワインド”:暗闇が、覆う。
”リワインド”:木場田つぐみを。
木場田つぐみ:あえて仰向けに倒れるように。目と口は敵に向けたままでないと己の対処は遅れる。ましてや、自分だけでなくて誰かと一緒なら。
安東邑:「――やめろ!その人に、触るな――」
木場田つぐみ:「--」ずる、と伸ばそうとした影がその闇と混ざるように。
”リワインド”:その暗闇の中で───木場田つぐみの意識は薄れる
GM:そして。
GM:暗闇はするりと抜けると、また獣の姿をとり、走り去っていった《瞬間退場》
木場田つぐみ:(、ぁ)頭に過ったのは、後悔というより。(……たべそこねたかなあ)
木場田つぐみ:そんな、小さいことだった。

GM:倒れた木場田つぐみの姿は、
GM:少し、変化していた。
木場田つぐみ?:髪の色などに変化があるわけではない。
木場田つぐみ?:それでも、きみには別人にしか見えないはずだ。なにせ、
木場田つぐみ?:流していた髪は後ろでまとめられて、コートを着ていたはずの服装は、緑色を基調にしたセーラー服だろうか?そうした服装に変わっている。
木場田つぐみ?:なにより、どこか幼い。
木場田つぐみ?:「………ぅ、んん………」
木場田つぐみ?:目は閉じたまま。寝起き前のような声。
安東邑:「――先輩!」そんなつぐみ先輩を、切羽詰まった響きで呼ぶ声がする。
安東邑:「……大丈夫?怪我は?どこも変なところない?」温和ながらも、端正な顔立ちの青年だ。深刻な表情で、あなたを見つめている。
安東邑:(……しくじった。身体ごと直接庇うべきだった)
木場田つぐみ?:うっすらと細く瞼が、君の声に反応して開いていく。
木場田つぐみ?:色合いは変わらない、赤みを帯びた灰色で。
木場田つぐみ?:「……………ぅえ?」
木場田つぐみ?:「え、え。こ、ここどこです?」
安東邑:(って言うか、気付かなかったけど色々変わって……)
安東邑:「えっ?何?どこって……マジ?」
安東邑:「ちょっと待ってね。おれのこと、解ります?」
木場田つぐみ?:きょろきょろと周りを忙しく見渡す彼女の瞳は、以前の彼女のような強い諦観やそうした乾きがない。
木場田つぐみ?:「え?いや、え?な、なんです?新手のナンパとかそう言うので……?」ずりずりと身体を下げる。
木場田つぐみ?:「いや、え?本当になんなんですこれ……?」
木場田つぐみ?:ものすごく混乱している。
木場田つぐみ?:まるで、普通によくいる高校生の女の子のような。
安東邑:「いや違う!心配させてごめんね!」
安東邑:ずざざざと後ずさる。
木場田つぐみ?:「は、はあ……?」
安東邑:「とりあえず……体に異常とか。ないかな?だいじょうぶ?」打って変わって、真剣な面持ちで。
木場田つぐみ?:「あ、は、はい…?心配してくださるのは、その。ありがたいんですけど」
木場田つぐみ?:「……どなたです?」
安東邑:「だよなあ~」肩を落とす。
木場田つぐみ?:彼女の声も、今までのそれとよく似ているけれど、やはり違う。
木場田つぐみ?:きみは、もし彼女に妹か何かがいたら、ぴったりだと思うかもしれない。
安東邑:「……おれは、安東邑。N大の生徒って言えば、解るかな」挙げたのは、都内にあるかなりの偏差値の文系大学の名前だ。
木場田つぐみ?:「え、そこの人なんですか。じゃあ、何かぼくが倒れたりして迷惑でもかけました…?」少しだけ警戒を解く。
安東邑:(多分……さっきのジャームの力だ。となれば、混乱させるのはまずい)
安東邑:(ここは、ある程度端折ってジャームのことだけ話そう。ファケアノスの諸々のことを言っても、おかしい奴と思われるのがおちだ)
安東邑:「いや……まあ、そんなもんかな」弱く笑う
安東邑:「一応、きみの名前も聞いて良いかな?こっちは自己紹介したことだし」
木場田つぐみ?:「はあ……それはご迷惑をおかけしました。なのに疑ってすみません」丁寧に頭を下げる。
木場田つぐみ?:「あ、そうですね」ようやく立ち上がり、服の汚れを払う。
木場田つぐみ:「県立KT高校の、木場田つぐみと申します。よろしくお願いしますね」にこりと笑いながら。
安東邑:「……木場田、つぐみ。つぐみ、ね」少しだけ、寂しそうに言う。
安東邑:まだ彼女が、”カーマ―ゼン”ではなかった頃。昨日と同じ明日を、無邪気に信じていられたころ。
木場田つぐみ:「……?親しい人に、似た名前の人でもいました?」少し上目遣いに、丸く大きな瞳が光を反射している。
安東邑:「うん。大切な人なんだ」
安東邑:「すごく」
木場田つぐみ:「あ、なるほど。じゃあ、あまりご迷惑かけるわけにもいかないかな…」財布とか携帯を漁っている。
木場田つぐみ:「………んん??」
安東邑:「……いや、良いよな。おれのことは……ごめん。そうだね、連絡を……」
安東邑:(……連絡を?どこに?セルの皆に?親御さんに?)
木場田つぐみ:「え、おかしいな。きちんとここに入れてたのに……定期も入ってないし、現金も全然ない。しかも何だこのスマホ…馬鹿みたいにロック掛けて…?」
木場田つぐみ:「…………すみません、安東さん」
安東邑:(くそ。何やってんだ、おれは――)
安東邑:(全部もとに戻って、先輩が日常に帰れればなんて)悲痛な顔で見ている。
安東邑:(あるわけないだろ。そんな、物語みたいに都合良いこと)
木場田つぐみ:「え、あ、何かしました……?」
安東邑:「……ううん。きみのせいじゃない、大丈夫。何でもないよ」
安東邑:「でも、そっか。携帯使えないんだな、やっぱり……」
安東邑:「……」
安東邑:「……よし」
木場田つぐみ:「あ、はい。それはいいんですけど……えーと、はい。それに定期も現金も無くて…」
安東邑:「落ち着いて聞いてね、木場田さん」
木場田つぐみ:「はい」すこしかしこまった感じ。
安東邑:「信じられないかも知れないけど、今この街を……すごく怖い、化け物みたいなのがうろついてる」
安東邑:「いきなり何言ってんだって思うかも知れないけど、きみが倒れてたのもそいつのせいなんだ、ほんとは」
木場田つぐみ:熊みたいなのかなあ、と思いつつ聞いています。
安東邑:「そいつには……なんだか、人の記憶とか行動を混乱させたりする能力があるみたいでさ」
安東邑:「他にも、人の年齢を巻き戻したり……だから、つまり」言い淀む。
木場田つぐみ:「はあ……なんかのガスとか…って、マンガみたいな」
安東邑:「そう、漫画みたいなんだよな」
安東邑:「だから……実は、ここって……きみの知ってる時代じゃなくてさ」
安東邑:……そうして、『ファケアノス』のことは省きつつ
安東邑:自分が未来のつぐみ先輩の友人であること、レネゲイドのこと、ジャームのこと、そして『逆行』のこと。
安東邑:それらを簡単に、しかし噛んで含めるように根気よく説明する。
木場田つぐみ:ぽかんと口を開いて聞いている。
安東邑:「……という訳で、世界は変貌していたんだ」弱く笑う。
木場田つぐみ:「………えーと。えーとですよ」
安東邑:「うん、質問があるなら何でも言ってな」
木場田つぐみ:「正直MMRとかSCP財団を呼んでくれって気持ちでいっぱいです今」
安東邑:「あははっ、確かに……一昔前だとMIBとかかな?」ようやく快活な笑顔を取り戻す。
木場田つぐみ:「……それで、本当なら信じられないっていうのが普通で、そうするべきなんでしょうけど」
安東邑:「うん。それが普通だ」
木場田つぐみ:「……なんでかな。なんとなくですけど、それは嘘じゃないんだ、って。そんな気がします」胸元を抑える。
木場田つぐみ:彼女が、かつて負った傷の位置。
木場田つぐみ:とある黒い本が、おさまっていたところ。
安東邑:顔が歪みそうになるのを、辛うじてこらえる。
安東邑:泣き出したかった。たまらなかった。
木場田つぐみ:「ああ、もう。そんな顔しないでくださいってば!」
木場田つぐみ:「そりゃ、知り合いが急にお前の事なんて知らないよって言いだしたりしたら凹みますけども……!」
安東邑:「……そんな、酷い顔してた?」
木場田つぐみ:「泣きそうな顔してましたよ!」
安東邑:「あはは。ごめんね……きみをこんな目に合わせたことに、責任感じちゃってさ……」
木場田つぐみ:「ああもう!何でそうなるんです?!」
安東邑:未来の彼女がどうなっているかについては、話していない。話せるわけが無かった。
木場田つぐみ:彼女も、未来の自分については聞かなかった。それは、奇妙な実感があったからかもしれないし、そうでないかもしれない。
木場田つぐみ:「未来のぼくとあなたは、二人できっちり考えて動いてたんですよね?だったら、前の失敗に凹んでばかりじゃなくて、今どうするかが大事ですよ!」
安東邑:「……それも、そうだなあ」
安東邑:それ、先輩と一緒にレポートやってる時によく言われたな……なんてことを、思う。
安東邑:「よし。大丈夫だ、元気出た」頬をぴしゃりと叩き、立ち上がる。
安東邑:「うん。大丈夫。絶対きみを元に戻すから、安心してくれ」
木場田つぐみ:「…ならよいんですけど。ふうう。……あーもー、変に口出しちゃった」
木場田つぐみ:「……」少しだけ頬を赤くして。
安東邑:「……とりあえず、その化け物を追わなきゃ。流石にこっから先はおれ一人で……」
木場田つぐみ:「本当にそういうとこですよ!」
安東邑:「えっ何で!?」
安東邑:「だって危ないよ!怪我して欲しくないし!」
木場田つぐみ:「二人で当たって失敗しておいて、なんでひとりで行けるって思うんです!?」
安東邑:「……」
木場田つぐみ:「……それに、今のぼくでも……」胸元に手を当てる。
木場田つぐみ:「”--”」小さくつぶやいた言葉と共に、影が蠢く。
安東邑:「うわっ」
安東邑:「嘘だろ……わかるの、『それ』」
木場田つぐみ:「……よし。できた。分かりますよ、なんでか」
安東邑:……全てがもとに戻ったわけではない。そう確かめたはずだ。
木場田つぐみ:「胸元あたりから、こう。何か……伝わってくる気がするんです。その通りで、できるのも今実証しました」
安東邑:それを忘れていたのはきっと、彼女の立ち居振る舞いがあまりに眩しかったから。
安東邑:「……よっし、解った」
安東邑:「頼む。力を貸してくれ」頭を下げる。
木場田つぐみ:「……お、おお。結構素直に…」
安東邑:「きみのことは、絶対におれが守る。でもおれ一人じゃ、情けないことに多分無理だ。だから……」
木場田つぐみ:「絶対とかあんまり気軽に言わないでくださいよ!」
木場田つぐみ:「できることはできるけど、できないことはできないんですから。とにかく、やれることをやっていきましょう!」
木場田つぐみ:「このままだとぼくもあなたも、困るんですから!」
安東邑:「……そうだな。ありがとね、先輩」
安東邑:「あっ……」
木場田つぐみ:「高校生ですけどぼくは!?」

GM:シーン終了。購入とロイスが可能です。
安東邑:うう……先輩……
木場田つぐみ:うわあどうしたの
木場田つぐみ:テスト前で全然勉強してないっていう子の絶望顔みたいな表情して…
安東邑:ロイス あの頃の先輩/木場田つぐみ 〇庇護/悔悟
木場田つぐみ:未来の友人?/安東邑/〇信用/不安 大丈夫かなあ
安東邑:購入はボデマ。
安東邑:2dx+1>=12
DoubleCross : (2DX10+1>=12) → 9[6,9]+1 → 10 → 失敗

安東邑:財産点2点吐いて購入!
安東邑:その場で装備します
木場田つぐみ:こちらどうしようかなあ
安東邑:いや嘘 つぐみ先輩にあげる
木場田つぐみ:アクティベイトとウィンブレすれば何でも買える
木場田つぐみ:きみのが必要でしょう!
安東邑:だって…危ない目にあわせたくないし…
木場田つぐみ:アームドスーツあればいいかな
安東邑:はい 素直に持ちます
木場田つぐみ:コンボ:“おお、見よ。居並ぶ剣槍の煌めきを”≪援護の風≫ ≪ウィンドブレス≫を使用してアームドスーツを購入。
木場田つぐみ:6dx+9>=15
DoubleCross : (6DX10+9>=15) → 9[1,3,3,4,7,9]+9 → 18 → 成功

木場田つぐみ:成功、安東さん持って行ってね。
木場田つぐみ:木場田つぐみの侵蝕率を4(→ 4)増加 (35 → 39)
木場田つぐみ:あ、登場振ってなかった。
木場田つぐみ:今振っておきますね。
GM:あ、いえ
GM:登場は必要ないです
GM:なぜかというと、ミドル間は80固定で進めるから!
安東邑:了解!感謝します!
GM:おっけーです
安東邑:え~じゃあやっぱりボデマ先輩来て!ありがとう!
木場田つぐみ:あわわ ありがとうございます
木場田つぐみ:うん、ボディアーマー来ますねー

ミドル

ラウンド1

GM:はい、今回ミドルは侵蝕80固定で進めるので
GM:登場ダイスは必要ありません
GM:それでは判定ですが…

使用技能:≪情報:UGN≫ ≪情報:噂話≫
難易度:6
最大達成値:9点
目標進行値:4

GM:をFS判定で行います。
GM:まずハプニングチャートから。
GM:1d6
DoubleCross : (1D6) → 3

GM:3:状態変化がもう片方に反転、あるいは両者になる。既に両方が陥っているシチュエーションの場合は片方が解決、もう片方が深刻化する
ラウンド中達成値-2

木場田つぐみ:ひえええ
安東邑:オイオイオイオイオイ
GM:……どうなるんだこれ?!
木場田つぐみ:いやこれアカンやつ!w話が…まとまらんくなる!
安東邑:振り直しするw?
GM:じゃあ振り直しましょう!
GM:choice[1,2,4,5,6]
DoubleCross : (choice[1,2,4,5,6]) → 2

GM:2:事態が深刻化する。状態変化の進行・周囲への拡大など
ラウンド中の判定難易度を8に変更する。

木場田つぐみ:うわあ これはどうしたものかな…もっと巻き戻すか
安東邑:これヤバくて良いですね
木場田つぐみ:中学生にするか 差異はそうでないのは許してね
GM:そうですね
GM:話をスムーズにするために、
安東邑:いやいや良いよ全然!
GM:目覚めてから安東くんと話したことは覚えてるけど
GM:高校以降の記憶はない、みたいな
GM:そんな感じでどうでしょう
木場田つぐみ:了解です~~
安東邑:ナイス進行!
GM:ではまず判定をどうぞ!
安東邑:じゃあ情報判定。素振りで行きます~
木場田つぐみ:社会ごみ ウィンブレ飛ばしてもアクティベイトあるから平気よ
木場田つぐみ:飛ばす?
安東邑:頂戴!
安東邑:どうせ80固定ならガンガン使った方が得!
木場田つぐみ:コンボ:“おお、見よ。居並ぶ剣槍の煌めきを”≪援護の風≫ ≪ウィンドブレス≫。ダイス+5d、達成値+9
GM:確定成功じゃん
安東邑:9dx+9
DoubleCross : (9DX10+9) → 8[1,2,3,4,5,6,7,8,8]+9 → 17

安東邑:解るぞ…全てが…
GM:進行値1!
木場田つぐみ:こちらは、情報fhしかないので社会素振りに、マイナーで。
木場田つぐみ:コンボ:”知恵に頼りて語らん”≪アクティベイト≫。hpを8使用します。
木場田つぐみ:木場田つぐみのHPを8減少 (28 → 20)
木場田つぐみ:3dx+8>=9
DoubleCross : (3DX10+8>=9) → 8[1,4,8]+8 → 16 → 成功

安東邑:強い
GM:進行値2!難易度は8ね
木場田つぐみ:アッすみません
GM:では今ラウンドはオッケーなので、
GM:ロールしていきましょう

安東邑:……ファケアノスセル『天城荘』より徒歩二分。
安東邑:中華料理店『金蓮』。水滸伝に登場するファム・ファタル藩金蓮の名を冠した個人経営の中華料理店であり、
安東邑:ファケアノスセルの資金源(安東邑のバイト先)でもある。
安東邑:「お待ち~。青椒梅牛肉チンジャオニュウロウスね」二人ぶんの皿を持ち、厨房から出て来る。
木場田つぐみ:「あ、ありがとうございます」ぺこりと頭を下げる。
木場田つぐみ:その姿は、より小さく幼げなものだ。服装は変わっていないけれども、少し丈のあまりが見えたり、微妙に意匠が違う。
安東邑:「おれの奢り!存分に食べたまえ、若者よ」おどけて言う。
安東邑:「まあ……本当にもっと若者になっちゃったわけだけどさあ……」
木場田つぐみ:「助かります。…本当、自分でこうなってるとなると、ますます信じないわけにも…」苦笑ぎみに。
安東邑:どん、とチンジャオロースの入った皿を置く。あとは酸辣湯麵の入ったスープの器と、山盛りのご飯。
安東邑:チンジャオロースは油通しが良くされており、ピーマンとタケノコの角がぴんと立っている。ふわりと香るごま油が、食欲をそそるだろう。
木場田つぐみ:「美味しそうですね。…やっぱり、大学ってなるとバイトとかして大人だなあって見えるや」
安東邑:「あ、俺が作った」
安東邑:サラッと言う。
木場田つぐみ:「え、そうなんですか」
木場田つぐみ:結構本格的な店やモノに見える。
安東邑:「うん。ここ俺のバイト先だから、店長に厨房借りてちゃちゃっと」
木場田つぐみ:「へええ……すごいなあ」
安東邑:「自分で言うのもなんだけど、食べれはすると思うよ。わりと」
安東邑:「ほら、どうぞ。飯食って元気出そうぜ」サムズアップ。
木場田つぐみ:「そんなに。あまり中華とかは詳しくないので、あまりうまくできていないこともあるかもですけど、そこはお許しください」
木場田つぐみ:「あ、はい。じゃあ…」丁寧に手を合わせてからいただきます、と告げて。きみが箸を取るのに合わせてから、自分も綺麗な箸使いで食べ始める。
木場田つぐみ:「……ん、美味しいです」目を細めて笑う。
安東邑:「大丈夫!おれがやりたくてやってるだけだからさ!」いつもの調子で快活に笑って、少しだけ乱暴な箸遣いでこちらも食べ進める。
安東邑:「おっ、本当?良かった~」
安東邑:「おれね~、自分のご飯美味しいって言って貰えるのが一番幸せかも……」ちょっと真剣な顔で。
木場田つぐみ:「でも、そう言う事は大事です」そう言いながら、少しゆっくりと食べ始めていく。
木場田つぐみ:「あはは。なら、料理人とかになるんですか」
安東邑:「いやいや。色々やることあるからね。プロになったら、そのぶんしがらみとかも増えるし……」
木場田つぐみ:口元も見せないようにする食べ方。普段の彼女のそれとは大分異なる。
安東邑:「……」長きにわたる逃亡生活が、いったいどれほど彼女のこういった柔らかな部分を削り取って行ったのか。
安東邑:『ファケアノス』が成立する前の先輩は、食事中でも警戒を緩めなかった。怯えた獣のようだった。
安東邑:あまりに隔たった未来に、胸がみしみしと痛む。
木場田つぐみ:「そうなんですか?美味しいのに、もったいないかも」くすりと笑う。
木場田つぐみ:それに、このように未来へ希望をもって、夢を朗らかに語ることもしなかった。
木場田つぐみ:冷たく、そうしたらどうなるのかという現実とコストからの提案、というかたちになっていただろう。
店員:「……安東、その子だれだよ?」顔なじみの店員が、気軽に話しかける。
木場田つぐみ:「あ、失礼しています」ぺこりと頭を下げる。
安東邑:「ああ……これ、友達の妹さん。優秀な子でさ、大学見学に付き合ってたんだ」さらりと嘘をつく。
木場田つぐみ:一瞬咎めるような、少しもの言いたげな眼を向けてから。
店員:「ああ~!お前が連れてるめっちゃ美人な……木場田さんね!知ってる知ってる!」
木場田つぐみ:「はい。付き合ってもらっています。今日はこうしてご飯まで貰って…」
安東邑:「そっ……そう!そういうことなの!今結構込み入った話してるから!ねっ!」必死の形相。
店員:「……お前さ~、友達の妹垂らし込むのはやめとけよなあ。まあここ、閉店まで好きに使って良いから」去っていく。
木場田つぐみ:「ありがとうございます」
安東邑:「……あ”~~、行ってくれた……」
安東邑:「ごめんな、嘘つかせちゃって」
木場田つぐみ:「まだ聞こえるかもですよ。……ええ、ぼくがいるからなのは分かっていますから」
安東邑:「さっきさ。大学生が羨ましいって言ってたけど」
木場田つぐみ:「はい」す、と自然と視線が合う。大きな星のような瞳。
安東邑:「いや、いいんだ。大人になるって、こういうことなんだ……嘘をついて、誰かを陥れることなんだ」
木場田つぐみ:「そうですか?」
安東邑:「うん。ここの人たちは良い人ばっかりだから、おれだってあんまりこういうことはしたくなかった」
木場田つぐみ:「お父さんやお母さんは、そうじゃないって言っていました」
安東邑:「もちろん、きみのせいじゃないけど……そっか。お父さんとお母さん、仲良いんだ?」
木場田つぐみ:「新しい枠組みを作ったり、今ある枠組みを、動かしていくこと。誰かと誰かが、そうやって知らないところで助け合ってるんだって」
木場田つぐみ:「そうやって、できることをするのが、大人なんだって。……ええ、仲良しですよ」
安東邑:「……そっか。知らない所で、助け合う、か」
安東邑:「うん。大切にすると良いよ」
木場田つぐみ:「子供なのは、そうできるようになるための準備をする時間だって言ってました。だから」
安東邑:無言でうなずく。
木場田つぐみ:「そんな悲しい顔をして、嘘をついたりしなくてもいいように出来たらいいですね」
木場田つぐみ:自分がそうなれたらいいな、という。
安東邑:「……やっぱり、そう見える?」
安東邑:弱く笑う。
木場田つぐみ:自然な善意と、夢見るような子供の声だった。
木場田つぐみ:「見えましたよ。子供だからって、見えてないわけじゃないんです」
木場田つぐみ:「…負担を掛けてるぼくがいうことじゃ、無いかもしれませんけど!」くすりと笑って。
安東邑:「そうだよなあ。木場田さんは、賢いもんな」
安東邑:「いやさあ。おれ、木場田さんの両親に感謝してるよ」
木場田つぐみ:「あ。その言い方、そういうのが子供みたいに見てるんですよ!」
安東邑:「だって、こんなに賢くて可愛い子を育ててくれたんだから……ふふ」
安東邑:「大切にしなきゃだめだぜ」
木場田つぐみ:「そう言うの良くないです!……って、なんで笑うんですか!」
安東邑:(……つぐみ先輩の親御さんに、会わせないとな)
安東邑:(先輩は、何て言うかな?)
安東邑:微笑みながら、少し考える。
安東邑:「ごめんな。子供扱いしてたわけじゃないんだ」
木場田つぐみ:「そういう言い方…」ジト目で。
安東邑:「むしろ、きみみたいになりたいって思ってるんだ。おれは…今も、昔も」
木場田つぐみ:「自分は分かってるんだ、っていうの。結構足をすくわれるんですよ…、って。は、はあ」
木場田つぐみ:「そうですか?ぼくは、こんな風に美味しいごはんとか作れませんし」
木場田つぐみ:「記憶をなくしたりしてる面倒な子を、自分でどうにかしようなんてしませんよ」
安東邑:「ああ、まあ『面倒な子』のくだりに関しては…わりとしょっちゅうこんなことやってるし、気にしなくて良いよ」
安東邑:「え、そんなに美味かった?」
木場田つぐみ:「美味しかったです。自信持ってください」
木場田つぐみ:「そうじゃなきゃ、料理人になるんですか?なんて言いませんっ」
安東邑:「え~、マジか!嬉しいな」ガッツポーズ。
木場田つぐみ:「……」大丈夫かこの人……という表情になる。
安東邑:見覚えのある表情に、また笑う。
木場田つぐみ:「中学生が言う事じゃないかもですが、直した方がいいですよ…?」
安東邑:「もうビョーキなんだよ。ほっといてくれ」
木場田つぐみ:「そうやって諦めるの、良くないですよ!」
安東邑:「それにおれ、正義の味方になるって約束したからさあ」
安東邑:目が遠い所を向いている。
木場田つぐみ:「正義の味方、ですか」
安東邑:「うん。そう」
安東邑:(ねえ、えいらさん?)
:黒髪の長い女が、こちらを見ている。
:無論現実のものではない。
:安東邑だけに見えている、忘れられない影だ。
木場田つぐみ:「……警察官とかじゃないんです?」
木場田つぐみ:「…安東さん?」
安東邑:「……」
安東邑:「……あ、ごめん。話してる途中によそ見するの良くないよな」
木場田つぐみ:「…………ぼくが言う事じゃ、ないかもしれませんけど」
木場田つぐみ:「夢って、もっと楽しそうに目指すものだって思いますよ」
安東邑:「…おれって、そんな根暗なヤツ?」
木場田つぐみ:「少なくとも、さっきの顔は」
安東邑:「マジか~」
木場田つぐみ:「料理をしたり、そういうときの顔なら、こんなこと言いませんでしたもん」
安東邑:「うん……いや、ヒジョーに面目ない」
木場田つぐみ:「いいんですよ?」
安東邑:「良いのかなあ」
木場田つぐみ:「だって、ねえ。子供だって、きちんと見てるんです。そう言う事」
安東邑:「それは、木場田さんが木場田さんだからじゃないのかなあ」
木場田つぐみ:「少なくともぼくは、そんな顔のヒーローに助けられても、安心はできないかなあ」
安東邑:「……」ぽかんとした顔。
木場田つぐみ:「ぼくでもわかったんだから、他にも気づく人はいっぱいいますよ」
安東邑:「……そっか。そうだよね」
安東邑:「さっききみが言った通り、夢って言うのは、もっと楽しくて明るいものなんだろうな。たぶん」
木場田つぐみ:「アンパンのひとも、仮面かぶる人も、戦隊組んでる人たちだって、そうですもの。そうですよ」
木場田つぐみ:「消防署とかのひとだって、元気じゃなくてつらそうだったら、不安じゃないですか」
安東邑:「仮面をかぶる人が特におれは好き」軽口。
木場田つぐみ:「ぼくはそんな詳しくないですけど、それでも」
木場田つぐみ:「誰かを助けることができるっていうのは、すごいことなんですよ」
木場田つぐみ:「だったら、もっと喜んでいいことなんです」
安東邑:「……」上を向く。
安東邑:「多分さあ」
安東邑:「おれは、今まで結構周りの人に助けて貰ってたんだろうな」
安東邑:「だから笑顔になって、だから人を助けることができた」
安東邑:「きみが最初に行った『大人になる』って、そう言うことなのかもしれない…いや、きっとそうだ」
木場田つぐみ:「そうかもですね。ぼくも、きっと一杯そうしてもらってますし
木場田つぐみ:「だから、自分もいつかできるときに、そうしてもらったみたいに、そうするんです」
安東邑:「うん。おれは、今木場田さんに助けて貰ってるよ」
木場田つぐみ:「……あ、そうですか?えへへ」
安東邑:「うん。そうだよ。おれはきみに感謝してるし、尊敬もしてる」
安東邑:「……約束するよ」
安東邑:「そんな素敵なきみは、きっといつか幸せになる。とてもすごく」
木場田つぐみ:「わ、なんですかもう…あのですね」
木場田つぐみ:「ぼくも、一人の女の子なんです。だから、あまりそういうことは、みだりに言わない方がいいですよ」
木場田つぐみ:「それに、ぼくはぼくで何とかします。だって、自分のことですもの!」
安東邑:「え、普通じゃないこれ? いや、でも、そうか…確かに、何回か怒られたことがある」
安東邑:「それは駄目だよ」手を取る
木場田つぐみ:「何回も言われてるのに治ってないのまずいですよ…、ってうわっ」
安東邑:「最初に言ったじゃん。二人でちゃんと、解決するってさ」
安東邑:「だから、おれはきみに付いてくし、きみはおれに付いてくる。良いね?」
木場田つぐみ:「う、うーー……か、勘違いさせるつもりはないんだよねこの人…!」
木場田つぐみ:「言いたいことは分かるからいいけど、一瞬くらっときた…!」
安東邑:「あ、ごめん」ぱっと手を離す。
木場田つぐみ:「もう!ぼくも言っておきますけど、本当何度もしちゃだめですよ!」
安東邑:「はい……」
木場田つぐみ:「ぼくは分かるので誤解しませんけど、誤解したい人とかそう取りたい人、いっぱいいるはずですからね!」
木場田つぐみ:頬を赤く染めたまま。
安東邑:「……」脳裏によみがえるのは、あのあわただしくも爛れた日々。
安東邑:「ああ~~~…………」頭を抱える。
安東邑:(ごめん、さやさん……今度羊買ってくるから許して……)心の中で小さく謝る。
木場田つぐみ:「こほん、気を取り直して」
安東邑:「ハイッ」
木場田つぐみ:「まあ、この事件というか事象というか、やる間はよろしくです。でもですね」
木場田つぐみ:「ぼくの人生なんて大きくて大事なものは、ぼくのものなので。勝手にどうこうなんてさせませんからね!」
安東邑:「……うん、大丈夫。解ってるよ、つぐみ先輩」
木場田つぐみ: 「ぼくは中学生ですけど!?」
安東邑:「つぐみ後輩の方が良い?」
木場田つぐみ:「え、そりゃ入れたら良いなあって思いますけど、まだ分かんないですよ」
安東邑:「あ~そうか。N大志望だもんな」
木場田つぐみ:「はい!だから、入れたらですねっ」
安東邑:「じゃあ、楽しみに待ってるよ。木場田さん」
安東邑:(……良いんだ。これで……)
木場田つぐみ:「じゃあ、その時はよろしくお願いしますね、安東センパイ!」
安東邑:「うん」
安東邑:(畜生)
安東邑:「よろしく」
安東邑:完璧な笑顔で、にこりと笑った。

ラウンド2

GM:先ほど書き忘れましたが

財産点使用可能。
特殊ルールとして、片方が支援判定を行い、成功した場合、もう片方の達成値を+3し、最大達成値を10とする。使用技能は≪意志≫とする。

GM:これがあるので活用してね!
GM:ではハプニングチャート
GM:choice[1,4,5,6]
DoubleCross : (choice[1,4,5,6]) → 6

GM:6:特殊技能の要求。
追っている対象の特性(誘き出す・それが弱点など)、情報提供者の出した条件、偶然遭遇した厄介ごとなど様々な理由で特殊技能が要求される。
使用技能はROCで決定する。任意で独自のものを指定してもよい。

GM:choice[運転:任意,芸術:料理,芸術:歌唱,芸術:演奏,芸術:ダンス,芸術:絵画,芸術:コスプレ,知識:外国語,【肉体】(力仕事),交渉,調達]
DoubleCross : (choice[運転:任意,芸術:料理,芸術:歌唱,芸術:演奏,芸術:ダンス,芸術:絵画,芸術:コスプレ,知識:外国語,【肉体】(力仕事),交渉,調達]) → 芸術:コスプレ

木場田つぐみ:コスプレ???
GM:コスプレをする必要があるそうです
GM:なんで???
安東邑:??????????
木場田つぐみ:わ、分からん……
GM:ジャームの情報を出してくれる人が
安東邑:倒錯的すぎるだろ
GM:中学生好きで
GM:コスプレ見せてくれたら情報あげるから!って言い出す
GM:ひどいなこれ
安東邑:キレそう
木場田つぐみ:ひどすぎるwww
GM:ジャームがコスプレ好きでもいいですけど???
GM:ほら、男装とか
安東邑:つぐみくんちょっと学ラン来てみない?
木場田つぐみ:獣型なのにwww
木場田つぐみ:立ち絵作らないとアカンか??
GM:まあ情報屋かなー
GM:立ち絵は作らなくってもいいですww
木場田つぐみ:了解ですw
木場田つぐみ:じゃあ支援してもらってがいいかなあ
安東邑:オッス!じゃあ支援判定するぜ!
木場田つぐみ:ウィンブレとかほしいならいいな!
安東邑:意思だから…欲しいかも
木場田つぐみ:あいよー コンボ:“おお、見よ。居並ぶ剣槍の煌めきを”≪援護の風≫ ≪ウィンドブレス≫。ダイス+5d、達成値+9
安東邑:よし!では支援判定!
安東邑:9dx+9+1>=10
DoubleCross : (9DX10+10>=10) → 10[1,2,5,5,6,6,9,9,10]+5[5]+10 → 25 → 成功

GM:大成功!
安東邑:支援判定成功。つぐみ先輩は達成値に+3しな!
木場田つぐみ:メチャすごいことなってるww
安東邑:後輩にコスプレをさせるという強い意思
木場田つぐみ:じゃあ自分に、コンボ:”知恵に頼りて語らん”≪アクティベイト≫。ここはhp6使用で。
木場田つぐみ:木場田つぐみのHPを6減少 (20 → 14)
木場田つぐみ:これで固定値9.判定行きます。
木場田つぐみ:4dx+6+3
DoubleCross : (4DX10+9) → 10[3,5,7,10]+9[9]+9 → 28

木場田つぐみ:どうした!?
安東邑:そんなにコスプレしてえのかよ
GM:すごいはねた
安東邑:その未発達な肢体を安東くんに見せつけてえのか?
GM:ともかく進行値は4!
安東邑:スケベ!
GM:FS判定成功です!
GM:www
木場田つぐみ:興奮してるのは君だろ!!!!
安東邑:はい。
木場田つぐみ:ぼくのせいにするんじゃない
GM:では、ロールにいきましょう!

GM:路地裏のドアから、紹介された情報屋へと入る。
GM:中には…衣装の、山。
GM:そこに埋もれるように、痩せぎすの胡散臭い男が片眼鏡をかけて本を読んでいる。
木場田つぐみ:「………」唖然としている。本当にこういうのあるんだ……?という顔。
情報屋:「……お客さんか」
安東邑:「うっす。逃げてるリワインドのこと聞きたいんですよね」
情報屋:「ふむ。その情報なら仕入れてある」
情報屋:「だが、お代は……解っているんだろうな?」
安東邑:「だよな~。どうせ情報入って来てるでしょ? 優秀だって姉さんから聞いたし」
安東邑:「え、何が?金ならあるけど……」
GM:その情報屋は、一風変わっていた。
情報屋:「ここにある服を着てみせろ。何でもいいし、どっちでもいい」
情報屋:「着替える場所は奥のカーテンの向こうだ」
安東邑:「??????」
木場田つぐみ:「ええ……?」
GM:自分の集めた衣装を、客に着せたがる。
GM:それをもって情報と交換するのだ。
安東邑:「ぜ……」狼狽した表情。
木場田つぐみ:「これってその……そういうお店見たいな…?」薄い知識しかない。
安東邑:「ぜって~~おかしいって!」
安東邑:「……いや、待てよ……」
安東邑:(確か……姉さんが……)慌てて通話アプリの履歴を確認する。
安東邑:風間ねねとの会話記録には、確かにこの店とおぼしき内装と、コスプレをばっちり決めた姉が映っていた。何枚も。
安東邑:「ひょっとしてさ~、ひょっとして、なんだけど」
安東邑:「『ファケアノス』の風間ねねって知ってる?」小声で。
安東邑:知らなかったらいいなあ、と思いながら。
情報屋:「…おいそれと情報を渡すわけには行かねえが」
情報屋:「あんたについてのことならいいだろう。あんた、『ファケアノス』の安東邑だろう」
安東邑:「ヤダ~~~~~~~~ッ!!!」悲鳴を上げる。
安東邑:「……そうだよ!”&U”だよ!おれが!」小声で怒るという器用な真似をしていた。
木場田つぐみ:「うひゃっ」身体を縮こませる。
安東邑:「あっごめん、びっくりさせて……」
木場田つぐみ:「い、いえ。大丈夫です」
安東邑:(おれのこと知ってるってことは、やっぱりこいつ本物の情報屋じゃん……!)
安東邑:(ただの奇人であることを期待してたのに!)
情報屋:「…で、どうするんだ。着るのか?着ねえのか?」
情報屋:「お嬢ちゃんをそのままにしといていいのかい」
安東邑:「……おれが着るのは駄目なんだよね?」
情報屋:「お前が着てもいいが……」
情報屋:「……そうだな……」
情報屋:「お嬢ちゃんは、今若返ってるんだろう」
木場田つぐみ:「えっ」なんで知ってるんだろう…
情報屋:「なら、『今だけ』しか見られないってわけだ」
安東邑:「ゲッ」
情報屋:「…サービスするぜ」
木場田つぐみ:はわはわと慌てている。
安東邑:「……」つぐみ先輩は、一般的に言ってもめちゃくちゃ美人だ。
安東邑:中学生になっても、そのあどけない容貌から美しさが消えることはない。
安東邑:「……」
安東邑:「木場田さん」
安東邑:「今だけだ」
安東邑:「今だけ!おれからも頼む……おれに免じて、コスプレしてくれ!」
安東邑:情報屋の隣で土下座する。
情報屋:「けけけ」
安東邑:(M市の鐙って奴はこうしてそうな雰囲気があった…これが正しい処世術!)
木場田つぐみ:「あ、は、はい……」
安東邑:(それにおれも先輩のコスプレ結構見たいし……)
木場田つぐみ:「最初から、その方が効果的っぽかったし、そうするつもりでしたけど……はい」
安東邑:「マジ!?ヤッター!」
木場田つぐみ:「中学生のやつなんてそんなに嬉しいものですか…?」
情報屋:「貴重なんだよ、若返りってのは、なア」
安東邑:「あんた、話が解るな……」
安東邑:ラーメン屋の店主のように腕を組んで頷いている。
木場田つぐみ:「そ、そうですか……」
情報屋:「じゃあ好きな服選びな。何でも揃ってるぜ」
安東邑:「おれはその間に(コスプレの)詳しい話聞いてるからさあ」
木場田つぐみ:「じゃあ、安東さん。服選びの手伝いお願いしますね…?」
木場田つぐみ:「あ、そっちで。了解です」
安東邑:「えっ」カウンターを喰らってのけぞる。
安東邑:「いや、行こう。選ぼう選ぼう」
木場田つぐみ:「え、何か……あ、はい」
木場田つぐみ:そのまま連れていかれる。細い肩、より軽い体重。
安東邑:――
安東邑:――
安東邑:「……色々ありすぎじゃない?」
木場田つぐみ:「目を回しそう……」
木場田つぐみ:「え、えーと。コスプレ、って言っても。どういうのが良いのかなあ…」
安東邑:メイド服。執事服。猫耳。イヌ耳。馬耳。魔法少女服。燕尾服。恐竜スーツ。何故かUGNボディアーマーまで。
木場田つぐみ:普通に着飾る、というのなら少しは(同年代比率)選べなくもないだろうけど。
木場田つぐみ:「こういうの、あまりやったことないんですよね。文化祭ので、そういうのやりそうになったことはあったけど…」
安東邑:「……おれは男装が良いと見たね」攻めの一手を投じる。
木場田つぐみ:「男装」おうむ返し。
木場田つぐみ:「男装っていうと、あれですか。ブレザーとか…?」
安東邑:「そう。あいつは『今だけ』の特別を求めてるんだ」
安東邑:「だったらそこにさらに『特別』を掛け合わせてやったら?」
木場田つぐみ:「は、はい」急に圧が。
安東邑:「そういうことだよ」敵を追い詰める、FHセルリーダーとしての迫力が今まさに発揮されている。
木場田つぐみ:「特別、って言っても………」ブレザータイプ…スーツのジャケットとかも大量にある。
安東邑:「……木場田さんはかわいい。それは紛れもない事実だ」
木場田つぐみ:「あ、は、はい」急に言われてすこしびっくり。
安東邑:「だからこそ……その魅力を最大限に引き出すために、『あえて』少し硬めの服装をする!」
木場田つぐみ:「はあ……」わ、分からない…
安東邑:「塩がスイカの旨味を引き立てるようにだ!解るね!」すっすっとラックから服をチョイスしていく。
安東邑:「……完璧だ」
木場田つぐみ:「え、ま、まあ……?」流され気味。
安東邑:「そう!木場田さんの素材の良さを引き立たせる……余計な小細工など言語同断!」
木場田つぐみ:「ええと、これですね?じゃあ着替えてきますから……」
木場田つぐみ:「も、もういいですってば」
安東邑:「え、でも実際モテたりしないの?学校で」急に憑き物が落ちたように冷静になる。
木場田つぐみ:「そんな…そりゃ、告白されたりは一回二回ありますけど。よく分からないですし、女の子と付き合いたいっていうのだけですし」
木場田つぐみ:少なくとも当人の認識上はそうだ。
安東邑:「そっか~。そういうのをちゃんと断るのも、大変だよな」茶化したりはせず、普通に受け止める。
木場田つぐみ:「まあ、変にぎくしゃくしたりも嫌なので……」苦笑しつつ。
安東邑:「いや、偉いと思うよ。人を振るって、めっちゃ体力使うし」
安東邑:「……って、何の話してるんだろうな。ごめんね、着替えてきてくれていいよ」
木場田つぐみ:「いつかはどういうものなのか、っていうの。気になりますから、OKするのかなーって思いますけど」苦笑。
木場田つぐみ:「あ、はい。じゃあ行ってきます」
木場田つぐみ:更衣室のカーテンが引かれる。
木場田つぐみ:服の衣擦れの音や、これってどうやればいいのかな……といったような独り言。
安東邑:「…………」精神に悪すぎる。
木場田つぐみ:ぱたぱたと畳む空気の音。
木場田つぐみ:「……これでいいかな?」
木場田つぐみ:しゃ、とカーテンが開かれる。
木場田つぐみ:「……どうでしょう?何とか着てみましたけれど…」
木場田つぐみ:紺のジャケット、薄いピンクのワイシャツ、赤のラインが入ったネクタイ。パンツもジャケットと同色だ。
安東邑:「……あ、終わって……」振り返る。
安東邑:「……いい」
安東邑:「めっちゃ良いよ木場田さん!スゲ~~~似合ってる!」
木場田つぐみ:「……そ、そうです?なんか変なところなければいいんですけど…」
木場田つぐみ:少年のようにも見えるが、肩の細さや輪郭の具合が、男性とは異なるのが分かる。
安東邑:「いやいやいやいや!超可愛いよ……そのマニッシュな魅力はおれじゃなくても見逃さないね」
安東邑:「古着屋行くの趣味で良かった~~。最高だ……」
木場田つぐみ:「ほめ過ぎでは……」
情報屋:「ああ……よーく似合ってやがる。服も喜んでるだろうよ」
情報屋:後ろに立っている。立つとその背は驚くほど高く、窮屈そうに腰を丸めている。
安東邑:「ウワッ」
木場田つぐみ:「いつのまに」
安東邑:「……いや、何となくだけど……あんたの服に賭ける情熱、伝わったような気がするよ」
情報屋:「いいモン拝ませてもらった。約束通り情報はくれてやる」
情報屋:「……服は、いいだろう?」
情報屋:「こいつらも、いろんな奴に着られたがってる」
木場田つぐみ:「は、はい。ありがとうございます」そしてなんか熱く意気投合したっぽい二人を、なんなんだろう……という目で見ている。
情報屋:「また情報が欲しくなったら来な。サービスしてやる」
情報屋:そういって、情報の入った封筒を渡す。読み終わったら燃え尽きる仕掛け付きだ。
安東邑:「オス。贔屓にさせて貰います」封筒を受け取る。
木場田つぐみ:「…………いや、ホント何なの……?」
安東邑:「ロマンだよ」
木場田つぐみ:「そ、そう………」

GM:ミドル終了!購入とロイスが可能です。
木場田つぐみ:応急とか買おうかな 何か必要なのある?
安東邑:う~ん ブルゲとか…?
木場田つぐみ:hp使うけど狙えなくはない
木場田つぐみ:情報屋さんに取っておくか一応
安東邑:あ~、アクティベイト
木場田つぐみ:情報屋/〇感謝/なにあれ…
安東邑:でもそこまでして狙う者じゃないし、こっちも応急しときます
安東邑:ロイスは
安東邑:同士/情報屋/〇感謝/嫉妬
木場田つぐみ:うーむ 手術キット狙うのは大変だな
木場田つぐみ:応急にしよう、自分にコンボ:“おお、見よ。居並ぶ剣槍の煌めきを”≪援護の風≫ ≪ウィンドブレス≫。
木場田つぐみ:8dx+9>=8
DoubleCross : (8DX10+9>=8) → 10[1,2,5,9,10,10,10,10]+8[5,7,7,8]+9 → 27 → 成功

GM:何でも買えるじゃん
木場田つぐみ:これ買えたじゃん!!!!w
木場田つぐみ:まあ応急を自分に使用。
安東邑:www
木場田つぐみ:2d10+14
DoubleCross : (2D10+14) → 17[7,10]+14 → 31

木場田つぐみ:全快しました なんだこの高級
安東邑:出目も良い
安東邑:じゃあダメ元でブルゲ狙おうかな~
安東邑:4dx+1>=20
DoubleCross : (4DX10+1>=20) → 6[1,1,2,6]+1 → 7 → 失敗

安東邑:無理!以上。
GM:では、カット!

クライマックス

GM:君たちは情報屋からの情報により、郊外に逃げ込んでいた”リワインド”を見事追い詰めることに成功。
”リワインド”:「グゥルルル……」
”リワインド”:逆行の力は使ってこない。何度も使えるものではなさそうだ。
木場田つぐみ:「あれ、ですね……!」少し深く呼吸する。
安東邑:「うん。無理しないで」庇うように前に出る。
木場田つぐみ:「変に当たったらもうどっちも滅茶苦茶じゃないですか…!とはいえ、やりましょう!」
安東邑:「大丈夫だ。あれは多分何度も使えるような代物じゃない」
安東邑:「じゃなきゃ……街中で相当の被害が出てない説明が付かない。多分、打ち止めだ」
木場田つぐみ:「…了解、です!行きます…!」
”リワインド”:「グワァアオ!!」逃げられないと悟るや、レネゲイドを励起させ、戦闘態勢に入る!
”リワインド”:衝動判定+≪ワンナイトフィーバー≫
GM:衝動判定時、通常の侵蝕増加でなく、侵蝕率を100%まで上昇してもよい。拒否可能。
この効果を受けた場合、戦闘終了時に侵蝕率が50%低下する。

GM:衝動判定の難易度は9!
安東邑:受け取ります。
木場田つぐみ:受けます~!
安東邑:衝動判定行くぞッ
木場田つぐみ:木場田つぐみの侵蝕率を20増加 (80 → 100)
安東邑:浸蝕80→100
木場田つぐみ:7dx>=9
DoubleCross : (7DX10>=9) → 10[2,3,5,6,7,9,10]+10[10]+3[3] → 23 → 成功

木場田つぐみ:メッチャ回った。
GM:強い意志
安東邑:5dx+1>=9
DoubleCross : (5DX10+1>=9) → 10[4,5,7,8,10]+10[10]+7[7]+1 → 28 → 成功

GM:こっちもすごい?!
安東邑:先輩は絶対やらせないよ

GM:では、戦闘!エンゲージは敵とPCの間が
GM:10m
GM:のいつもの配置!
木場田つぐみ:りょうかいです!
GM:セットアップ!
”リワインド”:こちらはなーし
安東邑:ナス!
木場田つぐみ:こちらもなし。

GM:イニシアチブ。つぐみちゃんから!
木場田つぐみ:はい!ではまずマイナーコンボ:”知恵に頼りて語らん”≪アクティベイト≫。hpを9消費。
木場田つぐみ:メジャー前に自分にコンボ:“おお、見よ。居並ぶ剣槍の煌めきを”≪援護の風≫ ≪ウィンドブレス≫。
木場田つぐみ:メジャーで、コンボ:“栄光に満ちたかの王の姿を”≪原初の赤:サイレンの魔女≫。リワインドへ攻撃します。
”リワインド”:その判定に≪魔獣の咆哮≫ 判定ダイス-3個
木場田つぐみ:うわあダイスの増加が2個になっちゃった
”リワインド”:攻撃して来な!
安東邑:コイツ!!
木場田つぐみ:9dx+4+9+9 
DoubleCross : (9DX10+22) → 8[2,2,3,4,6,6,8,8,8]+22 → 30

GM:固定値すっごい
木場田つぐみ:アクティベイトとウィンブレ盛ってますからね…w
安東邑:ナイス固定値!
”リワインド”:リアクションは……ドッジ!
”リワインド”:サイレンは装甲無視だ…
”リワインド”:8dx
DoubleCross : (8DX10) → 10[3,5,5,6,6,8,9,10]+10[10]+3[3] → 23

木場田つぐみ:こっわ
安東邑:!?
”リワインド”:回しよる
”リワインド”:命中!ダメージどうぞ
木場田つぐみ:4d10+18 装甲無視
DoubleCross : (4D10+18) → 24[3,5,8,8]+18 → 42

木場田つぐみ:ダメージダイスはいい感じ。42点装甲無視です。
安東邑:でかい!
”リワインド”:痛い…が、まだ無事!
木場田つぐみ:で、コストがhp9、侵蝕が4+4+6で14.
木場田つぐみ:木場田つぐみのHPを9減少 (28 → 19)
木場田つぐみ:木場田つぐみの侵蝕率を14増加 (100 → 114)
木場田つぐみ:では演出参ります。
安東邑:やっちゃえ~~!!

木場田つぐみ:すう、と息を深く吸う。出来るという確信はもうすでにあった。
木場田つぐみ:というよりも、それは慣れというべきものであったかもしれない。箸を使うときに、自転車に乗るときに、それをどう使うかを意識せずに使うことが出来るように。
木場田つぐみ:(これは)
木場田つぐみ:(変な感覚。……何より、ぼくは……これが、傷つけて血を出させるものだって、知ってるのに)
木場田つぐみ:躊躇いがなく、口からこぼれだす。
安東邑:「木場田さんっ」呼びかけるが、その足が止まる。自分はその音を知っている。
木場田つぐみ:『”木場田つぐみから、去りてまた来たるあなたへ”』
木場田つぐみ:『”散りゆく灰。鎮まる鐘。巡り巡りて止まれーー”』
木場田つぐみ:影がさらりと散った。その黒い黒い灰のような粒が触れて。
木場田つぐみ:『”ーー差され”』がぎり、と歯車仕掛けに挟まったような音。
木場田つぐみ:獣の四肢を、灰のような影が中に浸透しその動作を妨げた。
”リワインド”:「グオッアアア!」
安東邑:「――」見誤っていた。彼女は、変わらず”カーマーゼン”なのだ。
木場田つぐみ:「--これで、痛くても……死にはしません」
安東邑:光のなかに閉ざされた、その力と闇の深さに。めまいがする。
安東邑:「……死なないように、してくれたの?」
木場田つぐみ:けほ、と息を吐く。消耗は厳しい。本来ないものを転写したそれから引き出す負担。
安東邑:「木場田さん!」
木場田つぐみ:それでも、その技を掛けられたものの痛みより、ずっと小さいものだろう。
木場田つぐみ:「…大丈夫です!まだあと2,3回は行けますし……!」いつのまに、ぼくはこれに慣れたのだろうな、と思う。
木場田つぐみ:彼の表情を見れば、きっとよくないことだったのだろう。
安東邑:「……ごめんな。ありがと」わしゃわしゃと頭を撫でる。
木場田つぐみ:「わ、わ。やめてくださいよ…!もう来ます!」
木場田つぐみ:その体重も身長も、かつてよりずっと小さく軽い。
安東邑:「大丈夫」盾のように触手を展開する。目が細まる。

GM:では、”リワインド”の手番へ!
”リワインド”:マイナー ≪完全獣化≫+ ≪破壊の爪≫+ ≪ハンティングスタイル≫
”リワインド”:肉体ダイス+6、素手のデータを変更、PC達にエンゲージ
安東邑:ウワッこっち来た!
”リワインド”:メジャー ≪コンセントレイト:キュマイラ≫+≪獣の力≫+≪銘なき刃≫+≪増腕≫
”リワインド”:で、PC2人に攻撃!
木場田つぐみ:ぴゅ、ピュアキュマだ!
安東邑:やはりそう来るか!
GM:妨害ありますか!
木場田つぐみ:ひつぐ?
安東邑:いや、ここは次のラウンドも見据えて
安東邑:こっちがカバーするよ!
木場田つぐみ:りょうかい!
”リワインド”:14DX7 では
DoubleCross : (14DX7) → 10[1,2,3,3,4,5,5,6,8,8,8,8,8,8]+10[2,5,5,5,9,9]+10[9,10]+10[4,9]+1[1] → 41

”リワインド”:対応せよ!
木場田つぐみ:一応ドッジします。
木場田つぐみ:5dx>=41
DoubleCross : (5DX10>=41) → 10[1,7,7,7,10]+2[2] → 12 → 失敗

木場田つぐみ:うむ無理。
安東邑:『スローイン・ブルー・セカンド』:≪崩れずの群れ≫+≪グラビティガード≫+≪魔人の盾≫
安東邑:つぐみ先輩をカバーします。
”リワインド”:邑くんはガードでカバーかな?
安東邑:です!
”リワインド”:OK!ではダメージ
木場田つぐみ:ありがと~~
”リワインド”:5d10+21+14
DoubleCross : (5D10+21+14) → 21[3,9,1,1,7]+21+14 → 56

安東邑:ガード値出します!
安東邑:7d10+10+8
DoubleCross : (7D10+10+8) → 52[6,9,7,8,6,8,8]+10+8 → 70

安東邑:二発喰らって無傷!
木場田つぐみ:マジ???
安東邑:アームドスーツと魔人の盾がスッと効く
GM:やっべえ
GM:出目よくない?
安東邑:先輩に傷を付けさせるわけには行かね~~~!!!
GM:ではサクッと演出。

”リワインド”:獣の姿が変わる。めきめきと音を立てて、腕のような脚が生えてくる。
”リワインド”:「オオォーーン!!」
”リワインド”:その脚で、出鱈目に君たちを蹴る…殴る!力任せに!
安東邑:「――大丈夫」だが、既に防御は完了している。
木場田つぐみ:「、安東さ…!」
安東邑:地下を突き破って、触手が生える。それらは寄り集まり、性質を変え、乱打を的確にさばいている。
木場田つぐみ:何処か不安に揺れた瞳。どこか腰も引けている。--さほど慣れていないような。
安東邑:特別な機序や能力が作用しているわけではない。ただの『経験』だ。
木場田つぐみ:「……わあ」
安東邑:上からの振り下ろしは角度を付けて弾く。下からのアッパーはせき止めるように速度を殺す。
安東邑:横殴りには、発条のような触手を束ねて対応する。
安東邑:(……俺は)
安東邑:(こんな子を、ファケアノスに入れたんだな)
安東邑:覚えておこう、と思った。尊敬している彼女が昔どんなひとで、どんなことを自分に言ってくれたのかを。
”リワインド”:…攻撃の手が、止まる。弾かれ続けて、疲弊したか。
安東邑:「……ちょっとは、気が済んだ?」
安東邑:「じゃあこっちの番だ。悪いけど、殴るよ」

GM:安東くんの手番!
安東邑:マイナーはエンゲージしてくれてるのでなし。
安東邑:メジャー。『ブンブン・サテライツ』:≪貪欲なる拳≫+≪コンセントレイト:エグザイル≫
安東邑:対象はリワインド。妨害はありますか?
”リワインド”:ありません…!
安東邑:オラ~~~~ッ
安東邑:10dx7
DoubleCross : (10DX7) → 10[2,4,4,5,6,6,7,9,9,9]+10[6,6,9,10]+6[5,6] → 26

”リワインド”:≪竜鱗≫!
安東邑:ゲ~~~ッ
木場田つぐみ:装甲有効だとマジで最強のガードエフェクトだ
安東邑:だ、ダメージ…
安東邑:3d10+11
DoubleCross : (3D10+11) → 16[5,1,10]+11 → 27

安東邑:諸々有効!
GM:ちょっと減ります。
GM:まだ生きてるぞ
安東邑:ファ~~ック……
安東邑:浸蝕109→113
安東邑:では演出行きます!

安東邑:ばぎ ばぎ ばぎ
安東邑:触手が音を立て、硬質なモノへと変わり、安東の腕を鎧うようにねじれてまとわりつく。
安東邑:吸収したのはアスファルト
安東邑:材質と同化し、戦局によって対応を文字通り変化させる。それが”&U”としての能力。
安東邑:「――こいつで、倒れろ!」
安東邑:触手をアンカーのように打ち出し、収縮。ジャームの頭部を打撃する。砲撃音のような残響が轟いた。
”リワインド”:「…グオ?」
”リワインド”:だが、手応えが堅い。
”リワインド”:その身体は硬質化している。
安東邑:(……メチャクチャ固いな、コイツ)
木場田つぐみ:「だ、大丈夫ですかっ」
安東邑:(さやさんとか先輩みたいな攻撃じゃないと通らないか。情けね~)
安東邑:「大丈夫、慣れてるから……でも、ごめん。仕留めきれなかった」
安東邑:「気を付けて。こいつ、スゲ~タフだ。もう一発か二発、来る」サングラスをかけ直す。
木場田つぐみ:「いえ、大丈夫ですよ!さっき防いでくれましたから…!」
”リワインド”:「ガァッ」

GM:クリンナップ!
GM:特に処理はなし!

GM:ラウンド2!
GM:セットアップ!
木場田つぐみ:なしです。
”リワインド”:なし!
安東邑:なし!
GM:では、
GM:つぐみちゃん!
木場田つぐみ:はい~~!マイナー、コンボ:”知恵に頼りて語らん”≪アクティベイト≫。hp9消費。
木場田つぐみ:コンボ:“おお、見よ。居並ぶ剣槍の煌めきを”≪援護の風≫ ≪ウィンドブレス≫、にコンボ:“栄光に満ちたかの王の姿を”≪原初の赤:サイレンの魔女≫で攻撃。
木場田つぐみ:妨害等ありますかっ
”リワインド”:あります!
”リワインド”:≪魔獣の咆哮≫でダイス-3個しなっ
安東邑:ワッ ワアッ……
木場田つぐみ:ダイスが2個しか増えないよ~
木場田つぐみ:9dx+4+9+9 
DoubleCross : (9DX10+22) → 9[2,2,2,3,4,7,8,9,9]+22 → 31

木場田つぐみ:さっきより1増えた。
安東邑:回ってる…コワ…
”リワインド”:竜鱗は意味をなさないのでドッジします。
”リワインド”:8dx
DoubleCross : (8DX10) → 8[1,3,4,5,5,7,7,8] → 8

”リワインド”:はい
木場田つぐみ:4d10+18 装甲無視っ
DoubleCross : (4D10+18) → 13[3,7,2,1]+18 → 31

”リワインド”:そのダメージは…
木場田つぐみ:今度はダメージダイスが平均くらいだ
安東邑:ヤレ~~~ッ
”リワインド”:耐えられない!落ちる!
木場田つぐみ:やったあ hpコストとか払います
安東邑:ヨシ!
木場田つぐみ:木場田つぐみのHPを9減少 (19 → 10)
”リワインド”:復活なし!君たちの勝利だ
木場田つぐみ:木場田つぐみの侵蝕率を14増加 (114 → 128)
木場田つぐみ:やったぜ
安東邑:あっ…勝った
安東邑:よっしゃ~~!!
GM:演出どうぞ〜
木場田つぐみ:じゃあ演出行きますね~~

木場田つぐみ:相手を見る。確かに厚い装甲、というか毛皮だろうか?それに獣のバネを合わせて、単純打撃は効果がないのだ。
木場田つぐみ:さらさらとどうしてそうなったのか、相手がどう動いたのか。それがわかる。
木場田つぐみ:(……参ったなあ)
木場田つぐみ:(卓球とか部活より)
木場田つぐみ:(男の子とどう接したらいいとかより)
木場田つぐみ:(こう言う事のが得意になるんだな)
木場田つぐみ:感傷が僅か過って、それでも。滑り落ちる言葉に澱みはない。
木場田つぐみ:『”-----みから、カーマーゼンへ”』
木場田つぐみ:『”燃えて落ちる木々。黒々と艶めく炭。舌を覗かす熾火より語る”』
安東邑:「……!」気付いてしまった。その瞳に、確かに僅かな諦めのような色が過ぎったのを。
木場田つぐみ:『”………”』一瞬だけ、小さく笑って。
木場田つぐみ:『”灰はふたつ。ここに火よ、再度興る。--閃け”』
木場田つぐみ:浸透させていた影、灰色のそれが撚り動く。
木場田つぐみ:ごりごりと、摩擦熱で火起こしをする古い道具のように。
木場田つぐみ:「--殺しはしないよ。でもね」
木場田つぐみ:ぎゃか、と音がした。歯車同士がかみ合わずに砕けるような。
木場田つぐみ:「動けなくは、なってもらうね」
安東邑:「……」
安東邑:「やっぱり先輩は、凄い人だ」
木場田つぐみ:「あはは。ぼく、中学生ですよ」
”リワインド”:「ゴアアアアアッ!」叫び。そして。
”リワインド”:身体から影のような靄がふわふわと出て来て
”リワインド”:木場田つぐみの影へと吸い込まれていった。
木場田つぐみ:「……ああ、こうなるんだ。逆行、というか…成長とか、時間の略奪みたいな感じなのかも」
安東邑:「どうせだったら、そのまま……」
安東邑:……そのまま、彼女が受けた……辛い仕打ちも、ひどい仕打ちも、奇麗さっぱり持って行ってくれれば良かったのに。
木場田つぐみ:「ひどいこと言いますね」
木場田つぐみ:「ぼくどうするんですか。10年間くらい吹っ飛んじゃうんですよ。誰もかれも困るし、」
安東邑:「……ああ、そっか。そう聞こえちゃうよな……そういうつもりじゃないんだ」
木場田つぐみ:「ぼくがやろうとして、やってきたことは……そりゃ、いいことばかりじゃないですけど」
安東邑:「! 記憶が……」
木場田つぐみ:そこから少し、ううんと考え込むようにして。
木場田つぐみ:「大体なんとなくわかってきてますよ。もう少しで戻ります。……うん、そうだな」
安東邑:「……ごめんね。きみは多分、消えちゃうんだろ」その意味が、解っていなかったわけではない。
安東邑:けれど……もう一度、先輩に会いたかった。だから結局、そっちを選んだ。
木場田つぐみ:「消えるってひどいなあ。昔そうだった、っていうだけで。今もぼくは生きてますよ」
安東邑:(おれは結局、いつも、ひどいことばっかりしちゃうな……このひとに)
木場田つぐみ:その表情に、少し溜息をついて。
木場田つぐみ:指をぴ、と突きつける。
木場田つぐみ:「ぼくが生きてきたことが、誰かの強制でひどいことになったとして。それに、あなたが関わっていたのだとして」
木場田つぐみ:「それを、あなたが後悔するのはあなたの勝手。でも」
安東邑:「きみの人生は、きみのもの、だろ?」
木場田つぐみ:「ぼくがどういう場所にいて、どういうことをするのかは。全部、その時のぼくが選びました」
木場田つぐみ:「そうですよ」
安東邑:「……解ってる。解ってるんだ」
木場田つぐみ:「バカにするな、って話です」
安東邑:「だよな。ごめん」素直に頭を下げる。
木場田つぐみ:「ぼくは、あなたに何でもかんでも背負ってもらわないと生きていけない奴じゃないですし」
安東邑:「うん。知ってる」
木場田つぐみ:「誰かを、そうやって背負ってもらわなきゃどうにもできないようにするのが、ヒーローで正義の味方のはずがありますか」
安東邑:「手厳しいなあ……やっぱり、木場田さんは先輩だ」
安東邑:「ねえ、木場田さん」
木場田つぐみ:「中学生です。……やれやれ。何です?」
安東邑:「おれさ。これからも多分、間違えたり、苦しんだり、悩んだりすると思う」
木場田つぐみ:じっと丸く明るい星のような瞳で見つめている。
安東邑:絶対にみんなを守る、なんて口で言うのは簡単だけど。現実はそうではないのだと教えてくれたのは、彼女だ。
木場田つぐみ:その瞳に、わずかずつくすむ様な。そんな、見慣れた色が混ざってきているのもわかる。
安東邑:「それでも……諦めないからさ。木場田さんを含めた、みんなを幸せにすること」
???:その耳に、囁くかつての思い出があっても。
木場田つぐみ:「ぼくの話聞いてました?って言ってやりたくなっちゃいますけど、そうですね」
安東邑:「ごめんね。でも、ちょっと背負うくらいなら良いでしょ?」
木場田つぐみ:「誰かを幸せにする、なんて。そんなのはね、安東さん」
木場田つぐみ:「ひとが幸せにできるのは、自分だけよ」
木場田つぐみ:「それでも、誰かになにか、してあげたいと思う事があるから」
木場田つぐみ:「助け合ったり、一緒に居たりするの」
安東邑:「そうだよ。そうだ……」
安東邑:「『それでも』って、言いたいんだ。おれは」
安東邑:(そうだ。あの時だって)
木場田つぐみ:「わがままだね」
安東邑:蜜柑の木の下で、水族館で、カラオケで、ホテルで、
安東邑:おれたちはいつだって『それでも』って言い続けてきた。
安東邑:「わがままだよ。だから、他の人に助けて貰う必要がある」
安東邑:「たぶん、ヒーローってやつは…世界で一番わがままな人種なんだろうな。ろくなものじゃない」
木場田つぐみ:「………」苦笑を浮かべた。
木場田つぐみ:「ぼくの話、忘れちゃいました?」
木場田つぐみ:それは、きみと一緒にいた今の彼女のことじゃなくて。
木場田つぐみ:「したいことがあるなら。それが夢だっていうなら」
安東邑:「……」泣きそうな顔をしている。
木場田つぐみ:「もっと嬉しそうに、楽しそうにしてくださいよ。助けられる側も、困っちゃうじゃん」
安東邑:泣きながら、頬をぐにっと持ち上げる。
木場田つぐみ:「うーん、30点。赤点です」
安東邑:(えいらさん。おれ、頑張るからさ)
安東邑:(みんなと一緒に、みんなに勝手に幸せになって貰えるように、頑張るから……)
安東邑:(だから、一生おれを許さないでくれ)
安東邑:「……あはは。やっぱり、厳しいなあ」
木場田つぐみ:「特に、目の前に女の子がいる前で、別のだれかを思い出すとことかが大分大きな減点ですね」
安東邑:「ウッ」
安東邑:「……ごめん。今だけはきみのこと考える」
木場田つぐみ:「じゃあ、残りの70点分。どこが間違いで、どこを認めるべきか、ちゃんと考えて」
安東邑:「うん」
木場田つぐみ:「……そしてそれでも、30点付けてあげたのはどうしてか。それも、忘れないでくださいね」
木場田つぐみ:「じゃあ、そろそろです。二回目以降の採点は、ぼくじゃない誰かにしてもらってください」
安東邑:「――うん。きみがいたってこと、きみが選んでここにいるってこと、絶対忘れない」
安東邑:「また『絶対』って言っちゃったけど……それでも、言うよ。おれは」
安東邑:「さよなら。そして、これからもよろしく」
木場田つぐみ:「絶対なんて信じません。ぼくは賢いので」くすくすと笑う。
安東邑:「……」ぎゅっと抱きしめる。
安東邑:「ごめんね。ちょっとだけ、こうさせて」
木場田つぐみ:「きゃ、」
木場田つぐみ:「……まあ、ぼくはいいですけども」
木場田つぐみ:「”ぼく”はどうですかね……」
安東邑:「……そん時は、死ぬほど怒られるよ」
木場田つぐみ:「……さ、じゃあ。あんまり人を勘違いさせるようなこと、今度からはしちゃだめですよ」頭を背伸びして撫でつつ。
木場田つぐみ:「それでは、さようならです、安東せんぱい。そして、今のぼくとはまあそれなりによろしく」
安東邑:「うん。未来のきみを……」
安東邑:「……きっと、幸せになって貰うから」『してみせる』じゃなくて。
安東邑:彼女が色々考えて、決めて、それで……そうなっていればいいなと、願っている。
安東邑:心の底から、ただ願う。
安東邑:「……お帰り、先輩」
木場田つぐみ:最後に、にこりとその言葉によくできました、とでもいいたげに笑って。
木場田つぐみ:ぎゅる、と影が完全な形になる。その姿が影に包まれーー
木場田つぐみ:「--ああ、ただいま」
安東邑:微笑んで、もう一度だけ強く抱き締める。
安東邑:……手を離す。
安東邑:予言者は、『ファケアノス』という船に帰ってきた。

GM:バックトラックは《ワンナイトフィーバー》により省略。
GM:経験点は5点!
GM:おつかれさまでした!
安東邑:点を食え!点を食えつぐみ!点を食え!
木場田つぐみ:わあい いただきますね
安東邑:お疲れさまでした~~!!GMもありがとう!
木場田つぐみ:おつかれさまでした~~ GMありがとうございます!
GM:ふふふ
GM:だが戦いはまだ終わっていない…
GM:さあゆくのだ、エンディングへと!

エンディング

安東邑:『ファケアノス』セル偽装拠点、『天城荘』。
安東邑:安東邑、木場田つぐみ、猿喰早耶、風間ねねのセル四名が同じ部屋で生活すればぎゅうぎゅうになってしまうほどの、
安東邑:家賃に見合った安アパートだ。
安東邑:ブロック塀の前には何故か年中門松が飾られているが、あまり顧みられることはない。
安東邑:……訂正。最近資金が増えたので、流石に一人一部屋借りている。プライベートも何もあったもんじゃないし……
安東邑:とはいえ、実質的なシェアハウスのようなものだ。
安東邑:「……」つまりそれは、自分の料理を振る舞う機会が大幅に増えたことを意味する。
安東邑:「――!」≪十徳指≫。
安東邑:新鮮な海老が、鍋に入る直前で見事に1cm角に切られ、そのまま投入される。
安東邑:「よし!」
木場田つぐみ:「は~、本当器用なものだね」
木場田つぐみ:こちらもこちらで、色々なものの下処理とかをしていた。人数が多い分、量も増える。
安東邑:「オーヴァード最高っす。もう百均で買った包丁には戻れない……」海老と生姜、にんにくをオリーブオイルで炒める。
安東邑:そこにちょっとオイスターソースを垂らして、焦がす。良い匂いが部屋中に広がった。
安東邑:「よし、先輩ジャガイモ取って」
木場田つぐみ:「調子乗って使いすぎるなよ…?あちらさんはそう言うの煩いしな……」
木場田つぐみ:「はいよ」渡す。
安東邑:「サンキューっす」
安東邑:「さやさん、トマト切れてる?」
安東邑:火の通りにくいじゃがいもをぼとぼと入れて、炒めながら声をかける。
猿喰 早耶:「あいあい」
猿喰 早耶:湯剥き済みのトマト角切りを、邑のほうを特に見ないで渡したりしつつ
安東邑:「あんがと」後ろ手でぱっと受け取る。
安東邑:ボウルをぱっと宙返りさせて、トマトだけが奇麗に鍋の中に入る。
安東邑:「あとはトマトを良い感じに焦がしつつ……オクラとナスを、入れる!」
木場田つぐみ:見ないでやれるの仲いいなァ、とか感慨にふけりつつこちらも残りを処理している。
安東邑:「そしてカレー粉!」鬼気迫っている。
安東邑:「ココナッツミルク!醤油!ナンプラー!オラッ!」料理の時は独り言が多くなるタイプだ。
猿喰 早耶:「にぎやかでいいよね」つぐみちゃん見て
安東邑:「……」しばらく炒めて、火を弱める。「味見してくんないすか?二人とも」
木場田つぐみ:「まあ、にぎにぎしいのはいいことで。……あ、もう大丈夫なの?きみ急に動いたりするからわからんのよ」
安東邑:「うん。イエローカレーだから炒めすぎると香りが逃げるんだ」
猿喰 早耶:「おいしい」
安東邑:「よっし」
木場田つぐみ:「ん~……おお、美味しいもんだね。ははあ、やっぱ手間掛けると違うもんなんだなあ」
安東邑:「いえいっ」ピース。「こないだ読んでたクッキングパパのレシピを改良したんだ」
木場田つぐみ:「マンガからも引っ張ってきてんのか。ぼくなんかクックパッドか食品会社のとこ見るくらいしか分からんが…」
安東邑:「いや、料理マンガ面白いよ~。ミスター○っ子とか○鍋のジャンとか」
猿喰 早耶:「自分で作るだけあたしより上だぁ」
木場田つぐみ:「一応大学時代は一人暮らしでしたからねえ…」
安東邑:「そうそう。って言うか、おれ元々先輩の影響で自炊始めたし」
木場田つぐみ:「そうなの?そりゃ安く済むよーって言った覚えはあるけどさ……すごい上手くなってるんだもんな」
安東邑:「あ、自分で作るって言えば…」
安東邑:「今日さ、スープどっちか作ってくれるって言わなかったっけ?」
猿喰 早耶:「つぐみちゃんでない?」
安東邑:「先輩か。……さやさん料理は全然だもんな……」
木場田つぐみ:「ぼくか。んー、大分忘れてそうだし、時間ズレるが…すまんね」
木場田つぐみ:「記憶が混乱してんのかな。やれやれ」
安東邑:「良いよ良いよ。あんなこともあったんだし…先輩が作ってくれるならうまいでしょ」
猿喰 早耶:「そうそう。あたしつぐみんもすきだよ」
安東邑:「ね~」
木場田つぐみ:「やめろよな~、プロとして出してる子のやつと比べられちゃうじゃん」
木場田つぐみ:「はいはい、仲いいこって……」
木場田つぐみ:「じゃあ、適当にボルシチでも作るか……ジャガイモとかのあまり貰うよー」
安東邑:イエローカレーを手早く盛り付け、フライパンで焼いていた自家製のナンを添える。
安東邑:「あ、じゃあこれ使ってみてよ。こないだアメ横で買ったデスソース」
猿喰 早耶:「本気で死ぬやつじゃん?」
木場田つぐみ:「オリチャーして上手くできるほど上手くないんだよぼかぁ」
木場田つぐみ:「レシピ通りにやって何とか出来るってレベルだっての……あーもう」
安東邑:「クソ~、姉さんが居れば多数決で2VS2に持ってけたのに」
木場田つぐみ:「猿喰さんメチャクチャいやそうな顔してるじゃんか。いやきみとねねさんだけなら好きにしろよっていうけども…」
安東邑:「姉さん口移ししようとしてくるんだよ!」
木場田つぐみ:「止めなよ」トマトやその他のあまりものを集めて、中くらいの鍋で作っていく。
安東邑:「さやさんは…意外と食いモン冒険しないよなあ…」
猿喰 早耶:「生きるために食べるもんだよ、少年」
安東邑:「説得力が……」苦い顔をしながら、皿を四人の食卓まで持って行く。
木場田つぐみ:あまりの牛肉をオリーブ油で炒め、他ジャガイモやニンジンを入れ、トマトのあまり、スープの素を入れて作っていく。
安東邑:「お、うまそ~。デスソース入れなくて良かった」
木場田つぐみ:「後は時間かかるんだよな、煮物だから。先食べちゃうか」
安東邑:「そうだね~。乱切りにすれば多少は早くなるけど、それも大して変わるもんじゃないしなあ」
木場田つぐみ:「ま、結構味は丸いから、辛くても何とかなる保険くらいに思っといて」
猿喰 早耶:「そだねえ。ねねさんも待ってるだろーし」
安東邑:食卓を付近で拭いて、全員分の食器を並べる。調理器具の洗い物は既に済ませていた。
木場田つぐみ:こちらも手洗いなどを済ませて。
安東邑:「よし。出来たよー」
木場田つぐみ:「はーい、おつかれさまー」
猿喰 早耶:「じゃ、ちーとよんでくるから、あとよろしくーう」
木場田つぐみ:「あ、ありがとうございますー」
安東邑:「あいあい。先喰っちゃおうぜ先輩」
安東邑:「じゃあ頂きま~す」
木場田つぐみ:「ラップとかは掛けとくか。はい、こちらもいただきます」スプーンを挟み持って、手を合わせつつ。
安東邑:チーズナンをイエローカレーに浸して、豪快に半分くらい一気にかぶりつく。
安東邑:「あ~~、超うめえ……」
木場田つぐみ:「また豪快に行くなあ……」こちらは普通にスプーンでとりつつ小さく食べる。
木場田つぐみ:「ん、美味しいね。ナンはそんなに食べたことないが、こっちも美味しいもんだ」
安東邑:もっちりとした食感に、とろりとしたつやつやのナスが触感の彩を添えてよく絡む。
安東邑:小麦粉を入れずとも、とろみはおくらで付いている。優しくまろやかな塩気に、チーズナンの丸さがつつみ込まれた。
安東邑:「あ、このナンおれが作った奴。百均のイースト仕込めば簡単に出来るよ」
木場田つぐみ:「んー、ナスも久し振りだなあ。……へえ、パンまで作るのかきみ…本当こっちすごいよなあ」
安東邑:「ピザチーズが半分くらい余ってたから、黒胡椒入れてチャパティみたいにしようと思ってさ…」
安東邑:「っつ~か、そうなの。今のおれたちには何でかそんくらい作れるだけの金がある」
木場田つぐみ:「いやあFXで溶けなくてよかったよな」
安東邑:「そうそう。いや、『フライング・ダッチマン』の事件の後さ~。何でか色々うちのスポンサーが増えたじゃん」
安東邑:「多分、こっちの戦力が再認識されたんだと思う。棚ぼただし、威嚇行動みたいであんま好きじゃねえけど」
木場田つぐみ:「ああ、アレ下手な仕事を食うに困ってされても困るってことだからなってやつね」
安東邑:「だろうなあ。実際、」
安東邑:もぐもぐ
安東邑:「そのお陰で、車も」
安東邑:もぐもぐ
木場田つぐみ:「こういう少数の側って、匿名性が武器みたいなとこあるからな。割れてるとまあ、やりづらいったら」
木場田つぐみ:「食べるのと話すのどっちかにしなよ。行儀悪い」
安東邑:「買い戻せたし……このカレーマジで旨くない??」
木場田つぐみ:「まあ美味しいけどね…?」こちらも一口。
安東邑:「まあでも、ここで焦って手広くやるとそこを叩かれるし」
安東邑:「慎重に行きたいよな、おれたちも。別にリエゾンエージェント目指すわけでもなし」
木場田つぐみ:「そもそも直接監視とか収監じゃないだけ大分甘々だけどそうだなあ」
安東邑:「大丈夫だよ……なんて、あんまり軽々しくは言えないなあ」
木場田つぐみ:「リエゾンってことはセル統括ってことだからね。そういう利害調節やその他、単純な実力だけじゃなくて色々いる」
安東邑:「そうだね。多分、ずっと迷いながらやってかなくちゃならないんだ。それでも……」
木場田つぐみ:食べながら続く言葉を待つ。
安東邑:「それでも、一人でも多くの…おれと出会う前の皆みたいな人の力になれたら良いよなって、そう思う」
安東邑:「それに、UGNにも良い奴等が一杯いたんだ。そういう人たちとも、仲良くやっていきたいし」
木場田つぐみ:「…まあ、目指すとこがあるのはいいことだあねえ」
安東邑:「あはは。先輩にそう言って貰えると嬉しくなっちゃうな」
木場田つぐみ:「色々気をつけなきゃいけないことは多々あるんだぜ」
木場田つぐみ:「そういう、個人として」
木場田つぐみ:「いい人間である、っていうのとさ。組織としてどうなのか、どう動くのかは全く別だ、ってコトとか。具体例も色々ある」
安東邑:「ウッ……それはまあ、確かにそうだなあ」
木場田つぐみ:「知ってるかもしれんけど、人種問題で内戦になったユーゴスラヴィアとかな。あれ、始まる前は同じ国として上手くやってた」
木場田つぐみ:「一回、嘘っぱちの人種差別的なデカいのがあがったら、ドーン!だ」
安東邑:「誰もかれもチトーになれるわけじゃないしな。……そこ、やばそうだったら止めてくれよな、先輩」
木場田つぐみ:「UGNだって、有名な話なら、”マスターレイス”がUGNのお偉いさんになってクーデタやって、成功直前まで行ったんだぜ」
安東邑:「えっ、そうなの?マスターレイスってあのいっぱいいる奴等だよな?」
安東邑:「マスターエージェント…やりあいたくねえ~~」
木場田つぐみ:「コードウェル派が台頭する前だよ。もっとヤバい奴らだった時のことだ」
安東邑:いつの間にか皿は空になっている。
安東邑:「あ~。フィランダ―博士の時とかの?」
安東邑:「さやさんは会ったことあるって言ってたけど、相当な厄ネタだよなあ」
木場田つぐみ:「そっちというか、”プランナー”がまだ日本FHマネージャーだった時……」
木場田つぐみ:「……おいおい。これ、ぼくが聞いてよかったやつか?」
安東邑:「”プランナー”の方は、姉さんが会ったって言ってたし」
木場田つぐみ:「………ぼくが一番マシだったとはなあ」
安東邑:「良いんじゃない?隠し通しても下手に爆弾になるだけでしょ」
安東邑:段々とリーダーとしての立ち居振る舞いは身に付いている。
木場田つぐみ:「………」そうした表情を見て、思う。
木場田つぐみ:「……ま、安東くんが色々そうやって受け止めて、その上で余裕あるのはいいことだ」
安東邑:「そっか」
木場田つぐみ:「余裕が無きゃ、どうにもならんからね」
木場田つぐみ:そう言いながら、ゆっくりと見えるようでかなりの速さで食べていく。
安東邑:「そうだね。初めて会った時の先輩、ひどかったからなあ」
安東邑:……ようやく、冗談として出せるようになった。
木場田つぐみ:「ひどいこと言うなあ。マジであの時、本当きつかったんだぜ」
安東邑:こうなるまでに、払った代償は大きかった。とても。
安東邑:「うん。だから、会えてよかったと思ってる」
安東邑:「先輩が居なくなっちゃったとき、おれスゲ~寂しかったし」
安東邑:柔らかく微笑む。
木場田つぐみ:「高校時代の友人の写真とか見せつけて、下手な脅し噛ましてきたアホども殺した後、その残党がなんか絡んできやがったのをなんとか処理してだなあ…」
安東邑:「うわ~」
木場田つぐみ:「なんだよ。もっと早く言ってたらもっと喜んでたぜ、そう言うセリフ」いなくなったときに、というのに笑って。
安東邑:「……おれだって、照れたり迷ったりするよ」そっぽを向く。
安東邑:「大体さ!勘違いさせないように~っていっつも言ってるけど……結構勇気振り絞ってるんだからな!」
木場田つぐみ:「ほーん」
安東邑:「そんな軽く流す???」
木場田つぐみ:「迷うのとかは、最初っから知ってるっての」
安東邑:「……」完全に機先を制されている。
木場田つぐみ:「後勘違いさせるなっていうのにそう言うの返ってくるのも、まあ安東くんだなあ~って思ってね」
安東邑:「おれ、多分、このセルの女性には誰にも勝てね~気がするよ。ようやくわかった」両手を上げる。
木場田つぐみ:「別に勝とうなんてしなくていいだろ?」
木場田つぐみ:「わざわざ好きで集まって、きみのやることに付き合ってるんだぜ。そういうのに、勝ちも負けもあるもんかね」
安東邑:「いや、だって…格好いいとこ見せたり…頼られたりもしたい…ちょっとは」
木場田つぐみ:目を閉じて、ふっと小さく息を吐きながら。
木場田つぐみ:「そーいうとこが、子供っぽいんだよなあ」
安東邑:「……以後気を付けます」
安東邑:ちょっとふてくされたような表情。
木場田つぐみ:「はは、がんばって赤点取らないようにしてくれたまへ」
安東邑:「えっ」彼女との、最後のやり取りを思い出す。
安東邑:「え、ちょっと待って?先輩あん時のこと覚えてんの?」
木場田つぐみ:「ん?どした?」
木場田つぐみ:「あ、あ~~~……え、あ~~………」
安東邑:「いやだから…あの時のジャームの…」コスプレの時は、かなり変なノリに流されていた気がする。
木場田つぐみ:「言った方がいいか?」
安東邑:「ヤダ~~~~~~ッ!!!!」机に突っ伏す。
木場田つぐみ:「今なら聞かなかったことにしてもいいが…」
安東邑:「わ…忘れ…」言いかけて、やめる。
安東邑:「いや、いいや…」
安東邑:「…うん」
安東邑:――『残り30点の分は、自分で考えるんだぞ』
安東邑:「忘れたくないな。おれは」
木場田つぐみ:「そうかい。じゃあ言っておくけど」
木場田つぐみ:「ぼく、普通にエフェクト使えてただろ。遜色なく」
木場田つぐみ:「まあ、そういうこった」
安東邑:「…………マジ???」
安東邑:恥ずかしいことを、言った気がする。
安東邑:それも…本当に沢山。
木場田つぐみ:「訓練もなしでいきなり能力が使える天才なつぐみ君だと思いました?」
安東邑:「せ…先輩凄いし…ちょっと出来るかなって…」
安東邑:「あああ~~~っ」机の角にゴンゴン頭を打ち付ける。
木場田つぐみ:「ふざけんなって話だよ。ぼくアホほど勉強したし訓練したし実戦もやったんだよ。そうじゃなきゃ本来分野違いの君の指導なんてできるか」
木場田つぐみ:「まあ、だからな」
安東邑:「う、うん…」
木場田つぐみ:「そんな不幸とか嫌な目あったとか、その時はそう思って、誰かもそう言うかもしれんことでも」
木場田つぐみ:「後から振り返れば、まァ言うほど悪くないし、そのおかげで何とかやってけてるってことになったりもするのさ」
安東邑:……今の先輩の能力は、確かに『不幸』な頃の先輩が必死で身につけた者で。
安東邑:今は、それが自分たちの船を支えてくれている。
木場田つぐみ:「人間なんて、テキトーなんだよ。そんなもんだ」
安東邑:「……そっかあ。そんなもんか」
木場田つぐみ:「そうだろ。飯が不味けりゃ嫌な気分になるし、眠れなきゃイライラする。その程度だっての」
安東邑:「じゃあ、頑張って美味しいごはん作らなきゃな」
安東邑:「……ね、先輩」
木場田つぐみ:「おう。楽しみにしてる」
木場田つぐみ:つい、と席を立って。
木場田つぐみ:「ああ、そうだ」
安東邑:「ん?」
木場田つぐみ:「まあ、そっちメインで行ってもいい位には評価してるぜ。アンパンマン路線、目指してみても付き合ってやる」
木場田つぐみ:じゃ、と後ろ手に振って、部屋を出る。
安東邑:「あ!ちょっと……」
安東邑:「……」虚空に伸ばした手を、落とす。
安東邑:「……ふふ」
安東邑:いつの間にか、自然に笑えている。
安東邑:やりたいことは、尽きない。さやさんと一緒に旅行に行きたいし、姉さんにはいつか恩返しをしたい。
安東邑:先輩には、両親に会わせてあげたい。あんな可愛くて賢い娘と離れ離れになっている彼らに、『テキトー』に、幸せになって貰いたい。
安東邑:やらなきゃいけないことじゃない。これが、おれのやりたいこと。
安東邑:先輩が駄目だって言うかも知れないけど……多少のズルが効くのが、FHの良い所だ。
安東邑:もちろん、その前に色々落ち着かせる必要はあるけれど。
安東邑:でも、この船の前途はきっと希望に溢れている。
猿喰 早耶:「ん。どーしたのさ、邑。賭けで勝ったみたいな顔しちゃって」
安東邑:「オールインだよ。認めて欲しい人にちょっとだけ認めて貰えた…」
安東邑:「ね、さやさん。誰かの幸せを勝手に決めつけるのって、凄く傲慢なことだったんだなあっておれは思うよ」
猿喰 早耶:「今更ぁ?」
安東邑:「超今更。ひどいことしてたんだなあ、おれは」
安東邑:「こうやってセルも上手く軌道に乗ってさ。大分傲慢になってたのかも知れない」
猿喰 早耶:「そもそもひどいことしかできないっしょ、きみは」
安東邑:「さやさんはおれのコト、本当によく知ってるんだなあ」
猿喰 早耶:「そりゃね。ひどいことされた回数多いし?」
安東邑:「え、そんなにひどい?」
猿喰 早耶:「ひどいよね」
安東邑:「夜はまあ……仕方ないでしょ。さやさん可愛すぎるし」
猿喰 早耶:「んで、それ反省してたって? 邑、やっぱおもってたよりけっこうバカだよねー」
安東邑:「ウッ」
猿喰 早耶:「つみかさね最高点更新てかんじ」
安東邑:「愛想尽かされそうで怖い!」
安東邑:「……まあ、本当に今更だよ」
猿喰 早耶:「いまさら、いまさら」
猿喰 早耶:「尽かさないよ。いーかい少年、きみにはとくに通じにくいかもしれないけどさ」
猿喰 早耶:「どんだけ近付いても、相手のことなんてわかんないの。それがふつう」
猿喰 早耶:「でも、側にいるかどうかとかって、そうゆう理屈とは別のとこっしょ?」
安東邑:「それもそっか。おれも、さやさんが何考えてるか、あんまり解んないし…」
安東邑:「好きな食べ物以外は」小さく付け足す。
猿喰 早耶:「そこはわかってほしいけどにゃ」
安東邑:「でも、おれは解らないさやさんでも解るさやさんでも」
安東邑:顔を覗き込む。
安東邑:「傍に居たいよ?」
猿喰 早耶:「そゆことよ」
安東邑:「こういうことかあ。そっか……」
猿喰 早耶:「ところでおなかすいた。声かけてきたしたべちゃう?」
安東邑:「食っちゃお。姉さんも来るっしょ?」
安東邑:「……うん。おれは今、幸せかな」
安東邑:「それ以外のことは、皆が決めてくれればそれでいいや」
猿喰 早耶:「そうしよ。そうしよ」
猿喰 早耶:ぺたっと腰おろして
安東邑:「おれは、自分勝手に飯を食わせたり、人を助けたりするからさ……これからも」
安東邑:「だから、傍に居たい時は、傍に居てくれればいいや。いつまでも」
猿喰 早耶:「そうしな。ワガママなほうが邑らしいよ」
猿喰 早耶:「サイテーなほうがそれっぽい」
安東邑:「やっぱひどいな。彼氏としてはそこそこ優良物件だよ?おれ」苦笑。
安東邑:「…スゲ~恥ずかしくなってきた。食お食お」
猿喰 早耶:「ん」
安東邑:「それじゃあ」
安東邑:手を合わせて。誰かの幸せを、ただ祈るように。
安東邑:「いただきます」
猿喰 早耶:「いただきまーす」
安東邑:幸せな声が、小さく、確かに、こだました。

一夜二人転・安東邑と木場田つぐみの場合  おしまい

木場田つぐみ:お疲れさまでしたっ!
安東邑:お疲れさまでした~~~
安東邑:幸せになろうね…
木場田つぐみ:まあ、上手くやってなんとかするさね
安東邑:あ、ちなみにコスプレ写真は後でファケアノスの皆で見ました
木場田つぐみ:おい!!