『ファケアノスに抱かれるもの』 GM:優水

本編ログ|雑談ログ

登場PC

PC1:安東邑キャラシート(PL:カムリ)
PC2:木場田つぐみキャラシート(PL:嗣子)
PC3:風間ねねキャラシート(PL:海野しぃる)
PC4:猿喰早耶キャラシート(PL:里村)
NPC:床名えいらキャラシート(PL:優水)

目次

プリプレイ

GM:では破滅的お姉さんクロスの始まりだぜ!
GM:最初にトレーラーを貼ります。

昨日と同じ今日、今日と同じ明日。
世界は繰り返し時を刻み、変わらないように見えた。
――だが、世界はすでに変貌していた――。

ごく普通の日常に、ごく普通に日常的に彼女たちは訪れた。
日常のかたちをした永遠の女たちの中で。
君は少しずつ、世界の真実を知り。

選択せよ。
平穏か、破滅か。
選択せよ。
幸福か、後悔か。
選択せよ。
世界を救うか。

ダブルクロス the 3rd edition 『ファケアノスに抱かれるもの』

GM:自己紹介タイム!PC1から行きましょう
【安東邑】
GM:安東君どうぞ!
安東 邑:ハアーッ ハアーッ おれですね 緊張してきた
安東 邑:「いや......どうだろう。たぶん、昔は正義の味方になりたかったんだと思うけどな、おれ」
安東 邑:ということで、初稼働PCの安東邑くんです
安東 邑:名前は好きな漫画の主人公と 「and you」という英語からとりました
安東 邑:文系大学(そこそこ偏差値はいい)に通う大学一年生の19歳!性格は至って善良かつ温厚。どこにでもいるような普通の大学生..ですが
安東 邑:なぜか「破滅的な女性」に憧れてしまうという悪癖もとい願望があり、大学の友達にもやや引かれています
安東 邑:趣味は料理と読書、映画、古着屋巡り。最近のマイブームはKALDIで変な食材とかを買うこと。
安東 邑:ちなみに家から徒歩二分の中華屋でアルバイトしています。
安東 邑:今はまだ覚醒していませんが、オーヴァードとして覚醒すると
安東 邑:なんか影のような物理的実体を伴う変な触腕(形状はある程度可変できる)を扱うみたいです
安東 邑:更に触腕にはなんか「触れた物体との同化機能」なんて物騒なものも付いてるらしいです。コワ~...
安東 邑:データ的にはエグ/バロの変則ディフェンダー!単体カバーリングでうんうん苦しみつつ時の棺と異世界の因子で色々変なことやっていきたいです
GM:大学生だ!そんな邑くんのハンドアウトはこちら!

PC1:安東邑 (PL:カムリ)

シナリオロイス:クライマックス後に選択
君は破滅的な女性に憧憬を抱く料理が趣味の大学生だ。
1年前のある日のこと。君は傷ついた女性に出会い───死んだ。
だが君は生きている。生きて、日常を過ごしていた。
ただ───身体の中にある奇妙な違和感以外は。
そして、今。君は見覚えのある───あの日の女性と対峙していた。

※君は無自覚なオーヴァードだ。
その必要に迫られた時、君の能力は真に覚醒するだろう。

GM:OP0で1年前をやります。
安東 邑:えっ!破滅的お姉さんとのOP0を!?
GM:そうゆうこと!
安東 邑:俄然楽しみになってきた
安東 邑:改めて、こんな素敵な卓を開いてくれてありがとうございます
GM:いえいえ
安東 邑:全力で行かせて貰います!よろしく!
GM:至らないところも多いかと存じますが楽しんでいただければいいな!

GM:では、PC2!
【木場田つぐみ】
GM:つぐみちゃんどうぞ
木場田つぐみ:「……”カーマ―ゼン”。こっちの方が通りがいいんだ。……名前もこうなって、ぼくは、まだぼくのままなのかな。どうなんだろう」
木場田つぐみ:こばた・つぐみ。20歳の元大学生現FHのすみっこでなんとか生きてる逃亡者です。
木場田つぐみ:一年前に起きた重軽傷者数百人とも言われるKR市住宅街ガス爆発事件の“重要参考人”の少女。
木場田つぐみ:勿論そんなヤバい事故はUGNとかの隠蔽の効果であり、本来はレネゲイド事件です。
木場田つぐみ:FHセル”イーコール”…神の血とか言われるあれだね…と、UGN支部の衝突事件。
木場田つぐみ:あと、なんか覚醒したぼくの広域エフェクトがこんなに引き起こしたとか。知らないよそんなの……
木場田つぐみ:まあそんなことを起こしたので、
木場田つぐみ:覚醒時の暴走、そしてそれから高い侵食率での安定の確認により、UGNからは無事ジャームとして認定済です。当然だね。
木場田つぐみ:なのにpc面してるのは、FHのDロイス、不死者の効果によるもの。ギリギリでジャームじゃなかった(UGNからは認められない)というわけ。
木場田つぐみ:あと現在も逃亡中であり、当てもなく彷徨い続けています。
木場田つぐみ:むかしは良いとこの大学の史学部とかにかよってたんだよー。まあ除籍されてるだろうけど。
木場田つぐみ:能力は影による虚実線の崩壊。データ的にはサイレンに鮮血の修羅をぶっぱするだけです。
木場田つぐみ:こんな厄介過ぎるやつですが、どうかよろしくお願いいたします、皆さま。
GM:どうぞよろしくお願いします!
GM:つぐみちゃんのハンドアウトはこちら!

PC2:木場田つぐみ (PL:嗣子)

シナリオロイス:安東邑
それは、UGNとFHの衝突だった。その時君は覚醒し───多くの犠牲者を出した。君が覚醒した時、側にいた少年もまた。
それから1年。
「ジャーム」として追われる君は、立ち寄ったコンビニで思わぬ顔と出会う。
それは、君が覚醒した時、君のそばで命を落とした少年だった。
君は、少年との間に言いようのない深い繋がりがあることを感じ取る。

GM:と言うわけでつぐみちゃんもOP0に出てもらう
木場田つぐみ:わあ…運命の出会いというやつなのかな。
木場田つぐみ:死神的な。
GM:謂わば優遇枠だ!がんばって破滅させよう!
木場田つぐみ:がんばりますよ~~

GM:では、ネクスト!PC3のねねさん!
【風間ねね】
風間 ねね:「こんにちは! 邑くんの姉の風間ねねです!」
風間 ねね:「名字が違う? そうですね、たしかにそのとおり。色々事情があったんです」
風間 ねね:「遠からず同じ名字になるので、心配いただかずとも結構ですよ」
風間 ねね:強力な催眠能力と記憶改竄能力を持つレネゲイドビーイングです。
風間 ねね:元いたFHセルから脱出してからは、その能力で様々な家にぬらりひょんのように入り込んでは暮らしていました。
風間 ねね:脱出を手引してくれた友人の姿を借りていますが、人格や社会常識については材料となった人々や製作者を参考にしています。
風間 ねね:安東邑に対しては妙な執着を見せており、ソラリス/ハヌマーンの社会力で愛する弟をしっかり守ろうと頑張っていますが……その実態は破滅的なお姉さん!
風間 ねね:催眠術で得た姉という立場を利用して、至近距離から堕落と気まぐれと慰めの愛を振りまいて爛れた暮らしの入り口を一生懸命構築しています!
風間 ねね:よろしくね!
GM:よろしくおねがいします!コワ…
GM:ハンドアウトはこちら!

PC3:風間ねね (PL:海野しぃる)

シナリオロイス:安東邑
君は安藤邑の『姉』だ。姉として、彼の家に上がり込み、彼の姉として振る舞っている。
いつものように彼と食後の団欒を楽しんでいたとき、彼から気になることを聞いた。
「最近、誰かに見られてる気がする」
姉として見過ごすわけにはいかない。よくよく彼の周囲に気をつけなければ…

風間 ねね:許せない
風間 ねね:愛する弟に迫る泥棒猫は……殺す……!
GM:というわけです。守ろうね!
風間 ねね:はい!
GM:物騒
風間 ねね:二人の破滅しそうで破滅しきれない仄暗い未来を! 守ります!

GM:PC4、猿喰さん。自己紹介をお願いします。
【猿喰早耶】
猿喰 早耶:「はい。どーも。猿喰早耶です。さるばん・さや、さる、たべる、はやい、やって感じで書く」
猿喰 早耶:「少年んとこは、まあ、居心地いいよね。屋根あるし。ごはん食べれるし」
猿喰 早耶:「まあいいやね。よろしくぅ」
猿喰 早耶:スタンド使い……もといオーヴァードの、フリーランスの傭兵ですよ。
猿喰 早耶:表の顔はホームレス、というか表の顔がないというか? 別にそこ繕わなくてもよくない?
猿喰 早耶:砂っぽいのでモルフェウス/ウロボロス。少年の家に勝手に上がり込んでいます。
猿喰 早耶:あとなんかびみょうにレネゲイド耐性的なものが高かったり高くなかったりするみたいですよ。
猿喰 早耶:凝った話とか運命とか別に要らなくない? 生きるも一人死ぬも一人だわ。だわ。
猿喰 早耶:ああ。そうそう、Dロイス「傍らに立つ影」持ってます。そんな感じ。
猿喰 早耶:よろしくねー。
GM:はーい。では、猿喰さんのハンドアウトはこちら!

PC4:猿喰早耶 (PL:里村)

シナリオロイス:安東邑
君はフリーランスの傭兵を営む路上生活者だ。
最近、君はしょっちゅうあるお宅のお世話になっている。
安藤邑……と、その姉の暮らすアパートだ。いや、一人暮らしの筈だが。
地理的に都合が良いこともあるが、なんだかんだで君は彼のことを気に入っていた。
そんなある日、君は彼を付け狙う影を目にする。

GM:ハンドアウト的にやっておいて欲しいのはなんか悪そな奴がいるなってのを見かけるところで
GM:あとは好きにいちゃつきましょう。
猿喰 早耶:あいよー。
GM:そんな感じで、よろしくお願いします!

GM:では、NPCの紹介です。
【床名えいら】
床名えいら:実質PC5!ゆかな・えいらです!
床名えいら:「私が全部教えてあげる。ほら、怖がらないで…?」
床名えいら:「世界を塗り替えるのは簡単だよ。ほら、見て!」
床名えいら:占い師兼家庭教師兼傭兵業。
床名えいら:思想とかは特にない享楽主義の女性。
床名えいら:大仰な台詞回しで人を煙に巻いてくるが、本心を見せることはない。 享楽的かつ自己破壊的なため、自分でやろうとしていたことでも簡単に捨てることができてしまう。
床名えいら:とにかくペルソナをかぶって本心を見せない破滅的女性です。
床名えいら:能力は血液・細胞の侵蝕に寄る認識欺瞞。
床名えいら:体内から世界を作り替えちゃいます。ふふふ。
床名えいら:「じゃあ、よろしくね?待ってるから」
GM:では、ハンドアウト

NPC:床名えいら (PL:優水)

シナリオロイス:安東邑
君は傭兵業のかたわら、占い師を営んでいる。
ある日出会った少年…安東邑に、君は告げる。
「災厄がキミを待ってるよ。手を引くも手綱を離すもキミ次第。」
勿論、彼がここに来るのはわかっていた。さらに告げる。
「私は何でも力になる。その代わり…デートして欲しいな」
さて、少年はどう答えることやら。

GM:GM視点のハンドアウトなのでちょっと変ですが
GM:まあNPCヒロインです。がんばるぞ。
GM:では、プリプレイここまで!早速オープニングに入っていきましょう。

オープニング0:きみとぼくが死んだ日

GM:安東君とつぐみちゃんがシーンプレイヤー。侵蝕は上げないでください。
木場田つぐみ:はいっ
安東 邑:よっしゃー!よろしくお願いします!

GM:───これは一年前の物語
GM:君、安東邑はささやかな日常を送っていた。
GM:それが、間も無く崩れることを知らないまま。
安東 邑:......一人暮らしを始めたのは、大学に受かってすぐのことだったと思う。
安東 邑:地元の友達も軒並み各地に散ってしまってやることがなかったからだ――それに、少しばかり「一人だけの生活」に憧れていた節はあった。
安東 邑:そんな中で、特に最近楽しみを見出すようになってきたのが料理だった。まだ自炊を初めて一か月ほどだが、自分の気質に合っていたのか、はた目から見ても早いと言える上達速度を持っていると思う。
安東 邑:「それに、自分のしたことで、人が笑ってくれるのは嬉しいしなあ」
安東 邑:そう独りごちながら、行きつけのスーパーに向かう。
安東 邑:今日は海老が安かったはずだ。ビスクにしようか、それともバイト先で習ったエビチリを試そうか――
GM:そう、君が考えていた時だ。
:そこに、どたばたと人が駆け込むような音がした。
:まるでなにかから逃げ出すような。そんな、パニック映画でもなければ無いような、そんな風に。
木場田つぐみ:「は、はあっ……ぁ、ぜ、」
木場田つぐみ:膝に手を載せて、ぽたぽたと冬場なのに汗を零している。
安東 邑:あれって、明らかに逃げてる足取りだよな――とかそんなことを考えながら、いつものように女性の方に向かう。
安東 邑:何てことはない。これも人助けの一環だ。自分が普段道のごみを拾うためにビニール袋を携帯するのと、本質的には同じことだ。
木場田つぐみ:「はぁ、は、………こ、ここは、まだ来てない……隠れて……」
安東 邑:「あの、大丈夫すか?何かヤバいっぽいですけど」
木場田つぐみ:その少女に、あなたは見覚えがある。木場田つぐみ。大学で、いくつかお世話を焼いてきた先輩…だったはずだ。
木場田つぐみ:「ぇ、あ……安東くん!?」
木場田つぐみ:「あぁあ、こ、こっちの方なら知り合いもいないって思ってたのにーー」
安東 邑:「あ、木場田先輩ですよね。史学科の......ほら、確か前弁当のおかず交換したじゃないすか」
木場田つぐみ:どこか混乱したようにしている。
木場田つぐみ:「あ、あのとき美味しかったーーってそうじゃないの!は、はやく」
木場田つぐみ:「逃げないと…!」
GM:トタタタタタタ。
GM:聴き慣れない音。
安東 邑:「どうしたんです? 何かめっちゃ慌ててるっぽいですし、とりあえずどっか、」隠れられる場所行きましょう、と言いかけたその時
木場田つぐみ:「う」顔が真っ青になる。
GM:少しずつ近づいてくる。
安東 邑:「......警察呼びます」スマホを取り出す。
木場田つぐみ:「逃げよう……!巻き込むつもりなんて、無かったのに…!ごめん…」
木場田つぐみ:「む、無理だよ」ひきつった笑みのような。
安東 邑:「良いすよ。やりたくてやってることですし......って、無理?」
木場田つぐみ:「近くに来るだけで、みんな倒れちゃうんだ」
木場田つぐみ:「わたしはまだ大丈夫だったけどーーうう」
木場田つぐみ:ぶる、と寒気がしたように震えて。「そうなった人が……ぐちゃって……」
木場田つぐみ:「潰れて……」
GM:安東君は感じるかも知れない。なにか圧力めいたもの。
GM:それが音と共に近づいてくる。
GM:ここから離れた方がいい。そう直感する。
木場田つぐみ:「ほら!逃げよう…!あんなの、いやだよ…!」
安東 邑:「......助、け......!」
木場田つぐみ:腕を掴む。
安東 邑:「ちょっと先輩!何やってるんですか――助けられるかも知れないでしょ!ねえ!」
木場田つぐみ:「行くよ!安東くんまで、ああなっちゃうかもしれない…」
木場田つぐみ:「じゃあ、どうやるの!?」
木場田つぐみ:「医師免許とか持ってる?!消防団とか入ってたの!?どうするの!?」
木場田つぐみ:「急に倒れる人のこと、どうすればいいなんて、分かんないじゃない…!」
木場田つぐみ:強引に引っ張っていく。
安東 邑:眉を歪め、一瞬放心する。彼女の言う通りだ――自分はまだ、モラトリアムのさなかに居る。
安東 邑:何もできることはない。
木場田つぐみ:前に図書館で、きみが資料を探していた時も、彼女はこうして強引に押し付けて行くところがあった。
安東 邑:その強引さに、幾度となく救われただろう。レポートはA評価を貰えた。
木場田つぐみ:「は、そりゃ、ふ、安東くんみたいな、そういうの、だいじだよ!」
木場田つぐみ:「でも、死んじゃったら……それまでなんだよ!」
安東 邑:「.......」そうだ。自分が死ぬのは全然構わないけれど
安東 邑:「ごめんなさい。......そうだな。死ぬのは、違いますもんね」
安東 邑:先輩が死ぬのは、違う。
木場田つぐみ:きみより小さい背丈の、細い手が、震えているのに気づくかもしれない。
木場田つぐみ:「まえ、こういう、スーパーで、バイト、したこと、あるから…バックヤードから、でれる、はず…!」
安東 邑:強引に掴まれていた手を、握り返す
安東 邑:引かれる方から、引く方に。導くように、アドバイスに従いながら――せめて、先輩だけでも逃がさなければならない。
木場田つぐみ:ぐ、と力を込めて握られる。遠慮のない強さ。それでも、きみのそれより弱いものだ。
安東 邑:バックヤードに向かう。散らばった野菜も、潰れて動かない顔なじみの店員も、どこか他人事のようで、今は。
木場田つぐみ:「そう、そうなんだよ…!それに、ぼくは……」
木場田つぐみ:「先輩、だから、ね…!」笑って見せる。
木場田つぐみ:息は荒いし、不恰好なそれではあるけれど。
安東 邑:「参ったなあ。先輩、めちゃくちゃファン多いんですよ。気づいてました?」
安東 邑:「生き延びたら、後で同じ学部の友達にキレられるな」虚勢でも、笑い返す。
木場田つぐみ:「あは、なにそれ……っ!知らないよ、言われてもない、のにさ!」
安東 邑:何とかなりそうな気がする。ここから逃げ延びたら、きっと。
安東 邑:いつもの、日常が――
木場田つぐみ:踏み出す。外に出る。
GM:その、時───
GM:ざくり
GM:と。
GM:先輩の胸が裂けた。
木場田つぐみ:「あ、ぇ……」呆然としたような、吐息に近い声。
:「ハアッ、ハアッ……」
:見知らぬ男が目の前に立っている。
安東 邑:「――」
木場田つぐみ:ぐぷ、と唇の端から血の泡が零れる。
:「こ、ここまで来れば……へ、へへ」
安東 邑:考えるより先に、身体が動いた
安東 邑:ろくに喧嘩なんかしたこともないような脚で、男を蹴り飛ばす。同時に先輩の方へ
:「悪いね、嬢ちゃん───」
:「がはっ!?」
:その懐から、何かが落ちる。
:黒い、本のようなものだ。それはつぐみの脇まで転がって、止まる。
木場田つぐみ:「ぐ、ごぷ……けほ、」
木場田つぐみ:肺のあたりが、焼けつくように感じる。
木場田つぐみ:なのに、とてつもなく冷たい。寒い。
木場田つぐみ:「ぁ、や……」傷口を手で抑える。
安東 邑:「先輩!!洒落になってないでしょこれ......!!くそ、AEDとか、どっかに」手が震える。さっきまで、笑っていたのに。
木場田つぐみ:「……ぁ、さ、む……つめた…」
木場田つぐみ:「ぁ、んど、く……ぅし、」
:「畜生…やりやがっ……やりやがったな」
安東 邑:「大丈夫です!絶対大丈夫ですから!死なせません!ここに居ますから!!」必死で叫ぶ。男のことなど眼中にない。
:「おい、テメェ、タダじゃ───」そう言って二人に近づこうとした瞬間、
木場田つぐみ:死にかけていて、リミッターが外れるとか、そう言うのだったのだろうな、と思う。
木場田つぐみ:なんとかまもらなきゃ、と思ったのだ。
木場田つぐみ:安東くんの肩を掴んで、引きずり倒して。そうして、なにか掴んだ石かなにかーー堅い感触がするもので、殴りつけてーー
:「ガッ、ぐはっ、なっ、ごぼっ」
:殴られて血を吐く。
:「この……クソアマ……!」
:ざく。
:ざく。ざく。ざく。ざく。
:何回も、繰り返し、繰り返し刺した。つぐみの胸を。
木場田つぐみ:声も出ない。
木場田つぐみ:息を出すところが血で溢れていて、穴も幾つも空いている。
安東 邑:「おっ.......ふざけんな!おい!止まれよ!おれ刺せって!頼むから――やめろ!」突き飛ばされて、それでも男に縋りつくが
:「るっせえんだよ…!てめえらなんざ、てめえらなんざ───」
安東 邑:一向に止まる気配がない。肉が断ち切れる音。いつもまな板の上で聞いていた、今ここにある死。
木場田つぐみ:どろ、と逆流した血が口から零れるより、傷口からの方が多い。
木場田つぐみ:(あーーーこれ)
木場田つぐみ:感覚が消えていく。
木場田つぐみ:血が抜けすぎたのだろうか。感覚が熱さかそれくらいしか感じられなくなっていく。
木場田つぐみ:黒い影。銀の刃が光を反射して。
安東 邑:「先輩は――こんなとこで、死んで良い人じゃないんだって......!頼むから!」
安東 邑:「助けて!」
木場田つぐみ:ただ単純に、ものが落ちるように納得した。
木場田つぐみ:(死ぬんだ、ぼく)
木場田つぐみ:安東くんも、この男もやめればいいのに、と思った。
木場田つぐみ:無駄なことなのだ。もう死んでいるのに。
木場田つぐみ
木場田つぐみ:ーー本当に?
木場田つぐみ
木場田つぐみ:死んでいるのに、どうしてこんなに冷静に考えられるのだろう。
木場田つぐみ:ぼんやりとした思考が方向性を付けて行く。
木場田つぐみ:痛覚の信号が追い付いていく。
木場田つぐみ:痛い。
木場田つぐみ:痛い。痛い。
木場田つぐみ:いたい、あつい、やだーーこの服はお気に入りで、
木場田つぐみ:あの子にだって、結構褒めて貰ったりして、
木場田つぐみ:また大学で会ったりして…
木場田つぐみ:それが出来ない。
木場田つぐみ:なんで。
木場田つぐみ:なんで?
木場田つぐみ:そんなの、許せない。
木場田つぐみ:許せないなら、どうするの。
木場田つぐみ
木場田つぐみ:ぞる、と。
木場田つぐみ:堅い表紙を持つその黒が、彼女の傷に入り込んだことに、誰が気付いただろう?
木場田つぐみ:堅いままに、なのにその形を蠢かせて。
木場田つぐみ
木場田つぐみ:「ぁ」
木場田つぐみ:『”カー、マーゼン、より。やみのさぎり、へ”』
木場田つぐみ:言葉が零れる。
木場田つぐみ:それは、誰も知らない言葉だ。聞いたこともないような異様な言語。
木場田つぐみ:『”ぎんの、やいば。あかきちしお。さかまき、うごめけ”』
木場田つぐみ:それを聴いた者は、背筋を恐怖に凍らせただろう。
木場田つぐみ:その言葉の内容がわからなくともーーーー
木場田つぐみ:その言葉に乗った、純粋な殺意に。
安東 邑:『■■■■ ■■■■ ■■』
安東 邑:そう聞こえた気がした。違う。聞こえたという言葉も、適切ではない。言語のクオリアの壁を突き破って、脳の内側に入り込んでくる。
安東 邑:生きていることを認識する、その前に。おぞましい異言が、頭の扉を叩く。
木場田つぐみ:あなたには理解ができた。それが幸いかは、分からないけれども。
木場田つぐみ:『”とざせ”』
木場田つぐみ:少女は微笑んでいた。
木場田つぐみ:幾重にも刺されて、ぐちゃぐちゃの血の赤と骨の白、脂肪の黄色と内臓の色に塗れて。
木場田つぐみ:ぞるりと。
木場田つぐみ:闇が蠢いた。
木場田つぐみ:彼女の殺意に随って、その闇は逆流する。
木場田つぐみ:口の中。内蔵の奥。血の流れ。
木場田つぐみ:其処に光がないのなら。
木場田つぐみ:それは闇であり、それが全てが、”逆に流れ出す”。
木場田つぐみ:血流がもしも逆流したなら、心臓は破裂し、体内はズタズタに引き裂かれる。
:男が、弾けた。
GM:そして、君たちだけが残る。
安東 邑:「......ごめん、なさい」
安東 邑:解らないけれど、解る。守れなかったこと。あなたを死なせてしまったこと、人殺しをさせてしまったこと。
木場田つぐみ:「ぐ、げぼ、」血を吐き出す。気管に入り込んだそれを。
木場田つぐみ:それでも少女は笑顔だった。傷付いていても、苛立つなにかを排除できたことを、本能的に理解していたから。
木場田つぐみ:誰だって、入り込んだ虫を潰せれば嬉しさを感じるように。
安東 邑:理解している。この言葉は、通じはしない。けれど、謝りたかった。自分がそうするべきだと思った。
安東 邑:――自分も、『あれ』を至近距離で聞いた。怖い。いつ死ぬか、不安でたまらない。
安東 邑:これが死。こんな恐怖を、彼女に味あわせたのだ。
安東 邑:思考がごちゃごちゃのおもちゃ箱のように攪拌される。今日の献立をまだ考えていなかった。血の匂い。肉料理はもう作れないかも知れない。単位のレポートの評価はどうなっていただろうか。逃げたい。死なせてしまった。殺させた。俺が。
安東 邑:だからこれはきっと、日常に刺激を求めた自分への罰なのだ。
安東 邑:「......ぁ」
安東 邑:絞り出た言葉は、
安東 邑:「その服、似合ってます」
安東 邑:大学で会った時に言おうとした一言だった。
木場田つぐみ:その言葉を理解したのだろうか。
木場田つぐみ:少女は、一番無邪気に、綺麗に笑って。
木場田つぐみ:『”ありがとう/はじけ”』
木場田つぐみ:己の中の方向性のそのままに、初めて使えるようになったそれを見せびらかすように。
木場田つぐみ:きみに感謝しながら、きみの中に蠢くそれへと命じる。
木場田つぐみ:あなたの心臓が、ばつんとはじける音がした。
安東 邑:倒れ込む。穴という穴から、血が流れだすのが解る。あまりにもあっけない幕引きだ。
安東 邑:それでも。
安東 邑:(......生きてて、良かった)
安東 邑:終わる。終わっていく。かつてそうであったように。これは誰の記憶だろう。
木場田つぐみ:そっと彼を抱えて、腕を組ませて、瞳を閉じさせる。
木場田つぐみ:彼は素敵な後輩なのだし、整えておかないと失礼で、悪いと思ったから。
木場田つぐみ:ふわふわと、頭が空の中に浮かんでいるような心地だった。
木場田つぐみ:今日は素敵な日だな、と思う。
木場田つぐみ:だって、こんなに気分がいいのだ。
木場田つぐみ:それに、あの子に服も褒めてもらった。次会ったらどうしようか。
木場田つぐみ:歩いていく。
木場田つぐみ:寒い気温も、凍てついた空気も、
木場田つぐみ:周りにある鉄と火、そして同じ超常の力も。
木場田つぐみ:気にもならない。兎に角気分が良かった。
木場田つぐみ:邪魔になったら、少し”お願い”するだけで居なくなるのだから、お姫さまか何かにでもなったのかな、と子供の用に考える。
木場田つぐみ:『”カーマ―ゼンよりかそけき闇へ”』
木場田つぐみ:それに。
木場田つぐみ:段々、慣れてきた気がする。ああ、もっと上手く使って見せたら、あの子も褒めてくれるかな?
木場田つぐみ:『”捩じりよじり、悶える沼。黄色の焔”』
木場田つぐみ:『”掻き混ぜ乱す。吹け”』
木場田つぐみ
木場田つぐみ:その日は、多くの人間にとって悲劇の日となった。
木場田つぐみ:被害者にとっては、その命か身体を奪われ。
木場田つぐみ:その家族や友人たちは、己の想う大切な人間たちを失くして。
木場田つぐみ:UGNとFHにとっては、戦力を喪い、被害が拡大し、目当ての物品を喪失した何も得ることのない戦いであり。
木場田つぐみ:そして。
木場田つぐみ:木場田つぐみにとっては、今迄の全てを失うこととなった日だった。
木場田つぐみ:命も、将来も、家族も、
木場田つぐみ:己が夢に見たものも。
木場田つぐみ
木場田つぐみ:「………最悪の気分だ」

GM:そして、しばらく後。
GM:安東邑は病院で目覚め。
GM:この日の出来事を、忘れていた。
GM:───それから、一年の時が過ぎ───

オープニング1:姉との日々

GM:ねねさんと安東くんのOP。安東くんはOP4まで侵蝕を上げる必要はありません。
安東 邑:フゥン?
風間 ねね:ほう
GM:ねねさんは上げてね。
風間 ねね:47+1d10
DoubleCross : (47+1D10) → 47+5[5] → 52

風間 ねね:上がったぜ!
風間 ねね:姉のいうこときかせねえとなあ~
GM:では、行きましょう!

GM:安東邑の自宅。
風間 ねね:土曜日の朝。
風間 ねね:安東邑は一週間の疲れもあってぐっすり眠っていたことだろう。
風間 ねね:そんな彼は違和感に気づいて目を覚ます。
風間 ねね:「……スゥ」
風間 ねね:小柄な女性が、自分のベッドの中で丸まっているのだ。
安東 邑:「頭いて...って」
風間 ねね:安東邑、あなたはこの女性について、記憶があるだろうか。
風間 ねね:薄着で、その体格から想像もできない大人びた肉付きを晒す、目の前の女性に。
安東 邑:そんなの、あるわkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkk
風間 ねね:無いならば――。
風間 ねね:《竹馬の友》《超越的能力》
風間 ねね:「おっと……いけないいけない」
風間 ねね:「邑クン、いきなりベッドに入ったからって驚かないでくださいよぉ~? お姉ちゃんですよ?」
風間 ねね:そう言って胸元に滑り込んだ。
安東 邑:kkkkkkkkkkkkkkkkkkkkkk――姉だ。この借家で、不本意ながらも寝食を共にしている。
風間 ねね:一つしか無いベッド。狭い家。違和感こそあるが、彼女は“姉”である。
風間 ねね:「お姉ちゃんが弟のベッドで寝るのは当たり前。良いですね?」
風間 ねね:小さな腕を思い切り伸ばして頭を撫でる。
安東 邑:「ええ......そんなわけないでしょ。引くよ」ひょい、とねねを抱えて、「おら」掛布団で簀巻きにする
風間 ねね:「ひんっ」
風間 ねね:ねぼけていたせいか、コロコロと簀巻きにされてしまう。
安東 邑:「おらおらー」けらけら笑いながらストーブの前まで移送
風間 ねね:刹那、安東邑の鼻腔に発生する仕込んだ記憶の無い料理の匂い。
風間 ねね:少し、焦げ臭いカカオの香り。
安東 邑:「......変だな。台所片したはずなのに」
風間 ねね:「ごめん邑クン、チョコを火にかけてたけど二度寝しちゃったんだった……」
風間 ねね:「どうしよぅ……動けないよぉ……」
風間 ねね:「助けてぇ……」
安東 邑:チョコを火に?
安東 邑:「......刻んだりした?湯煎は?」
風間 ねね:「ゆせん……? 音楽がどうしたの? きれいな結晶でもできるの?」
風間 ねね:「たすけてぇ……邑くん……」
風間 ねね:目の前に居るのは、か細い声でもぞもぞと動く弱い生き物である。
安東 邑:「あああああああ!!!!チックショオオ!!!」台所に向かって全力で走る。半ばスライディングで滑り込み、IHコンロの火を止める
風間 ねね:焦げ臭い匂いはじわじわと強くなり始めている。
風間 ねね:鍋の中は深い暗黒を湛えたまま、異臭を放っていた。
安東 邑:「フライパンの中、って――ヤバい火出てるじゃんも~」鍋を火からおろし、濡れタオルでじゅっと消火。一息つく
風間 ねね:「すごいよ邑クン……鍋が焦げるのをとめられたね……!」
風間 ねね:「お姉ちゃんにはとても真似できないよ……!」布団の中からもぞもぞと抜け出すとテチテチと歩いてくる。
安東 邑:「......まあ、姉さんが無事で良かったけどさあ」
安東 邑:何で俺をもっと早く呼ばなかったの、とか。そういうことはあんまり聞かないようにしている。
安東 邑:落ち込んでいる時に責められるのは、誰だって辛い。
風間 ねね:「えへへ……ありがとう……」
風間 ねね:特に落ち込んでいない。
風間 ねね:(こんな時も文句一つ言わず助けてくれるなんてやっぱり邑くんは素敵な男の子だよ……)
風間 ねね:最高の朝、そう言っても良い。
安東 邑:「オッケーオッケー。次からは気を付けてね、今度はおれが居る時に料理しようぜ。手伝うからさ」
安東 邑:焦げはまだ落とせる範囲内だ。重曹でいけるだろう。
風間 ねね:「良いの!? えへへ、一緒に料理をするのは十年ぶりかなあ?」
風間 ねね:「小学生の時以来じゃない?」
安東 邑:「......え、そんな前だったっけ。覚えてねーや」
安東 邑:答えながら、ちゃっちゃっと火の後始末をしてご飯を作り始める
風間 ねね:「……」
風間 ねね:一瞬だけ寂しそうな顔をする。
安東 邑:「ごめん姉さん、冷蔵庫から卵出してくんない?」
風間 ねね:「料理、教えてね」
風間 ねね:卵を取り出すついでに、美味しそうな既製品のチョコを取り出す。
安東 邑:「ん?ああ、もちろん......って、チョコ?」
風間 ねね:卵をポンと渡した後、チョコは自分の口に放り込む。
風間 ねね:「糖分を入れないとなんかボーッとしちゃうから……」
風間 ねね:「……たべゆ?」
安東 邑:「ん。あー......」今日は2/13だった――一瞬でも、期待した自分が恥ずかしい。「食う」
風間 ねね:トン、と踏み出す音。
風間 ねね:鼻先が触れて、わずかに甘い香りが鼻腔をかき乱す。
風間 ねね:咥えたままの小さなハート型のチョコを、安東邑の口元にまで持っていった。
安東 邑:「~~~~!?!?!」ばっと飛び退る。卵はギリギリ割らなかった
安東 邑:「ばっちょっえっ何どうしたの!?悩み事あるなら聞くよ!?」解りやすく狼狽する。
風間 ねね:「ううーっ……お姉ちゃんから……逃げるとは……!」
風間 ねね:「邑くん……お姉ちゃんの悩みは一つだよ……」
安東 邑:「ハア......!?」
風間 ねね:ギリ、と歯噛みして拳を握る。
風間 ねね:「邑くんがお姉ちゃんに……全然甘えてくれないこと……!」
風間 ねね:ババーン!という音が聞こえそうなポーズで邑くんを指差す。
安東 邑:「いや......だって、そんな年じゃねえじゃん。もう」冷静に反論する。
風間 ねね:「普通ならそうだけどさ。邑くんはほら、皆を甘やかしちゃうからさ」
風間 ねね:キッチンに隠していた煙草に火を付ける。
風間 ねね:換気扇がガンガン回る下で紫煙を吐き出してから。
風間 ねね:「そんな邑くんを甘やかしたくなるじゃん。お姉ちゃんとしてはさ」
風間 ねね:「……心配、なんだよ」
安東 邑:「――」何で知ってんだそんなこと、と言おうとして、その煙草どっから取り出したんだ、そもそも俺に姉何ていttttttttttttttttttttttt
安東 邑:「悪かったよ。心配かけてるのは、まあ、ある」
風間 ねね:「あと、約束してくれたじゃん……お姉ちゃんをお嫁さんにしてあげるって」
風間 ねね:「そんな事言ってくれたのは邑くんだけだからさ。元気に末永く幸せに暮らしてほしいんだよ……お姉ちゃんは」
風間 ねね:灰皿に煙草を押し付けて、ため息を吐いた。
安東 邑:「言ったけどさー、子供のころの約束だぜそれ」手を振りながら、つうっと一筋鼻血を垂らす。
安東 邑:「......ん。何だこれ、こわっ」
風間 ねね:「ゆうくんっ!?」
風間 ねね:慌てて近寄って袖で血を拭う。
風間 ねね:「大丈夫!? 救急車呼ぶ!? それともお姉ちゃんの色気に興奮しちゃった!?」
安東 邑:「うわっ急に大声出すなって。まだ朝方だから、おとなりさんにも迷惑だし」
風間 ねね:「ああ~~~~~どうしよう!?」
風間 ねね:「だから! そういう自分を軽く見るところが駄目って何度言ったら分かるの!」
安東 邑:「あー.....前言撤回。心配かけてばっかだなおれ、ごめんな」残った鼻血を拭いて立ち上がる
風間 ねね:「……心配させてよ」
安東 邑:「でも、ほんとに大丈夫。多分さっきのチョコ口移しするときにぶつかって鼻切っちゃっただけだと思うし」
風間 ねね:鼻を摘む。
安東 邑:「んむっつ」
安東 邑:はにすんだよ、と反論する
風間 ねね:「……邑クン」
風間 ねね:《元気の水》
風間 ねね:「鼻血が出た時はちょっと洗ったりすると良いよ」
風間 ねね:コップから水を出しておく。
風間 ねね:薄い鼻粘膜、そして傷口からならば薬効成分は早く染みる。
風間 ねね:仮に“記憶処理”の負荷が予想以上だったとしても。
風間 ねね:多少は身体を守ることができるだろう。
安東 邑:「......あ、なんかめっちゃ楽になった。脱水症状かなあ、水のも水」
安東 邑:「ありがとね。やっぱ姉さんは頼りになるよ」
風間 ねね:「ほら、飲んで飲んで! お姉ちゃんお皿出しておくから!」 コップを渡す。
風間 ねね:「頼りになるなら、困った時はなんでもいってよ?」
風間 ねね:「私は、頼れるお姉ちゃんなんだから!」
安東 邑:「サンキュー。お皿は...黄色い小さい奴二枚と、その深皿かな。あとご飯よそうからお茶碗出して」てきぱきと朝食の準備をしていくが
安東 邑:その手がふと止まる。
風間 ねね:「……どうしたの?」
安東 邑:「頼りついでに相談なんだけどさあ......」相談する本人も腑に落ちないような、けげんな表情
安東 邑:「自意識過剰とか笑わないでくれな?」
風間 ねね:「なになに? もしかして、女の子から惚れられてるかもって?」
安東 邑:「だったら良かったんだけどなあ。おれモテねえもん」弱く笑う。
風間 ねね:「お姉ちゃんからはモテモテですよ?」
安東 邑:「いや、最近誰かに見られてる気がすんだよな...こう、なんていうか、視線を感じるみたいな」
安東 邑:無視して話を続ける。
風間 ねね:「……そう」
風間 ねね:何時になく真剣な表情だ。
安東 邑:「全然心当たりもねーし。何か変な宗教とかの勧誘だったりしたらやだなー、姉さんも気を付けてね」
風間 ねね:「……邑くんはさあ」
風間 ねね:ニコリと笑顔を作る。
安東 邑:「ん?」ちゃっちゃっとスクランブルエッグを混ぜながら振り向く
風間 ねね:「将来、何になりたいんだっけ」
安東 邑:「え......何いきなり。コワ~」
風間 ねね:髪をくるくると結びながら、日常会話のように聞く。
風間 ねね:「いいからいいから! ね?」
安東 邑:さっと卵を皿に落として、そこにざく切りのトマトとサニーレタスを盛り付ける。それとカリカリに焼いたベーコンを四枚。マスタードも添える。
安東 邑:「......う~ん」
安東 邑:「今は、特にないんだけどさ。昔は......正義の味方になりたかった気がするなあ」ぽつりと零す。
風間 ねね:「そっか、私の記憶通りですね。じゃあ」
風間 ねね:眼鏡をかける。
風間 ねね:「ちょっとお姉ちゃんに任せておきなさい」
安東 邑:「ええ......」げっそりとした表情で
風間 ねね:やれやれ、と困ったように笑う。
風間 ねね:守るのだ。UGNからも、FHからも。
風間 ねね:私が。
風間 ねね:「お姉ちゃんには、弟の夢を守る義務があるのです」
風間 ねね:守るのだ。

オープニング2:砂とチョコと風呂

GM:猿喰さんと安東くんのOP!猿喰さんのみ登場侵蝕をどうぞ。
猿喰 早耶:いえーい
猿喰 早耶:猿喰・早耶の侵蝕率を1d10(→ 5)増加 (40 → 45)
安東 邑:ウオー!

GM:君は、大学生安東邑の家に何かと転がり込むフリーの傭兵だ。
GM:今日も、彼の家にお邪魔しようとして街を歩いていた……そんな時のことだ。
猿喰 早耶:茶色い紙袋(洋画とかで見るようなやつ)を抱えて鼻歌交じり。
GM:安東邑の移動ルートに、怪しい影を君は見つける。
フードを目深に被った男:「…………」
猿喰 早耶:妙に音域の多い鼻歌をぴたりと止めて。
猿喰 早耶:無造作な、警戒を感じさせない足取りで、中腰。ひょいと男の前に出る。
フードを目深に被った男:「の……わッ?!」
猿喰 早耶:「はろー? こんにちは? ニーハオ? アニョハセヨ? ドブリジェン?」
フードを目深に被った男:驚いて後ろに二、三歩。
フードを目深に被った男:「う……なっ、何だ!!こんにちは!」
猿喰 早耶:「やあ日本人だ。こんにちはこんにちは。この辺に詳しくない? 何の用?」
猿喰 早耶:何かごつごつした感じのものが入った茶色い紙袋を小脇に抱えて。
フードを目深に被った男:「あっ……うーむ……んん……」歯切れが悪い。
フードを目深に被った男:「少し、人間観察を……」
猿喰 早耶:迷彩服にオリーブドラブのネックウォーマー。
猿喰 早耶:砂埃だらけの薄汚れた格好だが、見た感じ女性ではある。
猿喰 早耶:「大声出しますよ? 大声」
フードを目深に被った男:「えっ、それは困る」
フードを目深に被った男:「し、仕事なんだよ、雇われてるんだ」
フードを目深に被った男:「だからちょっと、大目に見てくんない?…だめ?」
猿喰 早耶:「探偵じゃないよねー。警察でもないし、それでこのへん見張ってるの?」
フードを目深に被った男:「うっ」
猿喰 早耶:馴れ馴れしく肩に手を置く。警戒心などカケラもないように見える。
フードを目深に被った男:「ば……馬鹿め!」そう言うと、君を投げようと掴みかかる。
猿喰 早耶:掴もうとした指に激痛が走る。
猿喰 早耶:「あ」
フードを目深に被った男:「ギャーーーーッッ!!!」
猿喰 早耶:血が滴る。
猿喰 早耶:男の手から爪がなくなっていた。
猿喰 早耶:「あ、だめだよーう。荒っぽいのはだめだめ」
フードを目深に被った男:「あがっ……ぐっ……」
猿喰 早耶:「笑い事で済むうちにさ? お引取り願えないかな?」
フードを目深に被った男:「ち、畜生……!」
GM:「覚えてろよ!」と捨て台詞を吐いて。
GM:その男は逃げていきました。
猿喰 早耶:「あーやだやだ。ヤク日だ。気持ち悪いもの見ちゃった」
猿喰 早耶:ぶつぶつ言いながら紙袋を抱え直して、角を一つ曲がる。
猿喰 早耶:馴染みの変なアパートの、門扉で埃をかぶっている門松に挨拶。
猿喰 早耶:目当ての部屋の扉に手を触れる──■■■──ガチャン。
猿喰 早耶:玄関に靴は、あるな。よしよし。
猿喰 早耶:「しょうねーん、お風呂かしてー」
安東 邑:「ウワーーーーッ!!!泥棒!?!?」どんがらがっしゃーん。
安東 邑:盛大な破壊音と共に全裸で出て来た彼は、きょろきょろと辺りを見回す。風呂に入っていたのだろう。
猿喰 早耶:「あたしだぞ」
猿喰 早耶:玄関先で髪の房をいじる。ぱらぱらと砂が落ちる。
安東 邑:「さ......さやさんか~~」崩れ落ちる。
猿喰 早耶:「ナイスタイミング。ちょうどわいてんじゃーん」
猿喰 早耶:後ろ手に施錠。
安東 邑:「ん」一拍遅れて「あ......」自分の格好に気づき「どうぞ.....」ゆっくりと、お風呂場の鍵を開けた
猿喰 早耶:ネックウォーマー(砂)を玄関先にどしゃっと投げ捨てる。
猿喰 早耶:「うーいどうもどうも。いやーわるいねーいっつも」
安東 邑:「ひゃー、また随分砂だらけになりましたね」ネックウォーマーをぱんぱんと掃除する。
猿喰 早耶:「外で寝てるとどうしてもねー」
猿喰 早耶:どさどさとシャツとカーゴパンツをだいたい似たような場所に。やはりこれも砂まみれ。
猿喰 早耶:「勘弁してよ、今日はお土産もあるからぁ」
安東 邑:「別に毎日来てくれても良いんすけどね。じゃあまた洗濯しときますね」
猿喰 早耶:「ありがとーう」
安東 邑:ひょいひょいと慣れた様子で砂を払い、縦型洗濯機の中に突っ込んでいく
安東 邑:「っていうか、お土産ってなんですか」
安東 邑:「こないだは潰れたガムとか拾ってきたじゃないですか。勘弁してくださいよ」
猿喰 早耶:玄関先に茶色い紙袋を置いた紙袋に手を突っ込む。中から何か紙がざかざかと紙の擦れる音。
猿喰 早耶:「はいこれ」
猿喰 早耶:茶色い紙の小箱だ。何か達者な金の筆記体で、名前らしいものが書かれている。
安東 邑:「貰って悪い気は、しないんですけどね...なんだろこれ」
安東 邑:がさごそと中に手を突っ込む
猿喰 早耶:「あっ」
猿喰 早耶:中に剥き身のお札がたくさん入っている。
猿喰 早耶:「儲かったからおかず代くらいは出ちゃいますぞ」
猿喰 早耶:「まあそれはそれとして、はいこれお土産」
猿喰 早耶:小箱の中身は何か高価そうなチョコレートだ。四分割された中に三つだけ残っている。
安東 邑:「ギャーッ!何すかコレ!」お札にひとしきり驚いたあと、「ん......」彼女から手渡されたものを受け取る
猿喰 早耶:「美味しかったから」
安東 邑:「.....くれるだけ嬉しいすけどね。ありがとうございます」ぺこりと頭を下げる。
猿喰 早耶:「仕事先に置いてあったからもらってきたのね。それで美味しかった」
猿喰 早耶:「どういたしまして。感謝して食べてくれたまえー」
猿喰 早耶:「味わってな」
安東 邑:かなわないなあ、と思う。いつも捉えどころのない、砂風のようなヒトだ。
猿喰 早耶:上はタンクトップだけ。ヘッドロック気味に肩を組む。
安東 邑:「うわっぷ、ちょっと...近いですって!」
猿喰 早耶:首筋に触れる長い砂色の髪は、やっぱり砂埃でざらざらしている。
猿喰 早耶:「いいじゃん知らない仲でもないし。あとストリートライフは寂しいのだ」
安東 邑:素肌の感触をもろに感じる。これが彼女の距離感だとはいえ、流石に何も感じないわけではない。
安東 邑:「フリーハグでもすりゃいいじゃないですか」悪態をつきながら離れようともがく。
猿喰 早耶:「宗教きらーい」
猿喰 早耶:湯で濡れた肌に、ざんばら髪と砂が張り付く。
安東 邑:「あーもう、折角風呂入ったばっかなのに...!良いから早く入ってきちゃって下さいよ」ぺっぺっ、と砂を吐き出す
安東 邑:「風呂、どうせ今日も長くなりますよね。ご飯作りますから食べてきます?」
猿喰 早耶:「うんうん。ありがとーう!」
安東 邑:「む」ドキッとする。
猿喰 早耶:アクセントがややおかしい御礼の言葉。毒気のない笑顔。
猿喰 早耶:「なんなら少年、一緒に入るかー? 入ってくれるかー?」
安東 邑:「.............」想像する。
安東 邑:(いやいや)
猿喰 早耶:ヘッドロック出力5%向上
安東 邑:「ギギギ」
安東 邑:(ひ、人の力じゃねえ)
猿喰 早耶:「髪洗うのめんどくてさあ」
猿喰 早耶:「あたしも洗ったげるからってことでどうか」
安東 邑:「入らない、って選択肢は...?」おそるおそる訊く
猿喰 早耶:「断られちゃう?」
安東 邑:「まずいでしょ!一応俺だって男っすよ!」
猿喰 早耶:「うん知ってる」
安東 邑:「ッ~~~~!!!」
猿喰 早耶:「ごはんは待つし買い物もいったげるからさー。だ(ぁ)め?」
猿喰 早耶:たまにイントネーションなどがおかしい。
安東 邑:(なんだか...腹立って来たな)
安東 邑:(そうだ。面食らわせてやればいい)
安東 邑:「良いですね。一緒に入りましょう」
安東 邑:(引いてダメなら、押してみろ、だ――!)
猿喰 早耶:「やた」
安東 邑:「え」
猿喰 早耶:ヘッドロック出力維持。
安東 邑:「解った解った解った!入る!入りますから!」
猿喰 早耶:「それは聞いたー」
猿喰 早耶:大股で(それこそ路上を歩くのと似たようなペースで)風呂場へGOGO
猿喰 早耶:頭を抱えた姿勢のままなのにぱさっと音を立ててタンクトップ(砂)が廊下に落ちる
安東 邑:ばっと引きずられながら目を背ける
安東 邑:(えっ.....何。突っ込まずにいたけどやっぱおかしいでしょこの人...!)
猿喰 早耶:合鍵渡した覚えもないのに上がりこんでくる女に、今更何を言っているのか。
安東 邑:(いやでもまあ、そういうことも、あるか......あるよな。さやさんだもんな)
猿喰 早耶:「一週間ぶりのおふろーう」変な声。妙に響く鼻歌。
猿喰 早耶:胸郭のびりびりいう音が耳元で聞こえる。
猿喰 早耶:「あ。先にお湯浴びたほうがいい?」
安東 邑:「ですね。先シャワーで流してから湯船に」諦めてタオルだけ巻いて再びユニットバスへ
猿喰 早耶:「あいあい」
猿喰 早耶:黒いセル眼鏡をかけたままシャワーを浴びて、ひゃあ、とかみゃあ、のような素っ頓狂な声をあげる。
安東 邑:「眼鏡外さないんすか。別に...良いですけど」すげえ奇麗な体してるな、何て思いながらソープを泡立てて行く
猿喰 早耶:湯船から、細かい傷が多く、贅肉は少ない背中が見える。
安東 邑:(チベットスナギツネみてー。昔動物園で見たアレ......)
猿喰 早耶:「眼鏡ないと危なくない?」
猿喰 早耶:うー、とかぃー、とか変な声出しながらソープでもこもこる。
安東 邑:「え、マジすか。おれいつも眼鏡外して頭洗うんすけど」頭皮を揉み解すようにシャワシャワ
安東 邑:「っていうか、髪やっぱりめっちゃ奇麗ですね。あんなに野ざらしなのに」
猿喰 早耶:「女の命とか言うらしいじゃん?」
猿喰 早耶:「シブトイのよ。命だから」
安東 邑:「じゃあ出来ればさやさんもしぶとく長生きして下さいね。どこで死んでるか解ったもんじゃないし」きゅっとシャワーで泡を洗い落とし、水気を切る
猿喰 早耶:「びゅい」
猿喰 早耶:「そらもう身体一つが資本だからさあ。少年も鍛えて…あるね、感心感心」
安東 邑:「わっ」
猿喰 早耶:邑の太腿の硬さを確かめるように押す。肉質確認してるんじゃないんだから。
安東 邑:「ちょ......ちょっと!流石にそこまでは聞いてないっすよ!」姉に見られたら、どう言い訳したものか。
猿喰 早耶:「よいではいーじゃん今は別に見る相手もいないのだしー」
猿喰 早耶:「ほい。じゃ、背中と頭やったげるから」
安東 邑:「いやまあ......料理って結構体力使いますし、簡単な走り込みくらいは」ちょっと照れたように背中を預ける
安東 邑:「中華鍋振ってる内にちょっとは鍛えられたのかな。昔は軽音部だったんすけどね」
猿喰 早耶:「いいよねえ音楽。あたしも好きだわ」
猿喰 早耶:遠くまで聞こえるし。と言いながら指を遣う。割と荒いが肌は傷つけない。
猿喰 早耶:「ほれお湯いくぞう」
安東 邑:「ドワーッ」ばしゃーん。
安東 邑:「あ~、気持ちい~。やっぱりユニットバス付の物件探して良かった~」
安東 邑:「そのお陰でさやさんもこうして家来てくれるわけですしね」
猿喰 早耶:「風呂なくても来てたかもだけどねー」
安東 邑:「......?」本気で解っていないような顔
猿喰 早耶:「ほらいうじゃん。猫は家について犬は人に……逆だっけ?」
安東 邑:「犬は人につき猫は家につく、っすね」湯船に入るよう促す。
猿喰 早耶:「あたしは羊だけど」
安東 邑:「なんだそりゃ」
猿喰 早耶:うぃー、とか変な声を出しながら湯船に浸かる。
猿喰 早耶:「羊は羊さあー」
猿喰 早耶:髪の色は、言われてみれば羊の毛に似ていた。
安東 邑:「じゃあ俺は羊飼いかなあ。飼うにしては、随分良いようにやられちゃってるけど」
安東 邑:湯船の縁に据わって
猿喰 早耶:「羊に合わせるのがコツよう」
猿喰 早耶:湯船の中で三角座り。手をちょいと出して。
猿喰 早耶:手招き。
猿喰 早耶:「入らないのかい少年」
安東 邑:「......これも”合わせる”の一環ですか?」さーっと血の気が引く。
猿喰 早耶:「風邪引くぞ?」
安東 邑:「む」妙な所で親切だ。こういうところは、昔からだったか。
安東 邑:「それもそうですね。本来、おれの家の風呂なんだし!」ざばん!と音を立てて湯船につかる。向かい合う。
猿喰 早耶:「…………」
安東 邑:「............」
猿喰 早耶:目を細めて、妙に響くハミング…ハミングの割に和音が聞こえる。
安東 邑:(あ~~......)
猿喰 早耶:「こういうのがさあ」
猿喰 早耶:「続くといいねえ。少年」
安東 邑:「ずるいな」
安東 邑:「多分、俺が先にそれ言おうとしてましたよ」弱く笑う。
安東 邑:(そうだな。続くと良いな)
安東 邑:「......幸せだ」
猿喰 早耶:「んん」
猿喰 早耶:またへんてこなハミング。なんかやや中国っぽいメロディの。
GM:風呂場に、メロディが響いていた。

オープニング3:デートで始まるエトセトラ

GM:NPCのターンだ!
GM:安東くんとえいらさんのオープニング。

GM:いつもの帰り道。
GM:道端に、占いの店が出ていた。低いテーブルに「占」の文字。
GM:君は足を止めるかも知れないし止めないかも知れない。
GM:どちらにせよ───君は呼び止められる。
床名えいら:「そこのキミ」
床名えいら:黒い長髪が印象的な女性だ。
床名えいら:どこか浮世離れした雰囲気を漂わせている。
安東 邑:「ん、おれですか?」ひょいと、首だけブロック塀の向こうから出す。
床名えいら:「そう、キミだよキミ。…安東、邑くん、だね?」
安東 邑:「ハイ。そうですそうです」まあ、本名知られてることもあるよな、と思いながらそちらの方へ。
安東 邑:誘蛾灯に引き寄せられるような邂逅だった。
床名えいら:「キミにね、伝えておくことがあって」
安東 邑:「伝えておくこと...なんだろ。申し訳ないけど、宗教とかなら――」
床名えいら:「なあに、そんなんじゃない、ただの助言さ」
床名えいら:「そう、助言。特に押し売りなんかもしないから安心してくれて構わない」
安東 邑:少し興味を惹かれる。物は試しだ。
安東 邑:「良いですよ。こう見えても、結構運強いんですよ俺」
床名えいら:「へえ、そうなのかい?でもね」
床名えいら:「───災厄がキミを待ってるよ。手を引くも手綱を離すもキミ次第。」
安東 邑:「――さ」眉を歪める。
安東 邑:「災厄ぅ.....?」
床名えいら:「悪いこと、だねえ」
安東 邑:「いや、それは解るんすけど...手を引くも、手綱を離すもおれ次第ってどういうことっすか」掛けてあったパイプ椅子にどっかと座り込む。
安東 邑:お香の匂いのなか、黒髪の美女を見据えた。
床名えいら:「ふふ。沢山の選択が待ち受けてるってことさ」
安東 邑:「ええ~......う~ん......周りの人たちを巻き込むのは、嫌だな......」
床名えいら:「時には誰かの手をとることもあるだろう。誰かの手を振り払うこともあるだろう」
安東 邑:「......」
床名えいら:「……そう気を張らず、助けてもらいなよ。私も手を貸すよ」
安東 邑:「――あなたが?」そういえば、名前聞いてなかったっけ。
床名えいら:「うん。私が」
床名えいら:「……床名えいら。占い師をしてる。はじめまして」
安東 邑:「床名さん、ですか」噛み締めるように言う
床名えいら:「家庭教師のバイトもしててね。結構評判いいんだよ?これでも」
安東 邑:「解りますよ。頭良さそうっすもんね」
床名えいら:「そう、頭がいいのさ。だからキミのこともいろいろ助けてあげられる」
床名えいら:テーブルの上のカードを手で弄んでいる。
安東 邑:「いや......何で?どうして?なんのために? どっかで助けたことある、とかなら判りますけど......」『助けたことがある』を、日常茶飯事のように語る。そうしてきた。
安東 邑:「でもおれ、自分が助けた人の顔全員覚えてるんですよ。マジで初めましてですよねおれら」
床名えいら:「……どうだろうね?ただ、キミは、そう……」
床名えいら:「面白いんだ」
床名えいら:「いろんな人を助けて、いろんな人に好かれてる」
床名えいら:「私にはとても真似できない生き方だよ、それはね」
安東 邑:「ホントっすか!そう言ってくれると嬉しくなっちゃうな~なんか」ぱっと顔が、無邪気に明るくなる。
床名えいら:「………」少し目を伏せる。
安東 邑:「そっかー、じゃあもう個人的興味だけでおれを助けてくれる...ってことで良いんすか」
床名えいら:「そう思ってくれて構わないよ」
床名えいら:「私は何でも力になる。その代わり…デートして欲しいな」
安東 邑:「......」少し、含みがあったような気がする。追求しない方が良いだろう。傷つけてしまうかもしれない。
安東 邑:と思った時に、耳に飛び込んできた。
安東 邑:「で」
安東 邑:「デート?」
床名えいら:「そう!デートさ!」
床名えいら:「私はね、キミと仲良くなりたいんだよ安東くん!」
床名えいら:手を大きく広げて。
安東 邑:「あ、アメ横くらいしか知らないですよおれ...」困惑した表情
床名えいら:「いいともいいとも!アメ横でもロシ縦でも!何だっていいのさ!」
安東 邑:(......でもまあ、面白そうだよな)
安東 邑:(ちょうど学校も春休みに入ったし、資格試験の勉強もこないだ終わらせた)
安東 邑:「おっし!解りました!」がばりと立ち上がる。
安東 邑:「そこまで言うなら......その、デート!しましょう!怖いお兄さんが待ってるとかは勘弁ですけど!」
床名えいら:「そういうのは全然ない!誓おうじゃないか!」
床名えいら:「キミの前に災厄が立ち塞がるならそれも払って見せよう!」
安東 邑:「......じゃあ、今から行きます?」
床名えいら:「………すごいぐいっと来るねキミ。好きだけどさ?」
床名えいら:「いいよ。今日は店じまいだ。一緒に行こうじゃないか」
安東 邑:「やったね。勇気出して誘ってよかった」ガッツポーズ。
安東 邑:「いや、おれも実は、慣れてないんすよ。誘うのも、誘われるのも、あんまり」眉をへの字に曲げる。
床名えいら:「慣れてないのかい?そりゃあ意外だな……」
床名えいら:「まあ…それじゃあ、エスコートしてくれるかい?そして、キミのこと、いろいろ教えてくれ」
安東 邑:「あれです...大学デビューってやつです。オフレコっすよ」にやりと笑う。
安東 邑:「もちろん!上京一年のぺーぺーでよければ、どっちも教えちゃいますよ」
床名えいら:「いいんだ。この一年でも、五年でも」
床名えいら:「教えてくれ」
床名えいら:そっと肩を寄せ、手を握る。
安東 邑:「そういうのはまだちょっと早いかな.......!」やんわりと押しとどめるが。不快ではない。
床名えいら:「悪いね。つい」ほんの少しだけ、寂しそうに見えたのは、気のせいだろうか?
床名えいら:「じゃあ……行こうか」
GM:それが初めての、彼女とのデートだった。

オープニング4:そしてまた巡り合う

GM:安東くんとつぐみちゃんのオープニングです。
GM:二人とも今度は登場侵蝕を振ってください。
木場田つぐみ:木場田つぐみの侵蝕率を1d10(→ 3)増加 (40 → 43)
安東 邑:32+1d10
DoubleCross : (32+1D10) → 32+8[8] → 40

GM:あの事件から一年。
GM:君は───木場田つぐみは、逃亡生活を続けていた。
GM:「ジャーム」としてUGNから追われる日々。
GM:そんな、ある日のことだった。
GM:立ち寄ったコンビニエンスストアで、
GM:彼と再会したのは。
木場田つぐみ:逃げ続けるのは、色々なものを擦り減らすような日々だ。
木場田つぐみ:眼鏡を失くしたのは、いつだっただろうか。
木場田つぐみ:携帯電話を持っていると、逆探知をされるのだと、そんなことをルポルタージュじゃなく、自分の身体で知ることになるとは思わなかった。
木場田つぐみ:着ているのは、薄い青のブラウスにジーンズ。コンビニで買ったり、コインランドリーで”借りる”こともよくある。
木場田つぐみ:それになにより、自分の力を使うと、それを探知する者たちがいること。
木場田つぐみ:彼らが言うには、ぼくは”ジャーム”という怪物で、
木場田つぐみ:理性を既に喪失し、社会的生活を営むことができないのだという。
木場田つぐみ:「……社会的生活ができないのは、事実だけど」
木場田つぐみ:お金なんて、碌に持ってない。
木場田つぐみ:それでも、盗んだり自分の力で以て他者を害することで、
木場田つぐみ:それなりに庇護を得たり、僅かな金銭くらいは手にすることが出来た。
木場田つぐみ:硝子窓に映る自分の姿を見た。
木場田つぐみ:嘗てと違って、その瞳は生気がない。
木場田つぐみ:服もしわしわで、ジーンズはダメージ加工済みだ。……勿論、買ったときには無かった。
木場田つぐみ:「……これがぼくか。笑えるな」
木場田つぐみ:息を吐き出すように笑みを作る。
木場田つぐみ:笑っていれば、まだ大丈夫だと思える気がしたから。
木場田つぐみ
木場田つぐみ:コンビニの自動ドアをくぐる。
木場田つぐみ:……前、ちょうど追手が買い物をしていてひどい目に遭ったことを思い出す。
木場田つぐみ:そうして警戒するようになったら、不審者だと通報された。
木場田つぐみ:つまり、警戒はするにしても、し過ぎてもいけないのだ。暮らし辛いな、と思う。
木場田つぐみ:コンビニの新聞置き場を見にいく。天気予報だとか、ニュースとか。そういうの、意外に大事なのだ。
安東 邑:「あーあー、散らかしちゃってさ~...」ぶつぶつとぼやきながら、何やらごそごそと商品棚の陳列をいじくっている人影が見えるだろう。無防備な姿勢だ。
木場田つぐみ:最初に見た時。
木場田つぐみ:店員さんがいるからまずいなー、なんて。そんな思考が過ぎって。
木場田つぐみ:ぴた、と動きが止まった。
木場田つぐみ:「………ぇ」
安東 邑:「えーと、確かミルクチョコが左で.....ホワイトチョコが右だ。商品抜くならせめて片付けてからにしろよなー」心ない客が散乱させた商品を片付けている。
木場田つぐみ:ごお、と血流が流れる音がして。
安東 邑:「よし!」直った、と振り返る。
木場田つぐみ:また誰かのやったことの後片付けなんてしている。そんなことするのは、
木場田つぐみ:固まった少女が貴方を見ている。
安東 邑:輝きのない瞳。よれよれのシャツに、穴のあいたジーンズ。かつての姿とは、見違えるべくもない。
木場田つぐみ:「ぁ、すみません…不躾でした」視線を逸らそうとして。
安東 邑:それでも、一度助けた相手の顔は忘れない。それが、
安東 邑:「木場田先輩じゃないですか!お久しぶりです!」
木場田つぐみ:「う」
安東 邑:安東邑という男だ。
木場田つぐみ:そういう子だと知っている。我ながら御節介を互いに随分したから。
木場田つぐみ:「その……人違い、じゃないですか」
木場田つぐみ:「ぼくは、きみのことなんて知らないから…、その」
安東 邑:「いや、それはないですよ。おれ、先輩に一杯助けて貰ったこと、覚えてますもん」
木場田つぐみ:「ぅ、あ」怯えたような表情になる。
木場田つぐみ:以前のぼくは、もう死んだようなものだった。
木場田つぐみ:ぼく自身が殺したのだと。
木場田つぐみ:彼…安東くんだって、そうだ。そうだったはずだ。
木場田つぐみ:あの何をしても、殺意に繋がるような。そんな、おぞましい甘い快楽が。
木場田つぐみ:彼は特別だから、全身じゃなくて心臓だけ吹き飛ばしてあげよう、なんて。そんな風に考えたことを、確かに覚えている。
安東 邑:「......」お世辞にも、整っているようには見えない服装。異常に怯えた挙動。コンビニ店員もこちらを見ている。
安東 邑:「ひょっとして、何かヤバい奴等に追われてたりします?」
木場田つぐみ:びく、と震える。
木場田つぐみ:「な、どうしてーー」まさか彼も、と考えて。
木場田つぐみ:後悔した。そんなことを言ったら。
安東 邑:「絶対おかしいっすもん。一年前から先輩大学辞めちゃって、ラインもインスタもFacebookも繋がらないし...いや、Facebookはやってないのか」しかし、気づいた様子はない。あるいは、わざと無視をしたのか。
木場田つぐみ:「携帯、持ってなくて……」
木場田つぐみ:「だけど、大丈夫。大丈夫、だから……」
安東 邑:「大丈夫って、何が大丈夫なんですか?それ」
木場田つぐみ:自分でも苦し過ぎる、と思う。
木場田つぐみ:「あ、あはは……まあ、なんというか。色々出来るようになって、それで食べてるんだ。だから、」
安東 邑:「......だから、目の前で泣きそうな人を見逃せってのは、ちょっと無理だなあ」
木場田つぐみ:「そりゃ……まあちょっと、余裕はない、けど……」
安東 邑:すっと近づいて、手を取る。それはあの日を鏡映しにしたように。
木場田つぐみ:「、ぁ」
木場田つぐみ:細い腕だった。
木場田つぐみ:何処か肉が落ちて、骨ばっているように思える。
安東 邑:「ガリガリじゃないすか。先輩前はもっと良く食う人だったっすよね」
木場田つぐみ:「お金、無くて……」
安東 邑:「じゃあどの道食べられてないじゃないですか......!」眉を顰める。
木場田つぐみ:叱られてる子供のように眉根を下げて。
安東 邑:「......ごめんなさい。先輩は何も悪くないよな、これ」
木場田つぐみ:握られている腕から伝わる熱に、力が抜けて行くのが分かる。
木場田つぐみ:彼を巻き込むのか、と声がする。自分で殺した相手を。
木場田つぐみ:でも。
木場田つぐみ:もう、あてどもなくただただ歩いていくのには、疲れて、疲れ切っていたから。
木場田つぐみ:「……ごめん」
安東 邑:「......良いんすよ。めし食いましょ」
安東 邑:「風呂入って、あったかいとこで寝て、人間らしい生活しましょう」
木場田つぐみ:「……安東くんさ」
木場田つぐみ:「変わんないね……」
木場田つぐみ:口元だけ、持ちあげたような笑み。
安東 邑:「何しろホームレスも沢山泊めて...って、なんすか。褒められてます?それ」
安東 邑:「そうだったらいいけど」
木場田つぐみ:「ばか。心配なんだよ」
木場田つぐみ:「自分のこと、いっつも後回し……だから、頼っちゃ、いけないのに」
安東 邑:「......まあ、良く言われますよ。でも」
木場田つぐみ:「でもじゃ、ないよ」
安東 邑:「なんか、先輩をここで見逃したらダメな気がするんですよね...」
木場田つぐみ:「こんなに怪しい、一年前にちょっと顔合わせただけの相手を………」
木場田つぐみ:膝から、少し力が抜けて。
木場田つぐみ:胸元に、頭を預ける。
木場田つぐみ:「……ごめん。ぼくがそうしちゃだめなんだ。すっごい迷惑かける。わかってる」
木場田つぐみ:「……でも、おねがい」
木場田つぐみ:「……甘えさせて」
安東 邑:「俺の作った卵焼き...旨いって言ってくれたじゃないですか。あれから得意料理なんですよ」ちょっと照れたようにそっぽを向く。
安東 邑:「だから、恩返しですよこれ」
木場田つぐみ:「……ふふ。楽しみだなあ」
木場田つぐみ:「……ばーか」
安東 邑:「調子狂うな~、もー」
木場田つぐみ:一瞬だけ、背中に腕を回して、強く強くぎゅぅ、と抱き締めて。
木場田つぐみ:パ、と離れる。「……じゃ、よろしくお願いしちゃうね」
木場田つぐみ:あまり続けると、きっと離れられなくなりそうで。でも、誰かの体温を感じたかった。悪いことしてるな、とは思う。
木場田つぐみ:(……まあでも、今だけ。今だけ……だもん)
安東 邑:「んっ?えっ?あっ......ああ!先輩の好物作らなきゃな~!そうしたらな~!」訳は聞かない。ただ空元気を現実に帰るように、コンビニを出る。手にはオリーブオイルとゴマ油を入れたコンビニ袋が握られている。
木場田つぐみ:「いいよ、きみの得意な料理で」
木場田つぐみ:「きっと、美味しいもんね」

GM:オープニングが終了したので
GM:安東くん以外の皆さんはシナリオロイスを取得してください
木場田つぐみ:了解です。 ”後輩”安東邑 〇依存/罪悪感 で。
猿喰 早耶:"少年"安東邑。○幸福感/隔意。かなー
床名えいら:安東邑/憧憬:○/罪悪感/ロイス
風間 ねね:“可愛い弟” 安東邑 ◯親愛/執着
GM:安東くんは普通のロイス取得をしていいよ
GM:ヒロインズの誰かからクライマックス終了時にシナリオロイスを洗濯してもらうよ
GM:選択
安東 邑:え~っと、誰にしよう...最初のロイス...
安東 邑:じゃあ
安東 邑:”久しぶり、先輩 ”木場田つぐみ 〇庇護/自己犠牲 で
木場田つぐみ:わ。嬉しいね。自己犠牲はダメだけど。
GM:じゃあ大丈夫かな。
GM:シーンカット!

ミドル1:二度目の目覚め

GM:合流シーンです。全員登場。
猿喰 早耶:猿喰・早耶の侵蝕率を1d10(→ 7)増加 (45 → 52)
木場田つぐみ:木場田つぐみの侵蝕率を1d10(→ 10)増加 (43 → 53)
安東 邑:40+1d10
DoubleCross : (40+1D10) → 40+3[3] → 43

風間 ねね:52+1d10
DoubleCross : (52+1D10) → 52+10[10] → 62

GM:高めだな……
GM:邑くんが襲われて覚醒するシーンになります。
GM:最初はつぐみちゃんと邑くんの描写から。

GM:再会した君たちは二人で街を歩いていた。
GM:どこかに立ち寄ったかも知れない。寄り道は最低限で済ませたかも知れない。
GM:何にせよ、それは君たちが安東邑の家に着く前に起こった。
GM:《ワーディング》
木場田つぐみ:何が変わったわけでもない。でも、ただこうして共にいる人がいる、というだけのことがとても嬉しかった。だから、だろうか?
木場田つぐみ:「んーー」反応が、遅れた。
安東 邑:「で、ここを曲がったらおれん家の『天城荘』が――」かくんと崩れ落ちる。
安東 邑:がくがくがくがく、膝が笑っている。立つことが出来ない。
安東 邑:「.......え?何すかコレ」
木場田つぐみ:「安東くん…!」支える。
木場田つぐみ:「そこだね…?すぐ連れてくから…、」
安東 邑:「あ、はい、お願いします......え?」正常な判断ができない。思考がぼんやりしている。
木場田つぐみ:「………”できること”ができた、って言ったでしょ?これだよ」
木場田つぐみ:「大丈夫」
木場田つぐみ:「ごめん、巻き込んで」
木場田つぐみ:ああ、やっぱり。ぼくがこんな風に、優しくしてもらえるなんて、望み過ぎだったのだろう。
GM:武装した男たち───いや、性別はわからない───に取り囲まれる。
木場田つぐみ:「今、凄い。手加減が出来なさそうなんだよ」
安東 邑:「ちょっと...洒落になってないっすよ!先輩逃げて!俺が時間稼ぎますから!」
木場田つぐみ:ふわりと笑う。
戦闘員:「”カーマーゼン”だな…?」
木場田つぐみ:「そう。ぼくがそうだ」
戦闘員:「抵抗しなければ、悪いようにはしない」
木場田つぐみ:彼をそっと横たえる。
戦闘員:「我々のもとに来い」
木場田つぐみ:「わかった。じゃあ、着いていくから。こんな物騒な集まりはやめてくれよな」
木場田つぐみ:「折角美味しいごはんにでもありつけそうだったんだぜ。本当、タイミング悪いったら」
安東 邑:(”カーマ―ゼン”って、なんだよ......先輩は先輩だろ)コンビニ袋を取り落としながら、必死に体を動かそうとするが、かなわない。
戦闘員:「……いいだろう。だが」
戦闘員:「目撃者は処分させてもらう」
戦闘員:邑くんの方を見て。
戦闘員:銃口を向ける。
木場田つぐみ:「な」
木場田つぐみ:「やめろ!!」
安東 邑:(ふざけんな。飯を食ってもらって、風呂にも入って貰って、あったかい布団で寝て貰うつもりだったのに)
木場田つぐみ:彼女の力は、言葉によるものだ。
木場田つぐみ:だから、既に狙いを付けられている状態の銃より、どうしても遅くなる。
戦闘員:タタタタタタタ。
安東 邑:「あっ」
戦闘員:非常に乾いた音と共に───
木場田つぐみ:「や、」
木場田つぐみ:手を伸ばして。
安東 邑:「大丈夫、先輩」
安東 邑:笑って、死んだ。
木場田つぐみ:当然届かない。彼女に、そうした力はなく、無いならば、ただの少女にすぎない。
木場田つぐみ:「ぁ」
木場田つぐみ:「ぁ、ああぁぁあああああああ!!」
戦闘員:「さあ、来るんだ」
戦闘員:「お前の世界は、ここではない」
木場田つぐみ:「----」
木場田つぐみ:「---さい」
木場田つぐみ:「……くも……よく、も………!」
木場田つぐみ:彼の姿を見る。
木場田つぐみ:笑っている。
安東邑:笑って死ぬことが出来た。誰かの笑顔を見るのが、生まれつき好きだった。
木場田つぐみ:ばかじゃないの。だからいつもいつも、言ったじゃない。
木場田つぐみ:「ぅ、アーー」ずっとずっと、あの最悪の日から蓋をしていた殺意に手を掛ける。
木場田つぐみ:許せない。
木場田つぐみ:許せない。許せない。
木場田つぐみ:この連中も勿論、こうして満足げに死んでいる彼も。
木場田つぐみ:なにより、そんな彼に縋った自分自身が、いちばん。
安東邑:――裏目に出てしまった。失敗してしまった、と思う。
安東邑:昔から、いつもこうだ。他人の真似事ばかりで、自分というものがまるでなかった。
安東邑:テレビのヒーローの真似事。バイト先の店長の真似事。大学生の真似事。真似事。真似事。
安東邑:それでも良かった。人を笑顔にしたいというこの望みだけは、唯一真実として自分の心の中にあった――そのはずだ。
安東邑:なのに。
安東邑:(先輩は、何で)
安東邑:(何で、泣いてるんだ?)
なにか:ふざけている、と思う。
なにか:許せない。
なにか:許せない。許せない。
なにか:この連中の勿論、こうして悲痛な顔をした彼女が。
なにか:なにより、彼女にそんな顔をさせた自分自身が、いちばん。
なにか:穿たれた頭蓋から、影のような物が噴き出て――それら『なにか』は一瞬で爆裂し、安東の身体を蔓の如く覆う。
 :彼女の声がした。
 :『”--より黒たる境へ”』
 :叫ぶような声だった。嘆泣女/バンシーとは、このような声をしているのかというような。
 :『”地に座す骨。母のみやどころ。憩う風光”』
なにか:(......ふざけんなよなあ)散乱した、コンビニ袋の中身を見る。
なにか:ごま油。税込198円。オリーブオイル。税込298円。
なにか:(油って、意外と高いんだぞ......)起き上がる。おぞましい歌が、聞こえている。
 :『”傷付き倒れる者どもへ”!』
 :結びの言葉が近い。あなたにはそれが分かる。
なにか:(先輩に、酸辣湯麵とか作ろうと思ってたのに。許せねえ)
なにか:許せないことが多すぎる。
 :『”--立ち上がれ”!』命ずる声がする。
 :あなたは、それをおのれのものとすることが出来る。
なにか:それを正すために、この世に生まれてきたような気がする。
 :理論ではない。直観でもないーー寧ろ、当然の常識を、思い出したかのように。
なにか:夜に、影が、眩い闇の如く走る。
なにか:武装集団の火器を的確な狙いで弾き飛ばす。今はとにかく、そうできれば良かった。
なにか:「先輩。だから言ったでしょ」
木場田つぐみ:「………え」
安東 邑:そんなわけあるか、なんて。自分が一番言いたいけれど――それでも。
安東 邑:「大丈夫だって」
木場田つぐみ:「うそ、なんで」
安東 邑:影の触腕を右腕にうぞうぞとうごめかし、安東邑が立っている。
木場田つぐみ:呆然としている。殺意の元に命じたはずだーー周囲全ての生命を、殺せと。
安東 邑:「......解んねえ。何だろう、”吸った”のかな」呆然としている。
木場田つぐみ:「……う」
木場田つぐみ:「……うううううぅうう……!」
戦闘員:「な、なんだ……!」「武器が…!」「構わん、エフェクトを使え!!」
戦闘員:その二人を前に、武装集団はしかし、実力行使にかかろうとする───
風間 ねね:「皆さんの疑問、その答えは簡単です」
風間 ねね:パチッ、と指を鳴らす音。
風間 ねね:月光を反射して七色に輝く鱗粉が、戦場を麻痺させた。
安東 邑:「――姉さん!?」
戦闘員:「……粉……?」「馬鹿、ぼーっとしてるんじゃない!」
風間 ねね:「一年前、あの戦いに巻き込まれてから、私の可愛い弟はオーヴァードとして覚醒しました」
風間 ねね:邑の方を見てから、パチリとウインクする。
木場田つぐみ:「ぇ、え、アレ……お姉さんなんていたの……?」呆けたようにそんなことしか言えなかった。
風間 ねね:「よく頑張ったね。もう、お姉ちゃんが力を隠す必要も無いか」
風間 ねね:「自己紹介は後。邑クン、あなたは、これからどうしたい?」
安東 邑:「え......えーっと」少しだけ、考える
安東 邑:「......こいつらをぶっ倒して、先輩に旨い飯を食べて貰いたい」
風間 ねね:うんうん、と嬉しそうに頷く。
風間 ねね:「じゃあ、一緒に戦いましょう」
風間 ねね:邑の背中に、自分の背中を添える。
風間 ねね:「だって私は、頼れるお姉ちゃんなんだから!」
風間 ねね:もう一度指を鳴らす。
風間 ねね:戦場に流れていた鱗粉の濃度が下がる。
風間 ねね:「ねえ、猿喰さん!」
猿喰 早耶:「家族、ファミリー、ジアーティンギ。いいよね」
猿喰 早耶:包囲していた武装集団の一人が消える。文字通り。
戦闘員:「デ、デルターッ!」
猿喰 早耶:「あーあ。あと一ヶ月は秘密でいけると思ってたんだけどなー」
安東 邑:「.....いや、流石に最初っから何かおかしいと思ってましたって」にやりと笑う。
木場田つぐみ:ぽかんとしてみている。何が何だか分かっていない。
猿喰 早耶:「いや会ったのは偶然なんだぜ少年?」
猿喰 早耶:声を上げた男の肩口を、ほそい手が掴む。
猿喰 早耶:銃器ごと右腕が消える。
戦闘員:悲鳴が上がる。
安東 邑:「えーっ!マジ...!?何かオレさやさんに命狙われてたとかじゃないの!?超ハズイじゃん!」追撃。影の触手で鞭のように殴打する。
猿喰 早耶:「あときみとヨロシクやってたのもただの趣味。でもあたしのこれは秘密にしたかったのよなー」
猿喰 早耶:「ほらグロいじゃん?」
安東 邑:「もとに戻せるんじゃないんですか」
安東 邑:「.......無理なの........?」
猿喰 早耶:「めんどい」
猿喰 早耶:「あとなんてゆーかネジが余るんだよねー」
猿喰 早耶:「まあ、そういう感じでヨロシク。少年。あとホームレス仲間?」
木場田つぐみ:「え、えっ……はい……?」
猿喰 早耶:「ところできみきみ、ブラはつけたほうがいいとおもうよ」
安東 邑:「出来ることなら殺さないで下さいね!ホントに!」そう言いながら影の盾で木場田さんを守る
安東 邑:(言わなかったことを......!!)
木場田つぐみ:「しょ、しょうがないんです!丁度お金が足りなくて…!」顔を赤くして胸を隠す。
床名えいら:「優しい、優しいなあ邑クン」
床名えいら:聞き覚えのある声が響く。
床名えいら:何度かデートをした、占い師の女性だ。
風間 ねね:「あら、イレギュラーまで乱入ですか」
風間 ねね:「邑クンどこでひっかけたのかな?」
安東 邑:「えっ!?これ姉さんの仕込みじゃないの!?怖いよそれはそれで!」
猿喰 早耶:「ねねねーさん何気に交流狭いしなぁ」
床名えいら:「運命なんていうと、しゃらくさいよねえ。でも、まあ」
床名えいら:「殺さずにやってみようかな、うん」
安東 邑:「えいらさんもそうだったんすか...怪我しないで下さいね!」俺もまだこのチカラ全然よく解ってないですし、とか言いながら影を纏って接近してきたトループを殴り倒す。
床名えいら:手を広げて何事か呟く。
戦闘員:「ヒィ?!」「うわっ」「ああああ!なんだこりゃ、ああああ!」「肉がっ、ひぃぃい」
床名えいら:「これでよし…と」
床名えいら:「そういうこと。この後皆さんにもご挨拶させてもらうけど」
床名えいら:「あなた、前から狙われてたんだよ。気付かなかった?」
安東 邑:「初耳...じゃない!」
安東 邑:「アレだ!最近何か変な視線を!」
木場田つぐみ:「えええ……ど、どういうことなの安東くん」眼をぱちくりさせている。
床名えいら:「そういうこと。片付けたら対策会議しようね」
床名えいら:「ふふ。とても、楽しみ」
風間 ねね:「仕方ないですね。秘密裏に片付けたかったのですが、邑クン同盟を拡大せねば」
猿喰 早耶:「ああ。そっち方面? ありがたいねぇ。最近数多くてさー」
安東 邑:「『そっち』とか『あれ』とか、なんで指示語で喋るんですか...!クソッ!」更に踏み込む。影の触腕で跳躍、機銃のように上空から打撃の乱射
木場田つぐみ:「えええ……。こんな数の精鋭級オーヴァードなんて……どういうことなの、これ……」
安東 邑:「俺多分その”オーヴァード”すら解ってないんですよ!も~~!!」
猿喰 早耶:「からだでおしえてあげやーぅ」
木場田つぐみ:「い、いや普通に教えて上げましょうよ!?」
安東 邑:「馬鹿言ってないでとりあえずこいつらぶっ飛ばして逃げましょう!俺ン家集合で!」
風間 ねね:「お姉ちゃんが許可します!」
安東 邑:「やっぱり姉さんは頼れるなあ畜生!」
風間 ねね:「弟の身柄はお姉ちゃんのもの……そう決まってますから……」
床名えいら:「それがいいね!私の仕込みは終わったから皆さん、どうぞどうぞ!よろしくね!」
床名えいら:楽しそうに両手を広げてころころと笑う。
木場田つぐみ:「あああ変なヒトたちだ…!ってぼく大体しか分かんない…!」影が舞う。最後に首を括り縛り上げ。
風間 ねね:月光を受けて輝く鱗粉が羽のように広がり、風と共に駆け抜ける。
GM:───斯くして。
GM:君たちは戦闘員を思い思いの方法で撃退し。
GM:安東邑の自宅に集合することになったのであった。

GM:ロイスと購入が可能!
木場田つぐみ:みんなのことはまだ分かんないから保留で…w
安東 邑:こちらもロイスは保留。購入は...UGNボデマ!
木場田つぐみ:高めの欲しいならウィンブレ飛ばすよ~
猿喰 早耶:ロイスは…ちょっと保留。ねねさんも説明シーンの後にしようと思う。
風間 ねね:ではネネちゃんはシンプルなので
“邑クン同盟メンバー”猿喰早那 ◯連帯感/好敵手

風間 ねね:そして調達!
猿喰 早耶:牽制球~
床名えいら:社会1なのとミドルの間は60固定ということで
風間 ねね:強化ビジネススーツ
床名えいら:ダイス2個ですがボデマ狙います
猿喰 早耶:アームスーツ買いたいな。ねねさんが足りそうならウインブレもらえる?
風間 ねね:同盟と言う名の牽制球
風間 ねね:オリジン:サイバーあるので足りそうかな!
床名えいら:2dx>=12
DoubleCross : (2DX10>=12) → 6[6,6] → 6 → 失敗

床名えいら:無理ですね…以上です
風間 ねね:オリジンサイバー起動
風間 ねね:62→64
木場田つぐみ:はあい。じゃあ安東くんのアームドスーツ調達に飛ばします。コンボ:“おお、見よ。居並ぶ剣槍の煌めきを”≪援護の風≫ ≪ウィンドブレス≫
木場田つぐみ:ダイス+5d、達成値+9です。
木場田つぐみ:木場田つぐみの侵蝕率を4(→ 4)増加 (53 → 57)
風間 ねね:6dx+10>=19 調達
DoubleCross : (6DX10+10>=19) → 8[3,3,4,5,5,8]+10 → 18 → 失敗

風間 ねね:財産点1使って成功です
風間 ねね:財産点が10になっちゃった……
木場田つぐみ:じゃあすみません、安東くんじゃなくよければ猿喰さんに…
猿喰 早耶:おかねもち~
猿喰 早耶:あ。了解! ありがたいね、じゃあいってみよう
木場田つぐみ:見落としてました。ごめんなさい。
安東 邑:それでヨロシク!
安東 邑:だいじょぶ~ こっちは自力でやってみるぜ
猿喰 早耶:5dx+10>=15 すまん少年!
DoubleCross : (5DX10+10>=15) → 9[2,2,3,4,9]+10 → 19 → 成功

猿喰 早耶:OK.入手して装備ーと(行動値5まで低下)
安東 邑:大学生になったから...バイトしてるんだよ!
猿喰 早耶:もとい6。
木場田つぐみ:自分は応急でも買ってみましょう。
安東 邑:2dx>=15
DoubleCross : (2DX10>=15) → 10[9,10]+7[7] → 17 → 成功

安東 邑:どうだ!これがしっかり者大学生の力だ!
GM:しっかりもの〜〜!!
木場田つぐみ: 1dx>=8 DoubleCross : (1DX10>=8) → 5[5] → 5 → 失敗
安東 邑:入手して装備!
木場田つぐみ:これなので失敗。以上です。
GM:OK!シーンカット!

ミドル2:非日常への前奏

GM:全員登場。状況確認と今後の方針を決めるシーンです。
木場田つぐみ:木場田つぐみの侵蝕率を1d10(→ 3)増加 (57 → 60)
風間 ねね:64+1d10
DoubleCross : (64+1D10) → 64+5[5] → 69

猿喰 早耶:猿喰・早耶の侵蝕率を1d10(→ 5)増加 (52 → 57)
安東 邑:43+1d10
DoubleCross : (43+1D10) → 43+9[9] → 52

GM:安東邑の自宅。
GM:珍しい大所帯に少し手狭に感じるかも知れない。でも結構広い方だよね1LDKなら。
GM:そんなわけで君たちは今の状況の確認をすることにした。
床名えいら:「───というのがオーヴァードというものの概略」
床名えいら:「ここにいる私たちはみんなオーヴァード。邑くんも含めてね」
風間 ねね:「そう。床名ちゃんの言う通り。そして、このオーヴァードはUGNとかFHとか色んな組織に分かれて日常の裏側でやいのやいのしているわけよ」
風間 ねね:(これで一緒だね邑くん……❤)
安東 邑:「ええ~、本当にあるんだそんなこと......」来客用の座椅子を引っ張り出しながらげっそりとした顔で答える
猿喰 早耶:「まぁあるんだなあ。あるある」
猿喰 早耶:床に直で胡座をかいている。
木場田つぐみ:微妙に居辛そうな表情でちょこんと膝を揃えて座っている。
安東 邑:「......じゃあ、そのユニバーサル何とかかんとかって人に......先輩保護してもらうわけにはいかないんすか?」
木場田つぐみ:「それは出来ないかな」
風間 ねね:「後ろ暗いところ、あるんだ」
木場田つぐみ:「……さっきの概略でもあったけど、ジャームっていうのに、オーヴァードは成り得る」
木場田つぐみ:「衝動に呑まれて、もう戻ってこれなくなったやつね。で、ぼくはそうだって認定されてるから」
木場田つぐみ:本当にそうなのかどうかも、ちょっと分かんないし。と付け加えて。
安東 邑:「んなわけないでしょ。先輩は人間っすよ」言い切る。
木場田つぐみ:「……ありがとね」
床名えいら:「んー、ジャームの定義ってとっても曖昧なんだよね」
風間 ねね:「それにUGNのジャーム認定って偽陰性が無いように厳し目だからねえ」
木場田つぐみ:「……そう。侵蝕率の安定性で計られる。だから、まあ難しいんですよね」
床名えいら:「衝動の暴走だけならジャームじゃないオーヴァードにもあり得るんだ。一時だけのそれを見てジャーム認定してしまった例もある」
安東 邑:「でも”社会生活”が送れない...って、あれじゃないですか? 友達が居ないってやつ」
安東 邑:「そっか~。色々難しいんすね」
風間 ねね:「邑くんがその子を人間だと思うなら、お姉ちゃんはその判断を肯定します」邑くんの隣にこっそりと這い寄って座っている。
猿喰 早耶:「ぶっちゃけ捕まったら出てこれないしー。捕まるだけで済むとも限んないし?」
木場田つぐみ:「一年前の事件で、わたしの侵蝕率は100%超過で安定してたのを観測されてるし……まあ、何人もやっちゃってるしね」
猿喰 早耶:「やっちゃうのは普通。逃げてたのはがんばった」
猿喰 早耶:なでる。
風間 ねね:「う~ん、UGNも良い顔しなさそうねえ……」
木場田つぐみ:「……えっと、ありがとうございます…?」
木場田つぐみ:ちょっと不思議そうな表情になりながら。
床名えいら:「そうそう。よくやったと思うよつぐみさんは」
木場田つぐみ:「……ん」くすぐったいな、と思った。
安東 邑:「......まあ、落ち着くまでは。ずっと家に居て大丈夫っすよ」
安東 邑:あえて殺人のことには触れない。それは彼女の傷だ。
木場田つぐみ:「…ありがとう」
床名えいら:「私は……ふふ、私のことはいいか。」
床名えいら:「それよりこれからの話をしなきゃね」
安東 邑:「ですね」がっと身を乗り出す。「えいらさんの話も、そのうち聞かせて貰いますけどね」
風間 ねね:「あら、お姉ちゃんは床名ちゃんもきになるけど……まあ、喫緊の問題は木場田ちゃんか」
床名えいら:「ふふっ。そんなに面白いものじゃないよ?」
床名えいら:表情は変えずに、微笑みをたたえたまま。
猿喰 早耶:けらけら笑う。
風間 ねね:「一先ずジャームではないと証明し、UGNに安全を保証してもらえるように取引をする。木場田ちゃんの平穏な暮らしには必要なことね」
床名えいら:「───現状。不明のオーヴァード勢力に、安東邑、木場田つぐみの両名は狙われている」
猿喰 早耶:「狙われてるねえ。ここんとこ多かった」
猿喰 早耶:指折り数える。
安東 邑:「え、さやさんがやっつけてくれてたんすか!?」
木場田つぐみ:「……」表情もわずかに硬くなる。かれとぼく、二人に共通するR事案と言えば……。
風間 ねね:「お姉ちゃんも、お姉ちゃんも」自分を指差す。
猿喰 早耶:「あたしのシマにわけわかんないのいると面倒だし?」
猿喰 早耶:「でもお礼はいくらでももらおう!」
床名えいら:「んんっ、いい縁ができてるねえ。僥倖ってやつだ」
安東 邑:「何かすげービビるな......ありがとうございます、二人とも」ぺこりと頭を下げる
木場田つぐみ:「……こういうの、怪我の功名というかなんというか……」あまり変に無防備なの、良くないのだがそれが幸いしてもいるから言い辛い。
猿喰 早耶:「よきにはからえぞー」左でヘッドロック。
安東 邑:「グエ~ッ」じゃれあう。
床名えいら:「理由も現状不明。だから、私たちは情報収集をする必要がある」
床名えいら:「それぞれ、いろんなコネを使ってね」
風間 ねね:「そうね。これからすべきなのは、わけのわからない連中の調査。それに邑くんと木場田ちゃんが追われる秘密を解明するってところかしら?」
木場田つぐみ:「……そう、ですね。ぼくはともかく、安東くんは…」
安東 邑:「まあ、そうっすね......おれも大学の先輩とかに聞いてみますよ色々」
猿喰 早耶:「そうだわねー。口は硬かったし」唇のあたりを横から彼の手に押されて変な顔になりながら。
床名えいら:「…それでね、提案なんだけど」
猿喰 早耶:「ほいほい」猫のように離れてすとんと胡座。
床名えいら:「皆がいっせいに固まってるのは、多分、少ない方がいい」
安東 邑:「目立つからですか?」
猿喰 早耶:「まとめて始末できるし」
床名えいら:「そういうこと。一網打尽というやつだ」
木場田つぐみ:「まあ、そうですよね。人数が多いのは…」猿喰さんの言に一度詰まりつつ。
安東 邑:「物騒なこと言わないでくださいよ」まあ美人多いからなあ、とかなんとか呑気なことを思いながら
風間 ねね:「各個撃破だってありえるもんねえ」
風間 ねね:「邑くんは誰かが傍にいるべきじゃない?」
風間 ねね:「何時も一緒のお姉ちゃんとか……」
風間 ねね:さりげなく服の裾をしっかりホールドしていた。
床名えいら:「今は、できるだけ目立たずに動きたいからね」
床名えいら:「そう。私もそれを言おうと思ってた」
床名えいら:「邑くんは覚醒したて。常に誰かがサポートとしてそばにいるべき」
安東 邑:「あ、それはおれもお願いしたいかな。まだ力の扱いとか、全然慣れてないし」
木場田つぐみ:「覚醒したては、安定しなかったりするし…そうですね。専属だと大変だし、持ち回りがいいのかな」
風間 ねね:「ヘヘヘ、お姉ちゃんが身体に教えてあげますよ」
猿喰 早耶:「じゃあ交代でいいんでない」
風間 ねね:「え゛っ」
安東 邑:「姉さん一人だけだと大変だろ」
木場田つぐみ:「……?訓練とかって、大変ですよね」
猿喰 早耶:「ねねねーさん顔利くことにできるじゃん? 働け?」
床名えいら:「侵蝕の問題もあるし。あんまり一人で詰めないほうがいいよ」
風間 ねね:「い、いいのよ。みんな、弟の傍に居るのが……」この世の終わりのような顔である。
風間 ねね:「姉の……」情報収集の為に自分が動くメリットと邑クンの傍に居ることで調査が遅れるデメリット。
風間 ねね:「姉の……」天秤にかけて、折れた。
風間 ねね:「ちっ……邑クンシェアの提案、飲むしかないわね」
木場田つぐみ:「シェアって……安東くん、ものじゃないんですから」
床名えいら:「そう、邑くんシェア!いい言葉だね」
木場田つぐみ:「ええっ」いいのかな?!という顔で安東くんを見て。
安東 邑:「ありがとね。御守みたいにさせちゃって、めちゃくちゃ申し訳ないんだけど」
風間 ねね:「弟は本来姉のものですが……? クッ……!」
風間 ねね:(おのれ猿喰……余計な真似を……やはりやつは油断ならぬ……)
床名えいら:「人だって分かち合えるさ!」
木場田つぐみ:「大分猟奇的な絵が見えますからやめませんそれ?」
猿喰 早耶:「じゃああたしらがモノポリーされちゃうことにする?」
猿喰 早耶:けらけら笑う。
木場田つぐみ:「独占て……」苦笑する。
床名えいら:楽しそうに笑っている。
安東 邑:「......ふふ」なんかいいな、と思う。幸せだ。こんな状況なのに。
安東 邑:「じゃあ、おれメシ作りますね。好物作るって言ったけど、やっぱり中華粥にします......いきなり脂っこいものとか食べると、多分先輩にはきついだろうし」立ち上がる。
猿喰 早耶:「わーい。あたし大盛りで」
風間 ねね:「わぁい! お姉ちゃん邑くんご飯大好き!」
風間 ねね:(こんなヤバい女たちに邑くんを任せてられないわ……男女だから間違いだってあるかもしれないし……)
風間 ねね:(すぐに事件を終わらせて邑クンを四六時中監視しなきゃ……待っててね、邑クン!)
木場田つぐみ:「あ、ごめんね…気を遣わせちゃってるな…手伝い、は……身体洗ってからじゃないとマズイかな…」
床名えいら:「おやおや、いいのかい?つぐみさんの分だけでなくて?」
安東 邑:「皆にも作るに決まってるじゃないですか。お腹空いてるでしょ?」
床名えいら:「ん……本当に、キミは善良だなあ。それじゃあお言葉に甘えようかな」
木場田つぐみ:「なんかごめんね……お世話になります」
安東 邑:床名さんに笑いかける。そして、「一応先輩も風呂は自由に使っていーすよ。おれは全然気にしねーけど、女の人だと体洗えないのってキツいだろうし」
木場田つぐみ:「いや、流石にそこまでは嫌じゃない…?凄い助かるけども……」
猿喰 早耶:えいらさんを見てフクロウのように首を傾げたりしつつ。
猿喰 早耶:「洗ってもらったら?」
安東 邑:ぎくり、と身体が固まる
木場田つぐみ:「………んん?なんかすごい台詞が出たような気がするぞ……」
木場田つぐみ:「なんでそこで固まるのかなきみは」
安東 邑:「い、いや...メシ作るしおれ...」
風間 ねね:「……邑くんの、エッチー!」
床名えいら:「妬けるなあ。私にはまだ腕組みも許してくれないだろ?」
猿喰 早耶:けらけら笑う
安東 邑:料理の為に握った包丁がカタカタ音を立てるほどに震えている
木場田つぐみ:「めちゃくちゃ動揺してるじゃん!?」
安東 邑:(もう二度と、さやさんの口車には乗せられねー。いや、逆ギレして入ったおれも悪かったけどさあ......!)

GM:ロイスと購入可能です。
風間 ねね:ロイスは保留、姉のFXマネーで買って欲しいものは誰かあるかい
木場田つぐみ:ロイスはどうしようかな~~ みんないい人だな~~って感じにぼんやりしてるので保留しよう。
猿喰 早耶:ロイスは「同輩:風間ねね:○親近感/脅威」ー
安東 邑:ロイスはこちらも保留。のちのちガッツリ取るシーンあるしね!
木場田つぐみ:ミドル戦闘睨んで応急とかトランク、あとRCなのでメイド服あると嬉しいかな~って感じですぼくは
安東 邑:購入どうしようかな~
安東 邑:じゃあここは応急チャレンジしちゃおう
風間 ねね:じゃあメイド服!
床名えいら:応急手当チャレンジ
床名えいら:2dx>=8
DoubleCross : (2DX10>=8) → 6[1,6] → 6 → 失敗

猿喰 早耶:なるほどなるほど
木場田つぐみ:ウィンブレとか援護の風欲しいなら言ってねー
安東 邑:2dx>=8
DoubleCross : (2DX10>=8) → 10[8,10]+6[6] → 16 → 成功

風間 ねね:強化ビジネススーツとオリジン:サイバーの効果を発動!
木場田つぐみ:安東くん回すね?!
安東 邑:こいつ社会性の化け物すぎる
猿喰 早耶:強い
GM:tuyo
風間 ねね:6dx+12>=20 調達
DoubleCross : (6DX10+12>=20) → 10[4,5,5,8,9,10]+4[4]+12 → 26 → 成功

猿喰 早耶:そうしたらこっちも応急確保しとこか。数あっても困らないでしょ。
風間 ねね:さすがお姉ちゃんの弟ね
木場田つぐみ:ぼくも応急狙います―
GM:こっちも強い
猿喰 早耶:1dx+1>=8 ほーら
DoubleCross : (1DX10+1>=8) → 6[6]+1 → 7 → 失敗

木場田つぐみ:2dx>=8
DoubleCross : (2DX10>=8) → 8[3,8] → 8 → 成功

猿喰 早耶:ん、財産1入れちゃお。で、終わりー
風間 ねね:つぐみちゃんにメイド服を着せます
木場田つぐみ:一個確保。
猿喰 早耶:とりあえず一個持っとくね。
木場田つぐみ:わーっ新しい服だ~~
安東 邑:一個確保!
風間 ねね:くっ、敵に塩を送ってしまった
安東 邑:良かったぜ...
木場田つぐみ:ありがとうございます!以上!
風間 ねね:邑クンの宿題を手伝ってくれたお礼……これはお礼……
GM:ではシーンカット!
猿喰 早耶:猿喰・早耶の財産を1減少 (6 → 5)

ミドル3:四人と・前編

GM:ここからはワクワクデート&調査フェイズです。
GM:簡単にルール説明。
GM:ミドル3-1〜3-4まで、持ち回りで邑くんとヒロインの二人きりのシーンをやります。
GM:登場侵蝕は始めの1回のみ。
GM:デートスポットもご用意いたしました。

デートスポットを設定(ROC)
1.遊園地
2.カラオケ
3.繁華街
4.大学キャンパス
5.カフェorレストラン
6.人気のない空き地
7.美術・博物館
8.映画館
9.公園
10.ゲームセンター
0.任意

GM:そして、デートと共に情報収集ができます。

情報:噂話、裏社会、UGN、FH 難易度:7

GM:デートとこちらの情報収集に成功することでプライズが1溜まります。
GM:プライズが溜まると徐々に情報が開示されていきます。
安東 邑:財産は...使えますか?
GM:使えます!
安東 邑:ヨシ!
GM:たくさんデートしてたくさん情報を集めよう!
GM:あ、あと最後に女の子だけの舞台裏?シーンを設けます。これも含めて侵蝕は最初の1回のみ。
GM:ではいきましょう!

GM:登場侵蝕をどうぞ!
安東 邑:52+1d10
DoubleCross : (52+1D10) → 52+6[6] → 58

木場田つぐみ:木場田つぐみの侵蝕率を1d10(→ 9)増加 (60 → 69)
猿喰 早耶:猿喰・早耶の侵蝕率を1d10(→ 8)増加 (57 → 65)
風間 ねね:71+1d10
DoubleCross : (71+1D10) → 71+2[2] → 73

ミドル3−1:呪いの言霊

GM:では邑くん。最初にデートするお姉さんを選んでください。
安東 邑:では
安東 邑:......つぐみ先輩でお願いします!!
木場田つぐみ:ん。よろしくね。
GM:では、先に判定だけやりましょうか。
GM:どちらか成功すればOKです。
安東 邑:ウオー!
木場田つぐみ:はーい。ではFHで判定します。
木場田つぐみ:もしぼくが失敗したら、援護の風か何か飛ばそう。
木場田つぐみ:2dx+1>=7
DoubleCross : (2DX10+1>=7) → 8[1,8]+1 → 9 → 成功

木場田つぐみ:成功しました。良かった…
GM:オッケー!
安東 邑:情報は何もないので ここは任せておこうか
GM:プライズ1!
木場田つぐみ:やったね。
GM:では、デートをどうぞ。

木場田つぐみ:まず、と言うわけでもないのだけど。
木場田つぐみ:あまり外でどうにかしていた身体でいるのも、あまりよくないと思ったのでシャワーを借りさせてもらった。
木場田つぐみ:ごわごわした感触のシャツを脱ぎ、湯のノブを捻る。
木場田つぐみ:ざあ、と暖かい湯が身体に掛かって、ひどく心地よかった。
木場田つぐみ
木場田つぐみ:思えば、随分こうしてゆっくりと出来たのはいつぶりだったろう。
木場田つぐみ:「……あんまり、思い出せないな…」
木場田つぐみ:烏の行水、というほどではないけれど。ささっと終わりにした。
木場田つぐみ:こういう風にするようになったのは、もう習慣のようなものだ。
安東 邑:「あ、せんぱーい。風呂空きました?」
木場田つぐみ:「えっ」
木場田つぐみ:「あ、あ、ぅ、うんっ!ありがとうね…!?」
木場田つぐみ:そういえば、すぐ近くにかれがいるのだ。
木場田つぐみ:そう思うと、なんだかすごく恥ずかしくなってきた……!
安東 邑:「外に着替え置いてあるんで、良ければ使って下さい。ユニクロで買ってきたやつなんで多少合わないかも知れないっすけど」
木場田つぐみ:「あ、いや、わざわざ、ありがとっ」
木場田つぐみ:顔を覆う。
木場田つぐみ:いや、その。
木場田つぐみ:世話になるしかないとはいえ。
木場田つぐみ:年下の男の子に、ご飯作ってもらってお風呂借りて、着替えまで買って貰って。
木場田つぐみ:「………お、女の子としてどうなんだ、ぼく……!?」
木場田つぐみ:そんな風に、すごく頭が廻ってなかったせいだろうか。
木場田つぐみ:上がる際にはすっかりのぼせて、ちょっとふらふらになってしまった。
木場田つぐみ
木場田つぐみ:「……う~~、その、上がったから……」
木場田つぐみ:軽いスウェットと肩に上着を引っ掛けた姿で、扉の端から顔だけ出して。
木場田つぐみ:「……その、全部お湯抜いちゃう?それとも残すのかな…」
安東 邑:「ン、お帰りなさい。多分猿喰さんあたり帰ってきてから使うと思うんで残しといていっすよ」中華粥をもぐもぐ食いながら答える
木場田つぐみ:(ぜ、全然気にしてない)
木場田つぐみ:「あー、うん、近くにいた方がいいんだもんね。だからお風呂も使うのか……」
木場田つぐみ:そろそろと身体を縮めながら部屋に入る。
安東 邑:「それもありますし、あの人風呂好きなんすよね~。いっつも砂まみれだしさ~」
安東 邑:「でも、良かったです。先輩をちゃんとお風呂に入れられて」
木場田つぐみ:「いっつも……?銭湯とか行ってるの?」
木場田つぐみ:「ああ、うん……ありがとうね」
木場田つぐみ:少しくすりと笑う。
安東 邑:「や、家の風呂ですね...いえいえ」にこりと笑う。
木場田つぐみ:「家の……??え、なに。お付き合いとかしてるの……?」
木場田つぐみ:わたわたしている。
安東 邑:「いや、まったく。よく言われますけど、おれそんなモテないんですって」
安東 邑:「先輩よく知ってるじゃないすか―、もー」
木場田つぐみ:「…………」
木場田つぐみ:「いや、ぼくが大学いた時もきみのこといいなー、って言ってる子いたぞ。複数」
安東 邑:「えっ」真剣な表情になる。
木場田つぐみ:「というか嫌いな男のとこにわざわざ上がり込まないだろ……!?え、ぼくがおかしい?」
安東 邑:「いや......どーだろ......行き倒れてる人家にあげるなんてしょっちゅうやってたから」
安東 邑:「感覚がおかしくなってるのかも知れないです」
木場田つぐみ:「あ、あのね……安東くん!ちょっときみ、本当危なかっしいなあ!大丈夫か!?」
木場田つぐみ:「実際それ大分おかしくなってるからね!普通そんなんしたら刺されたり盗まれたりしちゃうかもだろ!」
木場田つぐみ:そこから、少し声のトーンを落として。
木場田つぐみ:「……追い詰められた人ってね、本当何でもするんだよ」
安東 邑:「いやまあ、俺一人だけぶっ飛ばされて、その人がそれで助かるなら別に......や、痛いのは嫌ですけど」ぽかーんとした顔で
木場田つぐみ:べちん、と軽く叩く。
安東 邑:「いだっ」
木場田つぐみ:「ばかだなきみは」
安東 邑:「ええ......?」
木場田つぐみ:「ご両親や友達とか、あとお姉さんもいるんだろ。悲しむでしょうが」
木場田つぐみ:「わかる?きみだってそういうひとたちが酷い事されたら怒るだろ。君がそうされても怒ったり哀しいんだよ」
安東 邑:いままで上手く行ってきたし、だいじょぶですよ――なんて返そうとして、やめた。
安東 邑:たぶん、このヒトは本気で怒ってくれている。心配してくれている。
木場田つぐみ:はあ、と溜息。「……前より酷くなってるじゃないか。もー……」
安東 邑:「......前?」
木場田つぐみ:「大学いた時。其れに……」
木場田つぐみ:あの日のこと。あの時は、まだ納得してくれたと思うーー
木場田つぐみ:其処まで想って。(ぼくが言える話か?)
木場田つぐみ:嬉々として、あんなに必死になっていたかれをころしたぼくが。
木場田つぐみ:黙り込んだ少女の、肩口や鎖骨、腕。そこに、白い痕がいくつも浮き出ているのがわかる。
安東 邑:「ちょっと待って。何すか、ソレ。その痕」
木場田つぐみ:「あ」
木場田つぐみ:「………言ったろ。人間、追い詰められるとさ」
木場田つぐみ:「なんだってやるんだよ」疲れたような笑みだった。
木場田つぐみ:「そこらの木とか草も食べようとするし、身体で食べ物とか手に入るなら使うんだよ」
安東 邑:「......悪い人っすね、先輩」
木場田つぐみ:「……そうだよ。えらそうなこと言ったけど」
木場田つぐみ:「ぼくも、そういうやつだ。だから、」
木場田つぐみ:「………だから、そういうやつには、やさしくしちゃいけないんだ。そういうやつはね、そうしたら幾らでも貰えるって勘違いする」
木場田つぐみ:人差し指で、あなたの額を突いて。
木場田つぐみ:「安東くんは優しいし、いい人だけど。それだけじゃ、きっと不幸になるだけなの」
安東 邑:「だから、諦めろって?」アメ横で買ったサングラスを外す。あの時は、まだ見ぬ生活に希望がいっぱいだった。今は、どんな気持ちでこれを手に取ればいいのだろう。
木場田つぐみ:「やり方がある、ってこと」
安東 邑:「ちょっと、舐め過ぎじゃないすか。おれのこと」目を伏せる。
木場田つぐみ:「……そう?でも、ぼくにはそう見えるの」
安東 邑:「じゃあ」きっと眉を吊り上げる。
木場田つぐみ:「そして、そんな風になったきみを、ぼくは見たくない。そんな風になってほしくない」
安東 邑:「......」眉が下がる。
木場田つぐみ:視線を合わせる。
木場田つぐみ:「ほら、そんな顔しないで」
安東 邑:「......ごめんなさい。先輩がマジに心配してくれてるの、解ってるのに」
安東 邑:「めんぼくないっす」ぺこりと頭を下げる。
木場田つぐみ:「ううん」
木場田つぐみ:「むしろ、ごめんね。勝手にさ……世話になってるのにね」
木場田つぐみ:「……ふふ」
木場田つぐみ:「なんでかなあ。安東くんといると、前に戻ったみたい……」
木場田つぐみ:「そんなわけないのに。先輩風吹かしちゃうね…」
安東 邑:「先輩は、どんなことがあってもおれの先輩っすよ」
安東 邑:「幸せな時も、不幸な時も、いっつも」
木場田つぐみ:「……ばぁか」
木場田つぐみ:「その言い方はね、お嫁さんに取っておきなさい」
木場田つぐみ:えい、とほっぺを突く。
木場田つぐみ:「あーあ、湿っぽくなっちゃった。ごめんね」
安東 邑:「ンぐ」ぶにーっと、滑らかな頬の形が変わる
木場田つぐみ:「んふふ、すべすべだー」
安東 邑:「はめてくらさいよお。スキンケアとかけっこーきをつへてるんすから」じとりと睨む
木場田つぐみ:ころころと笑っている。昔の、まだ何もかもが輝いていて、それが当然だと信じていたときのように。
木場田つぐみ:「生意気だー。女の子よりもちもち肌なんてゆるせないぞー」
木場田つぐみ:笑って、笑って。
木場田つぐみ:「そうだ、ねえ」
木場田つぐみ:「少し、外を歩かない?」
木場田つぐみ:そんなことを、言ったのは。どうしてだったろうか。
安東 邑:「良いすよ。メシも食いましたし......先輩ももう食べましたっけ?」
木場田つぐみ:「食べたよ~。おいしかったっ」
安東 邑:「よっしゃ!良かった~」渾身のガッツポーズ。
木場田つぐみ:くすくす笑いながらそれを見ている。
安東 邑:「じゃあ、行きましょっか。どうせ.....アレだ。床名さんも言ってた情報収集とかもしなきゃならないですしね」
木場田つぐみ:「うん。それに、ぼくもこの街は一年ぶりだしね…」

木場田つぐみ:ふらふらと街を歩いた。
木場田つぐみ:街灯に照らされる街並、時勢ゆえか人出は少ないけれど。
木場田つぐみ:話しは尽きなかった。……ぼくが話す話題より、彼の方がずっと多かったけれども。
木場田つぐみ:そうしてあてどもなく歩いて、そうしていたら。
木場田つぐみ:「あ、ここ……」
安東 邑:「ん、と」古着屋で買った黒い柄物のパーカーに、茶色のハーフコートを合わせている。ボトムズは白のスキニージーンズ。足元はドクターマーチンのスニーカーだ。
安東 邑:「あ。大学じゃないすか......すみません、場所変えます?」
木場田つぐみ:「いいよ。……今は閉まってるのか」
木場田つぐみ:「懐かしいな~~……」
安東 邑:少し考えて
安東 邑:「......入っちゃいましょっか」
木場田つぐみ:「お」
木場田つぐみ:「ぼくもそうしない?って誘おうと思ってたんだよ。ふふっ」悪戯っぽく笑う。何かを思いついて、きみに押し付けてきた時のような笑み。
安東 邑:「え~っと...多分、こういうこともできるんすよね。オーヴァードって」
木場田つぐみ:「できるけど、そんなにポンポン使わないこと」
木場田つぐみ:「ぼくたちの力は代償がある…それに」
木場田つぐみ:「使わないで入るほうが、楽しそうだろ」
安東 邑:指の先から、影の触手を取り出そうとして...その手が止まる。にやりと笑った。
安東 邑:「確かに」
木場田つぐみ:「いえい。ノリが良くて好きだよっ」
安東 邑:じゃあよじ登りますか~とかなんとか言いながら、がしがしと門をよじ登って、塀の向こう側に着地。
安東 邑:「先輩も来てくださいよ。大丈夫です、落っこちたら受け止めますよ!」
木場田つぐみ:速いなあ、とか言いながらこちらも昇って行く。
木場田つぐみ:「なんだよもー、そこまでドジに見える?」
安東 邑:「ははっ。図書館行ったときとかも、先輩本よく落としちゃってたじゃないっすか」
木場田つぐみ:「うるさいな~~、あれは古典類聚が重たいのが悪いんだよ!」
木場田つぐみ:よっ、と飛び降りるようにして。少し目測を誤ったか、着地先でよろめいて。
安東 邑:「おっと」つんのめろうとした先輩を、約束通り支える。
木場田つぐみ:「わ、」
安東 邑:「大丈夫っすか?脚とか痛めたりは?」
木場田つぐみ:「……いや、うん。大丈夫」
安東 邑:「そっか。良かったす」ぱっと手を離す。
木場田つぐみ:頬が熱くなった。こんなことでどうにかなるなんて、(大分おかしくなってるな、ぼく)
木場田つぐみ:「こほんっ。じゃあ、普段なら行けない様なところ、いこっか!」
木場田つぐみ:手を差し出す。
安東 邑:「オッス。案内してくださいね、先輩」
木場田つぐみ:「うむ。これでも大学のスポットは色々調べたからな~~!」
木場田つぐみ:笑いながら、きみの手を引く。
木場田つぐみ:むかしいた所で、昔の様に振る舞う。それが、酷く懐かしくも楽しくて。
木場田つぐみ:やれあそこは冷房が吹き込むだとか、隙間のようなところでよく空いているだとか、
木場田つぐみ:くだらないことだ。それでも、此処での日々はとても楽しくて。其れを憶えているのが、泣きそうになる。
木場田つぐみ:「で、次がとっておきだ!この棟の屋上なら、鍵が開いてたりするんだよ」
安東 邑:「ちょっと先輩、待って下さいよ~。めっちゃ楽しそうっすね」つかつかと、誰も居ない講堂の廊下を歩くが
木場田つぐみ:そうしてドアノブに手を掛けて。
木場田つぐみ:「……あれ。回んないな……?」
木場田つぐみ:「う。ごめん……ついはしゃいじゃって…」
安東 邑:「良いんですよ。おれもめっちゃ楽しいし...鍵閉まってますか?」
木場田つぐみ:「……うん。ここ、前は何時も空いてたのにな…」
安東 邑:「確か屋上でヤッてる奴等が居たんすよね」
安東 邑:「そんで閉められたとは聞いてます。あれマジの話だったんだ」
木場田つぐみ:「え、なにそれ。どこの馬鹿だよも~~っ」
木場田つぐみ:「ここの屋上の眺め見ながら食べるお弁当、すっごい美味しかったのに……!」
木場田つぐみ:溜息をつく。
安東 邑:「大学に何しに来てんだって話ですよね」そう言って、ドアノブに近づく
木場田つぐみ:……そりゃそうだ。安全上当然のことで、眺めだってもっといいところは普通にある。
木場田つぐみ:でも、確かにこんなに楽しんでいた時から、もう時間がいくつも経ってしまったのだな、と実感させられた気分だった。
安東 邑:「......何か、腹立って来たな」腕まくりをする。
木場田つぐみ:「え、まさか壊さないよね?警備来ちゃうよ」
安東 邑:先輩と、むかしを思い出したようで。凄く楽しかったのに。ろくでもない今が、それを奪っていく。
安東 邑:「壊しはしないっすけど...でも、やっぱりこのままじゃ終われないっすよ」
木場田つぐみ:「いや、でも……」
木場田つぐみ:鍵はもう閉まっていて。時間はもうとっくに過ぎていて。そういうものだと、諦めがにじんだ表情で君を見て。
安東 邑:そう言って、ドアノブに近づき。影の触手を、鍵穴にするすると近づける。
安東 邑:≪十徳指≫。シリンダーの構造が伝わってくる。右、左、右、交互にブロープを叩いて。
安東 邑:かちっ。
安東 邑:きい......・
安東 邑:「やった、開いた」
木場田つぐみ:「………ぁ」
木場田つぐみ:少し呆然としていた。大したことじゃなくて、寧ろこんなことでなにエフェクトを使ってるの、と怒るべきなのに。
安東 邑:「何もかもめちゃくちゃに見えても、全部だめになってることなんてそうそうないっすよ。ね?」笑いかける
木場田つぐみ:「………、」袖で、眦を擦って。「うん」
安東 邑:「それでもどうにかなるって思えないんだったら、その時は。おれが何度でも、鍵を代わりに破りますから。先輩」ドアをまたぐ。屋上の、空を仰ぎ見る。
木場田つぐみ:屋上に入る。そこは、そうたいした高さでもない。でも、キャンパスを一望できる。
木場田つぐみ:「……ばか。捕まっても知らないぞ」
安東 邑:「良いんですよ。その時は」ぐっと手を取って、屋上のフェンスへと近づく。
安東 邑:そのまま落ちて行くように。夜に駆けていくように。
安東 邑:「一緒に、不幸になっちゃいましょう」
木場田つぐみ:「ひどいやつだな、きみは」
木場田つぐみ:その手を、そっと握る。
木場田つぐみ:「それでもいいな、って。そう思っちゃった」
木場田つぐみ:ーーぼくに、そんな資格はないのに。
木場田つぐみ:ーー隣にいたいと思うひとだって、きっともっといるのに。
木場田つぐみ:それでも。
木場田つぐみ:こうしていま隣にいて、一緒にいるのはぼくだというのは、とても甘く感じる。
木場田つぐみ:胸が灼けてしまうほどの甘い夢で、あの日がもしもなにも無かったら。
木場田つぐみ:きっとそうなれていたんだと、そう思えるくらい。
木場田つぐみ
木場田つぐみ:空を見る。
木場田つぐみ:三日月と星が、きらきらと輝いていて。
木場田つぐみ:「--ねえ、安東くん」
木場田つぐみ:「ぼくは、きみに言わなきゃいけないことがあるんだ」
安東 邑:「......何か隠してんなーとは、思ってましたけど。なんすか、木場田先輩」
木場田つぐみ:「一年前」
木場田つぐみ:「ぼくが居なくなった日。あの日のこと」
木場田つぐみ:多くのひとが悲劇に悲しんだ、ガス爆発事件、とされている日。
木場田つぐみ:「色々、事情はある。UGNとFHの衝突とか、そういうのもね。でも、重要なのはそこじゃない」
木場田つぐみ:「あの日にぼくはオーヴァードになった。殺されてね」
木場田つぐみ:息を吸う。此処から先を言ったら、きっと嫌われるな、と思う。
安東 邑:「イヤな事件でしたね......あの日は、スーパーに買い物に行って、そこで確か......爆発に巻き込まれたらしくて、そっから先のことは何も覚えてないんすよね」まだ引き返せるぞと、言外に言う。何を言おうとしているのかは、解らないけど。
木場田つぐみ:くすりと笑った。
木場田つぐみ:もしも、彼なら。この先を言っても嫌わないんじゃないか、なんてどこかで思う卑しさが、自分でも嫌になるけど。
木場田つぐみ:「あの事件で、一番人を殺したのは、ぼくだ」
木場田つぐみ:「そして、その覚醒のときに」
木場田つぐみ:「きみを巻き込んで、ぼくはきみを、故意で以て殺している」
安東 邑:事故みたいなもんでしょ、と――その逃げ道が、ぐっと喉で詰まった。
木場田つぐみ:「きみが覚醒したのは、きっとそのときで」
木場田つぐみ:「だから、ぼくと一緒にきみも狙われているんだ」
木場田つぐみ:「……あのコンビニで逢ったとき」
木場田つぐみ:「ふふ、幽霊でも見たみたいだっただろ?」
安東 邑:「......そっすか。俺死んだと思われてたんすね」
木場田つぐみ:「きっちり心臓を逆流させて破裂させたよ。ぼくがそうした」
木場田つぐみ:くる、とフェンスから離れてきみを見る。
安東 邑:「......」冷や汗が伝う。この感覚を、覚えている。どこで?
木場田つぐみ:「聞かせたら思い出すかもしれないな…」
木場田つぐみ:すう、と息を吸い込み。
木場田つぐみ:『”カーマ―ゼンより闇の狭霧へ”』
木場田つぐみ:薄い闇が、ぞるりと蠢く。
木場田つぐみ:『”銀の刃。赤き血潮ーー”』
木場田つぐみ:きみは憶えている。
木場田つぐみ:この声を。闇に触れるその声を。
安東 邑:「ひゅ」心臓が苦しい。息が詰まる。目の前が、真っ赤に。
木場田つぐみ:「--ほら」
木場田つぐみ:身体を支えている。
木場田つぐみ:「ぼくが、きみが今巻き込まれていることの原因だ」
安東 邑:「うっ、げぼっ.......!」支えられたまま、嘔吐する。涙目だ。
安東 邑:――先輩が?俺を殺した?
木場田つぐみ:「そうだよ」
木場田つぐみ:「ぼくが悪いんだ。君が悪いことなんて何もない」
木場田つぐみ:優しいとさえ聞こえる囁き声。
安東 邑:......思い出した。あの時も、こんなふうに。支えられていた気がする。
安東 邑:「......それでも」
安東 邑:それでも。先輩が死んでいい理由が、死体の数だけあるとしても。
安東 邑:「生きててくれて、良かった――言ったでしょ。一緒に不幸になるって」
安東 邑:「だから」
安東 邑:「これで、良いんです。これで」
木場田つぐみ:「……きみは」
木場田つぐみ:「本当に、ばかだなあ」
木場田つぐみ:ぎゅう、と強く強く抱き締める。
木場田つぐみ:汚れも何も、気にせずに。
木場田つぐみ:「……殺した相手さえ許すの?止めてしまえばいいのに。誰もあなたを咎めたりしないのに」
木場田つぐみ:ふう、と耳元で息が吐かれる気配。
木場田つぐみ:何処かその吐息は、熱が籠っていたかもしれない。
木場田つぐみ:「…そんなおばかな安東くんにはね、ひとつプレゼントしてあげる」
木場田つぐみ:「ぼくは、きみが言うなら何でもするよ」
安東 邑:「......」
木場田つぐみ:「でも…君が死んだりしたら、ぼくも死んであげる」
木場田つぐみ:「そうすれば、罪深いやつはひとり減るし、きみは……」
木場田つぐみ:「見捨てられないから、死なないようにしないといけないだろ。……どうかなあ」
安東 邑:「......つぐみ先輩」呻く。これは呪いだ。
安東 邑:吐息は悪甘い、破滅のにおいがする。
木場田つぐみ:抱き締める腕と身体は、震えている。

GM:ロイスのみ可能!
木場田つぐみ:ロイスは……感情も依存のままですねコレ……罪悪感に反転するかと思ったんですけど…
木場田つぐみ:以上で…
安東 邑:ロイスを変更します
安東 邑:”おれを殺した人”木場田つぐみ/庇護/〇罪悪感
安東 邑:以上で

ミドル3−2:羊飼いの夢

GM:というわけでヒロインの指定とロケーション決め行ってみましょうか
安東 邑:1d10
DoubleCross : (1D10) → 2

安東 邑:カラオケだ!やった!
安東 邑:さるばんさんと一回行ってみたかったんだよね~
猿喰 早耶:わお。カラオケだカラオケ
GM:いえいいえい
GM:先に判定の方やりましょう
安東 邑:オッス!
安東 邑:2dx>=7
DoubleCross : (2DX10>=7) → 6[4,6] → 6 → 失敗

安東 邑:さるばんさん一点使ってるし
安東 邑:ここは僕が払いますよ
猿喰 早耶:わあ。ありがっとう
安東 邑:へっへっへー。バイトしてますから!
GM:甲斐性だ
安東 邑:財産一点使って成功に!
GM:OK!
猿喰 早耶:えらいのでなでたげよう
GM:プライズが2になるので…情報が一つでます。

2.今狙われているのは安東邑、木場田つぐみ、風間ねねの三名。理由はまだ不明。

安東 邑:えっ怖い!
GM:そんなわけで
GM:デートしてください!
GM:GO!

安東 邑:「......大学の先輩に聞いたんすけど、多分姉さんも何か狙われてるっぽいっすね」
安東 邑:カラオケボックス。メロンソーダをずごごとすすりながら、目の前の女性を見る。
安東 邑:「いやまあ、ただの情報通の先輩なんですけど。その人もオーヴァードかなんかなのかな......思った以上に多いっぽいし」
安東 邑:「大体、おれさやさんのことも未だに驚いてるんすよ」
猿喰 早耶:「驚くかあ? だってあたし怪しくないか?」
猿喰 早耶:デンモクこつこついじりながら。
安東 邑:「いや、うさんくせーっすけど...良い人なんで別に何も」
猿喰 早耶:「ならいいじゃん。そんなもんそんなもん」
安東 邑:「そっかー。まあ気を付けましょう、ってことくらいしか解らないし」
猿喰 早耶:「そうそう気をつける。そんだけの話よ。どーせ最後は身体ひとつ」けらけら笑う。
猿喰 早耶:「風呂入れないくらいかな困るのは。あと下着」
安東 邑:「健全な男子大学生の前でなんつー話するんすか......でもやっぱりさやさんくらいの気持ちで居た方が人生楽だよな~。ホント気が合うぜ」
猿喰 早耶:「そりゃよかった。安心だわ。いやーナワバリに少年がいてよかったよかった」
猿喰 早耶:予約。モニターの環境映像が途切れて暗転。最近のにしては妙に長い読み込みが入る。
安東 邑:「さやさんが護ってくれてたんですよね。改めてお礼言わなきゃ...また今度ご飯作りますよ。何が良いですか?」
猿喰 早耶:「羊!」
安東 邑:「好きだな~」タンバリンを持つ。
安東 邑:「じゃあラムチョップでもやりましょっか。ジンギスカンは前に造ったし」
猿喰 早耶:「やったーい。頼み得頼み得」
猿喰 早耶:マイクを握る。テーブルの上にデンモクを重しに固定したメモ帳。
猿喰 早耶:「~~~♪」
猿喰 早耶:外国語の曲を妙に流暢に歌いながらペンを走らせる。雑だがそうとわかる天城荘の周りの地図。
安東 邑:ぱん、ぱんと。調子はずれで、それでいてとんでもなく奇麗な歌声に、穏やかに合いの手を合わせる
安東 邑:(......地図.......?)
猿喰 早耶:いくつかのポイントに棒人間と目線。
猿喰 早耶:いくつかどころではなくて、けっこうな数が地図上に並ぶ。十と少し。
猿喰 早耶:目線だと思われる矢印は、すべて天城荘のほうを向いているようだ。
猿喰 早耶:「モテモテだやーね」セリフパートらしいところでそんなことを言う。
安東 邑:「ゲ。これ全部見張りっすか?」
猿喰 早耶:頷いて、二番の最後まで歌いきって。画面に"間奏"という表示が出たところで首をかしげて演奏中断ボタン。。
猿喰 早耶:デンモクごとひょいと邑の横に移動して、肩を抱いて画面を覗き込む。
猿喰 早耶:ランキングの上から三番目の曲を一度送信、流行り物のまあよくあるラブソングだ。
猿喰 早耶:前奏が始まる。
猿喰 早耶:「しょーねん、何歌う?」
安東 邑:「あんまり歌う気分じゃなくなって来たんすけど」げっそりとした顔で
猿喰 早耶:「ていうのは半分冗談だけどもー。数多いやね」
猿喰 早耶:言いながら画面をいじっている。いじっているだけだ。何かを選ぼうとしているわけでもないらしい。
安東 邑:「......10人ちょい、ですよね。全く気付かなかった」
安東 邑:「これ、おれ死ぬやつじゃないですか?」ぽつりと、何でもないことのように零す。
猿喰 早耶:「そうそう。期間はばらばら、で、UGNっぽくはないね。あっちならもっとけーさつっぽく動く」
猿喰 早耶:「死ぬやつかもねえ」
猿喰 早耶:何のこともないように。
猿喰 早耶:「死んでほしくはないなあ。お風呂とご飯がフイになるし」
猿喰 早耶:体重を預ける。迷彩柄のシャツ一枚越しに
猿喰 早耶:「個人的に気に入ってるしぃ」
安東 邑:「奇遇っすね。おれも昨日、事情あって死ぬわけにはいかなくなりました」体重を受け止める。羊と羊飼いのように。
猿喰 早耶:目を細めて声を殺して笑う。かすかに体が揺れて、長い砂色の髪の毛が首筋をくすぐる。
猿喰 早耶:「いいよねそういうの。あたしもやりたいなーぁ」
安東 邑:「......さやさん、睫毛長いんすね」眼鏡越しに、瞳を見る。俺にはそう言ってくれないんですか、とは言えなかった。
猿喰 早耶:「伸び放題なのよー」
猿喰 早耶:レンズの薄汚れたセルフレームメガネの上から、長い指をつっこんで、目を開けたまままつげをつまむ。
猿喰 早耶:「これはこれで便利だけどさ」
猿喰 早耶:「まあ、ここらはあたしの庭みたいなもんだからね。市役所の美化委員より詳しい」
猿喰 早耶:「あたしの目があいてるうちはそうそう少年は死なせない。ヌシがいう」
猿喰 早耶:目を細めている。開けているんだかなんだかわからない。
安東 邑:「そうっすね。さやさん、おれが越してくる前からこの街にいたもんなあ」
猿喰 早耶:「そうねえ。だいぶ長いのよねー」
猿喰 早耶:「まああたしもいろいろあるのさぁ。少年。悪そうな友達は少ないけどさ」
安東 邑:「さやさんのことかあ。あんまり知りたくないな」どっかりとソファに体重を預ける
猿喰 早耶:「ホームレスも大人だから、警察にダンボールを剥がれたり、市役所に轢かれたりするの」
安東 邑:「ウゲー。公共福祉が聞いてあきれるぜ」
猿喰 早耶:そのまま体重が流れて、安東くんの膝、というか太腿の上に横になる。
安東 邑:近いなあ、と思う。幸せだなあ、とも。それ以上は何も。
猿喰 早耶:「おあ」ネックウォーマーが上にずれて顔が隠れたので
安東 邑:「ん」上から顔を覗き込む。
猿喰 早耶:すぽん。
猿喰 早耶:「公共の福祉というのは市民のためにあるのだよ少年」
猿喰 早耶:「あたしはその外にいるから利益は受けらんないのだ。だから少年の家のおふろつかうの」
猿喰 早耶:「まあ、それでもこの街がいまのホームであたしのナワバリなんだけどね」
安東 邑:「俺んちの風呂を治外法権みたいに言わないでくださいよ」じとーっとした目線を向ける。
猿喰 早耶:見上げる表情は……悲しそうというわけではないけど。
猿喰 早耶:「治外法権にして?」
安東 邑:ネックウォーマーを脱いで、乱れた髪をすく。
猿喰 早耶:「少年はまあ、大学終わったらどっか行くんだよなー」
安東 邑:「どうだろうな~。将来のことなんて解んないな、まだ」
安東 邑:「でも、ここにはいないと思います」
安東 邑:何でそんなことを言ったのか、自分でもわからない。反応を見たかったのかも知れなかった。このヒトの。
猿喰 早耶:触られるままの髪は、羊っぽいとか言いながらかなり質が軟らかい。水か何かのように肌に沿う。
猿喰 早耶:砂まみれではないからというのはある、もちろん。
猿喰 早耶:「だよなーぁ」
猿喰 早耶:「もしさぁ」
安東 邑:「はいはい」
猿喰 早耶:「あたしがこっからどっかにいけるならー……」
猿喰 早耶:「…………」
猿喰 早耶:「うぃーーーー」
猿喰 早耶:膝枕のような姿勢のまま、もぞもぞと身体(首)をひねる。髪の毛がまた盛大に乱れて邑の腿の上に広がる。
安東 邑:「うぃ~~~~」
安東 邑:羊飼いは、羊を追いかけて、見守るだけだ。いつか、別れの時が来る。そう解っていても。
安東 邑:(この髪の毛は、ちょっと......手放すには、きついなあ。きついよ)
猿喰 早耶:「いっしょしたいやねー。いや恩売りたいわけじゃないけどさー」
猿喰 早耶:パンツの布地越しに熱い息があたる。
安東 邑:「うわっくすぐった、い......」
猿喰 早耶:「はあ」
安東 邑:「ギャッ」
安東 邑:びくっとする。
猿喰 早耶:ごろり、とまた半回転。あなたの腹に頬を押し付けるようにして
猿喰 早耶:見上げる目がぶつかる。
安東 邑:知りたい。知りたくない。彼女のことを。
安東 邑:......追いかけたら、何もかもを失ってしまうだろう。追わなければ、彼女は離れてしまうだろう。
猿喰 早耶:「大人は面倒だなーと思うわけよ。身一つでもいろいろめんどーなことがあるわけ」
猿喰 早耶:「少年のそゆのは増やさんよーにしたいけどさあ」
猿喰 早耶:「ままならんよねえ」
猿喰 早耶:くたっと首から力が抜ける。
安東 邑:「......良いですよ」
安東 邑:だから。今、できることをしたい。彼女に。
安東 邑:「面倒なら、せめて一緒にしょい込みますから」
猿喰 早耶:「おうおう。いっちゃっていいのか少年」
安東 邑:「だって――おれは羊飼いで、さやさんは羊なんでしょ」
猿喰 早耶:膝の上にのっかった首は、それまでよりかなり重さがあるような感触だ。
猿喰 早耶:「…………」
猿喰 早耶:「めへえーーーーー」
猿喰 早耶:さらに半回転。腹に鼻先をすりつける。
安東 邑:生半可なことではないだろう。きっと、全てが変わってしまうという確信がある。
猿喰 早耶:シャツ越しに息などがあたる。
安東 邑:「よしよし」
猿喰 早耶:「めえ」
安東 邑:彼女の息を、感じている。こうしている間は、捉えどころのない彼女の輪郭に、わずかな温かさが灯る。
安東 邑:「......息が、ぬるい」
猿喰 早耶:「やさしい羊飼いにはよく応えるもんでさぁ」
猿喰 早耶:口をシャツにぐっと押し付けて息を吐く。ぐっと熱さをかんじるくらいの温度。
猿喰 早耶:「追っ払うのはまかしな。いまはきっちりしたげるし」
猿喰 早耶:もごもごとした発音。
安東 邑:「......よろしく、お願いします」
猿喰 早耶:「今だけだろーが少年は割とトクベツだからさ」
猿喰 早耶:「それが今はホントーだからさ」
猿喰 早耶:「それは信じていいぞ」
安東 邑:「今は、ですよね」わかっている。自分に言い聞かせていないと、泣きそうになる。
安東 邑:「信じますよ。信じますから」よりかかった体を、ぎゅうと抱きしめる。
安東 邑:「だから............」
猿喰 早耶:「明日のことはさ」
安東 邑:「明日のことは?」
猿喰 早耶:「知ってるのは君だけだわ」
猿喰 早耶:小さな声。
猿喰 早耶:抱かれるに任せて。引き締まってはいるけれど、骨格はかなり華奢だ。
安東 邑:「......」少し、考える。考えて。記憶を頼りにして。
安東 邑:「――”プルヴィス・エト・ウンブラ”。『塵は塵に』だったっけ」
安東 邑:確か、大学の図書館でホラティウスをちらちら捲った時に出てきた言葉だ。
猿喰 早耶:顔を埋めたままくすくす笑う。首が小刻みに震える感触。
猿喰 早耶:「そらお葬式だよ」
安東 邑:「ンフフ。さやさんもよく間違えるじゃないですか」含んで笑う。
猿喰 早耶:「あたしは学がないのだわ」
安東 邑:「.....冗談すよ。『私たちは、塵であり影である』でしたっけ......確か、人間は死ねば塵と影にすぎないってやつ」
猿喰 早耶:「それも、だいたい、あたしがつけたやつじゃないしぃ」
安東 邑:「”つけた”?」首をかしげる。
安東 邑:「いや、ただ単に好きな言葉だから覚えてただけなんすけど...」
猿喰 早耶:ころりと回って、見上げる。
猿喰 早耶:「運命じゃん?」
猿喰 早耶:「それはあたしのもうひとつの名前だわ」
安東 邑:「あー......コードネームってやつっすか」
猿喰 早耶:「そう。"我ら等しく一握の(プルウィス・エト・ウンブラ)"」
猿喰 早耶:「碌でもない響きだけどさあ。気に入ってるので」
猿喰 早耶:「少年も好きだと嬉しいねー」
安東 邑:「っつーことは......おれ、メチャクチャ恥ずかしいこと言ってなかったですか?」
安東 邑:さ~っと青ざめる
猿喰 早耶:「嬉しいよ?」
猿喰 早耶:ひょいと手を伸ばして
安東 邑:「何か覗き見したような罪悪感を感じるんすけど、っと」
猿喰 早耶:邑の首を抱くようにして上体を起こす。
猿喰 早耶:唇に少し乾いた感触。
安東 邑:「!」
猿喰 早耶:「うれしかったよぅ」
猿喰 早耶:ぺろり、と唇をなめて。
安東 邑:「か.......」からかわないで下さいよ、と。言おうとしたけれど。
猿喰 早耶:「死んだらせいぜい塵と影。だからさぁ」
猿喰 早耶:「トンデモだけど、悔いないように生きようぜぃ、少年」
安東 邑:嬉しい、と思ってしまった。このヒトの口から、そんな言葉が出て来て。
安東 邑:生きられるだろうか。こんな自分でも、死を思うように、日々を摘むように、生きることができるだろうか。
安東 邑:「......おれは」
安東 邑:どのみち――その答えを知っているのは、彼女が纏う塵と。そして、自分の纏う、影しかないのだろう。
猿喰 早耶:人差し指で彼の唇の真ん中にふれる。動きを制するように。
猿喰 早耶:「おあずけ」
安東 邑:たまらないような顔をする。
猿喰 早耶:「だもんで、頑張って生き延びようぜー」
安東 邑:ぱっ、と。空気が弛緩する――息を止めていたことに、今更気づいた。
安東 邑:「はは。――そうっすね」
安東 邑:そうだ。もう、日常ではない。
猿喰 早耶:白い肌に、赤い舌先がちろり、とはえる。一瞬だけ。
猿喰 早耶:「そういうことよー」
猿喰 早耶:けらけらと笑う。
安東 邑:「......うん。頑張って、生き延びましょう。さやさんも一緒にいてくれたら、おれはすごく嬉しい。たまらなく嬉しいと思うな」
猿喰 早耶:いつもどおりの表情だ。上がりこんで好きに飯を集っているときの。
猿喰 早耶:「やったあ」
安東 邑:そうして、マイクを握る。デンモクを持つ。
安東 邑:入れたのは、さやさんと同じ曲。
安東 邑:「歌い方、教えてくれませんか?」
猿喰 早耶:プラカゴから振り鈴を取る。左手に握って。
猿喰 早耶:「ええぞ」
猿喰 早耶:猫のように笑う。
安東 邑:「やった」笑う。あなたが居なくなっても――あなたがいつか、塵と影になっても。貴女の持つ、羊の毛並みを忘れないために。

GM:ロイスのみ可能。
猿喰 早耶:うむ。安東くんへのロイスは幸福感(そのまま)表、ネガは隔意(意識して距離を取ろうとする)で固定。
猿喰 早耶:新造……うん。「同道者:木場田つぐみ:○庇護/敵愾心」。え、出てなかった? 知らない知らないー
安東 邑:”大事な羊”猿喰早耶/〇幸福感/絶望でロイス取得。
猿喰 早耶:めぇー

ミドル3−3:姉の告白

GM:では、場所の指定をお願いします。今回のヒロインはねねさん。
風間 ねね:ではロールします
風間 ねね:1d10 デートスポット表
DoubleCross : (1D10) → 4

風間 ねね:被ったので振り直し良いですか
GM:いいですよ!
風間 ねね:大学キャンパスとカラオケはねw
風間 ねね:1d10
DoubleCross : (1D10) → 9

風間 ねね:公園
風間 ねね:良いでしょう
GM:では情報判定もどうぞー
風間 ねね:ではUGN使います
風間 ねね:情報収集チーム(ストーン)起動
風間 ねね:5dx+3
DoubleCross : (5DX10+3) → 9[1,4,7,8,9]+3 → 12

風間 ねね:成功です
GM:OK!プライズは3!
風間 ねね:ククク
GM:追加情報はまだ!ロールの方にどうぞ!

風間 ねね:それはどこにでもある公園だった。住宅街の近くにあって、昼間の人通りは季節柄少ない。
風間 ねね:二人は、ボロボロの東屋の下にある椅子に並んで座っていた。
風間 ねね:「……こういう公園さぁ、地元にも有ったよねえ」
安東 邑:「んだねえ」バックパックからランチボックスを取り出す
風間 ねね:「あの頃はまさかこんなことになると思わなかったよ。邑クンも、お姉ちゃんも、悪い奴らに狙われるなんてさ」
安東 邑:「ほい、ほいっと」ベンチに二段になっている弁当箱を並べる。タンドリーチキンを挟んだサンドイッチが一段目に、ピックが射してある野菜とハムの生春巻きが二段目にぎっしりと詰まっている
安東 邑:「正直、やっと実感わいてきたところだよ。ほんとさ」
風間 ねね:「これはおままごとじゃないし、邑クンの好きだったごっこ遊びでもない。分かるよね?」
安東 邑:『――死ぬかもねえ』なんて。さやさんには言われたけど。あの人がそう言うんなら、多分そうなんだろう。
安東 邑:「そりゃ、流石に解るよ...姉さんは心配性だな」
風間 ねね:「心配だよ、けど、私は止めないよ」
風間 ねね:タンドリーチキンを取って、ひとくち食べてみる。美味しい。
風間 ねね:「あーん」
風間 ねね:それをそのまま邑に差し出す。
安東 邑:「ええ......」若干鼻白むが、こうなったら梃子でも言うことを聞かないだろう。
安東 邑:「んあ」大人しく大口を開けて、一思いに差し出されたタンドリーチキンを食べる。
風間 ねね:思い出と同じ光景に、少しだけ安心する。
風間 ねね:「日常も、私たちも、周りの人も、何もかも変わっていくけどさ」
風間 ねね:「お姉ちゃんは、ずっと邑クンの傍に居るからね」
安東 邑:......ずっと、傍にいるだなんて。そんなことが出来るんだろうか。
安東 邑:さやさんも、先輩も。そう遠くない内に、どこかへ行ってしまうような気がする。
安東 邑:けれど、もし。ずっと変わらず、傍に居てくれる人がいるというのなら、それは――
安東 邑:「......嬉しいな」
安東 邑:噛み締めるようにつぶやく。
風間 ねね:「大丈夫だよ。今までも守ってきたもの」
風間 ねね:「覚醒するとバレやすいかなと思って、邑クンの免疫機能を賦活してレネゲイドを抑え込んだり、記憶を少しだけ歪めて発症に至る心理的衝撃を緩和したり、忍び寄る邪魔者を始末したり」
風間 ねね:ニコニコと微笑んだまま、平然と口にする。
風間 ねね:「今までも頑張ってきたもの。これからだって頑張るよ。邑クンが望むならね」
風間 ねね:パチリ、と片目をつぶる。悪戯っぽく。
安東 邑:「......うん?」生春巻きのピックに伸ばされかけた手が、ぴたりと止まる
安東 邑:「え、ちょっと待って。姉さんは、おれがオーヴァードだって知ってたの?」
風間 ねね:「うん、びっくりした? けど、今からもっとびっくりするよ?」
風間 ねね:スッ、と息を吸う。
風間 ねね
風間 ねね:「実はお姉ちゃん、邑クンの本当のお姉ちゃんじゃないんだ」
風間 ねね
風間 ねね:あっけらかんと言い放った。
安東 邑:「...あ。義理の姉妹とか...そういう話?それだったら、まあ解るけど」
安東 邑:「これまで何となく距離が近かったのもそういうことかあ。びっくりした」
風間 ねね:「ううん、赤の他人。っていうか、お姉ちゃんは人間じゃないのだ」
安東 邑:「え?」
安東 邑:...一つしかない、ベッド。
風間 ねね:「赤の他人の、レネゲイドの化け物が、君のお姉ちゃん面をしてここ一年くらい楽しく同居生活をしてたんだよね」
風間 ねね:ああ、気づいたな。それを察して言葉を継ぐ。
風間 ねね:「なんでそんなことができるかって? 邑クン、お姉ちゃんと話していて時々頭が痛んだことは? お父さんとお母さん相手に、お姉ちゃんの話をした記憶は? なぜこの部屋にベッドが一つだけしかないの? 邑クンが得体のしれない人を部屋に泊め続けて、トラブルが一度も起きていない理由は?」
風間 ねね:にこやかに、平坦に、いつもどおりの調子で、彼女は続ける。
風間 ねね:「答えはとても単純。私の仕業です❤︎」
安東 邑:姉さんとの会話。鼻血。いつも、妙に元気になる水をくれる。なんだろう。ソラリス症候群とか、そういうのをちらっと床名さんから説明された気がする。
風間 ねね:ああ、怖がらせてしまったか。
風間 ねね:教えてあげないと。
風間 ねね:こわがらせてはいけない。笑顔で、えがおで。
風間 ねね:「オーヴァードの存在を隠す為に、どこの組織にも記憶処理能力者っていうのが一定数居るんだよ。お姉ちゃんもそう。だからお姉ちゃんがFHに居た頃も汚いことを随分したよ、今まではその時に握っていた情報を使って大人しく暮らしていたの。けど、元はそういうのが嫌になったから逃げ出してさぁ……色々逃げて回って、ここに辿り着いて、それで、ここが結構居心地が良かったんだよ。何時でも逃げ出せる仮住まいだと思ってたのにさ。馬鹿みたいだよね。だからお姉ちゃんは邑クンの自己犠牲にとやかく言えなくてさ。だってお姉ちゃんも本当に嫌になったら皆を置いて今まで通り消えちゃえば良いんだよ。なのにここでこうして必死に調べ物をしている。馬鹿みたいだよねえ。だからお姉ちゃんは邑クンを笑わない。邑クンのやりたいことだって支えるよ、全部、全部ね」
風間 ねね:「だって」
風間 ねね:「私は」
風間 ねね:「頼れるお姉ちゃん……」
風間 ねね:「……だもん」
風間 ねね:無理矢理であっても、彼女は己をそう規定《プログラム》する。
安東 邑:「......な~んだ」張りつめたものが途切れたように、息を吐く。
安東 邑:「......良いのに。最初っからそう言ってくれれば、別に泊めたよ。おれは」
安東 邑:そりゃ、怖い。長い間暮らした家族が、実は赤の他人だったのだ。
風間 ねね:「……お姉ちゃんになりたかったのです。お姉ちゃんは」
風間 ねね:怖かった。自分が何か分からなくて。
安東 邑:「......そっか」目を閉じる。二人で暮らした思い出は、失われていない。
安東 邑:ささやかなすれ違いの中で、二人は確かに家族だったのだ。あの時間を、偽りだったと呼ぶことは――
安東 邑:「......出来ないな。おれには、出来ない」
安東 邑:「姉さんを突き離せないよ。だって、まだ”それだけ”だ」
風間 ねね:期待してしまう。
風間 ねね:今の言葉が離れられないという意味だと期待してしまう。
風間 ねね:その期待を一切裏切らなかった彼に、恋をしてしまう。
風間 ねね:「ねえ、こんな頼りないお姉ちゃんでも……お姉ちゃんって呼んでくれる?」
風間 ねね:人ならざるものと添い遂げた人に待つものなど、破滅しか無いというのに。
安東 邑:「呼んでくれるも何も...」
安東 邑:それでも。安東邑は、間違いなくあなたと共に居る道を選ぶだろう。誰も見捨てはしない。
安東 邑:「姉さんは姉さんだよ」
風間 ねね:「そっか、じゃあお姉ちゃんは今後も全力でお姉ちゃんを執行するよ」
風間 ねね:作ったものではない。今度こそ本当の笑顔。
風間 ねね:「邑クンもなんでも言ってね……?」
安東 邑:「なんでも...って、なんでも?」快活な笑顔を浮かべる顔が、珍しくふっと沈む。
安東 邑:「じゃあ...ずっと傍に居て欲しいかな、なんてさ」弱く笑う。
安東 邑:「最近、考えること多くてさ。俺はみんなが好きだけど、みんなはおれからいつか離れちゃう気がするんだ――それが今は、ちょっと怖い」
安東 邑:「......冗談だよ。忘れて忘れて!」
風間 ねね:では素早く唇を寄せ、今度こそ弱気な彼の唇を奪いに行きます。
安東 邑:「んむっ」
風間 ねね:《元気の水》
安東 邑:「~~っ、ぷはっ」がばりと身体を離す。
風間 ねね:「……実際にやってみるのは初めてですが、中々どうして悪くない」
風間 ねね:「居なくなりませんよ。こんな温かい場所からは」
安東 邑:「......姉さん?何か雰囲気、違くない?」
風間 ねね:「あら、血は繋がってないのでセーフですよ、とか言えば良いのかしら?」
風間 ねね:少しムーっとした顔をする。
安東 邑:頭がぼうっとする。全身が火照るように熱い。
安東 邑:けれど、体調はいい。すこぶる元気すぎるくらいだ。
安東 邑:「今の、励ましてくれたの?」
風間 ねね:「おや、何を言っているんですか邑クン。私は頼れるお姉ちゃんですよ」
風間 ねね:「沈んだ弟を見たら励まします」
安東 邑:まるでそうしなければならないと言っているような。己を、そう規定したかのような。
安東 邑:(...そっか。本当に、人間じゃないんだな)
風間 ねね:それまではニコニコしていたのが、スッと真面目な顔をする。
風間 ねね:「もう一つ大事な話をしましょう」
安東 邑:「......なにさ」
風間 ねね:「忘れてしまっているかもしれないけど、邑クンには本来のお姉ちゃんが居る」
風間 ねね:東屋に、薄ら寂しい風が吹く。
風間 ねね:昼下がりの住宅地は、不気味なまでに静かだ。
風間 ねね:その土地が、忘れ去られてしまったように。
風間 ねね:「覚えてる?」
安東 邑:「――」記憶を探る。ぽっかりと穴が開いたように、手掛かりがない。
風間 ねね:「FHは、邑クンや邑クンのお父さんお母さんから、お姉ちゃんを奪った。UGNはその隠蔽に加担している」
風間 ねね:混沌の側であれ、秩序の側であれ、彼らが日常の破壊者であることに変わりはない。
安東 邑:「......え? は......?」
風間 ねね:だから。
風間 ねね:「私はどちらの組織も嫌い。けど邑クンが今後どこに行くとしても私はお姉ちゃんとしてついていく。だから、この先、どんな道に進むとしても……一つだけお願いをしたいの」
安東 邑:「ちょっ...ちょっ、ちょっと待って。流石に理解が追い付かない、ちょっと待ってくれ、何言って――」
風間 ねね:「安東未唯」
風間 ねね:名前だった。
風間 ねね:「安東未唯って、名前だけは覚えていてあげて」
安東 邑:みー。ゆー。どこかで、聞いたことがあるだろうか?わからない。
安東 邑:真実はとうに、記憶の底に葬り去られている。
風間 ねね:「大変だったよね、分かってるよ。辛いね。大丈夫だよ」
風間 ねね:肩を寄せる。大きな肩に手を伸ばして、そっと擦る。記憶の中と同じように。
安東 邑:「だ、だって、おれ――そんな、忘れちゃいけないような人、忘れて、何で、って」声が震える。
風間 ねね:「うんうん。混乱しちゃうよねえ。怖いねえ。訳がわからないよねぇ……」
安東 邑:「違う!」怒鳴る。
安東 邑:「その人、助けに行かなくちゃ」
風間 ねね:「……素敵」
風間 ねね:ほう、と吐息が漏れる。
風間 ねね:「『私』、好きだよ」
風間 ねね:手が止まる。
風間 ねね:「そういうの、大好き」
安東 邑:脳の髄がきゅっと縮まるような、それは恐怖だった。
風間 ねね:「じゃあお姉ちゃんは、そんな邑クンを助けるよ」
安東 邑:「助ける、って――なんで。姉さんは、どうしておれにそこまで」
安東 邑:執着なのか、愛なのか、それとも更におぞましい何かなのか。測ることが出来ない。
風間 ねね:「あなたが弟でいてくれるから、私はわたしで居られる。そうじゃなきゃ、自分がなにかも分からない。それだけのことですよ」
風間 ねね:ええ、そう。
風間 ねね:そうだと頷く。
風間 ねね:だからこそ。
風間 ねね:「私は、邑クンが望む限り、ずっと傍にいるからねぇ?」
風間 ねね:肩を寄せて、耳元で囁いた。

GM:ロイスのみ可能です。
風間 ねね:では
安東 邑:”アンノウン”風間ねね 〇庇護/恐怖
風間 ねね:“余計なことを……” 木場田つぐみ ◯同情/殺意

ミドル3−4:占師の虚言

GM:デートパート前半戦最後!
GM:まずはロケーションの指定をどうぞ。
安東 邑:ハアーッ ハアーッ
安東 邑:じゃあ...繁華街とかどうですか
床名えいら:いいよー
安東 邑:えいらさんとそういう所行ってみてえなみたいな願望があるぜ
GM:いいですね。
安東 邑:アヤッタネ
GM:では、判定の方振っていきましょう
安東 邑:よ~し 挑戦しちゃうぞ
安東 邑:2dx>=7
DoubleCross : (2DX10>=7) → 9[5,9] → 9 → 成功

床名えいら:オッ成功
安東 邑:成功成功!
GM:プライズ4!
GM:情報が開示されます。
安東 邑:ブイッ!

4.君たちを狙っているのはFHセル「プレミュール」。ジャームこそ人の真の姿とする危険な集団だ。ここまで襲ってきていたのは下位戦闘員だが、チルドレンも投入される見込み。

GM:この情報を開けたことで、次シーン(ミドル4)でミドル戦闘が発生します。
GM:じゃあやっていきましょうか

床名えいら:繁華街。
床名えいら:アイスを手に持って君の横を歩いている。
床名えいら:「いや〜アイスは夏って人もいるけどさあ」
床名えいら:「私としては美味しいものは一年中美味しいって言いたいな」
安東 邑:こちらもアイスを手に取っている。のび~るトルコアイス。
安東 邑:「旨いっすよね~、冬に食うアイス」
安東 邑:「姉さんとこたつで食べることもあるんですけど、また格別なんすよ」
安東 邑:そう言って、ぴたりと動きを止める。
床名えいら:「ああ〜それは実に!蜜なる響きだ!」
床名えいら:「うん?邑くんどうした?」
床名えいら:「顔色が悪いぞ。お腹が冷えたのかい?」
安東 邑:......姉。もう一人の、姉がいた。おれに。今、おれは何してる? 呑気に繁華街で、女の人と歩いて――
安東 邑:頭を振る。折角一緒に歩いてるんだから、こんなことを考えたら失礼だ。
床名えいら:「それとも───」
安東 邑:「......敵の正体が解ってきて、だんだんビビって来ちゃったんすよね」冗談めかして、早口で。
床名えいら:「『何か思い出した?』」
安東 邑:「!」
安東 邑:「......大丈夫っすよ。おれは、大丈夫」
床名えいら:笑顔を浮かべている。
床名えいら:「そうだよね。君は大丈夫だ」
安東 邑:「ええ。それに......『プレミュール』って奴等さえどうにかすれば、また元の日常に戻れるんだ。そうでしょ?」眉をひそめながら、床名さんを見る。
床名えいら:「……うんと頷くのは容易いのだけどね」
床名えいら:「さて、どうだろうか…と、私は言わざるをえないなあ」
安東 邑:「......解ってますよ。みんな、何か隠してるのは」は~っと、ため息をつきます
安東 邑:「それでも、おれはみんながやっぱり好きなんだ。ぶっ壊れても、受け止めますよ」
床名えいら:「……解っている。君は本当に───」
床名えいら:「眩しいよ。私では受け止め切れないくらいにね」
床名えいら:「……わかるかい、邑くん」
床名えいら:「君は、今狙われている。無自覚ななんらかの理由によって」
安東 邑:「まあ、そうっすね。そのためにこうして御守して貰ってるわけですし」
床名えいら:「それは───解明するならば」
床名えいら:「君の、知らなかった何かを」
床名えいら:「隠された何かを、暴くことになるのではないかな」
床名えいら:「そして、その因果が今、集まっている」
床名えいら:「そうは思わないか?」
床名えいら:「ふふふ」
安東 邑:「......占い師っぽいなあ」げっそりとした顔。ようやく、いつもの調子が戻ってきている。
安東 邑:「まあ、確かにちょっとヤバいことになってますし」
安東 邑:「いい加減胎決めなきゃなー。知ってます?おれ、昔正義の味方になりたかったんすよ」
安東 邑:「いまはこんなんすけど」頭を掻いて闊達に笑う。
床名えいら:「───………」
床名えいら:ぴたり。と
床名えいら:指の先までが、止まった、ように見えた。
安東 邑:「床名さん?」
床名えいら:「 知らない 」
床名えいら:その声は、とても怜悧に響く。
安東 邑:「――え?」
床名えいら:「───ああ、いや。そうだなあ」
床名えいら:「確かに言われると不思議でもなんでもないな。君はまさにヒーローの在り方をしている」
安東 邑:「......」目を細める。
安東 邑:「勘違いなら言って貰って良いんすけど――おれ、何かねたまれたり、床名さんにヤな思いさせちゃってますかね」
安東 邑:トルコアイスをくるりと一回転。
床名えいら:「……なんて言えばいいんだろうな」少し、困ったように
床名えいら:「………君は『床名えいら』を憶えてる?」
床名えいら:「って言っても。君にはわからないだろうが……」
安東 邑:「また、『覚えてる?』かよ......」トルコアイスを一口。
安東 邑:「そういう聞き方してきたってことは、何か......今ここにいる床名さん、のことじゃないんですよね」
床名えいら:「……ただの」そう、ただの。
床名えいら:「昔話、だからさ」
安東 邑:「ごめんなさい」目を伏せる。
床名えいら:「君は、何も悪くない」
安東 邑:「でもおれ、何か――色々、抜け落ちてるらしくて。最近、自分がだんだん怪しくなってきてるんすよ」は~っとため息をつく。
安東 邑:「そう言って貰えると、めちゃくちゃ救われますけど」
床名えいら:「……」
床名えいら:「その答えを、私はあげられるかもしれない」
床名えいら:「でも、今はまだ」
安東 邑:「......まだ?」
床名えいら:「……もう少し、ただのちょっと仲の良いお姉さんでいさせてくれないか」
安東 邑:――アメ横も行った。新宿ピカデリーも。妙なものばっかり売ってるスーパーも。いろいろな映画だって見た。
安東 邑:...どれだけ、今の自分の連続性が崩れ去ろうとも。あの時の喜びも、楽しさも。床名さんの奇麗な髪も、本当のことだ。
安東 邑:「もう少し、だなんて――悲しいこと言わないでくださいよ」
安東 邑:「おれ、さやさんに言われたんすよ。後悔しないように生きようぜって」
安東 邑:「多分、いま床名さん見逃したら、一生後悔しますよ」
安東 邑:「だってチョー奇麗な女の人じゃないすか!」最後は冗談めかして。
床名えいら:「……はは、ははは」
床名えいら:「君は本当に───」
床名えいら:「眩しい、奴だなあ───」
床名えいら:少し、泣きそうな顔で笑う。
床名えいら:それが、本当の表情なのかどうかなんて君にはわからない。
床名えいら:でも、出力されたそれしか手がかりがないのなら。君はきっと
床名えいら:掬い上げようと、してくれちゃうんだろう?
床名えいら:(忌々しい)
床名えいら:なんでだよ、と叫びたいのをこらえている。
床名えいら:ずっと、零したものを追い続けている。
床名えいら:「……うん」
床名えいら:「超奇麗なお姉さんだ。きっと君の気にいる、ね」
安東 邑:にっかり笑う。
安東 邑:「えいらさんって、呼んでも良いっすか」
床名えいら:「……ああ、勿論だとも」
安東 邑:「もちろん嫌じゃなきゃですけど!でもこれから先、もっともーっと仲良くなりたいんで...お、やった」ガッツポーズ。
床名えいら:私はね、邑くん。
床名えいら:ずっと君に会いたかった/会いたくなかった。
床名えいら:「仲良くなってくれ。これからも、末長く───」
安東 邑:「はい、末永く!なんか結婚するみたいですけどねこの言い方」唇を尖らせる。
床名えいら:「ははは。それもいいなあ」
床名えいら:全く。
床名えいら:私は、嘘吐きだ。
安東 邑:「頑張って料理作りますからね、なんちゃって」
安東 邑:「ん~~......」何となく、話す相手が欲しかった。ただ、それだけのことだ。
安東 邑:えいらさんなら、何かいい助言をくれるかも知れない。
安東 邑:「おれ、今日ちょっとぼんやりしてたじゃないすか。デート中にごめんなさいホント」
床名えいら:「ああ、何。全然気にしていないとも」
床名えいら:「誰でも不調のときはあるものさ。増して今はこんなときだ」
安東 邑:「でも.....えいらさんなら何か助言をくれるかな~って」
床名えいら:「ふむ?なんだろう。言ってみなさい」
安東 邑:「いや、何かおれの姉さん、姉さんじゃないらしくて――」
床名えいら:「風間ねねさんか」
安東 邑:「そーなんすよ」
安東 邑:そして、昨日言われたことをかいつまんで話す。
床名えいら:「うん、うん」
安東 邑:自分に本当の姉がいたこと。彼女を助けにいけなかったのが、悔しいということ。
安東 邑:「それだけじゃなくて......」
安東 邑:一年前の事件のことも話した。つぐみ先輩がおれを殺したって部分は、最後までぼかしたまま。
床名えいら:ふう、と息を吐く。
安東 邑:「――ってな具合で。記憶が虫食いチーズっぽくなってるみたいなんすよね~」
床名えいら:「君は、よくよく災難に見舞われているな」
床名えいら:「その性格じゃあ無理もないかもしれないが、ああ」
安東 邑:「アイデンティティクライシスがこんな形で襲ってくるとは思いもしなかったよなあ」
床名えいら:「なるほど。自我の危機を感じているわけか」
安東 邑:「そうなんですよ。実際めっちゃ切実じゃないっすか?」肩を竦めながら、えいらさんの言葉を待つ。
床名えいら:「……そうだなあ」
床名えいら:「受け入れてしまうのがいいんじゃないか?」
安東 邑:「......受け入れる、かあ」
床名えいら:「虫食いの記憶は虫食いの記憶として。空白がある自分を肯定する」
安東 邑:「ほほう、なるほど」ぽん!と手を打つ。
安東 邑:「確かに、皆と一緒に過ごした幸せが消えるわけじゃないですもんね!」
床名えいら:「まあ、そのまま飲まれて裏返ってしまうのも悪くないなんて───私は思ってしまうけれど」
安東 邑:「やですよ。そんなことしたら、想いだせなくなっちゃうかも知れないじゃないですか」
床名えいら:「……そうだな。きっと、消えてなくなりはしないだろう」
安東 邑:「ええ。つぐみ先輩にも教えて貰ったんすけど、歴史なんて解ってることの方がよく少ないんだ―って」
床名えいら:「思い出せなくなるのは怖いかい?邑」
安東 邑:「おれの記憶は。別に、良いんですけど」
安東 邑:「みんなのことを、なかったことにしちゃうのは嫌ですね」
安東 邑:「それだけは怖いです」
床名えいら:「───」
安東 邑:(......また)
床名えいら:「……そろそろ、時間のようだ」唐突に。
床名えいら:「そろそろ帰るとしよう。送るよ」
安東 邑:「そっすね。皆も心配してるだろうし」
安東 邑:そう言って、帰路へと身体を向ける。
床名えいら:「………」
安東 邑:繁華街の道々には、ごみと光が散らばっている。
安東 邑:一本駅へと続くコンクリの歩道は、色彩のはんらんで、その形を失っている――まるで自分の記憶のように。
安東 邑:(......受け入れるんだ)
安東 邑:落ちたごみを拾いながら、幸せな時間を受け容れるように。ゆっくりと、時間をかけて帰ろう。
床名えいら:(諦めないからね)
床名えいら:(邑。私は、諦めないから)
床名えいら:その目は、遠くを見ていた。

GM:ロイスのみ可能です。
安東 邑:”末永く友達で”床名えいら 〇友情/不安
床名えいら:安東邑/憧憬:○/罪悪感→憧憬:○/憎悪

ミドル3ーB:カレーを待ちながら

GM:ヒロインズで集まってお話しするシーン!
GM:邑くんのことを報告したりいろいろお話ししよう
GM:判定はありません

GM:床名えいらのセーフハウス
GM:君たちは床名えいらが使っているセーフハウスのひとつに集まっている。
床名えいら:「さ、みんな好きに寛いでくれたまえ」
床名えいら:ソファなども完備されている。
木場田つぐみ:「あ、ありがとうございます」ぺこりと頭を下げる。
木場田つぐみ:茶褐色の分厚いトレンチコートに、黒のノーカラー。それにデニムのタイトジーンズを組み合わせた服装。
猿喰 早耶:「うーいー」
猿喰 早耶:壁に背をもたれさせて立っている。というか壁によりかかっているというか。
風間 ねね:「邑くんもクッキング中ですし、女子会ムードですねぇ~」
床名えいら:「ああ、楽しみだね。カレーだっけ?」
木場田つぐみ:「女子会、ですか……」随分遠いもののように思う。大学の時でも結構敬遠していた。
猿喰 早耶:「カレーね。いいよね」
木場田つぐみ:「スパイスから作るんだ~、って言ってましたね。凝り性なんだよなあ…」
風間 ねね:「あの子、何でもこだわるんですよ」
風間 ねね:少し遠い目をして。
風間 ねね:「そして、自分のことさえも忘れちゃう」
猿喰 早耶:「ふーん」
猿喰 早耶:とん、ととん、と妙なリズムで壁にかかとを打ち付ける。
木場田つぐみ:「人懐こいというか、そう言うとこあるのにまあなんというか……」
木場田つぐみ:良く見てるのだなあ、と思う。まあお姉さんというなら当然なのだろうか。
床名えいら:「……」忘れちゃう、という言葉に視線を床に落とす
木場田つぐみ:「ん……何かありましたか?」
床名えいら:「……うーん」
猿喰 早耶:「ねねねーさんしか知らないことでない?」
木場田つぐみ:「……?」
木場田つぐみ:首を傾げる。グラスの水をこくりと飲んで。
床名えいら:「ちょっとね。色々あるんだよ」
風間 ねね:「どうでしょうか。床名さんも知っているんじゃないかなあ」
風間 ねね:「後ろ暗い同士じゃないですか、ね?」
床名えいら:「……知ってるよ。邑のことならさ」
猿喰 早耶:「そーかぁ」
風間 ねね:おや、と意外そうな顔をする。
木場田つぐみ:「……えー、と……」
木場田つぐみ:「なんか、皆さんだけで通じ合うことがあるみたいで…。邪魔なら、外出てますけど」
床名えいら:「…ああ、いやいや」
床名えいら:「すまないな、わからないような話をしてしまって」
猿喰 早耶:「出る気なら邪魔するけど?」
木場田つぐみ:「ええ…?なんかぼくに伝えると不味いこと話してるのかな…って思ったんですが…」
木場田つぐみ:「UGNの動きとか」
風間 ねね:「そうそう、木場田ちゃんも関係者だしねっ!」
木場田つぐみ:「ぼくも?」
猿喰 早耶:「少年の関係者っしょ? 木場田サン」
床名えいら:「UGNは、今回出てきてないよ」
床名えいら:「喜んでいいのか悪いのかわからないけど」
木場田つぐみ:「……?こんなにワーディングや戦闘も発生してるのに…?」
猿喰 早耶:「出てきてないねー。まあどっかで邪魔が入ってるんだろうなぁ」
風間 ねね:「出てきたら邑クンが泣いちゃうもん。良かったですよぉ」
木場田つぐみ:「まあ、関係者と言えば…そうなるんでしょうか。加害者的な」
床名えいら:「そう、全員が関係者」
木場田つぐみ:「………」こく、とのどが動く。
猿喰 早耶:「で、みんなどこまで話すのん?」
床名えいら:「……邑にだけ内緒にするっていうのも嫌だな」
木場田つぐみ:「ぼくはまあ、深い事情はないので大体話せますけど」
猿喰 早耶:「予備相談っしょ? これ」
猿喰 早耶:「先に宣言しとくとー、あたしは"少年のハナシをなんも知らない"よ」
木場田つぐみ:「……?あの子にまだ何か…?」
猿喰 早耶:「知ってることすら知らないのかもしんないけど、なーんも答えらんない」
猿喰 早耶:ととん、とん、とかかとで壁を蹴る。
風間 ねね:「……はい、怪しい女No.1 ねねお姉ちゃん。UGNとFHがあの子から奪った記憶の話をしちゃいました」
木場田つぐみ:「………記憶操作?一年前のじゃ…」ないのか、とひとりごちる。
床名えいら:「………私は知ってるよ。その記憶のこと」
床名えいら:「前から」
風間 ねね:「……へぇ、じゃあそれでちょっぴり動揺してるかも知れないから優しくしてあげてね」
猿喰 早耶:「思い切ったね、ねねねーさん」顎を引く。
風間 ねね:一年前、だけではない。
風間 ねね:だけではないが、それを敢えて口にすることもない。
木場田つぐみ:「……」ふうむ。
床名えいら:「優しくできるかなあ。私は優しくないから」
風間 ねね:「覚醒しちゃった以上、突っ切るしか無いんですもの。景気よくオールベットですよぉ」
風間 ねね:ムッと膨れる。
木場田つぐみ:緩んでいた頭が廻り出すのを感じる。--一年間、まあ。慣れてしまった感覚。
木場田つぐみ:「なるほど、なるほど」
猿喰 早耶:「まあよくあるハナシだよね。世界には地雷がごろごろ埋まっててぇ」
猿喰 早耶:「それを隠すのがUGNサンのお仕事だ。FHのほうもお仕事だわねぇ。公務員と個人事業主ー?」
猿喰 早耶:「博打は景気よくってみんな言うよねー」
木場田つぐみ:「どっちかというと勝手に独立した封建領主と国みたいなもん、ですけど」
風間 ねね:「まあ私は邑クンが幸せなら良いんです」
猿喰 早耶:「それは間違いない」
風間 ねね:「……皆もそうだと良いなあって思ってますよ」
床名えいら:「『私もそうですよ』」
床名えいら:笑顔で虚言を曰う。
木場田つぐみ:一年前。ぼくがトリガーを引いたーーのは確かだろう。だが、それ以前から銃はあった、ということだ。弾倉に弾を詰め、遊底を引いたそれが。
木場田つぐみ:「ぼくも、まあそう思ってます。……あのままじゃ、かなり難しいんじゃないかと疑ってますけど」
風間 ねね:「何でも背負い込むから?」
木場田つぐみ:「はい。見捨てられないでしょ、あの子」
木場田つぐみ:「それでキャパシティを超えるのは、時間の問題…と思ってます。ぼくは」
猿喰 早耶:「キャパこえて破裂するのはさぁ」
猿喰 早耶:「まあマシな終わり方なのかもしらんよ。キャパ超える前に死ぬのの次くらいに?」
床名えいら:「キャパシティを超えても生き続けることもざらにあるからね」
木場田つぐみ:「……まあ、そっちもありますけど。落ちると分かってる崖に突っ込ませるのも悪いなあと思うので」
風間 ねね:「大丈夫です」
風間 ねね:「お姉ちゃんはお姉ちゃんを全力で執行します」
猿喰 早耶:「頼もしいねー」
風間 ねね:「今まで通り、陰ながらそっと支えていきますよ❤」
木場田つぐみ:「……なるほど。今までそうなってなかった理由がわかりました」溜息。
風間 ねね:「いぇー!」
猿喰 早耶:「やー」
床名えいら:「ふーん」
木場田つぐみ:「…仲いいですねえ…」
木場田つぐみ:さて。少なくともねねさんと猿喰さんはある程度の協力関係にある、と見てよさそうだ。
猿喰 早耶:「まあ仕事の数が多かったしぃ」
猿喰 早耶:「いうてそろそろめんどいよ? あたしのナワバリに入ってくる変なのがおおすぎ」
猿喰 早耶:「プレミュールってとこのやつだとは思うけど。でも見えるとこの連中は質が悪すぎんだねぇ」
床名えいら:「…多分そろそろあちらさんも本腰入れてくるはず」
風間 ねね:「その本腰を入れて動いたところを、確実に叩く必要がありますよねぇ」
木場田つぐみ:「下級戦闘員くらいでしたものね。こっちの戦力の同定も大体終わったでしょうし、そうなりますか」
床名えいら:「カレーはせめて食べ終えておきたいな」
猿喰 早耶:「そーねえ」
猿喰 早耶:「ということでよろしく」
猿喰 早耶:木場田さんの肩を掴んで笑う。
木場田つぐみ:「……えーと、戦力として一緒に戦おうね、ということですよね…?」
木場田つぐみ:「まあ、やりますよ。一応広域作用は得意なんで、そう言うのは任せてください」
風間 ねね:「わたしたち、仲間! お友達! 同じ穴のムジナ! だよねっ!」
風間 ねね:「良かった~!」
床名えいら:「あ、うん。勿論私も協力するよ」
床名えいら:「ここはお互いがどうあれ手を組むのがベター」
猿喰 早耶:けらけら笑う。
風間 ねね:「もっちろん、それが邑クンの望みですもの!」
風間 ねね:「木場田ちゃんも床名ちゃんも邑クン同盟だねっ!」
木場田つぐみ:「まあ、彼と貴方がたがよければ、こっちからお願いしたいくらいで…」
木場田つぐみ:「--それがなかったら、ぼく殺されてましたかね」
木場田つぐみ:「ええまあ、ぼくで良ければ」
木場田つぐみ:ブラフというか、まあ確認だ。
木場田つぐみ:相手がどうぼくを想っているか。感情というのは、馬鹿にならない。何度も思い知っている。
猿喰 早耶:「じゃあひとまず同盟だ。いいよねこういうの」
風間 ねね:殺されていたか。
風間 ねね:そう聞かれて、実際そこまで労力をかけて得られるものがあるかどうかは別として。
風間 ねね:「……こうやってお話してなかったら、殺したくなってたかも」
風間 ねね:と、小さくつぶやいた。
木場田つぐみ:「ふ」
木場田つぐみ:寧ろそう言う、殺意にこそ微笑んだ。そちらの方が、自身に相応しい。
猿喰 早耶:ねねさんの肩を揉む
猿喰 早耶:「好きとかさぁ、そういうので。違うとこで死ぬはずの人が手を組むのさー」
猿喰 早耶:「手のかかった映画みたいでー」
木場田つぐみ:「ああ、なんでしたっけ…アベンジャーズ、じゃなかったな…」
猿喰 早耶:「七人の侍!」
木場田つぐみ:「世界の黒沢だ」
猿喰 早耶:「駅裏の名画座で見た」
風間 ねね:「猿喰ちゃんの言うとおりですね。今のめぐり合わせが大事だなって思います」
木場田つぐみ:「ええ、よろしくお願いしますね」柔らかく微笑んでいる。
床名えいら:「……」
床名えいら:つぐみちゃんを見ている。
風間 ねね:「地位や報酬の額などでなく、守りたいものを守りましょう」
猿喰 早耶:つぐみちゃんの前にひょこりと斜め60度くらいで首を突っ込む。
床名えいら:「ん」
木場田つぐみ:「ですね。それ以外のことは、終わった後にお願いしてもらえれ、ば……」びっくりした顔。
風間 ねね:「そしてそれがたまたま重なったから、我々は仲間です」
猿喰 早耶:「改めて、ベターに同意してくれるかな?」
猿喰 早耶:ぐりんと首を回してつぐみちゃんを見る(割と近い)
木場田つぐみ:「……ええ、勿論です。ベストなんて、ぼくにはちょっと遠すぎるので」
床名えいら:「私もだ。同意するよ」
風間 ねね:「…………」
猿喰 早耶:えいらさんとつぐみちゃんの肩を抱いて引き寄せる。
木場田つぐみ:「ぅ、うわ」
床名えいら:「おっと」
猿喰 早耶:「よぉし」
猿喰 早耶:「こういうポーズでいこうかー」
猿喰 早耶:「ね? ねねねーさん」
風間 ねね:「うむうむ、よきかなです!」
風間 ねね:「邑クンが笑って昨日と違う明日を迎えられるように。皆笑顔で、楽しく、生きて帰りましょ~!」
風間 ねね:えい、えい、おー、と腕を上げる。
木場田つぐみ:「え、ええっと、えい、えい、おー…?」つられて腕を上げる。
床名えいら:「えいえいおー」
猿喰 早耶:「おーぅ」

GM:シーンの最後なので
GM:ここで購入機会!
GM:ロイスとかもすると良いよ
木場田つぐみ:わあい。
風間 ねね:よし!
床名えいら:木場田つぐみ/無関心:○/罪悪感/ロイス
風間 ねね:ロイスはあと一つなので保留
猿喰 早耶:「同盟者:床名えいら:○有為/警戒」ー かな。
木場田つぐみ:ロイス。 風間ねね 〇信用/食傷  猿喰早耶 〇信用/不安  床名えいら 綺麗なひと/不信感〇 で。
風間 ねね:“邑クン同盟メンバー” 木場田つぐみ ◯同情/殺意 に変更しておくかな
風間 ねね:購入、欲しい物ありますか
風間 ねね:ブルゲとか変えますが
猿喰 早耶:購入はどうしよねー。あたしは都合上もうほとんどないんだけど
猿喰 早耶:ブルゲ買っといてつぐちゃんにわたす?
木場田つぐみ:ブルゲとかあればまあ早目にサイレンは撃てるかなあ
風間 ねね:ではブルゲ
木場田つぐみ:ポンケもあれば、メイド服入れて一応13でえいらさんに並べる
床名えいら:とりあえず応急手当しますね
床名えいら:2dx>=8
DoubleCross : (2DX10>=8) → 10[5,10]+1[1] → 11 → 成功

猿喰 早耶:ああ。そうだ、クリシー欲しいかな?
床名えいら:よし、所持
木場田つぐみ:あー……あれば確かに便利ですね
風間 ねね:オリジン:サイバー発動
木場田つぐみ:あれならウィンブレ飛ばします
風間 ねね:あー、クリシーとブルゲどっちいきます?
猿喰 早耶:おけ、ウィンブレもらってダメ元で突っ込んでみよかぁ。お願いしていい?
木場田つぐみ:ブルゲですかね、優先は
猿喰 早耶:優先度高いのブルゲだから、ピンで押せるならそっち狙っちゃっていいんでない?
風間 ねね:なるほどね、クリシー任せたぜ
風間 ねね:こちらはブルゲ行くぜ
木場田つぐみ:コンボ:“おお、見よ。居並ぶ剣槍の煌めきを”≪援護の風≫ ≪ウィンドブレス≫。猿喰さんにダイス+5、達成値+9
木場田つぐみ:木場田つぐみの侵蝕率を4(→ 4)増加 (69 → 73)
風間 ねね:6dx+10+2>=20
DoubleCross : (6DX10+12>=20) → 10[1,4,5,7,8,10]+10[10]+5[5]+12 → 37 → 成功

猿喰 早耶:あいよー。じゃあいってみよか。
木場田つぐみ:つよ……
風間 ねね:おらっ、つぐみちゃん! 元気の水よ!
猿喰 早耶:自前のダイスに《砂の加護》~
木場田つぐみ:わあいありがとうねねさん~~
猿喰 早耶:猿喰・早耶の侵蝕率を3増加 (65 → 68)
風間 ねね:良いってことよ~!
猿喰 早耶:11dx+10>=25 えーい
DoubleCross : (11DX10+10>=25) → 10[1,1,2,2,3,5,5,7,7,8,10]+5[5]+10 → 25 → 成功

木場田つぐみ:えっすご……
猿喰 早耶:お。ジャストぉ。ありがとうつぐちゃん。じゃ、これも装備しとくね。
木場田つぐみ:わあい
木場田つぐみ:じゃあ自分は一応ポンケ狙って見ます。
木場田つぐみ:2dx>=18
DoubleCross : (2DX10>=18) → 5[1,5] → 5 → 失敗

木場田つぐみ:まあ無理。

ミドル4:月との戦い

GM:ミドル戦闘。全員登場です。
木場田つぐみ:木場田つぐみの侵蝕率を1d10(→ 2)増加 (73 → 75)
猿喰 早耶:猿喰・早耶の侵蝕率を1d10(→ 2)増加 (68 → 70)
安東 邑:58+1d10
DoubleCross : (58+1D10) → 58+2[2] → 60

風間 ねね:73+1d10
DoubleCross : (73+1D10) → 73+8[8] → 81

GM:ドォオオオン。
GM:セーフハウスに大きな震動が走る。
GM:…敵襲らしい。逃げるか、立ち向かうか?
木場田つぐみ:「ん。来ましたか」ひょい、となんでもないことの様に立ち上がる。
床名えいら:「来たねえ」髪をくるくると弄びながら。
風間 ねね:「うーん……参りましたねえ。お姉ちゃん、暴力は得意じゃないのですが……」
猿喰 早耶:「けっこう数がいるねえ」壁から身体を離して、眼鏡をなおす。
安東 邑:「うわっ!何だこの揺れ!みんな大丈夫!?」洗い物をしていたが、飛び出してくる
安東 邑:「っつーか、来たって...敵?マジで?マジか~......」げっそりとした面持ち。
床名えいら:「敵だねえ。大丈夫、ささっと撃退するよ」
床名えいら:そのまま表に出ようとする。
木場田つぐみ:「後ろ居ていいと思うよ。慣れてないのに変に使うと、戦闘の負荷大きいし…」そう言いながら此方も外へ向かい出す。
風間 ねね:「出鼻をくじいてさっと逃げましょう。逃げるだけだとしつこく追ってきますから」
風間 ねね:慣れた様子でとことこと後をついていく。
安東 邑:「皆慣れてんだなあ...さやさんはともかく」
安東 邑:(あの人は何か昔からノーラン映画みたいなアクションかましてたし......)
猿喰 早耶:「そういうもんだからに。少年も慣れるよぅ」
GM:君たちが表に出るとそこには白いローブを着たがっしりとした体格の大男が立っていた。
???:「やあ。出てきたね、みんな」
???:「こんにちは。出来れば一緒についてきてくれると嬉しい」
???:「手荒な真似はしたくないんだ」
安東 邑:(礼儀、正しそうな、人だけど......無視!)
安東 邑:「......誰さ、いきなり。人ン家だぞ」
木場田つぐみ:「先に銃弾とか撃ち込んでおいてからそれ、結構虫がいいと思うんだよな」周囲を警戒している。
床名えいら:「そうそう。結構高いんだからね、ここ」
風間 ねね:(邑クン……凄む姿も格好いい……!)
???:「これは失礼」恭しく一礼して。
”イガルク”:「ボクは”イガルク”。FHの…『プレミュール』のチルドレンだ」
安東 邑:「”イガルク”......コードネームってやつか。言っとくけど、行かねーし連れて行かせないからな」冷や汗を垂らしながら影の触手を起動。右瞳から、ずるりと噴き出して纏う。
安東 邑:(やっぱり『プレミュール』の......っつーか、速攻場所割れてるのかよ)
猿喰 早耶:「はぁん。プレミュールさん。こりゃご丁寧にどうも」
”イガルク”:「残念だな……大人しくしてくれていれば、君たちも連れて行けたのに」
猿喰 早耶:「どこにどこに?」
”イガルク”:「楽園……約束の地に、だよ」
風間 ねね:(約束の地……?)
安東 邑:「も、もったいつけて出て来て...もったいつけたこと言いやがって...!」
木場田つぐみ:「具体的な地名とか、どういうものかを言ってくれよな……」指で服を叩いている。プレミュール。ジャームこそが、真の人類、だったっけか。
床名えいら:「あんまりまともに相手しないほうがいいよ」
床名えいら:「チルドレンってやつはさ、価値観完全にキマッちゃってるから」
安東 邑:「大体何でおれと先輩と姉さんが楽園なんてトコ行かなきゃなんねーんだよ! 似たような名前のパチンコあるからそこでも行ってろ!アホ!」
猿喰 早耶:「(ん。かまかけでなんか吐くタイプじゃなさそうだにゃーと)」ねねねーさんにハンドサイン。
風間 ねね:猿喰からのハンドサインに頷く。
”イガルク”:「……かわいそうに。まだ目覚めていないからそのような考え方しかできないんだね」
”イガルク”:「………」
風間 ねね:「でも目覚ましには少し足りなさそうね。その程度の戦力で我々をどうこうできると思っているなら舐められたものです」
”イガルク”:「……構わないよ。ボクが相手をすれば」
”イガルク”:「その分、君たちを救いへと押し上げられる」
”イガルク”:「さあ、一緒に来てもらうよ。それが嫌なら……」
”イガルク”:「かかってこい」
風間 ねね:「皆さん、彼は我々の侵蝕消耗が目的です。無駄なエフェクト行使は極力避けてください。スムーズに仕留めましょう」
風間 ねね:音もなく、電影の蝶が舞う。
木場田つぐみ:眉根をひそめる。戦力が多いとこが出来る、連戦の強要。それはOVにとって一番キツい作戦だ。
木場田つぐみ:「了解。まあ、上がりきらないとぼくは変わんないんだけど……」靴の爪先で軽く地面を叩く。
猿喰 早耶:「りょーかい。分散してそうだしねー」
猿喰 早耶:屈伸運動。無手だ。
安東 邑:「......賛成。イヤなんだよな。無駄に人ブン殴ったり、怪我させたりとか」眉を顰めて、影の触腕を纏う。
安東 邑:「でも、姉さんたち連れてかれるのはもっと嫌だし」
安東 邑:「...」拳を固める。
安東 邑:「殴るよ、あんたら」

GM:ミドル戦闘を開始します。

”イガルク”
  |10m
(邑、つぐみ、ねね、早耶、えいら)

GM:エネミーはひとり。演出的に周りもなんか囲ってると思ってください。
GM:データ的には無の武装集団がいます。演出で適当に倒せます。
GM:では、セットアップ
木場田つぐみ:今回はなしです。
床名えいら:なし
”イガルク”:《苛烈なる火》 HPを5点失い、攻撃力増加
猿喰 早耶:なーし
安東 邑:なし!
風間 ねね:ないよ!
GM:では、イニシアチブ。
GM:えいらさんの手番。
床名えいら:マイナーで5m後退。

 ”イガルク”
  |10m
(邑、つぐみ、ねね、早耶、)
  |5m
 えいら

床名えいら:《コンセントレイト:エンジェルハィロゥ》+《光の手》+《ブラッドウェブ》+《細胞侵蝕》
床名えいら:命中で移動・ドッジの度8ダメージ、重圧、邪毒2
”イガルク”:オート《迎撃する魔眼》
”イガルク”:リアクションを放棄して黒の鉄槌で反撃。
床名えいら:先に命中判定!
床名えいら:8dx
DoubleCross : (8DX10) → 10[1,3,3,5,5,6,8,10]+5[5] → 15

”イガルク”:反撃!
”イガルク”:10dx8+4
DoubleCross : (10DX8+4) → 10[1,2,4,5,5,5,8,8,9,9]+7[4,5,6,7]+4 → 21

床名えいら:ダメージはなし。
”イガルク”:3d10+26
DoubleCross : (3D10+26) → 11[4,4,3]+26 → 37

床名えいら:死にます。リザレクト。
床名えいら:1d10
DoubleCross : (1D10) → 4

GM:床名えいらのHPを4に変更 (25 → 4)
床名えいら:コンセ忘れてました。申し訳なし。
床名えいら:では演出を。

床名えいら:「まずは…動きを縛るよ」
床名えいら:手を伸ばす。その、先から。
床名えいら:微細な繊維状のものが、毛細血管のように伸びる。伸びて、そのまま放たれる。
床名えいら:それは、真っ直ぐに”イガルク”へと向かい───
”イガルク”:「…目には目を。歯には歯を」
”イガルク”:「くらえ」
”イガルク”:重力の塊を、打ち返す!
床名えいら:「くっ…!……ふ、ふふ」
床名えいら:「いいのかなあ、避けなくて良かったのかなあ!」
床名えいら:「ほら。変わるでしょう。世界が」
床名えいら:「君はもう、私の手の上だ」
”イガルク”:「……!?視界が!」
”イガルク”:「くっ……!」
床名えいら:「さあ、続いて!」
安東 邑:「うわ、どうなってんだよ、アレ......!」周りのトループを相手しながら感嘆の声を漏らす

GM:安東くんの手番!
GM:すみません、猿喰さんの手番!
猿喰 早耶:あいあーい。そしたら行こうか。マイナーで戦闘移動してイガルクに接敵。

(”イガルク”、早耶)
  |10m
(邑、つぐみ、ねね)
  |5m
 えいら

猿喰 早耶:メジャーで《コンセントレイト》《インスタントボム》~。
猿喰 早耶:4dx7+3 えいや
DoubleCross : (4DX7+3) → 10[1,1,8,10]+10[1,9]+4[4]+3 → 27

猿喰 早耶:お、回った回った。27。
”イガルク”:ドッジするしかない…
猿喰 早耶:猿喰・早耶の侵蝕率を5増加 (70 → 75)
”イガルク”:5dx+1
DoubleCross : (5DX10+1) → 8[2,5,6,6,8]+1 → 9

”イガルク”:だめ!ドッジしたので8ダメージ。
猿喰 早耶:じゃ、ダメージが…
猿喰 早耶:3d10+5 装甲無視
DoubleCross : (3D10+5) → 19[1,10,8]+5 → 24

猿喰 早耶:24点。通ったかな?
GM:通ります!そこそこ食らった!
猿喰 早耶:じゃー《巨人の影》。《砂塵霊》のレベル+2~
猿喰 早耶:猿喰・早耶の侵蝕率を3増加 (75 → 78)
猿喰 早耶:演出入れちゃっていいかなー
GM:どうぞ!

猿喰 早耶:周囲で銃声や、剣戟や、もっとおぞましい何かが喚き立てているなかで、
猿喰 早耶:まるで警戒している様子もなく、すたすたと前に出る。
猿喰 早耶:無造作に、殴るというような勢いですらなく、戒められたイガルクに手を伸ばす。
”イガルク”:「ちか…よるな…!」
”イガルク”:手を振って踠く。
猿喰 早耶:もがいて突き出した左腕に、指先が触れる。
猿喰 早耶:"イガルクの左手が消えた"。より正確に言うなら左手首から先が消えた。
猿喰 早耶:「え、何?」
”イガルク”:「───ッッ!!」
猿喰 早耶:ざらりと砂が、落ちる。
猿喰 早耶:「割と悪くないじゃん。ねえ、ネェギ」
猿喰 早耶:砂を踏む音。
”イガルク”:「……く、痛い……だが……」
”イガルク”:「この痛みも解放の為の階梯にすぎない……!」
”イガルク”:「行くぞ!」

GM:イガルクの手番。
木場田つぐみ:あ、そのイニシアチブに
GM:お
木場田つぐみ:メイド服を脱いで、イニシアチブ8に。
GM:ではつぐみちゃんの手番!
木場田つぐみ:ありがたく。マイナーで右方向に10m移動。

(”イガルク”、早耶)
  |10m
(邑、ねね)ー10mーつぐみ
  |5m
 えいら

木場田つぐみ:そしてオートでコンボ:“おお、見よ。居並ぶ剣槍の煌めきを”≪援護の風≫ ≪ウィンドブレス≫を自分に。
木場田つぐみ:木場田つぐみの侵蝕率を4(→ 4)増加 (75 → 79)
木場田つぐみ:メジャー。コンボ:“栄光に満ちたかの王の姿を”≪原初の赤:サイレンの魔女≫にて”イガルク”へ攻撃します。
木場田つぐみ:10dx+19 
DoubleCross : (10DX10+19) → 10[1,5,6,7,8,9,10,10,10,10]+9[7,8,9,9]+19 → 38

猿喰 早耶:あ。
木場田つぐみ:あら、回ったな…。
”イガルク”:高い…
”イガルク”:だがこいつの
”イガルク”:行動はドッジだ
”イガルク”:5dx+1
DoubleCross : (5DX10+1) → 8[1,5,5,7,8]+1 → 9

木場田つぐみ:あ、すみません何かあったなら申し訳ない…!
”イガルク”:なにもないよ!
猿喰 早耶:あいや、だいじょうぶよー。やっちゃえやっちゃえ
”イガルク”:8ダメージ受けます
木場田つぐみ:4d10+15 装甲無視。
DoubleCross : (4D10+15) → 19[9,6,2,2]+15 → 34

木場田つぐみ:まあ平均値。34点装甲無視ダメージです。
”イガルク”:かなりぎりぎりになりました。
木場田つぐみ:むーん、ミスったかな…演出行きますね。
木場田つぐみ:木場田つぐみの侵蝕率を6(→ 6)増加 (79 → 85)

木場田つぐみ:とん、と軽いステップで横方向へ跳ぶ。
木場田つぐみ:相手はただ敵だ。遠慮もいらない。
木場田つぐみ:『”カーマ―ゼンより天を摩る塔へ”』
木場田つぐみ:その影が分かれ伸びる。それはグリッド線のように縦横に線を引き。
木場田つぐみ:『”逆巻く風。反す硝子”』
木場田つぐみ:あまりカードを見せすぎると不味いかもな、と思った。
木場田つぐみ:(まあ、いいか)
木場田つぐみ:「少ししか教えられなかったけど。少しグロいかもだから、アレなら眼を瞑ってね」
木場田つぐみ:『”像を遷す。--撥ねろ”』
木場田つぐみ:ぎゅる、と影が蠢いた。
安東 邑:「う――」
木場田つぐみ:グリッド線で区切った、極小の四角空間。
木場田つぐみ:それは、敵の身体にも真っ直ぐに引かれている。
木場田つぐみ:それらが、”入れ替わる”。
木場田つぐみ:体内にある肉と血と骨、臓器が外に放り出され、其処に空気が入る。
木場田つぐみ:5名以外の全員が、それを逃れることはない。
戦闘員:「ぎゃあああ!」「ひっ…!」「いやだいやだ、帰らせてくれえええええ!!!」
”イガルク”:「がっ、ががががが、ぐ」
木場田つぐみ:「言っておくけどさ」冷え切った声。
木場田つぐみ:「ぼくは、あの時会ったときにやったこと。許してないんだよな」
木場田つぐみ:「八つ当たりかも知れないが……まあ、同じセルだろ?いいよな」
安東 邑:これが。先輩の日常。彼女の過ごした一年。
”イガルク”:身体中に穴が開いている。
”イガルク”:ぼたぼたと、血を垂らしながら。それでも立っている。
”イガルク”:泣き言のひとつも言わず。
木場田つぐみ:眼を細める。「取り損ねたかな…来ますよ」

GM:イニシアチブ!
GM:何もなければイガルクの手番です。
安東 邑:こちらは...なし!
GM:OK!
”イガルク”:マイナーなし。メジャー《コンセントレイト:サラマンダー》《氷の塔》《黒の鉄槌》
”イガルク”:邑くんとねねさんを攻撃!
風間 ねね:ぐあーっ!
”イガルク”:10dx7+4
DoubleCross : (10DX7+4) → 10[1,1,4,4,5,6,6,8,10,10]+6[1,3,6]+4 → 20

安東 邑:では
安東 邑:≪崩れずの群れ≫で姉さんをカバー!守るよ!
安東 邑:『スローイン・ブルー』≪崩れずの群れ≫+≪グラビティガード≫
風間 ねね:ドッジは狙うがまあかばってもらうことになるでしょう
風間 ねね:3dx+1 ドッジ
DoubleCross : (3DX10+1) → 9[3,6,9]+1 → 10

風間 ねね:おねがい邑クン❤
安東 邑:任せろ!
”イガルク”:さっきのマイナーで重圧解除したことにさせてください!
安東 邑:いいよ!
風間 ねね:うす!
”イガルク”:ではダメージ!
安東 邑:こい!
”イガルク”:3d10+44
DoubleCross : (3D10+44) → 15[9,5,1]+44 → 59

安東 邑:うわっメチャクチャ高いコイツ
GM:軽減したのちに二倍よー
安東 邑:ではこちらもガード値算出
安東 邑:15+3d10
DoubleCross : (15+3D10) → 15+19[8,9,2] → 34

安東 邑:更に装甲で弾いて10点軽減
安東 邑:10+34=44点!
GM:じゃあ15*2で30点かな
安東 邑:30は...ギリ落ちる!
安東 邑:リザします
安東 邑:1d10
DoubleCross : (1D10) → 10

安東 邑:現在侵蝕75
GM:OK!
GM:では演出へ

”イガルク”:「……君たちは、まだ何も知らない」
”イガルク”:「だけどもう少しだ。もう少しで」
”イガルク”:「輝かしい未来への扉が開く」冷気が、収束していく。
”イガルク”:「そのために、君たちの力が必要なんだ」
”イガルク”:「…少しの間、眠っててくれ」
”イガルク”:そして、冷気が放たれる───安東邑と風間ねねの元へ!
安東 邑:「か...勝手言いやがって!連れてくにしても――」必死で影を収束させる。大丈夫だ、つぐみ先輩に教わった通りに。
風間 ねね:反応が間に合わない。元より前線で戦うタイプのオーヴァードではない故に。
風間 ねね:だから、愛する弟が飛び出した時、制止もできない。
安東 邑:「おれだけに」が、
風間 ねね:「邑ク――」
安東 邑:「しとけよ...!!」ぎん!
安東 邑:(お...重い。メチャクチャ冷たい――防犯グッズの盾かましてなきゃ胴体かち割られてたっ)
安東 邑:影で止めきれなかった分は、肉体で。姉は――
安東 邑:「......よかった。怪我、ないね。姉さん」弱く笑う。
風間 ねね:「邑……クン……!」
風間 ねね:悲しむよりも、笑顔を作って。
風間 ねね:「ありがと! お姉ちゃん、その分頑張っちゃうからね!」
風間 ねね:彼は素晴らしいことをしたのだから――。
”イガルク”:「……これじゃ足りないか……」
”イガルク”:「ボクが……真に目覚めてさえ、いれば……!」

GM:では、邑くん!
安東 邑:よ~し えいらさんを殴ったやつを許せねえ
安東 邑:『ブンブン・サテライツ』≪コンセントレイト:エグザイル≫+≪伸縮腕≫
猿喰 早耶:はんていまえー
猿喰 早耶:《砂の加護》《砂塵霊》ー。ダイス+4のダメージ+20ー
猿喰 早耶:猿喰・早耶の侵蝕率を6増加 (78 → 84)
安東 邑:ありがとう、さやさん。これで思い切りぶん殴れる
GM:判定どうぞ!
安東 邑:判定行くぞオラーッ
安東 邑:8dx7+4
DoubleCross : (8DX7+4) → 10[1,3,3,4,6,9,10,10]+10[3,5,9]+10[8]+6[6]+4 → 40

安東 邑:よっし!
GM:たかぁい
”イガルク”:《黒の鉄槌》
”イガルク”:リアクションを放棄して反撃!
”イガルク”:10dx8+4
DoubleCross : (10DX8+4) → 10[1,1,3,4,4,5,7,7,7,9]+5[5]+4 → 19

GM:ダメージどうぞ!
安東 邑:アームドで10点削って9点!残り一点で...ギリ耐える!
安東 邑:ん、いや。10点じゃない
”イガルク”:2d10+26
DoubleCross : (2D10+26) → 16[9,7]+26 → 42

安東 邑:普通に落ちる!リザ!
GM:ダメージは…こう!
GM:そちらのダメージお願いします!
風間 ねね:邑クーン!
風間 ねね:許さねえ……
安東 邑:装甲で10点削って...32!駄目!リザします!
安東 邑:75+1d10
DoubleCross : (75+1D10) → 75+2[2] → 77

安東 邑:じゃあこっちのダメージも受けて貰うか
安東 邑:5d10+34
DoubleCross : (5D10+34) → 37[10,9,7,10,1]+34 → 71

安東 邑:死に晒せーーッ!!
GM:うわめちゃくちゃ高い!
GM:オーバーキル!
”イガルク”:戦闘不能になったので《燃える魂》。そして戦闘から離脱します。
GM:戦闘終了!演出をどうぞ!

安東 邑:......かなり、良いのを貰った気がする。意識が薄れる。身体が持ち上がらない。
安東 邑:(やべえ、眠てえ)
安東 邑:(さっき貰った寒いのが効いてんだ。サラマンダー、だっけか......ズルだろ、あんなの......)
猿喰 早耶:ばち、ばち、と、きみの目の前で音がする。耳に振動が伝わる。
安東 邑:(これって――さやさんの、砂)
猿喰 早耶:目の粗い砂が──サングラスのレンズに傷を作っている。強い風で吹き付けられたように。
猿喰 早耶:ぼやけた視界、照星のように刻まれた傷、の、その向こうに、大柄な人影が見えた。
安東 邑:(そっか......さやさんの眼鏡の傷って、こうやって出来たんだ。こんなになるまで、戦ってくれてたんだ)
なにか:......許すことはできない。
なにか:影の触手を更に纏う。自身の身体を、操り人形のように。塵と影が、あたりを覆っている。
なにか:影は漏れ出た瞳から、血のようにとめどなく溢れている。
なにか:許すことは出来ない。
なにか:「......あんた、えいらさん殴っただろ。最初」
なにか:はっきりと、見える。塵の底から、狙うべき敵の姿が。
”イガルク”:「……ああ、この力で」
”イガルク”:「彼女を引き上げるために」
”イガルク”:視界は、赤い。
”イガルク”:周りが臓物でできたように書き換えられている。
”イガルク”:治るには、まだ時間がかかるだろう。
なにか:「――ごちゃごちゃ」触腕を右腕に厚く纏う。盾を重ねて、破城槌に。
なにか:「うる」ぎゃぎゃぎゃ、と――さらに触腕を回転させ、
なにか:「さい!」一閃。
”イガルク”:「がっふ……!!」
なにか:コークスクリュー。回復していない部位に、深く深く突き刺さる。
”イガルク”:膝をつく。
”イガルク”:「……ここまでか」その身体を、氷が継いでいく。
”イガルク”:「……調べてみるといい」
安東 邑:「まだ......!」追おうとするが、身体が沈む。
”イガルク”:「ボクたちのしたいこと、教えてあげるよ」そう言って、メモリースティックを出す。
”イガルク”:「そうして、考えてみてくれ」
”イガルク”:「何が、良いことなのか───」
”イガルク”:その言葉と共に、姿が掻き消える。
”イガルク”:《瞬間退場》
安東 邑:「クソ、待て......待て、ってば」足に、今度こそ力が入らない。
GM:去り際に。ひときわ大きい冷気を、君にぶつけていった。
安東 邑:(なんだよ......さっきぶん殴った時にもう予備動作済ませてたのかよ。畜生、畜生......)
安東 邑:倒れ込む。
床名えいら:「邑!!!」
床名えいら:叫んで、駆け寄る。
猿喰 早耶:周囲をけだものか何かのように見回しながら、少年の方へ戻ってくる姿が見えた。
風間 ねね:「すごいよ……邑クン」
風間 ねね:そっと寄り添って頭を撫でる。
風間 ねね:「お姉ちゃんの自慢の弟です……」
木場田つぐみ:周囲を確認する。生き残っている相手はいないか。監視は無いか。遠方からの奇襲などはーー
木場田つぐみ:それからかれの周りに集まる皆を見て、ひとつだけ吐息を零した。

GM:イガルクと戦ったことで
GM:君たちは『プレミュール』の情報が入ったメモリースティックを手に入れました。

情報:噂話、裏社会、UGN、FH 難易度:10

GM:この判定に成功することで、プライズポイント4を入手できます。
GM:この判定には全員が挑戦可能です。
猿喰 早耶:なるほどー
風間 ねね:ふむ……
風間 ねね:ではここは姉がサクッと
猿喰 早耶:おねがいしまーす
木場田つぐみ:じゃあ特に何もないぼくとかが先に行く?
木場田つぐみ:あ、了解ですー。
安東 邑:頼むぜ姉さん
風間 ねね:情報収集チーム(ストーン)起動!
風間 ねね:UGNで判定!
風間 ねね:6dx+1+3>=10
DoubleCross : (6DX10+4>=10) → 7[1,2,3,3,7,7]+4 → 11 → 成功

風間 ねね:成功!
GM:強い。
GM:では情報を開示します。

6.彼らの狙いは侵蝕操作生体兵器「ライゼンフォル」の起動である。素体にレネゲイドビーイングが用いられた強力な兵器だ。

8.「ライゼンフォル」は不完全な状態だ。”カーマーゼンの黒書”と呼ばれる遺産が欠けているため、完全な侵蝕コントロールには遠い。それでも充分脅威となる能力を備えている。

猿喰 早耶:カーマーゼン?
安東 邑:それって、先輩の...
木場田つぐみ:あはは。
風間 ねね:なるほどね……
GM:…まだ、わからないことが多い。だが…
GM:その鍵は、周りの彼女らが握っていそうだ。
GM:というわけで。
GM:まだまだデートは続きます!
安東 邑:ヤッター!どっこに行こうかな~!
GM:そして全員のRHOの開示と共にトリガーに移ります。
GM:というわけで、今シーンはここまで。

GM:ロイスと購入が可能!
安東 邑:ロイスは...保留
風間 ねね:誰かほしいものありますか
安東 邑:応急をください...というか医療トランクでも...
木場田つぐみ:応急とか医療トランク…は、もう何個かあったよね
猿喰 早耶:んー。こっちは一通り揃ってるし得には。応急かトランクだよね。
木場田つぐみ:応急一個あるから安東くん使いなさい。
木場田つぐみ:ポンケあるとぼくはもうちょい早くなれるからそれかなー
安東 邑:う~ん、ゴメン先輩...世話んなる...
風間 ねね:簡易手術セット
木場田つぐみ:気にしない。巻き込まれたの、ぼくのせいだしね。
安東 邑:俺もちょっと応急狙います 全回復させときたい
風間 ねね:簡易手術セット、誰かほしくないですか?
猿喰 早耶:応急いっこ買うかなー。まあ出ればめっけもの。
風間 ねね:なんと4d10回復ですよ
木場田つぐみ:邑君も応急もってなかったっけ
床名えいら:一応応急使っとこうかなあ
木場田つぐみ:まずあるやつ使って、それからかな
安東 邑:一個持ってますね...
風間 ねね:では皆の回復量を見て動く
GM:床名えいらのHPを2D10(→ 14)増加 (4 → 18)
安東 邑:じゃあ俺のと もう一個ちょっとスマンが分けてくれる人はおらんか
木場田つぐみ:ぼくのいいよー
安東 邑:助かる先輩!
安東 邑:4d10
DoubleCross : (4D10) → 18[1,3,10,4] → 18

安東 邑:現在20点
風間 ねね:お姉ちゃんパワー発動だな、とりあえず簡易手術キットは買おう
風間 ねね:オリジン:レジェンド
木場田つぐみ:今20か。ならあと7点くらいだよね。
風間 ねね:81→83
安東 邑:あと8でよくなるかなあ
風間 ねね:7dx+12>=18
DoubleCross : (7DX10+12>=18) → 7[2,2,4,4,5,5,7]+12 → 19 → 成功

風間 ねね:さあ、このシーン一回使用可能で使い回しもできる簡易手術キットを使うのです
木場田つぐみ:えっ手術キットは使い回しは出来ないよ…?
猿喰 早耶:なるほどねー。
風間 ねね:あっ
木場田つぐみ:使い回しできるのは医療トランク(20)
風間 ねね:使い捨てかこれ
GM:使い捨てです!
猿喰 早耶:そしたらまあ、あたしもかっとこかな。応急手当ー、と
猿喰 早耶:3dx+1>=8
DoubleCross : (3DX10+1>=8) → 5[2,5,5]+1 → 6 → 失敗

風間 ねね:くそっ、医療トランクにしておけばよかった!
安東 邑:わ~っ サンキュー姉さん! えっ、どこから買ってきたのそれ...
猿喰 早耶:猿喰・早耶の財産を2減少 (5 → 3)
猿喰 早耶:ん、まあこれはこれでいいや。念の為成功してストックしとくねえ、と。
安東 邑:ダイジョブダイジョブ、ありがたく使わせてもらうよ...回復量何点だっけ
猿喰 早耶:えいらさん使うかい?
風間 ねね:まあいいやともかく邑くんを簡易手術するよ
木場田つぐみ:4d10だね
風間 ねね:ほら、4d10よ邑クン
安東 邑:う、うん...
安東 邑:4d10
DoubleCross : (4D10) → 20[3,10,5,2] → 20

安東 邑:生き返ったー!
風間 ねね:お姉ちゃん治し慣れているからね
風間 ねね:大丈夫大丈夫
安東 邑:コワ~
木場田つぐみ:ウェポンケース狙うか。
木場田つぐみ:3dx>=18
DoubleCross : (3DX10>=18) → 9[3,5,9] → 9 → 失敗

木場田つぐみ:まあ無理。
床名えいら:ボディアーマー
床名えいら:2dx>=12
DoubleCross : (2DX10>=12) → 9[6,9] → 9 → 失敗

床名えいら:以上
安東 邑:う~ん じゃあ...トランク狙うか...
安東 邑:4dx>=20
DoubleCross : (4DX10>=20) → 9[4,5,5,9] → 9 → 失敗

猿喰 早耶:いじょー
GM:ではシーンカット!
安東 邑:ムリだった!購買には流石に売ってねえ!

ミドル5−1:一生の共犯

GM:というわけで再びのデートパート 登場侵蝕は最初にまとめて振ってください
GM:つまり全員登場!
木場田つぐみ:木場田つぐみの侵蝕率を1d10(→ 8)増加 (85 → 93)
猿喰 早耶:猿喰・早耶の侵蝕率を1d10(→ 3)増加 (84 → 87)
安東 邑:81+1d10
DoubleCross : (81+1D10) → 81+6[6] → 87

風間 ねね:83+1d10
DoubleCross : (83+1D10) → 83+2[2] → 85

GM:ヒロインを選択して場所を選んでね!
GM:場所は任意でもchoiceでもいいぞ
安東 邑:ウオ~~~~どうしよう~~~
安東 邑:これはどうしようの舞です
GM:つぐみちゃんで、ホテル!
GM:というオーダーになったので
GM:やっていきましょう。

GM:君たちは、敵の手を逃れ適当なホテルに身を落ち着けた。
GM:その、一室───
木場田つぐみ:「さて、安東くん」安いホテルなので、ワンルームだ。
木場田つぐみ:「きみは初めてオーヴァードの戦闘、というモノを経験したわけだけど…大丈夫かい?」
安東 邑:「大丈夫っす!先輩のレクチャーでもーバッチリ!」包帯グルグル巻きでサムズアップ。傷の治りが遅い体質のようだ。
木場田つぐみ:「………」吐息。
木場田つぐみ:額をくっつけるくらいに近くまで寄せて。
木場田つぐみ:「ぼくの眼を見て、もう一度言いなさい。……何か変わったことは?何か急に思い浮かんだことはある?」
安東 邑:「ウ......」たじろぐ。たじろいで、ため息。
木場田つぐみ:「急にお腹が空いたりは?何かを壊したくなったり、憎くてたまらなくなったりはしなかった?」
安東 邑:「......」少し、自分の掴んだ違和を探るような表情を見せて。
木場田つぐみ:「……それだけじゃなくて、傷ついたり、傷つけたりしたら…痛かったり、ストレスでしょう」
安東 邑:「......先輩、優しーっすね」弱く笑う。
木場田つぐみ:「優しいんじゃないよ、こんなの」
安東 邑:「良いんすよ。ホントに、ぶっちゃけ――人殴るのとか、ホントに数えるほどしかなくて」
木場田つぐみ:「経験談ってやつ。後輩へのレクチャーと言うわけ」
木場田つぐみ:「うん」
安東 邑:「だから正直、最初に黒いのがブワ~ッって出た時も...俺には戦いなんて、できっこないなって思ってたんすよ」
安東 邑:「でも、違った」ぶるりと震える。
木場田つぐみ:「うん…」ただくらい瞳を合わせて、聴いている。
安東 邑:「自分が自分じゃないみたいに......慣れた手つきで、ヒトをぶん殴って。傷つけることが出来た」
安東 邑:「今までおれの口から出た言葉とか......全部きれいごとに思えるくらい、自分が解らなくなって」
安東 邑:「代わりに、『許せない』って思いだけが......影みたいに頭ン中に広がったんすよ」
木場田つぐみ:じっと、その悩みをただ聞く。
安東 邑:「正直」手を抑えて、呟く
木場田つぐみ:「自分が自分じゃないみたい、かな」
安東 邑:「!」ぱっと顔を上げる
安東 邑:「凄いな。先輩はやっぱり、どこまでもおれの先輩だ」
木場田つぐみ:「いや……これは、寧ろぼくのせいかもしれない」
安東 邑:「え......なんでっすか?」きょとんと呆けるような顔
木場田つぐみ:「……オーヴァードには、12種の衝動がある。教えたね」
安東 邑:「え~っと、加虐、憤怒、殺戮、恐怖......」つらつらと並べていく
木場田つぐみ:「解放。吸血。飢餓。殺戮。破壊。加虐。嫌悪。闘争。妄想。自傷。恐怖。憎悪」
安東 邑:「気が滅入るようなのばっか」んべーと舌を出す。
木場田つぐみ:「これらは、全てのオーヴァードを駆り立てるものだ」
木場田つぐみ:「……ふふ、まあそういう風な力だからね。病気なのさ、これは」
安東 邑:「おれも、そん中のどれかに駆り立てられてたってことすか」
木場田つぐみ:「うん。其れで…ぼくは、殺戮だ」
安東 邑:目を細める。ひっくり返った臓物と皮膚、そこから咲く血の匂い。
木場田つぐみ:「他のそれが、自身の内側か、外側に抱く感情であるのに対して…ただ生命を害することをこそ希求する」
木場田つぐみ:「あの一年前の時みたいにね。あと、ぼく随分物騒になったろ?」
木場田つぐみ:「責任転嫁はしないけど、影響はある」
安東 邑:「......美人になったって意味なら、ハイ」弱く笑う。
木場田つぐみ:「ありがと。御世辞もうまくなった」苦笑して。
木場田つぐみ:「で、だ。安東くん、きみが覚醒したとき」
木場田つぐみ:「ぼくが、強く関わってるだろ?それに、今も」
木場田つぐみ:胸元に掌を当てる。
安東 邑:「それは......そうっすね。何かメチャクチャ死ぬ死ぬ詐欺してますけど」
木場田つぐみ:「まだ、”つながり”がある。覚醒したとき、ぼくの”声”を、きみは吸収した」
安東 邑:「あ~~」ホテルの間接照明を弄りながら、思い当たったような声を上げる。
木場田つぐみ:「つまり、ぼくの……”殺戮”の衝動方向性を持つレネゲイドに、影響されていると言うわけだ」
安東 邑:「おれの、触手、が......先輩の”殺戮”の衝動を吸って。そんで、今凶暴になっちゃってるってことすか。おれが」
木場田つぐみ:「そうじゃないか、ということだね」
安東 邑:「確かに、聞こえたもんな......すげえ怖い声――何言ってるかは分かんなかったすけど」
木場田つぐみ:「だから、あまり気に病まないでいい。ぼくのせいにしてしまえ」
木場田つぐみ:苦笑する。
安東 邑:「ええ~っ」露骨に嫌そうな顔。
木場田つぐみ:「それが嫌なら、きちんと衝動を抑制できるように努力すること。方法とかは教えるから」
安東 邑:「そっちの方が性にあってます教えて下さい」食い気味に。
安東 邑:「誰かのせいにしなくていいなら、そんなに素晴らしいことってなくないっすか?」
木場田つぐみ:「そうかな。そうなら、こうも宗教を人間が必要とするかい?」
木場田つぐみ:「ふふ、ぼくも結構努力したし…それに、きみになら他のひとより教えやすいと思うんだよな」
安東 邑:「お。見込みアリ?」
木場田つぐみ:「じゃあ、ベッドに座って。早速やってみようか」
木場田つぐみ:自分の隣をぽんぽんと叩く。
安東 邑:「オッス!やー、一年前に図書館で教えて貰ったこととか思い出すな~」妙にニコニコしながら枕を二つ持って、先輩の隣に
安東 邑:「おれの枕、座椅子にでも使ってください。安物のベッドだからちょっと痛いでしょ」
木場田つぐみ:「懐かしいねえ。…いや、いいよ。隣にいないと、ちょっと調整が難しい」
木場田つぐみ:そっと身を寄せて、掌を彼の背中に当てる。
木場田つぐみ:「では、レッスン1だ。まず、きみは自分の衝動を知らなくちゃいけない」
安東 邑:「よ、よろしくお願いします......」声をわずか震わせながら
木場田つぐみ:そう言って、少女は丁寧にきみにレネゲイドを制御する術を伝えていった。
木場田つぐみ:きみが疑問を抱けば、それに丁寧な説明をして、あなたに敢えて考えさせるようにしたり。
木場田つぐみ:そして、衝動が暴れればーー
木場田つぐみ:「敢えてちょっと惹起させたけど、大丈夫かい。ぼくの声は聞こえてる?」
安東 邑:「あ......はい。何、とか......」
木場田つぐみ:「どういう感じ。急にぼくのこと殺したくなったり、憎くなったりしたりしてる?」
安東 邑:「いや......イマん所、『許せない』ってのは、まだ...あ、でもちょっと、やばいかも。溢れそう」
木場田つぐみ:じ、と薄い褐色に灰色と燃えるような影の色を混ぜた瞳が見ている。
木場田つぐみ:「ぼくの眼を見て」
安東 邑:「何か...落ち着くこと考えたほうが良いっすか」荒い息をしながら、赤灰の瞳を見る。
木場田つぐみ:「大丈夫。急に割り込む、となるとこれは”妄想”かな…」
木場田つぐみ:「ぎりぎりまでやるよ。不味くなったら抑えるから」
安東 邑:頷いて、再び思考の海へ。(先輩と行ったカフェとか、さやさんの歌とか、えいらさんのお香とか、姉さんの...布団に入り込んできたあったかさとか...大学のダチ...バイト先の、店長...)
安東 邑:(なんだろ、これ......昔、見た、特撮...悪の女幹部...うわ、懐かしいな。おれがそこに居るんだ。おれ?俺って何だ。おれって誰だ)
木場田つぐみ:丹い紅い、血もなにも褪せ切った灰のような眼。
木場田つぐみ:ただあなたを見詰めている。その瞳の中に、あなたが写っているーー
なにか:ぼんやりと、目から光が消え。先輩の瞳が、彼の瞳に映らなくなる。
なにか:「おれは」
なにか:「正義の――」
木場田つぐみ:息を一つ吸う。
木場田つぐみ:「”木場田つぐみからかそけきあなたへ”」
木場田つぐみ:レネゲイドを帯びた声だ。
木場田つぐみ:でも、あなたにも聞こえている。内容が分かる。
安東 邑:「正義のって何だよ!」ガバッと立ち上がる。
木場田つぐみ:「”深き水底。沈む臘月。されど再び浮かび昇る”」
木場田つぐみ:「”--”」
安東 邑:「おわっ...ストップ!直りました!治りましたから!」
木場田つぐみ:「……大丈夫かな?」
木場田つぐみ:「良かった」
安東 邑:レネゲイドを帯びた、脳を直接洗われるような感覚に――ちょっとふらつきながら、サムズアップ。
安東 邑:「やっぱ先輩、笑ってる顔超可愛いっすね」冗談まで言う余裕も。
木場田つぐみ:「……大分手荒になっちゃったけど、衝動っていうものが怖いのが分かったと思う」
木場田つぐみ:「……ばか。なにいってるの」
木場田つぐみ:赤面して。
安東 邑:「ウッス。余計なこと言いました」にやりと笑う。
木場田つぐみ:んん、と咳払いして。
木場田つぐみ:「ともあれ。オーヴァードは、ずっとこれに悩まされるんだ」
木場田つぐみ:「そして、エフェクトを使い過ぎたりすると、”これ”に飲み込まれる」
木場田つぐみ:「帰ってこれなくなる」
安東 邑:「あ~......めちゃくちゃしんどいな、それ。ジャーム化ってやつすか」ふらふらしながら、ベッドに腰を下ろす
木場田つぐみ:「誰もがそうだ。きみも、ぼくも、」
木場田つぐみ:「ねねさんも、猿喰さんも、床名さんもだ」
安東 邑:「......ふざけてますね」
木場田つぐみ:「わかるかい。誰もが怪物に成り得る」
安東 邑:頷く。
木場田つぐみ:「………うん」
木場田つぐみ:息を吐く。
木場田つぐみ:決めた。
木場田つぐみ
木場田つぐみ:彼の手を取る。
木場田つぐみ:自分の胸元ーー古い、一年前に着いた傷へ当てる。
安東 邑:「ちょっ...何すか。大丈夫っすよ、俺別に先輩が怪物でも気にしませんし」
安東 邑:軽口を叩きながら、そっと導かれる。
木場田つぐみ:「………ふふ、違うよ」
木場田つぐみ:「…そんな、怪物に成り得るそんな運命から。遠ざかる方法がある」
木場田つぐみ:「……特別に、きみにだけおしえてあげるーー」
木場田つぐみ:GM、RHOを公開します。
GM:了解いたしました。

PC2:木場田つぐみ
君の覚醒時の事件は、 “カーマーゼンの黒書”というアイテムの争奪戦であり、これはオーヴァードを覚醒させ、さらに衝動を強く励起するものであり、また鎮静するのだという。
 木場田つぐみはこのアイテムと同化することで覚醒しており、また安東邑を覚醒させたのもこのアイテムの影響がある。 そのため、“器物使い”として物品の操作に長ける安東邑は、つぐみから“カーマーゼンの黒書”を抜き出すことが出来る。 
このレネゲイドを励起・鎮静するアイテムを用いることで、所有者とその近くのオーヴァードはジャーム化の恐怖から遠ざかることが出来るだろう。 
そうでなくても、UGNに渡せば侵蝕に悩むオーヴァードたちへ福音となる研究が進むであろうし、FHに渡せば巨額の資産や強力なアイテム、地位を得られる可能性は高い。
もしこのアイテムを抜き取られた場合、木場田つぐみはDロイス不死者を失い、オーヴァードとしての能力も低下していくこととなる。

木場田つぐみ:「わかるかい。いや、きみには分かるはずだ」
木場田つぐみ:「ぼくの胸の中にある、この”黒い書物”のことが」
安東 邑:――『■■ ■■■ ■■■■』
安東 邑:憶えている。忘れるわけがない。おれをあの時殺した、甘くつめたい声。
木場田つぐみ:「そしてーーきみにはこれを、使うことができることも」
木場田つぐみ:「いいよ」
木場田つぐみ:「きみなら、いい。ううん」
木場田つぐみ:「きみがいい。ぼくは、こんなもののせいで本当にひどい目にあったけど」
木場田つぐみ:「せめて、きみを繋ぎとめるものになるなら。きみが、怪物にならないで済むなら」
木場田つぐみ:「知らない誰かなんかに取られるよりーーそのほうが、ずっといい」
木場田つぐみ:昔のようでいて。
木場田つぐみ:それよりずっと、静かな微笑みだった。
安東 邑:「――それ」目が据わっている。
安東 邑:「取ったら、先輩どうなるんすか」
木場田つぐみ:「わかってるだろう」
安東 邑:「わかりたくない」
木場田つぐみ:「答えが分かってるのに、それを書かないのは……」
木場田つぐみ:「学徒として、失格だぞ」
安東 邑:「......今なら!まだ!なかったことに出来るって言ってるんです、よ......」振り向いて、気付く。
安東 邑:笑っている。
木場田つぐみ:ぴん、と額を指で突く。
安東 邑:「そんなん......先輩が、そうなりやすくなるってことじゃないすか」
木場田つぐみ:「あと半年」
安東 邑:「はん、年?」
木場田つぐみ:「もし、ぼくがこのまま”カーマ―ゼンの黒書”を持っていたとしても、それが限界」
木場田つぐみ:「そろそろ、UGNもFHも本腰を入れるからね」
安東 邑:「......」
安東 邑:UGN。FH。この世界には、途方もない巨大な暴力があるのだという。そして今までも、自分たちはそれらに守られてきたのだと。
木場田つぐみ:「そうなったら、ぼくと、雇える傭兵とかの数人程度のオーヴァードでも、どうしようもない」
安東 邑:「......”カーマ―ゼンの黒書”とかいうクソみてえな本が、全部悪いのか」ぽつりと呟く。
木場田つぐみ:「まさか」
安東 邑:「だって!」立ち上がる。
木場田つぐみ:「これは、ただの本に過ぎないよ。むしろ、ぼくたちには恩恵がある」
木場田つぐみ:「きみは、毒ガスや銃とかで人が死んだとして…銃が悪いのかい?そんなはずがないだろ」
安東 邑:「知りませんよ!そんなもんがあるせいで先輩が追われて、あまつさえクソみたいな兵器の材料にならなきゃいけないわけでしょ!?」
安東 邑:「だったらおれは銃だって憎んでやる!」
木場田つぐみ:「だから、なりたくないって言ってるんじゃないか」
木場田つぐみ:「”正しく使ってほしい”、って。そう思う」
安東 邑:「......」
木場田つぐみ:「ね」
安東 邑:そうだ。先輩の言うことは、何も間違っていない。
安東 邑:......一つだけある。先輩をただのオーヴァードに戻して、その後も。ずっと彼女を笑わせてあげる方法が。
安東 邑:正義の、ヒーローなら。
安東 邑:「......それ抜いたら、先輩は弱くなっちゃうんですよね」
木場田つぐみ:「……すぐには、出来ないよね。でも、安東くん」
木場田つぐみ:「ねねさんと一緒に暮らすのは、楽しいかな」
木場田つぐみ:「猿喰さんがやってくる日々はどうだった?」
木場田つぐみ:「床名さんと出かけるときは、どう?」
安東 邑:「......楽しかったよ」ぼそりと答える。
安東 邑:「人生で、一番楽しかった......!当たり前でしょ......!」
木場田つぐみ:「うん。そうなっちゃうねえ」
木場田つぐみ:「ふふふ」
安東 邑:「先輩とだってそうですよ!」がしっと肩を掴む。
木場田つぐみ:「だったら、みんなを護ってあげなきゃ」
木場田つぐみ:ぁ、と小さな声を零して。
木場田つぐみ:そのまま倒れる。
安東 邑:「その、みんなに――なんでいっつも貴女は入ってないんですか。マジでふざけてるでしょ」
木場田つぐみ:「………だって、ねえ」
安東 邑:「えいらさんも、さやさんも、姉さんも、そんで、先輩も――みんな大切にしたいんですよ!おれは!そんくらい解るでしょ!」
木場田つぐみ:「一杯殺したよ。傷つけたりした」
安東 邑:顔が歪む。
木場田つぐみ:「それにね」腕を伸ばす。頬に。
木場田つぐみ:「あなたを殺したんだよ、ぼくは」
安東 邑:ぎり、と歯ぎしり。
木場田つぐみ:「あの時ね、ぼくは」
木場田つぐみ:「すごいドキドキしてた。素敵な男の子に腕を引かれて。この子と一緒なら、何処にだって行けそうだって思ってた」
木場田つぐみ:「そんな風に想いながら、ぼくは殺せる人間なんだ」
安東 邑:ぐい、と噛み締める。今にも泣きそうだ。
安東 邑:それでも。
安東 邑:「......そうっすよ。先輩は」
安東 邑:は、と息を吐く。おれは今から、本当に最悪なことを言う。
安東 邑:「人殺しです。気に、してますよ」
安東 邑:嘘だ。恨みなんて、これっぽっちもない。
安東 邑:「最低だ!」
木場田つぐみ:笑った。苦笑いみたいに、しょうがないことなのだと、そう思いながら。
安東 邑:嘘だ。そうしなければならなかったことを、他の誰よりも知っている。
安東 邑:「だ、だから......!」
木場田つぐみ:「そうだよ」
木場田つぐみ:「だから、きみが気に掛ける必要なんて、ないんだよ」
安東 邑:目を閉じる。先輩との今までを、思い出す。
木場田つぐみ:「見捨てて当然だ。誰も咎めない。誰も、あなたを責めたりなんてさせるものですか」
安東 邑:「......うん。先輩は、悪い奴だから」
安東 邑:「他の皆が見捨てて当然の、悪い奴、だから......!」くそっ、と毒づく。言葉が出てこない。言わなければ
安東 邑:「だから!」
安東 邑:「正義の、ヒーローの俺が......!」
木場田つぐみ:「うん」その言葉の先を待つ。
安東 邑:「ずっと、傍で!」再び、肩を掴む。抱きしめる。
安東 邑:「見守らなきゃ、なんだ、みんなを――守らなきゃ」
木場田つぐみ:「ぁ、」
安東 邑:「だから。先輩は」
安東 邑:もう二度と、離さないように。
安東 邑:「ずっと、俺の監視下です」
木場田つぐみ:「…………………きみ、ってやつは……」
安東 邑:「悪い奴だから。弱くなったところを見繕って」
安東 邑:「クソ野郎が襲ってくるかもしれない。ぶっとばします」
安東 邑:「他のみんなと同じように、ほかのみんなといられるように、おれが先輩を守ります。ずっと」
安東 邑:「......ごめんなさい」
木場田つぐみ:「………そのひとたちが、実はぼくに親兄弟や、恋人を殺されているのかもしれないよ」
木場田つぐみ:「きみも、そいつをさっさと殺せばいいのにって、そう思われてしまうかも」
安東 邑:「解ってる。だから、貴女を最後に殺すのはおれだ」
木場田つぐみ:「、ぅ」
木場田つぐみ:ぅう、と唸り声のようなものを上げて、顔を覆う。
安東 邑:「ずっと見て、見守って、最後に......満足したくらいで、衰弱死させてやる」
安東 邑:ごめんなさい、ともう一度言う。
木場田つぐみ:首筋から鎖骨のあたりまで真っ赤だった。
安東 邑:「......おれと、不幸になるって。先輩が言ったんすよ」
木場田つぐみ:「……ばか」
木場田つぐみ:「ぼくは、それもいいな、って…そう思っただけだよ…」
木場田つぐみ:「ばか」
木場田つぐみ:「きみはばかだ。すごいばかだぞ」
木場田つぐみ:「分かってる…?」
安東 邑:「そんなバカバカ言わないでくださいよ。本当にそんな気がしてくるでしょ」
木場田つぐみ:「本当のことなんだから、しょうがないだろ」
木場田つぐみ:ぺちぺちと軽く叩く。
安東 邑:「勘弁してくださいよ、もともと大して詰まってねー頭なんだからさー」
安東 邑:糸が切れたように、ベッドにごろりと倒れ込む。
安東 邑:「......すみません。勝手に抱いちゃってました」
木場田つぐみ:「そんなことないでしょ。人間の出来は、勉強するかどうかだよ」
木場田つぐみ:「……いいよ」
木場田つぐみ:眼を瞑る。
木場田つぐみ:「……もう。色々、考えてたのに」
木場田つぐみ:「…どうしてかな………」胸元に顔を埋める。
安東 邑:「色々って何すか」
安東 邑:「って、お、わっ......」
木場田つぐみ:「どうやって、迷惑掛けずにいなくなって…それから、どういう風に行動しようかな、って」
安東 邑:「先輩も大概アホでしょ!」がばっと起き上がって、ずり落ちた先輩の頭を抱える
木場田つぐみ:「全部台無しだよ。わかってる?」そのまま落ちるのと、支えられるのに身を任せて。
安東 邑:「へっへっへー。悪の女幹部なんだから......正義のヒーローの目論見に打ち砕かれるのは当然でしょ」
安東 邑:「......先輩が、自分が悪い人だって思ってる限り。おれも貴女を、離せませんから」
木場田つぐみ:「……そっか。そういうのも、あるのかな」
安東 邑:頷く。
木場田つぐみ:「……ぼくの罪は、消えないよ。したことは、絶対に消えない」
木場田つぐみ:「ああ……いやだな。きみの脚を引きたくない。そんなことに、なりたくないのに」
安東 邑:頷く。さらさらの髪を撫でる。
木場田つぐみ:眼を閉じて、そのまま身を任せている。
安東 邑:「......先輩は、苦しんでください。そんで、俺んとこ帰ってきてください。馬鹿な考えが浮かんで来たら、砕けるように」
木場田つぐみ:「……うん。君が、そうして欲しいと言うなら。ぼくは、きっとそうする…」
木場田つぐみ:酷く安らいだ気持ちになった。胸がぽかぽかする。
安東 邑:先輩は、良い人だ。苦しんでないと、辛い。その矛盾に、あまりにも遠い悲しみの匂いがする。
安東 邑:「......色々落ち着いたら、本抜きますから。それまで、大丈夫ですか」
木場田つぐみ:「………いいよ。いつでも……ふふ」
木場田つぐみ:「楽しみだ、なんて思っちゃう」
木場田つぐみ:ああ、と吐息が零れる。
木場田つぐみ:「………ね」
木場田つぐみ:「……悪人のぼくは捕まって、きみとそう誓うから」
木場田つぐみ:「……えっと、その……」
安東 邑:「なんです?」いつものように。人懐こい笑顔で。顔をずいと覗き込む。
木場田つぐみ:白い肌を赤く染めて。
木場田つぐみ:きみを見上げる。どこか潤んだような。
木場田つぐみ:「……ぅ、あの………えっと、ね…」
安東 邑:たじろぎながら、息を吐く。ブレスケアの香りがそっとけぶる。
木場田つぐみ:少し身じろぎしながら。でも君の腕の中から出ようとはせず。
木場田つぐみ:「………女の子のぼくと、男の子の、あ、いや、その…」
木場田つぐみ:「ゅ、邑、くん、は……」
木場田つぐみ:「ぅ、ううぅ~~~っ」
安東 邑:「あ~~~~」察する。
木場田つぐみ:「わ、忘れてっ」
木場田つぐみ:じたばた。
木場田つぐみ:「ああもーっ、キスとかそういうのしたことあるのにっ!ううーっ」
木場田つぐみ:「恥ずかしぃ………」
安東 邑:「......何か腹立ってきたな。誰とすか」覆いかぶさる。
木場田つぐみ:「あ、いや、テキトーなFHセルとかの…」
木場田つぐみ:ついそのまま答えてしまう。答えてから何言ってるんだぼくはと口を覆った。
安東 邑:「ソイツ、おれより......良い奴でした?」
木場田つぐみ:「そ、そんなわけないよ!」
木場田つぐみ:「だ、だって」
木場田つぐみ:「こ、こんなに恥ずかしくて……身体が熱くて、ふわふわするの、はじめてでっ……!」
木場田つぐみ:「…だ」
木場田つぐみ:「誰かを、すきになったのも………」
安東 邑:「..................」
安東 邑:ぐらり、と傾いて。
安東 邑:「先輩」
木場田つぐみ:「ぁ、う」
安東 邑:「めちゃくちゃにしちゃうと思うんすけど」
木場田つぐみ:「ふぇっ!?」
安東 邑:......胸の傷を見る。
木場田つぐみ:「ぇ、ええと、その、」わたわたして。
木場田つぐみ:「ぅ、ううう~っ………。そ、その」
安東 邑:「嘘です。優しくしますから。おれ初めてっすけど」
木場田つぐみ:「ぃ、ぃぃょ……?」本当に小さな声が、あなたの耳に入る。
GM:明かりが、消える。

GM:ロイスのみ可能。
木場田つぐみ:”後輩”安東邑 〇依存/罪悪感の感情を変えますー
木場田つぐみ:”すきなひと”安東邑 〇思慕/罪悪感 に。
GM:Sロイス指定とかしてもいいんじゃよ
木場田つぐみ:あとSロイス指定します~
GM:やったね〜
安東 邑:..................??? ...................!!!
GM:尚、猥褻は一切ありませんでした
GM:いいね?
安東 邑:はい(フワ―)
木場田つぐみ:はーい うう~~
安東 邑:あの後帰ってきた面子にバレそうになって......
安東 邑:ロイスを......変更します.......
安東 邑:”悪い先輩”木場田つぐみ:〇一生守る/共犯者で

追想:木場田つぐみの場合

GM:ハンドアウトシーンになります。よろしくお願いします。
木場田つぐみ:了解です!

GM:木場田つぐみは回顧する。
木場田つぐみ:昔のことを。今までを。暗く何も見えない、そんな日々を。
木場田つぐみ:そして、その原因を知った日を。
木場田つぐみ
木場田つぐみ:ーーカーマーゼンの黒書、と言う名前は。
木場田つぐみ:元は、ウェールズの一都市にて発見された、ウェールズ語の最古文献から取られたものなのだ、という。
木場田つぐみ:どうしてその名前を取ったのだ、と聞いたことがあった。
 :「そいつは、未知の“言葉”で書かれてるのさ」
 :「文法も何もメチャクチャで、前の法則が次で繋がってさえいないが」
 :「ただそれが、“言葉”であることはわかるーーどんな奴にもだ」
木場田つぐみ:それからだってよ、と投げやりな言葉を聞いた。
木場田つぐみ
木場田つぐみ:レネゲイドコントロールの訓練と、実戦を通じて。
木場田つぐみ:ぼくにも、理解が深まってきた。瞑想や集中。そして力を振るう感触ーーそれを通して。
木場田つぐみ:“読み進めている”。
木場田つぐみ:これは、この本に書かれているものはーー
木場田つぐみ:なんてことはない、よくある叙事詩、英雄譚なのだ。
木場田つぐみ:その名前の元となったカーマーゼンの黒書に、アーサー王の物語が書かれているように。
木場田つぐみ:…誰かがそれを、ぼくの前に言っていたのだろうか?
木場田つぐみ:読み進める--内容を、自然と”知っていく”。
木場田つぐみ
木場田つぐみ:たとえ千年、万年が過ぎて。
木場田つぐみ:国が滅びまた興り、住む者どもが何度消えても。
木場田つぐみ:この物語を、英雄の姿を、どうにかして残そうとして。
木場田つぐみ
木場田つぐみ:だから筆者は、こんな言葉とも言えぬ言葉を選んだのだ。
木場田つぐみ:世界そのものへ命ずる言葉。クオリアの境界さえも越える聖句で。
木場田つぐみ:読んだ者が、この物語を忘れぬように、お節介な機能までつけて!
木場田つぐみ
木場田つぐみ:ーー最初に由来を聞いたとき、抱いたのは怒りだった。
木場田つぐみ:どうしてぼくが、と。情けなく当たり散らした。
木場田つぐみ
木場田つぐみ:ーー次に秘めた効力を知った時、抱いたのはどう利用できるかと言う計算だった。
木場田つぐみ:自分が如何にその力を用いるべきか、利益のみを見た。
木場田つぐみ
木場田つぐみ:ーーそして。
木場田つぐみ:その物語の内容を、作った誰かの、そんな願いを知った時は。
木場田つぐみ
木場田つぐみ:吐息をつく。
木場田つぐみ:「………ばかなやつだなあ」
木場田つぐみ
木場田つぐみ:その物語は、名前の元の書に載っている、アーサー王の物語に少し似ていた。
木場田つぐみ:続く戦乱。蔓延る疫病。奪われる人々は嘆き、強者と悪漢こそが笑う時代。
木場田つぐみ:そんな中に、一人の少年が立ち上がる。
木場田つぐみ:もはや誰も見向きもしなくなった、王者の剣を引き抜いて。
木場田つぐみ:誰もが自分のことだけを思う時代だった。
木場田つぐみ:そんな中で、誰かを助けようとする彼は、誰からも見向きもされないで。
木場田つぐみ:ーーそれでも、少年はどうにかしようと足掻くのだ。
木場田つぐみ:上手くはいかない。足蹴にされて、酷い目にあって。
木場田つぐみ:それでもと続けていくうちに、段々とその旗に人々は集まっていく。
木場田つぐみ
木場田つぐみ:そんなお話しで。
木場田つぐみ:そんな姿が、あの日のかれのようで。
木場田つぐみ:そんな風に、重ねて見てしまったから。
木場田つぐみ
木場田つぐみ:「……捨てられなくなっちゃったじゃないか」
木場田つぐみ
木場田つぐみ:あの街を、もう一度尋ねようと決めたのは、そんな感傷からだった。
木場田つぐみ:追撃が激しくなり、疲労とストレスばかり積もっていって。
木場田つぐみ:ぼろぼろのくたくたで、それでも。
木場田つぐみ:最期を迎えるなら、かれの近くがいいと思った。
木場田つぐみ
木場田つぐみ:これはたったそれだけの、つまらないおはなし。
木場田つぐみ:とある女の子が、むかし好きだった男の子の元を訪ねようとした、そのきっかけ。
木場田つぐみ:何の意味もない、つまらない、
木場田つぐみ:そんなただのお話のひとつ。
木場田つぐみ
木場田つぐみ:ぱらぱらと、風にページが捲られる音がした。

ミドル5−2:本当の記憶

GM:では、ネクストデーーートタイム!
GM:ヒロインと場所を選んでね!
安東 邑:姉さん、久しぶりにどっか二人で遊びに行こうぜ~!
風間 ねね:良いよ~!
風間 ねね:じゃあホテルな
安東 邑:バカヤロー!
風間 ねね:あっ、しまったなあ~~~~~そちらの指定手番だわ
風間 ねね:好きに選ぶが良い……
風間 ねね:屋上の夜景とか、スイートルームでもいいぞ……
風間 ねね:という訳で水族館リクエストが来たのでノリます
GM:オッケ〜〜〜
風間 ねね:水族館ではいやらしい雰囲気にできないじゃないか……w

風間 ねね:イルカたちが軽やかに飛び回った後のプール。
風間 ねね:平日で、ショーが終わった後となれば、そのベンチに座るものも居ない。
風間 ねね:近くにあるアシカの水槽を眺める子供が居るくらいだ。
風間 ねね:「こんな差し迫った時にお姉ちゃんとデートだなんて」
風間 ねね:澄ました声はどこか楽しそうに弾んでいる。
風間 ねね:「邑クンは本当に甘えん坊さんですね」
安東 邑:「や~、ごめんね。でも、最近忙しくて姉さんのこと結構ないがしろにしちゃってたから」
安東 邑:「今日はお詫びも兼ねて、一緒に遊びたかったんだ」
安東 邑:そう言いながら、スマホを一瞬だけ見る。
安東 邑:「......ん。よし」
風間 ねね:「それはつまり、木場田ちゃんといちゃこらしていたのを知られた分……埋め合わせをしようと?」
風間 ねね:「どうなんですか? ん?」
風間 ねね:ずいずいと笑顔のままで顔を近づける。
安東 邑:「そんなんじゃないけどさあ!アレはホラ......面白がったさやさん達が電気消したのが悪いじゃん!」
風間 ねね:「見事な消灯タイミングでしたよねぇ……」
安東 邑:「......まあ、それもないって言えば嘘になるけどさ」頭を掻く。
風間 ねね:「けど?」
安東 邑:「姉さんと遊ぶの、楽しいんだよ。ダメかな」
風間 ねね:「…………」
風間 ねね:「しっかたないなあ~~~~~~~~」
風間 ねね:えへへ、とだらしなく表情を緩ませる。
風間 ねね:「子供の頃からお姉ちゃんについて回ってましたからね、邑クンは」
風間 ねね:「覚えてますか? この水族館にも家族で来たんですよ?」
安東 邑:一瞬、表情が曇る。
安東 邑:「家族、って......どっちの?」
風間 ねね:「私は生まれたてのレネゲイドビーイングですから。家族も何もいませんよ」
風間 ねね:クスッと笑ってから。
風間 ねね:「ああ、いえ、今は邑クンのお姉ちゃんですけどね」
安東 邑:「......そうだよ。そんな悲しいこと、言わないで欲しいな。これからも、おれは家族だよ」
安東 邑:頷いて。けれど、ため息を吐く。
安東 邑:「っつーことは、おれが覚えてない”姉さん”とってことか」
風間 ねね:「ええ、そうです」
安東 邑:「......でもじゃあ、姉さんはどうしてそのこと知ってるのさ」あっけらかんとした調子で聞く
風間 ねね:「そう、そうですよね」
風間 ねね:「そのことについては、まだ説明していませんでした。そして」
風間 ねね:少しためらった後。
風間 ねね:「それでも、あなたが覚醒し、状況がここに至ったのならば、伝えなくてはなりません」
風間 ねね:二人になりたいと言ったのも、つまるところ、そういうことだ。
安東 邑:こくり、と頷く。
安東 邑:「聞きたい。聞かせて、姉さん」
風間 ねね:「代わりに、聞かせて」
安東 邑:「?」
風間 ねね:「あなたの大変だったこと、辛かったこと、嬉しかったこと、楽しかったこと」
風間 ねね:「今からする話と、引き換えに――」
風間 ねね:「私が、姉《ワタシ》である為に」
風間 ねね:RHOを公開します
風間 ねね:GM、よろしくおねがいします

PC3:風間ねね
君は「安東未唯」の記憶を受け継いでいる。
彼女は記憶処理及び情報操作によって存在を消された安藤邑の実姉だ。
故に、君は安東邑の側にいた。彼の姉として。
……安東未唯の記憶の中には、生体兵器「ライゼンフォル」の認証キーがある。
侵蝕の直接操作を可能とするFHの兵器で、未唯が開発させられていたものだ。
他にも用意したセーフティーはあるが、それを誰にも渡してはならない事はわかる。
だが、もしも安東邑の身に危険が及んだなら……

風間 ねね:「……と、言うわけです」
風間 ねね:「安東未唯は、今私たちが関わっている兵器の開発に関わっていました」
風間 ねね:「そんな彼女から受け継いだ情報の中で、最も優先度が高いものが、ええ、そう」
風間 ねね:「弟《ゆう》クンのことだったのです」
風間 ねね:「私はその情報に従い、今も活動をしています。いえ、していました。これまでは」
風間 ねね:安東邑の手を握る。
風間 ねね:「なのに、お姉ちゃんは、最近変です」
風間 ねね:「与えられた条件やプログラムされた行動原理以上に、姉だからではなく、えっと……」
風間 ねね:困ったような顔をする。
風間 ねね:「私はあなたの傍に居たいと思っている」
安東 邑:「......」
風間 ねね:「あの時、私を私のままで、お姉ちゃんで居ることを、許してくれた時から、ね」
風間 ねね:「そう、いままでは」
風間 ねね:「邑クンが女の子に好かれていても、害のあるものから守っているだけで良かったのに」
風間 ねね:「あの部屋で二人が一緒に居るのを見てから……苦しい、気がします」
安東 邑:「それはおれのことを、異性として......その、見てくれてるってこと?」頭に手をやりながら、辛うじて口を開く。情報量が多すぎる。
風間 ねね:きょとんとした表情を浮かべる。
風間 ねね:「異性……ああ、そうか」
風間 ねね:これは――そういうものなのか。
風間 ねね:「お姉ちゃんは、駄目なお姉ちゃんですね」
風間 ねね:これは“私”の感情なのか、安東未唯の感情なのか。
風間 ねね:そんなこともわからない。
安東 邑:「......そんなことないよ」
安東 邑:「姉さんは、凄いよ。今までおれのことを、ずっと守って来てくれたんだろ」
風間 ねね:「えへへ……駄目なお姉ちゃんの方がかまってもらえると思ってたのに台無しです」
風間 ねね:けど、その言葉が誇らしかった。
安東 邑:「良いんだ――今その気持ちがあるなら、解らなくたって良いじゃない。それはもう」
安東 邑:ぱしゃり、とどこかで水の跳ねる音がする。もうイルカは行ってしまったのに。
安東 邑:「それはもう、姉さんのものだよ」
風間 ねね:「……はい!」
風間 ねね:決めた。
風間 ねね:この人についていこう。
風間 ねね:人格を規定し、機能を付与すべく与えられた安東未唯の記憶だけが理由ではない。
風間 ねね:この人が傍に居て、私は私になっていく。
風間 ねね:「じゃあ、そうですね」
風間 ねね:「私の話が終わったところで、次は邑クンの番。ゆっくり、じっくり、私の知らない記憶を埋めていってもらいましょうか」
安東 邑:――あなたはきっと、忘れていない。
安東 邑:これは、誰と居た記憶だろう? 離してはならなかった手触りだけは、鮮明に覚えている気がする。
安東 邑:「そういえば......うん。おれは、誰かを......小さい頃から、守りたがってた気がする」
安東 邑:テレビの特撮。DVDで見た、赤いクワガタみたいな変身ヒーロー。
安東 邑:その主人公が言っていた。皆の笑顔を守りたいのだと。
安東 邑:これは、誰の記憶だろう? 同じことを、隣に居た誰かに言った気がする。
安東 邑:「......そうだ。おれ、秘密のタイムカプセルとか家の庭に埋めてて。高校卒業する時に、それほじくり返して」
安東 邑:「そうしたらその中に、知らない魔法少女のカードとか......入ってて」
安東 邑:「それに、書いた記憶のない手紙も出て来たんだ。『お前はヒーローになれ』って、書いてあった」
安東 邑:「そうだ」
風間 ねね:「そう……」
風間 ねね:静かにうなずく。
安東 邑:「あそこに、いたんだ。今ならわかる」
風間 ねね:絶望の底で。
風間 ねね:悪意の極北で。
風間 ねね:輝くものを信じていた少女が居た。
風間 ねね:「居たんですよ、彼女が」
安東 邑:ぎゅっと、掌を握りしめる。
安東 邑:「......姉さん。さっき見てた、スマホの話だけどさ」
風間 ねね:「ええ、どうしたのですか?」
安東 邑:「大学の成績、帰って来たんだ。オールAだから、もうしばらくは...大学、なんもない」
安東 邑:「だから...今からおれは、期間限定で」
安東 邑:「正義のヒーローだ」
風間 ねね:「……あらあら、それはそれは」
風間 ねね:前に、彼は安東未唯を救うと言った。
風間 ねね:確かに、救ったと思う。
風間 ねね:今の彼の姿が、思いが、何よりも、救いだ。
風間 ねね:「じゃあお姉ちゃんが魔法をかけてあげましょう」
安東 邑:「魔法?って、そうか.....そういうの、好きだったんだっけ」
風間 ねね:「そうです。助けを求める人が居れば、どこまでも飛んでいける。ヒーローの為の魔法を」
風間 ねね:だから、こんな私でも、傍に居させてね。
風間 ねね:傍に居ないと駄目にしてあげるからね。
安東 邑:手を重ねる。自分よりも、小さい手。おれを守ってくれた手。
安東 邑:心配を掛けないようにしないとならないと、そう思う。
安東 邑:先輩も、姉さんも。こんなおれのことを、好きだって――そう言ってくれた。
安東 邑:そう言ってくれた人のことを泣かせるのは...たぶん。ヒーローの仕事じゃない。

GM:ロイスのみ可能です。
風間 ねね:ではそうですね
風間 ねね:“私の弟” 安東邑 ◯純愛/執着 Sロイス
風間 ねね:これで
安東 邑:姉さん.........................
GM:邑くんの方も大丈夫かな?
安東 邑:”おれの姉さん” 風間ねね 〇魔法をかけられた/執着
安東 邑:これで
GM:んん〜ヨシ!
安東 邑:すみませんメチャクチャ考えちゃってた
GM:いいのよ
風間 ねね:抱きしめあって魔法
風間 ねね:二人の勇気の場所じゃん
安東 邑:姉さん!人前人前!
風間 ねね:Gセルフだよこれは……

追想:風間ねねの場合

GM:───安東家。
風間 ねね:いつもどおり弟のベッドに潜り込んでまた眠りについた筈だ。
風間 ねね:だというのに、まだ意識がはっきりしていて、一人きり、暗い空間の中に居る。
風間 ねね:――ああ、きっとこれは、夢なのだ。
風間 ねね:「ついに、話しちゃいました。今更ですが、これまでの努力が水の泡……です」
風間 ねね:近くに感じた私ではない私の気配に向けて、ポツリと呟いた。
安東未唯:君の意識に、もう一人の存在が浮かぶ。
安東未唯:安東未唯。君の中にある、安東邑の姉の記憶。
安東未唯:『……いいの。あなたは、これまでよく頑張ってくれた』
安東未唯:『もう、自分の人生を歩き始めてもいいんじゃない?』
風間 ねね:「……下手くそだったけど、お姉ちゃんらしくやれてたかな」
安東未唯:『やれてたよ』
風間 ねね:安心したようにため息をつく。
風間 ねね:「人間というのは、借りたものを返すのでしょう」
風間 ねね:「だったらね、私はまだ、あなたに返してないものがある」
安東未唯:『…それは、何?』
風間 ねね:「私は自分自身をハッキリと知覚しました。あなたから奪った自己を、あなたに返すべきです」
風間 ねね:「きっと、いつか私だけじゃ、邑クンを支えきれなくなる……だから」
安東未唯:『………』
風間 ねね:「力を貸して欲しい。もう一度。あなたと私が、同じことを願っているならば……ね?」
安東未唯:『それは、本物の、実体がある私に帰ってきて欲しいということ?』
風間 ねね:「ええ、私を使えば、可能な筈です」
風間 ねね:全て元通りとまではいかなくとも。
風間 ねね:二つが一つになって、そうすれば。
安東未唯:『そしたら貴方は。ねねさんは、どうなるの?』
風間 ねね:「消えはしないと思います。だってもう、私は私だから。いえ、違いますね。絶対に消えないと確信したからこそ、戻ってきて欲しい」
風間 ねね:「彼に抱くこの思いは私だけの真実で、彼と積み上げた短い記憶は私にとっての永遠だから」
風間 ねね:「あなたが居ても、絶対に変わらない」
安東未唯:『そう。なら』
安東未唯:『一緒にいましょう。一緒に、あの子を守りましょう』
風間 ねね:嬉しそうに頷く。
風間 ねね:「ええ、二人で」
風間 ねね:そして、手を伸ばして。
安東未唯:手が、触れて。
GM:二人は───

ミドル5−3:思い出の中の

GM:ネクスト!
GM:高度な政治的判断により指定されたヒロインは〜〜〜
床名えいら:私だよ
GM:場所はどうしましょう
安東 邑:イエーイ!えいらさんでっす!
床名えいら:人気のない空き地!
安東 邑:これまでのデートでもう映画とかは行ってるだろうしね
床名えいら:そうそう
床名えいら:じゃあ行ってみよう

GM:町の片隅にある空き地。
GM:みかんの木が塀の向こうでなっている。
床名えいら:「ほら、邑。みかんだよ」
床名えいら:「取ってあげようか?」悪戯っぽく笑う。
安東 邑:「それ人んちのやつじゃないっすか。ダメっすよ、そんなことさせらんない」唇を突き出して。
床名えいら:「うーーん残念」
安東 邑:「......」えいらさんのがっかりした顔は、あまり見たくない。
床名えいら:「でもさ」
床名えいら:「小さい頃やらなかった?こういうの」
床名えいら:「なんも良い悪いわかんなくってさー」楽しそうに。
安東 邑:「おれ、良い子だったんで~」冗談めかして答えて。
床名えいら:「そうかな〜?」
安東 邑:塀をよじ登って、みかんの樹の傍の民家に顔を乗り出す。
安東 邑:「すみませーん!これ、お金払うんでニ、三個くれませんか!?」
民家の人:「はっ?えっ?」
民家の人:「いや、お金とか困るんで…良いですよ二、三個くらい…」
民家の人:そう言って顔を引っ込める。
安東 邑:「えっ、良いんですか!ありがとうございます!良い人っすね!」屈託なく笑う。
床名えいら:「ははは。君は本当───悪いことできないんだねえ」
安東 邑:「一応、お金だけおいとこ...」ミカンの木の前に、ハンカチと包んだ千円を落として。つやつやとした蜜柑を三個もぐ。
安東 邑:「っと」着地。
安東 邑:「ほい、ほい、ほいっと――やなんすよね。何か、肌に合わないって言うか」適当に蜜柑をジャグリングしながら、えいらさんに笑いかける
床名えいら:「ふうん?変わってるねえ」
床名えいら:「……ううん」
床名えいら:「変わったね、邑」
安東 邑:「変わったって、何すか......?」面食らいながら、蜜柑を二個手渡す
安東 邑:「......また記憶絡みか~。いい加減慣れてきましたよそういうの」げっそりとした顔で
床名えいら:「……本当はもう少し、色々と段階を踏むつもりだったんだ」
床名えいら:「でも、もう私には時間がない」
安東 邑:「そっかあ」隣に座る。
床名えいら:「……『ライゼンフォル』って、出てきたろ」
安東 邑:頷く。
安東 邑:「......姉さんが狙われるのもそのせいっすよね。『鍵』だって」
床名えいら:「ああ」
床名えいら:「あれが不完全なものになったのは私のせいさ」
安東 邑:「ん?」
床名えいら:「……私はね」
床名えいら:「……ああ、話すことが多すぎるな。順番に、話すよ」
床名えいら:RHOを公開します。

NPC:床名えいら
君は安東邑の幼少時の友人だ。ある時を切欠に彼は姿を見せなくなり、
後にオーヴァードとして覚醒してから、彼がレネゲイド絡みの事件に巻き込まれたのだと知った。そして記憶を失ったのだとも。
───”カーマーゼンの黒書”を生体兵器・ライゼンフォルから奪ったのは他ならぬ君である。それは依頼主に渡り、のちのKR市における争奪戦を引き起こしたが、君には預かり知らぬことだ。
それ以上に深刻な問題は、ライゼンフォルと黒書の分離の際、君はレネゲイドに重篤なダメージを受け、侵蝕率を自力で下げられなくなってしまったことだ。
”カーマーゼンの黒書”があれば治癒の見込みはあるが、このままでは早晩ジャームに成り果てるだろう。
いや、それすらも君にはどうでもいい。
かつて想いを寄せた幼馴染み。
安藤邑に、自分を思い出してもらう。
それが、君の願いだ。

床名えいら:「ずっと、君を見てたんだ」
床名えいら:「まあ、私の方がお姉さんだったわけなんだけど」
安東 邑:信じられないものを見るような目つきで、えいらさんを眺める。
床名えいら:「……あはは。急にこんな話されてもなんだって思うよな」
安東 邑:彼女の話が本当なら、つぐみ先輩がああなったのも。自分たちが狙われてるのも、そのせいで。
安東 邑:けれど、えいらさんは。おれの、友達で。
安東 邑:「正直......おれだけの話なら、全然。耐えられたんすけど」
安東 邑:「ちょっと、しんどいかな......」蜜柑を取り落とす。
床名えいら:「おやおや」身をかがめて落ちた蜜柑を拾う。
床名えいら:「それは、全ての元凶が私だから?」
床名えいら:笑っている。
安東 邑:「違います」手渡された蜜柑を、受け取ることもない。
安東 邑:そのまま、抱きしめる。
床名えいら:「………え?」
床名えいら:「ちょ、ちょっと、邑?」
安東 邑:「.......それ黙ってるの、しんどかったでしょ。ごめんなさい、気付けなかった。本当、ごめん」
床名えいら:「え、えっ」
床名えいら:「そ、そう来る…?あ、あはは…」
床名えいら:「………話したかったよ、ずっと」
安東 邑:「笑わないで下さいよ。今までそうやって、無理して笑ってきたこともあったんでしょ」抱きしめたまま、耳元でささやく。
床名えいら:「無理してなんかないさ!私はいつだって人生を楽しく……」
床名えいら:「ふ」
床名えいら:「いや、泣いてない。泣いてなどいないからな?」
安東 邑:「嘘つき」腕を、背中に回す。
床名えいら:「そりゃあ、嘘吐きさ、私は」
安東 邑:「ぶっちゃけ、俺に罪悪感とか持ってるでしょ。そんくらい解る程度には、付き合ってきましたよおれら」
安東 邑:「自分がバケモンになるのだって、怖くないわけない。責められないよ」
床名えいら:「持ってないこともないこともなくはない」
床名えいら:「……はは。だからさあ」
床名えいら:「まあ、『なっちゃう』前に殺してもらおうかなって」
床名えいら:「だって、どうせなら君の腕の中がいいだろ」
安東 邑:目が据わる。
安東 邑:「......おれに、そんなクソみたいなことさせるつもりっすか」
床名えいら:「ジャームになった知り合いを殺す方がクソだよ」
床名えいら:「そういうの、しょっちゅうあるんだ。オーヴァードの世界では」
床名えいら:「あれは、まあ。そんなに楽しくはなかった」
安東 邑:「......そっか。ごめんなさい」体を離す。
安東 邑:「えいらさんの人生とか、気持ちとか。忘れてたのに、知らなかったのに、偉そうなこと言った」
床名えいら:「……君は、さあ」
床名えいら:「本当にいいやつになったよな」
安東 邑:「っつーことは...昔は違ったんすか?おれ」
床名えいら:「ああ」笑って。「結構な悪ガキだったんだぜ?」
床名えいら:「まあ確かに、人並みにヒーローものとかも見てたけどさ」
安東 邑:「ええ~」げっそりとした顔。
床名えいら:「だから……びっくりした」
床名えいら:「すごい真っ当になってるんだもんな、君」
床名えいら:「なのに」
床名えいら:「やっぱり邑なんだよ、色んなとこが」
安東 邑:「......例えば?」優しく聞く。失ったものを、埋めさせるように。
床名えいら:「ん。」
床名えいら:「自分のさ、中で。あるんだよな、線引きが」
床名えいら:「これは許せないってことがさ」
床名えいら:「そーゆーの、譲れないような頑固さとか」
安東 邑:「うん」みかんをぺりぺりと剥いて、手渡す。
安東 邑:三個あったうちの、一番大きいものだ。
床名えいら:「サンキュ」受け取る。
床名えいら:「ベクトルはすっかり変わっちゃってるのにさ」
床名えいら:「芯の強さはそのままなんだもんな」
床名えいら:「……期待。しちゃうだろ」
床名えいら:少し泣きそうに、笑って一口蜜柑を食べる。
安東 邑:「そっか」目を伏せる。「えいらさんに、何か嫌なこととかしてなかった?」
床名えいら:「嫌なことって言ったら───」
床名えいら:「まあ、忘れてたからなあ。色々辛かったさ」
床名えいら:「全部なかったことになってるんだ。それが判るたびに、痛くて」
床名えいら:「……ガラじゃないんだけどな、こういうの」
安東 邑:「そっか。そうだよね、ごめんね。えいらさん」頭を掻き抱く。甘いお香と、蜜柑の甘酸っぱい匂いがする。
床名えいら:「〜〜〜〜〜〜〜〜」赤面する。
安東 邑:「......大丈夫だ。えいらさんを化け物になんかさせない」
安東 邑:「なんか、落ち着くと思ってたんだよな。えいらさんの匂い」
安東 邑:「...『ちゃん』って呼んだ方が良いのかな。昔、そう呼んでたかも」真面目腐ったかおで
床名えいら:「……」
安東 邑:「えいらさん?顔めっちゃ赤いよ?だいじょぶ?」
安東 邑:覗き込む。
床名えいら:「き…み、なあっ!!無自覚なのかそれ!!」
安東 邑:「えっ...何何何!びっくりした!」
床名えいら:「女の子にそーゆーことしたらなあ、大抵赤くなるさ!」
安東 邑:「あ~、ごめんなさい、俺あんまモテたことなくて!」ぱっと離れる。
床名えいら:「距離感、勉強した方がいいな?」クスクスと笑って
安東 邑:「いや~...ヒーローならこうするもんだろとか、自分中で思っちゃうと...どうにも」頭を掻く。
床名えいら:「その内ジェームズ・ボンドみたいになるんじゃないか?知らないけど」
安東 邑:「にしてもボンドガールが多すぎるでしょ。ダニエルクレイグじゃないんだからさあ」肩を竦める。
安東 邑:「......でも」向き直る。
床名えいら:「うん?」
安東 邑:「......えいらさんの侵蝕限界、治せる宛はあります」
床名えいら:「…えっ」
安東 邑:...かいつまんで話す。自身の触手で、黒書を取り出せるかもしれないということ。あるいは、それをえいらさんに何らかの形で移植すれば。
床名えいら:「───そうか」
安東 邑:頷く。
床名えいら:「そうか……私は」
床名えいら:「まだ、君のそばにいられるんだな……」
安東 邑:「まだ、じゃないですよ」手を握る。
安東 邑:「ずっとだよ、えいらちゃん」
床名えいら:「う」
床名えいら:「ああ」
安東 邑:「忘れててゴメン。これから、思い出させてくれ」
床名えいら:「───ああああああ!」
床名えいら:泣いた。
床名えいら:何年ぶりか、わからないけど。
床名えいら:多分、君がいなくなってからの時間ずっと。
床名えいら:自分を、鎧って生きてきたから。
床名えいら:しばらく、そうしていた。
床名えいら:君の腕の中で。大きな体を丸めて。
床名えいら:泣いていた。

GM:ロイスのみ可能。
床名えいら:安東邑/慕情:○/昔の貴方ではないけれど/Sロイス
安東 邑:”えいらちゃん”床名えいら〇懐旧/忘れててごめん

追想:床名えいらの場合

床名えいら:───ばかだな、と思った。
床名えいら:私はほんとうにほんとうにひどいやつなのに。
床名えいら:黒書の依頼だって、そうだ。
床名えいら:「面白そうだ」と思ったのだ。
床名えいら:レネゲイドを励起し、鎮める。そんなモノが存在するなら、それはどのように作用するのか───
床名えいら:だから、だから。
床名えいら:ジャームになってしまっても、かまわなかったのだ。
床名えいら:そしたら、自分が気持ちいいように、キミをいじめたのだろうに。
床名えいら:ほら。私は、嘘ばっかりなんだ。
床名えいら:キミが、正義の味方なんかじゃなければ良かったのに。
床名えいら:そうすれば、私のことなんて守らなくても良かったんだ。
床名えいら:ああ、いや。
床名えいら:正義の味方なら、私のことをいつか倒してくれるのかな。
床名えいら:でも。…殺しては、くれないんだろう。
床名えいら:あはは。
床名えいら:……………本当に、ばかだ。
床名えいら:私は。

ミドル5−4:なお分かち難く

GM:ラストデート。
GM:お相手は猿喰さん。場所はいかがなさいますか?
猿喰 早耶:あ。場所決定…した現在シーンの前に、初対面シーンの回想刺させてもらっていいかしらん(再掲)
GM:おお、そういう順番で。
GM:じゃあそうしましょう。
安東 邑:いいよっ!さやさんと初めて会ったときか~、あれは確か...
猿喰 早耶:中華料理屋の裏ー
GM:というわけで回想シーンから。行ってみましょう

猿喰 早耶:あれは、けっこう前のことだったと思う。けど、どれくらい前か、は、実ははっきり覚えてない。
猿喰 早耶:そのへんはいい加減なのだ。世間様とあんまり関係ない生活送ってるし?
猿喰 早耶:駅前の繁華街で、遠くに雑踏が聞こえて、尻にしみてくる水たまりが冷たかったのは覚えてる。
猿喰 早耶:あと、うっすら生ごみのニオイがしたのと…
猿喰 早耶:「あー」
猿喰 早耶:雑居ビルの谷間。薄暗い路地裏。地べたに座り込んで、冷たいコンクリートの壁に背を預けて。
猿喰 早耶:しくじったなあ。無理しすぎた。相手が思ったより多かったし。
猿喰 早耶:傷は塞いだけど、どうも、血が足りない。
安東 邑:「だ~れも、さわ~れな~い、ふ~たりだけ~の~...」奇麗なデミ・アルトが、路地裏に他人事みたいに響く。
安東 邑:「く」
安東 邑:どべしゃっ。
猿喰 早耶:振り向く。
猿喰 早耶:店の青いポリバケツにしがみつくような格好でいた女と、目が合う。
猿喰 早耶:「…なぁに見てんのさ」
安東 邑:「にぃ”ぃ......っ?」ぽかんと、その瞳を見ていた。奇麗なオリーブの瞳だった。
安東 邑:このヒトが伸ばしてた足で転んだんだ、とか。そもそもこんな所で何やってるんですか、とか。聞くのも忘れてしまうくらい。
猿喰 早耶:渇いた地方の、野生動物のような目をしていた。
猿喰 早耶:濃い砂色の襟巻きは、それでなお、ひと目で分かるほど砂埃にまみれている。
安東 邑:「......」気恥ずかしそうに、立ち上がる。歌うのは好きだったけど、流石にこんな状況で耐えられるほど図太い神経をしてるわけじゃない。
猿喰 早耶:見下ろす姿勢から、彼が立ち上がったので、見上げるように。しばらく目が合って。
猿喰 早耶:それから、ついと視線をそらしたかと思うと、ポリバケツに手を突っ込む。
安東 邑:「ちょっちょっちょっストップ!何やってるんすか!?」
猿喰 早耶:「…お、ナイス、食べかけの…なに?」
猿喰 早耶:「…………」
安東 邑:「お腹壊しちゃいますよ、そんなの食べたら。そんなの悲しいでしょ」
猿喰 早耶:「慣れてるから。それに捨てたばっかなら傷んでないよ」
猿喰 早耶:「…散らかさないからさぁ」
安東 邑:「いやいや、そういう問題じゃなくて...お姉さんがしんどくないですか?それ」
猿喰 早耶:「しんどい? なにが?」
安東 邑:「ご飯がただの栄養補給になってるのって」目線を合わせるように、しゃがみ込む。
猿喰 早耶:「お金ないけど食べ物が手に入るのー、嬉しくない?」
安東 邑:「でもそれだとお姉さん、笑えないじゃないっすか~」困り顔で。
猿喰 早耶:実際、いいところだと思う。少なくとも、昔いたところよりは、ずいぶん豊かで。
猿喰 早耶:「…………」
猿喰 早耶:「……少年。君さー」
安東 邑:「...なんです?」
猿喰 早耶:「変なやつだね」
安東 邑:「そうかも」弱く笑う。
猿喰 早耶:「でもあたしは困ってるのだよー。お腹は空いてるしお金もない」
猿喰 早耶:「でも泥棒もしたくないしー、ならこれがよくない?」
猿喰 早耶:「散らかさないからさぁ」
安東 邑:「そりゃそうだ。笑顔で飯は買えないしなあ。ごめんなさい、勝手言いました」頭を掻く。そのまま立ち上がり、その場を離れていく。
猿喰 早耶:しばらく見送って、ポリバケツから半分がた食べてある何らかの饅頭を取り出して咥える。
猿喰 早耶:加えたまま、もうすこしバケツを漁っていると。
安東 邑:『 ・・・ちょーう! そこの余り・・・半分・・・ザーっす――!』路地のほど近い場所から、声が聞こえて来て。
安東 邑:「ちょちょちょっ!!ストップ・アゲイン!!」湯気の上がった丼を持って、再び現れる。
猿喰 早耶:「ぅぃ?」
猿喰 早耶:咥えたまま振り向く。
安東 邑:「その饅頭、四日くらい前のやつっすよ!店に来たアラブ人が口に合わないとかいって残してったやつ!やっぱヤバいですって!」
安東 邑:「確かにもったいないけど、ほら!」ぱかり。丼を差し出す。
猿喰 早耶:「といってもねー、少年。人間、食べないと死んじゃう…んや?」
猿喰 早耶:口を開いたところからはなれた饅頭を、迷彩服のポケットにねじ込んで。
猿喰 早耶:「ナニソレ?」
安東 邑:「――安東特製、天津飯っす」艶めく甘酢のたれが、窮屈そうに卵の上に震えている。
安東 邑:「店長からお墨付き貰った試作品なんで。食うならこっち、食ってください」
猿喰 早耶:「…………」
猿喰 早耶:「……いいの?」
安東 邑:「当たり前じゃないっすか」困り顔で。
安東 邑:「お姉さん、砂でも食ってるみたいな顔するんだもん」
猿喰 早耶:「…………」
猿喰 早耶:砂。砂、か。
安東 邑:っつーか何か砂っぽくないですかここ、と呑気に辺りを見回している。
猿喰 早耶:半ばひったくるように丼を奪い取って、ちょっと驚くほどの勢いで料理を流し込む。
安東 邑:ぱっとそちらに意識を移した。にこにこしながら、食べるところを見守っている。
猿喰 早耶:はたから見たら、味わってるとはとても思えないだろう。
猿喰 早耶:味がした。
猿喰 早耶:きちんと味がした。
猿喰 早耶:甘酢までぬぐって平らげて、ぬぐった指を舐め取って。
猿喰 早耶:「…ごちそうさま」
安東 邑:「お粗末様っす」サムズアップ。
猿喰 早耶:「…きみさ」
安東 邑:「え、なんすか。不味かったとかっすか、どうしよう」挙動不審気味だ。
猿喰 早耶:「変なひとだね」
猿喰 早耶:「あたしにごはんよこしても、きみ、なんの得にもならないじゃん?」
安東 邑:「ええ~っ、お姉さんに言われたくないですよ......」げっそりとした顔で。
安東 邑:「......いや、そんなことないっすよ」眼鏡を掛け直して、目の前の奇妙な女性にハンカチを渡す。
安東 邑:指をそれでぬぐえということなのだろう。
猿喰 早耶:爆発物でも触るようにハンカチを受け取って、指の間で揉むように拭く。
猿喰 早耶:みるみる布地が真っ黒になる。
猿喰 早耶:「じゃあ、あたしがもっとごはんちょーだいといったら、きみは出すのかい」
安東 邑:「現に、おれ今めっちゃ幸せですよ。こうして美味しそうにご飯食べてくれて」
安東 邑:「出しますよ。そりゃ」
安東 邑:「だって......砂食ってたら、あんなにがつがつ行かないじゃないですか。でしょ?」
猿喰 早耶:「…………」
猿喰 早耶:じっ、と彼のことを見上げる。何なんだろうこいつ。
安東 邑:まあ、と首をひねる。「もう試作品はないんで、出すんだったらうちのキッチンってことになりますけど」
安東 邑:「お姉さんこそ、ヒトに優しくされるの慣れてないんすか。チベットスナギツネみてえですよ」
猿喰 早耶:「チベ……なに?」
猿喰 早耶:目を細めるとますます似ている。
安東 邑:チベットスナギツネ、と復唱しながらスマホで画像を見せる。
猿喰 早耶:覗き込んで首を傾げる。似てるか? 狐。野生で生きてるのを見たことないけど。
安東 邑:「おれ動物の中で一番好きなんすよ。小さい頃姉さんと動物園でこいつばっかり見てたの」
猿喰 早耶:「ふうん」
猿喰 早耶:じゃあ、悪い評価ではないということだろうか。
猿喰 早耶:数秒、スマートフォンの小さな画面を覗き込んだあと。
猿喰 早耶:「ホ……ああ、ええと」
猿喰 早耶:「羊」
安東 邑:「ホってなんすか、ホって」。笑いながら――「羊?」
猿喰 早耶:「羊が食べたい」
安東 邑:「羊好きなんすか」
猿喰 早耶:「ん」
猿喰 早耶:まあ、あんまり見かけない…というか、そもそもこのあたりじゃ食べる人のほうが少ないだろう。
猿喰 早耶:お金が入ったときに食べようと思ったって、お店からして見つからないし。
猿喰 早耶:だから、それなりに無理を言ったつもりだった。意地悪だっただろうか。
安東 邑:「実際、北の人なんすか?北海道だとよくジンギスカン食べるって言いますけど」スマホで何件か、精肉店の画像をスクロールしているようだ。
猿喰 早耶:「北、北ね。まあね、北のほう…だったかなー」
安東 邑:「.....え~っと、野菜類は店長から貰って......ハナブサ肉店はこの時間でもやってるはずだから......」ぶつぶつと考え込み、数件メッセージのようなものを打って。
安東 邑:「行けます。おれんちでジンギスカン食いましょう!」サムズアップ。
猿喰 早耶:「…マジでいってんのかい少年」
安東 邑:「あ、おれんち来るのアレだったら全然良いですけど」
猿喰 早耶:馬鹿なんだろうか。
安東 邑:「......何か今、失礼なこと思われてた気がするんですが」
猿喰 早耶:「気のせいだよー」
猿喰 早耶:まあでも、またとない機会なのはそうだし、悪人では間違ってもなさそうだし。
猿喰 早耶:「じゃあ、甘えちゃおうかなー。ほんとにいいんだね?」
安東 邑:「もちろんっすよ。まあ仮にお姉さんが悪い人だったとしても、それはそれで本望ですし」
猿喰 早耶:「……」
猿喰 早耶:「ありがとー」
猿喰 早耶:……だいたい、少年と最初に会ったときは、こんな流れだったと思う。
安東 邑:「...ウッス。ついでに風呂も入ります?砂だらけですし」
猿喰 早耶:「ますますいいね! お風呂すきなんだよー」

猿喰 早耶
猿喰 早耶:少し暗い感じに調節された広いロビーの空気は、乾いていて、温かい。
猿喰 早耶:「あ。少年、こっちこっちー」
猿喰 早耶:ソファの列の真ん中あたりからぶんぶん手をふる。
安東 邑:「わ~すれら、れない~、あのおもか~げ~を~、と......」さやさんを見つけて、にこりと手を振り返したのちそちらに向かって行く。
安東 邑:「いや~、いい湯でしたね。色々落ち着いたらもう一回来ようっと」
猿喰 早耶:「そうだねえ。少年ちのお風呂があるから入ったことなかったけど」
猿喰 早耶:「たまにはこういうのもいいよねー」
猿喰 早耶:「すこしはかたのちからが抜けたかい?」
猿喰 早耶:平日の昼間だ。ロビーには他に、人の姿はない。
安東 邑:にこり、と笑う。
安東 邑:「あざっす。さやさんのそー言う所、おれ好きっすよ」
安東 邑:スマホを開いて、メモに何かを残す。
猿喰 早耶:「マメだよねー。何かいてんの?」
安東 邑:「最近日記付け始めたんすよ。言われて嬉しかったこととか、思い出に残ったこととか、書いときたいなって」
猿喰 早耶:「いいことだと思うよー。何もしないと、すぐ忘れちゃうからねー」
安東 邑:「こうして気を遣ってくれることが、おれは凄く嬉しかった」座ったまま自動販売機に小銭を入れる。ぴ、と電子音。二回。
安東 邑:「コーヒー牛乳で良かったっすよね。おれも同じのにしました」
猿喰 早耶:「あたしはきちんと忘れずコーヒー牛乳をおごってくれるのがうれしかった」
猿喰 早耶:喉を鳴らして、さも美味しそうに飲む。
猿喰 早耶:いや、じっさい美味しかった。お風呂上がりで、空気が乾いていて、というのを差し引いても。
猿喰 早耶:「ぷはあ」
猿喰 早耶:袖で口元を拭う。
安東 邑:「あーもー、また袖で拭う。ホラ、ハンカチ」
猿喰 早耶:「ん」
猿喰 早耶:受け取って、口元を拭う。
猿喰 早耶:口元を彼のハンカチで覆ったまま。
猿喰 早耶:「少年。きみはいいやつだよ」
安東 邑:「いつまでもそう言われるヤツで居たいと思ってますよ」さやさんの目を、また見つめる。何度でも、そうしたいと思う。
猿喰 早耶:リラックスした猫かなにかのような目で、見つめ返す。
猿喰 早耶:提案してみたら、二人きりになった。なんなら──
猿喰 早耶:「これも運命ってやつなのかなー」
猿喰 早耶:言わずに終わるのもアリかと思ってたのだけど。
猿喰 早耶:「少年」
安東 邑:「ん、なんすか」上を向く。手は震えている。
猿喰 早耶:「いまねえ。ふたつ、言うことがあるんだよ」
猿喰 早耶:「嫌な予感がしてる?」
安東 邑:「......そっか~。さやさんも、そういう感じか」
猿喰 早耶:それならまあ、少しだけ嬉しい──彼には悪いけど。
安東 邑:「してる、らしいです。あんまり実感湧かないけど」
猿喰 早耶:「なに。ねねねーさんとかつぐみくんとかえいらさんとかも、なんかあったのかい」
安東 邑:こくり、と頷いて。
猿喰 早耶:「なんだったら、ひとつは聞かなくてもいいけど。じっさい、大した話じゃないし」
安東 邑:「そんなん出来るわけないでしょ。さやさんの中の安東邑ってヤツ、そんなに逃げ上手でした?」弱く笑う。
安東 邑:「おれは、さやさんの力になりたいよ。聞かせて」
猿喰 早耶:「うんにゃ。でも逃げてもええんじゃよ」
猿喰 早耶:……だってこれ。
猿喰 早耶:聞いても力になれるような話じゃないからねー。
猿喰 早耶:「ひとつめ」
猿喰 早耶:「そろそろお別れが近いかもだ。というかたぶん近い」
猿喰 早耶:「四年持たなかったのはすごい残念。ごめんねー」
安東 邑:「前、言ってたやつですか」暗い目つきで。
猿喰 早耶:「うんにゃ。前はね。少年が卒業するまで保つと思ってたんよ」
安東 邑:「状況が...変わったってことですね」
猿喰 早耶:「そう。それで、ふたつめ」
安東 邑:何かに、祈るように目を閉じる。
安東 邑:「――二つ目。教えてください」
猿喰 早耶:「"ライゼンフォルはこの街の地下に眠ってる"」
安東 邑:「......」ぎりり、と歯を食いしばる。
猿喰 早耶:「道はあたしが、よーく知ってる。たぶん、向こうさんはそこで待ち構えてるだろうけどねー」
猿喰 早耶:ということで、GM。リバースハンドアウト開示お願いします。

PC4:猿喰早耶
君の『傍らに立つ影』は、中東の某国の遺跡にあったレネゲイドの封印に使用されていたモノだ。神城の技術として保存されていたそれは、ある研究者により持ち逃げされ、今、君の中にある。
研究者の名は安東未唯。FHによって生体兵器「ライゼンフォル」開発主任を勤めさせられていた。
彼女は、君のことを『セーフティー』と呼んだ。
もし何か不慮の事態が起きて「ライゼンフォル」が暴走したならば…
その力で以てそれを封印するようにと。
以来、秘められた仕事として君は「ライゼンフォル」を監視している。
現在、それは不完全な状態で認証キーも失った状態だという。
自分の力がすぐに必要になるとは思えないが、備えはしておくに越した事はないだろう。

※「ライゼンフォル」は安東邑の住む街の地下研究所に存在する。このハンドアウトが開示される事で向かうことが可能になる。

猿喰 早耶:「あたしがこの街で暮らしてたのは、昔、頼まれたからでね」
安東 邑:「......だれに?」
猿喰 早耶:「ちょっとヘタうって死にかけてたときに、FHから逃げてきた人に助けてもらったんだけど」
猿喰 早耶:「その人にね。名前は安東未唯」
猿喰 早耶:「少年のお姉さんだよね。ねねねーさんはもうバラしてると思うけど。違ったらごめん」
安東 邑:「はは」ぽつりと、乾いた笑いが漏れる。
猿喰 早耶:「まあ、そのひとは"ライゼンフォル"をつくった責任者で。で、あたしに特別なレネゲイドを移植したわけよ」
猿喰 早耶:「それがなきゃ死んでただろうから文句言えないんだけどさー」
猿喰 早耶:手のひらをかざす。
安東 邑:「......良いんすよ。さやさんが死んでないんなら、それで」
安東 邑:それだけが、拠り所だ。
猿喰 早耶:細い指に重なって、ぶれた影がゆらめくのが見えた。
猿喰 早耶:「やっぱ、少年。きみはいいやつだねー」
猿喰 早耶:「ニルグィ。名前はなかったから勝手につけた。あたしの中に棲んでる別の生き物」
猿喰 早耶:「で、無理矢理剥がれるとあたしはたぶん死ぬやつで──」
猿喰 早耶:「"ライゼンフォル"の最後の安全装置らしーんだわ。これが」
安東 邑:「ちょっと、待って下さい。”ライゼンフォル”が暴走するかもってことは」
猿喰 早耶:「そう。だからお別れが近いかなー、ってはなし」
安東 邑:「――っ、ふざけんな!良い訳ないだろ、そんなこと!」
安東 邑:恐らく、彼女たちの前で――初めて見せた怒号。
猿喰 早耶:「…………」
安東 邑:敵にさえも、これほどまでに当たり散らすことはなかった。
猿喰 早耶:「ありがとねー。少年」
安東 邑:「お......おれは、おれは」泣いている。ずっと笑ってきた彼が、初めて。
安東 邑:「さやさんが、自分の意志でどっか行くなら――めちゃくちゃしんどいけど、奇麗にお別れしようと、思ってて」
猿喰 早耶:背骨の軟らかい動物のように身を寄せて、彼のハンカチで目元を拭う。
猿喰 早耶:ちょっと牛乳と、香料の甘い匂いがした。
猿喰 早耶:「…うん。うん」
安東 邑:「ありがとうじゃ...ねえよ、くそ...!」べしょべしょに涙ぐみながら、さやさんのされるがままに。
安東 邑:「だって、さやさんは...さやさんは、おれなんかに抱えきれる人じゃないって、そう思ってたからで...」
猿喰 早耶:「嬉しかったよ。あたしのことに怒ってもらえて」
猿喰 早耶:「あたしにごはんくれたことも、くれなきゃ気がすまなかったことも」
猿喰 早耶:「お風呂貸してくれたことも、布団貸してくれたことも、まあこんなんばっかりだけど嬉しかった」
安東 邑:「過去形に、しないで下さいよ...やだよ、さやさん、嫌だ」ぼろぼろで、頼りない、か細い声。
猿喰 早耶:「正直さー。ちょっと嫌になってたんだ、きみとあったころ」
安東 邑:「え...?」
猿喰 早耶:「逃げてもいいじゃん? って。助けてもらった恩はあるけど、死ぬまでここで暮らす義理あるかー? って」
猿喰 早耶:「街から出られないから、稼ぎもバラバラで。襲われるのもおっかないから家も作れないし」
猿喰 早耶:「だーれも知らないことでかっこつけてどうすんだ、だれも感謝してなんかくれないぞー、って」
安東 邑:「...姉さんが」そう。安東未唯が、彼女をこの街に縛り付けた。縛ってくれていた。
安東 邑:「おれ、そんなんも知らないんで......無邪気に、さやさんがいてくれて嬉しいって」
猿喰 早耶:「あたしもうれしかったんだよ」
猿喰 早耶:「少年が、よくわかんないあたしのために手を尽くしてくれたことがさ」
安東 邑:泣き腫らした目で、彼女のことを見る。
猿喰 早耶:ついと首を伸ばして
猿喰 早耶:彼の眦を舐める。
猿喰 早耶:味がした。
安東 邑:「あ、」震える。長い睫毛に、熱い花のような心地が。
猿喰 早耶:「泣いてくれるのもうれしいからさー、泣くな、とは言えないけど」
猿喰 早耶:「生き物の味がするよね。涙」
安東 邑:「だって」だって。自分にとっては、当然のことだったのに。いつものように、助けただけだったのに。
安東 邑:そんな理由で、彼女はこの街に縛られて。そして、命を落とそうとしている。
猿喰 早耶:「いっとくけど、きみのお姉さんがどうこうと、きみんちにいたことは関係ないからな?」
猿喰 早耶:「そもそも弟がどうとかとかぜんぜんきーてないもん。あたしはあたしの都合でここにいたの」
安東 邑:「......おれは、おれがさやさんの足かせになってるんじゃないかって、そう。そう思ってて」
猿喰 早耶:傷だらけの眼鏡の向こうから、目が覗き込む。
猿喰 早耶:「そんなことはないよー。正直助かった」
猿喰 早耶:「棲んでる間の理由にも、うれしさにも、いるとこにもなってもらっちゃったわけさ」
安東 邑:唇を噛む。無くしてもなお、あふれ出そうな思い出を必死でこらえる。
安東 邑:「......聞かせて、さやさん」
安東 邑:「頼むからさ。いやだと思うけど、一つだけ聞かせて......」消え入りそうな声で。
猿喰 早耶:「ん」
安東 邑:彼女にすがりつくように、力なく首をもたげる。
安東 邑:「......さやさんは、死にたくない?」
猿喰 早耶:顎を、彼の肩の上に乗せる。
猿喰 早耶:「そう思ってた」
猿喰 早耶:「ずいぶん前はね」
猿喰 早耶:歌うような小声で続ける。
猿喰 早耶:「トラックに乗せられて、遠い場所へ連れて行かれて。めんどうなことがあれこれあって」
安東 邑:「......いっぱい、戦ったの」
猿喰 早耶:「たくさんね。たくさん殺した」
猿喰 早耶:「それで、このあたりにまで流れ着いてさ。そのときにはもう、どうでもよくなっててさー」
猿喰 早耶:「いろいろね」
猿喰 早耶:いろいろ。生きるのも死ぬのも。殺すのも殺されるのも。
猿喰 早耶:「でもね」
安東 邑:顔が歪んでいる。泣くのをやめなくちゃ。折角お風呂に入ったさやさんが、また汚れてしまう。なのに。
猿喰 早耶:「いまは、きみをわざわざ危険に晒すために、命を惜しむほうが……」
猿喰 早耶:「怖いよね」
猿喰 早耶:抱き返した手に力がこもる。まだ残っていた、湯の温度が伝わる。
安東 邑:「――は、は」忘れられない、面影がある。カラオケに一緒に行った日のこと。一緒に美味しいご飯を食べたこと。姉さんと三人で、ゲームをしたこと。どれだけ失っても、まだ立っていられる。
安東 邑:「さやさん、めちゃくちゃ......おれのこと、好きじゃないですか」
猿喰 早耶:「すきだよ」
猿喰 早耶:「知らなかった?」
安東 邑:「――知ってましたよ、そんなこと。子ども扱いしないでください」泣きながら、笑う。

GM:ロイスのみ可能です。
安東 邑:ロイス....ロイスって何だっけ...
猿喰 早耶:しっかりいたせー
猿喰 早耶:はい。「宿業:"ライゼンフォル":遺言/○敵愾心」で七枠目。
猿喰 早耶:少年へのロイスを「○純愛/隔意」に書き換えて、Sロイスに指定します。
安東 邑:”分かちがたい人”:猿喰早耶:幸福感/〇絶望に反転。以上で

GM:ミドル5の購入判定タイムです。
GM:ラスト購入機会!
木場田つぐみ:ポンケあるとブルゲ合わせて行動値13いけるか…何か欲しいものある人います?
風間 ねね:欲しい物ある? 医療トランクとかは使わないかなこれ
安東 邑:あ、じゃあ...こっちもブルゲ使おうかな...
風間 ねね:じゃあえいらちゃんに手術キットをワタシておくか
猿喰 早耶:んー、HP補給も済んでるし…こっちは大丈夫。
風間 ねね:じゃあ邑クンにブルゲを飼ってあげよう
床名えいら:はあい。4d10ですっけ
木場田つぐみ:あと二回使えるかどうかですし、あとえいらさんだけですしね HP減ってるの
木場田つぐみ:そうですよ~
風間 ねね:えいらちゃんの応急手当てを誰か買ってあげて……
GM:床名えいらのHPを4D10(→ 24)増加 (18 → 42)
猿喰 早耶:おっけ。じゃあこっちで。…あれ、全快した?
木場田つぐみ:全快したんじゃないかなこれ
床名えいら:全快。
安東 邑:そうじゃん!えいらさんの応急!は...あれ?
床名えいら:25です。
安東 邑:よ、良かった~...!
木場田つぐみ:ん。じゃああとポンケあれば上手く出し入れできそうだねえ
木場田つぐみ:装備品は大丈夫かな
風間 ねね:あれっ、あったのか
安東 邑:装備は大丈夫かな~ ブルゲチャレンジしておこう
床名えいら:ウェポンケース狙いましょう
風間 ねね:あ、ごめん手術キット前に使ってるから無い!
床名えいら:4dx>=18
DoubleCross : (4DX10>=18) → 10[1,9,9,10]+8[8] → 18 → 成功

安東 邑:やったね
木場田つぐみ:あっすごい
床名えいら:なんか成功しちゃった
猿喰 早耶:おっと。そしたらこっちで応急買うわー
木場田つぐみ:あ、無いの
床名えいら:えーと、つぐみちゃんかな?
木場田つぐみ:じゃあこちらも応急狙います
床名えいら:なかった!
木場田つぐみ:貰えると行動値がえいらさんと揃う!
猿喰 早耶:3dx+1>=8
DoubleCross : (3DX10+1>=8) → 9[3,6,9]+1 → 10 → 成功

床名えいら:じゃあつぐみちゃんにパス!
安東 邑:アヤッター!
風間 ねね:ごめんあると思いこんでた
木場田つぐみ:ありがとうございます~
風間 ねね:ブルゲ狙っていきます
猿喰 早耶:おっけー、買えたのでとりあえず2d10ぶんはえいらさんに補填ー
木場田つぐみ:じゃ応急狙い。
床名えいら:じゃあ応急二個渡してもらったらそれってことにします
風間 ねね:マイナーでオリジン:サイバー
木場田つぐみ:3dx>=8
DoubleCross : (3DX10>=8) → 7[5,5,7] → 7 → 失敗

安東 邑:じゃあこっちも応急狙おうっと
木場田つぐみ:財産1点使用。えいらさんにー。
木場田つぐみ:いや、これで足りるから大丈夫。
風間 ねね:侵蝕を85→87に
床名えいら:はーい!合わせて補填、回復したことに!
安東 邑:おっと、大丈夫っぽいな ブルゲチャレンジ改めて行きます
木場田つぐみ:貰ったポンケにメイド服入れておきます。以上。
風間 ねね:7dx+12>=20
DoubleCross : (7DX10+12>=20) → 10[2,2,4,7,9,9,10]+10[10]+8[8]+12 → 40 → 成功

木場田つぐみ:すご…
風間 ねね:やりました
GM:40…?
安東 邑:高すぎる
風間 ねね:邑クン、ブルゲだよ❤
安東 邑:あ、ありがとう姉さん...
安東 邑:ではこちらも
安東 邑:4dx>=20
DoubleCross : (4DX10>=20) → 9[2,3,6,9] → 9 → 失敗

安東 邑:ごめん!地元のドラッグストアには売ってなかった!
安東 邑:以上で

ミドル6:少年の真実

GM:全員登場。
安東 邑:87+1d10
DoubleCross : (87+1D10) → 87+5[5] → 92

猿喰 早耶:猿喰・早耶の侵蝕率を1d10(→ 10)増加 (87 → 97)
風間 ねね:87+1d10
DoubleCross : (87+1D10) → 87+4[4] → 91

木場田つぐみ:木場田つぐみの侵蝕率を1d10(→ 9)増加 (93 → 102)

GM:安東邑くんはリバースハンドアウトを開示できます。
GM:開示しますか?
安東 邑:RHOの開示をお願いします。
GM:はい。

PC1:安東邑
君には自覚がないことだが、過去、記憶処理を受けた痕跡がある。
それはつまり、過去レネゲイドに関わる事件に巻き込まれた、ということだ。あるいは消えた記憶の中の何かが君を破滅的な傾向に君を惹きつけるのかもしれない。
このRハンドアウトは調査の上で過去との違和を覚えた時に開示できる。

GM:開示でき

GM:で

GM:譛ャ蠖薙�蠖シ縺ッ繧ゅ≧縺�↑縺�・・
GM【キャラシート】

君は”正義のヒーロー”のレネゲイドビーイングとして発現したものだ。
『安東邑』の脳を融解させ、住み着いた存在だ。その意思はまがい物である。
レネゲイドビーイングとしては不完全なためその力を直接行使することは不可能であり、またレネゲイドビーイングとしての自意識が目覚めることもない。
僅かに残存した『安東邑』としての自我は、「正義のヒーローの真似事」に疲れ切っており、無意識のうちに自身の破滅を望んでいる。
また、『本体』由来のエフェクトーーつまり、影の触手による戦闘を継続するたびに、記憶や自我を保持する器官に多大な負荷がかかっている。エフェクトを使用し続ければ、人格への多大な影響はまぬがれないだろう。

GM:───この情報が。
GM:君達の端末に送信されます。

安東 邑:――トイレに駆け込む。嘔吐。
安東 邑:自分の、輪切りの脳を見せられた。
安東 邑:人格?寄生?脳の融解?エフェクト過剰使用による記憶の損傷?
安東 邑:『おれ、正義のヒーローになりたいんすよ』
安東 邑:『昔の君とは別人だ』
安東 邑:『少年は良い奴だね』
安東 邑:『......きみは、本当にばかだな』
安東 邑:『邑君のお姉ちゃんだから』
安東 邑:「ぅ、げええ――ッ」
安東 邑:自分のこれまでが、全てまがいものだったという恐怖。
安東 邑:これから、そのまがいものすら消えていくという恐怖。
安東 邑:そして......
安東 邑:「...ごめん」
安東 邑:「ごめん、皆」
安東 邑:彼女たちへの優しさが、まがいものだったという後悔。
安東 邑:どんどんどん、と。ドアを叩く音が聞こえる。開けることが出来ない。怖い。
床名えいら:がちゃり。
床名えいら:無慈悲に、ドアが開く。
床名えいら:「───邑」
安東 邑:「ひっ」転びながら、トイレから駆け出す。ベッドにつんのめって、その場で転んだ。
風間 ねね:「邑クン! 大丈夫?」
床名えいら:「……ひどい、顔だ」ゆっくり、歩み寄る。
床名えいら:助けおこす。
安東 邑:「あ...う、えいらさん、姉さん...」早い呼吸をしながら、二人から眼を逸らす。
風間 ねね:少し遅れて駆け込んで、今にも崩れそうな彼を支える。
床名えいら:「……敵から送られてきた情報だろう」
床名えいら:「キミを、追い込むためのものだ」
床名えいら:そう言いながらも。腑に落ちるものはあった。
床名えいら:だけど今は、彼を落ち着かせなければならない。
木場田つぐみ:「ほら。これでも飲みな」とん、とサイドボードにスポーツドリンクを置く。
安東 邑:こくこく、と頷く。
安東 邑:声が頭に入ってこない。彼女たちは怒っているのだろうか。
猿喰 早耶:「むちゃしてなくてよかったよー」
猿喰 早耶:後ろ手に鍵をかけてから。いつもの調子だ。
安東 邑:――さんざん、偉そうなことを言った。まがい物のくせに。
木場田つぐみ:色々と片付けをしていく。散らかったものを起こし、ごみや汚れをざっと取る。
安東 邑:「あ、ありが......とう......」
風間 ねね:何もできないまま、ただ彼にしがみつく。
風間 ねね:「邑クン、まずは休んで、落ち着いて。みんな邑クンを心配しているから、ね」
安東 邑:「――寄るな!」
安東 邑:怯えた目で、睨みつける。
安東 邑:「おれは――おれは、皆を......だまして、こんな......人間なんかじゃ、ないのに」
猿喰 早耶:気にもとめない様子で前に出て彼の手首を掴む。
猿喰 早耶:「少年。それをいったらお互いさまだわ、みんな」
床名えいら:「そうだよ」
木場田つぐみ:吐息をひとつ。
猿喰 早耶:「だいたい、きみは。何も騙してないよ、少年」
猿喰 早耶:思ったより強い力で手首を掴んでいる。少し痛いくらい。
安東 邑:呼吸が少しだけ落ち着く。
木場田つぐみ:「年月で言えば、ずっと前らしいもんな。ぼくが会ったのだって、大学入学してからだから、二年かそこらだろ」
風間 ねね:「邑クンが私たちを騙してたっていうなら、私だって邑クンを騙していたことになっちゃうよ~、なんて、あはは……」
風間 ねね:困ったように笑ってから。
風間 ねね:「邑クンがお姉ちゃんにそうしてくれたように、お姉ちゃんは受け入れるよ」
安東 邑:「でも、俺は。人間の部分の俺がくたばりたいからって、無意識に皆に優しくして...それが『騙してた』じゃなくて、なんだよ」
木場田つぐみ:「……?」
木場田つぐみ:「優しくするのって、どこかで無意識でお返しとか期待してるもんだろ?ぼくもそういうのあったぞ、きみの面倒見た時」
床名えいら:「……騙すってのはさ、邑」
床名えいら:「意識してやるもんだぜ」
猿喰 早耶:「それ言ったら、ヒト騙してない人間なんていねーってばさ」
猿喰 早耶:掴んだ手を緩めて。
木場田つぐみ:「実際、性欲をなくしたら男性が女性に優しく振る舞うのが激減した、なんて与太話もあるぞ」
猿喰 早耶:「そうなん? コワー」
木場田つぐみ:「前…って言っても一年以上前ですけど。社会学のレポート読ませてもらいまして」
風間 ねね:「まああれよ。百歩譲って騙されてたとしても、お姉ちゃんはにっこり笑って受け止めますよ。姉なので」
風間 ねね:「姉なので」
風間 ねね:ニコッと笑って。
床名えいら:「そうだね。別にいいよ。私は」
安東 邑:「......」色の無い目で、渡された冷たいスポーツドリンクに手を伸ばす。
木場田つぐみ:「……まあ、こう言ってみたけど」
木場田つぐみ:「きみが気にしてることの、解決にはならんのだろうな。そういう顔だ」
安東 邑:こくり、と頷く。機械のようだ。
木場田つぐみ:「じゃあ、実際にどうすればいいか考えようか」
猿喰 早耶:「そだね。ま。落ち着いたら来なよー」
猿喰 早耶:「大丈夫。どんなんなっても、なんとかするからさー」
床名えいら:「……今のキミだって、キミさ。邑。昔のキミと違ってたって」
床名えいら:「キミはキミの生を生きてきた」
床名えいら:「それを否定なんてさせやしない」
風間 ねね:「そもそも合意さえあればRBと人間の意識の共生自体は実現可能ですしね」
安東 邑:「......ごめんなさい」ぼそりとこぼす。皆の優しさが、ひりつくように痛い。それでも。
安東 邑:「姉さんも...そうだもんね」
風間 ねね:「そうです! 頭の中の未唯ちゃんとうまく同居ができるようになったのも、つい最近ですから」
安東 邑:「えいらさんも、ありがとう。うん、おれは...おれだよ」
安東 邑:「さやさんは、いつもおれを守ってくれるね。感謝してる」
安東 邑:「先輩は頼りになる。流石おれの世界一の先輩だ」
安東 邑:「...正直、皆がいなかったら」
安東 邑:ぎゅっと歯を食いしばる。
安東 邑:「死んでたかも知れない」
猿喰 早耶:「そりゃーよかった」
猿喰 早耶:「死んでほしくはないからね」
木場田つぐみ:「うん、死なれると非常にいやだから本当によかった」
風間 ねね:「つまり生きててくれるってことですもんね」
床名えいら:「死んだらそこで終わりだろ」
床名えいら:「先のことがあるのはいいことだよ。色々できるからね」
安東 邑:「......先のこと、か」
安東 邑:正直な話、今は考えられそうにない。頭を整理する時間が必要だ。
安東 邑:けれど、まずは。
安東 邑:「――そうだね。そうだ。頑張って生きるよおれ」
安東 邑:彼女たちのために、矛盾を抱えて生きたいと。そう思う。
安東 邑:「ちょっとだけ、外の空気を吸ってくる。五分で戻るよ」
安東 邑:「大丈夫。いなくなったりしないからさ」
床名えいら:「……ほんとにちょっとだけだぞ」
木場田つぐみ:「ん…まあ、外の空気吸うのも必要か…」
猿喰 早耶:「あーい。いってらっしゃい」
風間 ねね:「お姉ちゃんは待ってるからね!」
安東 邑:弱弱しく笑って、携帯だけ持って外へ行く。
安東 邑:「――財布は残しとくから。絶対、皆の所に戻って来るよ」
木場田つぐみ:「変なフラグみたいなこと言うなあきみは……」そして扉を開く直前に。
木場田つぐみ:「あ、あとそうだ」
安東 邑:「ん、なんです?」
木場田つぐみ:「さっきの騙すだのなんだのね。言わない方がいいかなーって思ったんだけど、やっぱり言う」
木場田つぐみ:窓の方を向いて。
木場田つぐみ:「騙す程度で、好きになるようなさ」
木場田つぐみ:「そんなに、ぼくの気持ちが浅いもんだって思うなよな」
木場田つぐみ:「それだけ。早く戻んなよ」
猿喰 早耶:「ふーん」
風間 ねね:「ほーう」
床名えいら:「妬けるね」
木場田つぐみ:「なにか……?」別に何もおかしいことは言っていないが…?という声。
安東 邑:ぽかん、としたような顔をして――それから、にこりと笑って。
安東 邑:「おれ、先輩が居てくれてチョー良かったっす!」サムズアップ。
木場田つぐみ:ひらひら手を振って返す。気にするな、と前からしていた仕草。
安東 邑:「あ、皆のぶんの飲み物もついでに買ってきちゃいますね!なにが良いすか!?コーラ?サイダー?適当に買って来ちゃいます!」
床名えいら:「なんでもいいよー。はしゃいで小銭落とすなよ」

GM:君は、表に出る。
GM:夜風が頬に気持ちいい。
GM:しかし───それを楽しむことは許されない。
安東 邑:がこん。がこんがこん。自販機で、鼻歌を歌いながら飲み物を買っていたその矢先。
???:Eロイス:悪意の伝染
GM:君の世界が「切り離される」。
???:「……出て来てくれて安心した」
???:赤い帽子をかぶった少年。
安東 邑:ばっと自販機から離れる。即座に影の触手を――触手、は。
???:色を失った世界の中で、普通に立っている存在。
???:「……別に攻撃をしてもいいが」
???:「僕は逃げるだけだからな」
安東 邑:躊躇う。脳の代替物質である触腕をそのまま使用すれば......記憶と人格に破綻をきたすのは、自分自身だ。
???:「なに、大人しくしていればいい」
???:「お前はここで待っていればいい」
???:「すぐに、返してやるさ」
安東 邑:「...なんの用だよ。子供がこんな時間に、一人で外出て――メシ、ちゃんと食ったのかよ」焦りと共に、言葉を投げつける。
安東 邑:皆の所へ帰らなくちゃ。姉さん、先輩、えいらさん、さやさん。みんな。
???:「栄養補給ならば、既に済ませた。この時間に外を出歩くことに不都合もない。オーヴァードだからな」
???:端末をいじる。
???:「…それじゃあ僕はこれで」
???:「邪魔しに来たいんならご自由に。『プレミュール』はいつでも扉を開いている」
???:そういって少年は姿を消す。
GM:空間は封鎖されている。
安東 邑:「えっ、ちょっと待て――おい!きみ、やっぱり『プレミュール』の――クソッ」
安東 邑:「出れんのかよ、これ......」
GM:君は、条件を満たさない限り、ここから出ることはできない。
GM:それは───

GM:風間ねねの端末にそれは届いた。
風間 ねね:「これは……!」
GM:「安東邑を隔絶空間に閉じ込めている。」
GM:「解放したくば、『ライゼンフォル』の認証キーを送信しろ」
風間 ねね:端末を握る小さな手がキュッとこわばる。
風間 ねね:「みんな、ちょっと不味いことになりました」
床名えいら:「まさか」
木場田つぐみ:「ん…どうしました。安東くんが襲撃されたとかです?」
風間 ねね:「彼が帰ってくる保障が無い現状で、素直に要求を飲むのも嫌なのですが……」
風間 ねね:そう言って端末を見せる。
猿喰 早耶:「……ん。なんか異様に強いのがいるね、これ」
猿喰 早耶:「ハッタリじゃないと思う。どうする?」
木場田つぐみ:「……情報を送り付けられるところから、狙って動いてたのか。やられたな…」
風間 ねね:「認証キーそのものは、送ろうと思えば送れます。ですが……」
床名えいら:「……ライゼンフォルは、黒書がなければ不完全だ」
床名えいら:「制圧自体は、可能だと思う。その後どうするかは……」
木場田つぐみ:「抜けるのは、完全には安東くんじゃないと難しいから…流石に害そうとはしない、と思いたいけど」
猿喰 早耶:「ああ。大丈夫、そっちの手はあるから」
猿喰 早耶:「ねねねーさんも最善尽くしてくれるんしょー?」
床名えいら:「………ふむ」
風間 ねね:「無論です!」
風間 ねね:それに、とつぶやく。
風間 ねね:「まあ、そもそも、邑クンが帰ってこないと我々まとまれませんからね。送るしか無いかなーと、正直思います」
木場田つぐみ:「それもそう」溜息。
床名えいら:「言えてるなあ」
床名えいら:「まあこういうのはさ」
床名えいら:「相手の罠を踏み壊す勢いで行くのがお約束だろ」
風間 ねね:「逆に、これを送って邑クンが帰ってこなかった場合、我々の敵は同じですし」
風間 ねね:(それに)
風間 ねね:(邑クンが生きたいって言ってたもんね)
風間 ねね:「というわけで。いきますよ、みなさん」
床名えいら:「……よろしく」
猿喰 早耶:「おっけー。適当に、目についたところからね」
木場田つぐみ:「了解です。よろしくお願いしますね」
風間 ねね:送信と表示されたタッチパネルに指で触れる。
風間 ねね:(死にたいって言わなくて本当に良かった。お陰で、私は、あなたを助けられる)
GM:送信されると同時に。
GM:Eロイス:悪意の伝染が解除される。
GM:───戦いが、近い。

GM:ロイス調整が可能。
猿喰 早耶:維持
床名えいら:風間ねね/有為:○/脅威/ロイス
木場田つぐみ:ロイス維持かな…以上で。
風間 ねね:“あの子は本当に危ない気がする”床名えいら ◯懐旧/脅威

クライマックス:正義のヒーローでなくても

GM:クライマックスです。全員登場。
安東 邑:92+1d10
DoubleCross : (92+1D10) → 92+3[3] → 95

木場田つぐみ:木場田つぐみの侵蝕率を1d10(→ 4)増加 (102 → 106)
猿喰 早耶:猿喰・早耶の侵蝕率を3増加 (100 → 103)
猿喰 早耶:もとい、ジャスト100です。
GM:オッケー!
風間 ねね:91+1d10
DoubleCross : (91+1D10) → 91+1[1] → 92

GM:無事解放された安東邑。君たちは、”ライゼンフォル”を止めるべく、そのありかへと向かう。
猿喰 早耶:もう十年近く改装工事を続けている、最寄りターミナル駅の地下。
猿喰 早耶:「人払いよろしくねぃ」
猿喰 早耶:いかにも適当な口調で言いながら、立ち止まったのは一見すると何もない壁の前だ。
風間 ねね:「お任せください。ワーディングでも記憶改竄でも、何でも来いですよぅ!」
床名えいら:《ワーディング》を展開。一般人が避けたくなるレネゲイドが含まれている。
安東 邑:「うわ、すげえ。それが≪ワーディング≫ってやつすか。規制線みたいなもんかなあ...」
床名えいら:「邑としても一般人の安全は確保したいよね」
安東 邑:「もっちろん!えいらさん解ってる~!」
床名えいら:ふう、と息を吐いて笑う。
木場田つぐみ:「ここ、ですか?」
猿喰 早耶:「そだよぉ」
猿喰 早耶:「そうそう、ちょっと危ないから。下がってて」
猿喰 早耶:無造作に、"壁に手を突っ込む"。手を止めて、引くような動作。
木場田つぐみ:「ん…了解です」何歩か下がる。ワーディングの展開はさほど慣れていないーー自分から存在をひけらかすのは死と同義だからだ。
風間 ねね:「さーて、鬼が出るか蛇が出るか……」
猿喰 早耶:そのまま、壁がずれた。扉ほどの大きさ、厚みは30センチほどののコンクリートの塊が、引いた人間の上に倒れてくる。
安東 邑:「に、忍者屋敷......」
風間 ねね:「ニンジャもオーヴァードと言われていますからね。無理もありません」
猿喰 早耶:「そんな上等なもんじゃないよー。ぬりつぶして、壊す準備してあっただけ」
風間 ねね:「ああ、そゆこと……」
猿喰 早耶:「ここが使われてないってことは、場所決め打ちして他から穴掘ったんだろうねぇ」
安東 邑:「やっぱさやさん頼りになるな~。だから見張りもいないんだ」
木場田つぐみ:「モルフェウスの物質錬成ですか…となると。そちらのラインからは漏れてない、ってことですね」まあ先ほどのワーディングで察しただろうが。
猿喰 早耶:真っ暗な穴が、さらに地の底へと続いている。
猿喰 早耶:「ほめてもうれしいだけだぞー。と」
床名えいら:「ま、護衛とかが詰めてないから上等だよね」
猿喰 早耶:「そだね。じゃあ、お礼参りにいこう」
風間 ねね:「ええ、邑クンに粉かけた悪い奴らをしばく為、レッツゴーなのです!」
木場田つぐみ:「ん。了解です」特に気に悩むようなこともないような。そんな軽い声で。
安東 邑:「...みんな」
安東 邑:「ありがとう」
GM:…果たして。
GM:護衛と言えるものはその先にもいなかった。
GM:あれだけいた戦闘員はどこへ行ったのだろう。皆、引き上げたのだろうか?
GM:まもなく君たちはその答えを見る。
GM:地下の開けた空間。中心にある巨大で異様な建造物。
GM:その周りには、戦闘員と思しきものたちが倒れていて。
GM:建造物───おそらく兵器、のそばには二人の少年が控えていた。
???:「ようこそ、”カーマーゼン”。と、……まあいいか」
木場田つぐみ:周囲を見渡す。位置関係と戦力の把握は、反射に等しいレベルで刻み込まれている。
木場田つぐみ:「…あなたたちだけ?仲間割れでもしたのかな」
安東 邑:(...つぐみ先輩が、伏兵は調べてくれてる。ビビるな)
猿喰 早耶:「燃料か、試し打ちってとこかにゃ」
???:「べつに。”ライゼンフォル”の起動実験。ジャームじゃないやつや人間は耐えられずに死んだだけ」
木場田つぐみ:眉根をかすかに顰める。
安東 邑:「...死んだ?」
安東 邑:「...きみ、やっぱり。”プレミュール”の」
”ネルガル”:「そう。”プレミュール”のチルドレン。”ネルガル”」
風間 ねね:(渡して無ければ敵がまだ残存していたかもしれない……と考えれば)
風間 ねね:ため息をつく。
風間 ねね:(ラッキーだったかもしれませんねえ)
木場田つぐみ:「…ジャームこそが真の人類、だっけ。宗教屋は注文が面倒なものだけど」
床名えいら:「ふうん。まあ理念からして、後先考えなさそうだなあとは思ってたよ」
床名えいら:「気が合いそうだね?」
安東 邑:「馬鹿言うな。えいらさんは、意味もなく人殺しなんかしない」
安東 邑:「しようとしたとしても、おれが止める」
”ネルガル”:「そう。そういう意味では隣のイガルクは、まだ至ってないけど」
”イガルク”:「………ボクは常に、研鑽を怠ってない」
”ネルガル”:「『不死者』だっけ。可哀想だよな。ジャームになかなかなれないなんて」
木場田つぐみ:「……」不愉快そうに眉根がさらに寄る。
猿喰 早耶:「難しいこと考える人は、大変だねー」
猿喰 早耶:猫のように笑う。
猿喰 早耶:「で、メール送ったの誰?」
”ネルガル”:「メールなら、僕が送った。過去のデータを浚えば一致するものはすぐ見つかった」
”ネルガル”:「面白いとは思う。是非、ジャームになって僕たちと新しい世界を謳歌して欲しいものだ」
安東 邑:「......そりゃどーも。ご挨拶だよなあ、随分」
猿喰 早耶:「そうかあ。よかった、死んでなくて」
安東 邑:「......さやさん?」ただならぬ様子に、不安げに見る
猿喰 早耶:「ん。大丈夫、やる気になってるだけだよー。少年」
風間 ねね:「ジャームになんてならないほうが良いですよ」
風間 ねね:「だって、ジャームなんて弱い生き物。悲しいだけじゃないですか」
”ネルガル”:「…弱い、か。まあ、そういう思想があることも認めよう。ジャームでないものは真理から遠い」
風間 ねね:「この世界で真に不滅なものは、人間の思いだけですよ」
風間 ねね:「新しい世界も、古い世界も、繰り返す破滅を貫くものは、ね」
風間 ねね:「私たちのつないだ記憶が、これからあなたを滅ぼします。覚悟なさい」
木場田つぐみ:吐息。「…人間が、ただの動物と違うのは。より大きく群れることができたからだ」
木場田つぐみ:「だから発展した。…勉強するの、お勧めするよ。福沢翁の名著とか、特にね」
安東 邑:「そうだよ。先輩の、言う通りだ」
安東 邑:「きみたち、まだ子供なんだから...何だって出来るよ。人殺しなんて、しちゃいけない」
猿喰 早耶:「ん。そう、なんだってできるんだよ」
猿喰 早耶:「人殺しだって。もっとやーになるようなことだって」
猿喰 早耶:「少年。情けかけちゃうのはわかるけど、こう言おうか。あれは敵だよ」
風間 ねね:「ジャームは何者にも絆されない。繋がらないものは何も残さない。奪うばかりの虚しいもの」
風間 ねね:「そう、あれらはきっちり殺さねばならないのですよ、邑クン」
床名えいら:「お説教、私はする気ないよ」
床名えいら:「好きに生きたらいいさ。そうしたら、こうやってぶつかることもある。立ってた方が正義さ」
安東 邑:ぎり、と歯を噛み締める。...そうだ。自分は、完璧な正義のヒーローではない。
安東 邑:選ばなければならない。自分が、誰にとっての正義であるのかを。
木場田つぐみ:「……急にやれなんて言わないさ。ただ」
木場田つぐみ:「ぼくは殺す。そうしたほうが楽だからだ」
風間 ねね:「大丈夫、お姉ちゃんが代わりにやってあげますから」
安東 邑:「......ありがとう、二人とも」
安東 邑:「でも、やっぱり。『人殺しが楽になった』って言えるまで、どんくらいしんどかったのかって。そう思っちゃう」
安東 邑:「だから、うん」
安東 邑:――おれも一緒に、不幸になるよ。
木場田つぐみ:溜息。
安東 邑:「この二人は」震える。
安東 邑:「......おれが、ころ、す」
”イガルク”:「大丈夫、安心して」
”イガルク”:「みんな、ちゃんときっちり。導いてあげるから」
”ネルガル”:「まあ、勿体ないからな」
”ネルガル”:「死ぬなよ、せいぜい」
”ライゼンフォル”:『ォオオオオオォォォオオン!!!』
”ライゼンフォル”:巨大な兵器が吠える。君たちのレネゲイドを励起する。
GM:衝動判定。難易度は9です。
木場田つぐみ:7dx+1>=9 
DoubleCross : (7DX10+1>=9) → 10[3,3,5,8,8,8,10]+4[4]+1 → 15 → 成功

木場田つぐみ:成功。
木場田つぐみ:木場田つぐみの侵蝕率を2d10(→ 11)増加 (106 → 117)
木場田つぐみ:ふふ もうアージも解禁ですわね……
風間 ねね:ヒューマンズネイバー発動
安東 邑:5dx+1>=9
DoubleCross : (5DX10+1>=9) → 10[1,7,10,10,10]+9[1,1,9]+1 → 20 → 成功

猿喰 早耶:むむ…
風間 ねね:3dx+1>=9
DoubleCross : (3DX10+1>=9) → 10[6,10,10]+6[2,6]+1 → 17 → 成功

猿喰 早耶:5dx>=9
DoubleCross : (5DX10>=9) → 10[1,2,6,8,10]+10[10]+2[2] → 22 → 成功

猿喰 早耶:おや、成功しちゃった。いいぞ。
風間 ねね:クリティカル出過ぎてない……?
木場田つぐみ:みんな意思強いね?!
風間 ねね:92+2d10
DoubleCross : (92+2D10) → 92+12[3,9] → 104

安東 邑:見たか!これが天城荘の結束力だ!
安東 邑:95+2d10
DoubleCross : (95+2D10) → 95+12[3,9] → 107

床名えいら:6dx+1>=9
DoubleCross : (6DX10+1>=9) → 10[4,5,5,8,9,10]+2[2]+1 → 13 → 成功

GM:床名えいらの侵蝕率を2d10(→ 7)増加 (100 → 107)
安東 邑:やったねえいらさん!
床名えいら:まだナーブジャックにはとおい

GM:では、クライマックス戦闘開始です。

(イガルク[6]、ネルガル[7]、ライゼンフォル[8])
   |
   10m
   |
(邑[5]、つぐみ[8]、ねね[4]、早耶[6]、えいら[13])

GM:セットアップ。行動値順に処理しましょう。
GM:まずえいらさん。
床名えいら:なし!
GM:つぐみちゃん
木場田つぐみ:ブルーゲイル使いますね。行動値+5
木場田つぐみ:これで行動値が13に。
木場田つぐみ:木場田つぐみの侵蝕率を5増加 (117 → 122)
GM:ライゼンフォル。
”ライゼンフォル”:《ヴァイタルアップ》《原初の黄:戦いの予感》を使用 HP+200,行動値+60
”ライゼンフォル”:追加で『唯我独尊』『破滅の足音』『唯我独尊』『破滅の足音』『唯我独尊』『破滅の足音』を使用
”ライゼンフォル”:1d10+1ラウンド目に全員を戦闘不能にする。
”ライゼンフォル”:1d10
DoubleCross : (1D10) → 1

”ライゼンフォル”:1d10
DoubleCross : (1D10) → 9

”ライゼンフォル”:1d10
DoubleCross : (1D10) → 10

”ライゼンフォル”:2ラウンド目、10ラウンド目、11ラウンド目に全員が戦闘不能になります。
GM:ネルガル。
”ネルガル”:《アクセル》《クイックダッシュ》を使用 行動値+12し、PCにエンゲージ

(イガルク[6]、ライゼンフォル[68])
   |
   10m
   |
(邑[5]、つぐみ[8]、ねね[4]、早耶[6]、えいら[13]、ネルガル[19])

GM:早耶さん。
猿喰 早耶:じゃあいこっかー。《原初の白:限界突破》、砂の加護に。
猿喰 早耶:猿喰・早耶の侵蝕率を5増加 (100 → 105)
GM:イガルク。
”イガルク”:《苛烈なる火》 HPを5点失い、攻撃力増加
GM:邑くん。
安東 邑:セットアップ...何だそれ...?
安東 邑:というわけでありません
風間 ねね:そしてこちらもセットアップなにもないんだなあ……
GM:オーケー!
GM:ではセットアップ終了、イニシアチブ!

GM:ライゼンフォルから。
”ライゼンフォル”:マイナーで《千変万化の影》《堕落の爪》技能はRC
”ライゼンフォル”:メジャーは《原初の赤:サイレンの魔女》でPC全員を攻撃。命中で侵蝕+13です。
木場田つぐみ:それは困る。
木場田つぐみ:コンボ:“かつて在り、今在り、やがて来たる者”≪原初の黒:時の棺≫。攻撃を失敗させる。
”ライゼンフォル”:では、判定は失敗!
木場田つぐみ:木場田つぐみの侵蝕率を12(→ 12)増加 (122 → 134)
”ライゼンフォル”:攻撃&リアクション演出へ。

”ライゼンフォル”:巨大な機械の中の機構が駆動するのが聴こえる。
”ライゼンフォル”:溢れたレネゲイドは影となって、君たちにも視認できる。
”ライゼンフォル”:そして、その影を解き放とうとする。それに触れれば、著しい侵蝕負荷がかかるだろう。
安東 邑:(一目見たら解る...アレ喰らったら、ヤバい奴だろ!)
床名えいら:「やあ。これは帰れないかなー?」
床名えいら:けらけらと笑っている。
木場田つぐみ:すぅ、と一つ分の息を吸う。
木場田つぐみ:『”カーマ―ゼンより空舞う灰へ”』
木場田つぐみ:声がこぼれる。
木場田つぐみ:『”曇る水晶。鳴らす金鈴”』
木場田つぐみ:それは、もともと”カーマーゼンの黒書”をこそコアとする設計であるから、その声はよくよく響く。
木場田つぐみ:設計は聴いていたし、それに。
木場田つぐみ:(嫌な気配がする。嗅ぎなれたにおいが)
木場田つぐみ:『”雲間を駆けるーー推せ”』
木場田つぐみ:りん、と。
木場田つぐみ:澄んだ音がした。
木場田つぐみ:影払う金の鈴。闇払う銀の刃。
木場田つぐみ:そういう”もの”が、この現実に現出する。
木場田つぐみ:彼女の能力は、ハヌマーンに分類される。それは振動現象が見られる為であるがーー
木場田つぐみ:そも、振動とはなんであろうか。
木場田つぐみ:一つのものが、正負双方向に百重千重と移動を繰り返すこと。
木場田つぐみ:それはつまりーー現実へ、幻想を押し付けて。それが巻き戻ろうとする動きもまた、振動と見做して扱うことができるということ。
木場田つぐみ:「それは困る。止まってろ』
”ライゼンフォル”:その、振動に抑え込まれ。攻撃の予兆は完全に停止する。
”ライゼンフォル”:再び動き出すのに、時を要するだろう。
安東 邑:「...止まった?マジで?あれ止めるの?」
木場田つぐみ:「一発切り。これで防ぐのは打ち止めだからな』
木場田つぐみ:こほん、とエコーがかかった声を咳払いして戻す。
”ネルガル”:───その、君たちの懐で。
”ネルガル”:声がする。
”ネルガル”:「余所見している場合か?」

GM:イニシアチブ。ネルガルの手番。
”ネルガル”:マイナー。《毒蛇》《破壊の爪》
”ネルガル”:メジャー。《コンセントレイト:ソラリス》《原初の赤:魔獣の衝撃》《流血の胞子》《増加の触媒》《ポイズンフォッグ》でPC全員に攻撃。命中で邪毒6
猿喰 早耶:流血の胞子かー
安東 邑:ではそこに再び
安東 邑:≪時の棺≫。
安東 邑:皆をやらせやしないよ...!
”ネルガル”:では、攻撃は失敗!
”ネルガル”:演出に移ります。
安東 邑:了解!

”ネルガル”:「侵せ。振り撒け。伝染れ。我は疫病なるもの」
”ネルガル”:その右手が禍々しい巨大な爪を持った手に変じる。
安東 邑:(...来る!おれ狙いか!?)
”ネルガル”:その手を、大きく横に振りかぶる。
”ネルガル”:対象を定めた攻撃ではない。これは、薙ぎ払う攻撃だ。
木場田つぐみ:「、むーー」先の大規模行使から時間がたっていない。いや、そうでなくとも動きが違いすぎる。避けられない。
安東 邑:「先輩!やら、せるか...!」
安東 邑:(つったって、どう止めりゃいいんだよコレ――速すぎるだろ!)
”ネルガル”:それは、今にも君たちを切り裂こうと───
なにか:目から、影色の触手が咲く。打ち上げられて、爆裂する。
なにか:「――あ」
なにか:「そっか。きみが、おれだったら」
なにか:「こんなことしないもんな」
なにか:中空で触手が閃く。薙ぎ払われる手を掻い潜り――そのうちの何本かは撃ち落とされるが――その一本が、”ネルガル”の腹部に到達する。
”ネルガル”:「な」
なにか:「やめようぜ、こんなこと」
なにか:浸食。同化。安東邑の脳を喰らい棲み付いたそれが、”ネルガル”にも語り掛ける。
”ネルガル”:「はい、り、こんで……思考が…くそ!」
”ネルガル”:「やめろ!!やめろォッ!!」
”ネルガル”:「僕は───僕だ!!!」その爪で、触手を断ち切る。
”ネルガル”:「げほっ……はぁっ、はぁっ…」
安東邑:「――ッ、ぐあっ!」同じく引き裂かれた触手のフィードバックが来る。膝を着く。
安東邑:「...あれ」
安東邑:「俺の左手、動かねー」
安東邑:自身の脳の代替物質を戦闘に転用する。その代償が、これだ。
安東邑:「...まだ作りたい料理、あんのに。マジかよ」
”ネルガル”:「……自分の脳を削って戦っているようなものだろう」
”ネルガル”:「さて。補うだけの時間があればいいけどな」

GM:では、行動値13!
床名えいら:つぐみちゃん先行きます?
木場田つぐみ:うーん…重圧入れてもらってカバー封鎖してから行くべきか悩みますね
床名えいら:ああ、重圧
床名えいら:じゃあ先行きましょうか
木場田つぐみ:すみません、お願いします!
床名えいら:マイナーはなくて
床名えいら:メジャー。《コンセントレイト:エンジェルハィロゥ》+《光の手》+《ブラッドウェブ》+《細胞侵蝕》+《レーザーファン》
床名えいら:ライゼンフォル、イガルクを対象に。
床名えいら:命中で移動・ドッジの度10ダメージ、重圧、邪毒3
床名えいら:10dx7
DoubleCross : (10DX7) → 10[1,2,3,3,4,4,4,6,8,9]+4[3,4] → 14

床名えいら:低くない…?
”ライゼンフォル”:《蛇の動き》でドッジ
”ライゼンフォル”:17dx
DoubleCross : (17DX10) → 8[1,1,2,2,3,3,3,4,5,5,6,6,7,7,7,8,8] → 8

”イガルク”:《炎陣》でライゼンフォルをカバー。
”イガルク”:《黒の鉄槌》《迎撃する魔眼》をこの命中判定のリアクションとして使用。
”イガルク”:10dx8+4
DoubleCross : (10DX8+4) → 10[1,2,3,5,5,6,8,10,10,10]+7[1,2,5,7]+4 → 21

”イガルク”:3d10+26
DoubleCross : (3D10+26) → 21[10,7,4]+26 → 47

床名えいら:イガルクにブラッドウェブ、重圧、邪毒3
床名えいら:そして自分は死ぬので、
床名えいら:木場田つぐみのロイスを昇華して立ち上がります。
床名えいら:侵蝕は121に。
GM:床名えいらのHPを11に変更 (25 → 11)
床名えいら:では演出!

床名えいら:「───さて。固まってないのは勿体ないけど」
床名えいら:「ちょっと夢を見てもらおうか」
床名えいら:自らの細胞繊維をレネゲイドで操り、放つ。それは兵器相手であろうと、作用しただろう。
床名えいら:阻まれることがなければ。
”イガルク”:「それは、通さないよ」
”イガルク”:氷が、細胞繊維を飲み込む。
”イガルク”:「っ……この視界も2回目か」
”イガルク”:「でも」
”イガルク”:「君は、捕まえた」
”イガルク”:氷の逆行射出。
床名えいら:「ウ……アァッ!!」
床名えいら:「い、ったあ〜〜……」
床名えいら:「ごめん、邑。あんまり止められなかった」
安東邑:「えいらさん!良いって、そんな...!」
安東邑:「...大丈夫。覚えてる。忘れたりなんかしねー」
床名えいら:「…………ありがと」

GM:では、つぐみちゃんの手番へ。
木場田つぐみ:はい。
木場田つぐみ:マイナーなし。オートでメイド服装備して行動値-3して10に。
木場田つぐみ:そしてさらにコンボ:“おお、見よ。居並ぶ剣槍の煌めきを”≪援護の風≫ ≪ウィンドブレス≫を自身へ。
木場田つぐみ:木場田つぐみの侵蝕率を4(→ 4)増加 (134 → 138)
猿喰 早耶:判定に《砂の加護》《砂塵霊》。+5Dのダメージ+24ねー
猿喰 早耶:猿喰・早耶の侵蝕率を6増加 (105 → 111)
木場田つぐみ:えっめちゃくちゃありがたいです……助かる
猿喰 早耶:いいのいいの。がんばれー
安東邑:二人ともやっちゃえ~!
木場田つぐみ:ウィンブレが+6d、達成地+12だから合計+11dか
木場田つぐみ:そしてメジャー。コンボ:”かれこそ救い主、地に平和を齎す者“≪原初の赤:サイレンの魔女≫ ≪原初の灰:鮮血の修羅≫。敵全員へ攻撃。
木場田つぐみ:18dx+10+12+3 
DoubleCross : (18DX10+25) → 10[1,2,2,2,3,3,4,4,4,5,5,6,7,7,7,8,10,10]+9[6,9]+25 → 44

木場田つぐみ:回った。ありがたいね。
GM:ヒィ〜
GM:順番に対応します。
”イガルク”:オートが封じられてるので普通にドッジ。
”イガルク”:5dx+1
DoubleCross : (5DX10+1) → 10[2,5,5,9,10]+4[4]+1 → 15

”ライゼンフォル”:《蛇の動き》でドッジ
”ライゼンフォル”:17dx
DoubleCross : (17DX10) → 9[2,3,3,3,3,4,4,5,5,5,6,6,6,6,9,9,9] → 9

”ライゼンフォル”:こいつしょぼくない?
猿喰 早耶:いいんでない。避けられたらたまんないし
木場田つぐみ:びっくりするくらい回んないね…w
”ネルガル”:接敵してるので《復讐の刃》
木場田つぐみ:君そんなん持ってたの?!
”ネルガル”:5dx8+1 ダメージ通ったら邪毒6
DoubleCross : (5DX8+1) → 10[3,4,5,7,9]+4[4]+1 → 15

安東邑:うわっ復讐の刃!
GM:では、ダメージをどうぞ。
猿喰 早耶:これカバーできます?
GM:カバーは…できるはず?リア不ではあるけど
GM:カバー不可ではないはず
GM:ガード扱いにはならない、かな
猿喰 早耶:ガード時エフェクトも仕込めないかな?
GM:んー、それはちょっと難しいと判断します
GM:ガードというリアクションを取るのがトリガーなら
GM:リアクション不可はガードをできなくするので
安東邑:ではこちらがカバー。
木場田つぐみ:ん…お願い。
安東邑:≪崩れずの群れ≫。ガー不なのでグラビティガードはなしで。
木場田つぐみ:ではダメージ出します。
木場田つぐみ:5d10+18+24 装甲無視。
DoubleCross : (5D10+18+24) → 39[10,4,10,8,7]+18+24 → 81

GM:OK。
木場田つぐみ:わあ 上振れした
安東邑:先輩愛してる!
木場田つぐみ:81点装甲無視ダメージ。1点でもダメージが入ったら、クリンナップにhpを40点失います。
”ネルガル”:2d10+17
DoubleCross : (2D10+17) → 17[8,9]+17 → 34

”ネルガル”:邪毒6をプレゼント!
”ネルガル”:こっちもいいのを喰らいました
木場田つぐみ:あわわ
木場田つぐみ:木場田つぐみの侵蝕率を12増加 (138 → 150)
木場田つぐみ:木場田つぐみのHPを5減少 (28 → 23)
GM:えーと、こっちは全員食らってる…な
”イガルク”:イガルクが落ちます。
安東邑:アームドスーツで10点弾いて24点。立ってます
木場田つぐみ:あ、やった。これは大きい
木場田つぐみ:邪毒6も入るからそれに気を付けてね!
安東邑:お、オッケー...
GM:では演出どうぞ!
木場田つぐみ:はい。

木場田つぐみ:床名さんのそれを見た。カバーに回る相手を封じてくれた。なら。
木場田つぐみ:奥歯に仕込んだ薬剤を嚙み砕く。
木場田つぐみ:か、と体が熱をもって。殺意が暴れだすのが分かる。
木場田つぐみ:(関係ない)
木場田つぐみ:(この程度で)(ぼくが)
木場田つぐみ:(”カーマーゼン”が。木場田つぐみが。今更)
木場田つぐみ:『”カーマーゼンより震える音階へ”』
木場田つぐみ:歌が響く。
木場田つぐみ:『”輝く弦。滴るしずく”』
木場田つぐみ:殺意を込めて歌う。だが、その原曲はーー
木場田つぐみ:それは、”カーマーゼンの黒書”の記述だ。それは、いかに少年が立つまで、そして立った後も、
木場田つぐみ:悲惨な現実を描き続ける。
木場田つぐみ:かれが王になった後も。
木場田つぐみ:地に平和を齎しても。
木場田つぐみ:それでもまた、その王国は焼け落ちる。
木場田つぐみ:それでも、かれがしたことは残って。以前ほどひどくはならずに終わったのだと結ばれる。
木場田つぐみ:『宿木に燻す。--芽吹け』
木場田つぐみ:そんなひどいことがあるか、と思う。
木場田つぐみ:許せないし、許したくない。必死で頑張った人間にさえ、なんの報いもないのなら。
猿喰 早耶:そのとき。地下に、風が吹いた。
猿喰 早耶:どこか遠い大地の、緑の草原を渡ってゆくような風が。
猿喰 早耶:物理的に風が吹いたわけではない──視界の光/影が、そのようにゆらいだ。そよいだ。
木場田つぐみ:わずかに我を取り戻す。曲の制御をする。
猿喰 早耶:風は、錯覚でしかない。ただ、終わっても、まだ何かがそこにあると告げるような。
木場田つぐみ:ごり、と岩のような重く固いものが動く音。
木場田つぐみ:『ーー木場田つぐみが告げる』
木場田つぐみ:『汝、刃を抜くなら心せよ。そは汝にいずれ帰るからである』
木場田つぐみ:岩がそこにあった。もう、そこに剣はない。
木場田つぐみ:敵の体に、穴が開く。もう剣は抜かれたからだ。
木場田つぐみ:それが戻ることはない。
”イガルク”:「ぐ、く」
”イガルク”:「ここで、終わりか……」
安東邑:「......”イガルク”」
”イガルク”:「どうすれば……至れ……」
”イガルク”:倒れ伏す。
安東邑:「お前、頑張ってたよ。つぐみ先輩にしたことは、絶対許せねーけど」
”ネルガル”:「か……は、ア」身体に大穴を開けて蹌踉めく。
木場田つぐみ:癒えぬ傷を与える。リザレクトを持ち、超絶の生命力と再生を持っていたとしても。その傷は癒えないーー少なくとも、このひとときは。
”ネルガル”:「カーマァア、ゼンッッ!!!!」
木場田つぐみ:見据える。透明な目でただ待つ。
”ネルガル”:大きな爪を振りかぶる。それは攻撃後の隙をついて、
”ネルガル”:真っ直ぐに届く。はずだった。
なにか:「――許せない」
なにか:許すことは出来ない。彼女への危害を、許すことは出来ない。
なにか:(.......頼む)
なにか:(おれじゃなくなってもいい。彼女たちを、彼女たちでいさせてくれ)
なにか:(......破滅なんかに、導かないでくれ。おれの中のお前が、正義のヒーローなら)
なにか:「”ネルガル”!お前の敵は.......俺だ!!!」
”ネルガル”:「……じゃまを」「するなアッ!!”アンノウン”!!」
なにか:が ぎん。
なにか:触腕が大量に散乱する。
なにか:「......おれ、そんな名前で呼ばれてたのか」
”ネルガル”:「何者にもなれなかったスクラップなど」
”ネルガル”:「名無しそれで充分だ」
木場田つぐみ:「最初から誰かになってるものなんて、あるものか!」
なにか:...影を纏う名無しは、たった一人の王の如く立つ。背に、木場田つぐみを背負って。
木場田つぐみ:「なにをーー何をばかなことを!ぼくならまだどうにかできたのに!』エコーが残る声で。
なにか:「...『人殺しをした方が楽』って、言ってましたよね」
なにか:「そんなわけ、ないでしょ」
木場田つぐみ:「……そうだろ!殺し合いをしてーー相手を生かして、そいつが感謝なんてするものか!また殺しに……』
木場田つぐみ:声が途切れる。
なにか:「それは。先輩自身を殺すのと、どう違うんですか」
なにか:「教えてください。おれ、先輩に教えて欲しいことが、まだたくさんあるんです」
木場田つぐみ:「……っ、それでも、全部は死なないだろ……!あのなあ』
なにか:...おれの名前は、なんだっけ。
なにか:大丈夫だ。先輩のことは、まだ覚えている。さやさんも。えいらさんも。姉さんも。
木場田つぐみ:「自殺するようなこと、するなよ!助けられるのは、助かろうとするやつだけだ!』
木場田つぐみ:「ばかなのか、きみはーー安東邑!』
なにか:「...アンドー」
安東邑:「...そうですよ。先輩が、いつも教えてくれるんです」
安東邑:「大事なことを。いつも、貴女が傍に居るから」
安東邑:「...うん。and youってね、へへ」
木場田つぐみ:「………っ。きみは……きみは、本当にっ……!』
”ネルガル”:「……つまらないな」
”ネルガル”:「つまらないつまらないつまらない。本当にこれだからいやなんだ」
”ネルガル”:「人になれ」
”ネルガル”:「人に───なれ」

GM:では、早耶さんの手番へ。
猿喰 早耶:はい。マイナーなし、メジャーで白兵攻撃ー
猿喰 早耶:6dx7+2 《コンセ/インスタントボム》
DoubleCross : (6DX7+2) → 10[1,4,5,8,9,9]+4[2,4,4]+2 → 16

猿喰 早耶:ネルガルに達成値16ー
”ネルガル”:《復讐の刃》で反撃しまーす
”ネルガル”:5dx8+1
DoubleCross : (5DX8+1) → 10[1,3,7,9,10]+10[8,9]+10[4,9]+1[1]+1 → 32

猿喰 早耶:ダメージいくよーと。
猿喰 早耶:2d10+5 装甲無視
DoubleCross : (2D10+5) → 17[7,10]+5 → 22

”ネルガル”:4d10+17
DoubleCross : (4D10+17) → 18[4,4,1,9]+17 → 35

”ネルガル”:まだ立ってます。
猿喰 早耶:死ぬので、フィランダー教授のロイスをタイタス化して昇華。HP13で復帰。
”ネルガル”:では、邪毒6をどうぞ。
猿喰 早耶:で、ダメージスタック《巨人の影》。対象は《砂塵霊》。
猿喰 早耶:はーい。邪毒もらって
GM:演出どうぞ〜
猿喰 早耶:はーい。

猿喰 早耶:目の前。少年と"ネルガル"の打ち合い、にらみ合いに、気にした様子もなく踏み込む。
猿喰 早耶:「ちょっと離れなって」
猿喰 早耶:軽く押すように、ネルガルに触れる。無造作といっていい動作だ。
安東邑:「さ、やさん!」ぱっと顔が輝く。
猿喰 早耶:「ん」
”ネルガル”:「ッ!!」
”ネルガル”:手を無造作に振り払う。それだけで。
”ネルガル”:猿喰早耶の体が裂ける。
猿喰 早耶:血が飛び散った。
猿喰 早耶:砂が飛び散った。
猿喰 早耶:振り払ったネルガルの、手首から先がごっそりと消えている。
猿喰 早耶:「いったぁ…」
”ネルガル”:「く、く……」崩れ落ちた右手の先を押さえた左手が、獣のものに変じる。
猿喰 早耶:引き裂かれた迷彩服が、どんどん赤色に染まる。染まって広がる。
安東邑:「......この野郎」
”ネルガル”:「は。痛み分けだろう」
猿喰 早耶:「あたしのことはわかってくれるよーで何より」振り向いて、笑う。
猿喰 早耶:隙だらけの姿だ。ただ……何か、おかしい。
猿喰 早耶:何かがまだ、ネルガルを見ている。細身の姿が、薄く二重写しになっている。
猿喰 早耶:「そうだね。痛み分けだ。痛いっしょ? もっと痛くなるよ」
”ネルガル”:「は、は!」
”ネルガル”:「いいだろう」
”ネルガル”:「来い」
猿喰 早耶:「盛んな目してるねえ」
猿喰 早耶:「少年のこと、名なし(アンノウン)って言ったっけ。それはナイス偶然」
猿喰 早耶:「こいつもそんな名前なんだわ。起きろ、"誰でもない(ニルグィ)"」
猿喰 早耶:目線が戻る……戻って重なる……重なっているかがよく、わからない。
猿喰 早耶:女の輪郭が、ひとつに見えない。視線を反らすとぶれて、別の形をしているように思える。
猿喰 早耶:影の輪郭が、一つの形であることを拒んでいるような。
安東邑:「......ニルグィくんの名前も。ちゃんと、覚えてますよ。お揃いだったんすね」ため息をついて笑う。
猿喰 早耶:「少年。あとでいいこと聞かせたげるよ。時間があったらね」
猿喰 早耶:「そのためにも、ちょっと張り切っていこうか」
猿喰 早耶:何もない空間を握るようにする。
猿喰 早耶:ざらり、と砂の落ちる音がした。

GM:では、邑くんの手番へ。
安東邑:押忍。
安東邑:マイナーはなし。
安東邑:『ブンブン・サテライツ』≪コンセントレイト:エグザイル≫+≪伸縮腕≫
安東邑:侵蝕4
安東邑:8dx7+4
DoubleCross : (8DX7+4) → 10[2,5,6,6,6,7,9,10]+10[1,3,8]+4[4]+4 → 28

安東邑:まずまずまあまあ
GM:対象は!
安東邑:ネルガルくんで!
GM:オーケー!
”ネルガル”:《復讐の刃》
”ネルガル”:5dx8+1
DoubleCross : (5DX8+1) → 10[3,5,7,8,9]+7[4,7]+1 → 18

GM:ダメージをどうぞ。
安東邑:3d10+14
DoubleCross : (3D10+14) → 17[6,7,4]+14 → 31

安東邑:諸々有効!
”ネルガル”:2d10+17
DoubleCross : (2D10+17) → 17[10,7]+17 → 34

”ネルガル”:えーと
”ネルガル”:落ちるので、
”ネルガル”:《魔獣の証》
”ネルガル”:復活します。
GM:演出をどうぞ!
安東邑:こちらも落ちます。正義のヒーロー:〇否定/肯定 に変更してHP12で復活。
安東邑:演出行きます

安東邑:...昔見た特撮番組の最終回。ヒーローと、悪役が殴り合っていた。
安東邑:ヒーローは泣いていた。悪者は笑っていた。
安東邑:今、黒い涙を流しながら。安東邑は、影の触腕を右腕に纏わせる。
安東邑:「――ッ、ああっ!」眉をひそめて祈るように拳を振るう。
”ネルガル”:その拳を受けながら、左手で刺し貫く。
安東邑:「ぐ、ぶっ」血を吐く。
安東邑:血に黒いものが混ざっている。記憶が、日々が、流れ出していく。
安東邑:「......きみ、つぐみ先輩に、謝れよ......」
”ネルガル”:「何故だ?」
”ネルガル”:「心当たりがないな」
安東邑:「先輩は、普通に過ごしたかったんだ。ジャームに、なりたくなかったんだ」
安東邑:「......俺とだって、関わるべきじゃなかった」
”ネルガル”:「だから?」
”ネルガル”:「それはお前たちの問題だろう。僕が謝る必要性を感じない」
安東邑:「.....それは、違うよ」泣きながら笑う。
安東邑:「先輩は、おれが死んだとき以外泣いてないんだ。涙ってのはさ...出し尽くすと、枯れちゃうんだよ」
安東邑:「先輩は、今も多分...心の中で、泣いてるんだと思う。そして、きみも」
”ネルガル”:「勝手に他者の心を定義するな。虫唾が走る」
安東邑:「...ね?イヤだろ、こういうの」
安東邑:「じゃあ、”ジャームになるのが幸せ”っていうのは」
安東邑:「勝手に他者の心を定義するのと、どう違うのかな」
”ネルガル”:「別に」
”ネルガル”:「衝動は己だけのものだ」
”ネルガル”:「真に己なるものは衝動だけだ」
”ネルガル”:「その衝動を押し付けることなどしない」
安東邑:「だったら!もう皆に、手を出すなよ...!」”ネルガル”を振り払って、再び触手を纏う。
”ネルガル”:「は」
”ネルガル”:「手を出してきたのは君たちだろうに?」
”ネルガル”:「僕は平和主義なんだ」
安東邑:(...そうか!えいらさんの――)
安東邑:「......そっか。確かにきみ、一度は穏便に済ます方法を探そうとしてくれたもんな」
安東邑:(あー...くそ。そりゃそうだ、選ばなきゃって決めてたはずなのに)
安東邑:「本当ダメだな、おれ」
木場田つぐみ:「ダメなことなんてあるものか」腕を引く。
木場田つぐみ:「……正直、ぼくはやめてほしいと思うけどね」触手を纏うそれに手を滑らせて。
風間 ねね:「そうです。あなたが立派だったと、私は知っています」
猿喰 早耶:「だいたい。都合のいい話を飲ませようとするのは、穏便とは言わないってさ」
床名えいら:「堂々としてりゃいいんだ。相手と同じように」
安東邑:「......ありがとう、みんな」
安東邑:「......ごめん。俺は、正義のヒーローじゃない。そうはなれない。ごめん、”ネルガル”」
安東邑:「だからせめて、みんなの、ヒーローに」
安東邑:例えこの記憶が尽きても。
床名えいら:「ヒーローになんかなるな、邑」
床名えいら:「君がそうありたいのは知ってる。でも」
床名えいら:「ならなくていい。邑は、ならなくていいんだ、ヒーローに」
安東邑:「...えいらちゃん」
安東邑:弱く笑う。肩の荷が下りたかのように。

GM:では、ねねさんの手番へ。
風間 ねね:マイナー
→オリジン:サイバー

風間 ねね:(邑クン、お姉ちゃんは知ってるよ。今、一番泣いてるのはあなただよね)
風間 ねね:(知ってるの。あなたは優しいから。何時だって、何度だって、あなたは誰かの為に泣いてしまう)
風間 ねね:「だから私は、そんな邑クンに」
風間 ねね:前に立つ背中に両手を伸ばす。
風間 ねね:両手を合わせて祈りを込める。
風間 ねね:「そんな“あなた”に、尽きせぬ愛を。あなたがこの世界の残酷に手折られぬように」
風間 ねね:「何度、だって」

風間 ねね:メジャー『Re:I AM』
→《絶対の恐怖》+《神の御言葉》+《風の渡し手》+《マシラのごとく》+《オーバードーズ》対象は敵の三人

GM:来た…
猿喰 早耶:アクション割り込みで《砂の加護》《砂塵霊》は+5Dのダメージ+32ー
風間 ねね:では補助もらって判定行きます!
風間 ねね:8dx+20 交渉
DoubleCross : (8DX10+20) → 10[3,3,4,5,7,10,10,10]+10[3,7,10]+4[4]+20 → 44

GM:じゃあ、リアクションします
”ライゼンフォル”:《蛇の動き》
”ライゼンフォル”:17dx
DoubleCross : (17DX10) → 10[1,1,2,2,3,3,4,4,4,4,7,7,7,8,8,9,10]+8[8] → 18

”ネルガル”:《復讐の刃》
”ネルガル”:5dx8+1
DoubleCross : (5DX8+1) → 10[2,2,6,8,10]+6[2,6]+1 → 17

GM:ダメージをどうぞ!
風間 ねね:108+32+5d10 装甲無視
DoubleCross : (108+32+5D10) → 108+32+33[8,10,4,9,2] → 173

風間 ねね:演出行きます!
GM:まったまった
”ネルガル”:2d10+17
DoubleCross : (2D10+17) → 13[10,3]+17 → 30

”ネルガル”:これをもらって!
”ネルガル”:それでネルガルくんはこれで沈みます
”ネルガル”:あと、ちょっと待ってね
GM:あ
GM:ライゼンフォルも落ちました
GM:復活もなし
風間 ねね:あっはい!
GM:なに?この火力
風間 ねね:ではセルリーダーのロイスを切って立ちます!
GM:はーい!
GM:演出どうぞ!
風間 ねね:侵蝕104→125

風間 ねね:「記憶とは脳内の神経配列。そしてその配列を決定するのは刺激に伴う化学物質の分泌です」
風間 ねね:「故にこそ信じます。邑クンの優しさは尽きない。私たちの継いだあなた達を貫く意思は消えない」
風間 ねね:背後に、極彩色の蝶の群れが浮かぶ。
風間 ねね:「何度だって」
風間 ねね:電影に揺らぐ幽幻の蝶。
風間 ねね:風が全身の表皮を撫で。
風間 ねね:薬は脳裏の溶解を早め。
風間 ねね:拡張された現実として、彼らの心身を毒する甘き霊。
猿喰 早耶:本来なら、あるいは逃れられたのかもしれない。
猿喰 早耶:だが、巨大兵器の生体部品防御機能は、それを果たさず停止していた。
猿喰 早耶:筐体の奥、保護機構が静かに朽ちている。
猿喰 早耶:勿論、誰も気付かない。密閉された匣の中に、他にあるのは影と闇ばかりだ。
風間 ねね:「Re:」
羽は撫でる。音もなく。

風間 ねね:「I」
羽は変える。前触れなく。

風間 ねね:「AM」
すり抜けた電影の蝶は、しかしそこに存在するという“実感”を伴っていた。

風間 ねね:そしてすり抜けた後、蝶は書き換える。
風間 ねね:神経を、血管を、レネゲイドウイルスの活性と鎮静に作用する免疫系を。記憶の構築は化学物質の誘導による神経配列の変化であり、神経配列の変化とは、細胞の増殖制御である故に――記憶操作能力とはすなわち、薬物による直接的な生体破壊能力に他ならない。
風間 ねね:虚構より来たる猛毒の鱗粉を前に、生命は迷走し、自損し、狂乱し、消失する。
風間 ねね:「残酷なものです。誰かの心を恣にするというのは」
風間 ねね:蝶が結ぶ。光が開く。
風間 ねね:月稜鏡《ムーンレンズ》の歪な像。
”ライゼンフォル”:その巨体が、がくり、と力を失い、どおん、と倒れる。
”ネルガル”:「う……あ、あ」
風間 ねね:「抵抗は無意味です。本来、木場田ちゃんの一撃で、すでにあなたたちは致命傷を受けているのですから」
”ネルガル”:咲き誇る蝶を前に。
風間 ねね:「私はそれを、少しえぐっただけ」
風間 ねね:薄く微笑んで。
”ネルガル”:「も……う、もう」
風間 ねね:「お眠りなさい」
”ネルガル”:「ああ、ああああ」
”ネルガル”:「───ああっ!!」朦朧とする意識の中、それでも
”ネルガル”:ここに己はある、と叫ぶように
”ネルガル”:風間ねねの胸を、その爪で抉って
”ネルガル”:そのまま、生命活動を停止した。
風間 ねね:生きれば良いと嗤った創造者の言葉を思い浮かべ。
風間 ねね:「ほら、ジャームは脆い」
風間 ねね:紙一重で、立ち続けた。
安東邑:「......最後まで、姉さんに頼りっぱなしだなおれ」
安東邑:「ありがとう。ありがとう、姉さん」
風間 ねね:「私はほら、頼れるお姉ちゃんですからね」

バックトラック

GM:今回のEロイス

・ネルガル
Eロイス/超越活性:魔獣の証
Eロイス/超越活性:毒蛇
Eロイス/悪意の伝染

・ライゼンフォル
Eロイス/唯我独尊
Eロイス/破滅の足音
Eロイス/唯我独尊
Eロイス/破滅の足音
Eロイス/唯我独尊
Eロイス/破滅の足音

GM:締めて9つ!
猿喰 早耶:いっぱいあるなあ……
木場田つぐみ:振ります~
木場田つぐみ:150-9d10
DoubleCross : (150-9D10) → 150-44[2,7,5,2,1,7,3,10,7] → 106

猿喰 早耶:あ。ライゼンフォルのロイスをタイタス化して昇華、受けている不利な影響を全解除するよ。と。で、これで残りロイス4本。
風間 ねね:126-9d10 まよわずふりますよ
DoubleCross : (126-9D10) → 126-62[3,4,5,4,10,8,10,10,8] → 64

木場田つぐみ:ありがてえ 帰還確定だ。一倍。
安東邑:振る!
猿喰 早耶:111の4本、Eロ使わないで素振り。
猿喰 早耶:111-4d10
DoubleCross : (111-4D10) → 111-26[5,6,6,9] → 85

木場田つぐみ:106-6d10
DoubleCross : (106-6D10) → 106-28[7,10,2,2,3,4] → 78

風間 ねね:うわーっ、二倍振りで三点固定にするーっ!
安東邑:124-9d10
DoubleCross : (124-9D10) → 124-44[9,2,4,2,5,3,4,10,5] → 80

猿喰 早耶:5点エリアー
風間 ねね:64-10d10
DoubleCross : (64-10D10) → 64-44[3,6,3,8,4,6,3,3,6,2] → 20

木場田つぐみ:5点帰還です。
安東邑:素振り!イクゾーッ
安東邑:80-4d10
DoubleCross : (80-4D10) → 80-24[8,7,1,8] → 56

風間 ねね:3点!
安東邑:3点!
GM:経験点配布はエンディング後にしようと思います。安東くんのSロイス問題もあるからね!
猿喰 早耶:はい。
GM:では、バックトラック終了!
安東邑:帰ってこれた...
木場田つぐみ:お疲れ様です~~
風間 ねね:生還!

エンディング0:少年は玉座に向かう

GM:君たちは、目の前の敵を討ち倒した。これで、安東邑の日常を脅かすものはいなくなった…だろう。
GM:……だが。
GM:”ライゼンフォル”。倒れたはずのその兵器から、低い音がいまだ聞こえる。
GM:ねねさんにはわかるだろう。再生しようとしているのだ。
GM:そのための、『セーフティ』だったのだから。
猿喰 早耶:「んー」
風間 ねね:「いけない……また復活しようとしている……!」
風間 ねね:「私の力でも、できるのは一時的な行動停止のみ……あとは……」
風間 ねね:「私には……!」
木場田つぐみ:「む…”死なない”タイプのやつか。動力炉とかのパスを切るのとかは無理な感じです?」
床名えいら:「レネビがあれ、中の中まで完全に張り巡らされてるからね」
床名えいら:「そのせいでカーマーゼンの取り外しにも苦労したぐらいだし」
床名えいら:「パスを切るのは難しそうだ」
安東邑:「......これ、動いたら。さやさんまた、ヤバくなるんでしょ」
猿喰 早耶:「まあそだね。頼まれごとだから」
猿喰 早耶:「てことで、ねねねーさん。あとよろしく」
風間 ねね:「……はい、猿喰ちゃん」
木場田つぐみ:「ああ……」猿喰さんを見る。
猿喰 早耶:足元に落ちる影が、いくつにもブレている。
安東邑:「許せないな、そんなこと」しかし。
安東邑:ふらふらと、”ライゼンフォル”に歩み寄る。
猿喰 早耶:その手を掴む。
安東邑:「さやさん、さっき戦いで使おうとしたやつ。下手したら死ぬ気だったでしょ……影、おかしいことになってるもん」振り向かない。
猿喰 早耶:ばちり、と嫌な音がした。目を覚ました"誰でもない"は、見境なく噛みつこうとする。
猿喰 早耶:「まあそだねえ。死ぬかもしれない」
安東邑:黙って噛まれたまま、歩みを止めない。黒い血を垂れ流しながら、”ライゼンフォル”の真正面へ。
猿喰 早耶:「でも少年、君だって似たようなもんに見える」
安東邑:「……さやさん」
安東邑:目を伏せる。
猿喰 早耶:「ん。なに」
安東邑:「さやさんがおれに教えてくれた歌、あったでしょ。まだ覚えてるんだ」
安東邑:「ほら、カラオケで歌ってた曲」
猿喰 早耶:「…帰ってくるよ、って?」
安東邑:にこりと笑う。
安東邑:「『忘れられないあのおもかげよ ともしび揺れるこの霧のなか』ってね」
安東邑:「どうやったって、忘れられないよ。貴女のコト」
猿喰 早耶:「『ひたすら待つ身』はガラじゃないんだけどにゃあ」
安東邑:「……待たせないよ。おれを信じて。最初に会った時、おれは貴女を信じただろ」
猿喰 早耶:痩せた動物のような目で、少年のことを見て。
猿喰 早耶:「しゃあないなぁ。みんなだって待たせるもんじゃないぞ」
安東邑:「ありがとう、さやさん」
安東邑:「...ありがとう。先輩」
安東邑:「ありがとう、姉さん」
安東邑:「ありがとね、えいらさん」
安東邑:「...羊に待ってもらえる羊飼いは、よくやれてたってことだよな。おれは幸せ者だ」
安東邑:影の触手を、”ライゼンフォル”に伸ばす。
安東邑:Dロイス「器物遣い」を用いて、”ライゼンフォル”と同化することは可能でしょうか?
GM:可能です。
GM:あなたは望めばその生体兵器の全てを自らのうちに取り込むことができる。
安東邑:代償などは存在しますか?
GM:あなたはDロイス「器物使い」を失い、代わりにDロイス「不死者」を得ることになります。
GM:それによりワークスも変化し、つまり、
GM:秩序側に身を寄せることは敵わなくなるでしょう。
安東邑:実行します。ですが、その前に
安東邑:「器物遣い」を使って木場田つぐみから「カーマ―ゼンの黒書」を抜き出します。その後、床名えいらに「黒書」を移植します
GM:了解です。そのようになります。
安東邑:ありがとうございます......!
安東邑:では、改めて”ライゼンフォル”と同化。「器物遣い」を喪失し、「不死者」を獲得することを宣言します。
GM:では、君のその身は通常のオーヴァードと異なるものとなる。
GM:これからの君に平穏は存在しない。ただし
GM:ライゼンフォルの侵蝕コントロール能力が君の中のレネゲイドビーイングの不完全性を補い、
GM:これからは能力を扱うことによる代償もなくなるだろう。
安東邑:「先輩。今まで、お疲れさまでした」
安東邑:「……もう、大丈夫です。先輩は先輩の人生を生きてください」
木場田つぐみ:じ、と君の瞳を見つめる。
木場田つぐみ:一つ溜息。
木場田つぐみ:「いろいろ言いたいことが出てきたな。なのでまず先に聞いていきなさい。というか聞け」
木場田つぐみ:びし、と眉間を人差し指でつつく。
安東邑:「ウッ」
木場田つぐみ:「まずひとつ。きみが何をしようとしているのか、そしてそれでどうなるのか。それは何となくわかったから、その上で」
安東邑:「...怒られるんすかおれ」
木場田つぐみ:「忠告だよ。ぼくが怒ってるかどうかは君が判断しなさい」
木場田つぐみ:「今君が考えていることをしたら、だ。今後、君の居場所は、UGN…つまり、」
木場田つぐみ:「少なくとも、まっとうな社会の中で評価されて、裏側ではあるけれど、オーヴァードであることも認められつつ活動するということはできなくなる」
安東邑:頷く。先輩がそうであったように、ということなのだろう。
木場田つぐみ:「きみがなるであろうものは、ファルスハーツにしか居場所がないからだ」
安東邑:...”ネルガル”。”イガルク”。彼らの末路の一つを、今しがたこの目で見たばかりだ。
木場田つぐみ:「きみは怪物として扱われる。如何に自分でそうでないと思っても、認められることはないだろうね。学徒としても、料理人としても、そしてその他」
木場田つぐみ:「人を助ける職業を、そしてそうしたとしても。君がいる場所は、オーヴァードでないものや、弱いオーヴァードにひどく厳しい」
安東邑:「...もう、本当に戻れないんですね」
木場田つぐみ:「そうなるということだ。そして実際、そう扱われるだけのことをしてきた組織でもある」
木場田つぐみ:「人体実験やクローン、拷問…ひとをひとと扱わない者が大量にいたし、今もいるし、今後もまた生まれるだろう」
木場田つぐみ:「君の選ぼうとする道は、そうした”怪物”たちと、同じものになるということでもあるーー少なくとも、社会からすれば」
安東邑:「......じゃあ、もしも俺がそうなったら」
安東邑:「先輩が殺してくれませんか。おれのこと」
木場田つぐみ:「………」溜息。
安東邑:「おれは、諦めません。正義の味方になることを」
木場田つぐみ:「そうしたら、ぼくはそのあとに自らを殺すよ」
安東邑:ぎり、と歯を擦る。
木場田つぐみ:「先に死んでいなければ、だけど」
木場田つぐみ:「………」
木場田つぐみ:躊躇うような間があって。
木場田つぐみ:「……安東くん、安東邑。”もしもその道を行くとするならーー”」そのフレーズは、
木場田つぐみ:「”きみは、もう後戻りはできない。辛苦が君を待つだろう。感謝するものも、きみを助けようとはするまい”」
木場田つぐみ:君には理解できる。
木場田つぐみ:「”それでも、剣を抜くのかい”」
木場田つぐみ:とある昔々の、物語の一節。
木場田つぐみ:その始まり。きみが抜き取ろうとする、その書物に刻まれた。
木場田つぐみ:ここが分岐点だと告げる、魔法使いの言葉。
安東邑:「……”おお、我はいまし 神々の池のほとり 剣の丘のはた真中に”」つぐみ先輩を抱きしめる。胸に手を当て、潜む気配を探る。
安東邑:今なら、その言葉の続きが解る。その物語の続きが解る。それに、なろうとしているから。
木場田つぐみ:そのまま腕を受け入れる。きみはその書を見つけることができる。
木場田つぐみ:その物語の最初から最後までを、きみは知ることができる。
木場田つぐみ:誰かを助けようとしてーーそうして流れ星のように駆け抜けた一人の少年にして王のことを。
安東邑:「”我はこのみ国におきて死なじ このみ本において死なじ 残すもの遺す人芽吹けば 灰いと高く舞え”」掌で、本を開く。
安東邑:「”我が名はカーマ―ゼン。正たるものにあらず、正たらんとあるもの”」
安東邑:そして。黒い書物が、完全に木場田つぐみの中から取り出だされる。
木場田つぐみ:「”………ああ、祝福せよ”」
木場田つぐみ:「”ここに地を統べるものが舞い降りた。あなたこそ我がきみ、」
木場田つぐみ:「”わたしはあなたこそを待っていたのです”」
木場田つぐみ:ーーDロイス、不死者を昇華します。
安東邑:にこりと笑って、身をひるがえす。砂埃が、逆光にけぶって、さながら王の纏う外套のようにも見える。
木場田つぐみ:「行きなさい。……ぼくができることなら、してあげる」
木場田つぐみ:約束したものね、と耳元へかすか、届く吐息がして。
風間 ねね:「……邑クン!」
風間 ねね:王が最初の一歩を踏み出す前に。
安東邑:「姉さん、」静かに微笑む。
風間 ねね:只の家族として、声をかけた。
風間 ねね:「ライゼンフォルは、お姉ちゃんにとって絶望の象徴でした」
風間 ねね:「けど、それが期せずして、あなたを救う希望となった」
風間 ねね:「お姉ちゃんは、それに、安東未唯は。それが……」
風間 ねね:目尻に雫が光り、言葉に詰まる。
安東邑:「......解ってるよ。ここに、安東未唯はいなかった。それだけだ」
安東邑:「死んでなんかない。姉さんは姉さんだ」
安東邑:「だから、ありがとう。最後の最後までおれを助けてくれて」
風間 ねね:静かに頷く。
安東邑:「姉さんは、最高の姉さんだよ。大好きだ」
風間 ねね:涙とは、こうやって流れるものだったのか。
風間 ねね:嬉しくて、誰かが生きていて、流すものなのか。
風間 ねね:「私も……大好き!」
風間 ねね:自信満々に、誰恥じることもなく、ハッキリと口にして。
風間 ねね:「だから、邑クンがその道を選ぶならば、お姉ちゃんはそれを全力で支えるよ! これからもね!」
風間 ねね:「そして私は混じりっけなしの100%でこう言うよ。邑クンの選択、最高に格好いいよって!」
安東邑:――一緒に不幸になってあげる。つまるところ、全てそれだ。夜に落ちてゆく、破滅の約束。
安東邑:それを交わせる相手がいるというのは。どれほど、幸せなことだろうか。
風間 ねね:「これからも頼れるお姉ちゃんでいさせてね!」
安東邑:「......はは。こっちから、お願いしたいくらいだよ!」サムズアップ。
安東邑:彼女との記憶が二重の意味で偽りだったとしても、もう構わない。自分を遠ざけた両親より、彼女の方がよほど。
安東邑:「――行かなきゃ」
安東邑:約束を果たさなければならない。ずっと忘れていた、忘れたくなかった、彼女の元へ。
安東邑:「えいらさん。お待たせ、待った?」
安東邑:それはまるで、何気ないデートのような一言。
床名えいら:「待ってないよ?」髪を掻き上げて。
床名えいら:「私のところに来てる場合じゃないんじゃないのか、やることあるだろ」
安東邑:「来てる、場合でしょ......おれえいらさんが思ってるより、えいらさんのこと好きだよ。知らなかった?」
床名えいら:「そりゃ、驚いたなあ」
床名えいら:「……私はさ」
安東邑:「うん」
床名えいら:「過去なんだよ。もういなくていいんだ」
安東邑:「......そっか。過去か」
床名えいら:「……キミも、随分と変わっちまった」
床名えいら:「…その、ヒーロー主義、さあ!」
安東邑:「うおっ」
床名えいら:「ぜんっぜん似合ってないよ。ホント。やめちゃえば?」
床名えいら:どこか、寂しそうに見えたのは、きっと気のせいだ。
安東邑:「当たり前だろ。借り物なんだからさ~」げんなりとした顔で。
安東邑:「でも、こうなったのはえいらさんのせいでもあると思うんだよなあ。おれ」だって、と唇を尖らす。
安東邑:「小さい男の子が『ヒーローになりたい!』って思うの、普通好きな子が近くにいたからだろ」
床名えいら:「おやおや。この期に及んで責任転嫁かい?」
床名えいら:「………あのさあ」
床名えいら:「そーーいうとこだぞ、ほんと、キミ」
床名えいら:ぐりっ、と右拳を軽く頭に当て、回す。
安東邑:「いだだ、やめてよえいらちゃん......って、あ」
安東邑:「懐かしいな、これ。何にも覚えてないのに」
床名えいら:「……」その目元が、緩む。
床名えいら:「これからを、生きろよ、邑」
安東邑:「これからを、一緒に生きてくれよ。えいらちゃん」
床名えいら:「その懐かしいって思いだけ、覚えててくれればいい」
床名えいら:「ははは。私はいいんだよ。昔のキミが好きだったなんて、辛いだけだろ、キミには」
安東邑:「......えいらさんは、すぐそうやって。煙みたいに逃げてくね」
安東邑:有無を言わさず、腰に手を回して抱き寄せる。
安東邑:「今のおれは嫌い?本当に、別人にしか思えない?」
床名えいら:「…邑は、強引だよな。昔っから」
床名えいら:「………大嫌いだよ。別人になんて、思えないんだからな」
安東邑:「良かった」笑って、掌の本を――えいらちゃんの胸に押し当てる。
安東邑:「昔のおれを知ってるのは、もうえいらさんしかいないんすよ。いなくなられたら、困るよ」
床名えいら:「うわ」
床名えいら:その黒い本は、床名えいらの中に埋まっていく。
床名えいら:「……もう」
床名えいら:「……しょーがないな。覚えててやるよ」
床名えいら:「できるだけ、しつこく覚えてて、いじめてやるからな」
床名えいら:「覚悟しとけよ」
安東邑:「うわ~~、苦労するなあ」
安東邑:「……ありがとう。これからも、一緒にいれて嬉しい」
安東邑:それだけを残す。
床名えいら:「フン。うまくやるんだぜ」
床名えいら:そう言ってそっぽを向く。
安東邑:彼女の頬を撫でて、振り返る。お香の匂いを振り切るように、鉄の玉座へ。
安東邑:もう、戻ることは出来ない。地下にぶちまけられた、血だまりを見る。
安東邑:「――いいんだ」影を、塵を、匂いを、光を、全てを越えて。王となるために。
安東邑:「おれが、正義のヒーローの偽物だとしても。空っぽのレネゲイドのお化けだとしても。安東邑なんて、居なかったとしても」
安東邑:「みんなが、おれを思い出させてくれる。みんながいるから、おれはおれでいられる。おれが皆なんだ。貴女たちなんだ」
安東邑:「……そうだ、決めた。おれの、もう一つの名前」
安東邑:――プルウィス・エト・ウンブラ。それがあたしのもう一つの名前だよ。
安東邑:「……決めなきゃいけないんだったら、せめて思い出せるように」
安東邑:「&U(アンドユー)。おれは、確か、”Unknown”だったんだろ。でも、それだけじゃない」
安東邑:「あなた(You)たちがいる。おれの名前を、思い出させてくれる」
安東邑:「……うん、良いね。これ」鉄の玉座に、腰を下ろす。”ライゼンフォル”が黒く染まる。
安東邑:「おれは、安東邑だ」そして、玉座が消えた。
安東邑:&U。それは、日常のかたちをした女たちに抱かれるものの名前。
安東邑:王は帰り来る。しじまの果てより。
安東邑:「わすれ、られない……あの、面影を……」約束をした。それをまだ、果たしていない。
安東邑:身体が重い。自分の影が、ぶれている。彼女のように。
安東邑:彼女が死ぬと知った時、動揺した。泣き喚いた。どうしようもないと、解っていたから。
安東邑:「さやさん」
安東邑:「ただいま。帰って来たよ」
猿喰 早耶:「ん」
猿喰 早耶:「おかえり。少年」
猿喰 早耶:「邑」
安東邑:……さやさんと居ると、落ち着く。
安東邑:「生きてて、良かった」
安東邑:「......おれが、生きててよかった。また、さやさんと会えた」
安東邑:Sロイス:猿喰早耶〇純愛/反省でロイス取得します。
GM:了解です。シナリオロイス指定でよろしいですね?
安東邑:はい。さやさんをシナリオロイスに指定します。
GM:了解です。
猿喰 早耶:「言うのは早いよ。こっからが大変だ」
安東邑:「...それでも良いよ。上手く行ったら、言おうと思ってたんだ」
猿喰 早耶:そんなことを言いながら、笑っている。
安東邑:笑っている。王ではなく、ただの少年のように。
安東邑:「好き。好きだよ、さやさん。大好き」
猿喰 早耶:「そっかあ。うん」
猿喰 早耶:「よかった。気が合うねえ」
猿喰 早耶:たん、たん、と玉座のあった場所へ。彼が降りてきた場所へ踏み込んで。
猿喰 早耶:体をうずめるように抱きついて、背中を軽く叩く。親しい人にそうするように。
安東邑:わずかに高い背をつかって、強く強く抱きしめる。もう二度と、離さないように。
安東邑:「......今度こそ、ずっと一緒にいれたら良いね」
猿喰 早耶:「一緒に旅するもんだよ」
猿喰 早耶:「そういうもの。だいたい、そんな離れたことないじゃない?」
安東邑:「……はは。そっか。そうだったよね、何だかんだいっつも一緒にいたよね、おれら……」泣き笑いながら、さやさんの頬をぷにぷにとつまむ。
猿喰 早耶:「こらこらこーらー」
猿喰 早耶:「ほら。しゃんとしなね」
安東邑:「おれ、さやさんが死ぬかもって聞かされた時さぁ、マジでテンパっちゃって...」
安東邑:「そん時に、多分好きなんだなって」
猿喰 早耶:「…そっか」
猿喰 早耶:「そっかあ」
猿喰 早耶:「うん」
猿喰 早耶:「もうちょっとだけ。落ち着くまでは、いーよ」
GM:その街の地下で。
GM:ひとつの物語が終わり、始まった。

エンディング1:再び同じ屋根の下

GM:安東邑のマンションの部屋。
風間 ねね:いつもどおりの部屋、いつもどおりの夜。
風間 ねね:ねねだけが、なぜかメイド服を着て現れた。
風間 ねね:「じゃじゃ~ん! 今夜はお姉ちゃんがご奉仕って訳なのです!」
安東邑:「おさないきせ~つ~、が……!?」やや麻痺が残る左腕を、影の触手で補って料理をしていたさなかのことだ。
風間 ねね:普段の野暮ったい眼鏡を外して、キラキラした瞳の輝きを惜しげもなく振りまいていた。
風間 ねね:「今回、邑クンがとっても頑張っていたから、お姉ちゃんにでもデキるご褒美をプレゼントしちゃおうかな……ってね」
安東邑:「全然印象違うな~......ってか、それどこで買ってきたの?ドンキ?めちゃ似合ってるけど」
風間 ねね:「ふふふ、この前木場田ちゃんと一緒に買いに行ったのだ~」
風間 ねね:似合っていると言われると思わずにやけてしまう。
風間 ねね:脱線してしまうのは悪いクセ。頬に両手を添えて笑っている場合ではない筈なのだ。
風間 ねね:「邑クン、そのご飯、お姉ちゃんたちと三人で食べない?」
安東邑:「そっか~。先輩のメイド服も見たかったな...っていうか、ご奉仕って何さ。いいけど」
安東邑:「三人?」
風間 ねね:「邑クンの身体の影響なのかお姉ちゃんの能力も成長し続けていてね」
安東邑:「はあ」
風間 ねね:と、言いかけてから実際見せた方が早いと気づいたのか。
風間 ねね:パチッと指を弾いた。
風間 ねね:Dロイス『怪人』の使用を宣言します。
GM:了解です。
風間 ねね:怪人の効果による記憶の書き換えはオーヴァード相手には不可能ですが。
風間 ねね:その記憶と感覚に訴えかける力で、安東邑に安東未唯との対話を限定的に実現させます。
風間 ねね:「あなたが助けたいと言っていた人」
風間 ねね:「私にとっても大切な人」
風間 ねね:「私たちの家族」
風間 ねね:――刹那、安東邑の脳内に発生する存在しない筈のもう一人の姉。
風間 ねね:それは現実に存在するのと変わらない質感と息遣い、そして何よりねねに託された記憶とねねの内側で対話を通じて明確化した自我を有している。
風間 ねね:「安東未唯、お姉ちゃんとね」
安東邑:「……まさか、えっ? マジで?」
安東未唯:───安東未唯が、そこにいた。
安東未唯:「邑」
安東未唯:「…久しぶり」
安東邑:「……姉、ちゃん?」
安東未唯:「うん」
安東未唯:「そうだよ」
安東邑:「マジで?」ねね姉さんを見る。
風間 ねね:「マジだよ、邑クン」
安東邑:「......これって、おれ以外の人にも打てる感じ?」
風間 ねね:「まあその気になれば見て話してもらうことはデキると思う」
風間 ねね:「けど、未唯ちゃんも疲れるだろうし、私の出力の限界もあるから頻繁にはできないけどね」
風間 ねね:そう言ってパチリとウインクする。
安東邑:「よ、良かった~~」へなへなとへたり込む。
安東邑:「おれ以外のひとと話せないんじゃ、姉ちゃんもしんどいだろうし......」
安東未唯:「そんなこと、気にしてくれてたの?」
安東邑:「......当たり前だろ。ずっと、考えてたよ......え~っと、姉ちゃん」
安東邑:「ごめん。覚えてないんだけど、でも」
安東邑:「久しぶり。会いたかった」
風間 ねね:ニコニコしながら二人のやり取りを見守っている。
安東未唯:「……うん。うん」
安東未唯:「ずっと、心配だった」
安東未唯:「私がいなくなってから。あなたがどうなったのか」
安東未唯:「私には知ることができなかった」
安東未唯:「ごめんね。私のせいで、あなたまで巻き込んでしまった」
安東邑:「良いんだよ。もう良いんだ」
安東未唯:「……邑」
安東邑:「……さやさんって、いるでしょ? 姉さんが、”ライゼンフォル”の『セーフティ』にしたひと」
安東未唯:「ええ」
安東邑:「今は、おれの大切なヒトなんだ」
安東未唯:「……そうなのね」微笑む。
安東邑:「……だからもう、そういうこと。全部、大丈夫になった」
安東邑:「それに、大学の先輩と、幼馴染も一緒にこのアパートに住んでてさ。毎日楽しいんだ」
安東未唯:「……うん」
安東未唯:「良かった」
安東未唯:「あなたがこうやって、今を生きてくれてる」
安東邑:「体があるうちに、助けられなくてゴメン。おれ、脳みそ食われちゃったみたいで」げんなりとしたジェスチャー。
安東邑:「えいらさんに言われたからね。それが一番大事だよ」
安東邑:「あ、さっき言ったおれの幼馴染」
安東未唯:「助けられなかったのは、お互い様でしょ」
安東未唯:「いいの。どんな形でも」
安東未唯:「今、私たちはここにいる」
安東未唯:たとえ外から見ていびつでも。
安東邑:おれの、小さな小さな部屋。家賃二万、コンロ一つ、ベランダはなし。お風呂は良い設備揃ってる。
安東邑:ここに、皆がいる。
安東邑:「……うん。お帰り、姉さん」
安東未唯:「ただいま。邑」
安東邑:「早速だけど、おれの料理食べてってよ――結構、上手くなったんだ」
安東未唯:わらって。
安東未唯:「楽しみ」
風間 ねね:「ふっふっふ、感動の再会ですね……お姉ちゃんメイドも大満足です」
風間 ねね:コホン、と咳払い。
風間 ねね:「邑クン」
安東邑:「ねね姉さんもありがとね。最高のプレゼントだよ」
風間 ねね:「これはね。邑クンが私にくれたものを、私が返しただけなんですよ」
風間 ねね:「人間というのはそう、みんな思いを与え合って、繋いで、そうやって生きている。希望を目指している」
安東邑:「姉さん、何か怖いこと言おうとしてない?」
風間 ねね:「ふふ、私も……人が繋ぐ思いの輪に加わることができたのかな?」
安東邑:「……そりゃ、もう。姉さんが人間じゃなくても、関係ないよ」
安東邑:ねね姉さんの、月の鏡みたいな瞳を見る。
安東邑:彼女ごしに、月に行ったと思った姉と会うことが出来る。ムーンレンズとは、よく言ったものだ。
風間 ねね:「なら、よかった」
安東邑:「うん。おれはねね姉さんを通して、みい姉ちゃんと通じることが出来る。ずっとおれと姉ちゃんの間にいるよ、多分」
風間 ねね:「それは……」
風間 ねね:ほう、とため息をついて
風間 ねね:「希望のある話ね」
安東邑:(良かった、普通に普通の良い話だった...これで終わりだよな?)一瞬訝しむ。
風間 ねね:「希望。そうね。私たちは秩序の輪の中には収まらなかったけど、それでも善意や希望のようなものを繋いでいければ良いと思うの」
風間 ねね:「FHセルだからこそ使える手段を駆使して……ね?」
安東邑:「そうそう!身辺も落ち着いたことだし、改めて正義のヒーローを...って、え?」
安東邑:「FHセル?聞いてなくない?」
風間 ねね:「邑クン」
風間 ねね:真面目な顔。
安東邑:「ハイ」
風間 ねね:「正義のヒーローってね。誰かを救いたいという欲望の権化って意味なんだよ、知ってる?」
風間 ねね:目が、笑ってない。
安東邑:「......まあ、うん。一応偽物だけど、そうらしいから。おれ」
安東邑:「だからみんなとも会えた訳だし」
風間 ねね:「それにUGNに捕まったら邑クン、冷凍保管だよ。お姉ちゃんの得意な冷凍食品お弁当みたいになっちゃうよ」
安東邑:「……」自分が『ハンニバル』みたいにばらばらにされて、業務用の冷蔵庫に入れられているのを想像してみる。
安東邑:ミケルセンみたいなUGNの科学者が酷薄に笑って、おれの生首を取り出し...
安東邑:「オワーーーッ!!!!」フライパンを取り落とす。
風間 ねね:「やれやれ、やっぱり頼れるお姉ちゃんが頑張らないとね」
風間 ねね:肩をすくめて薄く微笑む。
安東邑:「ちょっちょっ、ちょっと待って」
安東邑:「その場合、セルリーダー……って、どうするの?」
風間 ねね:「勿論」
風間 ねね:この先が大変なのだ、と知らない無垢な彼だからこそ。
風間 ねね:「邑クンです❤」
風間 ねね:道に迷うファム・ファタールたちの希望となるのだから。
安東邑:「オワアアアアア~~~~~ッ」情けない悲鳴が、天城荘に木霊する。

エンディング2:新たな門出の

風間 ねね:「……というわけでね。設立届出してきちゃいました。FHセル」
風間 ねね:「晴れて皆さん日陰の身です。拍手!」
風間 ねね:パチパチと手を叩く。
猿喰 早耶:「わー」拍手。
木場田つぐみ:「FHも文書主義からは逃れられない…というのは置いておいて。そういうのなんですね」無表情でこっちも拍手。
猿喰 早耶:「まあいんじゃない。それはそれで楽だし」
安東邑:「イエーイ!お尋ね者だ!」一際大きな拍手。やけくそ気味だ。
風間 ねね:「まあ昔の知り合いにちょちょーっとお手紙書いてね。うまいことね」
木場田つぐみ:「まあ、上手く生き抜いていきましょう。そちらのコネクションに頼らないと回せなさそうだなあ…」
安東邑:「おれ普通に大学辞めてねーけど、大丈夫かな......」
木場田つぐみ:「むしろ急に辞めたら怪しんでください!って宣言してるようなものだよ」
安東邑:「それはそう。流石先輩」
風間 ねね:「以前は都築さんが一手に引き受けてくださってたのですが。今はちょっと指揮系統が混乱しちゃってますし、流石にお姉ちゃんもコードウェル博士とかの大物は知らないのであれですが……まあこの辺りは今後ですかね」
風間 ねね:「今日はとりあえずお祝いお祝い!」
風間 ねね:「日陰であっても、日常は続くのですから!」
安東邑:「姉さん、マジでナニモンなんだよ......」げっそりとした顔で。
安東邑:「まあ、でも」
安東邑:「皆とまたこうして一緒に居られて、嬉しい。...つっても、今日えいらさん何か居ねーけど」一切の事情を聞いていないが、あまり心配はしていない。
木場田つぐみ:「ん…。まあ、何とかうまくいってるからね」
安東邑:「え~、では」こほん、と咳ばらいをして。
安東邑:「FHセル”ファケアノス”の設立を祝して......乾杯!」高くアップルサイダーの入ったグラスを持ち上げる。
木場田つぐみ:「乾杯」こちらも矢印付きの炭酸飲料が入ったそれを掲げて。
風間 ねね:「かんぱーい!」
風間 ねね:ビールがしゅわしゅわだ!
猿喰 早耶:「かんぱーい」
猿喰 早耶:グラスのビールを少し飲んで
安東邑:「よ~し、今日は沢山作ったから食べて食べて」ガバッとキッチンペーパーを引きはがすと、色とりどりの料理が出てくる
木場田つぐみ:「美味しそうだね…」少し口元が緩む。
安東邑:香港レモンチキン、ごぼうとクルトンのピリ辛中華サラダ、酸辣湯麵、天津飯。満漢全席もかくやというばかりの献立の数々だ。
風間 ねね:「カーッ! うめ~!」 チキン、ビール、チキン、ビール、チキン、サラダ、ビールである。
猿喰 早耶:さも嬉しそうにあれこれ食べている。食べる方に忙しくて口数減!
安東邑:「やったぜ。実際、つぐみ先輩まともなモン食ってなかったっぽいし...ちゃんとしたご馳走作る約束してたろ」先輩にサラダとチキンを取り分ける。
木場田つぐみ:「あ、わざわざ……いいのに。それと、あれは止めなくていいの……?」ねねさんの往復運動にすこし困った表情で。
安東邑:「姉さん!チキン食いすぎ!ちょっと待っておれの分あげるから!」
安東邑:慌てて後ろから姉さんを羽交い絞めにする。
風間 ねね:「やっぱFXも良いけど、足でやる仕事の後のお酒は……え? あ、わーい! あーんして~!」
風間 ねね:羽交い締めにされたまま嬉しそうにパタパタしている。
木場田つぐみ:天津飯から小さく食べている。やはり、じわりと沁みるようで。
木場田つぐみ:「………はあ。あまり油が濃いと胃がもたれちゃうかもだし、ぼくの分から取っていいよ」苦笑しつつ。
安東邑:「っつーか...セル設立したは良いけど、そもそもセルの本部ってどこ?ここ?」姉さんにレモンチキンを餌付けしながらふと聞く。
猿喰 早耶:いろいろ飲み込んで。
猿喰 早耶:「え、ここじゃないの?」
木場田つぐみ:「ほかに拠点、ないですもんね」
風間 ねね:「住所はここで届けたわよ~。まあアジトを別に作ってもいいと思うけどねえ」
風間 ねね:お酒が回っているので若干楽しそうだ。
風間 ねね:「FH的には適当に奪っちまえばいいじゃないですか~って言うところですが」
風間 ねね:「闇を生きる正義の味方たる邑クンはそれじゃアウトだと思うので」
風間 ねね:「ま、おいおいさがしていきましょう! いぇ~!」
安東邑:「はい……」薄目で気まずそうに笑いながら。
木場田つぐみ:「というか、押さえられると不味いから、色々廃ビルとか人気がないとこ見繕っておくべきかなあ…」それを傍目に見つつ。
安東邑:「ってことは...さやさんとかつぐみ先輩とかも一旦はここ入居した方が早くない? そしたら」
猿喰 早耶:「まあ、とーりあえずこっちのツテもたどってみるからうん」
猿喰 早耶:「んー、そだねえ、ねねねーさんごまかしてくれる?」
猿喰 早耶:住民票がないのである。
木場田つぐみ:「ぼく、行方不明届出てそうだしなあ……一応掛け合って戸籍からいじらないと厳しい…?」
木場田つぐみ:住民票とかも残ってるだろうが、使ったら普通に問題が大きいのである。
風間 ねね:「いけますよ~!」
風間 ねね:「FHはその手の工作得意ですからね!」
安東邑:「......今更だけど、姉さんってめちゃくちゃ有能?」つぐみ先輩にこそこそ聞く。
木場田つぐみ:「……まあ、ぼくが見た中だと一番できる人だと思うよ…」苦笑い。
安東邑:「だよな~」こちらも酸辣湯麺をすすって。
風間 ねね:自慢げな顔だ。
木場田つぐみ:「記憶操作も出来るというのは、はっきりいってこんな少人数の集まりだとかなり破格だからね…」こくんと飲み込む。
安東邑:「......そこんとこも含めて、ちょっと真面目な話していい?」
木場田つぐみ:「ん。どうぞ」
安東邑:「ありがと先輩」ちゅるりと麺を飲み込む。
安東邑:「おれらさ、先輩も言った通り、一応街一つ分滅茶苦茶に出来るくらいの戦力はあるわけじゃん。社会的にも物理的にも」
風間 ねね:「ですねえ。なんだってできちゃいそうです」
木場田つぐみ:「まあ止めるオーヴァード戦力がいないなら、それくらいできるねえ…」
木場田つぐみ:「まあそうやって調子乗るとほかのセルとかUGNに狩られるんだけど 」
猿喰 早耶:「まずはお財布だよねえ」
安東邑:「そうそう。だから、まず絶対『じゃあくな人体実験』とか『殺しの依頼』とかはしねー。ここら辺は、まあ、皆を信頼する」
風間 ねね:「まあ邑クンを愛でる会ですからね。従いますよ」
猿喰 早耶:「んー、殺しは解禁しといたほうがいいと思うけど。ひとまずりょーかい」
安東邑:「うん。おれが嫌だからってのももちろんあるけど、それ以上にここをなるべくぶっ壊されたくない。実利的な目線がどちらかと言うと上」
木場田つぐみ:「ん」うなずく。「ねねさんのやつはそうなの…?ってなるけどまあおいておいて」
安東邑:「...だから、さやさん。命が危なくなったときは...」
安東邑:下を向く。
猿喰 早耶:「ん。どーすんの?」
安東邑:「......そいつを殺してでも、生き延びてくれ」
安東邑:「あくまで、『仕事としての殺し』は......請け負わない。それだけだよ」
安東邑:「これはもう、きれいごとじゃないんだ。おれのせいで皆が死ぬなんてごめんだ」
猿喰 早耶:「りょーかい」
猿喰 早耶:「そゆとこすきだよ」
安東邑:「...ありがとう、さやさん。皆も頼むよ」
風間 ねね:「もっちろん!」
木場田つぐみ:「了解。ちゃんと考えがあったうえなら、むしろ良いことだしね」
安東邑:「うん。このセルのゴールデン・ルールは、まず――みんなが生き延びて、ここに帰ってくることだ」
安東邑:「でも、さやさんの言った通り……財布が無いと何も出来やしね~ってのも確かだから」
安東邑:「次に具体的な方針について、一個おれの方から提案がある」
風間 ねね:「提案!」
安東邑:「うん。提案」
猿喰 早耶:拍手。
木場田つぐみ:ふ、と小さく息を零す。かれがこうやって言って、考えていけるのは、とても良いことだと思って。
木場田つぐみ:「じゃあ、聴かせてもらおうかな」
安東邑:「......色々考えたけど、結局は――」

エンディング3:うしなった時のはての、キミと

GM:───暗い、夜。
GM:星も、月もない暗い夜。
GM:床名えいらは、ビルの屋上にいた。
床名えいら:「………」
床名えいら:「随分と、まあ」
床名えいら:「長い付き合いだったなあ」
床名えいら:「思い残しも、片付けられたし」
床名えいら:木場田つぐみのロイスをタイタスに。
床名えいら:「……ああいう、お姉さんがいたなんて、知らなかったな」
床名えいら:風間ねねのロイスをタイタスに。
床名えいら:「………本当に、ねえ」
床名えいら:都築京香のロイスをタイタスに。
床名えいら:《ワーディング》を展開。
床名えいら:「……おわかれの機会くらいはつくらないと」
床名えいら:「怒るだろうなあ」笑う。
床名えいら:「どうでも、いいんだけどね」
床名えいら:───安東邑のロイスを、タイタスに。
安東邑:全ての場所を巡った。初めて会った路地。一緒にアイスを食べた繁華街。一緒に恋愛映画を見た映画館。思い出の、思い出せない、空き地。
安東邑:――そして。
安東邑:「……なに、してんのさ」背後には、肩で荒く息をする安東邑の姿が。
床名えいら:「やあ。来たね」
床名えいら:「なにって。まあ」
床名えいら:「遠くに行く準備、かな?」
安東邑:「嘘、つき......」地面に座り込んで深呼吸する。≪ワーディング≫を感知してから、一目散に走ってきた。
床名えいら:「そうだよ。知らなかった?」
安東邑:「おれ、えいらさんと......一緒に居れると思ったから、セルの方針も......はあっ、はあっ、考えたんだ」
床名えいら:「………」君を見る目は、不気味に輝いている。
安東邑:「守るんだよ...つぐみ先輩や、おれみたいな、どうしようもなくなったオーヴァードを」
安東邑:「それに、”イガルグ”や、”ネルガル”みたいな...FHチルドレンも、出来れば秘密裏に解放したい。金は、おれが何とかする」
床名えいら:「へえ それはそれは」
床名えいら:「なんともキミらしい善良さだ!浅ましいまでの!」
床名えいら:「でもねえ。私は参加しないよ」
安東邑:「...”ライゼンフォル”の侵蝕管理機能を使うんだ。治療で金を稼ぐ!」一歩もひるまない。
床名えいら:「だから?」
安東邑:「浅ましい希望だよ。でも、夢物語見てるわけじゃない」
床名えいら:「あのねえ、別にそれをするなって言ってるわけじゃないんだよ。私は関わらないって言ってるんだ」
安東邑:「......えいらさん、またどっか行くつもりでしょ。死ぬつもり?」
床名えいら:「さてね。死にはしないかもしれないが」
床名えいら:「キミのそばにはいたくない」
床名えいら:「組織に縛られるのだってごめんだ」
安東邑:「......」おれ何か嫌なコトしたかな、とか。間違っても、聞けない。
安東邑:勘違いしていたのかも知れない。これからFHセルを続けるのなら、どうしても取りこぼす、本当に大切なものがある。
安東邑:彼女がそうではないと。ずっと一緒にいてくれるのだと、勘違いしていただけだ。
床名えいら:「…キミには大切なものが沢山できた」
安東邑:「...そうだよ」
床名えいら:「その中にいられるほど、私は大人しいわけじゃない」
安東邑:「...そうだね」
安東邑:「...おれが、えいらさんだけを大切にしても。ダメなんでしょ?」
床名えいら:「はは!」
床名えいら:「大切に!それがもう根本的な思い違いだよ安東邑!」
安東邑:眉をひそめたまま、月を背負う彼女を見る
床名えいら:雲は、晴れていた。
床名えいら:「大切にされたいとかそんなんじゃない!私は───私はさあ!」
床名えいら:「『ヒーロー』に、倒されたいんだよ!!」
床名えいら:《コンセントレイト:エンジェルハィロゥ》+《光の手》+《ブラッドウェブ》+《細胞侵蝕》+《ナーブジャック》
安東邑:『スローイン・ブルー』≪崩れずの群れ≫+≪グラビティガード≫
床名えいら:ヒーローのロイスをタイタス化、昇華。
床名えいら:判定ダイスを+10します。
床名えいら:20dx7
DoubleCross : (20DX7) → 10[1,2,3,3,3,4,4,5,5,5,5,5,7,7,8,9,9,10,10,10]+10[3,4,5,7,7,8,9,10]+6[2,3,4,5,6] → 26

床名えいら:意志判定で対決。
床名えいら:意志判定でリアクションをお願いします。
安東邑:...床名えいらのロイスをタイタス昇華。
安東邑:申し訳ありません、変更します
安東邑:リアクションを放棄。受けます
床名えいら:了解。
床名えいら:床名えいらは、メジャーアクションとして、『床名えいらを攻撃する』ことを命令します。
床名えいら:君の視界は、赤い臓物で出来た世界に彩られる。
床名えいら:神経が、感覚が、精神が侵されていく。
安東邑:許せない。この女が苦しんでいることが、許せない。
安東邑:...解放しなければ。そうだ。彼女こそが、それを望んでいるのだから。
安東邑:影の触手が、目から噴き出す。涙のように、花のように。
安東邑:――『できるだけ、しつこく覚えてて、いじめてやるからな』
安東邑:「いい、わけ、ねえだろ!!!」
安東邑:床名えいらのロイスを昇華。≪ナーヴジャック≫の効果を打ち消します。
GM:了解です。打ち消すことができます。
安東邑:「......えいらさんさ」
安東邑:「やっぱり、おれのことちょっと舐めてるでしょ」
安東邑:頭蓋を突き破って、触手が咲いている。自身の脳を無理矢理外に出しておいた触手と”同化”させることで、精神操作を打ち消した。
床名えいら:「ばーーーー…か」
床名えいら:「そんなわけあるか。ずっと」
床名えいら:「ずっと見てたんだからな」
安東邑:「だったらさあ!これからも見ててくれよ!」触手を再び身に纏う。全身に伝わり、瞳以外が隠れていく。
床名えいら:「……嫌だね」
床名えいら:「この目、見えるだろ」
床名えいら:「私の目」
安東邑:「......見えるよ。ずっと奇麗だと思ってたよ」
床名えいら:「……『遺産』ってやつだ。これは、人を操る力がある」
安東邑:「それが、何だって言うんだ......!」
床名えいら:「引き換えに」
床名えいら:「私は人を信じられない」
床名えいら:「信じられなくなっていく」
床名えいら:「………それは、つまり」
床名えいら:「もうキミの言葉も何も信じられないってことだ」
床名えいら:「自分が見るに値すると信じられないってことだ」
床名えいら:「だから、もういいんだよ」
安東邑:「っ...!何で、もっと早く...!」
床名えいら:「そりゃ、キミ」
床名えいら:「キミの力になるためさ」
床名えいら:「…私は助けられる側なんかじゃない。お姫様じゃない」
床名えいら:「お姫様なんかに、絶対に」
床名えいら:「なってやらない」
安東邑:触手で出来た、歪む仮面の下で。月に涙が、濡れる。静かに泣いている。
安東邑:ヒーローは、自ら助かることを放棄した人間を、救うことは出来ない。
安東邑:「......良いよ」
安東邑:「そこまで言うなら」
安東邑:「えいらちゃん。きみを殺す」
安東邑:拳を、握りしめる。
床名えいら:「ああ!そうだ!来たまえ安東邑!」
床名えいら:「そのためなら私はありとあらゆる努力をしよう!」
安東邑:近付く。纏う触腕が変形し、はがれてゆく。それは右腕に集約され、巨大な手甲へ。
安東邑:「......その、努力が。仇になるんだ」
安東邑:「それが、悪役の運命だ!」
安東邑:≪異世界の因子≫。≪ナーヴジャック≫をコピー。
安東邑:こちらのメジャーアクションで行動します。
GM:どうぞ。
安東邑:床名えいらに≪ナーヴジャック≫を使用。
安東邑:YEロイスの『破滅的な女性』の対象――つまり、床名えいらに対して、昇華を宣言します。リアクション不可。
GM:了解です。判定は省略して構いません。
安東邑:では、床名えいらに対して
安東邑:......「安東邑のことを忘れ、ここから去って生き続ける」メジャーアクションを宣言させます
床名えいら:では、それは床名えいらに刻まれる。
安東邑:彼女を、殺す。
安東邑:肥大化した右腕を振りかぶる。振りかぶって、
安東邑:床名えいらを抱きしめる。
床名えいら:「……ッ!ばか!!お前、この期に及んでっ……」
床名えいら:「放せ、放せっ!!」
安東邑:「......えいらちゃん。君を、殺す」
安東邑:「悪役は、ヒーローがいるから悪役なんだ。...多分、君にそんなことを言わせてしまったおれが、本当の悪役なんだろうけど」
安東邑:触手は床名えいらの清らかな皮膚を伝って、少しずつ頭部へ近づいていく。力はまるで弱まる気配がない。
床名えいら:「あぐっ、やめろ、やめ……!……!」
安東邑:「だから、悪役のきみを殺す。殺して、きちんと幸せになってもらう。おれたちは出会っちゃいけなかった」
床名えいら:「───っ」
床名えいら:「ゆう、」
安東邑:触手が浸透してゆく。安東邑の記憶が、影に塗りつぶされてゆく。
安東邑:「好きだったよ、えいらちゃん」
床名えいら:「 」
安東邑:軽く、口づけをする。
安東邑:唇と記憶を奪う。彼女が抱いていた全ての気持ちが、安東邑に流れ込んでくる。
安東邑:(......そっか。君は、本当に楽しかったんだな)
安東邑:「えいらちゃん。最後に、何か...言いたいことはある?」
安東邑:唇を離す。銀の橋が、わずかにかかった。
床名えいら:それは、音には昇らない。
床名えいら:ただ、かすかないきが。
床名えいら:だいきらい と そう紡いだ。
安東邑:「......だよなあ」泣きながら、笑う。
安東邑:「こんなひどい奴、好きになっちゃだめだよ......」
安東邑:触手が、名残惜しむように離れ行く。彼女を横抱きにして、お姫様にそうするように、地面にそっと横たえる。
床名えいら:眠り姫のように、静かないきで、ねむる。
床名えいら:目覚めた時には全てを忘れているだろう。
安東邑:その上からコートを掛ける。それと、アメ横で買ったサングラスを添える。
床名えいら:───ばさり。
床名えいら:何かが落ちる音がした。
床名えいら:そこにあったのは、黒い本。
安東邑:「......何だよ」
安東邑:「結局最後まで、おれのことばっか.......」
安東邑:「おれだって、大嫌いだよ。我儘で、性格悪くて、すばしっこくて、それで...でも優しくて、悪戯好きで、ミステリアスで...」
安東邑:「......頼む」本を、手に取る。
安東邑:『幸せになってくれ』
安東邑:それは、願いか。それとも呪いか。
安東邑:...生き延びるための本。それが、彼女から抜けたということは。もう。
安東邑:「えいらちゃん」
安東邑:そっと、彼女に手を添える。美しい黒髪。お香の匂い。滑らかな肌。その全てが。
安東邑:「――また、ね」
安東邑:きっと叶うことはない。この約束が、自らを呪い苦しめるだろう。
安東邑:...おれみたいな悪役には。それくらいが、ちょうどいい気がする。
安東邑:歩き出す。雲は晴れている。
GM:眠り姫は来る目覚めの時を待つ。
GM:そして、きっと。

エンディング4:先輩と大学で

安東邑:「...もうすぐ、春休み終わっちゃうな」
木場田つぐみ:「そりゃそうだ。とはいえ、設立とかのドタバタがギリギリ収まったのはよかった」
安東邑:少し寂しそうな顔で、頷く。心なしか、誰かを探しているようにも見えるかも知れない。
木場田つぐみ:まだ休みだからか、人はあまりいない。
木場田つぐみ:「やれやれ…」
木場田つぐみ:「人探しなら、ねねさんに話を通したほうがいいぞ」
安東邑:「...良いんです」
安東邑:「もう、会えないって解ってるから」
木場田つぐみ:「…ふむ」
木場田つぐみ:「………優しくしてあげるべきなのだろうけど、ぼくからは、そうだな…」
木場田つぐみ:「はっきり言って、きみがしたことを責めるつもりはない」寧ろその場にいたら色々していただろうからな、と淡々とした口調で。
木場田つぐみ:「生きていれば、どうしても生き方が合わない人間っていうのはいるものだ……とか。慰めの言葉は思いつくけどね」
安東邑:「...あざっす」作ってきたサンドイッチを頬張りながら、学内のテラスで眉を下げる。
木場田つぐみ:溜息。
安東邑:「でも、えいらさんの分まできちんと苦しみますよ。おれ」
木場田つぐみ:「マゾヒストか何かかい」
安東邑:「すみません。でもやっぱ、忘れないようにしたいんす」
木場田つぐみ:言いたいことはそれこそ本当に思いつく。破綻するよと何度も警告した。助けられるのは助けたい人だけだ、とか。
木場田つぐみ:「ぼくはきみじゃあないから、別に君の感情の問題にそこまで首を突っ込むつもりはないけど」
木場田つぐみ:「こういうことは、増えるよ。減らないし、なくなることはない」
木場田つぐみ:「ましてや、君の構想が構想だ。大手ならM&Aだとか交渉で配下にしたり、機材を強奪したり……まあ、色々ある」
木場田つぐみ:そうして、カフェテーブルに肘をついて、顔を支えて。
木場田つぐみ:「で、続ける?やめたって、今ならまあなんとかなるんじゃない」
安東邑:「『やめる』?」瞳から彩が消える。
木場田つぐみ:「そ。うまく閉じこもって、背を低くして生きてくやり方ね。そういうのもあるってこと」
安東邑:「駄目ですよ、そんなの。おれは...えいらさんを、殺したようなものだ」
安東邑:「これからこういうことが増えるのは、まあそうなんでしょうけど」コーヒーを啜る。
安東邑:「......踏ん切りが、付きました。『もう二度とこんなことは起こさない』くらいの覚悟は、ありますよ」
木場田つぐみ:「そうかね。ぼくからみれば、自殺につき合わせたように見えたよ」こちらも紅茶を一口。
木場田つぐみ:「二度と、ね。それじゃあだめだ」
安東邑:「すみません」しゅんと目じりが下がる。
木場田つぐみ:「ミスは起きる。故意か無自覚か、失敗はする。だから、そうなっても、それでも続けるって思わないとさ」
木場田つぐみ:「持たないよ、きみ」
安東邑:「...どうも、空回りしてるみたいで。先輩とか、さやさんとか、姉さんとかが無事なら、おれはそれで良かったのに」
木場田つぐみ:「まあ、そういうもんだよ。さらっとできるようになんてならない。ぼくもそうだったし」
木場田つぐみ:「まあだから」
木場田つぐみ:「優先順位、付けておきな」
安東邑:......本物のヒーローではない。床名えいらの記憶を消した日から、自分がヒーローになる日はもうやって来ないのを解っていた。
安東邑:だから、全てをつかみとることは出来ない。彼女の言い分は至極最もだ。
安東邑:「優先順位か~......」泣きそうな顔をする。
木場田つぐみ:「ある程度はあるだろ?ほら、猿喰さんとか」
安東邑:「――」目がスッと細まる。
安東邑:「おれ、先輩のそういう所マジで嫌いです」
木場田つぐみ:「気づいちゃうんだからしょうがないだろ。それに、あれみてシラフでいられるほど」
木場田つぐみ:「ぼくも甘ったるくて都合がいい女じゃないよ。そういうとこ」
安東邑:「......それでも、先輩を捨てられるわけないじゃないすか」
安東邑:「自分の価値とか、色々。低く見積もりすぎっすよ」
木場田つぐみ:「ん。そこはありがたいから、ぼくも仕事とかはきちんとするし」紅茶を一口。「こうやって、相談くらいは乗るわけだ」
木場田つぐみ:「低く?」少し笑って。
木場田つぐみ:「おいおい、きちんと考えてみな」
木場田つぐみ:「ぼくに何ができて、どういう利益があって、そしてどんなデメリットがあるか」
木場田つぐみ:「きみは、それを考えなくちゃならない。そういう道を選んだんだから」
木場田つぐみ:「ほら、まだやってないかな。就活みたいなもんさ」
安東邑:「一年の内からでも、インターンとかやっときゃよかったかな...」弱く笑う。
安東邑:「...おれにはムリっす。すみません」
木場田つぐみ:「…ん。まあ、いいさ。急にできるようなもんでなし」
安東邑:「だって、優先順位って...守るものが多くなり過ぎた時に発生する奴じゃないすか。おれらは攻めに回らないと、早晩死ぬ」身を乗り出す。
木場田つぐみ:視線を持ち上げて合わせる。赤灰の瞳の中に君が見える。
安東邑:「そう考えた時に、うちにとって足りない人材は戦術上のブレーンでしょ。おれがまた誘拐されないとも限らないわけだし」
木場田つぐみ:「まあ…そうなるのかな。人数が少なすぎるっていうのは、事実だしね」
安東邑:「それに、つぐみ先輩は――『非情になり過ぎようと』してませんか? おれらのセルって、そもそもそういう目的のために出来たやつじゃないと思うんすよね」
木場田つぐみ:「………」
木場田つぐみ:「……まあ、そうだね。ぼくはそういう方法論で生きてきた」それで失敗もしてるわけだが、とこぼす。
安東邑:「歴史やってるなら、聞いたことがあると思います。ロシアのコミンテルンも、革命後のフランス議会も、そのどれもが『互助』をうたっておきながら最終的には権力装置に堕した――だからこそ、おれたちは『皆で助け合う』一線は譲っちゃだめだ」
木場田つぐみ:「……確かに、その通り。内ゲバは一番まずいしね」
安東邑:頷く。
安東邑:「さっきは、嫌いとか言っちゃってごめんなさい。そうするしかなかったってこと、良く知ってます」
木場田つぐみ:「いいさ。きみの言うことのほうが正しいし、」
木場田つぐみ:「今後は、きみが決めてきみが動かすんだ」
安東邑:「......うん。おれらは独りじゃない。『それだけを選ばなきゃならない』なんてこと、ないんだ」
安東邑:「そのうえで、やっぱり。戦略上の優先順位はあってしかるべきだと思います」世の中奇麗ごとで回ってるわけじゃないしな~と呟く。
木場田つぐみ:「ん。そうだよ。だからぼくの言うことも所詮ただの一意見だし、人の数だけ見方がある」
木場田つぐみ:一口紅茶を飲みこんで。
木場田つぐみ:「だから、別にいいんじゃないの」
木場田つぐみ:「ヒーロー、やってみても」
安東邑:良いんですかね、とは。もう聞かない。それはあの日去った彼女への――『悪役』への侮辱となる。
木場田つぐみ:「というかだ。ヒーローもの、そんな読んだことない?全員が全員助けられるようなヒーロー、そういないだろ」
安東邑:「まあ、そうっすね」
安東邑:「......それで、おれが死んじゃったら」
木場田つぐみ:「まあ、ぼくはキッツイね。君が死んだらめちゃくちゃ取り乱すだろう」
木場田つぐみ:「だから、君はこういえばいい。”後追いはするな”って」
安東邑:頷く。「前にもここで、聞いたことあると思うんすよね。おれが死んだらどうするかって」
安東邑:「そん時は先輩、『一緒に死ぬ』って言ったから――だいぶ、変わってくれましたね」安心したような笑顔を見せる。
安東邑:「少なくとも、命令すれば止めてくれる気にはなったんだから」
木場田つぐみ:「まああの時、きみが随分無防備に見えたからな。ああでも言わないと無理だろって思ったんだ」
安東邑:「おかげさまでたくましくなりました」力こぶをつくるジェスチャ。
木場田つぐみ:「そうしたら、手厚くサポートしてくれるお姉さんとか、猿喰さんがいたわけで。まあ必要ないよな、ってね」
木場田つぐみ:そのジェスチャーにくすりと笑って。
安東邑:「...じゃあ、いくらでも命令しますよ。出来るだけ、長生きしてください」
木場田つぐみ:「はいはい。承知致しました、わがきみ」
安東邑:「おれが死んだ後でも、一年に一回くらい墓参り来てくれれば化けて出ませんから!」にやりと笑う。
木場田つぐみ:「嘘つけ。出るにしても猿喰さんのほうだろが」
安東邑:「え。出るに決まってるじゃないすか」
木場田つぐみ:「浮気すると刺されるぞ。いや砂にされるのか…?」
安東邑:「こっ...怖いこと言わないでくださいよ!言われなくても浮気とかしませんけど!?」
安東邑:「ただ、おれにとっても。先輩はやっぱり、捨てられない人なんだよって話をしたいだけです」柔らかく笑う。
木場田つぐみ:「だったらきちんと選んだ人を見なさいな。女の子、そういうの敏感だからな」
木場田つぐみ:「ふ」
木場田つぐみ:「まあいいさ。ぼくはそれで」
安東邑:冷や汗を掻きながら頷く。
木場田つぐみ:紅茶を一口啜りながら、思う。
木場田つぐみ:……どうせなら、ぼくのことを。”先輩”じゃあなくて、名前で呼ばれるような風になってみたかったな。
木場田つぐみ:(まあ)
木場田つぐみ:(今もそう悪くないさ。少なくとも、この町に来たすぐなんかより、ずっと)
安東邑:「......つぐみ先輩、なんかやっぱ嬉しそうっすね」
安東邑:「最初にあったコンビニの――いや、アレマジでビビりましたからねおれ」
木場田つぐみ:「ぼく自身の状況はめちゃくちゃ改善してるからね」しれっと、先の考えを頭の隅に放り込む。
安東邑:「でも、あの時。先輩と会えて、嬉しかったんですよ?」
木場田つぐみ:「人間、余裕がないとひどくなるもの。………」
安東邑:「何すか急に黙って」
木場田つぐみ:「はあ……そういうとこだよ」
安東邑:「ええ~~っ、ひどくないすかソレ!誰にでもこんくらい言うでしょ!」
安東邑:「だったら、先輩がきちんと注意してくださいよ!これからも!」
木場田つぐみ:「それ、大学とかそこら歩いてる人に聞いたらまあ半数以上は口説いてるんじゃない?っていうからな」
木場田つぐみ:ふぅ、とひといき。
安東邑:「......」げっそりとした顔。至って普通にしているだけだ。
木場田つぐみ:「ああ。まあ、それならだ」
木場田つぐみ:「今後ともよろしく、安東くん」
安東邑:「はい、頼りにしてます!つぐみ先輩!」
安東邑:「――もしよかったら、なんですけど。本当の”先輩”に、戻りませんか?」
木場田つぐみ:「ん……」少し考えて。
木場田つぐみ:「いや、やめとくよ。ぼくはもう、ここの大学の、木場田つぐみじゃない」
木場田つぐみ:「”ファケアノス”セルの、”カーマーゼン”」
木場田つぐみ:「それが、いまのぼくだからね」そう笑って。トレイをもって立ち上がる。
安東邑:「......そっか~。了解です」バックパックから出した、『入学申し込み』と書かれた書類を、一瞬で影の触手で切り刻む。≪十徳指≫。
木場田つぐみ:「……言っておくけど、キャンバスで色々したいとかそういうんじゃないよな?きちんと学ぶときはちゃんとするんだぞ」
安東邑:「何言ってるんすか。大学はちゃんと勉強するとこでしょ」至極真面目に返す。
安東邑:「先輩こそ何かやらしーこと考えてませんかァ~!?」
木場田つぐみ:「………ああ、うん。邪推だった」
木場田つぐみ:「………いっていいのかい?君の部屋から、随分と物音がするんだよな」
安東邑:「.........................」
木場田つぐみ:「大家さんとか、近所の人からどうなのって言われててね……?」
木場田つぐみ:「ああうん。これは邪推だよな。失礼しました」
安東邑:「ソーッスヨ」
木場田つぐみ:「大家さんには謝っておきなさい」
安東邑:「はい」
安東邑:(触手使うの、しばらく止めた方が良いよな......)
安東邑:一瞬で逆転した形勢に、ため息を吐く。
安東邑:「......まあ、でも。先輩が今は”ファケアノス”セルの一員だって言ってくれて、嬉しかったです」
木場田つぐみ:「当然だろ。ここから出たら普通に死んじゃうわぼく……というのもあるけど」
安東邑:「おれが死んだら、後のコト頼めますか?」さらりと出る願い。
木場田つぐみ:「………」
安東邑:「やっぱり、きちんと『切り捨てられる』先輩しかいないんです」
木場田つぐみ:「しょうがないなあ。まあもしそうなったら……あの二人も、きっといなくなるだろうけど」
木場田つぐみ:「任せな。……約束するよ」
木場田つぐみ:「ぼくが、君がいなくなった後ーー」
木場田つぐみ:「きっちり、上手く畳んでやる。君の夢が、誰かを泣かせるような悪夢に堕ちないように」

エンディング5:風が吹くように、ずっと

GM:───いろいろあって、日本から離れた場所に来ている。
猿喰 早耶:寝袋の中。君の隣で、温かいものがみじろぎをする。
猿喰 早耶:「ん。おはよ、少年。早起きだねー」
猿喰 早耶:「約束の時間まで、あとたっぷり一時間半はあるよ?」
猿喰 早耶:内モンゴル某所。
猿喰 早耶:草原のど真ん中。
安東邑:「メシ、早起きして作ってますから...目覚ましより早目に起きちゃうんすよ」さやさんの隣で、寝袋から身を起こす。
猿喰 早耶:……FH現極東マネージャーとのコンタクトを兼ねた"ちょっとした旅行"で、二人はいまここにいる。
猿喰 早耶:「んーぅ」
猿喰 早耶:もぞもぞと寝袋から這い出して、防寒着を羽織る。
猿喰 早耶:「いやぁ、やっぱり空気が変な味するなぁ」
安東邑:「だね~。寒くない?」彼女を後ろから抱く。
猿喰 早耶:「寒いなぁ」
安東邑:抱き締めた手には、小さな持ち運びマグが。
猿喰 早耶:「でも少年がいるから、いいかなぁ」
猿喰 早耶:マグを受け取って、両手で包むようにして一口啜る。
安東邑:「ふふ。これでもっとあったまるよ。ホットチョコ」
猿喰 早耶:…君の目の前にある髪は、今は砂にまみれていない。
猿喰 早耶:「んん。おいしー。いいね、すき」
安東邑:「でしょ~」髪を撫でる。
猿喰 早耶:君の腕の中で目を細める。
安東邑:「......変な感じだな。じゃりじゃりしない...失礼なこと言ってるのかも知れねーけど」
猿喰 早耶:「うん、ここ砂っぽくはないよねぇ。かわいてるけど」
猿喰 早耶:「もっと遠くにはバカ広い砂漠があるって」
安東邑:「あ~。ゴビ砂漠みたいなやつか」
猿喰 早耶:「そうそう、そのゴビ」
猿喰 早耶:「砂漠砂漠って変だよねー。ちょっと」
安東邑:「あっちの料理勉強したいんだよなあ。羊料理のレパートリーを増やしたいって...え」
安東邑:「ゴビって『砂漠』って意味なんだ。初めて知った」
猿喰 早耶:「そうそう。ちょっと草が生えてる……草が少ない?」
猿喰 早耶:「見たことはないんだけどねー」
猿喰 早耶:ホットココアをひとくち。きみに体重を預ける。
猿喰 早耶:「一緒に来たかったんだなぁ」
安東邑:「.....さやさんって、こっちらへんの出身?もしかして」
猿喰 早耶:「そだよ? 言ってなかったっけ?」
安東邑:「北の方って聞いて、はぐらかされてた気がする...」げっそりとした顔で。
安東邑:「そっか。さやさんのこと、また一つ知れたんだな、おれ」
猿喰 早耶:「監視の届きにくい場所だったから、向こうの管轄のなかから、こっちから指定しちった」
猿喰 早耶:「北でしょ?」
安東邑:「確かに北だけどさあ!」
安東邑:「……まずいわ。さやさんと居るとリラックスしすぎて仕事に支障出そう」
猿喰 早耶:「大物感出ていいんじゃないの? 少年」
猿喰 早耶:「…んんー。少年、少年かぁ」
安東邑:「ゴッドファーザーじゃないんだからさ~...どしたのどしたの」
猿喰 早耶:「ボスを少年呼びもないじゃん?」
猿喰 早耶:「これからそういうスジと会うしさぁ。だから」
猿喰 早耶:なんて呼ぶ? といって、目を細める。
安東邑:「おれ、正直な話...さやさんの『少年』呼びは普通に好きなんだけど」呼び方かぁ...と首をひねる。
安東邑:「ボス?は、何かしっくりこないな...来る?」
猿喰 早耶:「うーん。あんまりだにゃあ」
猿喰 早耶:「ご主人さま、リーダー、うーん」
猿喰 早耶:もぞもぞと背中が動く。
安東邑:「だよな~。そこまでの威厳身に着けた覚えないもん」焚火の世話をする。マシュマロをあぶって、さっとホットチョコに浸ける。
安東邑:「ご主人様はなんか変態くさくねえ?」
猿喰 早耶:「羊だし?」
安東邑:「......」
安東邑:「僕が邪でした」
猿喰 早耶:「めへぇー」やけに音域の広い鳴き真似。和音が聞こえる。
猿喰 早耶:「あのときさぁ」
猿喰 早耶:「名前名乗ったじゃん、"&U"くん?」
安東邑:「うん」溶けたマシュマロを、クッキーでサンド。ぎゅっと接着する。
安東邑:「まだあんま、実感ねーけど...」
猿喰 早耶:「じゃあきみはもうニルグィじゃないのだよ」
猿喰 早耶:「ニルグィは誰でもないって意味。むかしのあたしの名前」
安東邑:「...むかしの、さやさんの」
猿喰 早耶:「子供の名前だよ。悪いおばけがこないおまじないだ」
猿喰 早耶:「自分で名乗れば一人前。ましてやきみは一族の祖なわけだからさ」
猿喰 早耶:「ささぁ、どんといってごらんなさいよ」
安東邑:「ま、そりゃ、そうだよな...」照れた表情で。
安東邑:「それに、おれがちゃんとしてればさやさんが舐められることもないだろうし。いいよ」
猿喰 早耶:「よぉくいった」
猿喰 早耶:ほふほふと熱いクッキーサンドを食べる。
安東邑:「では、仕事中は”&U”と呼ぶよ―に。OK? ”プルウィス・エト・ウンブラ”。」
猿喰 早耶:「りょーかい。"&U"」
安東邑:「案外しっくり来るな。やっぱり名前って大事かも...」
猿喰 早耶:「でしょでしょ。そういうものなのだよ」
猿喰 早耶:「あたしの名前もね」
猿喰 早耶:"全て等しく一握の(プルウィス・エト・ウンブラ)"。
猿喰 早耶:「好きなのさ。君が運命だとか言ってくれたし?」
安東邑:「そりゃ流石に、あの時はそう思うでしょ。今も疑ってないよ」
猿喰 早耶:「きみはいいご主人さまだねえ」
安東邑:「何が起こっても、今こうしてさやさんと草むらボケーッ眺めてるのは間違いじゃないと思うよ」背中合わせで、こつんと頭を預ける。
猿喰 早耶:「間違いって言われたら泣いちゃうぞー」
安東邑:「いいご主人さまで居られると良いんだけど」柔らかく笑う。
安東邑:「...じっさい、セルリーダーとしてのおれはどう?」
猿喰 早耶:「わがんない」
安東邑:「わかんないか~」
猿喰 早耶:「大きな仕事してないじゃんさ? わかんないよね」
安東邑:「まあ、そっか...何回か小競り合いは制したけど、別にそれで仕事がどうこうなったわけでもないもんな~」
猿喰 早耶:「でも正しいとか正しくないじゃないですし?」
猿喰 早耶:「あたしはきみについてく。みんなもついてく」
安東邑:「うん」
猿喰 早耶:「それがまずは最初だし、大事なとこだと思うのなー」
猿喰 早耶:「これができないセルは悲惨よ? 雇われに後ろから頭をカチ割られたりして」
安東邑:「うん」
猿喰 早耶:「邑の頭はかち割らせないけど」
安東邑:「さやさん、たまにスッゲー怖い」笑う。
安東邑:「...一応、俺の頭がかち割られたときのことは、先輩に頼んであるから」
安東邑:「つぐみ先輩は、おれと違ってきちんと選べる人だよ。おれが居なくなっても、きちんとご飯食べて、長生きしてね」
猿喰 早耶:「用心深いのはいいこと」
猿喰 早耶:後ろ手に、あなたの上着の裾から指をすべりこませる。
猿喰 早耶:背中に爪をたてて抓る。
安東邑:「...いたっ」
猿喰 早耶:「でもいまは別。縁起でもないこといーわーなーいのー」
猿喰 早耶:「いまそれが起こったら、君残してあたしだけ逃げ帰る話なんだからさぁ」
猿喰 早耶:「泣くぞ?」
安東邑:「さやさんが泣くのは...あんま見たことないな。ちょっと見てみたいかも」冗談めかして笑う。
猿喰 早耶:「恐ければ泣くし、悲しければ泣くよぅ」
猿喰 早耶:「ずっとむかし、トラックに放り込まれてから。泣き虫なんだぞ」
安東邑:「......そっか。じゃあ、今までおれがさやさんの泣く所見てこなかったのは」
安東邑:彼女の手を、握り込むように体の前に回して繋ぐ。
安東邑:「すごく幸せなことだったんだな。ごめんね」
猿喰 早耶:「ま、怖いことは減ったけどにゃあ」
猿喰 早耶:「悲しいものは悲しいので、きょうもご安全に」
安東邑:「了解。ま、言っても...おれそこそこ強くなったし」
安東邑:「出来るだけの無理で、頑張るよ。今はさやさんがいるんだ」
猿喰 早耶:「頼りにしてくれてよいぞ」
安東邑:「頼りにしまくるよ。っつーか、殴る蹴るはおれの専門分野外だし...慣れない方がそりゃ良いんだけどさあ」
猿喰 早耶:「ま、そのうち慣れるよ」
猿喰 早耶:「なれた頃に役に立たなくなるかもしんないけど。それはそれでよくない?」
安東邑:「慣れるか......」ふと、風に運ばれてきた疑問を口にするように。
猿喰 早耶:「ん、どしたねー?」
猿喰 早耶:肩越しに、君を覗き込む。顎を肩にのせるようにして。
安東邑:「さやさんが、最初に人を殺した時の話を聞きたい」
安東邑:「...すげー嫌なことだと思うけど、色々知っておいた方が良い気がする」
安東邑:「『慣れる』の最後に行きつくのが、ひとまず...そこなわけだし」
猿喰 早耶:「そうだねえ…」
猿喰 早耶:「最初に殺したのは子供。あたしじゃないニルグィ」
安東邑:「そっか」肩口にのった頭をかき抱く。
猿喰 早耶:「でも自分で思って殺したのは、日本であたしを買ったやつ?」
猿喰 早耶:「おおぅ」
安東邑:「ごめん、こうしてたいだけだから。続けて」
猿喰 早耶:「ん」
猿喰 早耶:「キャンプで生き残って、船で遠くに売られたのね」
安東邑:「うん」
猿喰 早耶:「で、街の中で、買ったやつはこっちをナメてたわけ」
猿喰 早耶:「今だ! ってなるよね?」
安東邑:「さやさんは、そうだったんだね」苦笑する。
猿喰 早耶:「そう。それしかできることがなかったのね」
猿喰 早耶:「案外そうすると、あとは自由じゃないな」
猿喰 早耶:「きみは頭がいいなとちょっといま思ったよ」
猿喰 早耶:かおを、きみの胸に埋める。
安東邑:「...その後は、殺して、殺されかけて?」
猿喰 早耶:「そう。でも人殺すのは面倒だったり、嫌な人が多い」
猿喰 早耶:「やったらお金になるよね。あとは繰り返し」
安東邑:「...そんで最終的に、姉さんに拾われてって感じか...」
安東邑:――『沢山殺したよ』。その経緯を、自分から辿ることに意味があると思った。
安東邑:正義のヒーローとは真逆の、生きるために振るわれる拳。
猿喰 早耶:「そ。それからは知ってるよね」
猿喰 早耶:「ごはんをもらった」
猿喰 早耶:「うれしかったんだなぁ。ほんとだよ」
安東邑:「...知ってる」
安東邑:「知ってるさ」
安東邑:「さやさんが頑張って生きてきたこと、知ってる」
安東邑:「だから、貴女といる時だけは...おれは、自分が本物の正義のヒーローだってそう思いたいんだ。貴女を世界の辛いことから、全部守れるように」
安東邑:「だめかな」
猿喰 早耶:「ん?」
猿喰 早耶:不思議そうな顔をする。
猿喰 早耶:「いいぞ」
安東邑:「やったね」柔らかく笑う。
猿喰 早耶:「辛いことは多いよ。それから守るのは大変だ。でもさあ」
猿喰 早耶:身を寄せる。風が吹く。温まった体温を布地越しに感じる。
猿喰 早耶:「守れるかどうかっていうなら、割と守れてるぞー」
安東邑:顔を歪める。涙は零さない。ヒーローは、仮面の下で涙を隠すものだから。
安東邑:「約束するよ。おれ、さやさんの前では泣かない」
猿喰 早耶:「えいや」
猿喰 早耶:背中にまた爪を立てる。
安東邑:「いだっ。いだだ」
安東邑:「ってかマジで痛ェ!同じ場所狙ってない!?」
猿喰 早耶:「拷問にもコツがあってなー?」
猿喰 早耶:「あのね。あたしが最近泣かないのは辛くないからなのだよ」
安東邑:「ええ...?」
猿喰 早耶:「君がいるからだね」
安東邑:「...」
猿喰 早耶:「でも泣きたいのに泣かない人を見るのは辛いねー」
猿喰 早耶:「泣くぞ」
猿喰 早耶:「泣かせたい? そゆ趣味?」
安東邑:「いや......これはごめん。普通にごめん」
安東邑:「ヒーローって、仮面の下に涙を隠すものだからさ...さやさんの前では、そういたかったから」
安東邑:「...好きな人の前じゃ、見栄張りたくなるでしょ」
安東邑:あ~~~、と呟いて、頭をわしゃわしゃ掻く。
猿喰 早耶:「無理される方が困る」
猿喰 早耶:「とりあえずー、きょう、これからがお試しだねー
猿喰 早耶:「むちゃしたらつねる」
安東邑:「ガンバリマス」
安東邑:「...さやさんと一緒に居ると、リラックスしすぎるから困るよ」
安東邑:「ヒーローでいたいのに、そういられなくなる」
猿喰 早耶:「そこはがんばってにゃー。期待してるんだから」
猿喰 早耶:「かっこいいとこ」
安東邑:「ガンバリマス」力なく片手を上げる。
安東邑:「あ、そういえば。言うならここかなって思ってたんだけど」
安東邑:「セルリーダーって結婚してる人とかいるよね?普通に」
安東邑:「いや、まあ、数は少ないだろうけど...」
猿喰 早耶:「いるよね」
猿喰 早耶:「別に表の顔が町工場だったりレストランだったりするとこもあったし」
安東邑:「ん。じゃあ、結婚しよっか」風が西から東へ流れるように、言う。
安東邑:「つっても、おれが卒業してからになると思うけど」
猿喰 早耶:「いいよ」
猿喰 早耶:「旅行は南の国がいいな」
安東邑:「いいね。カメハメハ大王の歌とか歌って」
安東邑:「...一応、わけとか聞かなくて良いの?」
猿喰 早耶:「え、聞かなきゃだめ?」
猿喰 早耶:「たぶんまだ子供は産めるけど」
安東邑:「......まあ、ほぼ毎晩してるし......それは何となくわかるけど」
安東邑:「でも、そうできなくったって一緒に居たいよ」
猿喰 早耶:「ん」
猿喰 早耶:もぞりと身を寄せる。
安東邑:額に口づける。
安東邑:「さやさんが人を殺した分、おれが人を助けるよ」
安東邑:「...理由なんて、こんなもんだな」
猿喰 早耶:「わかった」
猿喰 早耶:「ありがとね」
猿喰 早耶:「邑」
安東邑:「うん。愛してるよ、早耶」
安東邑:「...てれる」
猿喰 早耶:笑い声が風に流れていった。
GM:───斯くして。
GM:少年の旅は始まるのだ。
GM:傲慢に、だけど真っ直ぐに誠実に
GM:何も取り落としたくない、そんな欲望のままに。

ダブルクロス3rd 『ファケアノスに抱かれるもの』 END